JP2000246057A - 高温ガスの処理剤および処理方法 - Google Patents

高温ガスの処理剤および処理方法

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JP2000246057A
JP2000246057A JP11047795A JP4779599A JP2000246057A JP 2000246057 A JP2000246057 A JP 2000246057A JP 11047795 A JP11047795 A JP 11047795A JP 4779599 A JP4779599 A JP 4779599A JP 2000246057 A JP2000246057 A JP 2000246057A
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dioxins
activated carbon
powder
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specific surface
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JP11047795A
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English (en)
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Masaaki Inamura
正昭 稲村
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Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガス中のダイオキシン類の除去率を極度に
落とさず、しかも、集塵機内のでダイオキシンの生成を
抑えることが可能な高温ガスの処理剤、及び、処理方法
を提供する。 【解決手段】 比表面積が500m2 /g以上の粉末活
性炭及び比表面積が100m2 /g以下の炭素質粉体を
8:2〜2:8の重量比で混合した炭素粉体を含む高温
ガスの処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、都市ごみや産業廃棄物
などの焼却炉などから発生する高温の排ガスに炭素粉末
を吹き込んで、排ガス中に含まれるダイオキシン類など
の有機塩素化合物を除去する高温ガスの処理剤及びそれ
を用いる高温ガスの処理方法に関し、特に集塵機中での
ダイオキシン類の生成を抑えることができる高温ガスの
処理剤及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ごみや産業廃棄物などを焼却したと
きに発生する排ガス中の有害物質には、塩化水素や硫黄
酸化物等の酸性ガスや水銀等の重金属の他に、猛毒のダ
イオキシン類が含まれており、ダイオキシン類排出量の
抑制が世界的な問題になりつつある。焼却過程における
ダイオキシン類の生成反応は複雑であり、未だ解明され
ていないが、塩素を含む廃棄物の燃焼によって発生した
前駆物質が、排ガスの冷却過程で再合成反応を起こし、
ダイオキシン類を生成すると考えられている。生成した
ダイオキシン類の除去方法として最も有効な方法に、活
性炭による吸着除去があり、活性炭による処理はダイオ
キシン類以外にも水銀等多くの有害物質を除去できると
いう利点がある。
【0003】活性炭による排ガスの処理方法には大きく
分けて、粉末状の活性炭を煙道に噴霧して、有害物を吸
着した活性炭を飛灰と共に集塵機で捕集する方法と、粒
状の活性炭を充填した吸着塔を別に設け、これを集塵機
の下流に設置して有害物を吸着除去する方法がある。特
に前者の方法は、通常の焼却プラントにおいて塩化水素
や硫黄酸化物等の酸性ガスを除去するために使われてい
る消石灰粉末の噴霧設備と同様の設備を使用できるた
め、大幅な設備改造工事が不要であり、設備面での利点
が多いことから、既存の焼却施設の多くでこの方法の導
入が進められている。この方法において、集塵機の上流
で煙道に吹き込まれた粉末活性炭は飛灰と共に集塵機で
捕集され、この集塵機内で長時間滞留することとなる。
多くの焼却施設において、この集塵機内の温度は、バグ
フィルターで120〜250℃、電気集塵機で160〜
300℃と高く、クロロベンゼン、クロロフェノール等
の前駆物質からダイオキシン類が生成するのに十分な温
度となっている。一方で、粉末活性炭は、その種類にも
よるが、ダイオキシン類生成の触媒となることが確認さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】粉末活性炭を吹き込む
ことによって、排ガス中のダイオキシン濃度は減少する
が、活性炭の表面で新たにダイオキシン類が生成するた
めに、集塵灰中のダイオキシン濃度は、活性炭添加前に
