JP3434945B2 - ファイバ用中空シリカガラス母材の製造方法 - Google Patents
ファイバ用中空シリカガラス母材の製造方法Info
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Description
空孔の外層にシリカガラス体が形成されて成るファイバ
用中空シリカガラス母材の製造方法に関する。
イバの伝送波長はほぼ2〜0.3μmである。従ってこ
れより外側の波長の光エネルギーを伝送させたい場合、
異なる構造若しくは異なる材料で光ファイバを考案せね
ばならない。例えば、2μmより長い波長(中−遠赤外
線)領域においては、フッ化物及びアルカライド系化合
物が比較的透明であり、これらを用いた充填コアクラッ
ド形光ファイバは一部で商品化されている。
において透明な固体材料は存在しない。このため日高建
彦(照明学会誌 第70巻、第12号、1986、p
p.634〜637)より、伝送路として真空若しくは
ヘリウムを充填した中空ファイバを用いるのが好ましい
旨開示されている。具体的にはシリカガラス製の中空フ
ァイバ両端をΧ線透過性箔膜で封止し、内部を真空に維
持する構成や、ヘリウムガスをフローさせる構成が提案
されている。
率が悪く、現状では医療用など短距離伝送にその利用範
囲が限定されるが、例えばΧ線領域での伝送効率を向上
させる為に、前記中空ファイバの内面に軽金属と重金属
を交互にコートした多層膜を形成した技術も開示されお
り(Hoelbich、R.P.etal,Appli
ed Physics Letters,Vol.3
4,1979,p.184)、特に光通信以外のエネル
ギー伝送、光計測の分野での今後の開発が望まれる。
バは、中空円筒管状に形成した母材を線引きして形成す
るわけであるが、シリカ粉体を出発原料としたファイバ
用シリカガラス母材の製造方法はなかなか厄介である。
バ母材の製造方法として、ガラス製の成型容器内に、棒
状のコア材とその周囲にクラッド材となりうるシリカ粉
状体を充填し、そのまま熱間静水圧プレスで焼結するこ
とを特徴とする光ファイバ用母材の製造方法を開示した
技術(特開昭62−65947)が提案されている。し
かしながら前記のように充填されたシリカ粉体の同時全
体加熱ではシリカ粉体溶融中に泡が閉じ込められ、気泡
が発生しやすい。
状体充填中に成形型の下蓋を振動子で振動させ嵩密度を
増加させて前記気泡の発生や充填密度の不均一化を阻止
する技術も開示されている(特開平4−321532)
が、1600℃以上に加熱される成型型枠に振動子を設
けることは実際上、困難である。
形光ファイバ母材の製造方法であり、光ファイバのコア
部分が中空な、中空ファイバ用シリカガラス母材のシリ
カを主成分とする粉状体からの製造方法は何等開示され
ていない。またかかる従来技術においては、いずれも基
本的に成形型枠が必要とされ、また型枠とシリカガラス
粉状体が接触しているために、溶融時成型型枠からの汚
染がある。
生することなく、高寸法精度、表面に擦り傷のない事、
高純度等の品質条件を容易にクリアできる中空ファイバ
用シリカガラス母材の製造方法を提供する事を目的とす
るものであるが、本発明はこれのみに限定されることな
く、管状中空孔内にコア材を充填して融着一体化後線引
を行うための充填コアクラッド形光ファイバのジャケッ
ト管である中空シリカガラス母材としても適用可能なフ
ァイバ用中空シリカガラス母材の製造方法を提供するも
のである。
な管状中空孔の外側にシリカガラス体が形成されて成る
ファイバ用中空シリカガラス母材の製造方法に関するも
ので、その特徴とするところは、シリカガラス製の外管
及び内管よりなり、該外管内に一又は複数の内管を挿し
てシリカガラス中空体を作った後、該外管と内管の間に
シリカを主成分とする粉状体を充填したシリカガラス中
