JP3439763B2 - 合成tRNA - Google Patents

合成tRNA

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JP3439763B2
JP3439763B2 JP50522593A JP50522593A JP3439763B2 JP 3439763 B2 JP3439763 B2 JP 3439763B2 JP 50522593 A JP50522593 A JP 50522593A JP 50522593 A JP50522593 A JP 50522593A JP 3439763 B2 JP3439763 B2 JP 3439763B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は一般的にはペプチドのイン・ビトロでの合成
に関するものであり、より具体的には、合成tRNA種を用
いての大腸菌リボゾーム上での発生期ペプチドの合成に
関するものである。
科学者たちは長い間、生きている細胞外での効率的に
蛋白質を修正したりつくりだしたりすることを可能にす
る方法の開発と取り組んできた。こうした努力のひとつ
の技術的な内容は酵素によるアミノアシル化のための変
更アンチコドンあるいは認識部位によるtRNAの修正であ
る。この修正されたtRNAは一連の修正tRNAのそれぞれに
よって読み取ることができる単一の新しいコドンを発生
させることにより、蛋白質の目標部位の種々のアミノ酸
の置換を比較的簡単にしてくれる。
一連の修正tRNAを、それぞれ別のアミノ酸に対してひ
とつずつ用いることにより、特定のアミノ酸を蛋白質の
標的部位に組み込ませることができる。ほとんどの環境
の下では、どの系でも唯一種類の蛋白質が合成されるだ
けであるが、ポリペプチドの活性に対するアミノ酸置換
の影響は、各アミノ酸置換のためのクローンをつくらな
くても、そして、多くの場合表現と、それに続くもとの
細胞内につくりだされる蛋白質のテストに関する問題と
直面せずに、直接測定することができる。
最終的には蛋白質の三次構造をそのアミノ酸配列から
推定する能力がより向上した時に、わずか20のコドンを
含んでいるmRNAを、それに対するコドンが万能遺伝暗号
内に存在している20種類の自然由来のアミノ酸のそれぞ
れに対してひとつのコドンを用いることにより、完全に
設計した通りの蛋白質をつくりだすことができるように
なるであろう。また、未使用の41のコドンの一部に対す
るアンチコドンを含んでいる修正tRNAを用いることで、
蛋白質のひとつ、あるいは複数のより特殊なサイトにア
ミノ酸を組み込むこともできる。さらに酵素によってで
はなく、化学的な方法による修正mRNAのアミノアシル化
を用いることによって、自然由来の対応部分を持ってい
ないアミノ酸をこれら『人工蛋白質』に組み入れること
も可能になるであろう。これにより、生きた生物の体内
では起き得ない接触メカニズムや基質を用いる人工酵素
の設計、テストおよび生産も可能になるであろう。
特殊なアミノ酸を用いてのtRNAのアシル化は、化学反
応でも酵素反応でも行うことができるが、後者の場合は
アミノアシル−tRNA合成酵素(AS)を用いて行われる。
tRNAの化学的アミノアシル化に関する手順はすでに公知
である。S.A.Robertsonら(1989)Nucl.Acid Res.17:96
49−9660;M.Hagenら(1988)J.Org.Chem.53:5040−504
5。
生体システムにおいては、ASはアミノアシル化される
べきアミノ酸とtRNAの両方を高い個別性を持って識別し
なければならない。ASによるtRNA種の認識はtRNAにおけ
る特殊な構造的特徴に基づいている。種々のtRNAにおい
て、その同族ASによる認識を規定する単一の、構造的特
徴の組み合わせが存在するわけではない。C.de Duve(1
988)Nature 333:117−118。tRNAに関する構造的特徴の
多くは、種々の生物における特定のtRNA種に対して、非
常に限定的に保存されているのではないようである。合
成tRNAのアミノアシル化に関する個別性におけるかなり
の変異が大腸菌、イースト菌、およびウサギ網状赤血球
から得られるASを使って見いだされており、さらにアミ
ノアシル化を行うための条件(塩およびスペルミンまた
はスペルミジン濃度、温度)においてもいろいろの変異
が認められている。同族ASよるtRNA認識に関するいくつ
かの原理が認められ始めている。一部のASはアンチコド
ンのすべてに関して厳しい要求を持っているようである
が、他のものはアンチコドンの一部を認識するだけであ
る。Met−tRNAASはCAUアンチコドンに対する依存性が極
めて高いようである(G.Ghoshら(1990)Biochem.29:22
20−2225);他のtRNAに対するASはアンチコドンの第二
または第三ヌクレオチドを必要とする場合がある。
他のアミノ酸の場合、アンチコドンに依存してはいる
が、tRNA構造のどこかに存在しているポジティブな認識
部位、場合によってはネガティブは認識部位に対応する
tRNAの特徴を識別できるようである。SchimmelおよびHo
uによる実験結果は、tRNAAlaというアミノ酸幹のG3−C7
0塩基対はAla−tRNA ASに対する主要認識部位である。
Y.M.Houら(1988)Nature 333:140−145。
今では、酵素によってアミノアシル化され、無細胞翻
訳システムにおいて用いることができる合成tRNAを設
計、生産することが潜在的には可能になっている。これ
らの合成tRNAはリボゾーム機能、特にリボゾーム内部で
の発生期ペプチドの動きと、その積極的な確認にとって
重要な価値を持つ可能性がある。発生期ペプチドがリボ
ゾーム内で形成される時の正確な位置と確認の機序は現
在までまだ解明されていない。
発明の要約 したがって、本発明の目的のひとつは合成tRNAの提供
である。
本発明のもうひとつの目的は合成tRNAをつくりだす方
法の提供である。
本発明のさらに別の目的は、合成tRNAを用いて、イン
・ビトロで強化ポリペプチドを提供することである。
本発明によれば、tRNACys,tRNASer,tRNAe AlaおよびtR
NAi Alaは図1A−Dに示されているDNA配列によってコー
ド化される。
図面の簡単な説明 新規性を有すると信じられるこの発明の特徴について
は添付する特許請求の範囲に明記されている。しかしな
がら、発明自体と、その目的および利点は、以下の説明
と関連図面とを参照することによって理解することがで
きるであろう。
図1はpCYS,pSER,pALAおよびpFMETの配列を示してい
る。tRNACys(GCA)およびtRNASer(GGA)の配列はM.Sp
rinzlら(1984)Nucl.Acid Res.12:r1−r131からのもの
である。制限部位および17塩基T7 RNAポリメラーゼ・プ
ロモーターの位置が示されている。それぞれの配列の上
に示されている文字は置き換えられた野生型配列におけ
るヌクレオチドを示している。それぞれのtRNAで、AAA
アンチコドンに下線が付してある。1A:tRNACys(AAA)
遺伝子(pCYSまたはSEQ.ID.No.1)はアニールされ、Hin
d III/Bam H I−消化pUC18に結さくされた4つの合成
オリゴマーから構成されたものである。これら4つのオ
リゴマーはpCYS配列の上および下の実線で示してある。
pCYSの上の星印は塩基が挿入された箇所を示している。
1B:tRNASer(AAA)遺伝子(pSERまたはSEQ.ID.NO.2)は
2つの特殊なプライマーを用いたPCRによって大腸菌ゲ
ノムからのtRNASer(GGA)遺伝子をコピーすることによ
って構成された。これらのPSER配列の上と下の実線で示
してある。pSERで、TからAへの置換はアミノアシル化
を増大することで行われた。1C:tRNAe Ala(AAA)遺伝子
(pALAまたはSEQ.ID.NO.3)はPCRによって大腸菌からの
tRNAAla(GGC)遺伝子をコピーすることによって構成さ
れた。1D:tRNAi Ala(AAA)遺伝子(pFMETまたはSEQ.ID.
