JP3435912B2 - 電気自動車のモータ制御装置 - Google Patents

電気自動車のモータ制御装置

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JP3435912B2 JP18704695A JP18704695A JP3435912B2 JP 3435912 B2 JP3435912 B2 JP 3435912B2 JP 18704695 A JP18704695 A JP 18704695A JP 18704695 A JP18704695 A JP 18704695A JP 3435912 B2 JP3435912 B2 JP 3435912B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する利用分野】本発明は、電気自動車のモー
タ制御装置に関し、特に、走行速度の検出異常が発生し
たときでも、車両の運転を継続することができる電気自
動車のモータ制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、図7に示す電気自動車のモータ制
御装置が知られている。このものは、運転者がアクセル
101を踏み込んだときのアクセル開度やシフトポジシ
ョンに基づいてモータ制御部103でトルク指令を算出
してトルク指令に対応するPWM信号を出力し、インバ
ータ105でメインバッテリ107から供給される直流
電流をPWM信号に基づいてスイッチング素子をON・
OFF制御して交流電流を発生し、この交流電流をモー
タ109に加えて車両を駆動するものである。ここで、
モータ109の回転を2つのエンコーダ111,113
に加え、エンコーダ111,113でモータ109の回
転数に対応するパルス数を発生させて車両の走行速度V
1 ,V2 を検出し、検出された走行速度V1 ,V2 をモ
ータ制御部103にフィードバックして車両の走行を制
御させることで、車両の安定な走行性を提供するという
利点を有するものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電気自動車のモータ制御装置にあっては、検出された走
行速度V1 ,V2 をモータ制御部103で比較した結
果、走行速度V1 ,V2 が不一致の場合には異常状態で
あるので、フェ−ルセーフ信号を発生してモータ制御部
103から出力されるトルク指令やPWM信号を零出力
に強制し、モータ109による車両の駆動を停止するよ
うになっていた。このため、一旦、モータ制御部103
がフェ−ルセーフ信号を発生した後では、車両の運転を
継続することができないといった問題があった。 【0004】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
その目的としては、走行速度の検出異常が発生したとき
でも、車両の運転を継続することができる電気自動車の
モータ制御装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するため、車両を駆動するモータのモー
タ回転数に基づいて走行速度を複数検出する走行速度検
出手段と、前記走行速度検出手段により検出された複数
の走行速度を比較して、一致又は不一致を検出する比較
手段と、前記走行速度検出手段による走行速度の検出と
は別に、車両の走行速度を検出する車速検出手段と、
記比較手段により、前記一致を検出した場合には、前記
走行速度検出手段で検出された走行速度に基づいて前記
モータを制御すると共に、前記比較手段により前記不一
致を検出した場合で且つ、前記車速検出手段で検出され
た走行速度が所定の基準値以上である場合には、前記車
速検出手段で検出された走行速度に基づいて前記モータ
を制御し、さらに前記比較手段により前記不一致を検出
した場合で且つ、前記車速検出手段で検出された走行速
度が前記所定の基準値よりも小さい場合には、一定の推
定速度に基づいて前記モータを制御する、モータ制御手
段と、を備えたことを要旨とする電気自動車のモータ制
御装置である。 【0006】請求項1記載の発明によれば、走行速度検
出手段が検出した複数の走行速度を比較手段で比較して
一致していれば、走行速度検出手段は正常であるとし
て、走行速度検出手段による走行速度に基づいて車両駆
動用のモータを制御する。走行速度検出手段が検出した
複数の走行速度を比較手段で比較して不一致があれば、
走行速度検出手段は異常であるとして、走行速度検出手
段とは別の車速検出手段による走行速度と所定の基準値
とを比較する。車速検出手段による走行速度が所定の基