空体を形成すると共に、前記充填域を減圧雰囲気に維持
しながら該中空体を軸方向に沿って順次加熱し帯域溶融
させながらファイバ用中空シリカガラス母材を製造する
ものである。
たシリカガラス中空体を垂直下方に移動させた方が装置
の小形化の面で好ましいが、前記帯域溶融の為の加熱手
段を中空体軸方向に、中空体の下端側より上方に向け移
動させてもよい。この場合、いずれの場合も、シリカガ
ラス中空体を軸回転させながら帯域溶融させるのがより
好ましい。又前記充填域内の減圧雰囲気は10KPa以
下の真空であること事が好ましい。
全体を同時に加熱するのではなく、減圧下で中空体下端
より上端に向けてリングゾーン状に順次加熱し帯域溶融
するものであるために、粉状体内よりの析出ガスや残存
ガスが巻き込まれることなく実質的に無気泡なシリカガ
ラス体を得ることができる。
る方法であるために、外径60〜200mm、原料粉充
填長1〜10mの大口径の中空体を用いて製造する事も
可能であり、この結果光ファイバー用母材の製造が容易
である。尚、前記帯域溶融手段は下記実施例では円筒形
電気炉を用いているが、これのみに限定されない。
成するための内管内の径を精度良く確保するために、前
記内管内を粉状体充填域より相対的に高い加圧下に置き
ながら下端側より上方に向け帯域溶融にて徐々に加熱溶
融するのがよい。即ち具体的には少なくとも一端が開放
状態で常圧ないしは加圧下に維持し、一方シリカ原料粉
が充填される外管と内管との間は減圧下に維持した状態
で加熱溶融させて一体化させるのがよい。
を用いるのが良い。即ち水晶粉等の結晶質シリカ粉は1
730℃にメルティングポイントを有する為に1730
℃以上に加熱する事により一気に溶融し、溶融ガラス内
の気泡発生を極力抑える事が出来る。しかしながら例え
ば水晶粉の結晶質シリカ粉は、573℃にα型からβ型
への転移点を有するために、加熱開始時に中空体の粘度
が低下する前に該中空体内部の水晶粉のα型からβ型へ
の転移が起こると急激な膨張により中空体の破壊が生じ
てしまう。
端部分に非晶質シリカを主成分とする粉状体を充填し、
その後水晶その他の結晶質シリカを主成分とする主原料
シリカ粉を充填するようにしている。この結果最初に帯
域加熱される中空体の充填域下端側で相転移による膨張
が発生しない、言い換えれば加熱開始時に中空体の粘度
が低下する前であっても、転移点のない非晶質シリカを
主成分とする粉状体が充填域下端に存在するために、α
型からβ型への転移自体が存在せず管の破壊を阻止し得
る。
トゾーン(均熱幅域)の予熱により中空管の粘度が低下
し、その部分の結晶質シリカ粉がα型からβ型への転移
による急激な膨張が生じても外管の破壊を有効に阻止し
得る。尚、前記非晶質シリカ粉の充填長さは、帯域加熱
手段のヒートゾーン(均熱幅域)の長さより大である事
が必要であるが、余りに大きいと実質的な無気泡域が少
なくなり生産性が低下するために、好ましくは粉状体の
全充填量の20%未満がよい。
水晶、合成クリストバライトいずれかの結晶質シリカ粉
であり、粒径が10〜1000μm、好ましくは20〜
500μm、より好ましくは50〜200の範囲でかつ
10μm未満の微粒子含有比率が0.1wt%以下であ
る事が必要がある。その理由は、前記粒径が10μm未
満では、例え真空引きしても圧力損失により充填域内部
まで真空にする事が出来ず、帯域溶融でも気泡がぬけに
くくなってしまい、溶融したシリカガラス中に気泡が多
量に含まれてしまう。又、粒径が1000μm以上で
は、空隙が多くなるため溶融時均一にならなかったり、
例え水晶粉を用いても粉体間の空隙が大きいことにより
気泡の発生を解消出来ない。
る場合、前記の様に天然結晶粉を用いる事が出来ない場
合がある。この様な場合は、合成シリカガラスのように
高純度非晶質シリカ粉を用いても実質的に無気泡な光フ