NO.4)はPCRによって大腸菌からのtRNAf Met(CAT)をコ
ピーすることによって構成された。PFMET配列の上の星
印は塩基が挿入された箇所を示す。
図2はポリ(U)方向への伸長中の発生期ペプチドの
アミノ末端におけるプローブからの蛍光異方性を示して
いる。ポリペプチド合成はCPM−Phe−tRNA(A)または
CPM−Ser−tRNA(B)を用い、異方性を繰り返しモニタ
ーすることによって開始された。AとBとで、ポリフェ
ニルアラニン合成は三角形と点線 で、ポリシステイン合成は白丸と破線 で、そしてポリセリン合成は黒丸と実線 でそれぞれ示してある。異方性の測定は20℃の温度下、
385nmの波長での蛍光励起と475nmの波長での放射を60分
続けることによって行われる。
図3はtRNAe Ala(AAA)を用いての、ポリアラニンの
ポリ(U)指向合成を示している。ポリアラニンの合成
を促進するために、tRNAi Ala(AAA)の0.3A260(オープ
ン・シンボル)または0.1A260 tRNAe Ala(AAA)(クロ
ースド・シンボル)を伸長(elongator)tRNAとして最
終体積0.1mlで用いて、AcPhe−tRNA(0.5μM)をポリ
(U)−プログラム化リボゾーム(0.5μM)に予め結
合された。[14C]アラニンの組み込みは、図示されて
いる時間だけ37℃の温度下で培養した後、0.5M NaOHで
すべてのアミノアシル化されたtRNAを脱アシル化し、そ
の後、ポリアラニンを5ml氷冷10%トリクロロ酢酸に浸
し、沈殿物の放射活性を測定することによって行われ
た。比較の目的で、4μMエリスロマイシンの存在下で
のポリアラニン合成の測定も行われた 図4は遊離およびリボゾーム結合エロンゲータおよび
イニシエータCPM−Ala−tRNAAla(AAA)の放射スペクト
ルを示している。A.測定は最終体積600μlで遊離tRNA とリボゾーム結合 tRNAに関して行われた。リボゾームを加えた後、反応混
合物を37℃の温度下で15分間培養した。385nmの励起波
長を用いて、20℃の温度下で、蛍光測定が行われた。測
定終了後、エリスロマイシンを最終濃度が4μMとなる
ように加え、各リボゾーム結合tRNAのスペクトルに対す
るエリスロマイシン結合の影響を測定した B.別の実験で、リボゾーム結合後の各tRNAの放射スペク
トルが測定された。その後、スパルソマイシンが加えら
れた(最終濃度=5μM)。放射スペクトルが測定され
た。その後、ピューロマイシンを加えて、0.05mMの濃度
とした。そして再度、放射スペクトルの測定が行れてい
ピューロマイシンの存在下で放射スペクトルを測定した
後、ピューロマイシン反応性を示す異方性の低下が起き
ていないことを確認するために、各サンプルの蛍光異方
性の測定が行われた。
好ましい実施例の説明 最終的なペプチド生成物がどのように組み込まれるか
を判定する場合、リボゾームから伸長した時点での、発
生期ペプチドの構造が重要な意味を持つらしい。天然の
mRNAからつくりだされる一部の、おそらくはすべての発
生期ペプチドが大型リボゾーム・サブユニット外面の、
ペプチジルトランスフェラーゼ中心部に対して遠位点で
そのリボゾームから出ていくという強力な証拠が報告さ
れている。C.Bernaeuら(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 79:3111−3115。発生期ペプチドの30−40のアミノ酸
を含んでいる部分がリボゾームによるプロトコリシス
(protcolysis)から保護されている。L.I.Makinら(19
67)J.Mol.Biol.26:329−346。これはペプチジルトラン
セフェラーゼ中心部および出口領域との間に広がるのに
必要な長さを反映しているかもしれない。
天然の発生期ペプチドがペプチジルトランセフェラー
ゼ中心部を離れる時の構造はまだ知られていない。W.D.
Pickingら(1990)J.Biol.Chem.266:1534−1542)は伸
長しつつある発生期フェニルアラニンとリシンが、それ
ぞれポリ(U)およびポリ(A)と組み合わされている
時まったく違ったふるまいを示すことを証明した。こう
した知見の原理を理解するために、ポリペプチドのポリ
(U)指向合成を促進する合成tRNA種がつくられた。
素材および薬品 本願では以下の略語が用いられているがそれらの定義
は以下の通りである。EDTA:エチレンジアミン・テトラ
酢酸・二ナトリウム塩;HEPES:N−(2−ヒドロキシ)ピ
ペラジン−N′−2−エタンスルホン酸;TRIS:トリス−
(ヒドロキシメチル)アミノメタン;ポリ(U):ポリ
ウリジル酸;ポリ(A):ポリアデニル酸;AcPhe−tRN
A、そのα−アミノ基にアシル化されたPhe−tRNA;CPM−
Phe−tRNA:そのα−アミノ基でメルカプトアセチル化さ
れ、その後でCPMと斑後させられたPhe−tRNA;CPM−Ser
−tRNA:そのα−アミノ基でメルカプトアセチル化さ
れ、その後CPMと反応させられたSer−tRNASer(AAA);C
PM:3−(4−マレイミドフェニル)−7−ジエチルアミ
ド−4−メチルクマリン;tRNACys(AAA):AAAアンチコ
ドンを含んでいる合成tRNACys;tRNASer(AAA):AAAアン
チコドンを含んでいる合成tRNASer;tRNAe Ala(AAA):AA
Aアンチコドンを含んでいる合成エロンゲータtRNA;tRNA
i Ala(AAA):AAAアンチコドンを含んだ合成イニシエー
タtRNA;LB:Lennox LB培地;X−gal:5−ブロモ−4−クロ
ロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド;PC
R:ポリメラーゼ鎖反応。
プラスミドpUC18がBethesda Research Laboratories
社(Gaithersburg,MD)から購入した。オリゴデオキシ
リボヌクレオチドはApplied Biosystems社(Foster Cit
y,CA)の381Aシンセサイザーで合成し、同社のOPCカラ
ムでメーカー側の指示に基づいて精製した。DNAポリメ
ラーゼのKlenow片、T4 DNAリガーゼ、RNasin、および制
限エンドヌクレアーゼはPromega Biotec社(Madison,W
I)から購入した。Bst N IおよびBst B I制限エンドヌ
クレアーゼはNew England Biolabs社(Beverly,MA)か
ら購入した。PCR試薬はPerkin−Elmer Cetus(Norwalk,
CT)から購入した。二重鎖シーケンスはUnited States
Biochemicals社(Cleveland,OH)からのシーケナーゼII
キットを用いて行った。[α−35S]dATP、[35S]シス
テイン、[14C]フェニルアラニン、および[14C]セリ
ンはNew England Nuclear社(Boston,MA)からそれぞれ
購入した。デオキシ−およびリボヌクレオチドおよびグ
アノシン・モノフォスターゼはPharmacia社(Piscatawa
y,NJ)から入手した。CPMはMolecular Probes社(Junct
ion City,OR)から入手した。イーストtRNAPheはSigma
Chemical社(St.Louis,Mo.)から入手した。精製大腸菌
翻訳開始因子2(IF−2)はC.Gualerzi博士(Max−Pla
nck−Institut fur Molekulare Genetik,Berlin)から
の寄贈を受けた。NuSieve GTGアガロースはFMC社(Rock
land,ME)から入手した。スペクトラ−ゲルA202はFishe
r Scientific社(Houston,TX)から購入した。T7 RNAポ
リメラーゼはプラズミドpAR1219を持っている大腸菌BL2
1から分離し、P.Davanlooら(1984)Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,949:71−78の手順に従って精製した。大腸菌K1
2、ストレインA19はベルリンのK.NierhausおよびH.G.Wi
ttmann Berlin両博士によって我々に提供されたもので
ある。これらの生物の成長、保持およびリボゾーム・サ
ブユニットの分離は0.0domら(1980)Biochemistry 19:
5947−5954に述べられている。
pCYSの構成 ステイン−スルフヒドリル基を発蛍光団のマレイミド
またはアルキルハライド誘導体と反応させる場合の簡単
さおよび選別性とから、システインでアミノアシル化さ
れるべき合成tRNAを合成のために選んだ。これまでの研
究で、Cys−tRNAシンセターゼがtRNAアクセプター・ス
テムの3:70塩基対を識別し、そのアンチコドンの塩基組
成を認識しないことが示されている。Y.M.Houら(198
8)Nature 33:140−145。したがって、無細胞翻訳シス
テムでポリ(U)を認識するCys−tRNAを形成すること
ができる。
図1Aに示すように、Hind d III部位、T7 RNAポリメラ
ーゼ・プロモーター、ミュータント大腸菌遺伝子、Bst
N I部位、およびBam H I部位を含むtRNACys(AAA)遺伝
子(pCYSまたはSEQ.ID.NO.1)の合成が行われた。でき
るだけ野生型tRNACysとの類似性を維持するために、そ
の塩基配列で3つの部位だけを変更した。先ず、アンチ
コドンをACAからAAAに変えた。次に、形質転換スクリー
ニングと、その後の遺伝子操作ができるように、2つの
内部制限部位がつくられた。Pst I部位は塩基A21および
T24をそれぞれC21とC24にそれぞれ変更することにより
Dステムにつくられた。そのステム内での塩基対合を保
持するために、A10をG10に変更した。Spe I部位はU42と
C43との間にAを付加することにより、エキストラ・ア
ーム(extra arm)内につくった。
別の反応で、5′−3′,3′−5′Hin d III/Pst I
オリゴマー、および5′−3′と3′−5′Pst I/Bam
H Iオリゴマーを65℃まで加熱しその後25℃までゆっく
り冷却することによって、アニールした。その結果でき
る二重鎖・オリゴマーを、それら3つの断片をT4 DNAリ
ガーゼと共に16℃の温度下で一昼夜培養することによ
り、Hin d III/Bam H I−消化pUC18に結さく、挿入し
た。大腸菌XL1Bは結さく混合体(ligation mixture)を
使って形質転換し、アンピリシリンおよびX−galを含
んでいるLB寒天平板上に塗布した。ミニリセイト(mini
lysate)・プラズミドDNAのSpe I制限分析を用いて、完
全なtRNACys(AAA)遺伝子の存在を確認するために、イ
ンサート(insert)を含んだプラズミドを有する形質転
換因子のスクリーニングが行われた。その後でインサー
トの両方のストランドの配列決定を行った。
pSERの構成 Cys−tRNAシンセターゼの場合と同様、Ser−tRNAシン
セターゼはtRNAのアンチコドン以外の部分を認識する。
J.NormanlyおよびJ.Abelson(1989)Am.Rev.Biochem.5
8:1029−1049、したがって、ポリ(U)指向翻訳システ
ムで遣うために合成Ser tRNAを合成することができる。
完全はtRNASer(AAA)遺伝子配列pSERまたはSEQ.ID.NO.
