JP3440739B2 - 変速比無限大無段自動変速機 - Google Patents

変速比無限大無段自動変速機

Info

Publication number
JP3440739B2
JP3440739B2 JP05050597A JP5050597A JP3440739B2 JP 3440739 B2 JP3440739 B2 JP 3440739B2 JP 05050597 A JP05050597 A JP 05050597A JP 5050597 A JP5050597 A JP 5050597A JP 3440739 B2 JP3440739 B2 JP 3440739B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
range
transmission
gear ratio
predetermined value
reverse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05050597A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10246327A (ja
Inventor
昇 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP05050597A priority Critical patent/JP3440739B2/ja
Publication of JPH10246327A publication Critical patent/JPH10246327A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3440739B2 publication Critical patent/JP3440739B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無限大変速比を
実現可能な車両用の変速比無限大無段自動変速機に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】無段変速機に遊星歯車を組み合わせて無
限変速比を実現可能な無段自動変速機として、例えば特
開昭63ー219956号に示される無段自動変速機が
あり、その構成をスケルトンの形で表現したものを図
6、図7に示す。
【0003】これは、入力軸1、フルトロイダルを2つ
タンデムに接合した無段変速ユニット部(以下、CVU
と呼ぶ)2、シングルピニオン遊星歯車3、直結クラッ
チ4、動力循環クラッチ5、出力軸6、入力軸1と動力
循環クラッチ5の一方と接続する軸とで動力伝達する円
筒歯車組7、CVU2の出力と遊星歯車3のサンギアと
で動力伝達する円筒歯車組8を構成要素とする。
【0004】相互に回転可能な回転メンバーは、入力回
転メンバー11、CVU出力回転メンバー12、サンギ
ア回転メンバー13、キャリア回転メンバー14、出力
回転メンバー15、動力循環入力回転メンバー16であ
る。
【0005】回転メンバーと構成要素の関係は、入力回
転メンバー11は入力軸1とCVU2の入力部と円筒歯
車組7の一方で構成される。CVU出力回転メンバー1
2はCVU2の出力部と円筒歯車組8の一方で構成され
る。サンギア回転メンバー13は遊星歯車3のサンギア
と直結クラッチ4の一方と円筒歯車組8の他方で構成さ
れる。キャリア回転メンバー14は遊星歯車3のキャリ
アと動力循環クラッチ5の一方で構成される、出力回転
メンバー15は出力軸6と遊星歯車3のリングギアと直
結クラッチ4の他方で構成される。動力循環入力回転メ
ンバー16は動力循環クラッチ5の他方と円筒歯車組7
の他方で構成される。
【0006】この無段自動変速機は、Rレンジ(後進走
行レンジ)のときは、動力循環クラッチ5を締結し、直
結クラッチ4を非締結にした、動力循環モードとなって
いる。
【0007】後進方向に車両走行中は、リバースの変速
比が選択されている。この状態から車両停止する場合に
は、徐々に変速比を大きくしていき、最終的にはエンジ
ンが一定の回転速度すなわち本変速機の入力が一定の回
転速度を維持しながら、車両すなわち本変速機の出力が
停止している状態となる。いわゆるギアードニュートラ
ルを実現する(無限大変速比)。この状態では、動力循
環クラッチ5は滑ることはなく、締結されたままであ
る。発進するときは、この逆に変速比制御を行うが、ど
のような場合でも、動力循環クラッチ5は滑ることはな
い。
【0008】Dレンジ(前進走行レンジ)のときは、動
