JP3438198B2 - 抗菌性吸水シートとその製造方法 - Google Patents

抗菌性吸水シートとその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生鮮食品等の食品
の日持ち向上に用いられる抗菌性吸水シートとその製造
方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、生鮮食品の鮮度保持材として抗
菌性シートは、広く利用されている。このような抗菌性
シートとして、実公平7−14225号公報には、抗菌
性および揮散性を有するイソチオシアン酸エステル類等
の抗菌性成分のサイクロデキストリン包接物(以下、C
D包接物と略すことがある。)を吸水性及び吸油性を有
するシ−ト状吸湿部材、例えばウレタン等の合成樹脂発
泡体から作製したシート吸湿部材の内部に分散させた抗
菌性ドリップ吸収シート、もしくは上記抗菌性成分のサ
イクロデキストリン包接物をウレタン系樹脂等のバイン
ダーを用いて吸湿部材表面に塗布した抗菌性ドリップ吸
収シートが開示されている。
【0003】これ等の抗菌性ドリップ吸収シートは、生
鮮食品の保存、流通時における包装材として使用でき、
抗菌性成分がガスとして放散し、生鮮食品に付着した腐
敗の原因となる微生物の増殖を抑制することができると
共に、生鮮食品から出たドリップを吸収できるとされて
いる。
【0004】また、末端イソシアネ−ト基含有親水性ポ
リウレタンプレポリマ−に油状抗菌剤を含んだサイクロ
デキストリン包接物を混合、分散させた水膨潤性ポリウ
レタン樹脂層からなる抗菌性フィルム等が特開平9−2
24560号公報に開示されている。この抗菌性フィル
ムの製造方法としては、ポリウレタンプレポリマ−とポ
リエ−テルポリオ−ルと上記の包接化合物の粉末とを混
合分散させ、必要により有機溶剤、酢酸エチル、メチル
エチルケトン、イソプロピルアルコール、トルエン、キ
シレン等を使用し、得られた混合分散液を水平に保たれ
た離型シ−ト上に流延し養生させるのである。この方法
は前記実用新案公報に記載されているドリップ吸収シ−
トに比較して均一な抗菌性シ−トが得られるという長所
があるとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のウレタン系樹脂を使用する抗菌性ドリップ吸収シート
は、ウレタン系樹脂を使用しているために、直接食品に
接触するように使用できないことは勿論、そのように使
用しない場合でも残留モノマー、遊離イソチオシアネー
ト等の影響が食品衛生上懸念される。特に、特開平9−
224560号公報に開示されている抗菌性フィルムの
製造方法として、酢酸エチル、メチルエチルケトン、イ
ソプロピルアルコール、トルエン、キシレン等の溶剤を
使用した場合、この溶剤の一部がサイクロデキストリン
に包接され、この包接された溶剤が使用時に揮発すると
いう重大な欠点を有することが判明した。例えば、酢酸
エチルが包接されたシートをマグロ等の刺身に使用した
際には、使用時に揮発する酢酸エチルの影響でマグロ等
赤みのある刺身が土色に変色するという食品衛生上の問
題を生じる虞がある。
【0006】本発明者等は、上記の事情に鑑み、食品衛
生上の問題を解決し、且つ前記のサイクロデキストリン
包接物が均一に含有され、しかも長期間にわたり抗菌性
の作用を有する抗菌性シ−トを得るために鋭意検討した
結果、本発明を完成したもので、本発明の目的は、抗菌
性物質が均一に含有されると共に、長期間にわたり抗菌
性の作用を有する食品衛生上の問題のない抗菌性吸水シ
−ト及びその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、吸水性
シート状部材に、抗菌性及び揮発性を有する油状抗菌剤
を包接したサイクロデキストリン包接物と抗菌性及び揮
発性を有する油状抗菌剤を吸着したデキストリン吸着物
とが天然樹脂バインダーと共に含有された抗菌性吸水シ
ートと、抗菌性及び揮発性を有する油状抗菌剤を包接し
たサイクロデキストリン包接物と抗菌性及び揮発性を有