2)を化学的に合成するのではなく、2つのオリゴマー
合成し、大腸菌クロモゾームから遺伝子をコピーするた
めに用いた(図1b)。5′プライマーは5′端、5′−
3′Hin d III配列、T7 RNAポリメラーゼ・プロモータ
ー、およびAAAアンチコドンを含んでいるtRNAの43の塩
基に4つのエキストラ・ヌクレオチドを含んでいた。
3′プライマーは4つのエキストラ・ヌクレオチド、
3′−5′Bam IIIおよびBst N I配列、そしてtRNAの12
の塩基を含んでいた。野生型tRNACysとは対照的に、tRN
ASerのTループ内にBst B I制限部位が発生するので、
スクリーニング目的の新しい制限部位は不必要である。
各プライマー100pmol、大腸菌クロモゾームDNA20ng、
そしてTag Iポリメラーゼ10単位を含む反応系に鉱油を
含ませ、94℃で5分の1サイクル、94℃で1分、55℃で
2分、72℃で3分を29サイクル、そして94℃で1分、55
℃で2分、および72℃で10分を1サイクル行った。サイ
クリング後、反応混合物をクロロフォルムで抽出して、
生成物を、40mMトリス−アセテート(pH7.8)、2mM EDT
Aを用いて4%NuSieve GTGアガロース上で電気泳動する
ことにより、分離した。主な生成物は期待された124bp
片であった。フェノール抽出によってアガロースを取り
除いた後、124bp片の端部をDNAポリメラーゼのKlenow片
を用いて平滑化させ、Hin d IIIおよびBam H Iで消化し
た。そしてこの断片をT4 DNAリガーゼを使って16℃の温
度下で一昼夜培養した後、Hin d III/Bam H I消化pUC18
にライゲートした。ミニリセイト(minilysate)・プラ
ズミドDNAを用いてBst B I制限分析を行うことによっ
て、完全なtRNASer(AAA)遺伝子の存在を確認するため
に、インサート(insert)を有するプラズミドを含んだ
大腸菌XL1B形質転換因子のスクリーニングを行った。こ
のインサートの両方のストランド共配列決定が行われ
た。
Bst N IでpCYSおよびpSERを消化した結果、tRNAの
3′未満アデノシンと対して相補的な単一の5′オーバ
ーハンギング(overhanging)・チミジンを有する線形
転写テンプレートがもたらされた。したがって、Bst N
Iで消化したpCYSまたはpSERのランオフ転写はそれぞ
れ、tRNAの3′ACCAアクセプター・ステムで終端してい
る75または88−ヌクレオチドRNAをつくりだすことが予
想される。最終濃度が0.1mg/mlのT7 RNAポリメラーゼを
用いて、DNAテンプレート1μgあたり7−8μgのtRN
Aがつくりだされた。MilliganおよびUhlenbeck((198
9)Meth.Enzymol.180:51−62)は小型のRNAを転写する
場合短い不稔転写がつくりだされることが報告されてい
るが、20%変性ゲルで電気泳動を行った結果では、ゲル
ろ過クロマトグラフィー(データは示さず)後たったひ
とつの大型RNA生成物が残っているのが示された。
pALAおよびpFMETの構成 他の二つの新しいtRNAがつくりだされた。これらのtR
NAは酵素によりアラミンでアミノアシル化され、ポリ
(U)テンプレートの識別ができるようにAAAアンチコ
ドンを有している。第一のtRNA,tRNAe Ala(AAA)は大腸
菌伸長(elongator)tRNAAlaと類似するように構成され
た。M.Sprinzlら(1985)Nucl.Acids Res.13:rl−r10
4。tRNAe Ala(AAA)遺伝子(pALAまたはSEQ.ID.NO.3)
はPCRにより大腸菌ゲノムからのtRNAAla(GGC)をコピ
ーすることにより、構成された。アンチコドンはGGCか
らAAAに変えられた。pSERの平滑化、消化、ライゲート
形質転換およびスクリーニングはpALAの場合と同様に行
われた。
第二のtRNAi Ala(AAA)は開始因子tRNAf Metと類似し
ており、それをコピーすることによりつくられた。M.Sp
rinzlら(1985)Nucl.Acida.Res.13:r1−r104。イン・
ビトロでの転写およびアミノアシル化を円滑に行わせる
ように、このtRNAの一次構造を修正したが、開始機能に
必要と考えられる特徴は残された。それらの特徴とは、
アクセプター・ステムの末端の非−ワトソン−クリック
塩基対(B.L.Seongら(1987)Proc.Natl Acad.Sci.USA8
4:334−338:H.Wakaoら(1989)J.Biol.Chem.264:20363
−20371)、ジヒドロウリジン・ステムのピリミジン−1
1−プリン−24塩基対(B.L.Seongら(1987))、および
3つの連続したG−C塩基対を形成しているアンチコド
ン内のひと続きのグアニンおよびシトシン(B.L.Seong
ら(1987))。
tRNAi Ala(AAA)遺伝子(pFMETまたはSEQ.ID.NO.4)
の作成において、野生型tRNAf Met(AAA)において以下
の修正が行われた:A′はAAAアンチコドンを形成してい
る遺伝子のアンチコドンの塩基CおよびTと置換され
た。G′は塩基1Cおよび3Cと置換された。T′は塩基70
Gおよび72Aと置換された。そして、Aは遺伝子の塩基17
Cと17aTの間に挿入された。その後、pSERの平滑化、消
化、ライゲート形質転換およびスクリーニングと同じ手
順でpFMETがつくられた。
イン・ビトロでの転写 転写を行うために、Bst N I(3)U/μgを用いて60
℃の温度下で消化を行うことによって、プラズミドDNA
がつくられた。この混合物をフェノール抽出し、DNAを
エタノール沈析した。この直線化DNA(40μg)を、50m
M Hepes−KOH(pH7.6)、10mMジチオストレイトール、5
0mM NaCl、4mMスペルミジン、25mM MgCl2,1.6mM GTP,4m
M GPM,ATP,CTP,UTP、50U RNasin、および0.1mg/ml T7 R
NAポリメラーゼを含む2−ml転写反応系に加えた。37℃
の温度下で培養した後、テンプレートDNAをRNaseを含ま
ないDNase I 100Uを用いて消化した。10mMトリス−HCl
(ph7.6)、1mM EDTA、および150mM NaClを用いて均衡
させたスペクトラ−ゲルA202を用いるゲルろ過によっ
て、tRNA転写から、短い不稔転写、dNTP、およびrNTPを
分離した。フェノール/クロロフォルム/イソアミル・
アルコール(25:24:1)を一度、クロロフォルム/イソ
アミル・アルコール(24:1)を一度、さらにエタノール
での沈析を二度行って、tRNAフラクションの抽出を行っ
た。
tRNAのアミノアシル化 O−70%硫酸アンモニウム沈析S150蛋白質内に存在す
る小麦生殖細胞を用いて、合成RNAのアミノアシル化が
行われた。S.Laxら(1986)Meth.Enzymol.118:109−12
8。標準的な混合物は100mM Hepes−KOH(pH7.8)、15mM
Mg(OAc)、2mMスペルミジン、5mMジチオトレイトー
ル、5mM ATP、30μM対応放射性アミノ酸(100Ci/mo
l)、0.8mg/mlシンセターゼ・フラクションおよびtRNA/
mlあたり、0.5−1A260を含んでおり、27℃の温度下で20
分間培養を行った。アミノアシル化の効率はtRNAをトリ
クロロ酢酸に含浸させ、液体シンチレーションをカウン
トすることによって、ろ過された沈殿物内で放射活性を
測定することによって測定された。
大腸菌野生型tRNACysの遺伝子からはtRNACys(AAA)
がつくられたが、大腸菌S150フラクションのシンセター
ゼでのアミノアシル化はできなかった。小麦胚遺伝子S1
50のO−70%硫酸アンモニウム・フラクションを含んで
いるシンセターゼはtRNACys(AAA)をアミノアシル化し
た。この酵素フラクションも効率的に合成tRNASer(AA
A)をアミノアシル化した。大腸菌S150フラクションだ
けを含んだ翻訳反応に基づいて、tRNASer(AAA)も大腸
菌シンセターゼを用いてかなりアミノアシル化すること
ができた(表1)。
イーストtRNAPheはアミノアシルtRNA−シンセターゼ
源として大腸菌S150フラクションを用いてアミノアシル
化された。B.Hardestyら(1971)Meth.Enzymol.20:316
−330。tRNASer(AAA)、tRNAe Ala(AAA)およびtRNAi
Ala(AAA)は上に述べた小麦胚シンセターゼ・フラクシ
ョンを用いてアミノアシル化された。翻訳を酵素作用で
開始するために使用する目的で、Phe−tRNA,Ser−tRNA,
Ala−tRNAe Ala(AAA)およびtRNAi Ala(AAA)をRappopo
rtおよびLapidot((1974)Meth.Enzymol.29:685−68
8)の手順によってそのα−アミノ基上でアシル化し
た。
アミノアシル化の効率は合成tRNA種によって異なって
いた。イン・ビトロで転写されたtRNACys(AAA)は20%
程度アミノアシル化されただけだったが、小麦胚シンセ
