JP3439112B2 - 粉砕機の制御装置 - Google Patents

粉砕機の制御装置

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JP3439112B2
JP3439112B2 JP07649998A JP7649998A JP3439112B2 JP 3439112 B2 JP3439112 B2 JP 3439112B2 JP 07649998 A JP07649998 A JP 07649998A JP 7649998 A JP7649998 A JP 7649998A JP 3439112 B2 JP3439112 B2 JP 3439112B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボールミル(チュー
ブミル)、ローラミル等の粉砕機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】セメント製造プラントにおいては、ボー
ルミル(チューブミル)と呼ばれる横型のミルと、ロー
ラミルと呼ばれる竪型のミルとが、原料や原料を焼成し
て作られたクリンカの粉砕に用いられる。又、前記ロー
ラミルは火力プラントのボイラ用バーナに送られる燃料
である微粉炭を作るための石炭の粉砕用としても用いら
れている。かかるボールミルやローラミルにおいては、
省電力化は重要な課題であり、かかる課題に対処するた
め、従来種々の発明・考案が提供されている。
【0003】図7はかかる従来技術のうちボールミルの
1例を示す構成図である。図7において1はボールミ
ル、2はバケットエレベータ(以下B.E.略称する)、3
はセパレータである。4はB.E.駆動用のモータであり、
5はB.E.駆動モータの電力を検出する電力計である。6
は前記ボールミル1に新しい被粉砕物を供給する供給機
であり、フィードタンク7から一定量の被粉砕物を切り
出す。8は制御演算器であり前記B.E.輸送量の目標値Y
1 と実際のB.E.輸送量Y2 との偏差eに基づいて積分比
例制御(PID演算)等を施し、供給機6で切り出す新
供給量Fの目的値F1 を出力するものである。
【0004】かかるボールミル装置において、前記ボー
ルミル1に投入された被破砕物は、ここで粉砕された
後、出口1aより排出されてB.E.駆動用のモータ4で駆
動されているB.E.2により持ち上げられ、セパレータ3
に入る。そして、該セパレータ3にて分級されて精粉は
製品Pとして取り出される。一方、粗粉は戻り粉として
戻り管21を経て再度入口1bからボールミル1に投入
される。図中、9は前記電力計5からの信号を単位変換
し、B.E.輸送量Y2 として出力する変換器である。ま
た、10は音響レベル計であり、11は音響指示計であ
る。
【0005】かかるボールミル装置において、電力原単
位を小とするには粉砕量を大とする必要がある。ところ
が、かかるボールミルにおいては、前記粉砕量が過大と
なると、前記被破砕物のミル内における滞留量が過多と
なり、いわゆるミル詰まりの状態となってしまう。そこ
で、該ボールミルのオペレータは、B.E.輸送量の目標値
1 を少し増加させ、所定の時間即ちミルの遅れ時間以
上の時間が経過しても、音響レベル10の指示が許容値
以上にならないことを確認する。そして、この確認後、
再び前記目標値Y1 を少し増加させて、前記と同様に前
記音響レベル等の状況を検知する。かかる繰り返しによ
り、粉砕量(精粉量)を増加させる。
【0006】次に、図8は、ローラミルの制御部の構成
を示す。図8において、21はローラミルのミル本体で
ある。被粉砕物はフィードタンク7から供給機6を介し
てミル本体21に供給される。該ミル本体21は、複数
の圧下ローラ24と回転テーブル25との間に供給され
る前記被粉砕物を粉砕し、その粉砕物を前記回転テーブ
ル25の外周部下方からガス供給部26を介して吹き上
げ供給される高温ガスGにてミル内上方部に設けられた
セパレータ23に導き、精粉Pと粗粉とに分離してい
る。該セパレータ23により分離された精粉Pは、上記
ガスGにより搬送されて外部に取り出され、サイクロン
28に供給されてここで前記ガスGと分離されて排出
(出力)される。また、前記粗粉は、前記回転テーブル
25上に落下供給されて再度粉砕される。なお、前記ガ
スGは上記サイクロン28に接続された吸引ファン29
により吸引されており、前記ミル本体21内からサイク
ロン28へと通流される。
【0007】一方、前記回転テーブル25の外周からそ
の周囲に落下する粉砕残存物、つまり前記圧下ローラ2
4と回転テーブル25とによって粉砕されなかった残存
被粉砕物Zは、粗粉ベルトコンベア27を介してバケッ
トエレベータ(以下、B.E.と略称する)2に供給され、
該B.E.2によってミル本体21の上部に導かれ、前記新
供給被粉砕物に加えられてミル本体21に再供給され
る。前記粗粉ベルトコンベア27と前記B.E.2からなる
粗粉再投入機構による粗粉の搬送量をYとすると、この
搬送量Yは、前記B.E.2を駆動するモータ4の電力を測
定する電力計5の出力を単位変換する変換器9の出力と
して検出される。
【0008】一方、前記ミル本体21に供給するガスG
のガス導入部(入口部)と、ミル本体21から排出され
るガスGの排出部(出口部)にそれぞれ圧力計30、3
1を設け、前記ガスGの供給・排ガス圧力Pi、Poを
検出し、この検出信号差分器32に導き、ミル差圧Pd
を算出する。前記ミル差圧Pdは制御演算器8に入力さ
れ、該制御演算器8は、前記検出されたミル差圧Pdと
差圧の目標値Pd1 との差を算出し、それに基づいて積
分比例(PID)演算等を施して新供給量の目標値F1
として出力する。かかる従来技術においては、このよう
にして前記差圧の目標値Pd1 と実際の差圧Pdとが等