ァイバー用母材が製造できればよい。このような場合は
前記非晶質シリカ粉としての合成シリカガラス粉をあら
かじめ水素含有雰囲気若しくはヘリウム含有雰囲気にて
加熱処理を行なった後に充填すればよい。
ムからなる残留ガスが存在しても溶融時にこれらが溶融
ガラス中に吸蔵/ドープされ、気泡の発生を阻止でき
る。そしてこの様に非晶質のシリカ粉のみを原料とする
場合には中空体下端部分も同じシリカ粉を充填する。ま
た絶対屈折率を下げる必要がある場合、前記主原料シリ
カ粉にはフッ素またはホウ素の少なくとも1種類が含有
されているシリカ原料粉を用い、そして溶融後のシリカ
ガラスロッドの絶対屈折率が波長589nmにおいて、
1、4580以下の所定の値に設定するのが良い。
内への(重力方向の)送り速度と該帯域加熱手段により
溶融されたシリカガラスの引き速度を制御することによ
り実質的に無気泡の光ファイバー用母材を得る事が出来
る。即ち、送り速度と引き速度のみの制御により寸法制
御を行うものであり、非接触で且つ重力方向における引
きによる寸法制御であるために、高寸法精度で且つ表面
に擦り傷のないシリカガラスロッド得る事が出来る。
送り速度と該引き速度を制御して、前記溶融前の中空体
の直径Dと溶融後の透明シリカガラス体の直径dの比
(D/d)が2倍以上、好ましくは3倍以上になるよう
にすることにより、一層の高精度の達成とともに、表面
の擦り傷発生阻止を図る事が出来る。
も0.5mm〜最大でも(外径)×20%の厚みを有す
る外管を用いるのが良い。即ち肉厚は0.5mm未満で
は強度性と均熱性が不足し、又外管の肉厚が(外径)×
20%以上ではシリカガラス中空体の溶融等、ガラス加
工が厚肉すぎて困難となるためである。
空孔の直径が、外層のシリカガラス体の外径の1/3以
下であるファイバ用中空シリカガラス母材が容易に製造
可能であり、前記した中空ファイバのみならず、管状中
空孔内にコア材を充填し、融着一体化させた充填コアク
ラッド形光ファイバ母材を作るためのジャケット管であ
るシリカガラス母材の製造も容易となる。
てのファイバ用中空シリカガラス母材は、管状中空孔を
シリカガラス体の任意の位置に設定できるために、偏心
コアファイバや複数コアファイバを製造する場合、前記
方法で偏心厚肉チューブや多穴厚肉チューブを製造し、
これらチュ−ブをジャケット管として使い、管状中空孔
内にコア材を挿入し、加熱融着してコア材とジャケット
管を一体化してコア充填母材を製造するものである。
手順としての実施形態を説明する。但し、この実施形態
に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相
対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、この発
明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例
にすぎない。 (1)外管1及び内管2の準備 外径30〜200mmの範囲、肉厚は外径の2〜20%
の範囲(最低肉厚0.6mm)、長さ1〜5mの範囲の
外管1を準備する。外管1と内管2の寸法を決める基準
は、製造しようとするファイバ用中空シリカガラス母材
9のレシオ(外径/内径)の比率と、ファイバ用中空シ
リカガラス母材9の外径寸法により決まって来る。
ファイバ用中空シリカガラス母材9のレシオより同じ
か、若干大きめに設定する必要がある。また、外管1の
外径は、ファイバ用中空シリカガラス母材9外径の2倍
以上、好ましくは3倍以上とすることが良い。
シリカガラス母材9の外径が30mm、内径が10mm
の時、外管1の外径は90〜120mmの範囲、内管2
の内径は30〜40mmの範囲で、(外管1外径/内管
2内径)の比率を3以上、好ましくは3.0〜3.5に
設定するのが良い。尚、(外管1外径/内管2内径)の
