JP3437325B2 - 車両用シートバックにおけるクッションパッドの支持装置 - Google Patents

車両用シートバックにおけるクッションパッドの支持装置

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JP3437325B2 JP10557295A JP10557295A JP3437325B2 JP 3437325 B2 JP3437325 B2 JP 3437325B2 JP 10557295 A JP10557295 A JP 10557295A JP 10557295 A JP10557295 A JP 10557295A JP 3437325 B2 JP3437325 B2 JP 3437325B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ペルビス部を十分にサ
ポートして安定かつバネ感のある快適な使用感が得られ
る車両用シートバックにおけるクッションパッドの支持
装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】クッションパッドの弾性不足を補うため
に、バックフレームの開口部に面スプリング材を配置し
てこれをバックフレームにテンションスプリングの弾発
下に保持させた車両用シートバックにおけるクッション
パッドの支持装置は、例えば特開昭61−37212号
公報などに見られるように従来より広く知られている。 【0003】しかしながら、従来のこの種クッションパ
ッドの支持装置において、ばね鋼細線を水平方向に張設
した面スプリング材を用いたものは、着座して荷重をか
けた際に横方向の安定性に欠けグラグラ感があるととも
に、荷重の集中した部分が局部的に凹んで不安定なハン
モック感がある等の問題点があり、一方、ばね鋼線を上
下方向に張設した面スプリング材を用いたものは、着座
して荷重をかけた際に猫背になりやすいうえに、局部的
に凹んで不安定なハンモック感がある等の問題点があ
り、特にペルビス部と称されるシートバック下方部を十
分にサポートできず着座姿勢を悪化させ疲れの原因とな
っていた。また、いずれの場合にも着座時に全てのばね
鋼細線に均一な荷重がかからずに面圧が高くなり、この
ため良好なクッション性を得るためには厚めのクッショ
ンパッドを使用せざるを得ないものであった。更に、面
スプリング材をバックフレームに弾発支持させるための
テンションスプリングを多数必要としコスト高となる等
の問題もあった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の問題点を解決して、左右のバランスがとれてグラ
グラ感がなく安定した使用感が得られるとともに局部的
な凹みがなく従って不安定なハンモック感もなく、特
に、ペルビス部を十分にサポートして疲労感のない快適
な着座姿勢を確保することができ、更には、バックフレ
ームに面スプリング材を僅かなテンションスプリングに
より弾発支持させることができてコストを低くできるう
えに、薄型のクッションパッドを使用しても使用感のよ
い車両用シートバックにおけるクッションパッドの支持
装置を提供することを目的として完成されたものであ
る。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の車両用シートバックにおけるクッ
ションパッドの支持装置は、バックフレームの開口部に
面スプリング材を配置してこれをバックフレームに保持
させた車両用シートバックにおけるクッションパッドの
支持装置において、前記面スプリング材として、下端が
ペルビス支持部に形成された所要の剛性と弾性とを有す
る角形枠材の内部に複数本のばね鋼細線を上下方向に
設したものを用い、この面スプリング材は、前記ペルビ
ス支持部よりやや上方においてばね鋼細線を背部より支
持するようにバックフレームに横方向に架設されて角形
枠材を回動自在に連結している支持ワイヤと、該角形枠
材の両側上方部とバックフレームとの間に介在させたテ
ンションスプリングとをもってバックフレームに対して
弾発保持させてあることを特徴とするものである。 【0006】 【作用】このような車両用シートバックにおけるクッシ
ョンパッドの支持装置は、バックフレームを車体に取付
けて面スプリング材の前面に添わせたクッションパッド
を面スプリング材に支持させた状態として使用すれば、
クッションパッドの弾性不足を面スプリング材が補って
走行振動を緩衝することは従来のこの種車両用シートバ