準値以上であれば、車速検出手段による走行速度に基づ
いて前記モータを制御するが、車速検出手段による走行
速度が所定の基準値よりも小さい場合には、一定の推定
速度に基づいて前記モータを制御する。これにより、走
行速度検出手段が故障しても、車両の運転を継続するこ
とができる。 【0007】 【0008】 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形
態に係る電気自動車のモータ制御装置のシステム構成を
示す図である。図1に示すように、アクセル1は、運転
者が踏み込んだときの操作量としてアクセル開度を出力
する。モータ制御部3は、アクセル開度やシフトポジシ
ョン(図示しない)に基づいて目標であるトルク指令を
算出してこのトルク指令に対応するPWM信号を出力す
る。なお、モータ制御部3は、CPU,ROM,RAM
から構成され制御プログラムや制御データに基づいて車
両の速度制御を行うものとする。また、モータ制御部3
は、車両の走行速度V1 ,V2 ,V3 が検出できないと
きには、車両の安全を補償するためのフェールセーフ機
能として車両を停止するものとする。 【0010】インバータ5は、メインバッテリ7から供
給される直流電流をPWM信号に基づいてスイッチング
素子をON・OFF制御して三相交流電流を発生し、こ
の交流電流をモータ9に加えて車両を駆動する。メイン
バッテリ7は、300V系の強電電流として直流電流を
供給する。 【0011】モータ9は、誘導モータで構成され、イン
バータ5からの三相交流電流を回転に変換して車両を駆
動する。なお、モータ9は、DCモータや同期モータを
利用してもよく、この場合、インバータ5の構成はDC
モータや同期モータを駆動できるような構成とする。エ
ンコーダ11,13は、モータ9の回転数に対応するパ
ルス数を発生させて車両の走行速度V1 ,V2 を検出す
る。 【0012】変速器15は、トランスミッション・ギア
から構成され、モータ9からの回転数をシフトポジショ
ンに応じて変換する。 【0013】速度センサ17は、変速器15内の出力側
に設けられ、駆動輪に加わる回転のための動力から車両
速度に比例する交流信号を発電し、計器板上のスピード
メータに車両の走行速度V3 を表示するものである。な
お、速度センサ17は、交流信号を発電しているため、
一般に2Km/h〜4Km/h以上の速度では正確な出
力を得られる反面、それ以下での出力は不正確になる。 【0014】比較器19は、エンコーダ11,13で検
出された走行速度V1 ,V2 を比較し比較結果として一
致/不一致信号を出力する。比較器19から一致信号が
出力された場合にはエンコーダ11,13で検出された
走行速度V1 ,V2 は正常である一方、不一致信号が出
力された場合には、走行速度V1 ,V2 の少なくとも一
方は異常である。 【0015】切替器21は、比較器19から出力される
比較結果が一致信号の場合にはエンコーダ13で検出さ
れた走行速度V2 をモータ制御部3に出力する一方、不
一致信号の場合には速度センサ17で検出された走行速
度V3 をモータ制御部3に出力する。なお、速度センサ
17が車速検出手段を構成し、モータ制御部3がモータ
制御手段を構成するものである。 【0016】次に、本発明の第1の実施の形態に係る電
気自動車のモータ制御装置の動作を説明する。運転者が
アクセル1を踏み込んだときのアクセル開度やシフトポ
ジションに基づいてモータ制御部3で目標のトルク指令
を算出してトルク指令に対応するPWM信号を出力し、
インバータ5でメインバッテリ7から供給される直流電
流に対してPWM信号に基づいてスイッチング素子をO
N・OFF制御して交流電流を発生し、この交流電流を
モータ9に加えて、変速器15でモータ9からの回転数
をシフトポジションに応じて変換して駆動輪を駆動す
る。ここで、比較器19でエンコーダ11,13で検出
された走行速度V1 ,V2を比較し、切替器21で比較
器19から出力される比較結果が一致信号の場合にはエ
ンコーダ13で検出された走行速度V2 をモータ制御部
3に出力する一方、不一致信号の場合には速度センサ1
7で検出された走行速度V3 をモータ制御部3に出力す
る。 【0017】次に、走行速度V1 ,V2 が正常に検出さ
れている場合には、モータ制御部3では、切替器21か
ら出力された車両の走行速度V2 に基づいてモータ9を
制御することで車両の安定な走行性を得ることができ
る。一方、走行速度V1 ,V2 が異常状態として検出さ
れている場合には、従来の技術では、フェ−ルセーフ処
