JP3436092B2 - 高温ガスの処理方法 - Google Patents
高温ガスの処理方法Info
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Description
などから発生する高温の排ガスに活性炭を添加して、排
ガス中に含まれる有害物を除去する高温ガスの処理方法
に関し、特に毒性の高いダイオキシン類を効率的に除去
することができる高温ガスの処理方法に関する。
きに発生する排ガス中の有害物には、塩化水素や硫黄酸
化物等の酸性ガスや水銀等の重金属の他に、猛毒のダイ
オキシン類が含まれており、ダイオキシン類排出量の抑
制が世界的な問題になりつつある。
応は複雑であり未だ解明されていないが、塩素を含む廃
棄物の燃焼によって発生した前駆物質が、排ガスの冷却
過程で再合成反応を起こし、ダイオキシン類を生成する
と考えられている。生成したダイオキシン類の除去方法
として最も有効な方法に、活性炭による吸着除去があ
り、活性炭による処理はダイオキシン以外にも水銀等多
くの有害物質を除去できるという利点がある。
分けて、粉末状の活性炭を煙道に噴霧して、有害物を吸
着した活性炭を飛灰と共に集塵機で捕集排出する方法
と、粒状の活性炭を充填した吸着塔を別に設け、これを
集塵機の下流に設置して有害物を吸着除去する方法があ
るが、特に前者の方法は、通常の焼却プラントにおいて
塩化水素や硫黄酸化物等の酸性ガスを除去するために使
われている消石灰粉末の噴霧設備と同様の設備を使用で
きるため、設備面での利点が大きく、既存の焼却プラン
トの多くでこの方法の導入が進められている。焼却炉等
から排出されるダイオキシンによる汚染が深刻な社会問
題に発展している今日、ダイオキシンの排出規制とし
て、将来的に0.1ng−TEQ/Nm 3 以下という規
制値が掲げられている。排出ガス中のダイオキシン濃度
をこの規制値以下とするため、焼却炉の改造や活性炭に
よる吸着除去が検討されている。
炭を用いる高温ガスの処理法においても、排ガス中に含
まれるダイオキシン類の除去率は、十分に高いものとは
言えず、さらなる高効率除去が可能な粉末活性炭が求め
られていた。
記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、950℃での
熱分解ガスから算出した全酸素量が1.2wt%以下で
あり、直径12Å以下の細孔の細孔容積が0.22ml
/g以上である粉末活性炭を用いて高温ガスを処理する
ことにより、排ガス中のダイオキシン類を効率良く除去
できることを見い出し本発明に到達した。
から算出した全酸素量が1.2wt%以下であり、直径
12Å以下の細孔の細孔容積が0.22ml/g以上で
ある粉末活性炭を用いることを特徴とする高温ガスの処
理方法に存する。以下、本発明を詳細に説明する。本発
明の最大の特徴は、950℃での熱分解ガスから算出し
た全酸素量が1.2wt%以下であり、直径12Å以下
の細孔の細孔容積が0.22ml/g以上である粉末活
性炭を用いることにより、排ガス中のダイオキシン類の
除去率が著しく向上する点にある。
炭を吹き込む煙道部の温度は、200℃前後である。こ
の温度でのダイオキシン類の蒸気圧は、ダイオキシン類
の中でも最も毒性の高いと言われている2,3,7,8-テトラ
クロロジベンゾ-p- ダイオキシン(2,3,7,8-TCDD)
を例にとると、21Pa(200℃)程度と比較的高
く、焼却炉排ガスのような希薄状態では、ダイオキシン
類はほとんど気体の状態で存在すると考えられる。した
がって、煙道部に粉末活性炭を吹き込んだ場合のダイオ
キシン類の除去機構は、活性炭粒子外表面への付着より
も活性炭細孔内への吸着が支配的であると考えられる。
このことは、文献「排ガス中の微量有害物質の除去」
(渋谷栄一 分離技術 p30第22巻第5号1992
年)記載の結果からも明らかである。この文献によれ
ば、細孔による吸着効果のない消石灰のみを煙道に吹き
込んだ場合、ダイオキシンの除去率は24%であったの
に対し、活性炭を吹き込んだ場合は83%以上が除去さ
れ、活性炭の吸着作用による除去率の向上が見られたと
ある。
を最適化し、吸着性能を向上させることによって、ダイ
オキシン類の除去率をさらに高められると考えられる。
細孔分布については、ダイオキシン類の除去が極低濃度
域での気相吸着であることを考えると、径の小さな細孔
が多いことが吸着性能の向上に必要であると考えられ
る。また、ダイオキシン類は、疎水性であるので、活性
炭の表面性状として、含酸素官能基量の少ない疎水性の
表面性状を有するもの、具体的には、950℃での熱分
解ガスから算出した全酸素量が少ないものが適している
と言える。
粉末活性炭を用いて鋭意検討を行ったところ、950℃
での熱分解ガスから算出した全酸素量が1.2wt%以
下であり、直径12Å以下の細孔の細孔容積が0.22
