JP3438024B2 - 真空蒸着装置における蒸発源及びその加熱方法 - Google Patents

真空蒸着装置における蒸発源及びその加熱方法

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JP3438024B2 JP2000073500A JP2000073500A JP3438024B2 JP 3438024 B2 JP3438024 B2 JP 3438024B2 JP 2000073500 A JP2000073500 A JP 2000073500A JP 2000073500 A JP2000073500 A JP 2000073500A JP 3438024 B2 JP3438024 B2 JP 3438024B2
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和雄 斎藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種材料表面のコ
ーティングを行うための真空蒸着装置中の蒸発源の加熱
をより効率的に行うための技術に関するものであり、更
に詳しくは、真空蒸着装置中の蒸発源をより効率的に加
熱し得ると共に、装置の簡便な設計を可能とする蒸発
源、及びその加熱方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種材料表面にコーティングを行
い、薄膜を形成する真空蒸着方式として、種々の方法が
開発されている。以下に、上記薄膜を製造するために従
来とられていた方法を列記する。 (1)通電加熱式蒸着法 この方法ではタングステン、モリブデン等のヒーターを
用い、これ自身を蒸発源容器として用いている。この方
法は、蒸発源の加熱方法としては最も簡便であるが、蒸
発源容器の形状の制限から、通常、50A以上の大電流
電源が必要とされる。また、大電流を真空中に導くため
の電極も大電流に耐えるために大型のものを使用しなけ
ればならないため、装置の小規模化に制限がある。 (2)電子ビーム加熱方式蒸着法 本方式では、電子銃から得られる数keVの電子ビーム
を蒸発源に直接照射する。この方法は、蒸発源の効率的
な加熱方法であるが、電子ビームを作り出すために数k
Vの電圧を真空中の電極に印加し、また、電子ビームを
蒸発源に導くために、永久磁石などの部品を真空中で用
いる必要がある。 (3)その他の蒸着方法 上記以外に、スパッタ法、イオンプレーティング法、C
VD法等が考えられるが、これらは装置の小規模化に制
約があり、装置の簡便さの点から詳細な記述は省略す
る。このように、従来、真空蒸着装置における蒸発源の
加熱方式として、上記加熱方式が開発されているが、い
ずれの方法も、装置全体を簡便なものとするには、改良
すべき問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、国立機
関における原子力試験研究において、「速中性子による
固体中軽元素の動的挙動の測定技術に関する研究」を行
って来た。この研究においては、高エネルギーイオンビ
ームを照射することにより中性子を発生するためのリチ
ウムや重水素化チタン等のターゲット薄膜を作製する必
要があった。当初、既存の真空蒸着装置を用いてターゲ
ット作製を行っていたが、実験が進むにつれて、ターゲ
ット薄膜作製は高エネルギーイオン照射装置の周辺で行
うことが好ましいことが明らかになった。この要請に応
えるため、可搬型の簡便な真空蒸着装置を設計していた
が、この段階で(1) 通電式加熱法のような50Aを越え
るような大電流を用いることを避けること、(2) 電子線
加熱方式のような1kVを越えるような高電圧を用いる
ことや永久磁石などの使用を避けること、(3) これによ
り装置全体を簡便なものとしうる効率的な蒸発源の加熱
を実現することを、等を主要な課題として鋭意検討を進
めた結果、簡便な機構を持つ新しい蒸発源及びその加熱
方法を開発することに成功し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明の目的は、真空蒸着装置中の蒸発
源をより効率的に加熱し、装置の簡便な設計を可能とす
る蒸発源を開発し、提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、以下の技術的手段から構成される。 (1)真空中で薄い高融点金属箔を通電加熱することに
よる放射加熱効果及び放出する熱電子を電場で加速する
ことにより得られる電子線加熱効果の両方を有効に作用
させることにより、真空蒸着装置中の蒸発源の加熱を効
率よく行うための蒸発源であって、次の手段;導電性高