比べ増加する。その増加量は、活性炭により排ガスから
吸着除去された量よりも多いことが多い。現状では、集
塵機で集められたダイオキシン類を吸着した活性炭等を
含む灰は埋め立て処理されることが多いため、ダイオキ
シン類の総排出量はなるべく少ない方が好ましい。従っ
て、ダイオキシンの総排出量抑制の観点からも集塵機内
でのダイオキシン類の生成が問題になっていた。
【0005】こういったことから、特開平10−996
77号公報では、活性炭中のFe含有量を1500ppm
以下、Cu含有量を40ppm 以下にしたダイオキシン類
生成触媒能の低い活性炭が提案されている。しかし、集
塵灰中の活性炭量は多くて2%程度であり、活性炭中の
FeやCuの含有量よりも、飛灰中のFe、Cu含有量
の方が圧倒的に多く、その化学形態も活性炭中では酸化
物であり塩化物ではない。したがって、集塵機内でのダ
イオキシン類の生成は、ほとんどは飛灰中の塩化鉄や塩
化銅上で起きていると考えられる。一般に、活性炭に吸
着された物質は、分子レベルでは、吸脱着を繰り返して
いるため、ダイオキシン類の前駆物質を吸着した活性炭
がダイオキシン類生成触媒能の極めて高い飛灰中に存在
すれば、当然、前駆物質と飛灰との接触頻度が増大し、
新たなダイオキシン類生成につながる。即ち、活性炭中
のFeやCuの含有量を低くしても、集塵灰中でのダイ
オキシン生成を抑制することはできない可能性が高い。
このため、集塵灰中でのダイオキシン類の触媒生成を抑
え、さらに排ガス中のダイオキシン類を削減できるより
有効な方法が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、上
記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、煙道に吹き込
む炭素粉末として、ガス状のダイオキシン類を吸着除去
するには、20Å以下の小さな細孔が必要であるが、必
要以上に細かな細孔があると、クロロベンゼン、クロロ
フェノール等のダイオキシンの前駆物質の吸着量が多く
なり、これが原因で飛灰中のダイオキシン類生成触媒で
ある遷移金属の化合物との接触機会が増し、ダイオキシ
ン生成量が増加する傾向があることを見い出した。この
知見に基づき、ダイオキシン類の吸着除去能力の高い活
性炭と共に、必要以上に細かな細孔を持たない炭素粉体
を存在させることにより、排ガス中のダイオキシン類吸
着能力を低下させることなく、集塵灰中のダイオキシン
類生成量を抑制することができることを見い出し本発明
に到達した。
【0007】即ち本発明の要旨は、(1)比表面積が5
00m2 /g以上の粉末活性炭及び比表面積が100m
2 /g以下の炭素質粉体を8:2〜2:8の重量比で混
合した炭素粉体を用いることを特徴とする高温ガスの処
理剤、(2)直径20Å以下の細孔容積が0.2ml/
g以上の粉末活性炭及び直径20Å以下の細孔容積が
0. 09ml/g以下の炭素質粉体を8:2〜2:8の
重量比で混合した炭素粉体を含む高温ガスの処理剤、
(3)(1)または(2)の処理剤を使用する高温ガス
の処理方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明の最大の特徴は、比表面積が500m2 /g以上の
粉末活性炭と比表面積が100m2 /g以下の炭素質粉
体を8:2〜2:8の重量比で混合した炭素粉体を用い
ることにより、排ガス中のダイオキシン濃度を削減しつ
つ、集塵灰中のダイオキシン生成量を抑制することがで
きることにある。要するに、20Å以下の細孔を多く有
する粉末活性炭は、排ガス中のガス状のダイオキシン類
を効率よく吸着除去して、排ガス中のダイオキシンを削
減することができるが、クロロベンゼンやクロロフェノ
ール等のダイオキシン類前駆物質も多く吸着するため、
集塵機内でダイオキシンが新らたに生成してしまう恐れ
があった。一方、20Å以下の細孔が少ない炭素粉は、
ガス状のダイオキシン類の吸着除去は期待できないが、
クロロベンゼンやクロロフェノール等のダイオキシン類
前駆物質をほとんど吸着しないので集塵機内でのダイオ
キシン類の生成は抑制される。さらに、ダイオキシン類
の中でも高沸点の物質は排ガス中では液体あるいは固体
であるため、細孔が少ない炭素粉体でも物理的な衝突に
より炭素粉体表面に付着させて、除去することができ
る。すなわち、本発明者は、両者を適度に混合したもの
を用いることによって、排ガス中のダイオキシン類の除
去率を極度に落とさず、しかも、集塵機内のでダイオキ
シンの生成が抑えられることを見い出したのである。
【0009】本発明で用いる粉末活性炭は、比表面積が
500m2 /g以上、好ましくは500〜3000m2
/g、更に好ましくは500〜2000m2 /gのも
の、または、直径20Å以下の細孔容積が0.2ml/
g以上、好ましくは0.2〜1ml/gのものである。
この比表面積または細孔容積を満足しない粉末活性炭で