しくなるように供給装置6を制御している。また、図8
において、33は前記ミル本体21の振動を検出する振
動センサ、34はその指示計である。かかるローラミル
の場合も、前記ボールミルと同様、電力原単位を小さく
することが要求されており、該電力原単位を小さくする
ためには粉砕量を増加することを要する点も前記ボール
ミルの場合と同様である。かかるローラミルにおいて
は、新供給量を増加させて行き、これが過供給となった
場合には振動が発生し、これが激しくなる場合には粉砕
が不可能となる。このため、かかる振動発生時において
は、オペレータは前記差圧の目標値Pd1 を若干増加さ
せ、一定時間、つまりミルの遅れ時間以上の時間が経過
しても、振動センサ33により検出され、指示計34に
指示される振動の指示値が許容値以下であることを確認
する。かかる確認後、再び前記目標値Pd1 を若干増加
させて、前記同様に振動を検知する。かかる動作の繰り
返しにより粉砕量(精粉量)を増大させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図7〜図8に示す従来
技術においては、ボールミルあるいはローラミルの粉砕
量を、音響レベル計10の指示値もしくは振動センサ3
3により検出された振動状態を監視しながら、B.E.2の
目標値Yやミル差圧の目標値Pd1 を、オペレータが手
動で設定する必要があった。このため、かかる従来技術
においては、被粉砕物の粉砕性の変化、ミルを構成する
ボールやローラの摩耗によるミルの粉砕性能の変化に応
じて前記目標値の設定を手動にて変更する必要があり、
また前記ミルは複数台設置されることが多いため、前記
手動動作を繰り返すオペレータの負担がきわめて大きく
なる。
【0010】本発明の目的は、かかる従来技術の課題に
鑑み、ボールミルあるいはローラミルにおいて、該ミル
のボールやローラ等の摩耗による被粉砕物の粉砕性能の
変化に応じてB.E.輸送量の目標値やミル差圧の目標等の
ミルの運転制御目標値を自動的に設定可能として、オペ
レータの負担を軽減するとともに運転制御性能を向上す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】ボールミルにおいて、い
わゆるミル詰まりの目標としては、(1)音響レベル計
の出力値、(2)音響レベル計の出力値とある時間間隔
でみた該出力値の増加速度、等が考えられるが、ミルの
安全運転のためには、かかるミル詰まりの指標があるし
きい値以下である必要がある。また、精粉品質上の要求
から粉砕後の粒度はある値以下であることを要する。ミ
ル詰まりの指標であるミル内の滞留量と粉砕後の粒度が
許容範囲内であれば前記B.E.輸送量の目標値を増加さ
せ、また、これらの量が許容範囲外であれば、B.E.輸送
量の目標値を減少させることにより、ボールミルの安定
運転を確保しつつ被粉砕物の新供給量を可能な限り大き
くすることにより、電力原単位を低減する。
【0012】また、ローラミルにおいて、該ローラミル
の振動振幅とある時間幅での振動振幅の増加量と粉砕後
の粒度とが許容範囲内であればミル差圧の目標値を増加
させ、また、これらの量が許容範囲外であれば、ミル差
圧の目標値を減少させることにより、ミルの安定運転を
確保しつつ被粉砕物の新供給量を可能な限り大きくする
ことにより電力原単位を低減する。図5にローラミルに
おける被粉砕物の新供給量FとB.E.輸送量(外部循環
量)の関係を示す。
【0013】然るに、前記ミルの定常的な運転において
は、被粉砕物の新供給量とB.E.輸送量の関係は図6に示
すように、単峰性がある。また、定常的な運転において
は、被粉砕物の新供給量とミル差圧の関係も同様に図6
に示すような関係がある。従って、本発明においては、
前記のミル詰まりの指標、ミルの振動振幅、振動振幅の
増加速度、粉砕後の粒度等が許容範囲内という条件下
で、被粉砕物の新供給量を最大とするB.E.輸送量または
ミル差圧を求めることにより、定常運転時には被粉砕物
の新供給量は精粉量に等しいことから、精粉量を最大に
することができ、電力原単位を最小にできる。そして前
記精粉量の最大化は例えば周知の最急上昇法(勾配法)
等を用いて、ある時間周期毎に逐次的に行なう。具体的
には、各周期の始めに制限条件を満たしているか否かを
判定し、満たしておれば最大化の計算を行ない、満たさ
なくなっら制限条件を満たしていたときの値に戻すとい
う手段をとる。
【0014】以上の骨子に基づく本発明の第1発明は、
供給機から所定量供給される石炭等の被粉砕物をボール
ミルにより粉砕して精粉を得るボールミル装置におい
て、前記ボールミル内における被粉砕物の滞留状態を検
出する滞留状態検出手段と、前記被粉砕物の粒度を検出
あるいは設定する粒度入力手段と、前記滞留状態及び粒
度が入力され、前記ボールミル内における被粉砕物の滞
留量レベル及び前記粒度の双方が許容範囲内にあると
き、現時点から所定時間間隔後に前記供給機に与えられ
る新供給量の目標値を現地点よりも増加させ、前記滞留
量レベル及び前記粒度の何れかが許容範囲外にあるとき
前記目標値を少なくとも現状値に保持する目標値算出手
段とを備えたことを特徴とする粉砕機の制御装置にあ
る。
【0015】かかる第1発明によれば、ボールミル内に
おける被粉砕物の滞留量つまりミルレベル及び好ましく
はその増加速度、並びに被粉砕物の粒度を目標値算出手
段に入力し、該目標値算出手段において、前記ミルレベ
ル及び好ましくはその増加速度、並びに前記粒度が許容
範囲内にあるときは被粉砕物の外部循環量即ちB.E.輸送
量の目標値を増加させるとともに、該目標値に乗ずる及
び新供給量の算出値に乗ずるゲインK2 を1として(ゲ
インの増加なし)ボールミルへの新供給量を最大量に保
持し、また、前記ミルレベル及び好ましくはその増加速