ml/g以上である粉末活性炭がダイオキシン類の除去
に好適であることを見出した。本発明に使用される活性
炭の原料としては、多くの炭素質物質が考えられるが、
工業的には活性化の難易、原料の品位、価格、大量かつ
安定的に入手できることなどの点が選定条件となる。原
料の種類によって製造条件や、製品の価格、用途は異な
る。原料としては、植物物系の木材、のこくず、ヤシ
殻、パルプ廃液、化石燃料系の石炭、石油重質油、ある
いはそれらを熱分解した石炭および石油系ピッチ、合成
高分子、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、プラスチック廃棄物、
廃タイヤ等多種多用である。これらの原料を炭化後、賦
活するが、賦活法は、ガス賦活と薬品賦活に大別され
る。ガス賦活法は、薬品賦活が化学的な活性化であるの
に対して、物理的な活性化ともいわれ、炭化された原料
を高温で水蒸気、炭酸ガス、酸素、その他の酸化ガスな
どと接触反応させて、微細な多孔質の吸着炭をつくる方
法であり、工業的には水蒸気を用いる方法が主流であ
る。薬品賦活法は、原料に賦活薬品を均等に含侵させ
て、不活性ガス雰囲気中で加熱し、薬品の脱水および酸
化反応により、微細な多孔質の吸着炭をつくる方法であ
る。使用される薬品としては、塩化亜鉛、りん酸、りん
酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫化カリウム、水酸化
カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸カルシウ
ム等がある。本発明に使用される活性炭の原料および製
法に関しては特に限定されるものでなく、どのような原
料や方法で作られた活性炭でも本発明に使用できる。
ては、特に限定するものではないが、好ましくは0.0
1〜300μm、さらに好ましくは0.1〜100μm
とするのが良い。本発明に使用される粉末活性炭の比表
面積としては、特に限定するものではないが、好ましく
は100〜2000m2 /g、さらに好ましくは300
〜1500m2 /g、最も好ましくは800〜1500
m2 /gとするのが良い。
上、好ましくは150℃以上、より好ましくは200℃
以上である。ガスをあまり冷やしてしまうとダイオキシ
ン類の蒸気圧が低くなりすぎ、吸着しにくくなる恐れが
あり、この場合、必要な処理時間が長時間化しやすい。
950℃での熱分解ガスからの全酸素量の算出は、以下
の方法により行うことができる。石英の反応管に活性炭
試料を入れて10-2mmHgに真空排気し、該反応管を
950℃に保った炉に挿入後、30分間にわたって発生
するガスを捕集する。発生したガスの量とガスクロマト
グラフィーで求めたガスの組成から、ガス中の一酸化炭
素及び二酸化炭素の量を計算する。発生した一酸化炭素
及び二酸化炭素中に含まれる酸素の量を算出して、反応
管中の活性炭量に対する重量百分率を求め、950℃で
の熱分解ガスから算出した全酸素量とする。なお、反応
管に入れる活性炭試料の量が多すぎると規定時間内に熱
分解が終了せず全酸素量が低めに見積もられるため注意
を要する。
より具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り、下記実施例より限定されるものではない.2種類
の異なる石炭を出発原料として、水蒸気賦活法によって
2種類の粉末活性炭を作製し(実施例1〜2)、その性
状を測定した。結果を表1に示す。比表面積と細孔容積
の測定はカルロエルバ社製「ソープトマチック210
0」を使用して窒素吸着により行い、BET法により比
表面積を、Cranston−Inkley法により細
孔容積を計算した。
折式粒度分布測定装置「LA−500」を使用し、メジ
アン径を求めた。全酸素量は950℃での熱分解ガスか
ら算出した全酸素量で、以下の方法により測定した。石
英の反応管に活性炭試料約0.5gを入れて10-2mm
Hgに真空排気し、該反応管を950℃に保った炉に挿
入後、30分間にわたって発生するガスを捕集した。発
生したガスの量とガスクロマトグラフィーで求めたガス
の組成から、ガス中の一酸化炭素及び二酸化炭素の量を
計算した。発生した一酸化炭素及び二酸化炭素中に含ま
れる酸素の量を算出して、反応管中の活性炭量に対する
重量百分率を求め、全酸素量とした。
磁性ルツボに活性炭試料1〜2gを入れ、空気中で81
5℃で6時間加熱した。冷却後、残存した灰分の質量を
測定し、ルツボに入れた活性炭量に対する重量百分率を
求め、灰分量とした。ダイオキシンの除去率はモデル物
質を用いて行った。これは、ダイオキシン自体の毒性が
極めて高いためである。ダイオキシンのモデル物質の単
成分の除去率は次のようにして求めた。2lの容器にモ
デル物質として1,5−ジクロロアントラキノンを0.