は、排ガス中のダイオキシン類、特にガス状のダイオキ
シン類の吸着除去能力が期待できない。本発明で用いる
粉末活性炭としては、上記の比表面積と細孔容積の両方
の条件を満たすものが、更に好ましい。粉末活性炭の平
均粒径は、0.1〜300μmが好ましい。粒径が小さ
すぎると集塵機で捕集できずに、通過するものがでてく
る場合がある。逆に大きすぎると処理効率が悪くなる傾
向がある。本発明に使用される活性炭の原料および製法
に関しては特に限定されるものではなく、どのような原
料や方法で作られた活性炭でも上記の比表面積または細
孔容積を有するものであれば、本発明に使用できる。ま
た、上記の比表面積または細孔容積を有する活性炭は市
販されているので、これら市販の活性炭を使用すること
ができる。
【0010】本発明に使用される活性炭の原料として
は、多くの炭素質物質が考えられるが、工業的には活性
化の難易、原料の品位、価格、大量かつ安定的に入手で
きることなどの点が選定条件となる。原料の種類によっ
て製造条件や、製品の価格、用途は異なる。原料として
は、植物物系の木材、のこくず、ヤシ殻、パルプ廃液、
化石燃料系の石炭、石油重質油、あるいはそれらを熱分
解した石炭および石油系ピッチ、合成高分子、フェノー
ル樹脂、フラン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビ
ニリデン樹脂、プラスチック廃棄物、廃タイヤ等多種多
用である。これらの原料を炭化後、賦活するが、賦活法
は、ガス賦活と薬品賦活に大別される。ガス賦活法は、
薬品賦活が化学的な活性化であるのに対して、物理的な
活性化ともいわれ、炭化された原料を高温で水蒸気、炭
酸ガス、酸素、その他の酸化ガスなどと接触反応させ
て、微細な多孔質の吸着炭をつくる方法であり、工業的
には水蒸気を用いる方法が主流である。薬品賦活法は、
原料に賦活薬品を均等に含侵させて、不活性ガス雰囲気
中で加熱し、薬品の脱水および酸化反応により、微細な
多孔質の吸着炭をつくる方法である。使用される薬品と
しては、塩化亜鉛、りん酸、りん酸ナトリウム、塩化カ
ルシウム、硫化カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウ
ム、硫酸カリウム、炭酸カルシウム等がある。本発明に
使用される活性炭の原料および製法に関しては特に限定
されるものでなく、どのような原料や方法で作られた活
性炭でも本発明に使用できる。
【0011】本発明で使用される炭素質粉体とは、炭素
含有量が50%以上、好ましくは60〜100%のもの
であり、比表面積が100m2 /g以下、好ましくは1
〜100m2 /gであるか、または、直径20Å以下の
細孔容積が0.09ml/g以下である。この比表面積
または細孔容積を満足しない炭素質粉体では、クロロベ
ンゼンやクロロフェノール等のダイオキシン類前駆物質
の吸着が多くなり、集塵機内でのダイオキシン類の生成
を抑制できなくなる。本発明で使用される炭素質粉体と
しては、上記の比表面積と細孔容積の両方の条件を満た
すものが更に好ましい。炭素質粉体の平均粒径は0.1
〜300μmが好ましい。粒径が小さすぎると集塵機で
捕集できずに、通過するものがでてくる場合がある。逆
に大きすぎると処理効率が悪くなる傾向がある。本発明
に使用される炭素質粉体の原料および製法に関しては特
に限定されるものではなく、どのような原料や方法で作
られた炭素質粉体でも上記の比表面積や細孔容積を有す
るものであれば、本発明に使用できる。本発明に使用さ
れる炭素質粉体の原料としては、多くの炭素質物質が考
えられるが、工業的には炭化の難易、原料の品位、価
格、大量かつ安定的に入手できることなどの点が選定条
件となる。原料の種類によって製造条件や、製品の価
格、用途は異なる。原料としては、植物物系の木材、の
こくず、ヤシ殻、パルプ廃液、化石燃料系の石炭、石油
重質油、あるいはそれらを熱分解した石炭および石油系
ピッチ、合成高分子、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポ
リ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、プラスチ
ック廃棄物、廃タイヤ等多種多用である。炭化温度につ
いては、特に規定するもではないが、600℃以上が好
ましい。具体的には、コークス、カーボンブラック、活
性炭製造時における賦活前の炭化炭が挙げられ、中でも
コークス粉、賦活前の炭化炭が好ましい。尚、炭化炭と
しては、例えば、ヤシ殻炭化品、石炭の炭化品、木材の
炭化品等を粉砕したものが好適に使用される。
【0012】本発明の高温ガス処理剤は、上記の活性炭
と炭素質粉体を混合した炭素粉体を含むものである。そ
の調製方法としては、あらかじめ、平均粒径が0.1〜
300μmの範囲の粉末活性炭と炭素質粉体をそれぞれ
混合しても良いし、粒径の大きな活性炭と粒径の大きな
炭素質材料を混合してから、粉砕して、平均粒径を0.