度並びに前記粒度の何れかが許容範囲外にあるときは前
記B.E.輸送量の目標値をある設定時間中現状値に保持す
るか、あるいは所定量減ずるとともに、前記ゲインK1
及びK2を1よりも小さい設定値に減じてボールミルへ
の新供給量を減ずることにより、ボールミルの詰まりを
防止して、安定した運転を可能とすることができる。
【0016】また第2発明は、前記第1発明に加えて、
前記供給機から前記ボールミルに供給される被粉砕物の
供給量を検出する供給量検出手段を設け、該供給量検出
手段からの検出供給量を前記目標値算出手段に入力し、
該目標値算出手段は、前記滞留量レベル及び前記粒度が
許容範囲内にあるとき、前記検出供給量の検出時点から
所定時間間隔における検出供給量の変化量(dF)と供
給量の目標値の変化量(dY’)との変化量比(dF/
dY’)を算出し、この変化量比で前記新供給量の目標
値を補正するように構成されてなる。
【0017】かかる第2発明によれば、前記B.E.輸送量
目標値を所定時間間隔におけるボールミルへの新供給量
の変化量(dF)と前記B.E.輸送量の目標値の変化量
(dY’)との比で表わされる勾配(M=dF/dY)
で補正して設定することにより、前記第1発明よりもさ
らに高精度の制御性能で以って、ボールミルの安定操業
範囲内で粉砕製品量(精粉量)を高い値に保持すること
ができる。
【0018】第3発明は、供給機から所定量供給される
石炭等の被粉砕物をローラミルにより粉砕して精粉を得
るローラミルにおいて、前記ローラミルの振動を検出す
る振動検出手段と、前記被粉砕物の粒度を検出あるいは
設定する粒度入力手段と、前記被粉砕物の外部循環量即
ちB.E.輸送量を検出する輸送量検出手段と、前記振動・
粒度及びB.E.輸送量が入力され、前記振動・粒度及びB.
E.輸送量が許容範囲内にあるとき、現時点から所定時間
間隔後に前記ローラミルのミル差圧の目標値を現時点よ
りも増加させ、前記振動・粒度及びB.E.輸送量の何れか
が許容範囲外にあるとき、前記所定時間間隔後に前記ミ
ル差圧の目標値を現状値よりも所定量減ずる目標値算出
手段とを備えたことを特徴とする粉砕機の制御装置にあ
る。
【0019】かかる第3発明によれば、ローラミルの振
動、被粉砕物の粒度、並びに前記B.E.輸送量を目標値算
出手段に入力し、該目標値算出手段において、前記振動
・粒度、及びB.E.輸送量が許容範囲内にあるときは、ミ
ル差圧の目標値を増加させるとともに、該目標値及び新
供給量に乗ずる可変ゲインK1 及びK2 を現状値に維持
することにより、ローラミルへの新供給量を前記ミル差
圧が過大にならない範囲で最大量に保持し、前記振動・
粒度、及びB.E.供給量の何れかが許容範囲外にあるとき
は、前記ミル差圧の目標値を所定量減ずるとともに前記
ゲイン(K1 )及び必要に応じて(K2 )を減じて、ロ
ーラミルへの新供給量を減ずることによりローラミルの
詰まりを防止して安定した運転を可能とすることができ
る。
【0020】第4発明は、前記第3発明に加えて、前記
供給機から前記ローラミルに供給される被粉砕物の新供
給量を検出する新供給量検出手段を設けて、該新供給量
検出手段からの検出新供給量を前記目標値算出手段に入
力し、該目標値算出手段は、前記振動・粒度、及び前記
B.E.輸送量が許容範囲内にあるとき、前記新供給量の検
出時点から所定時間間隔における検出供給量の変化量
(dF)と前記ミル差圧の目標値の変化量(dPd’)
との変化量比(dF/dPd’)を算出し、この変化量
比で前記新供給量の目標値を補正するように構成されて
なる。
【0021】かかる第4発明によれば、ミル差圧の目標
値を、前記新供給量の変化量(dF)と該ミル差圧の目
標値の変化量(dPd’)との比で表わされる勾配(M
=dF/dPd’)で補正して設定することにより、前
記第3発明よりもさらに高精度の制御性能で以って、ロ
ーラミルの安定範囲内で精粉量を高い値に保持すること
ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施
形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、そ
の相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、こ
の発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説
明例にすぎない。
【0023】図1は本発明の第1実施形態に係るボール
ミルにおける粉砕量制御装置の構成図(ブロック図)で
ある。図1において、1はボールミル、2はバケットエ
レベータ(以下B.E.と略称する)、3はセパレータであ
る。4は前記B.E.を駆動するモータ、5は該モータ4の
駆動電力を検出する電力計である。6は前記ボールミル
1に新しい被粉砕物を供給する供給機であり、フィード
タンク7から前記被粉砕物の一定量を切り出すようにな
っている。
【0024】8は制御演算器、9は前記電力計5からの
電力検出値を単位変換し、B.E.輸送量として前記制御演
算器8に入力する変換器である。10は前記ボールミル
1の音響レベルを検出する音響レベル計である。
【0025】48はタイミングパルス発生器であり、後
述する安定化ロジック部、最適化ロジック部、制御演算
器、可変ゲイン等は、このタイミングパルス発生器48
により発信されるタイミングパルスSに同期して作動す
る。44は、前記音響レベル計10の出力を前記ボール
ミル1における被粉砕物の滞留量に変換する変換器であ
り、41は該変換器44の出力信号が入力される安定化
ロジック部である。45は粒度入力装置であり、該粒度
入力装置45に入力された粒度は、安定化ロジック部4
1に送られる。40は最適化ロジック部、46、47は
可変ゲインである。
【0026】かかる構成からなるボールミルの粉砕量制