ターゼを用いて55%以上のtRNASer(AAA)がアミノアシ
ル化された(データは示さず)。残念なことに、Cys−t
RNACys(AAA)は不安定で、アミノアシル化後の分離は
できなかった。
Cys−tRNACys(AAA)の不安定性はその後の精製を不
可能にしたが、今後の研究を行うために、そのアミノア
シル化反応を大腸菌翻訳反応と組み合わせることはでき
た。逆に、Ser−tRNASer(AAA)は精製およびクマリン
でラベルするために繰り返し操作を行っても、非常に安
定していた。
小麦胚シンセターゼまたはtRNA枯渇大腸菌S−150フ
ラクションをアミノtRNAシンセターゼ源として用いるこ
とによって、tRNAe Ala(AAA)のアミノアシル化により
定常的に60%程度(のtRNA pmolあたりのpmol Alaの組
み込み)が達成された。どちらのシンセターゼ合成でも
20%程度のtRNAi Ala(AAA)のアミノアシル化が達成さ
れた。どの場合においても、アラニン以外のアミノ酸で
のtRNAのアミノアシル化は観察されなかった(データは
示さず)。
表 1 ポリフェニルアラニン、ポリシスチン、およびポリセ
リンのポリ(U)指向合成。すべての反応は60pmolのAc
Phe−tRNAまたはAcSer−tRNA(リボゾームと等しい濃
度)を37℃の温度下で5分間予め結合することにより、
酵素作用にはよらないで開始された。すべてのサンプル
は37℃で30分間培養され、それからNaOH内で0.1Mとして
tRNA−アミノ酸結合を加水分解するために室温で15分間
培養した。この反応混合物における蛋白質をトリクロロ
酢酸で沈殿してろ過した。ろ過されたものを乾燥して、
その放射活性を測定した。[35S]システイン組み込み
の測定を行う前に、サンプルを28℃で120分間培養し
た。
合成tRNAを用いてのイン・ビトロでの翻訳 tRNACys(AAA)およびtRNASer(AAA)に対する合成
(Synthetic)の活性を調べるために、それぞれを用い
てポリ(U)依存ポリペプチド合成を行った。0.0domら
(1980)に述べられている方法で、ポリフェニルアラニ
ンに対する[14C]フェニルアラニンのポリ(U)に依
存する組み込みの測定を行った。酵素作用に依存しない
で翻訳を開始するために、ポリ(U)の存在下で、0.6
μM AcPhe−tRNAまたはAcSer−tRNAを0.6μMの大腸菌
リボゾームと、37℃の温度下で、10分間、予め結合し
た。W.D.Pickingら(1990)。エリスロマイシンの感受
性を調べるために、予備培養ステップを行う前に抗生物
質を最終濃度が5μMとなるように添加した。ポリセリ
ンへの[14C]セリンの組み込みは、1.17A260/ml合成tR
NASer(AAA)で大腸菌tRNAPheを置換した他はポリフェ
ニルアラニンの場合と同様に行った。伸長は大腸菌S150
フラクションを最終体積が100μlとなるように添加す
ることによって開始された。
翻訳アッセイはポリシステインのポリ(U)依存合成
を円滑にできるように修正された。上に述べたように、
AcPhe−tRNAまたはAcSer−tRNA(60pmol)が60pmolのリ
ボゾームと予め結合された。次に、tRNAおよびアミノ酸
を除いて、翻訳に必要なすべてのものを含めて、この混
合物を100μlとした。ポリシステイン合成を開始する
ために、それぞれ等しい量を加えて、上反応系の最終的
な体積が200μlとなるようにして、上に述べたCys−tR
NACys(AAA)アミノアシル化反応系を翻訳混合物と結び
つけた。次にこの反応系を37℃で30分間または、28℃で
120分間培養して、小麦胚システイニル−tRNAシンセタ
ーゼによる再アミノアシル化ができるようにした。各発
生期ペプチドの構造とその環境を調べるために、CPM−P
he−tRNAおよびCPM−Ser−tRNAの両方を予め結合させ
た。ほとんどの発蛍光団が実際に結合されていることを
確認するために、蛍光アミノアシル−tRNA類似物の濃度
をリボゾーム濃度の10%程度に減少した。天然および合
成tRNAに対して、2つの合成[14C]アラニル−tRNAの
それぞれのアミノ酸基のCPMラベリングも上に述べた方
法で行われた。CPM−Ala−tRNAは、基本的にはCPM−Ser
−tRNASer(AAA)に関して述べたのと同じC1逆転相高性
能液体クロマトグラフィーによって精製された。
合成Cys−およびSer−tRNA、および野生型tRNAPhe
用いてのイン・ビトロでの転写の結果を表1に示す。シ
ステインの組込みは28および37℃の両方の温度で測定し
た。温度が低い場合、小麦胚酵素によるtRNACys(AAA)
の再アミノアシル化がより活発に行われた。すべての転
写反応はポリ(U)の存在下で1:1のモル比でリボゾー
ムと予め結合されたAcPhe−tRNAまたはAcSER−tRNAによ
って、酵素の作用には依存しないで開始された。発生期
ポリペプチドを含む6つのタイプのリボゾームとの反応
混合物がつくられ、そのうちの3つはアミノ端にN−Ac
PheおよびN−AcSerを持っていた。各ポリペプチドの合
成の5μMエリスロマイシンによる抑制への感受性につ
いてもテストした。それと平行して、[14C]AcPhe−tR
NAを用いて、各タイプの発生期ペプチドの合成において
十分な活性を示す(データは示さず)リボゾームの数を
調べるために、ラベルしていないアミノ酸の存在下で各
ポリペプチドの翻訳を行った。
エリスロマイシンが存在している状態と、存在してい
ない状態で、1500pmol以上のフェニルアラニンのポリフ
ェニルアラニンへの組込みが行われていた(表1)。反
応混合物内のリボゾームの30%(10pmol)がポリフェニ
ルアラニンの合成において活性を示すことが認められ
た。この値を用いて計算したところ、ポリフェニルアラ
ニン・ペプチドは長さ方向で80程度のアミノ酸で構成さ
れているという結果が得られた。合成tRNASer(AAA)は
大腸菌S150フラクションによってアミノアシル化できた
ので、ポリフェニルアラニン合成と同じ方法でポリセリ
ン合成が行われた。しかしながら、この場合、500pmol
程度のセリンがポリセリンに組み込まれただけであっ
た。この合成はエリスロマイシンによって90%程度抑制
された。しかしながら、ポリセリン合成で活性を示した
のは10%程度だけで、この場合もペプチドの平均的な長
さがアミノ酸の数にして80程度という結果が得られた
(データ示さず)。
37℃の温度下で、30分後に99pmolのシステインがポリ
システインに組み込まれたが、エリスロマイシンによっ
て41%抑制された(表1)。リボゾームの15%(10pmo
l)がポリシステイン合成において活性を示すと判定さ
れたが、この値はアミノ酸の10個の平均ペプチド長に相
当する。なお、この合成は結合小麦胚アミノアシル化:
大腸菌転写システムによって行われた。37℃では、小麦
胚シンセターゼによるtRNAの再アミノアシル化は非常に
限定した範囲でしか行われない。これを調節するため
に、ポリシステイン合成も28℃の温度で開始され、この
温度で120分間行われた(表1)。この場合、247pmolの
システインの組込みが行れた。37℃の場合と同様、10pm
olのリボゾームがポリシステイン合成において活性を示
し、このことは平均ペプチド長がアミノ酸25程度である
ことを示している。
ポリ(U)指向翻訳システムにおけるポリフェニルア
ラニン合成の量が多い(つまり、平均ペプチド長がより
大きく、発生期ペプチドを含むリボゾームの割合がより
高い)ことは、フェニルアラニン・ペプチドの非類型的
な性質を反映しているのかもしれない。短いフェニルア
ラニン・ペプチドはセリンやシステインの短いペプチド
よりトリクロロ酢酸により簡単に沈殿するように見え
る。このことはフェニルアラニン組み込み総量が相対的
により大きなことと関係している可能性があり、ポリセ
リンまたはポリシステイン合成において活性を示すと思
われるリボゾームの割合が相対的により低いことを関係
があるかもしれない。フェニルアラニン組み込み総量の
値が比較的大きいことに関係しているもうひとつの要因
はポリフェニルアラニンが形成されている時のペプチド
合成の略線形速度が維持される時間の長さである。ポリ
フェニルアラニン以外のほとんどのペプチドで観察され
るペプチド合成の速度の低下は生成抑制を反映してい
る。Spirinら((1988)Science 242:1162−1164)は合
成の略線形速度を長時間観察し、ペプチド生成物が形成
されるときに、反応混合物から取り除かれるかどうかを
調べた。発生期ポリフェニルアラニン・ペプチドは非常
に非可溶性であるので、それらが反応において溶液から
効果的に除去され、継続フロー転写システムにおいてつ
くりだされるのと同じような状況がつくりだされる可能
性がある。
表1に示されている結果も、合成tRNAからのポリシス
テインおよびポリセリンのポリ(U)指向合成がエリス
ロマイシンによる抑制に対して感受性があることを示し
ている。対照的に、ポリフェニルアラニン合成は同じ条
件下で抗生物質を使っても抑制されない。このことはこ
れまでの観察((G.Chinaliら(1988)Biochim.Biophy.