する油状抗菌剤を吸着したデキストリン吸着物とを、ア
ルコール系溶剤に天然樹脂バインダーを混合した混合液
中に分散し、前記分散液を吸水性シート状部材に塗布す
る抗菌性吸水シートの製造方法である。
【0008】即ち、本発明は、上記したような食品衛生
上問題を生じる虞のあるウレタン系樹脂等を使用せず、
さらには、同様の問題を生じる虞のある溶剤をも使用せ
ず、抗菌性および揮散性を有するイソチオシアン酸エス
テル類等の抗菌性成分のサイクロデキストリン包接物と
デキストリン吸着物を使用した抗菌性シートであって、
本発明において、サイクロデキストリン包接物とデキス
トリン吸着物を併用する目的は、抗菌性及び揮発性を有
する油状抗菌剤の放散時間をづらす目的からである。更
に、通常サイクロデキストリンよりイソチオシアン酸エ
ステル類等の保持力が劣るデキストリンを使用するの
は、アルコール溶液中ではサイクロデキストリン包接物
よりもデキストリン吸着物の方がアルコール溶液に抗菌
成分が抽出されにくい点を発見したからである。また、
その製造工程においては、加熱や、さらにはサイクロデ
キストリン包接物から抗菌性成分の放散を促す水分を使
用する工程を含まず、かつアルコール系溶剤で抽出され
にくいデキストリン吸着物を使用することによって、本
発明にかかる抗菌性吸水シートの抗菌成分の含有量を増
やしたのである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に述べ
る。本発明で使用する吸水シート状部材としては、吸水
性を有するものであれば、特に限定されないが、紙、パ
ルプや綿等の天然繊維やポリエステルやアクリル等の合
成繊維からなる布、不織布などの透水性および吸水性を
有するシートを挙げることができる。さらに、上記シー
ト内の繊維間に絡合によって吸水性樹脂粒子を保持させ
たもの、あるいは上記各シート間に吸水性樹脂粒子を分
散させたものを挙げることができる。
【0010】上記吸水性樹脂としては、例えばデンプン
・アクリル酸塩のグラフト重合体、カルボキシメチルセ
ルロース架橋体、ビニルアルコール・アクリル酸塩共重
合体、ポリアクリロニトリル加水分解物、架橋ポリアク
リル酸塩、変性ポリビニルアルコール、アクリル酸重合
体、アクリル酸塩・アクリルアミド共重合体、イソブチ
レン・無水マレイン酸共重合体などが挙げられるが、吸
水性を有する材料であれば、特に限定されない。
【0011】本発明で使用する抗菌性及び揮発性を有す
る油状抗菌剤としては、常温において揮散性を有し、抗
菌作用としての殺菌あるいは静菌作用を有するイソチオ
シアン酸エステル類を主成分とする抽出物が挙げられ
る。なお、このようなイソチオシアン酸エステル類を用
いるのは、イソチオシアン酸エステル類を主成分とする
抽出物が既存添加物として食品衛生上認められていると
共に、抗菌作用を発揮できる特性を有するからである。
【0012】イソチオシアン酸エステル類を主成分とす
る抽出物としては、からしやわさびの辛味成分であるイ
ソチオシアン酸アリル(CH2=CHCH2NCS)、イ
ソチオシアン酸フェニル、イソチオシアン酸メチル、イ
ソチオシアン酸エチル、イソチオシアン酸プロピル、イ
ソチオシアン酸イソプロピル、イソチオシアン酸ブチ
ル、イソチオシアン酸イソブチル、イソチオシアン酸イ
ソアミル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン
酸シクロヘキシル等を主成分とする抽出物が使用でき
る。
【0013】本発明では上記抗菌剤をサイクロデキスト
リンで包接する。油状抗菌剤を包接するサイクロデキス
トリンとしては、グルコースが6単位以上がα−1,4
結合した環状オリゴ糖であり、具体例としては例えば、
マルトシルα−サイクロデキストリン、マルトシルβ−
サイクロデキストリン、ジマルトシルα−サイクロデキ
ストリン、ジマルトシルβ−サイクロデキストリン、α
−サイクロデキストリンなどが例示されるが、本発明に
おいては、これらのサイクロデキストリンの、1種類の
ものを単独で用いてもよいし、複数の種類のものを混合
して用いてもよい。なお、上記のようなサイクロデキス