比率をファイバ用中空シリカガラス母材9のレシオより
同じか、若干大きめに設定する理由は、シリカ原料粉を
充填したシリカガラス中空体10を加熱溶融して延伸す
る手法のために、レシオを小さくする方向にしか制御不
可能であることによる。外管1、内管2の各長さは、製
造しようとするファイバ用中空シリカガラス母材9の数
量、合計重量と、充填するシリカ原料粉の必要重量から
任意に決まって来る。
に、小口径のシリカガラス内管2を1本または複数本挿
入し、これら管体の下端には、内管2と外管1との間を
封止板3にて加熱融着し、外管1と内管2の空隙にシリ
カ粉体原料を充填できるような形に形成すると共に、内
管2下端を開口させ、内管2内圧力制御用ガス排出口3
aを付帯させる。一方前記シリカガラス中空体10の上
端側は、内管2を上方に突出させてその突出端にフラン
ジを設け圧力制御用ガス供給口4とし、内管内圧力制御
用ガス源と接続可能に構成する。また外管1と内管2の
間は蓋板6を設けると共に、該蓋板6に真空引き用ポン
プへ接続するためのフランジ付き枝管として真空引き口
5を設ける。
熱処理を行ない、熱歪除去処理を行った後、3〜50w
t%フッ化水素水溶液に前記中空体10を3〜10mi
n浸し洗浄およびマイクロクラックの除去を行なった後
さらにイオン交換水で水洗し、清浄な雰囲気で乾燥を行
なう。
ライト、合成シリカガラスのいずれか1種類以上を用
い、その粒径は0.01〜1mmの範囲が好ましい。こ
れ以下では真空引き時に、充分に減圧雰囲気とすること
が困難となり、溶融したシリカガラス中に小さな気泡が
多くなってしまう。また、これ以上では、シリカ粉体原
料をシリカガラス中空体10に充填した時の充填密度が
上がらず、溶融したシリカガラス中に大きな気泡が残り
やすくなる。
あり、具体的には主要不純物元素Liが500wtpp
b以下、Naが100wtppb以下、Mgが100w
tppb以下、Kが100wtppb以下、Caが50
0wtppb以下、より好ましくはこれらの5元素が同
時に各々50wtppb以下が良い。理由としては、こ
れら不純物元素を高濃度で含有するシリカ粉体原料を使
って、円筒型電気炉8で帯域溶融させると、白色失透が
発生しやすくなり、最悪の場合母材9が途中で折れてし
まうことがある。
原料粉の充填 主原料シリカ粉に結晶質シリカを用いる場合は、図2に
示すように、中空体10の内管2と外管1との間の下端
部分には非晶質シリカとして合成シリカガラス7aを入
れ、次いで徐々に水晶粉等の結晶質シリカ粉の比率を大
きくした粉を入れていく7b。下端のシリカガラス粉7
aの充填長さは、溶融に使用する円筒型電気炉8のヒー
トゾーン(均熱幅域)の長さLより大きくしなければな
らない。尚、主原料粉としてすべてを非晶質シリカとす
る場合は、先端部分からすべて同一種類のシリカガラス
粉7を順次充填すれば良い。
うに、前記蓋板6のフランジ付き枝管5より先ず合成シ
リカガラス粉7aを投入し、次に天然水晶:合成シリカ
ガラスの混合粉体7bを投入し、最後に、天然水晶粉7
cで前記充填域を充填する。この結果合成シリカガラス
粉体層7aの充填長さが円筒型電気炉8のヒートゾーン
(均熱幅域)の長さLより大になる。
ラス化 次に図1に示すように、前記蓋板6のフランジ付き枝管
5より内管2と外管1の間のシリカ粉体の充填域内を1
0KPa以下に真空引きした後、中空体10の先端部分
を円筒型電気炉8に挿入し、電気加熱を開始する。先端
部分が溶融し、落下したら、次に中空体10の電気炉8
への投入速度と、帯域溶融して出て来た母材9の引き速
度を制御する。また中空体10の内管2内の圧力をガス
を流すことにより制御してファイバ用中空シリカガラス
母材9の内径寸法を設定する。
9の外径、内径の寸法が一定し、安定するまで、上述の
項目の微調整をくり返し行なう。ファイバ用中空シリカ