Acta 949:71−78;T.Otakaら(1975)Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 72:2649−2652;D.Vasquez(1979)Molecular Bio
logy Biochemistry and Biophysics Springer−Verlag,
Berlin,vol.30,p.312)と一致しており、エリスロマイ
シンに対する感受性の差は発生期ペプチド自体の性質に
よるものだという仮定を裏づけている。
Ala−tRNAe Ala(AAA)およびAla−tRNAi Ala(AAA)を
用いて、ポリ(U)に依存したポリペプチド合成を試み
た。Phe−tRNA,Ala−tRNAe Ala(AAA)およびAla−tRNAi
Ala(AAA)のN−アセチル誘導体を予め結合することに
よってポリペプチド合成をより円滑に行えるようにし
た。アミノアシル−tRNAのN−アセチル化はRappoport
およびLapidot(1974)の方法に従って、酢酸のN−ヒ
ドロキシサクシンイミド・エステルを使って行われた。
リボゾームへの酵素によらないtRNAの結合は50mMトリス
塩酸(pH7.5)、100mM NH4Cl、15mM Mg(OAc)、5mM
2−メルカプトエタノール、0.2mg/mlポリ(U)、0.5μ
Mリボゾームおよび0.5μMアシル化tRNAで行われた。
ポリアラニン合成は、ポリフェニルアラニンに関連して
上に述べた方法(W.D.Pickingら(1991)J.Biol.Chem.2
66:1534−1542)および、アミノ酸およびtRNA源として
14C]アラニンおよびtRNAe Ala(AAA)かtRNAe Ala(AA
A)のいずれかを用いた点を除けばポリセリンに関して
上に述べたのと同じ方法で行った。すべてのポリアラニ
ン・アッセイでのアミノアシル化tRNAの量をほぼ等しく
するために、tRNAe Ala(AAA)は最終濃度1A260ユニット
/mlで用い、tRNAi Ala(AAA)は濃度約3A260ユニット/ml
で用いた。[14C]アラニンのポリアラニンへの組み込
みの判定はW.D.Pickingら(1991)が述べた方法で行っ
た。
tRNAe Ala(AAA)だけがポリ(U)依存ポリアラニン
合成を支持した(図2)。合成伸長(elongator)tRNA
依存ポリアラニン合成は37℃の温度下で60分間以上線形
をしめし(図2)、さらに20℃では2時間より長い時間
線形を示した(データは示さず)。逆に、tRNAi Ala(AA
A)を用いた場合、ポリアラニン合成はバックグラウン
ド・レベルを多少上回った程度であった(図2)。ポリ
アラニン合成の興味深い特徴は、それがエリスロマイシ
ンによる抑制に対して感受性を示すことである(図
2)。これは、エリスロマイシンに対して抵抗性を示す
ポリフェニルアラニン合成の場合と対照的である(W.D.
Pickingら(1991))。
この後、AcAla−tRNAi Ala(AAA)またはAcAla−tRNAe
Ala(AAA)がポリアラニン合成をより円滑に行わせるた
めに、酵素の作用に依存しないでリボゾームに予め結び
つけることができるかどうかを調べるために、テストが
行われた。アラニンのAla−tRNAe Ala(AAA)からのポリ
アラニンへの組み込みは、AcAla−tRNAe Ala(AAA)、Ac
Ala−tRNAi Ala(AAA)、またはAcPhe−tRNAが予めポリ
(U)でプログラム70Sリボゾームに予め結びつけてい
られるかどうかには関係なく、ほぼ同様であった(表
2)。合成された発生期ポリアラニン鎖の数は、予め結
びつけたAc−[14C]アミノアシル−tRNAからの放射能
でラベルしたアミノ酸の組込みを測定し、その後、ラベ
ルしていないアラニンの存在下でポリアラニン合成を行
うことによって、判定した。並行的に放射活性を示すア
ラニンの組込みを調べ、合成された発生期鎖の数をカウ
ントすることで、発生期ポリアラニン鎖の長さを調べる
ことも可能であった。つくりだされた発生期ペプチドの
長さは、反応を開始するために用いるtRNAの種類には関
係なく、ほぼ同様であった(表2)。これらのデータの
重要な特徴は、tRNAi Ala(AAA)がペプチドの伸長に何
の役割も果さないのに対して、それがリボゾームPサイ
トで結びついて、酵素によらないで始められるペプチド
合成を開始できることである。なお、ポリアラニン合成
は反応を開始するために使われるアシル−tRNAの種類に
は関係なく(AcPhe−RNAであっても:データは示さ
ず)、エリスロマイシンによって抑制される。
形成された発生期鎖の数を調べるために、非発光性ア
ラニンの存在下で、Ac[14C]アミノアシル−tRNAを用
いた。ポリアラニンに組み込まれたAlaのpmolを測定す
るために、[14C]アラニンを用いた。発生期ポリアラ
ニンの平均的な長さは『方法』の箇所で述べた発生期鎖
pmolあたりのAla/pmolで示してある。
これら二種類のアミノアシル化アラニンtRNAのα−ア
ミノ基上のCPM残滓の蛍光特性は、それらtRNAが溶液中
で遊離しているか、あるいはリボゾームに結びついてい
る時の、発蛍光団周辺の局所環境を反映している。CPM
−Ala−tRNAe Ala(AAA)は70Sリボゾームに結合し、CPM
−Phe−tRNAおよび合成CPM−Ser−tRNASer(AAA)につ
いてW.D.Pickingら(1991)で報告されているのと同様
の特性の多くを示す。しかしながら、CPM−Ala−tRNAi
Ala(AAA)の場合、発光異方性に関するデータは、この
発蛍光団が、それぞれ溶液中で遊離している場合のその
伸長対応部のそれよりしっかり保持されていることを示
している。逆に、イニシエーターtRNA類似体上の発蛍光
団は、それが70Sリボゾームと結びつくと、伸長(elong
ator)tRNA上の同じプローブより自由に動き回るようで
ある。加えて、各蛍光性tRNAはリボゾーム“Pサイト”
に結びつくが、それぞれのその後のエリスロマイシンと
の結合に対しては異なった反応を示す。こうして結果を
むすびつけれ考えると、CPMプローブと、そして多分そ
れが結びつくアラニンとは、その機能から判断して、そ
れら2つのtRNAが“Pサイト”にある場合に、同じ位置
に存在しているのではないと考えられる。エリスロマイ
シンの結合部位に対する結合におけるこうした差は、こ
うした合成がN−ブロック化伸長(elongator)、Ala−
tRNA、イニシエーターAla−tRNAまたはPhe−tRNAのいず
れを予め結合して開始されたかどうかには関係なく、抗
生物質がポリアラニン合成を抑止することを妨げない。
これらの機能上の差はイニシエーターおよび伸長(el
ongator)tRNAの構造における細胞を反映している。原
核生物イニシエーターtRNAの間にかなり保持されている
多くの領域があり、これらが伸長(elongator)tRNAと
際立って異なる点である。B.L.Seongら(1987);H.Waka
oら(1989);およびC.O.Gualerziら(1990)Biochem.2
9:5881−5889。これらの特徴には残滓と72の間にワトソ
ン−クリック塩基対の不在、ジヒドロウリジン・ステム
(D−ステム)内のプリン11−ピリミジン24塩基対の存
在、およびアンチコドン・ステム内での3つの連続した
G.C塩基対の存在などである。B.L.Seongら(1987)。後
者の特徴はイニシエーターtRNAを伸長(elongator)tRN
Aから区別する機序に関与している可能性があり、リボ
ゾームに対するP−サイト固有結合が行われるための必
要条件である。B.L.Seongら(1987)。アンチコドン・
ステムのこの部分のサイト固有突然変異はtRNAf Metに対
するイニシエーター機能の進行的ロスをもたらすことが
示されている。これら3つのG.C塩基対の出現もイニシ
エーターtRNAのアンチコドンに特殊な構造的および電磁
特性を与えることが示唆されている。K.A.Sharpら(199
0)Biochem.29:340−346。
新規発生期ポリペプチドの拡張の蛍光測定 先ず、ポリフェニルアラニン、ポリシステイン、およ
びポリセリンのポリ(U)依存合成を開始するために、
CPM−Phe−tRNAまたはCPM−Ser−tRNAを用いた。イース
トPhe−tRNAのα基のCPMラベリングについては、0.0dom
ら(1990)に述べられている。Ser−tRNASer(AAA)も
セリル成分のα基も同様にラベルされた。蛍光tRNA類似
物は、CPM−Phe−tRNAに関連して述べたのと同様の方法
で、C1カラム上で逆相HPLCによって精製した。
恒常蛍光測定は、W.Rychlikら((1983)Biochemistr
y 22:85−93)に述べられている方法にしたがって、SLM
−Aminco Instruments社製のモデル8000光子カウンティ
ング分光蛍光計を使って行われた。波長増分に対して0.