トリンを用いるのは、サイクロデキストリンが食品衛生
上の安全性が高く、また上記油状抗菌剤の抗菌作用を安
定してより有効に発揮させる特性を有するからである。
すなわち、サイクロデキストリンは、油状抗菌剤の被包
接物における化学的な安定化、放散の除放化、無臭化、
酸化防止、光分解抑制をはかり、包接された油状抗菌剤
の長期間にわたる安定性、有効性を確保できるものであ
る。
【0014】さらに、上記の油状抗菌剤を包接したサイ
クロデキストリンは、ドリップ等の水分の存在下におい
て、上記油状抗菌剤の放散を助長することから、食品を
載せたときにはじめて油状抗菌剤が放散し、効率よく油
状抗菌剤濃度を高めることができるので、油状抗菌剤濃
度の制御が可能となるので好適に使用することができ
る。しかも、上記の油状抗菌剤を包接したサイクロデキ
ストリン包接物は、ゼオライト等の無機質担体と比べて
吸湿性が小さいため、食品の包装内雰囲気湿度に影響さ
れることなく、被包接物の安定した揮発濃度が得られる
と共に、消臭効果により食品から発生する異臭を除去す
ることもできる。
【0015】更に、本発明においては、油状抗菌剤を吸
着したデキストリン吸着物を使用する。本発明で使用す
るデキストリンとしては、デンプンを化学的、あるいは
酵素的方法で低分子化したものを使用することができ
る。また、上記のデキストリンに油状抗菌剤を吸着させ
る方法は、特に限定はしないが、一般的には、油状抗菌
剤とデキストリン及び水の分散液に乳化剤を入れスプレ
ードライする方法等が挙げられる。
【0016】本発明で使用する天然樹脂バインダーとし
ては、アルコール系溶剤に可溶なものが好ましく、例え
ば、シェラック、コーパル樹脂等が挙げらる。このよ
うな天然樹脂バインダーにあっては、残留モノマー等の
影響もなく、直接食品に接触するように使用することも
できるので好ましい。これらの中でも特にシェラックは
エチルアルコールとの溶解性の点から好ましい。
【0017】また、上記の油状抗菌剤を包接したサイク
ロデキストリン包接物及び油状抗菌剤を吸着したデキス
トリン吸着物が天然樹脂バインダー100重量部に対
し、50〜500重量部となるように吸水性シート状部
材に塗布されていることが好ましい。これは、上記の油
状抗菌剤を包接したサイクロデキストリン包接物及び油
状抗菌剤を吸着したデキストリン吸着物が50重量部未
満では、油状抗菌剤を包接したサイクロデキストリン包
接物及び油状抗菌剤を吸着したデキストリン吸着物が天
然樹脂バインダーに覆われ包接した油状抗菌剤が放散し
にくくなるからであり、また、500重量部より多いと
吸水シート状部材に油状抗菌剤を包接したサイクロデキ
ストリン包接物及び油状抗菌剤を吸着したデキストリン
吸着物を保持できなくなるからである。そして、サイク
ロデキストリン包接物とデキストリン吸着物の割合は
1:9〜8:2であり、有効時間、初期汚染度、菌種等
により任意に変える事ができる。
【0018】本発明で使用できるアルコール系溶剤とし
ては、例えば、エチルアルコール、シンナミルアルコー
ル、デカノール等の溶剤が挙げられる。前記のアルコー
ル系溶剤は食品衛生上の安全性を有すると共に、溶剤自
体が抗菌作用を発揮できる特性を有するもので、特にエ
チルアルコールが好ましい。本発明では、吸水シート状
部材に対する油状抗菌剤を包接したサイクロデキストリ
ン包接物の配合量は、0.01〜20g/m2が好まし
く、さらには0.1〜10g/m2が好ましい。その配
合量が0.01g/m2未満であると、抗菌効果が小さ
くなり、その配合量が20g/m2を越えると、吸水シ
ート状部材に対して安定に保持させることが困難なもの
となるからである。また、吸水シート状部材に対する油
状抗菌剤を吸着したデキストリン吸着物の配合量は、
0.01〜20g/m2が好ましく、さらには0.1〜
10g/m2が好ましい。
【0019】
【実施例】本発明を以下、実施例等に基づいて具体的に
詳細に説明する。エタノール液中での安定性をみる為、
以下の試験を実施した。サイクロデキストリン包接物と
して油状抗菌剤が10%包接されているβ−CD、デキ