融点物質からなる蒸発源容器、該容器を支持する金属製
の蒸発源支持棒、蒸発源容器下部に配置した高融点金属
箔からなる加熱用ヒーター、該ヒーターに通電するヒー
ター電源、蒸発源容器とヒーターとの間に印加する電子
加速電源、を構成要素として具備してなり、上記高融点
金属箔を通電加熱し、これからの放射熱により蒸発源容
器を放射加熱するとともに、蒸発源容器とヒーターとの
間に電圧を印加し、金属箔表面から放出される電子を加
速して蒸発源容器に照射し、効率よく真空蒸発源を加熱
するように構成したことを特徴とする蒸発源。 (2)金属箔表面の一部に異種物質を被覆することによ
り、熱電子の局所的な放出効率を高めるようにしたこと
を特徴とする前記(1)記載の蒸発源。 (3)前記(1)記載の導電性高融点物質からなる蒸発
源容器、該容器を支持する金属製の蒸発源支持棒、蒸発
源容器下部に配置した高融点金属箔からなる加熱用ヒー
ター、該ヒーターに通電するヒーター電源、蒸発源容器
とヒーターとの間に印加する電子加速電源、を構成要素
として具備してなる蒸発源を用いて、真空中で薄い高融
点金属箔を通電加熱することによる放射加熱効果及び放
出する熱電子を電場で加速することにより得られる電子
線加熱効果の両方を有効に作用させることにより、真空
蒸発装置中の蒸発源を効率よく加熱する方法であって、
高融点金属箔を通電加熱し、これからの放射熱により蒸
発源容器を放射加熱するとともに、蒸発源容器とヒータ
ーとの間に電圧を印加し、金属箔表面から放出される電
子を加速して蒸発源容器に照射し、真空蒸発源を加熱す
ることを特徴とする蒸発源の加熱方法。(4)金属箔表面の一部に異種物質を被覆することによ
り、熱電子の局所的な放出効率を高めるようにしたこと
を特徴とする前記(3)記載の蒸発源の加熱方法。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳細に
説明する。本発明は、蒸着方式として、高融点物質から
なる小さな蒸発源容器を用い、蒸発源容器の下部に配置
したヒーターから熱放射と電子線衝撃の2種類の方法で
加熱する方式をとる。蒸発源は、導電性高融点物質から
なる微小な容器とし、放射加熱及び電子線衝撃加熱が行
えるような形状とする。上記導電性高融点物質として
は、グラファイト、タングステン、モリブデン、タンタ
ル、炭化ケイ素が例示される。容器の形状は、円筒状容
器あるいは角筒状容器が例示される。また、蒸発源は、
熱伝導による放熱を最小にするために、金属製の細い支
持棒等により支持する。加熱用のヒーターとして、数m
m程度の幅で、薄いの高融点金属箔を蒸発源容器下部に
配置する。この金属箔としては、タングステン、モリブ
デン、グラファイト、タンタルが例示される。また、金
属箔の厚さは50μm以下、2〜10mm幅、長さ20
〜50mmが好ましい。このヒーターを通電加熱するこ
とにより蒸発源容器を放射加熱する。蒸発源容器とヒー
ターとの間に数100Vの高電圧を印加し、ヒータから
放出される熱電子を加速して蒸発源容器を加熱する。こ
の場合、高電圧として、300〜800V、電流容量と
して1〜5Aの電源を用いる。ヒーター表面の熱電子放
出部に、好適には、異種物質を被覆し、熱電子放出の効
率を向上させることが望ましい。異種物質としては、高
融点で仕事関数の低い、トリウム入りタングステン、6
ホウ化ランタン、酸化カルシウム、酸化バリウム、モリ
ブデン、ジルコニウムが例示される。この異種物質の被
覆方法はスパッタ法が好ましく、その条件は、膜厚が1
〜100nmで、面積は蒸発源容器底面と同程度であ
る。
【0006】本発明は、上記のように、(1) タングステ
ンなどの高融点金属箔を発熱源及び電子線源として用い
ること、(2) 熱容量の小さな高融点蒸発源容器を用いる
こと、(3) ヒーターの電子放出部に異種物質を被覆する
ことにより電子発生効率を向上させること、を特徴とし
ている。以上のように、本発明により、簡便な機構を持
つ蒸発源及びその加熱方法が提供される。本発明では、
真空中で薄い高融点金属箔を通電加熱することによる放
射加熱効果及び放出する熱電子を電場で加速し衝撃する
ことにより得られる電子線加熱効果の両者を有効に作用
させることにより、より効率的な真空蒸発源の加熱を実
現することができる。また、金属箔表面の一部に異種物
質を被覆することにより、熱電子発生効率を向上させる
ことができる。
【0007】
【実施例】実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定される
ものではない。 実施例 図1に本発明の蒸発源の構造、すなわち、加熱用ヒータ
と蒸発源容器の配置及び電気的な結線図を示した。高融