力循環クラッチ5を締結し、直結クラッチ4を非締結に
した、動力循環モードとなっている(直結モードの場合
を除く)。
【0009】前進方向に車両走行中は、前進の変速比が
選択されている。この状態から車両停止する場合には、
徐々に変速比を大きくしていき、最終的にはエンジンが
一定の回転速度すなわち本変速機の入力が一定の回転速
度を維持しながら、車両すなわち本変速機の出力が停止
している状態となる。いわゆるギアードニュートラルを
実現する(無限大変速比)。この状態では、動力循環ク
ラッチ5は滑ることはなく、締結されたままである。発
進するときは、この逆に変速比制御を行うが、どのよう
な場合でも、動力循環クラッチ5は滑ることはない。
【0010】動力循環モードにあっては、CVU2の変
速比を連続的に変化させることにより、後退からギアー
ドニュートラルを通過して前進まで連続的に変速機とし
ての変速比を変えることができる。
【0011】しかしながら、このようなギアードニュー
トラルはCVU2の変速比の特定の一点で実現するので
あって、これをはずれると、車両としては前進、後進の
いずれかとなる。仮に制御の安定性が悪く発振したりす
ると、前進、後進を繰り返し、振動を引き起こす可能性
がある。また、外乱によってギアードニュートラルがず
れる可能性もあるさらには、車両停止時にギアードニュ
ートラルにした場合には、いわゆるクリープ駆動力が無
くなり、坂道発進等での運転のしやすさが得られないこ
ととなる。
【0012】そこで、本発明人によって、Dレンジでは
有限の前進変速比に制御し、Rレンジでは有限の後進変
速比に制御し、車両停止時には動力循環クラッチ5を滑
らせる、すなわちギアードニュートラルを避けて、エン
ジンが一定の回転速度つまり本変速機の入力が一定の回
転速度を維持しながら、車両つまり本変速機の出力が停
止している状態を実現する方法が考えられている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法によれば、前記問題は解決されるが、Nレンジ
(ニュートラルレンジ)のときの変速比によっては、N
レンジからDレンジまたはRレンジへ選択された場合、
実際に駆動力が発生するまでの時間(セレクトタイムラ
グ)が長くなる場合があり、運転のしにくさとなる場合
がある。
【0014】例を挙げて説明すると、Nレンジにおける
変速比が、動力循環モードでの前進の最高段変速比と仮
定する。この場合、NレンジからRレンジへ選択される
と、まず動力循環モードでの前進の最高段変速比からR
レンジの車両停止時(または発進時)に規定される後進
変速比へと変速比が変更される。変更されたことを確認
した後、発進要素(動力循環クラッチ5)の伝達トルク
を高めていき、所定の伝達トルクとする制御が行われ
る。
【0015】即ち、発進要素の締結に要する時間の他
に、動力循環モードでの前進の最高段変速比から後進変
速比までの変速時間が必要となる。Rレンジの後進変速
比はCVU2の一方の変速比(負の変速比)の極に設定
し、前進の最高段変速比CVU2の他方の変速比の極で
あるから、この場合には、CVU2の極から極へと全変
速比幅の変速となり、したがって変速に必要な時間は最
大となる。
【0016】そもそも、運転者は運転の経過と共にセレ
クトタイムラグがどれだけあるかを学習し、操作を行う
が、Nレンジのときの変速比によって、セレクトタイム
ラグにバラツキがあると、扱いにくくなる。また、セレ
クトタイムラグが長いと、その分アクセル操作等、次の
操作までの待ち時間が長くなり、運転者に不快感を与え
かねないのである。
【0017】この発明は、このような問題点を解決する
ことを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、運転者が
選択可能な前進レンジ、後進レンジ、動力伝達の生じな
いニュートラルレンジを有し、無段変速ユニットに遊星
歯車を組み合わせて前進から後進まで変速比を無限大変
速比を含んで連続的に制御可能な変速ユニットを有する
車両の無段自動変速機において、ニュートラルレンジ時
の変速ユニットの変速比を第1の所定値、前進レンジの
発進時の変速ユニットの変速比を有限の第2の所定値、
後進レンジの発進時の変速ユニットの変速比を有限の第
3の所定値とした場合、第1の所定値を第2の所定値と
第3の所定値の中央値に設定とすると共に、滑り回転を
許容する発進要素を設け、前進レンジまたは後進レンジ
に切換えたときに、変速機入力に対して、変速機出力が
停止している状態を保つように発進要素を制御する制御
手段を設ける。
【0019】また、第2の発明は、運転者が選択可能な