1〜300μmの範囲内に調製して用いても良い。混合
の比率については、排ガス中のダイオキシン濃度を削減
しつつ、集塵灰中のダイオキシン生成量を抑制するた
め、粉末活性炭と炭素質粉体を8:2〜2:8、好まし
くは7:3〜3:7の重量比で混合する。
【0013】本発明の高温ガス処理剤は、上記炭素粉体
の他に消石灰や珪藻土、重金属固定剤等の各種処理剤を
含んでいてもよい。また、炭素粉体を集塵機上流の煙道
に単独で吹き込み、消石灰や珪藻土、重金属固定剤等の
各種処理剤を別途吹き込んでもよい。本発明の高温ガス
処理剤の煙道への吹き込み量は、特に限定するものでは
ないが、バグフィルターでは30〜250mg/N
3 、電気集塵機では80〜400mg/Nm3 が好適
である。一般的には、焼却施設の運転温度が低かった
り、運転状況が悪いほど、多くの炭素粉体を必要とする
傾向がある。本発明でいう高温ガスとは、通常80℃以
上、好ましくは100℃以上、更に好ましくは100〜
400℃であって、かつダイオキシン類及び/またはそ
の前駆物質を含むガスであり、通常、化学プラント、製
鉄、非鉄プラント、発電所、都市ごみ、RDF(ごみ固
形化燃料)、産業廃棄物、医療廃棄物等の焼却炉、ガス
化溶融炉、火葬場等から発生するガスが挙げられる。
【0014】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
より具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り、下記実施例より限定されるものではない。 実施例1 比表面積1000m2 /g、直径20Å以下の細孔容積
0.37ml/gの石炭系活性炭と比表面積10m2
g、直径20Å以下の細孔容積0.00ml/gのコー
クス粉をそれぞれ重量比で7:3の割合で混合、粉砕
し、平均粒径10μm(レーザー回折法)の炭素粉体を
得た。灰分量は、石炭系活性炭が3wt%、コークス粉
が10wt%であった。石炭系活性炭中のFe含有量は
2600ppm、Cu含有量は12ppmであり、コー
クス粉のFe含有量は、9300ppm、Cu含有量は
80ppmであった。
【0015】比表面積と細孔容積の測定は窒素吸着によ
り行い、BET法により比表面積を、Cranston
−Inkley法により細孔容積を計算した。10Å以
下の細孔容積は、液体窒素温度で、相対圧(P/P0
が0.931(細孔直径300Å相当)の時の窒素吸着
量から算出した細孔容積から、Cranston−In
kley法により求めた10〜300Åの細孔容積を差
し引いて算出した。灰分量の測定は以下の方法により行
った。磁性ルツボに活性炭試料1〜2gを入れ、空気中
で815℃で6時間加熱した。冷却後、残存した灰分の
質量を測定し、ルツボに入れた活性炭量に対する重量百
分率を求め、灰分量とした。Fe、Cu含有量の測定
は、次の分析方法で行った。試料を115℃で1h乾燥
後、0.2g秤量し、H2 SO4 1ml+HNO3 1m
lの入ったケルダールフラスコ中で加熱分解する。これ
を14回繰り返し、25ml定容し、ICP発光分光分
析により、Fe:238.204nm、Cu:324.