理が行われて車両が停止していたが、本発明では、モー
タ制御部3で切替器21から出力された車両の走行速度
V3 に基づいてモータ9を制御することで、車両の安定
な走行性を得ることができるとともに、車両の運転を継
続することができる。 【0018】次に、図2および図3を用いて、車両の走
行速度V3 に基づくモータ制御を説明する。変速器15
内に設けられた速度センサ17は、図2(ロ)に示すよ
うに、4Km/h以上の走行速度では正確な出力を得ら
れるので、直接、モータ制御部3の速度制御に用いるこ
とができる。ところが、速度センサ17の出力は、駆動
輪に加わる回転のための動力から車両速度に比例する交
流信号を発電しているため、4Km/h以下では発電さ
れた交流信号の大きさ自体が小さく不正確になるので、
直接、モータ制御部3の速度制御に用いることができな
い。そこで、4Km/h以下の走行速度時には、図2
(イ)に示すように、車両は一定の走行速度で走行して
いるものとして推定して、その推定速度を4Km/hと
する。 【0019】図3は、本発明の第1の実施の形態に係る
電気自動車のモータ制御装置の動作を説明するためのフ
ローチャートである。なお、本フローチャートでは、シ
フトポジション=Dレンジとして説明するものとする。
まず、ステップS10では、変速器15内に設けられた
速度センサ17で車両の走行速度V3 を検出する。次
に、ステップS20では、検出された走行速度V3 が4
Km/h以上か否かを判断する。ステップS30では、
検出された走行速度V3 が4Km/h以上であるので、
検出された走行速度V3 に応じたトルク指令をモータ制
御部3で発生させる。一方、ステップS40では、検出
された走行速度V3 が4Km/h以上ではないので、推
定速度として前進4Km/hに応じたトルク指令をモー
タ制御部3で発生させる。 【0020】このように、速度センサ17で検出された
車両の走行速度が所定の基準値として4Km/hよりも
小さい場合には、一定の推定速度として4Km/hに基
づいてモータ3へのトルク指令を算出し、このトルク指
令に対応するPWM信号を出力し、インバータ5でメイ
ンバッテリ7から供給される直流電流に対してPWM信
号に基づいてスイッチング素子をON・OFF制御して
交流電流を発生し、この交流電流をモータ9に加えて、
変速器15でモータ9からの回転数をシフトポジション
=Dレンジに応じて変換して駆動輪を駆動することで、
低速領域4Km/hでの車両の運転を継続することがで
きる。 【0021】図4は、本発明の第2の実施の形態に係る
電気自動車のモータ制御装置のシステム構成を示す図で
ある。その特徴としては、図1に示す比較器19および
切替器21を、図4に示すように削除し、モータ制御部
31によるソフトウエア処理によって上述の第1の実施
の形態の処理を行うとともに、以下のソフトウエア処理
を行うものとする。なお、モータ制御部31が車速判断
手段を構成するものである。 【0022】図5および図6は、本発明の第2の実施の
形態に係る電気自動車のモータ制御装置の動作を説明す
るためのフローチャートである。まず、ステップS10
0では、エンコーダ11または13で車両の走行速度V
1 またはV2 を検出する。次に、ステップS110で
は、検出された走行速度V1 またはV2 が所定の基準値
VREF として50Km/h以上か否かを判断する。走行
速度V1 またはV2が50Km/h以上の場合にはステ
ップS120に進む一方、50Km/h以下の場合には
処理を終了する。次に、ステップS120では、変速器
15内に設けられた速度センサ17で車両の走行速度V
3 を検出する。 【0023】次に、ステップS130では、正常な場合
でもエンコーダ11,13の検出結果と速度センサ17
の検出結果との間には検出誤差があるので、検出された
走行速度V1 またはV2 から走行速度V3 を減算し、こ
の減算値の絶対値が許容範囲ΔVREF 以下か否かを判断
する。なお、許容範囲ΔVREF としては5Km/h以下
が好ましい。次に、ステップS140では、この減算値
の絶対値が許容範囲ΔVREF 以下であるので、速度セン
サ17で検出された走行速度V3 は有効であることを表
す車速フラグOKをONする。なお、車速フラグOKは
モータ制御部3内のRAMに記憶されるものとする。一
方、ステップS150では、この減算値の絶対値が許容
範囲ΔVREF 以下ではないので、速度センサ17で検出
された走行速度V3 は無効であることを表す車速フラグ
NGをONする。なお、車速フラグNGは、車速フラグ
OKと同様にモータ制御部3内のRAMに記憶されるも