御装置の動作を説明する。ボールミル1に投入された被
破砕物は、ここで粉砕された後、出口1aより排出され
てB.E.駆動モータ4で駆動されているB.E.2により持ち
上げられ、セパレータ3に入る。そして、該セパレータ
3にて分級されて精粉は製品Pとして取り出される。一
方、粗粉は戻り粉として戻り管21を経て再度入口1b
からボールミル1に投入される。
【0027】前記電力計5によるB.E.2駆動用モータ4
の電力の検出値は、変換器9にてB.E.輸送量に変換され
て制御演算器8に入力される。
【0028】一方、タイミングパルス発生器48にて発
信されたタイミングパルスSは制御演算器8、安定化ロ
ジック部41、最適化ロジック部40、可変ゲイン4
6、47に送られ、これらの要素はこのタイミングパル
スSに同期して作動する。尚、計算機により安定化ロジ
ック部41、最適化ロジック部40、制御演算器8、可
変ゲイン46、47等を実現する場合には、タスクの時
間管理を行なうスケジューラが、前記タイミングパルス
発生器48の機能を行なうことになる。
【0029】また、音響レベル計10にて検出された音
響レベルは変換機44に入力され、ここでボールミル1
内における被粉砕物の滞留量に変換される。この滞留量
即ち前記ボールミル1の詰まりの指標となる量は安定化
ロジック部41に入力される。該安定化ロジック部41
には、前記粒度入力装置45から被粉砕物の粒度も入力
されている。
【0030】該安定化ロジック部41において、入力さ
れた被粉砕物の粒度が許容粒度内にあるか否かを監視す
るとともに、ボールミル1内の被粉砕物の滞留量、つま
りミルレベル及びその増加速度が予め設定された許容範
囲内にあるか否かを監視する。
【0031】そして該安定化ロジック部41において
は、前記粒度並びに前記ミルレベル及びその増加速度の
双方が許容範囲内、つまりあるしきい値以下であれば、
判別信号Am=0を、前記粒度並びにミルレベル及びそ
の増加速度の何れかが許容範囲外であれば、判別信号A
m=1を可変ゲイン46及び47に出力する。これによ
り、前記可変ゲイン46及び47は、前記判別信号Am
=0のとき、それらのゲインK2 、K1=1に設定さ
れ、また、前記判別信号Am=1になるとK2 及びK1
は1よりも小さい値に変化せしめられることとなる。か
かるゲインの設定はオペレータから解除指令が出るまで
継続される。
【0032】また、前記安定化ロジック部41は、前記
判別信号Am=0のとき、つまり前記粒度並びにミルレ
ベル及びその増加速度の双方が許容範囲内にあるときに
は、補正指令信号Fl=0前記最適化ロジック部40に
出力する。
【0033】該最適化ロジック部40においては、前記
Fl=0の補正指令信号を受けると、B.E.輸送量の目標
値Y’を、現状(m時点)からΔYだけ増加させる。即
ち、補正(増加)されたB.E.輸送量Y'm+1は下記式
(1)に示すようになる。 Y'm+1=Y'm +ΔY ……(1)
【0034】一方、前記安定化ロジック部41は、前記
判別信号Am=1のとき、つまり前記粒度並びにミルレ
ベル及びその増加速度の何れかが許容範囲外にあるとき
は、前記タイミングパルス発生器48にて設定された任
意の設定時間中、補正指令信号Fl=1を最適化ロジッ
ク部40に出力する。該最適化ロジック部40において
は、前記Fl=1の補正指令信号を受けている間は、前
記目標値Yの増加は行なわず、該目標値を、現状値
(Y'm )、あるいは該現状値よりも予め設定された量
だけ減少させる。
【0035】前記最適化ロジック部40から出力された
前記B.E.輸送量の目標値Yは、安定化ロジック部41に
よって前記のように設定されている可変ゲインK1 が乗
ぜられ制御演算器8に補正目標値として入力される。
【0036】該制御演算器8においては、前記目標値Y
と前記変換器9から入力される実際のB.E.輸送量Y2
の偏差eに基づいて積分比例(PID)演算等を施こ
し、新輸送量、つまり供給機6による新供給量F’を出
力する。そして、この新供給量F’は、安定化ロジック
部41によって前記のように設定されているゲインK2
を乗ぜられて供給機6に出力され、該供給機6はこの新
供給量で以って被供給物を切り出し、ボールミル1に送
る。
【0037】以上のようにかかる実施形態によれば、ボ
ールミル1における被粉砕物の滞留量つまりミルレベル
及びその増加速度、並びに被粉砕物の粒度を安定化ロジ
ック部41に入力し、該安定化ロジック部41において
は、前記ミルレベル及びその増加速度、並びに前記粒度
が許容範囲内にあるときはB.E.輸送量の目標値を、増加
させるとともに、該目標値に乗ずるゲインK1 及び新供
給量の算出値に乗ずるゲインK2 を1として(ゲインの
増加なし)、ボールミルへの供給量を所定量保持し、ま
た、前記ミルレベル及びその増加速度、並びに前記粒度
の何れかが居許容範囲外にあるときは、前記B.E.輸送量
の目標値をある設定時間中現状値に保持するかあるいは
所定量減ずるとともに、前記可変ゲインK1 及びK2
1よりも小さい設定値に減じてボールミルへの供給量を
減ずることにより、ボールミルの詰まりを防止して、安
定した運転を可能とすることができる。
【0038】図2は本発明の第2実施形態を示す。この
実施形態は、図1に示すボールミルの粉砕量制御装置に
対して、次の要素を付加あるいは変更している。
【0039】42は供給機6によって切り出される被粉
砕物の新供給量Fを検出する新供給量検出センサ、43
は該検出センサ42で検出された新供給量Fを目標値補
正信号に変換する変換器であり、該変換器43の出力は
最適化ロジック部40に入力されている。また、前記電
力計5からの電力検出値を単位変換し、B.E.輸送量とす
る変換器9から出力されたB.E.輸出量の検出信号は前記
制御演算器8に入力されるとともに、前記最適化ロジッ