点金属ヒータは、50mm×5mm×0.05mmの矩
形のタングステン箔を用いた。蒸発源容器は、外径25
mm、高さ15mm、肉厚約1mmの円筒状のグラファ
イト容器である。このヒータに最高40Aまでの電流を
通じ、10mm上方に置かれた蒸発源容器との間に最高
500Vの電圧を印加した。ヒーターの中心約25平方
ミリの領域にモリブデンを約1nmの厚さでイオンビー
ムスパッタ法により被覆した。これにより被覆部分の電
子放出効率が、2〜5倍程度に向上した。上記の方法に
より、ヒーター電力約1500W(50V、30A)、
電子線加熱電力300W(600V,0. 5A)でグラ
ファイト蒸発源容器を最高1500℃まで加熱すること
が出来た。
【0008】上記結果は、本発明の一例であり、本発明
は、さらに下記の特徴を有する。 (1) ヒータ箔の厚さを0.05mm以下にすることによ
り、ヒーター電流を下げることが出来る。 (2) 蒸発源容器の熱容量を小さくすることが出来る。 (3) 加速電圧を数100V高めることにより、電子線加
熱電力を数10%高めることが出来る (4) ヒーター表面の被覆物質にモリブデン以外の物質、
トリウム入りタングステン、ホウ化ランタン、酸化カル
シウム、酸化バリウム、ジルコニウムを用い、これによ
りより効率的な熱電子放出表面を形成することが出来
る。 以上の点から、本発明により、1500℃以上に加熱で
きる蒸発源が実現できる、簡便な真空蒸着装置の設計が
可能となる。
【0009】
【発明の効果】本発明により、1)ヒーター加熱電流を
50A以下にし、電子線加速電源電圧を1KV以下(数
A)にできる、2)高温加熱が必要な蒸発源及び関連部
品の簡素化、簡略化が図れる、3)装置の小型化、コス
トの低減化が図れる、等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子線源ヒーター及び蒸着用坩堝の配置及び断
面図と電源用結線図を示す。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空中で薄い高融点金属箔を通電加熱す
    ることによる放射加熱効果及び放出する熱電子を電場で
    加速することにより得られる電子線加熱効果の両方を有
    効に作用させることにより、真空蒸着装置中の蒸発源の
    加熱を効率よく行うための蒸発源であって、次の手段; 導電性高融点物質からなる蒸発源容器、 該容器を支持する金属製の蒸発源支持棒、 蒸発源容器下部に配置した高融点金属箔からなる加熱用
    ヒーター、 該ヒーターに通電するヒーター電源、 蒸発源容器とヒーターとの間に印加する電子加速電源、 を構成要素として具備してなり、上記高融点金属箔を通
    電加熱し、これからの放射熱により蒸発源容器を放射加
    熱するとともに、蒸発源容器とヒーターとの間に電圧を
    印加し、金属箔表面から放出される電子を加速して蒸発
    源容器に照射し、効率よく真空蒸発源を加熱するように
    構成したことを特徴とする蒸発源。
  2. 【請求項2】 金属箔表面の一部に異種物質を被覆する
    ことにより、熱電子の局所的な放出効率を高めるように
    したことを特徴とする請求項1記載の蒸発源。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の導電性高融点物質からな
    る蒸発源容器、該容器を支持する金属製の蒸発源支持
    棒、蒸発源容器下部に配置した高融点金属箔からなる加
    熱用ヒーター、該ヒーターに通電するヒーター電源、蒸
    発源容器とヒーターとの間に印加する電子加速電源、を
    構成要素として具備してなる蒸発源を用いて、真空中で
    薄い高融点金属箔を通電加熱することによる放射加熱効
    果及び放出する熱電子を電場で加速することにより得ら
    れる電子線加熱効果の両方を有効に作用させることによ
    り、真空蒸発装置中の蒸発源を効率よく加熱する方法で
    あって、高融点金属箔を通電加熱し、これからの放射熱
    により蒸発源容器を放射加熱するとともに、蒸発源容器
    とヒーターとの間に電圧を印加し、金属箔表面から放出
    される電子を加速して蒸発源容器に照射し、真空蒸発源
    を加熱することを特徴とする蒸発源の加熱方法。
  4. 【請求項4】 金属箔表面の一部に異種物質を被覆する
    ことにより、熱電子 の局所的な放出効率を高めるように
    したことを特徴とする請求項3記載の蒸発源の加熱方
    法。
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