5秒の走査速度で1−nm間隔で測定を行って、スペクト
ル・データを蓄積した。すべての測定は光電倍増管感受
性の波長依存性に合わせて、自動的に調整された。蛍光
測定は伸長を意図的に遅らせるために、0.5mlの体積
で、励起波長で0.1以下の吸収度、および20℃の温度で
行われた。恒常蛍光異方性測定は0.0dom((1984)Bioc
hemistry 23:5069−5076)に述べられている方法にした
がって行われた。
これらのアミノ酸上のCPMプローブからの蛍光の異方
性を発生期ペプチドの形成時に追跡調査した。CPM−Phe
−tRNAをリボゾームのペプチジル・トランスフェラーゼ
・センターに結合すると、蛍光異方性が0.18から0.36程
度に増大した。蛍光異方性がこのように高いのは、CPM
−Phe−tRNAのアミノ酸がそのペプチジル・トランスフ
ェラーゼ・センターに保持されている強さを反映してい
る。W.D.Pickingら(1990)。ポリフェニルアラニンの
最初のいくつかのペプチド結合を合成を合成した結果、
異方性が低下し、その後で、発生期ペプチドが拡張する
につれて異方性が増大した。対照的に、ポリ(U)に依
存したポリリシン合成を行った結果では、ペプチジル・
トランスフェラーゼ・センターからアミノ末端プローブ
が伸びていくと、異方性が急速に低下し、その後の異方
性の増大は認められなかった。
CPM−Phe−tRNAを用いてのポリシステインあるいはポ
リセリン合成を開始すると、異方性は、ポリリシンの場
合で認められたのと同じような形態で急激に低下した
(図3A)。しかしながら、ポリリシンの場合とは違っ
て、これら発生期ペプチドの異方性は再び低下する前
に、短い期間、かなり水平化した(図3A)。両方の発生
期ペプチドのアミノ末端がペプチジルtRNAセンターから
いくつかのアミノ酸分の長さのリボゾームを励起してい
るのであれば、こうした結果は予想できたであろう。発
生期セリン・ペプチドはシステインのそれより長く(表
1)、これは前者の最終異方性が低いことに対応してい
るのかもしれない。この結果およびこれまでの結果に基
づいて、ポリシステインおよびポリセリン発生期ポリペ
プチドが、ポリ(A)指向発生期ポリシシンの場合とほ
とんど同様、取り巻いている溶液中に直接伸びていくも
のと考えることができる。
上に述べた結果が翻訳を開始する前に用いられたCPM
−Phe−tRNAの結果ではないという証拠を更に得るため
に、ポリフェニルアラニンを含めた各発生期ポリペプチ
ド種をCPM−Ser−tRNAを用いて形成した。ペプチドが伸
長している時に起きる蛍光の変化を上に述べたのと同様
の方法でモニターした。上にも述べたように、ポリフェ
ニルアラニンの最初のペプチド結合が形成された場合異
方性が低下し、その後、ペプチドが伸長すると再び増大
した(図3B;W.D.Pickingら(1990))。ポリシステイン
およびポリセリンの最初のペプチド結合が形成された場
合も、CPM−Serプローブの異方性はかなり低下した。し
かし、ポリフェニルアラニンの場合の結果とは対照的
に、ポリペプチドの伸長が行われた時に、その異方性は
低下しなかった。興味深いことに、異方性の低下はアミ
ノ末端CPM−Serに少数のアミノ酸(3あるいは4)が加
わるとしばらくの間停止した(図3B)。この結果はCPM
−Pheでペプチドの形成を開始した場合に得られるもの
と類似している。こうした結果の背景に何があるかは今
のところ不明である。それは、短い発生期ペプチド、ま
たはペプチドが最初に伸長を始める時にプローブが遭遇
するリボゾームの特殊な構造的特徴の確認を反映してい
るのかもしれない。
発生期ポリアラニン鎖の平均的な長さ(表2に示す)
を推定するためには、上に述べたポリ(U)依存ポリペ
プチド・アッセイにおける活性リボゾームの数を経験的
に判定することが必要であった。これを行うために、蛋
白合成のために必要な他の成分を追加する前に、37℃の
温度下で15分間培養することによって、55pmolのAc[14
C]Phe−tRNA(100Ci/mol)、Ac[14C]Ala−tRNAi Ala
(AAA)またはAc[14C]Ala−tRNAi Ala(AAA)(50Ci/m
ol)をポリ(U)プログラム化(programmed)リボゾー
ム(50pmol)に予め結合した。Ac[14C]アミノアシル
−tRNAを予め結びつけた後、ポリペプチド合成を、トリ
クロロ酢酸沈析物に組み込まれる放射能が予め結合させ
たアミノ酸からのものだけとなるように、放射能でラベ
ルしていないアラニンを用いた点を除いては、上と同じ
方法で行った。これにより、予め結合された[14C]ラ
ベルAc−aa−tRNAが後で発生期ポリアラニンに組み込ま
れるリボゾームを測定することができる。(上に述べ
た)ポリアラニンに組み込まれたアラニンの総pmolの測
定が行われれば、その値を(合成された発生期鎖を測定
することにより判定された)活性リボゾームの数で割っ
て、発生期ポリアラニン鎖の平均的な長さを求めること
ができる。
この場合も、上述のような恒常蛍光測定を行うため
に、SLM−Aminco Instruments社(Urban,IL)からのモ
デル8000光子カウンターを用いた。蛍光tRNAを、これら
tRNAの濃度を、tRNA結合が最大限に行われるようにリボ
ゾーム濃度の10%程度に減らしたことを除けば、上に述
べたのと同じ方法で、リボゾームに結合させた。励起波
長を385nmとし、波長増分あたり0.5秒の走査速度で1−
nm放射間隔でスペクトルを測定した。異方性および相対
強度測定は475nmの放射波長で行われた。測定は光電倍
増管の感度に波長に対する依存性に合わせて自動的に修
正された。蛍光測定は0.6mlの体積で、20℃の温度で行
われた。すべての測定は励起波長での0.1以下の単一吸
収(simple absorbance)で行われ、蛍光異方性測定は
上と同様、W.L.Pickingら(1991)が述べたのと同じ方
法で行われた。CPM−Ala−tRNAe Ala(AAA)およびCPM−
Ala−tRNAi Ala(AAA)の量子収量は25℃で0.508の量子
収量を有している0.05M H2SO4内での硫酸キニンとの比
較で判定された(R.A.Velapoldら(1980)“A Fluoresc
ence Standard Reference Manual:Quine Sulfate Dihyd
rate",National Bureau of Standards Special Publica
tion 260−64,米国政府印刷局、Washington,D.C.)。
興味深いことに、蛍光異方性および量子収量はテスト
で用いられた条件下で、2つのtRNAによってそれぞれ異
なっていた。遊離CPM−Ala−tRNAe Ala(AAA)(0.185)
の異方性は天然伸長(elongator)tRNA CPM−Phe−tRNA
Phe(0.181)および、合成伸長(elongator)tRNA CPM
−Ser−tRNASer(AAA)(0.175)で認められたのと同様
である。70Sリボゾームに結合すると、CPM−Ala−tRNAe
Ala(AAA)の異方性および量子収量は、前に調べたtRNA
(W.D.Pickingら(1991);表3)と同じように増大し
た。逆に、CPM−Ala−tRNAi Ala(AAA)は、遊離(0.18
5)およびPサイト結合(0.346)CPM−Ala−tRNA
e Ala(AAA)と比較して、溶液中で遊離している場合は
異方性が高く(0.205)、また、リボゾームPサイトに
結合した場合は異方性が低かった(0.310)。各tRNAの
Pサイト結合が起きたことはピューロマイシンの添加で
確認された。これにより、各CPM−Ala−ピューロマイチ
ン生成物が形成され、その後でリボゾームから解放され
ので、CPM−Ala−tRNAe Ala(AAA)(0.175へ)およびCP
M−Ala−tRNAi Ala(AAAへ)の異方性の大幅な低下が起
きた(データは示さず)。
CPM−Ala−tRNAi Ala(AAA)のAサイト結合を促進す
るために脱アシル化tRNAPheを70Sリボゾームに予め結合
させると、量子収量、異方性、および放射スペクトルに
は変化が起きず、このことは結合が起きなかったことを
示している(表3)。このことは、脱アシルtRNAPhe
予め結合した後、反応成分をセファクリル(Sephacry
l)S−300でゲルろ過で分離した場合に、CPM−tRNAi
Ala(AAA)がリボゾーム・フラクションと共に残らない
ことを実証した実験によって確認された。逆に異方性の
増大(0.312)および量子収量(0.472)の増大から判断
されるように、CPM−Ala−tRNAe Ala(AAA)はリボゾー
ムAサイトに結合するようである。標準的に、ピューロ
マイシンとの反応性を示したのは、このAサイト結合CP
M−Ala−tRNAe Ala(AAA)の10%以下であった(データ
は示さず)。
このデータは合成イニシエーターtRNAが天然性tRNAf
Metの結合特性を保持していることを示唆している。こ
れらの特性は伸長(elongator)tRNAのものによっては
異なる蛍光特性と類似している。
また、CPM−Ala−tRNAe Ala(AAA)およびCPM−Ala−t
RNAi Ala(AAA)(25poml)を用いて、30Sおよび70Sリボ
ゾームへのtRNAの結合に対するIF−2の影響を調べた。
30Sサブユニット(195pmol)および50Sサブユニット(1
95pmol)を連続的に加えた後、精製したIF−2(105pmo
l)が存在している場合と、存在していない場合の両方
の条件で、蛍光異方性と量子収量を調べた。測定は50mM
トリス塩酸(pH7.5)、6mM Mg(OAc)、50mM NH4Cl,1
mM GTP,5mMジチオエリスリトール、および0.2mg/mlポリ
(U)を最終体積が600μlになるように調製して行っ
た。これらの測定終了後、Mg2+濃度を15mMに上げて、酵
素作用によらないでtRNA結合が円滑に進むようにし、そ
の後、異方性と量子収量を再び測定した。その結果は、
IF−2でのペプチド形成にはメチオニンもAUGも不必要
なようである。実際、UUCおよびGUCコドンを認識するよ