ク部40にも入力される。以上の構成以外は図1に示す
第1実施形態と同様であり、これと同一の部材・要素は
同一の符号にて示す。
【0040】次に図2に示す実施形態の動作を説明す
る。新供給量検出センサ42にて検出された被粉砕物の
新供給量Fは、変換器43に入力され、B.E.輸送量の目
標値補正信号に変換され、最適化ロジック部40に入力
される。また、前記電力計5によるモータ4の電力の検
出値は変換器9にてB.E.輸送量に変換される。そしてこ
のB.E.輸送量の変換信号は、制御演算器8に入力される
とともに前記最適化ロジック部40にも入力される。
【0041】前記安定化ロジック部41の動作は前記第
1実施形態(図1)と同様である。前記最適化ロジック
部40においては、被粉砕物の粒度、並びに前記ミルレ
ベル及びその増加速度の双方が許容範囲内にあって、前
記安定化ロジック部41から補正指令信号Fl=0が入
力されると、次の式(2)〜(6)によりB.E.輸出量の
目標値Y'm+1を算出する。
【0042】即ち、前記安定化ロジック部41にて、前
記判別信号Am=0、補正指令信号Fl=0のとき、つ
まり前記粒度、並びにミルレベル及びその増加速度が許
容範囲内のときのB.E.輸送量におけるYm+1は前記第1
実施形態における式(1)で算出される。このときの目
標値の変化量dYmは、 dY'm =Ym+1−Y'm ……(2) となる。
【0043】また、前記新供給量検出センサ42により
検出され、変換器43から出力される時点(m)におけ
る新供給量Fmと時点(m+1)における新供給量F
m+1 との新供給量の変化量dFmは、 dFm=Fm+1 −Fm ……(3) となる。
【0044】従って、タイミングパルス発生器48から
出力されるパルス間隔即ち前記時点(m)と時点(m+
1)の間隔でのB.E.輸送量の目標値の変化量dY'm
と、前記間隔での新供給量の変化量dFmとの勾配M
は、dYm=0のときは、 Mm=0 ……(4) となり、上記以外のときは、 Mm=dFm/dY'm ……(5) となる。
【0045】そして上記勾配Mを用いて補正したB.E.輸
送量の目標値Y'm+1は、 Y'm+1=Y'm +(Ko×Mm) ……(6) となる。ここでKoは係数である。図6に前記ボールミ
ルにおけるB.E.輸送量の時間変化を示す。図6に示すよ
うに、B.E.輸送量は頂点Zよりも前側(左側)では右上
りの上昇線で前記勾配M≧0、頂点Zよりも後側(右
側)では右下りの下降線で前記勾配M<0であるため、
式(6)にて算出されるB.E.輸送量の目標値Y’は前記
M≧0で右側に移動し、M<0で左側に移動することに
より頂点Zに収束する。
【0046】これにより、B.E.輸送量は、これに異常値
が生じない限り、自動的に前記頂点Zに達して最適輸送
量での運転がなされる。また、前記輸送量に異常が生じ
た場合は、オペレータからの指令が入力されるまで、前
記ゲインK1 の設定値を下げて一定負荷運転を行なう。
【0047】又、前記粒度、並びにミルレベル及びその
増加速度の何れかが許容範囲外にあって、前記安定化ロ
ジック部41から補正指令信号Fl=1が前記最適化ロ
ジック部40に入力されると、該最適化ロジック部40
においては、前記目標値Y’の増加は行なわず、現状値
Y'm に、前記判別信号Am=1におけるゲインK1
乗じた目標値K1Y'mを制御演算器8に入力する。そし
て、かかる目標値K1Y'mの入力状態をオペレータから
の解除指令が出されるまで保持する。
【0048】以上のようにかかる第2実施形態において
は、B.E.輸送量の目標値Y’を前記新供給量の変化量d
Fmと該B.E.輸送量の目標値の変化量dY'm との比で
表わされる勾配Mmで補正して設定することにより、前
記第1実施形態よりもさらに高精度の制御性能で以っ
て、ボールミルの安定操業範囲内で粉砕製品量(精粉
量)を高い値に保持することができる。
【0049】図3は本発明の第3実施形態に係るローラ
ミルの粉砕量制御装置のブロック図である。図3におい
て、21はローラミルのミル本体、7はフィードタン
ク、6は供給機であり、被粉砕物は該フィードタンク7
から供給機6を介してミル本体21に供給される。該ミ
ル本体21は、複数の圧下ローラ24と回転テーブル2
5との間に供給される前記被粉砕物を粉砕し、その粉砕
物を前記回転テーブル25の外周部下方からガス供給部
26を介して吹き上げ供給される高温ガスGにてミル内
上方部の設けられたセパレータ23に導き、精粉Pと粗
粉とに分離している。該セパレータ23により分離され
た精粉Pは、上記ガスGにより搬送されて外部に取り出
され、サイクロン28に供給されてここで前記ガスGと
分離されて排出(出力)される。また、前記粗粉は、前
記回転テーブル25上に落下供給されて再度粉砕され
る。なお、前記ガスGは上記サイクロン28に接続され
た吸引ファン29により吸引されており、前記ミル本体
21内からサイクロン28へと通流される。
【0050】一方、前記回転テーブル25の外周からそ
の周囲に落下する粉砕残存物、つまり前記圧下ローラ2
4と回転テーブル25とによって粉砕されなかった残存
被粉砕物Zは、粗粉ベルトコンベア27を介してバケッ
トエレベータ(以下、B.E.と略称される)2に供給さ
れ、該B.E.2によってミル本体21の上部に導かれ、前
記新供給被粉砕物に加えられてミル本体21に再供給さ
れる。前記粗粉ベルトコンベア27と前記B.E.2からな
る粗粉再投入機構による粗粉の搬送量をYとすると、こ
の搬送量Yは、前記B.E.2を駆動するモータ4の電力を
測定する電力計5の出力を単位変換する変換器9の出力
として検出され、後述する安定化ロジック部41に入力
される。一方、前記ミル本体21に供給されるガスGの
ガス導入部(入口部)と、ミル本体21から排出される