ストリン吸着物としては、油状抗菌剤:デキストリン:
乳化剤=10:80:10を用意した。
【0020】エタノールに、サイクロデキストリン包接
物及びデキストリン吸着物を入れ配合直後と24時間後
の液をビーカーに取りエタノールを揮発させ固形分のA
ITC含有量を測定した。結果、配合直後のAITC含
有量を100%とするとサイクロデキストリン包接物
は、21%のAITC残存率であったのに対し、デキス
トリン吸着物はほぼ100%に近い残存率であった。つ
まりは、デキストリン吸着物はエタノール溶液で抽出さ
れにくい事が判明した。
【0021】実施例1 エタノール5.5kgにシェラック樹脂1.5kgを分
散させ、β−サイクロデキストリン包接物粒子1.5k
gとデキストリン吸着物1.5kgを投入し分散した。
得られた混合分散液をグラビアコーターにより固形分と
して5g/m2の割合で天然パルプシートに塗工し抗菌
性吸水シートを得た。なお、固形分とは混合分散液から
揮発性のエタノールを抜いた物である。
【0022】比較例1 β−サイクロデキストリン包接物粒子1.5kgとデキ
ストリン吸着物1.5kgをβ−サイクロデキストリン
包接物粒子3.0kgに変更した以外は、実施例1と同
様にして抗菌性吸水シートを得た。
【0023】比較例2 β−サイクロデキストリン包接物粒子1.5kgとデキ
ストリン吸着物1.5kgをデキストリン吸着物粒子
3.0kgに変更した以外は、実施例1と同様にして抗
菌性吸水シートを得た。
【0024】実施例2〜4及び比較例3〜4 以下表1に示すようシェラック樹脂と前記の混合粒子と
の配合比率を変え、混合分散液の安定性を判断した結果
も記載した。液安定性とは、エタノール層の分離の有無
で判断した。混合分散液の分離が激しい場合は、グラビ
アコーターで塗工する際、スタート時はエタノール液ば
かり塗工してしまい目標塗布量が得られなくなってしま
うばかりでなく、塗工を継続して行くと固形分がリッチ
な状態になり吸水シートへの塗布量が目標塗布量よりも
多くなってしまい、最終的には液粘度が高いとグラビア
コーターに乗らなくなってしまう。
【0025】
【表1】
【0026】このように天然樹脂バインダーであるシェ
ラック樹脂の比率が約20%前後のエタノール溶液の条
件下において、油状抗菌剤を包接したβ−サイクロデキ
ストリン包接物を安定して混合分散するにはデキストリ
ン粒子を添加することが有効であり、また、デキストリ
ン吸着物はエタノール溶液により油状抗菌剤が抽出しに
くいので塗工後の油状抗菌剤の保持率が高い。また、天
然樹脂バインダー量100重量部に対し、混合粒子が5
0重量部以下であったり、500重量部以上であっても
分散は安定しない。
【0027】実施例1で作成した抗菌性吸水シートの抗
菌試験を実施した。前記シートからのイソチオシアン酸
アリルの放散量を測定したところ、0.1mg/lであ
った。生理食塩水9mlに大腸菌K12株(IFO N
o.3301)を1ml加え、1×1cmにカットした
抗菌性吸水シートを10枚入れた。対照区として実施例
1で使用したものと同じ未処理の吸水シートを同様に1
0枚入れたものを用意し、35℃、110rpmで培養
し、6時間後の菌数を測定した。結果を表2に示すが、
菌数は1ml当たりの菌数で示した。
【0028】
【表2】
【0029】このように実施例1で得た抗菌性吸水シー
トは、生鮮食品、例えばマグロの切身が載せられ、ラッ
プされて密閉された状態で冷蔵陳列ケース等に並べて保
存される食品トレイに敷いて用いた場合、この抗菌性吸
水シートと接触する生鮮食品の部分は、抗菌性及び揮発
性を有する油状抗菌剤を包接したサイクロデキストリン
包接物及びデキストリン吸着物から散する油状抗菌剤に
よって抗菌されて、有害菌等の微生物の増殖が抑制でき
る。
【0030】また、上記生鮮食品から流出するドリップ
については、上記サイクロデキストリン包接物粒子及び
デキストリン吸着物粒子から放散する油状抗菌剤に直接
接触することによって抗菌されて、上記ドリップ内の微
生物に起因する異臭の発生が防止され、さらに、吸水シ