05μg、粉末活性炭を10.0mg入れ、200℃で
10時間保持した後、1l(200℃)のガスをサンプ
リングした。サンプリングしたガスの中に残存する1,
5−アントラキノンを100mlのトルエンに溶解した
後、1000倍に濃縮し、GC−MSにより、1,5−
ジクロロアントラキノンを定量して、除去率を算出し
た。
めに、それぞれの粉末活性炭を焼却炉排ガス中に噴霧
し、活性炭噴霧口前とバグフィルター出口のダイオキシ
ン類濃度を測定して結果を示した。 (比較例1)ヤシ殻を出発原料とし、水蒸気賦活法によ
って粉末活性炭を作製し、実施例と同様にして、その性
状とダイオキシン除去率を測定した。結果を表1に示
す。 (比較例2)市販の粉末活性炭(NORIT 「GL−
50」)を使用し、実施例と同様にして、その性状とダ
イオキシン除去率を測定した。結果を表1に示す。
℃での熱分解ガスから算出した全酸素量が1.2wt%
以下であり、直径12Å以下の細孔の細孔容積が0.2
2ml/g以上である粉末活性炭を使用することにより
効率良く排ガス中のダイオキシン類を除去することがで
きることがわかる。例えば比較例1はこの4例のうち、
細孔容積が一番大きく、比表面積も最大であるにもかか
わらず、酸素量が多いためダイオキシン類の吸着力は劣
っていることがわかる。また比較例2は、細孔容積の量
が少ないと良い性能が得られないことを示している。
キシン類の除去を高効率で行うことができるため、多大
な工業的利益を提供するものである。
Claims (4)
- 【請求項1】950℃での熱分解ガスから算出した全酸
素量が1.2wt%以下であり、直径12Å以下の細孔
の細孔容積が0.22ml/g以上である粉末活性炭を
用いることを特徴とする高温ガスの処理方法 - 【請求項2】請求項1記載の方法を用いた焼却炉の排ガ
ス処理方法 - 【請求項3】該高温ガスがダイオキシン類を含む請求項
1又は2に記載の処理方法 - 【請求項4】該高温ガスの温度が150℃以上である請
求項1乃至3のいずれかに記載の処理方法
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP21854097A JP3436092B2 (ja) | 1997-08-13 | 1997-08-13 | 高温ガスの処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21854097A JP3436092B2 (ja) | 1997-08-13 | 1997-08-13 | 高温ガスの処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1157389A JPH1157389A (ja) | 1999-03-02 |
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ID=16721537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21854097A Expired - Fee Related JP3436092B2 (ja) | 1997-08-13 | 1997-08-13 | 高温ガスの処理方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3436092B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
CN1307931A (zh) * | 1999-10-06 | 2001-08-15 | 三菱化学株式会社 | 煤系成形活性炭及使用该活性炭处理含有二噁英类的废气的方法 |
JP2007054833A (ja) * | 2006-11-17 | 2007-03-08 | Japan Enviro Chemicals Ltd | Pcb除去用粒状活性炭 |
-
1997
- 1997-08-13 JP JP21854097A patent/JP3436092B2/ja not_active Expired - Fee Related
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荻野圭三・塚本宏之・山辺潔・高橋浩,表面改質した活性炭によるフェノールの吸着特性,日本化学会誌,日本,1981年,3,321−325 |
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JPH1157389A (ja) | 1999-03-02 |
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