ガスGの排出部(出口部)にそれぞれ圧力計30、31
を設け、前記ガスGの供給・排ガス圧力Pi、Poを検
出し、この検出信号を差分器32に導き、ミル差圧Pd
を算出する。前記ミル差圧Pdは制御演算器8に入力さ
れる。
【0051】33は前記ミル本体21の振動を検出する
振動センサ、49は該振動センサ33の出力を単位変換
する変換器である。該変換器49を経た前記ミル本体2
1の振動は後述する安定化ロジック部41に入力され
る。
【0052】48はタイミングパルス発生器であり、後
述する安定化ロジック部41、最適化ロジック部40、
制御演算器8、可変ゲイン46、47等は、このタイミ
ングパルス発生器48により発信されるタイミングパル
スSに同期して作動する。45は粒度入力装置であり、
該粒度入力装置45に入力された粒度は安定化ロジック
部41に送られる。40は最適化ロジック部、46、4
7は可変ゲイン、41は安定化ロジック部であり、該安
定化ロジック部41の出力は最適化ロジック部40及び
2つのゲイン46、47に夫々入力されるようになって
いる。
【0053】かかる構成からなるローラミルの粉砕量制
御装置の動作を説明する。ローラミル本体21に供給さ
れるガスGの供給ガス圧力Pi及び排気ガス圧力Poは
圧力計30及び31により夫々検出されて差分器32に
入力される。該差分器32においては、前記ガスGの供
給ガス圧力Piと排気ガス圧力Poとの差、つまりミル
差圧Pdを算出して制御演算器8に入力する。
【0054】また、前記振動センサ33によって検出さ
れたミル本体21の振動は変換機49にて単位変換され
た後、前記安定化ロジック部41に入力される。また、
前記電力計5にて検出されたB.E.駆動用モータ4の電力
は、変換器9にてB.E.輸送量に変換されて前記安定化ロ
ジック部41に入力される。
【0055】一方、タイミングパルス発生器48にて発
信されたタイミングパルスSは制御演算器8、安定化ロ
ジック部41、最適化ロジック部40、可変ゲイン4
6、47に送られ、これらの要素はこのタイミングパル
スSに同期して作動する。
【0056】尚、計算機により安定化ロジック部41、
最適化ロジック部40、制御演算器8、可変ゲイン4
6、47等を実現する場合には、タスクの時間管理を行
なうスケジューラが、前記タイミングパルス発生器48
の機能を行なうことになる。
【0057】前記安定化ロジック部41には、前記のよ
うにミル本体21の振動の検出信号、B.E.駆動用モータ
4の電力に基づくB.E.輸送量の検出信号、及び被粉砕物
の粒度の検出あるいは設定信号が入力されている。
【0058】該安定化ロジック部41においては、入力
された被粉砕物の粒度が許容範囲内にあるか否かを監視
するとともに、前記ミル本体21の振動レベル、並びに
B.E.輸送量及び必要に応じてその増加速度が許容範囲内
にあるか否かを監視する。そして、該安定化ロジック部
41においては、前記粒度、振動レベル、B.E.輸送量
(必要に応じてその増加速度、以下同様)の何れもが許
容範囲内であれば、判別信号Am=0を、前記粒度、振
動レベル、B.E.輸送量の何れかが許容範囲外であれば、
判別信号Am=1を、夫々前記可変ゲイン47及び46
に入力する。
【0059】これにより、前記可変ゲイン46及び47
は、前記判別信号Am=0のとき、それらのゲインK
2 、K1 =1に設定され、また、前記判別信号Am=1
になるとK2 及びK1 は1よりも小さい値に変化せしめ
られることとなる。かかるゲインの設定はオペレータか
ら解除指令が出るまで継続される。
【0060】また、前記安定化ロジック部41は、前記
判別信号Am=0のとき、つまり粒度、振動レベル及び
B.E.輸送量の何れもが許容範囲内にあるときには、補正
指令信号Fl=0を前記最適化ロジック部40に出力す
る。
【0061】該最適化ロジック部40においては、前記
Fl=0の補正指令信号を受けると、前記ミル差圧Pd
の目標値を、現状(m時点)から予め設定された値ΔP
dだけ増加させる。即ち、タイミングパルスSの所定間
隔後における補正(増加)されたミル差圧の目標値P
d'm+1は式(7)に示すようになる。 Pd'm+1=Pd'm +ΔPd ……(7)
【0062】一方、前記安定化ロジック部41は、前記
判別信号Am=1のとき、つまり前記粒度、振動レベ
ル、及びB.E.輸送量の何れかが許容範囲外にあるとき
は、補正指令信号Fl=1を前記最適化ロジック部40
に出力する。
【0063】該最適化ロジック部40においては、前記
Fl=1の補正信号を受けている間は前記差圧ミル差圧
の目標値Pd’の増加は行なわず、現状値(m時点にお
ける値)から予め設定された量だけ減少させるか、ある
いは現状の目標値Pd'm に1よりも小さいある係数
(変更可能な係数)を乗ずることにより、前記タイミン
グパルス間隔後の(m+1)時点におけるミル差圧の目
標値Pd'm+1を減少させる。
【0064】前記最適化ロジック部40から出力された
前記ミル差圧の目標値Pdは、安定化ロジック部41に
よって前記のように設定されている可変ゲインK1 が乗
ぜられ制御演算器8に補正目標値として入力される。
【0065】該制御演算器8においては、前記目標値P
d’と前記差分器32から入力されるミル差圧の検出値
Pdとの偏差ΔPにPID演算等を施こして新供給量を
算出する。この算出新供給量は前記安定化ロジック部4
1によって前記のように設定されている可変ゲインK2
を乗ぜられて、新供給量Fとして供給機6に入力され、
該供給機6はこの新供給量Fで以って被粉砕物を切り出
し、ローラミルに送る。
【0066】以上のように、かかる実施形態によれば、
ローラミルのミル本体21の振動、被粉砕物の粒度、並
びにB.E.輸送量を安定化ロジック部41に入力し、該安
定化ロジック部41において、前記振動、粒度及びB.E.