前進レンジ、後進レンジ、動力伝達の生じないニュート
ラルレンジを有し、無段変速ユニットに遊星歯車を組み
合わせて前進から後進まで変速比を無限大変速比を含ん
で連続的に制御可能な変速ユニットを有する車両の無段
自動変速機において、ニュートラルレンジ時の変速ユニ
ットの変速比を第1の所定値、前進レンジの発進時の変
速ユニットの変速比を有限の第2の所定値、後進レンジ
の発進時の変速ユニットの変速比を有限の第3の所定値
とした場合、第1の所定値を第2の所定値と第3の所定
値の間で第2の所定値側に設定とすると共に、滑り回転
を許容する発進要素を設け、前進レンジまたは後進レン
ジに切換えたときに、変速機入力に対して、変速機出力
が停止している状態を保つように発進要素を制御する制
御手段を設ける。
【0020】また、第3の発明は、運転者が選択可能な
前進レンジ、後進レンジ、動力伝達の生じないニュート
ラルレンジを有し、無段変速ユニットに遊星歯車を組み
合わせて前進から後進まで変速比を無限大変速比を含ん
で連続的に制御可能な変速ユニットを有する車両の無段
自動変速機において、ニュートラルレンジ時の変速ユニ
ットの変速比を第1の所定値、前進レンジの発進時の変
速ユニットの変速比を有限の第2の所定値、後進レンジ
の発進時の変速ユニットの変速比を有限の第3の所定値
とした場合、第1の所定値を第2の所定値と第3の所定
値の間で無限大変速比に設定とすると共に、滑り回転を
許容する発進要素を設け、前進レンジまたは後進レンジ
に切換えたときに、変速機入力に対して、変速機出力が
停止している状態を保つように発進要素を制御する制御
手段を設ける
【0021】第4の発明は、第1ないし第3の発明のい
ずれか一つにおいて、発進要素を、変速機出力側に設け
る。
【0022】
【発明の効果】第1の発明によれば、ニュートラルレン
ジの変速比が前進発進時の変速比と後進時の変速比の中
央値に設定されるため、ニュートラルレンジから前進レ
ンジが選択されたときと、ニュートラルレンジから後進
レンジが選択されたときとで、ほぼセレクトタイムラグ
が同じになり、セレクトタイムラグが長くなったり、バ
ラツクのが解消され、良好な運転操作性が確保される。
【0023】また、発進要素により、坂道発進等で運転
がしやすくなり、前進レンジおよび後進レンジに有限の
変速比に設定するので、前後進の振動は確実に防止され
る。
【0024】第2の発明によれば、前進時の操作性が向
上される。
【0025】第3の発明によれば、エンジンのストール
が確実に回避される。
【0026】第4の発明によれば、変速機出力側に設け
た発進要素により、運転操作性が向上される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0028】図1は、エンジン20の動力を伝達する無
段自動変速機の概略構成を示しており、1は入力軸、2
はトロイダル型の無段変速ユニット部(CVU)、3は
遊星歯車、4は直結クラッチ、5は動力循環クラッチ、
6は出力軸、7,8は円筒歯車組、21は出力ギヤ、2
2は差動ギヤ、23はタイヤである。
【0029】この入力軸1、CVU2、遊星歯車3、直
結クラッチ4、動力循環クラッチ5、出力軸6、円筒歯
車組7,8により変速ユニットが構成される。変速ユニ
ットの出力部には、湿式多板クラッチ24が介装され
る。
【0030】エンジン20により駆動されるポンプ25
からの圧油はバルブ手段26に導かれ、バルブ手段26
から直結クラッチ4、動力循環クラッチ5、湿式多板ク
ラッチ24、CVU2の変速を行う変速比制御部27
に、それぞれ制御圧が供給される。
【0031】図2のように、コントロールユニット30
からバルブ手段26へ制御信号が出力される。
【0032】CVU2の変速比を観測するために、入力
回転メンバー11(入力軸1とCVU2の入力部と円筒
歯車組7の一方で構成)、CVU出力回転メンバー12
(CVU2の出力部と円筒歯車組8の一方で構成)の回
転速度を検出する回転センサ31,32が設けられる。
【0033】湿式多板クラッチ24の滑り回転速度を観
測するために、リングギア回転メンバー17(遊星歯車
3のリングギアと湿式多板クラッチ24の一方で構
成)、出力回転メンバー15(出力軸6と湿式多板クラ
ッチ24の他方で構成)の回転を検出する回転センサ3
3,34が設けられる。
【0034】また、運転者の意志を確認する手段とし
て、図示しないシフトレバーの位置を検出する各走行レ
ンジスイッチ35が設けられる。
【0035】これらの検出信号はコントロールユニット
30に入力され、コントロールユニット30によって、