うに編成され、それぞれフェニルアラニンとバリンとで
アミノアシル化されたイニシエーターtRNAは、mRNAがイ
ニシエーターコドン位置に適切なコドンを有していれ
ば、イン・ビトロで酵素的活性を有するβ−ガラクトシ
ダーゼを形成することが示されている。R.Chattapadhya
yら(1990)Biochem.29:4263−4268。同様の研究で、開
始アンバー・コドンを認識するように変性されたイニシ
エーターtRNAが存在していると、おそらくはグルタミン
によって、アンバー(UAG)コドンから活性クロラフェ
ニコル・アセチルトランスフェラーゼの形成が開始され
ることが示されている。U.Varshneyら(1990)Proc.Nat
l.Acad.Sci.87:1586−1590。
蛍光を測定するために、IF−2および/または30Sリ
ボゾーム・サブユニットを、6mM Mg2+の存在下で、37℃
の温度下で蛍光tRNAを用いて培養した。その後一回添加
する度に、反応混合物を、蛍光測定に先立って、(蛍光
測定に使われるキュベットで)37℃の温度下で10分間、
そして20℃の温度下で15分培養した。すべての反応は、
『方法』の箇所で述べたように、最終体積600μlで行
われた。リボゾームの添加後、蛍光性tRNAの酵素作用に
よらない結合を可能にするように、Mg2+の濃度を(最終
濃度を15mMとするように)9mMに増大した。その後、比
較の目的で、異方性および量子収量の測定を再び行っ
た。
tRNAi Ala(AAA)が酵素によるペプチド形成において
一定の役割を果す能力をテストするために、精製大腸菌
イニシエーター2(IF−2)を用いて、tRNAを30Sおよ
び70Sリボゾームに(6mM Mg2+の下で)結合させた。IF
−2はCPM−Ala−tRNAi Ala(AAA)の30Sサブユニットへ
の結合を促進し、それは異方性および量子収量の増大で
確認された(表4)。その後、50Sを反応混合物に加え
ると、80%以上のCPM−Ala−tRNAi Ala(AAA)が5mM Mg
2+内で70Sリボゾームに結合し、これも蛍光異方性の増
大で示された(表4)。上に述べたように、tRNAの非酵
素的結合を促進するために、反応混合物内でMg2+濃度を
15mMに増大させたところ、結合性のわずかな上昇が観察
された(表4)。6mM Mg2+で、ポリ(U)を用いた場
合、CPM−Ala−tRNAi Ala(AAA)はIF−2が存在しない
と30Sリボゾーム・サブユニットには結合しなかった
が、70Sリボゾームに対してはわずかに結合した(表
4)。FI−2が不在の場合、Mg2+の濃度を15mMに増大し
た後でだけ、イニシエーターtRNAがポリ(U)プログラ
ム化リボゾームに結合した。これらのデータはIF−2が
6mM Mg2+内でのCPM−Ala−tRNAi Ala(AAA)の30Sリボゾ
ーム・サブユニットまたは70Sリボゾームへの結合を促
進した。
対照的に、CPM−Ala−tRNAe Ala(AAA)は、IF−2が
存在していても、存在していなくても、6mM Mg2+内で30
Sまたは70Sリボゾームには結合しなかった。しかし、そ
れぞれの場合、Mg2+の濃度を15mMに増大すると、急速に
結合した。Mg2+の濃度が高い場合、CPM−Ala−tRNAe Ala
(AAA)の蛍光異方性および量子収量は、前にリボゾー
ム結合で認められた値まで増大した(表3参照)。
CPMのクマリン成分からの蛍光は、プローブが非常に
近くに接近していると、疎水性、電荷およびその他のフ
ァクターに対して非常に敏感に反応した。上に述べたCP
M−Ser−tRNAの場合と同様、これら環境に対する感受性
を利用して、2つのCPM−Ala−tRNAを異なった条件で比
較した。CPM−Ala−tRNAe Ala(AAA)およびCPM−Ala−t
RNAi Ala(AAA)の蛍光放射スペクトルを、それらのtRNA
が溶液中で遊離している場合、ポリ(U)プログラム化
リボゾームと結合している場合、そしてリボゾームに結
合している場合について、スパルソマイシンとピューロ
マイシンを同時に用いて測定した(図4AおよびB)。こ
の実験室では、スパルソマイシンが70Sリボゾームと結
合して、ピューロマイシンの結合を妨げることなく、ピ
ューロマイシンのPサイト結合N−アクリル−Phe−tRN
Aとの反応性を抑制することが示されている(Odomおよ
びHardesty,作成中の手稿)。
リボゾームに結合すると、CPM−Ala−tRNAe Ala(AA
A)の放射スペクトルの強度が増大し、同時にかなりの
青方変位(6nm)が発生する(図4A、破線対実践)。リ
ボゾームへの結合で、CPM−Ala−tRNAi Ala(AAA)の蛍
光強度も、上と同様の、ただし多少程度の弱い増大をし
めし(図4B、破線)、また青方変位も多少起きる(3n
m)。
すでにCPM−Ala−tRNAe Ala(AAA)を含んでいるリボ
ゾームにエリスロマイシンが結合すると、相対蛍光強度
の15%程度の上昇が認められ、また最大放射において、
さらに3nmの青方変位が認められる(図4A、点線)。興
味深いことに、エリスロマイシンは結合CPM−Ala−tRNA
i Ala(AAA)に対しては相対強度において3%程度の増
大しか示さず、放射スペクトルの青方変位も2nmであっ
た(図4B、点線)。これらの観察結果は、イニシエータ
ーtRNAのCPM−Ala成分がリボゾーム上で、エリスロマイ
シン結合部位に対して異なった位置にあるのではないか
ということを示唆している。こうした可能性について調
べるために、(ポリ(U)プログラム化リボゾームへの
結合後)、スパルソマインシンとピューロマイシンを連
続的に添加して、各tRNAの蛍光について調べた。スパス
ロマイシンだけの場合は、いずれの蛍光性tRNAの放射ス
ペクトルに対してもほとんど影響を及ぼさなかった(デ
ータは示さず)。しかしながら、この抗生物質はピュー
ロマイシンのリボゾームP部位に結合したアシル−tRNA
との反応の抑制因子である。このことは各tRNAの蛍光に
対するピューロマイシン結合の影響を調べることを可能
にしてくれた(図4Aおよび図4B)。ピューロマイシン結
合は結合CPM−Ala−tRNAi Ala(AAA)の蛍光強度の26%
の増大をもたらし、さらに、最大放射において、4nmの
青方変位が認められた(図4A、破/点線)。異方性にお
ける強度は認められなかった。この結果は、スパルソマ
イシンが存在している場合のピューロマイシンの反応性
の抑制を裏づけるものである。逆に、ピューロマイシン
結合は、結合CPM−Ala−tRNAi Ala(AAA)の蛍光をの6
%の上昇しかもたらさず、青方変位は4nmであった(図4
B、破/点線)。
エリスロマイシンおよびスパルソマイシン/ピューロ
マイシンを使った実験の結果は、イニシエーターRNAのC
PM−Ala部分が伸長(elongator)tRNAの同じ部分にでは
なく、リボゾームの違った位置に保持されているのだと
いう結論を裏づけている。これらの結果の興味深い点
は、いずれかのAcAla−tRNAで開始されるポリアラニン
合成がエリスロマイシンで抑制され、そして各N−アシ
ル−tRNAがリボゾームP部位に結合している場合、(ス
パルソマイシンが存在していなければ)ピューロマイシ
ンに対して反応を示す点である。このことは、イニシエ
ーターtRNAのCPM−Ala部分が伸長(elongator)RNAの同
じ場所にではなく、エリスロマイシンおよびピューロマ
イシンの結合部位との関連でそれぞれ異なって保持され
ており、いずれの抗生物質の作用にも明らかな影響を及
ぼしていないことを示唆している。CPM−Ala位置のこの
相違が何を意味するかは明らかではないが、最も可能性
が高いのは、ペプチジル転移における機能ではなく、tR
NA構造の相違を反映しているということである。
要約すると、合成tRNACys(AAA)は、アミノアシル化
の程度は低いが、ポリ(U)指向ポリシステイン合成に
は効率的に用いることができた。合成tRNASer(AAA)は
アミノアシル化のための基質としてはずっと優れてお
り、ポリ(U)指向翻訳システムにおいて効果的に用い
られた。ポリシステインおよびポリセリンのポリ(U)
指向合成の興味深い点は、それぞれが、AcSer−tRNAお
よびAcPhe−tRNAのいずれを用いて非酵素的に開始され
ようが、予め結合されたエリスロマイシンによる抑制に
対する感作性を示す点であった。これは、AcSer−tRNA
およびAcPhe−tRNAのいずれを用いようと、エリスロマ
イシンの影響を受けないポリフェニルアラニン合成とは
著しい対照をなしている。これらのデータはエリスロマ
イシン感受性が発生期ペプチドの機能であって、mRNAお
よびtRNAの機能ではないことを示唆している。
これらのデータをさらに裏づけるために、ポリフェニ
ルアラニン、ポリシステイン、あるいはポリセリンが形
成される場合の、アミン末端フェニルアラニあるいはセ
リンに取りつけたCPMプローブの蛍光特性をモニターし
た。CPM−ポリフェニルアラニン、CPM−セリンのいずれ
で開始されようとも、ポリフェニルアラニンは一貫した
挙動を示し、ペプチジル・トランスフェラーゼ中心部近
くで不溶性の物質として形成されるように思われた。一
方、システインまたはセリンで伸長された発生期ペプチ
ドは、AcSer−tRNAとAcPhe−tRNAのいずれで開始されよ
うと、ペプチジル・トランスフェラーゼ中心部から周囲
を取り巻く溶液中に直接出ていくように見えた。この結
果はポリリシンで観察された結果と同様である。
これら2つの合成アラニンtRNAを比較すると、イン・
ビトロ翻訳および蛍光法の両方で判断されるように、伸
長(elongator)tRNA(tRNAe Ala(AAA))とイニシエー
ターtRNA(tRNAi Ala(AAA))は、リボゾーム上でのペ
プチド合成中に異なった挙動を示した。tRNAe Ala(AA
A)はポリアラニン・ペプチドのポリ(U)指向伸長に
は関与しないようであるが、対応するtRNAi Ala(AAA)
はこのプロセスに用いて有効であった。逆に、両方のAc
Ala−tRNAとも、15mM Mg2+存在する条件の下で、ポリ