輸送量の目標値が許容範囲内にあるときは、ミル差圧の
目標値を増加させるとともに、該目標値及び新供給量に
乗ずる可変ゲインK1 及びK2 を現状値に維持すること
により、ローラミルへの新供給量を前記ミル差圧が過大
にならない範囲で最大量に保持し、前記振動、粒度及び
B.E.供給量の何れかが許容範囲外にあるときは、前記ミ
ル差圧の目標値を所定量減ずるとともに前記可変ゲイン
1 及び必要に応じてK2 を減じて、ローラミルへの新
供給量を減ずることによりローラミルの詰まりを防止し
て安定した運転を可能とすることができる。
【0067】図4は本発明の第4実施形態を示す。この
実施形態は図3に示すローラミルの粉砕制御装置に対し
て次の要素を付加あるいは変更している。42は前記供
給機6からの被粉砕物の新供給量を検出する新供給量検
出センサ、43は該検出センサ42で検出された新供給
量Fを目標値補正信号に変換する変換器であり、該変換
器43の出力は前記最適化ロジック部40に入力されて
いる。
【0068】また前記差分器32から出力されるミル差
圧の検出信号は、前記制御演算器8に入力されるととも
に、前記最適化ロジック部40に入力されている。以上
の構成以外は図3に示す第3実施形態と同様であり、こ
れと同一の部材・要素は同一の符号にて示す。
【0069】次に図4に示す第4実施形態の動作を説明
する。新供給量検出センサ42にて検出された被粉砕物
の新供給量Fは、変換器43に入力され、ミル差圧の目
標値補正信号に変換され最適化ロジック部40に入力さ
れる。
【0070】また差分器32から出力されるミル差圧の
検出信号は、前記のように、制御演算器8及び最適化ロ
ジック部40に入力される。前記安定化ロジック部41
の動作は、前記第3実施形態(図3)と同様である。前
記最適化ロジック部40においては、前記ミル本体21
の振動、被粉砕物の粒度、及びB.E.輸送量が許容範囲内
にあって、前記安定化ロジック部41から補正指令信号
Fl=0が入力されると、次の式(8)〜(12)によ
りミル差圧の目標値Pd'm+1を算出する。
【0071】即ち、前記安定化ロジック部41にて、前
記判別信号Am=0、補正信号Fl=0のとき、つまり
前記振動、粒度、並びにB.E.輸送量が許容範囲内のとき
のミル差圧の目標値Pd'm+1は前記式(7)で算出され
る。
【0072】このときの目標値の変化量dPdmは、 dPd'm=Pd'm+1−Pd'm ……(8) となる。また、前記新供給量検出センサ42により検出
され、変換器43から出力される時点(m)における新
供給量Fmと時点(m+1)における新供給量Fm+1
の変化量の変化量dFmは、 dFm=Fm+1−Fm ……(9) となる。
【0073】従って、タイミングパルス発生器48から
出力されるパルス間隔即ち前記時点(m)と時点(m+
1)との間隔でのミル差圧の目標値の変化量dPdm
と、前記間隔での新供給量の変化量dFmとの勾配M
は、dPd'm =0のときは、 Mm=0 ……(10) となり、上記以外のときは、 Mm=dFm/dPd'm ……(11) となる。そして、上記勾配Mmを用いて補正したミル差
圧の目標Pd'm+1は、 Pd'm+1=Pd'm+(Ko×Mm) ……(12) となる。ここでKoは係数である。
【0074】従って、かかる実施形態によれば、上記式
(12)で算出されるミル差圧の目標値Pd'm+1は、図
2に示す第2実施形態と同様に、異常値が生じない限り
自動的に頂点に収束して最適ミル差圧での運転がなされ
る。また、前記ミル差圧に異常が生じた場合には、オペ
レータからの指令が入力されるまで、前記可変ゲインK
1 の設定値を下げて一定負荷運転を行なう。
【0075】また、前記振動、粒度、B.E.輸送量の何れ
かが許容範囲外にあって、前記安定化ロジック部41か
ら補正指令信号Fl=1が前記最適化ロジック部40に
入力されると、該最適化ロジック部40においては、前
記目標値Pd’の増加は行なわず、現状値Pd'm に、
前記判別信号Am=1におけるゲインK1 を乗じた目標
値K1Pd'mを制御演算器8に入力する。そして、かか
る目標値K1Pd'mの入力状態をオペレータからの解除
指令が出されるまでに保持する。
【0076】以上のように、かかる第4実施形態におい
ては、ミル差圧の目標値Pd’を、前記新供給量の変化
量dFmと該ミル差圧の目標値Pd’を、前記新供給量
の変化量dFmと該ミル差圧の目標値の変化量dPd'
m との比で表わされる勾配Mmで補正して設定するこ
とにより、前記第3実施形態よりもさらに高精度の制御
性能で以って、ローラミルの安定操業範囲内で精粉量を
高い値に保持することができる。
【0077】
【発明の効果】以上記載のごとく、請求項1及び2に係
るボールミルにおいては、ミルレベル(ミル内の被粉砕
物滞留量)及び被粉砕物の粒度が許容範囲内にあるが否
かによって、更には、実供給量と目標値との変化割合に
よる補正を加えて、ミルへの新供給量の目標値を自動的
に調整することにより、ミルの詰まりの発生が阻止され
粉砕性能の変化に適応したボールミルの安定運転を、オ
ペレータの負担を大幅に低減させて実現することができ
る。
【0078】また請求項3及び4に係るローラミルにお
いては、該ローラミルの振動、被粉砕物の粒度、及び被
粉砕物の外部循環量(B.E.輸送量)が許容範囲内にある
か否かによって、さらには実供給量とミル差圧の目標値
との変化割合による補正を加えて、ミル差圧の目標値と