バルブ手段26を介して直結クラッチ4、動力循環クラ
ッチ5、湿式多板クラッチ24、CVU2の変速を行う
変速比制御部27への各制御圧が制御される。
【0036】なお、前図5、図6と同一の構成のものに
は同一の符号を付してある。
【0037】次に、制御方法と作用を説明する。
【0038】図3に、運転者が選択する走行レンジと変
速機の動力伝達モードおよび直結クラッチ4、動力循環
クラッチ5、湿式多板クラッチ24の締結論理を示す。
Nレンジ(ニュートラルレンジ)、Pレンジ(パーキン
グレンジ)では、動力循環クラッチ5が選択され、直結
クラッチ4と湿式多板クラッチ24は非締結状態であ
る。Rレンジ(後進走行レンジ)では動力循環モードで
あり、変速比は後進の有限の値が選択され、動力循環ク
ラッチ5と湿式多板クラッチ24が選択される。Dレン
ジ(前進走行レンジ)の動力循環モードでは、変速比は
前進の値が選択され、動力循環クラッチ5と湿式多板ク
ラッチ24が選択される。
【0039】Nレンジ(およびPレンジ)のときの変速
比(第1の所定値)は、動力循環モードのDレンジの発
進時の変速比(第2の所定値)と、Rレンジのときの変
速比(第3の所定値:負の変速比)に対して、第3の所
定値<第1の所定値<第2の所定値、かつ第2の所定値
と第3の所定値のほぼ中央値に設定されている。
【0040】図4、図5に、Nレンジ、Pレンジおよび
発進時の制御フローを示す。
【0041】まず最初に、ステップ1〜3にてNレンジ
のときの変速比(第1の所定値)と、Dレンジの発進時
の変速比(第2の所定値)と、Rレンジのときの変速比
(第3の所定値)が読み取られる。
【0042】NレンジまたはPレンジが選択されている
エンジン20のアイドリング時には、ステップ4〜9に
て動力循環クラッチ5が締結され、変速比が第1の所定
値に、つまりCVU出力回転メンバー12の回転速度
(Ncvt)が第1の目標値(変速比の第1の所定値から
換算)となるように、バルブ手段26を介してCVU2
の変速比制御部27への制御圧がフィードバック制御さ
れる。
【0043】次に、この状態からDレンジが選択される
と、ステップ10,11にてCVU出力回転メンバー1
2の回転速度(Ncvt)の目標値(NCVT)が第1の
目標値から第2の目標値(変速比の第2の所定値から換
算)に変更され、ステップ14〜16にて変速比が第2
の所定値に、つまりCVU出力回転メンバー12の回転
速度(Ncvt)が第2の目標値となるように、バルブ手
段26を介してCVU2の変速比制御部27への制御圧
がフィードバック制御される。これにより、CVU2が
前進発進時の変速比に制御される。
【0044】そして、CVU出力回転メンバー12の回
転速度(Ncvt)が第2の目標値となると、ステップ1
7〜22にてリングギア回転メンバー17の回転速度
(Nr)と出力回転メンバー15の回転速度(Nout:
変速機の出力軸6の回転速度)と入力回転メンバー11
の回転速度(Nin:エンジンの回転速度)とが読み取ら
れ、リングギア回転メンバー17の回転速度(Nr)と
出力回転メンバー15の回転速度(Nout)から湿式多
板クラッチ24の相対回転δNcが計算され、予め定め
たマップからエンジンの回転速度Ninに対する目標相対
回転δNCが読み込まれると共に、ステップ23,24
にて湿式多板クラッチ24の相対回転δNcがその目標
相対回転δNCとなるように、バルブ手段26を介して
湿式多板クラッチ24への制御圧がフィードバック制
御、即ち湿式多板クラッチ24が作動される。
【0045】この場合、エンジンの略アイドリング回転
速度に対して、変速機の出力軸6の回転を停止させると
共に、所定のクリープトルクを発生させるように、湿式
多板クラッチ24の滑りが制御される。
【0046】また、Rレンジが選択されると、ステップ
12,13にてCVU出力回転メンバー12の回転速度
(Ncvt)の目標値(NCVT)が第1の目標値から第
2の目標値(変速比の第3の所定値から換算)に変更さ
れ、ステップ14〜16にて変速比が第3の所定値に、
つまりCVU出力回転メンバー12の回転速度(Ncv
t)が第3の目標値となるように、バルブ手段26を介
してCVU2の変速比制御部27への制御圧がフィード
バック制御される。これにより、CVU2が後進時の変
速比に制御される。
【0047】そして、CVU出力回転メンバー12の回
転速度(Ncvt)が第3の目標値となると、ステップ1
7〜22にてリングギア回転メンバー17の回転速度
(Nr)と出力回転メンバー15の回転速度(Nout:
変速機の出力軸6の回転速度)と入力回転メンバー11
の回転速度(Nin:エンジンの回転速度)とが読み取ら