ガラス母材9の外径は、シリカガラス中空体10の外径
の1/2、好ましくは1/3以下でなければ、制御が困
難である。
内圧は大気若しくは弱加圧開放されている為に、減圧下
の粉状体充填域に比較し大きく、内管2の穴は溶融によ
り閉じることがない。又大気圧へ開放されている為に内
管2の内圧は加熱によっても急激にに増大する事なく、
精度よい寸法精度が維持されながら加熱溶融されること
となる。
下させる必要がある場合は、フッ素またはホウ素の少な
くともいずれか1種類を含有させる必要がある。原料粉
としては、ゾルゲル法にてフッ素、またはホウ素の少な
くともいずれかを含有する合成シリカガラス粉を得る方
法がある。又CVDスート法によりフッ素またはホウ素
の少なくともいずれかを含有するスート粉を作成し、次
いでこのスート粉を必要に応じ造粒して、原料シリカ粉
としてもよい。また、天然水晶粉、天然石英粉にホウ素
であれば三酸化二ホウ素B2 O3 、ホウ酸H3 BO3 等
の化合物を混合させたものを原料シリカ粉として用いて
も良い。
る。 外管1及び内管2の準備:外径160mm、肉厚6m
m、長さ2mの外管1、内径20mm、肉厚2.5m
m、長さ2mの内管2を夫々1本用意する。
熱加工により、図2に示す二重構造のシリカガラス中空
体10を作成する。 シリカガラス中空体10の熱歪除去処理:横型円筒型電
気加熱炉により、1150℃5hrsの加熱による歪除
去処理を行ない、その後室温まで徐冷却した。
t%フッ化水素酸水溶液にてエッチング洗浄を行ない、
続いてイオン交換水にて洗浄を行ない、乾燥した。 天然水晶の調整:天然水晶を粒径30〜200μm範囲
に調整した。次にこれをシリカガラスチャンバー内に入
れ、塩化水素ガス雰囲気とし、1000℃10hrsの
加熱純化処理を行なった。
て合成シリカガラス粉を作成し、粒径を10〜500μ
m範囲に調整した。 シリカガラス中空体10へのシリカ原料粉の充填:先端
に約3kgの合成シリカガラス粉を充填した。充填長さ
は約120mmとした。この理由は帯域溶融させるため
の円筒型電気炉の均熱長100mmより長くさせるため
である。
1:1(重量比)の混合粉体約1kgを充填した。最後
に、主原料としての天然水晶粉を約40kg充填した。 円筒型電気炉を使った帯域溶融透明ガラス化:シリカガ
ラス中空体10のシリカ原料粉が充填されている部分を
10KPa以下の真空に引いた。また、シリカガラス中
空体10の内管2の内側部分にチッ素ガスを流した。
りとシリカガラス中空体10の先端を挿入し、炉を昇温
させた。しばらくすると、先端部分が溶融透明ガラス化
し、炉の下に落下を始めた。次いで、シリカガラス中空
体10の炉8への送り速度と、炉下部からの透明ガラス
となったファイバ用中空シリカガラス母材9の引き速度
の制御、また内管2内チッ素ガスの流量、圧力の制御を
行なうことにより、ファイバ用中空シリカガラス母材9
の外径、内径を所定寸法に調整した。
用中空シリカガラス母材9について、外径40mm、内
径5mm、長さ1000mmの厚肉チューブ10本の物
性評価を行なった。
ガラス母材を製造するにあたり以下の課題を解決する事
が出来た。(外径/内径)の比率を3以上に設定したフ
ァイバ用中空シリカガラス母材として有効な厚肉チュー
ブを得る事が出来るのみならず、実質的に無気泡で且つ
寸法精度が良く、而も表面にすりきずのないファイバ用
中空シリカガラス母材が得られる。例えば前記製法によ
り直径が10〜50mmにおいて半径方向の円周振れ公
差が(直径)×1%以内、長さ500mmにおける半径
方向の全振れ公差が(直径)×2%以内で、更にはシリ
カガラスの100cm3 に存在する泡の総断面積が1m
m2 以下であるファイバ用中空シリカガラス母材を得る
事が出来る。又本発明によれば、前記従来技術のように
成型型枠を用いず、またシリカ原料粉は内管と外管との