754nmの波長で定量を行った。
【0016】ストーカ炉、冷却塔、消石灰吹き込み処
理、電気集塵機(EP)からなる焼却炉において、集塵
機上流の煙道に上記炭素粉体を100mg/Nm3 で吹
き込み、下記測定方法でダイオキシン濃度および煤塵濃
度の測定を行った。廃棄物量は、150t/日、排ガス
量は約40, 000Nm3 /h、EP温度は200℃で
あった。ダイオキシン濃度と煤塵濃度の測定は、(財)
廃棄物研究財団の「ダイオキシン類分析マニュアル」お
よびJIS Z8808に準拠して試料採取及び分析を
行った。結果を表1に示す。
【0017】実施例2 石炭系活性炭とコークス粉の混合比率を重量比で3:7
とした以外は、実施例1と同様にして吹き込みテストを
行った。結果を表1に示す。 比較例1〜4 表1に示した石炭系活性炭とコークス粉の混合比率の粉
体を用いて、実施例1と同様にして吹き込みテストを行
った。 比較例5 炭素粉体を吹き込まずに、実施例1と同様に試料採取お
よび分析を行った。結果を表1に示す。 比較例6 比表面積280m2 /g、直径20Å以下の細孔容積
0.087ml/gの活性コークスと比表面積10m2
/g、直径20Å以下の細孔容積0.00ml/gのコ
ークス粉をそれぞれ重量比で5:5の割合で混合、粉砕
し、平均粒径8μm(レーザー回折法)の炭素粉体を得
た。灰分量は、活性コークスが38wt%、コークス粉
が10wt%であった。この炭素粉体を用いて、実施例
1と同様にして吹き込みテストを行った。結果を表1に
示す。
【0018】
【表1】
【0019】電気集塵機(EP)を使用した場合、その
出口のダイオキシン類濃度は、1ng−TEQ/Nm3
以下であることが好ましく、また、ダイオキシン類の総
排出量はなるべく少ない(即ち、集塵機中でのダイオキ
シン類生成が抑制されている)ことが好ましい。表1か
ら明らかなように、活性炭単独又は活性炭に少量のコー
クス粉を混合した比較例1、2では、EP出口のダイオ
キシン類濃度は少ないものの、集塵機中でダイオキシン
類が生成したために総排出量がかなり多くなっている。
また、活性炭を少量ないし全く使用しなかった比較例3
〜6では、集塵機中でのダイオキシン類の生成は抑えら
れているものの、EP出口でのダイオキシン類濃度が高
く、ダイオキシン類の除去が不十分である。これに対
し、活性炭とコークス粉を適度に混合した本発明の処理
剤を使用した実施例1、2では、EP出口のダイオキシ
ン濃度も十分低く、しかも、集塵機中でのダイオキシン
類の生成も抑えられている。尚、表中でDXNはダイオ
キシン類を表す。(表2においても同様。)
【0020】実施例3 比表面積1000m2 /g、直径20Å以下の細孔容積
0.45ml/gのヤシ殻系活性炭と比表面積7m2
g、直径20Å以下の細孔容積0.00ml/gのヤシ
殻炭化品をそれぞれ重量比で5:5の割合で混合、粉砕
し、平均粒径7μm(レーザー回折法)の炭素粉体を得
た。灰分量は、ヤシ殻系活性炭が3wt%、ヤシ殻炭化
品1.4wt%であった。ヤシ殻系活性炭のFe含有量
は100ppm、Cu含有量は40ppmであり、ヤシ
殻炭化品のFe含有量は40ppm、Cu含有量は20
ppmであった。流動床炉、冷却塔、消石灰吹き込み処
理、バグフィルター(BF)からなる焼却炉において、
集塵機上流の煙道に上記炭素粉体を0. 1g/Nm3
吹き込み、実施例1と同様な測定方法でダイオキシン濃
度および煤塵濃度の測定を行った。廃棄物量は、90t
/日、排ガス量は約30, 000Nm3 /h、BF温度
は150℃であった。結果を表2に示す。
【0021】比較例7 炭素粉体としてヤシ殻活性炭粉末のみを用いた以外は実
施例3と同様にして、吹き込みテストを行った。結果を
表2に示す。 比較例8 炭素粉体を吹き込まずに、実施例3と同様に試料採取お
よび分析を行った。結果を表2に示す。
【0022】実施例4 比表面積600m2 /g、直径20Å以下の細孔容積
0.22ml/gのピート系活性炭と比表面積10m2
/g、直径20Å以下の細孔容積0.00ml/gのコ