れ、リングギア回転メンバー17の回転速度(Nr)と
出力回転メンバー15の回転速度(Nout)から湿式多
板クラッチ24の相対回転δNcが計算され、予め定め
たマップからエンジンの回転速度Ninに対する目標相対
回転δNCが読み込まれると共に、ステップ23,24
にて湿式多板クラッチ24の相対回転δNcがその目標
相対回転δNCとなるように、バルブ手段26を介して
湿式多板クラッチ24への制御圧がフィードバック制
御、即ち湿式多板クラッチ24が作動される。
【0048】この場合、エンジンの略アイドリング回転
速度に対して、変速機の出力軸6の回転を停止させると
共に、所定の伝達トルクを発生させるように、湿式多板
クラッチ24の滑りが制御される。
【0049】したがって、Dレンジ、Rレンジに切換え
た場合に、エンジンが一定の回転速度即ち本変速機の入
力が一定の回転速度を維持しながら、車両即ち本変速機
の出力が停止している状態が実現されると共に、所定の
クリープ力が得られる。
【0050】そして、エンジンのスロットル弁が開けら
れ、エンジンの回転が上昇されると、エンジンの回転に
応じて、湿式多板クラッチ24の締結トルクを増大して
いくよう、湿式多板クラッチ24への制御圧が制御さ
れ、車両の発進が行われる。
【0051】なお、図4、図5にてCVU出力回転メン
バー12の回転速度を目標値にCVU2の変速比を制御
しているが、変速比を目標値とおいても良い。
【0052】このように、Dレンジ、Rレンジが選択さ
れたときに、該当する変速比への変更が行われ、湿式多
板クラッチ24が制御されるのであり、Nレンジ(およ
びPレンジ)の変速比がDレンジ発進時の変速比とRレ
ンジの変速比のほぼ中央値に設定されるため、Nレンジ
からDレンジが選択されたときと、NレンジからRレン
ジが選択されたときとで、ほぼセレクトタイムラグが同
じになり、またセレクトタイムラグが短縮される。
【0053】Nレンジでは、次に運転者がDレンジを選
ぶか、Rレンジを選ぶかについては予測できないが、N
レンジからDレンジが選ばれ、変速比の第2の所定値に
至るまでの時間(Dレンジセレクトタイムラグ)と、N
レンジからRレンジが選ばれ、変速比の第3の所定値に
至るまでの時間(Rレンジセレクトタイムラグ)を同じ
とするのが、セレクトタイムラグが長くなる場合が発生
しないようにするために最も合理的である。
【0054】即ち、第1の所定値を第2の所定値と第3
の所定値のほぼ中央値とすることで、セレクトタイムラ
グのバラツキを解消でき、セレクトタイムラグが長くな
るのを防止でき、これにより良好な運転操作性を得るこ
とができる。
【0055】また、もちろん、坂道発進等で運転がしや
すくなり、DレンジおよびRレンジにあるときに有限の
変速比に設定するので、制御の安定性が悪く発振したと
しても、あるいは外乱があっても、前後進の振動を確実
に防止できる。
【0056】なお、動力循環モードは、Dレンジにある
とき、所定の運転域等に直結モードに切換るようになっ
ている。
【0057】ところで、第1の所定値を、車両停止時に
第2の所定値と第3の所定値の中央値よりも第2の所定
値側に設定しても良い。このようにすれば、Nレンジか
らDレンジへの選択が、NレンジからRレンジへの選択
よりも、使用頻度が高いDレンジセレクトタイムラグを
小さくでき、操作しやすくなる。
【0058】また、第1の所定値を、車両停止時に無限
大変速比に設定しても良い。この場合、Nレンジにおい
て、湿式多板クラッチ24が誤って締結されても、車両
が動くことはなく、エンジンがストールすることもな
い。
【0059】なお、湿式多板クラッチ24を発進要素と
したが、湿式多板クラッチ24を用いず、動力循環クラ
ッチ5にその機能を兼ねさせても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の概略構成図である。
【図2】制御系統のブロック図である。
【図3】走行レンジと動力伝達モードとクラッチの締結
論理を示す表図である。
【図4】制御内容を示すフローチャートである。
【図5】制御内容を示すフローチャートである。
【図6】従来例の無段自動変速機の概略構成図である。
【図7】その無段自動変速機の回転メンバーを示す構成
