JP3435701B2 - カラー受像管 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は、ガラス外囲器のネック
部の内面上に帯電防止手段としての高抵抗体膜を設けて
なる多電子ビーム形式のカラー受像管に関する。 【０００２】 【従来の技術】ガラス外囲器のネック部内面に浮遊電子
による高圧帯電が生じると、これによる壁電界が電極間
隙を通じて電子銃内の電子ビームに作用し、電子ビーム
軌道を変化させる危険、すなわち、コンバーゼンス特性
を経時変化させる危険がある。実公昭４１−１７２２５
号公報に開示されている考案では、ガラス外囲器のネッ
ク部の内面上に帯電防止用の高抵抗体膜を設けている。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】この場合、前記高抵抗
体膜は陽極電位に保持される導電膜に一端縁を重ね合わ
せ、集束電極に対向した位置に他端縁を置く。このた
め、高抵抗体膜の導電膜側電位は安定に保持できても、
他端縁側の電位は浮遊電子の増減等に伴って経時変化
し、コンバーゼンス特性の安定化という初期の目的を満
足に達成し難いという課題があった。 【０００４】 【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決すべくなされたもので、高抵抗体膜の一端縁に最終加
速電極（陽極）電位を与える一方、他端縁には集束電極
から延び出た導電性舌片を当接せしめる。 【０００５】 【作用】このように構成すると、前記高抵抗体膜に微小
電流が常に流れ、しかも、高抵抗体膜の他端縁側の電位
が集束電極電位に強制的に引き下げられるので、高抵抗
体膜の電位分布およびその周辺の電位が安定化し、常に
安定したコンバーゼンス特性を得ることができる。 【０００６】 【実施例】つぎに本発明を図示した実施例とともに説明
する。図１に示すように、ガラス外囲器１のネック部２
内に封入されているバイポテンシャル型の電子銃３は、
制御格子電極４、加速電極５、集束電極６および最終加
速電極（陽極）７を有し、ガラス外囲器１のフアンネル
部８の内面上には黒鉛からなる良導電性の導電膜９が設
けられている。そして、この導電膜９のネック部側端縁
に重なる一端縁を有する高抵抗体膜１０が、最終加速電
極７および集束電極６を含む高圧電極領域を包囲する関
係にネック部２の内面上に設けられている。また、最終
加速電極７から延び出た導電性舌片１１が導電膜９に当
接し、集束電極６から延び出た導電性舌片１２が高抵抗
体膜１０の他端縁に当接している。 【０００７】高抵抗体膜１０は弁柄等の金属酸化物を主
成分とするもので、一様な膜であっても螺旋状その他の
形状のものであってもよい。 【０００８】このように構成すると、高抵抗体膜１０の
一端縁が陽極電位に保持され、他端縁が集束電極電位に
保持されるので、高抵抗体膜１０に微小電流が常に流れ
る。そして、高抵抗体膜１０の電位分布およびその周辺
の電位が安定化するので、ネック部の内面電位が帯電に
よって経時変化することが防止され、常に安定したコン
バーゼンス特性を得ることができる。 【０００９】 【発明の効果】以上のように本発明によると、ガラス外
囲器のネック部内面の電位が帯電によって不規則的に変
化するのを防止でき、同内面における電位分布を常に安
定ならしめ得て、安定したコンバーゼンス特性を得るこ
とができ、色ずれの少ないカラー画像を再生することが
できる。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明を実施したカラー受像管の一部破断側面
図 【符号の説明】 １ ガラス外囲器 ２ ネック部 ３ 電子銃 ６ 集束電極 ７ 最終加速電極 ９ 導電膜 １０ 高抵抗体膜 １１，１２ 導電性舌片

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H01J 29/88 H01J 29/92

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】ネック部に電子銃を封入してなるガラス外
   囲器が、そのファンネル部の内面上に良導電性の導電膜
   を有し、この導電膜に接続された高抵抗体膜が、前記電
   子銃の最終加速電極および集束電極の領域のみを包囲す
   る関係に前記ネック部の内面上に設けられ、前記最終加
   速電極から延び出た導電性舌片が前記導電膜に、前記集
   束電極から延び出た導電性舌片が前記高抵抗体膜の他端
   縁にそれぞれ当接してなることを特徴とするカラー受像
   管。