ート内の天然パルブ間に吸収されるから、生鮮食品との
接触が防止されるので、上記生鮮食品におけるドリップ
との接触による変色が回避できる。
【0031】その上、上記抗菌性吸水シートと接触しな
い生鮮食品の部分についても、サイクロデキストリン包
接物粒子及びデキストリン吸着物粒子によって抗菌され
る。つまり、上記抗菌性吸水シートからサイクロデキス
トリン包接物粒子に包接及びデキストリン吸着物粒子に
吸着されたイソチオシアン酸アリルが放散し、上記密閉
状態となる食品トレイ内に充満することになる。これに
より、抗菌性吸水シートに対する上記生鮮食品の非接触
部分にも上記イソチオシアン酸アリルが達するので、上
記非接触部分に対しても抗菌作用が発揮できる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の抗菌性吸
水シートとその製造方法は、抗菌性および揮散性を有す
るイソチオシアン酸エステル類等の抗菌性成分のサイク
ロデキストリン包接物及びデキストリン吸着物を使用し
てなる抗菌性吸水シートであり、加熱や、さらには前記
のサイクロデキストリン包接物から抗菌性成分の放散を
促す水分を使用する工程を含まず、かつ上記したような
食品衛生上問題を生じる虞のある溶剤を使用せずにサイ
クロデキストリン包接物及びデキストリン吸着物を均一
に塗布した抗菌性吸水シートを製造することができる。
【0033】また、本発明では、サイクロデキストリン
包接物とデキストリン吸着粒子とを、天然樹脂バインダ
ーをアルコール系溶剤を使用して混合分散し、この混合
分散液を使用して吸水性シートに塗布しているので、マ
グロ等の生鮮食品における有害となる低温菌等の微生物
の増殖を、抗菌性吸水シートと接触する部分だけではな
く、非接触部分に対しても顕著に抑制でき、もし仮に、
使用した溶剤の一部が包接された場合であっても、マグ
ロ等の食品や人体に悪影響を与えない、食品衛生上安全
な抗菌性吸水シートとすることができる。
【0034】さらに、油状抗菌剤としてのイソチオシア
ン酸アリルやサイクロデキストリンやデキストリンはも
とより、天然樹脂バインダー、エチルアルコール等をア
ルコール系溶剤として使用した態様では全て天然物、も
しくは食品衛生上安全な化合物を構成材料として使用し
ているので、食品を載置して包装するトレイ等に使用し
て、さらには食品と直接接触させて使用することも可能
である。具体的には、生鮮食品等をラップにより包装し
た食品トレイ内の吸水シートの上に敷くことにより、油
状抗菌剤がサイクロデキストリン包接物及びデキストリ
ン吸着物から放散させて、生鮮食品等の非接触部位の表
面に対しても高い抗菌性を発揮し得る。よって、上記食
品トレイ内の生鮮食品の保存に好適に用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 3/00 - 3/3535 A23B 4/00 A23B 7/00 B65D 81/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水性シート状部材に、抗菌性及び揮発
    性を有する油状抗菌剤を包接したサイクロデキストリン
    包接物と抗菌性及び揮発性を有する油状抗菌剤を吸着し
    たデキストリン吸着物とがシェラックまたはコーパル樹
    脂のようなアルコール系溶剤に可溶性な天然樹脂バイン
    ダーと共に含有されていることを特徴とする抗菌性吸水
    シート。
  2. 【請求項2】 抗菌性及び揮発性を有する油状抗菌剤を
    包接したサイクロデキストリン包接物と抗菌性及び揮発
    性を有する油状抗菌剤を吸着したデキストリン吸着物と
    を、シェラックまたはコーパル樹脂のようなアルコール
    系溶剤に可溶な天然樹脂をアルコール系溶剤に溶解した
    バインダーと混合した混合液中に分散し、得られた分散
    液を吸水性シート状部材に塗布することを特徴とする抗
    菌性吸水シートの製造方法。
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