図である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 無段変速ユニット部(CVU) 3 遊星歯車 4 直結クラッチ 5 動力循環クラッチ 6 出力軸 7,8 円筒歯車組 11 入力回転メンバー 12 CVU出力回転メンバー 13 サンギア回転メンバー 14 キャリア回転メンバー 15 出力回転メンバー 16 動力循環入力回転メンバー 17 リングギア回転メンバー 20 エンジン 21 出力ギヤ 22 差動ギヤ 23 タイヤ 24 湿式多板クラッチ 25 ポンプ 26 バルブ手段 27 変速比制御部 30 コントロールユニット 31,32,33,34 回転センサ 35 走行レンジスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 F16H 37/00 - 37/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運転者が選択可能な前進レンジ、後進レン
    ジ、動力伝達の生じないニュートラルレンジを有し、無
    段変速ユニットに遊星歯車を組み合わせて前進から後進
    まで変速比を無限大変速比を含んで連続的に制御可能な
    変速ユニットを有する車両の無段自動変速機において、 ニュートラルレンジ時の変速ユニットの変速比を第1の
    所定値、前進レンジの発進時の変速ユニットの変速比を
    有限の第2の所定値、後進レンジの発進時の変速ユニッ
    トの変速比を有限の第3の所定値とした場合、第1の所
    定値を第2の所定値と第3の所定値の中央値に設定とす
    ると共に、滑り回転を許容する発進要素を設け、前進レ
    ンジまたは後進レンジに切換えたときに、変速機入力に
    対して、変速機出力が停止している状態を保つように発
    進要素を制御する制御手段を設けたことを特徴とする変
    速比無限大無段自動変速機。
  2. 【請求項2】運転者が選択可能な前進レンジ、後進レン
    ジ、動力伝達の生じないニュートラルレンジを有し、無
    段変速ユニットに遊星歯車を組み合わせて前進から後進
    まで変速比を無限大変速比を含んで連続的に制御可能な
    変速ユニットを有する車両の無段自動変速機において、 ニュートラルレンジ時の変速ユニットの変速比を第1の
    所定値、前進レンジの発進時の変速ユニットの変速比を
    有限の第2の所定値、後進レンジの発進時の変速ユニッ
    トの変速比を有限の第3の所定値とした場合、第1の所
    定値を第2の所定値と第3の所定値の間で第2の所定値
    側に設定とすると共に、滑り回転を許容する発進要素を
    設け、前進レンジまたは後進レンジに切換えたときに、
    変速機入力に対して、変速機出力が停止している状態を
    保つように発進要素を制御する制御手段を設けたことを
    特徴とする 変速比無限大無段自動変速機。
  3. 【請求項3】運転者が選択可能な前進レンジ、後進レン
    ジ、動力伝達の生じないニュートラルレンジを有し、無
    段変速ユニットに遊星歯車を組み合わせて前進から後進
    まで変速比を無限大変速比を含んで連続的に制御可能な
    変速ユニットを有する車両の 無段自動変速機において、 ニュートラルレンジ時の変速ユニットの変速比を第1の
    所定値、前進レンジの発進時の変速ユニットの変速比を
    有限の第2の所定値、後進レンジの発進時の変速ユニッ
    トの変速比を有限の第3の所定値とした場合、第1の所
    定値を第2の所定値と第3の所定値の間で無限大変速比
    に設定とすると共に、滑り回転を許容する発進要素を設
    け、前進レンジまたは後進レンジに切換えたときに、変
    速機入力に対して、変速機出力が停止している状態を保
    つように発進要素を制御する制御手段を設けたことを特
    徴とする 変速比無限大無段自動変速機。
  4. 【請求項4】前記発進要素を、変速機出力側に設けたこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つ
    記載の変速比無限大無段自動変速機。
JP05050597A 1997-03-05 1997-03-05 変速比無限大無段自動変速機 Expired - Fee Related JP3440739B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05050597A JP3440739B2 (ja) 1997-03-05 1997-03-05 変速比無限大無段自動変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05050597A JP3440739B2 (ja) 1997-03-05 1997-03-05 変速比無限大無段自動変速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10246327A JPH10246327A (ja) 1998-09-14