ックにおけるクッションパッドの支持装置と同様である
が、面スプリング材は下端がペルビス支持部に形成され
た所要の剛性と弾性とを有する角形枠材の内部に複数本
のばね鋼細線を張設したものものであり、しかも、面ス
プリング材のバックフレームは、前記ペルビス支持部よ
りやや上方においてばね鋼細線を背部より支持するよう
にバックフレームに横方向に架設されて角形枠材を回動
自在に連結している支持ワイヤと、該角形枠材の両側上
方部とバックフレームとの間に介在させたテンションス
プリングとをもってバックフレームに対して弾発保持さ
せてあるので、面圧が均等化されるとともに局部的な凹
みも防止され、しかも、クッションパッドの上部にかか
る荷重で角形枠材が支持ワイヤを中心として上方部が後
向きに回動されると、角形枠材の下部のペルビス支持部
が自動的に前方向へ迫り出されることとなってペルビス
部の十分なサポートを行うこととなる。そして、このと
き所要の弾性を備えた角形枠材自身の弾性と、回動する
角形枠材の上端部をバックフレームに弾発支持させてい
るテンションスプリングの弾性とにより優れたクッショ
ン効果を発揮する。 【0007】 【実施例】次に、本発明を図示の実施例について詳細に
説明する。1は浅いバケット状のバックフレーム、2は
このバックフレーム1の開口部3の内部に配置されて該
バックフレーム1に弾発支持されている面スプリング材
である。この面スプリング材2は、直径が2〜8mmの範
囲で選ばれた断面円形の硬鋼線その他所要の剛性と弾性
とを兼ね備えた太線材により下端の下枠材部がシートバ
ック下方部の腰部をサポートするための横方向に延びる
ペルビス支持部22に形成されるように作られた角形枠
材21の上下間に、複数本好ましくは50〜60mm間隔
で5〜8本のばね鋼細線4を張設したものである。な
お、角形枠材21は1本の太線材を角枠状に折り曲げた
ものでもよいが、上下および両側の杆部をそれぞれ線径
が異なるものとして、これらを連結金具をもって連結一
体化したものとしてもよい。また、実施例においては角
形枠材21を断面円形の硬鋼線よりなるものとしている
が、平鋼線や断面矩形のパイプを折り曲げたものなど角
形枠材21の素材は所要の剛性と弾性があるものであれ
ばよい。 【0008】また、面スプリング材2は従来と同様バッ
クフレーム1の上端の開口部3内に配置されるのである
が、図2に示されるように、その部分の僅か上方位置に
は、ばね鋼細線4を背部より支持するように前記の角形
枠材21を構成するものと同様所要の剛性と弾性を有す
る素材からなる支持ワイヤ5がその両端に延設された連
結脚部をもってバックフレーム1に連結させた状態とし
て横方向に架設されていてこの支持ワイヤ5と角形枠材
21とはクリップ6等により角形枠材21が回動自在と
なるように連結され、一方、角形枠材21の上方両側部
はバックフレーム1にテンションスプリング9、9を介
して連結されていてこの支持ワイヤ5における連結と、
テンションスプリング9、9による連結とによって面ス
プリング材2はバックフレーム1の開口部3内に弾発支
持された状態となっている。 【0009】このように構成されたものは、バックフレ
ーム1を車体に取付けて面スプリング材2の前面に添わ
せたクッションパッドを該面スプリング材2に支持させ
た状態として使用すれば、クッションパッドの弾性不足
を面スプリング材2が補って走行振動を緩衝することは
従来のこの種車両用シートバックにおけるクッションパ
ッドの支持装置と同様であるが、面スプリング材2は所
要の剛性と弾性とを兼ね備えた角形枠材21の内部に複
数本のばね鋼細線4を張設したものであり、しかも、面
スプリング材2のバックフレーム1への取付けは、ばね
鋼細線4の背部において角形枠材21の下端のペルビス
支持部22よりやや上方においてバックフレーム1に架
設した支持ワイヤ5に対し角形枠材21を回動自在に連
結するとともに、該角形枠材21の両側上方部とバック
フレーム1との間にテンションスプリング9、9を介在
させてする弾発保持であるので、クッションパッドにか
かる荷重は複数のばね鋼線4に分散されて各ばね鋼線4
に伝達された力は角形枠材21に伝達される。そして、
この伝達された力はバックフレーム1に対して前記した
ように弾発支持させてある面スプリング材2全体にかか
り、ばね鋼線4の弾性と、角形枠材21自身の弾性と、
テンションスプリング9の弾発力で緩衝することとな
り、このため面スプリング材2に支持されるクッション
パッド20を極薄型としても違和感のない適度なバネ感