調整することにより、ミル差圧の過大化を阻止して、ロ
ーラミルの詰まりの発生を防止することができ、ボール
ミルの場合と同様に粉砕性能の変化に適応したローラミ
ルの安定運転をオペレータの負担を大幅に低減して実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るボールミルの粉砕
量制御装置のブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す図1対応図であ
る。
【図3】本発明の第3実施形態に係るローラミルの粉砕
量制御装置のブロック図である。
【図4】本発明の第4実施形態を示す図3対応図であ
る。
【図5】上記各実施形態に係るミルの新供給量とB.E.輸
送量の関係を示す線図である。
【図6】上記各実施形態におけるB.E.輸送量と新供給量
との関係を示す線図である。
【図7】従来技術に係るボールミルの粉砕制御装置のブ
ロック図である。
【図8】従来技術に係るボールミルの粉砕量制御装置の
ブロック図である。
【符号の説明】
1 ボールミル 2 バケットエレベータ(B.E.) 4 モータ 5 電力計 6 供給機 7 フィードタンク 8 制御演算器 9、43、44、49 変換器 10 音響レベル計 21 ミル本体 30、31 圧力計 32 差分器 33 振動センサ 40 最適化ロジック部 41 安定化ロジック部 42 新供給量検出センサ 45 粒度入力装置 46、47 可変ゲイン 48 タイミングパルス発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−149252(JP,A) 特開 昭58−159855(JP,A) 特開 昭62−87260(JP,A) 特開 平5−84445(JP,A) 特開 昭62−217303(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 25/00 B02C 15/00 - 17/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給機から所定量供給される石炭等の被
    粉砕物をボールミルにより粉砕して精粉を得るボールミ
    ル装置において、 前記ボールミル内における被粉砕物の滞留状態を検出す
    る滞留状態検出手段と、 前記被粉砕物の粒度を検出あるいは設定する粒度入力手
    段と、 前記滞留状態及び粒度が入力され、前記ボールミル内に
    おける被粉砕物の滞留量レベル及び前記粒度の双方が許
    容範囲内にあるとき、現時点から所定時間間隔後に前記
    供給機に与えられる新供給量の目標値を現時点よりも増
    加させ、前記滞留量レベル及び前記粒度の何れかが許容
    範囲外にあるとき前記目標値を少なくとも現状値に保持
    する目標値算出手段とを備えたことを特徴とする粉砕機
    の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記供給機から前記ボールミルに供給さ
    れる被粉砕物の供給量を検出する供給量検出手段を設
    け、 該供給量検出手段からの検出供給量を前記目標値算出手
    段に入力し、 該目標値算出手段は、前記滞留量レベル及び前記粒度が
    許容範囲内にあるとき、前記検出供給量の検出時点から
    所定時間間隔における検出供給量の変化量(dF)と供
    給量の目標値の変化量(dY’)との変化量比(dF/
    dY’)を算出し、この変化量比で前記新供給量の目標
    値を補正するように構成されてなる請求項1記載の粉砕
    機の制御装置。
  3. 【請求項3】 供給機から所定量供給される石炭等の被
    粉砕物をローラミルにより粉砕して精粉を得るローラミ
    ルにおいて、 前記ローラミルの振動を検出する振動検出手段と、 前記被粉砕物の粒度を検出あるいは設定する粒度入力手
    段と、 前記被粉砕物の外部循環量即ちB.E.輸送量を検出する輸
    送量検出手段と、 前記振動・粒度及びB.E.輸送量が入力され、前記振動・
    粒度及びB.E.輸送量が許容範囲内にあるとき、現時点か
    ら所定時間間隔後に前記ローラミルのミル差圧の目標値
    を現時点よりも増加させ、 前記振動・粒度及びB.E.輸送量の何れかが許容範囲外に
    あるとき、前記所定時間間隔後に前記ミル差圧の目標値
    を現状値よりも所定量減ずる目標値算出手段とを備えた
    ことを特徴とする粉砕機の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記供給機から前記ローラミルに供給さ
    れる被粉砕物の供給量を検出する供給量検出手段を設け
    て、該供給量検出手段 からの検出供給量を前記目標値算出手
    段に入力し、 該目標値算出手段は、前記振動・粒度、及び前記B.E.輸
    送量が許容範囲内にあるとき、前記供給量の検出時点か
    ら所定時間間隔における検出供給量の変化量(dF)と
    前記ミル差圧の目標値の変化量(dPd’)との変化量
    比(dF/dPd’)を算出し、この変化量比で前記新
    供給量の目標値を補正するように構成されてなる請求項
    3記載の粉砕機の制御装置。
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