JP3440739B2 true JP3440739B2 (ja) 2003-08-25

Family

ID=12860826

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05050597A Expired - Fee Related JP3440739B2 (ja) 1997-03-05 1997-03-05 変速比無限大無段自動変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3440739B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000179669A (ja) * 1998-12-18 2000-06-27 Mazda Motor Corp パワートレインの制御装置
JP4378991B2 (ja) 2003-04-10 2009-12-09 日本精工株式会社 無段変速装置
JP2008105622A (ja) * 2006-10-27 2008-05-08 Toyota Central R&D Labs Inc ハイブリッド車両の駆動装置
US20150252882A1 (en) * 2012-11-26 2015-09-10 Honda Motor Co., Ltd. Stepless transmission

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10246327A (ja) 1998-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3083310B2 (ja) 始動機能付エンジン動力伝達装置
US7473202B2 (en) Continuously variable dual mode transmission
US6102830A (en) Shift control device for automatic transmission
JPH0210302B2 (ja)
US5730683A (en) Shift control method for automatic transmission and apparatus thereof
JP2502241Y2 (ja) Vベルト式無段変速機のライン圧制御装置
JP3440739B2 (ja) 変速比無限大無段自動変速機
JP4857660B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP2001330128A (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP2001235022A (ja) 変速比無限大無段変速機の変速制御装置
JPH04140561A (ja) 自動変速機の制御装置
JPH02157437A (ja) エンジンの動力伝達装置
JP2862756B2 (ja) 車両用手動変速装置及びその制御方法
JPH10246326A (ja) 無段自動変速機の制御方法
JP2000193077A (ja) 変速比無限大無段変速機の変速制御装置
JP2646651B2 (ja) 無段変速装置
JP6645443B2 (ja) バリエータ支援変速機及びそのような変速機の始動制御方法
JP2526955B2 (ja) 無段変速装置付の駆動システム
JP2522219B2 (ja) 無段変速機のクラッチ制御機構
JP3157267B2 (ja) 車両の動力伝達装置
JPH11247983A (ja) 変速比無限大無段変速機の変速御装置
JP3157188B2 (ja) 車両の動力伝達装置
JP3009502B2 (ja) 車両の動力伝達装置
KR100298751B1 (ko) 무단변속장치
WO2002057651A2 (en) Continuously variable transmission having high transmission efficiency and durability

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080620

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090620

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees