JP3434620B2 - 車両の衝突検出方法及び車両用衝突検出装置 - Google Patents

車両の衝突検出方法及び車両用衝突検出装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアバック装置等に代
表される車両用安全装置を動作させる信号を発生する車
両用衝突検出装置に係り、特に、車両用衝突検出装置に
おける車両の衝突を検出する方法の改良及び衝突検出の
改良を図った車両用衝突検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術としては、例えば、
本出願人の提案に係るものとして、特開平6−3210
51号公報に示されたように、特に、衝突初期の減速度
が小さい場合における動作の確実性を確保できるように
したものがある。すなわち、同公報に開示された装置
は、加速度センサの出力信号を時間積分して速度成分を
求める積分回路と、その算出値が所定値以上か否かを判
定することによって、エアバック装置の動作を開始させ
る制御信号を発生する衝突判定回路とを設けると共に、
センターポール衝突の際に加速度センサの出力信号に含
まれる特定の周波数成分の信号のみを検出するためのバ
ンドパスフイルタと、このバンドパスフィルタの出力信
号を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号のレ
ベル判定を行い所定レベル以上である場合に、上述の衝
突判定回路からエアバック装置を動作させる制御信号を
発生させるためのスレショルド調節回路とを設けること
により、センターポール衝突以外の衝突における衝突判
定の基準値を変えることなく、センターポール衝突に対
してもエアバック装置の適切、かつ、確実な動作の確保
を図り、その一方においてはセンターポール衝突以外の
衝突においても従来同様の動作の確保を図ったものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、加速度セン
サにより感知されるものは、実際には車両の加速度だけ
ではなく、車両において生ずる様々な振動等も含まれ
る。例えば、ステアリングホイールを殴打した場合や、
いわゆる床下干渉の際に生ずる殴打性の振動は、その周
辺の部材等との共振性が高く、加速度センサの出力信号
の比較的高域にかなりのレベルをもって含まれることが
ある。
【0004】このような場合、加速度センサの出力信号
をそのまま積分し、速度成分を求め、単にその大きさが
所定値を越えたことをもって、エアバック装置等に代表
される車両用安全装置の動作を開始させることとする
と、実際には衝突でないにも拘わらず、車両用安全装置
を動作させてしまうという誤動作の虞がある。
【0005】このような誤動作の虞は、上述した公報に
開示された装置においても存在するものである。すなわ
ち、上述の装置において設けられたバンドパスフィルタ
は、センターポール衝突の際、加速度センサの出力信号
の周波数成分の内に、特徴的に出現する特定の周波数成
分の信号を抽出し、この抽出された信号により車両用安
全装置の動作を開始させようとするだけのものであっ
て、上述したようなステアリングホイールの殴打等によ
り加速度センサの出力信号の比較的高域に出現する信号
を除去し得るものではない。
【0006】したがって、前述の公報に開示された装置
を用いる場合には、例えば、ステアリングホイールが殴
打されても共振性の振動を生じない又は生じ難いような
部材をステアリングホイール自体やその周辺に用いた
り、加速度センサを設置する部分が周辺から伝達された
振動により共振しないような構造とする等の方策を施す
必要があり、また、このような方策を施すことで上述し
たような不都合を回避することは可能であった。
【0007】しかしながら、装置とは全く別の箇所に、
何らかの手当を施さなければならないとすると、前述し
た装置が用いられる車両の部品点数の増大、組立作業の
煩雑化、組立作業時間の増大等による価格上昇を招くこ
ととなり、低価格で性能の高い車両の提供が困難となる
事態をも招きかねないこととなる。
【0008】なお、加速度センサの出力信号を一旦ロー
パスフィルタに通し、その後に所定の信号処理を施すよ
うにしたものが提案されてはいるが(例えば、特開平6
−48263号公報等参照)、この場合のローパスフィ
ルタは、その後のA/D変換器における折返し雑音(Al
iasing Noise)の発生を抑圧する機能が主であって、さ
らに、上述したような雑音成分の除去を行わしめようと
する場合には、その通過特性の設定が非常に難しいこと
が多い。
【0009】すなわち、このようなローパスフィルタの
通過特性を設定する場合、例えば、シュミレーションに
よる加速度センサの信号や実測データを参照し、最も適
切な帯域を決定することとなるが、この適切な値の決定
が実際には容易なことではない。例えば、加速度センサ
の出力信号の中でも、上述したような比較的高域の周波
数領域に現れる殴打性の信号の除去だけを考えるのであ
れば、ローパスフィルタの通過帯域を可能な限り下げれ
ばよいが、あまり通過帯域を下げすぎると、50km/
h程度の比較的高速の衝突の場合に、衝突判定に必要な
信号成分の信号レベルが小さくなるために衝突判定が遅
くなり、安全装置の適切、かつ、確実な動作が確保でき
なくなるという問題を生ずる。
【0010】その一方で、中速又は低速衝突において
は、いわゆる衝撃Gの雑音性が比較的低いため、上述の
ようにローパスフィルタの通過帯域を極力下げても、高
速衝突のように衝突判定が遅くなることはないので、中
速又は低速衝突における加速度センサの出力信号に含ま
れる雑音除去のためには、ローパスフィルタの通過帯域
を極力下げたほうがよい。
【0011】したがって、ローパスフィルタによる雑音
成分の除去を考える際には、これら相反する条件の妥協
点ともいうべきとこでその通過特性を設定しなければな
らず、さらには、個々の車両により除去すべき雑音のレ
ベルや周波数成分が異なることもあり、設計作業をより
困難なものとしているという問題があった。
【0012】本発明は、上記実状に鑑みてなされたもの
で、加速度センサの出力信号に含まれ誤動作を招く虞の
ある余分な信号成分を効果的に除去でき、適切、かつ、
確実な衝突判定が確保される信頼性の高い車両の衝突検
出方法を提供するものである。また、本発明の他の目的
は、簡易な構造で、加速度センサの出力信号に含まれ誤
動作を招く虞のある余分な信号成分を確実に除去し、車
両用安全装置の適切、かつ、確実な動作を確保すること
の可能な信頼性の高い車両用衝突検出装置を提供するこ
とにある。
【0013】さらに、本発明の他の目的は、加速度セン
サにより検出される共振性の振動を除去することができ
る車両の衝突検出方法及び車両用衝突検出装置を提供す
ることにある。そのうえさらに、本発明の他の目的は、
種々の車両に適合可能な車両用衝突検出装置を提供する
ことにある。またさらに、本発明の目的は、加速度セン
サの出力信号をディジタル信号処理する際に、折返し雑
音の発生を極力回避することができる車両用衝突検出装
置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る車両の衝突検出方法は、加速度センサにより所定値以
上の加速度が検出された場合に、この検出時を暫定的に
衝突発生時とし、この時点からの経過時間に応じてロー
パスフィルタの通過帯域を変化させつつ、このローパス
フィルタにより加速度センサの出力信号をフィルタリン
グし、その出力信号を基に所定時間内における速度変化
量を算出し、算出値が所定以上である場合に衝突発生と
判定するものである。
【0015】特に、衝突発生時と設定された時点から第
1の所定時間までは、ローパスフィルタの通過帯域を第
1の通過帯域とし、第1の所定時間から第2の所定時間
までは、ローパスフィルタの通過帯域を第3の通過帯域
とし、第2の所定時間以降は、ローパスフィルタの通過
帯域を第2の通過帯域とすると共に、前記第1乃至第3
の通過帯域は、第1の通過帯域、第2の通過帯域、第3
の通過帯域の順に、その通過帯域が小さくするものが好
適である。
【0016】また、ローパスフィルタを構成するコンデ
ンサは、スイッチトキャパシタを用いてなり、その容量
を変化させることで、前記ローパスフィルタの通過帯域
を変え得るようにしてなるものが好適である。さらに
は、ローパスフィルタは、演算増幅器を用いた積分回路
より構成されると共に、積分回路に用いられるコンデン
サを電子スイッチにより切り換えられることで、前記ロ
ーパスフィルタの通過帯域を可変可能としてなるものも
好適である。
【0017】請求項5記載の発明に係る車両用衝突検出
装置は、車両に作用する加速度を検出する加速度センサ
と、通過帯域が外部入力される制御信号により可変可能
に構成され、前記加速度センサの出力信号が入力される
低域通過型フィルタ手段と、前記加速度センサにより所
定値以上の加速度が検出された場合に、この検出時点か
らの経過時間に応じて前記低域通過型フィルタ手段の通
過帯域を変化させるべく制御信号を出力するフィルタ制
御手段と、前記低域通過型フィルタ手段の出力信号を基
に所定値以上の速度変化が検出された際に衝突と判定す
る衝突判定手段と、を具備してなるものである。
【0018】特に、低域通過型フィルタ手段は、コンデ
ンサがスイッチトキャパシタを用いてなり、その容量を
変化させることで、通過帯域を変え得るよう構成されて
なるローパスフィルタであるものが好適である。さら
に、この場合には、フィルタ制御手段は、スイッチトキ
ャパシタに必要なクロック信号を発生するクロック信号
発生手段と、加速度センサにより所定値以上の加速度が
検出された場合に、この検出時を暫定的に衝突発生時と
し、この時点からの経過時間に応じて、前記クロック信
号発生手段から発生されるクロック信号の発振周期を変
えるべく制御信号を出力するクロック周期変更手段と、
を具備してなるものが好適であると共に、クロック周期
変更手段は、加速度センサにより所定値以上の加速度が
検出された場合に、この検出時を暫定的に衝突発生時と
し、この時点から第1の所定時間までは、低域通過型フ
ィルタ手段の通過帯域を第1の通過帯域に、第1の所定
時間から第2の所定時間までは、低域通過型フィルタ手
段の通過帯域を第3の通過帯域に、第2の所定時間以降
は、低域通過型フィルタ手段の通過帯域を第の通過帯
域に、それぞれ設定すべく前記低域通過型フィルタ手段
に対して所定の制御信号を出力し、前記低域通過型フィ
ルタ手段は、第1の通過帯域、第2の通過帯域、第3の
通過帯域の順に、その通過帯域が小さくなるように構成
されてなるものが好適である。
【0019】また、低域通過型フィルタ手段は、演算増
幅器を用いた積分回路より構成されると共に、積分回路
に用いられるコンデンサが電子スイッチにより切り換ら
れることで、通過帯域を可変可能としてなるローパスフ
ィルタであるものも好適である。そして、この場合に
は、フィルタ制御手段は、加速度センサにより検出され
た加速度が所定値以上となったとき、その時点を暫定的
に衝突発生時とし、この時点からの経過時間に応じて、
低域通過型フィルタの電子スイッチの開閉成を制御する
制御信号を発生するものが好適である。
【0020】
【作用】請求項1記載の発明においては、暫定的に衝突
発生時とされた時点からの経過時間に応じて、ローパス
フィルタの通過帯域を変えつつ加速度センサの出力信号
を通過させることで、加速度センサの出力信号に含まれ
る所望の信号以外の余分な信号が、特に衝突の判定に影
響を与える区間において、適切に除去されるようにする
一方、当該区間以外では通過帯域を必要以上に変えるこ
とのなようにして加速度センサの出力信号の劣化を招き
誤判定が生ずることがないようにしているものである。
【0021】請求項5記載の発明においては、加速度セ
ンサの出力信号が通る低域通過型フィルタ手段の通過帯
域は、フィルタ制御手段により衝突発生時とされた時点
からの経過時間に応じて変えられるようになっている。
したがって、加速度センサの出力信号に含まれる雑音
が、特に、衝突判定に影響を及ぼす時間間隔において、
効果的に除去されるようになっており、その一方では、
必要以上の通過帯域の制限を行うことがないようにする
ことによって、加速度センサの出力信号の劣化を招き、
誤判定を生じることのないようにされているものであ
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明に係る車両の衝突検出方法及び
車両用衝突検出装置の一実施例について、図1乃至図6
を参照しつつ説明する。なお、以下に説明する部材、配
置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の
範囲内で種々改変することができるものである。
【0023】まず、本発明に係る車両用衝突検出装置
(以下「本装置」と言う。)は、図1に示されたよう
に、車両の加速度を検出する加速度センサ1と、後述す
るような通過特性を有する通過帯域可変型ローパスフィ
ルタ2と、この通過帯域可変型ローパスフィルタ2へ入
力されるクロック信号を発生するクロック発生器3と、
クロック発生器3への制御信号を出力すると共に、通過
帯域可変型ローパスフィルタ2から出力された信号を基
に後述するような手順により図示されないエアバック装
置への点火判定信号を発生する中央処理装置4と、を有
して構成されるものである。
【0024】加速度センサ1は、車両の適宜な位置に取
り付けられて、車両の加速度に応じた信号を出力するも
ので、本装置では半導体上に形成された歪みゲージを用
いたものや、加速度に応じて変位する重りと固定電極と
の間の静電容量変化を利用したいわゆる容量型のもの等
種々の形式のものを用いることが可能である。
【0025】低域通過型フィルタ手段としての通過帯域
可変型ローパスフィルタ2は、通過可能な周波数範囲の
内、特に、その高域の部分を可変できる(換言すればカ
ットオフ周波数を可変できる)ように構成されたローパ
スフィルタである。本実施例における通過帯域可変型ロ
ーパスフィルタ2は、スイッチトキャパシタを用いて構
成されたものとなっている。すなわち、図2に示された
ように、通過帯域可変型ローパスフィルタ2は、入力端
子5と演算増幅器6の反転入力端子との間に直列接続さ
れた2つの電子スイッチ7,8を有し、この電子スイッ
チ7,8の接続点と演算増幅器6の非反転入力端子との
間にコンデンサ9が接続され、さらに、演算増幅器6の
反転入力端子と出力端子との間にコンデンサ10が接続
された構成となっている。なお、演算増幅器6の反転入
力端子はアースに接続されている。
【0026】コンデンサ9は、電子スイッチ7,8の開
閉周期に応じてその容量が変化するいわゆるスイッチト
キャパシタとなっている。電子スイッチ7,8は、クロ
ック発生器3から出力されたクッロク信号に同期してそ
れぞれ開閉成するようになっているものであるが、その
開閉成のタイミングは、互いに重複しないようになって
いる。すなわち、一方の電子スイッチ7に印加されるク
ロック信号Φ1と、他方の電子スイッチ8に印加される
クロック信号Φ2は、共に同一周波数であるが、その位
相は一致しないように設定されている。
【0027】したがって、一方の電子スイッチ7が閉成
状態にある場合、他方の電子スイッチ8は開成状態にあ
り、これとは逆に、他方の電子スイッチ8が閉成状態に
ある場合、一方の電子スイッチ7が開成状態となるよう
になっている。このような電子スイッチ7,8の動作に
よりコンデンサ9の容量が変化することにより、入力端
子5と演算増幅器6の反転入力端子との間には、等価的
にR=1/(C×fc)で表される抵抗値を有する抵抗
が接続されたと等価であると考えることができ、したが
って、図2に示された回路は、演算増幅器6を中心に、
積分器によるローパスフィルタが構成さていると捉え
ることができるものである。
【0028】かかる構成において、この通過帯域可変型
ローパスフィルタ2の電子スイッチ7,8を動作させる
クロック信号の周波数を変えた場合の通過帯域の変化
は、例えば図3に示されたように、クロック周波数が1
0KHzで、カットオフ周波数が大凡800Hzである場合
(図3において二点鎖線の特性曲線参照)に、クロック
周波数を100KHzとすると、カットオフ周波数が大凡
8KHzとなり(図3において線の特性曲線参照)、高
域側の通過が制限されるようになる。
【0029】クロック発生器3(図1においては「OS
C」と略記)は、上述した通過帯域可変型ローパスフィ
ルタ2の電子スイッチ7,8に必要なクロック信号を発
生するもので、後述するように中央処理装置4から入力
される制御信号に応じて、その出力クロック周波数を変
え得るようになっているものである。本実施例において
は、3通りのクロック周波数の切り換えが可能なように
構成されており、後述するように暫定的に衝突発生時と
された時点からの経過時間に応じてそのクロック周波数
が切り換えられるようになっている。
【0030】なお、このような機能を有するクロック発
生器3としては、例えば、ディジタル論理素子を用いて
発振回路を構成することにより、また、トランジスタ等
の部品によりいわゆるディスクリートに発振回路を構成
することにより実現されるもので、その発振回路の構成
は、既に公知・周知となっているものであるの、ここ
での具体的回路構成の説明は省略することとする。
【0031】本実施例における中央処理装置4(図1に
おいては「CPU」と略記)は、ROM、RAM等を内
蔵してなるいわゆるワンチップ・マイコンであるCPU
を用いて構成されている。前述した通過帯域可変型ロー
パスフィルタ2を通過した加速度センサ1の出力信号
は、この中央処理装置4に内蔵されたA/D変換器(図
示せず)に入力されて(図1においてはその入力端子を
「A/D」と表記)ディジタル信号に変換され、後述する
ようにこのディジタル信号に対して積分処理等がなされ
るようになっている。
【0032】また、この中央処理装置4の3つのI/O
ポートA,B,Cは前述したクロック発生器3へ接続さ
れており、後述するように一定の条件の下、クロック発
生器3へ対して、その発振周波数を変更するための制御