間に保護されている為に溶融時汚染が生じることなく、
シリカ原料粉の純度が保存されているシリカガラスが得
られる。更にシリカ原料粉として高純度品を使った場
合、得られるチューブの純度も高純度が維持される。従
って、本発明によれば、前記した中空ファイバのみなら
ず、管状中空孔内にコア材を充填して線引を行うための
充填コアクラッド形光ファイバのジャケット管であるシ
リカ原料母材の製造も容易となる。
す。
す。
Claims (10)
- 【請求項1】 一又は複数の管状中空孔の外側にシリカ
ガラス体が形成されて成るファイバ用中空シリカガラス
母材の製造方法において、 シリカガラス製の外管及び内管よりなり、該外管内に一
又は複数の内管を挿入してシリカガラス中空体を作った
後、該外管と内管の間にシリカを主成分とする粉状体を
充填したシリカガラス中空体を形成すると共に、前記粉
状体充填域を減圧雰囲気に維持しながら該中空体を軸方
向に沿って順次加熱し帯域溶融させることを特徴とする
ファイバ用中空シリカガラス母材の製造方法 - 【請求項2】 前記内管内を粉状体充填域より相対的に
高い加圧下に置きながら下端側より上方に向け順次加熱
し、帯域溶融してなる事を特徴とする請求項1記載のフ
ァイバ用中空シリカガラス母材の製造方法 - 【請求項3】 シリカガラス中空体を軸回転させながら
帯域溶融させることを特徴とする請求項1記載のファイ
バ用中空シリカガラス母材の製造方法 - 【請求項4】 前記充填域内への粉状体の充填を、加熱
により帯域溶融が開始される充填域下端側に、非晶質シ
リカを主成分とする粉状体が位置し、その上方域に水晶
粉その他の結晶質シリカを主成分とする主原料シリカ粉
が位置するように充填を行う事を特徴とする請求項1記
載のファイバ用中空シリカガラス母材の製造方法 - 【請求項5】 前記帯域溶融を円筒型電気炉で行う場合
に、先端に非晶質シリカを主成分とする粉状体を円筒型
電気炉の均熱長さ以上になるように入れ、次いで結晶質
シリカを主成分とする主原料シリカ粉を入れることを特
徴とする請求項1記載のファイバ用中空シリカガラス母
材の製造方法 - 【請求項6】 前記粉状体が、フッ素またはホウ素の少
なくとも1種類が含有されているシリカ原料粉であり、
溶融後のシリカガラスの絶対屈折率が波長589nmに
おいて、1、4580以下であることを特徴とする請求
項1記載のファイバ用中空シリカガラス母材の製造方法 - 【請求項7】 前記減圧雰囲気が10KPa以下の真空
であることを特徴とする請求項1記載のファイバ用中空
シリカガラス母材の製造方法 - 【請求項8】 前記中空体の帯域溶融の加熱手段内への
重力方向の送り速度と該帯域溶融の加熱手段により溶融
された中空シリカガラス母材の引き速度を異ならせたこ
とを特徴とする請求項1記載のファイバ用中空シリカガ
ラス母材の製造方法 - 【請求項9】 前記一又は複数の管状中空孔の直径が、
外側のシリカガラス体の外径の1/3以下である請求項
1記載のファイバ用中空シリカガラス母材の製造方法 - 【請求項10】 請求項1記載のファイバ用中空シリカ
ガラス母材が、管状中空孔内にコア材を充填し、融着一
体化させ、充填コアクラッド形光ファイバ母材を作るた
めのジャケット管である請求項1記載のファイバ用中空
シリカガラス母材の製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26650295A JP3434945B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | ファイバ用中空シリカガラス母材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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