ークス粉をそれぞれ重量比で5:5の割合で混合、粉砕
し、平均粒径9μm(レーザー回折法)の炭素粉体を得
た。灰分量は、ピート系活性炭が7wt%、コークス粉
が10wt%であった。ピート系活性炭のFe含有量は
6900ppm、Cu含有量は13ppmであり、コー
クス粉のFe含有量は9300ppm、Cu含有量は8
0ppmであった。ストーカ炉、冷却塔、消石灰吹き込
み処理、バグフィルター(BF)からなる焼却炉におい
て、集塵機上流の煙道に上記炭素粉体を0.1g/Nm
3 で吹き込み、実施例1と同様な測定方法でダイオキシ
ン濃度および煤塵濃度の測定を行った。廃棄物量は、1
50t/日、排ガス量は約40, 000Nm3 /h、B
F温度は170℃であった。結果を表2に示す。
【0023】比較例7 炭素粉体としてピート系活性炭粉末のみを用いた以外は
実施例4と同様にして、吹き込みテストを行った。結果
を表2に示す。 比較例8 炭素粉体を吹き込まずに、実施例4と同様に試料採取お
よび分析を行った。結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】バグフィルター(BF)を使用した場合、
その出口のダイオキシン類濃度は、0.1ng−TEQ
/Nm3 以下であることが好ましい。表2からも、本発
明の処理剤を用いた実施例では、BF出口のダイオキシ
ン類濃度、ダイオキシン類排出量が共に好ましい値とな
っていることがわかる。以上の実施例および比較例によ
り、比表面積が500m2 /g以上の粉末活性炭と比表
面積が100m2 /g以下の炭素質粉体を8:2〜2:
8の重量比で混合した炭素粉体を用いることにより、排
ガス中のダイオキシン濃度の除去率を極度に落とさず、
集塵灰中のダイオキシン生成量を抑制することができる
ことがわかる。
【0026】
【発明の効果】本発明の炭素粉体を用いた高温ガスの処
理方法は、排ガス中のダイオキシン類の除去率を極度に
落とさず、集塵機内のでダイオキシンの生成が抑えられ
る利点があり、しかも、安価な原料を有効に利用できる
ことから、経済的なメリットは非常に大きく、多大な工
業的利益を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E191 BA12 BB00 BC01 3K070 DA01 DA12 DA24 DA83 4D002 AA21 AC04 BA04 BA13 BA14 CA01 CA11 DA05 DA12 DA41 EA02 GA01 GA02 GA03 GB01 GB03 GB06 GB08 GB12 4D012 CA12 CC13 CC14 CE03 CF04 CF10 CG05 CG10 CH01 4G066 AA04B AA05B BA20 BA24 BA25 BA26 CA33 DA02 FA02 FA37

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比表面積が500m2 /g以上の粉末活
    性炭及び比表面積が100m2 /g以下の炭素質粉体を
    8:2〜2:8の重量比で混合した炭素粉体を含む高温
    ガスの処理剤。
  2. 【請求項2】 直径20Å以下の細孔容積が0.2ml
    /g以上の粉末活性炭及び直径20Å以下の細孔容積が
    0.09ml/g以下の炭素質粉体を8:2〜2:8の
    重量比で混合した炭素粉体を含む高温ガスの処理剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の処理剤を用いる
    高温ガスの処理方法。
  4. 【請求項4】 該高温ガスが焼却炉の排ガスである請求
    項3記載の処理方法。
  5. 【請求項5】 該高温ガスがダイオキシン類を含む請求
    項3または4に記載の処理方法。
  6. 【請求項6】 該高温ガスが100℃以上である請求項
    3乃至5のいずれかに記載の処理方法。
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