があって快適な乗り心地を得ることができる。 【0010】しかも、角形枠材21の上方部が支持ワイ
ヤ5を中心として後向きに回動されると、角形枠材21
の下端のペルビス支持部22が自動的に前方向へ迫り出
されることとなるので、このペルビス支持部22により
腰部の十分なサポートを行うこととなり、このとき所要
の弾性を備えた角形枠材21自身の弾性と、回動する角
形枠材21の上端部をバックフレーム1に弾発支持させ
ているテンションスプリング9、9の弾性とにより優れ
たクッション効果を発揮する。また、図3に示されるよ
うに、乗員の背部上方の荷重を大きくしていくと、初期
状態では面スプリング材2全体が傾動していくが、更に
荷重が大きくなった場合には前記支持ワイヤ5を支点と
して角形枠材21の上方部分が後方側へ撓むとともに、
ペルビス支持部22が自動的に前側へ迫り出して腰部を
しっかりとサポートすることとなり、適度な弾発力でか
つ疲労感のない自然な形態で乗員の背部全体を保持し極
めて快適な乗り心地を付与できることとなる。しかも、
ペルビス支持部22の前側への迫り出しは別部材からな
る複雑な調整機構を組み込むことなく自動的に行われる
ものであり、構造的にもシンプルで軽量化が図れるもの
である。 【0011】また、面スプリング材2の前記したペルビ
ス支持部22の僅かに上方付近に横方向に架設されてい
る支持ワイヤ5により、乗員の背部の荷重がかかった時
に局部的にばね鋼線4が凹むことを防止し不安定なハン
モック感を生ずることがなく適度なバネ感を確保すると
ともに、特に、着座時における乗員の腰部付近に支持ワ
イヤ5があって腰部の極度な沈み込みを的確に防止して
疲労感のない着座姿勢の保持を可能にする。 【0012】また、テンションスプリング9による支持
を角形枠材21の両側部の2箇所のみとしても的確な支
持を行えることとなるので、テンションスプリング9の
使用個数が少なくなり、その分部品コストを低くできる
ばかりか取付手数も簡略化できてコストダウン上のメリ
ットも大きいものがある。 【0013】 【発明の効果】本発明は以上の説明からも明らかなよう
に、左右のバランスがとれてグラグラ感がなく安定した
使用感が得られるとともに局部的な凹みがなく従って不
安定なハンモック感もなく、特に、ペルビス部を十分に
サポートして疲労感のない快適な着座姿勢を確保するこ
とができ、更には、バックフレームに面スプリング材を
僅かなテンションスプリングにより弾発支持させること
ができてコストを低くできるうえに、薄型のクッション
パッドを使用しても使用感のよいなど種々の利点があ
る。よって本発明は従来の問題点を一掃した車両用シー
トバックにおけるクッションパッドの支持装置として、
産業の発展に寄与するところは極めて大である。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例を示す斜視図である。 【図2】本発明の実施例の要部を示す拡大斜視図であ
る。 【図3】本発明の実施例における面スプリング材の着座
前と着座後の状態を示す説明図である。 【符号の説明】 1 バックフレーム 2 面スプリング材 3 開口部 4 ばね鋼線 5 ワイヤ 9 テンションスプリング 21 角形枠材 22 ペルビス支持部

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 バックフレーム(1) の開口部(3) に面ス
    プリング材(2) を配置してこれをバックフレーム(1) に
    保持させた車両用シートバックにおけるクッションパッ
    ドの支持装置において、前記面スプリング材(2) とし
    て、下端がペルビス支持部(22)に形成された所要の剛性
    と弾性とを有する角形枠材(21)の内部に複数本のばね鋼
    細線(4) を上下方向に張設したものを用い、この面スプ
    リング材(2) は、前記ペルビス支持部(22)よりやや上方
    においてばね鋼細線(4) を背部より支持するようにバッ
    クフレーム(1) に横方向に架設されて角形枠材(21)を回
    動自在に連結している支持ワイヤ(5) と、該角形枠材(2
    1)の両側上方部とバックフレーム(1) との間に介在させ
    たテンションスプリング(9) 、(9) とをもってバックフ
    レーム(1) に対して弾発保持させてあることを特徴とす
    る車両用シートバックにおけるクッションパッドの支持
    装置。
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