のとする。 【0024】なお、上記ステップS100〜S150の
処理は車両の安全性を確保するために所定時間毎に1回
行うものとする。次に、図6に示すステップS200で
は、エンコーダ11および13で車両の走行速度V1 お
よびV2 を検出する。ここで、ステップS210では、
エンコーダ11および13での速度検出が正常か否かを
判断するために、検出された走行速度V1 とV2 が等し
いか否かを判断する。走行速度V1 とV2 が等しい場合
には、終了する一方、等しくない場合には、ステップS
220に進む。 【0025】次に、ステップS220では、モータ制御
部3内のRAMに記憶されている車速フラグOKを読み
出し、車速フラグOKがONか否かを判断する。次に、
ステップS230では、車速フラグOKがONではない
ので、すなわち、エンコーダ11および13での速度検
出が異常である上に、さらに、速度センサ17での速度
検出が異常であるので、フェールセーフ処理としてフェ
−ルセーフ信号を発生してモータ制御部3から出力され
るトルク指令やPWM信号を零出力に強制し、モータ9
による車両の駆動を停止するようにする。一方、ステッ
プS240では、車速フラグOKがONであるので、モ
ータ制御部3では走行速度V3 に基づく車速制御を行
い、車両の運転を継続するようにする。なお、この場合
の車速制御は、図3に示すステップS10〜S40を用
いるものとする。 【0026】以上、説明したように、請求項1記載の本
発明によれば、モータ回転数に基づく走行速度の検出と
は別に、車両の走行速度を検出する一方、モータ回転数
に基づく複数の走行速度が不一致の場合には、新たに検
出された車両の走行速度が所定の基準値以上であれば、
この走行速度に基づいてモータを制御し、新たに検出さ
れた車両の走行速度が所定の基準値よりも小さい場合に
は、一定の推定速度に基づいてモータを制御すること
で、車両の運転を継続することができる。 【0027】 【0028】
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電気自動車の
モータ制御装置のシステム構成を示す図である。 【図2】本発明の第1の実施の形態に係る電気自動車の
モータ制御装置の動作を説明するための図である。 【図3】本発明の第1の実施の形態に係る電気自動車の
モータ制御装置の動作を説明するためのフローチャート
である。 【図4】本発明の第2の実施の形態に係る電気自動車の
モータ制御装置のシステム構成を示す図である。 【図5】本発明の第2の実施の形態に係る電気自動車の
モータ制御装置の動作を説明するためのフローチャート
である。 【図6】本発明の第2の実施の形態に係る電気自動車の
モータ制御装置の動作を説明するためのフローチャート
である。 【図7】従来の電気自動車のモータ制御装置を示す図で
ある。 【符号の説明】 1 アクセル 3,31 モータ制御部 5 インバータ 7 メインバッテリ 9 モータ 11,13 エンコーダ 15 変速器 17 速度センサ 19 比較器 21 切替器
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60L 9/00 - 9/32 B60L 15/00 - 15/38

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 車両を駆動するモータのモータ回転数に
    基づいて走行速度を複数検出する走行速度検出手段と、 前記走行速度検出手段により検出された複数の走行速度
    を比較して、一致又は不一致を検出する比較手段と、 前記走行速度検出手段による 走行速度の検出とは別に、
    車両の走行速度を検出する車速検出手段と、前記比較手段により前記一致を検出した場合には、前記
    走行速度検出手段で検出された走行速度に基づいて前記
    モータを制御すると共に、前記比較手段により前記不一
    致を検出した場合で且つ、前記車速検出手段で検出され
    た走行速度が所定の基準値以上である場合には、前記車
    速検出手段で検出された走行速度に基づいて前記モータ
    を制御し、さらに前記比較手段により前記不一致を検出
    した場合で且つ、前記車速検出手段で検出された走行速
    度が前記所定の基準値よりも小さい場合には、一定の推
    定速度に基づいて前記モータを制御する、モータ制御手
    段と、を備えた ことを特徴とする電気自動車のモータ制
    御装置。
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