(U)プログラム化リボゾームのP部位への非酵素的結
合を行うことができた。このように、それぞれ、tRNAe
Ala(AAA)が存在している条件の下で、ポリアラニン合
成を開始するために、伸長(elongator)tRNA源として
用いることができた。しかしながら、イニシエーターtR
NA類似物だけが酵素作用により、6mM Mg2+の存在下で、
IF−2と結合した。この結果は、tRNAi Ala(AAA)がイ
ニシエーター機能を保持しているのに対して、ペプチド
伸長機能に関してはtRNAe Ala(AAA)だけが関与するこ
とを示唆している。
本発明は上に述べたような課題を解決し、その目的や
利点、さらにはそれと本質的に付随する目的や利点を達
成するためによく適合している。現時点において好まし
い実施例を開示の目的で述べたが、合成や使用法の詳細
において、本発明の範囲、および以下に添付する特許請
求の範囲を逸脱せずに可能である。したがって、本発明
は開示された具体的な形態に限定されるものではなく、
本発明は本発明および以下に添付される特許請求の範囲
に合致するすべての修正、代替構造、およびそれらと同
等物を対象とするものである。
配列リスト (1) 一般的情報 (i) 出願者:Hardesty,Boyd Picking,Wendy L. (ii) 発明の名称:合成tRNA (iii) 配列数:4 (iv) 連絡住所: (A) 住所:James F.Weiler,Attorney−at−Law (B) ストリート:One Riverway,Suite 1560 (C) 市:Houston (D) 州:Texas (E) 国:USA (F) ZIP:77056 (v) コンピュータ読み取り形式: (A) 媒体形式:フロッピー・ディスク (B) コンピュータ:IBM PC互換機 (C) オペレーティング・システム:PC−DOS/MS
−DOS (D) ソフトウエア:PatentIn Release #1.0,Ve
rsion #1.25 (vi) 本願データ: (A) 出願番号: (B) 出願日: (C) 分類: (vii) 弁理士/事務所に関する情報: (A) 氏名:Weiler,James F. (B) 登録番号:16,040 (C) 参照/整理番号:D−5375 (ix) 通信に関する情報: (A) 電話:713−626−8646 (B) ファックス:713−963−5853 (2) SEQ ID NO:1:に関する情報 (i) 配列特性: (A) 長さ:102塩基対 (B) タイプ:核酸 (C) ストランド性:二重 (D) トポロジー:不明 (ii) 分子タイプ:DNA(ゲノム性) (iii) 不確定性:あり (xi) 配列説明:SEQ ID NO:1: (2) SEQ ID NO:2:に関する情報 (i) 配列特性: (A) 長さ:124塩基対 (B) タイプ:核酸 (C) ストランド性:二重 (D) トポロジー:不明 (ii) 分子タイプ:DNA(ゲノム性) (iii) 不確定性:あり (xi) 配列説明:SEQ ID NO:2: (2) SEQ ID NO:3:に関する情報 (i) 配列特性: (A) 長さ:104塩基対 (B) タイプ:核酸 (C) ストランド性:二重 (D) トポロジー:不明 (ii) 分子タイプ:DNA(ゲノム性) (iii) 不確定性:あり (xi) 配列説明:SEQ ID NO:3: (2) SEQ ID NO:4:に関する情報 (i) 配列特性: (A) 長さ:106塩基対 (B) タイプ:核酸 (C) ストランド性:二重 (D) トポロジー:不明 (ii) 分子タイプ:DNA(ゲノム性) (iii) 不確定性:あり (xi) 配列説明:SEQ ID NO:4:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピキング,ウエンディ エル. アメリカ合衆国 63112 ミズーリ,サ ントルーイズ,アパートメント2 ウエ スト,パーシング 5563 (56)参考文献 Biochimie,Vol.73,N o.7−8(1991.Jul.)p.1101 −1107 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) BIOSIS/WPI(DIALOG) PubMed

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】RNAポリメラーゼ・プロモーター、AAAアン
    チコドンとphe以外のアミノ酸に対する特定tRNAシンセ
    ターゼ認識部位とを含む突然変異体大腸菌tRNA遺伝子、
    及び少なくともふたつの制限エンドヌクレアーゼ部位を
    含む合成tRNAをコード化するDNA。
  2. 【請求項2】該DNA配列がHind III部位、T7 RNAポリメ
    ラーゼ・プロモーター、Bst N I部位、およびBam H I部
    位とを含んでいる、請求項1のDNA。
  3. 【請求項3】さらに、塩基A21およびT24をそれぞれC21
    とC24に変えることによってくられるPst I部位と、配列
    内のT42とC43との間にAを加えることによってつくられ
    るSpe I部位とを含んでいる、請求項2のDNA。
  4. 【請求項4】以下の核酸配列を有する、tRNACys(AAA)
    遺伝子と呼ばれる、請求項3のDNA。
  5. 【請求項5】5'−3'および3'−5'Hind III/Pst Iオリゴ
    マー、および5'−3'および3'−5'Pst I/Bam H Iオリゴ
    マーをつくるステップと、 該5'−3'および3'−5'Hind III/Pst Iオリゴマー、およ
    び5'−3'および3'−5'Pst I/Bam H Iオリゴマーをアニ
    ールするステップと、 該アニールされたオリゴマーとHind III/Bam H I消化pU
    C18プラスミドのライゲート混合物をつくるステップ
    と、 該ライゲート混合物と培養するステップと、 該培養されたライゲート混合物で大腸菌の形質転換を行
    うステップと、 該形質転換された大腸菌をアンピチリンおよびX−ガル
    に露出させるステップと 完全なtRNACys(AAA)遺伝子の存在に関するインサート
    を含んでいるプラスミドにより、該形質転換された大腸
    菌をスクリーニングするステップと、そして 該インサートの両方の配列決定を行うステップとで構成
    される、請求項4のtRNACys(AAA)遺伝子を調製する方
    法。
  6. 【請求項6】さらに、該核酸配列のTループ内にBst B
    I制限エンドヌクレアーゼ部位を含んでいる、請求項2
    のDNA。
  7. 【請求項7】以下の核酸配列を有する、tRNASer(AAA)
    遺伝子と呼ばれる、請求項6のDNA。
  8. 【請求項8】大腸菌ゲノムからのtRNASer(GGA)遺伝子
    をコピーするステップと AAAアンチコドンを形成する該遺伝子内のGGをAAと置換
    するステップと 該置換された遺伝子の末端を平滑化するステップと、 該平滑化された遺伝子をHind IIIおよびBam H Iで消化
    するステップと、 該消化された遺伝子をpUC18プラスミド内にライゲート
    するステップと 該ライゲートされたプラスミドで大腸菌を形質転換する
    ステップと、 完全なtRNASer(AAA)遺伝子の存在に関するインサート
    を有するプラスミドを含む該形質転換された大腸菌をス
    クリーニングするステップと、そして 該インサートの両方のストランドの配列決定を行うステ
    ップとで構成される、請求項7のtRNASer(AAA)遺伝子
    を調製する方法。
  9. 【請求項9】以下の核酸配列を有する、tRNAe Ala(AA
    A)遺伝子と呼ばれる、請求項6のDNA。
  10. 【請求項10】大腸菌ゲノムからのtRNAe Ala(GGC)遺
    伝子をコピーするステップと AAAアンチコドンを形成する該遺伝子内のGGCをAAAと置
    換するステップと 該置換された遺伝子の末端を平滑化するステップと、 該平滑化された遺伝子をHind IIIおよびBam H Iで消化
    するステップと、 該消化された遺伝子をpUC18プラスミド内にライゲート
    するステップと 該ライゲートされたプラスミドで大腸菌を形質転換する
    ステップと、 完全なtRNAe Ala(AAA)遺伝子の存在に関するインサー
    トを有するプラズミドを含む該形質転換された大腸菌を
    スクリーニングするステップと、そして 該インサートの両方のストランドの配列決定を行うステ
    ップとで構成される、請求項9のtRNAe Ala(AAA)遺伝
    子を調製する方法。
  11. 【請求項11】以下の核酸配列を有する、tRNAi Ala(AA
    A)遺伝子と呼ばれる、請求項6のDNA。
  12. 【請求項12】大腸菌ゲノムからのtRNAf Met(CAT)遺
    伝子をコピーするステップと AAAアンチコドンを形成する該遺伝子のアンチコドン内
    の塩基CおよびTをAと置換するステップと、 該置換された遺伝子の塩基1Cおよび3CをGと、並びに塩
    基70Gと72AをTと置換するステップと、 該置換された遺伝子の塩基17Cと17aTとの間にAを挿入
    するステップと、 該置換された遺伝子の末端を平滑化するステップと、 該平滑化された遺伝子をHind IIIおよびBam H Iで消化
    するステップと、 該消化された遺伝子をpUC18プラスミド内にライゲート
    するステップと 該ライゲートされたプラスミドで大腸菌を形質転換する
    ステップと、 完全なtRNAi Ala(AAA)遺伝子の存在に関するインサー
    トを有するプラズミドを含む該形質転換された大腸菌を
    スクリーニングするステップと、そして 該インサートの両方のストランドの配列決定を行うステ
    ップとを含む、請求項11のtRNAi Ala(AAA)遺伝子を調
    製する方法。
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