信号が出力されるようになっている。
【0033】図5には、中央処理装置4において実行さ
れる衝突検出のための制御プログラムによる制御手順が
示されており、以下、同図を参照しつつ、本装置におけ
る衝突検出方法について説明する。まず、制御が開始さ
れると、加速度センサ1の出力信号が中央処理装置4内
へ読み込まれるデータ読込処理が行われる(図5のステ
ップ100参照)。このデータ読込処理において、加速
度センサ1の出力信号は、中央処理装置4の内部に設け
られたA/D変換器(図示せず)によりディジタル信号
に変換され、中央処理装置4内部のRAM(Random Acc
ess Memory)に記憶される。
【0034】なお、本装置の始動直後における、上述の
データ読込処理においては、通過帯域可変型ローパスフ
ィルタ2の帯域幅は、最も広い状態に設定されている。
【0035】続いて、上述のようにして読み込まれた加
速度信号が所定値を越えたものであるか否かが判断され
る(図5のステップ102参照)。すなわち、入力され
た加速度の大きさをGとすると、それが所定値G1以上
であれば(Yesの場合)、後述するステップ104の
処理が行われる一方、G1より小さい場合(Noの場
合)には、まず、衝突が終了したか否かが判定され(図
5のステップ124参照)、衝突していないか又は衝突
が生じていても未だ終了していない状態であると判断さ
れる場合(Noの場合)には後述するステップ104の
処理へ移ることとなる。
【0036】一方、衝突が終了したと判定された場合
(Yesの場合)には、衝突検出フラグ及び速度積分値
ΔVがリセットされて(図5のステップ126,128
参照)一連の処理が終了することとなる。この衝突が終
了したか否かの判定は、衝突開始時からの経過時間(例
えば、一般的には150乃至200ms程度の時間であ
り、車体に依存するものである。)と、その際の速度積
分値ΔVの値(例えば、20KPH又は5.6ms=20K
PH/(60×60)程度の値)と、直近(例えば5ms)にサ
ンプリングされたGの値が通常走行の際のG(例えば、
2G=19.6m/s2)未満か否かと、を総合的に判
断することにより行われる。例えば、上述の3つの条件
の論理積が得られた場合、すなわち、衝突開始時から所
定時間が経過し、ΔVの値が所定値より小さく、かつ、
直近のサンプリングGが所定値以下の3つの条件が成立
した場合に、衝突終了と判定するようにする。
【0037】ここで、衝突検出フラグは、後述するよう
な手順により衝突が発生したと判断された際に「1」と
されるいわゆる識別フラグである。また、速度積分値Δ
Vは、加速度センサ1により得られた加速度を時間積分
して得られた速度変化量であり、具体的な算出方法につ
いては後述する。
【0038】一方、加速度Gが所定値G1以上であると
判定された場合には、衝突検出フラグ(このフラグを
「CRASH.F」と表記することとする。)が立って
いるか否か、すなわち、CRASH.F=1となってい
るか否かが判定され(図5のステップ104参照)、C
RASH.F=0である場合(Noの場合)には、加速
度が所定値を越えた(図5のステップ102参照)こと
から、新たに衝突が生じた可能性があるので、衝突検出
フラグが「1」に設定されると共に、衝突タイマがリセ
ットすなわち零とされ(図5のステップ130,132
参照)、時間計測が開始されることとなる。
【0039】ここで、衝突タイマは、上述のようにリセ
ットされた時点を、暫定的に衝突発生時として、この衝
突発生時からの経過時間を表すもので、公知・周知の時
間を計測するためのプログラムをサブルーチンとして使
用することにより、経過時間が表されるようになってい
るものである。
【0040】一方、ステップ104の判定において、衝
突検出フラグが既に立っている、すなわちCRASH.
F=1であると判定された場合(Yesの場合)には、
衝突タイマの値が判定される(図5のステップ106参
照)。すなわち、暫定的に設定された衝突発生時からの
経過時間を判定し、その経過時間によって、3通りの処
理に振り分けられることとなる。具体的には、衝突タイ
マの値tcrが、零以上で、かつ、第1の所定時間T1以
下(0≦tcr≦T1)である場合には、ステップ108
へ進み、中央処理装置4のI/Oポートの内、ポートA
がONすなわち論理値「1」の制御信号が出力される
(図5のステップ108参照)。
【0041】また、衝突タイマの値tcrが、第1の所定
時間T1より大で、かつ、第2の所定時間T2より小であ
る(T1<tcr<T2)場合には、ステップ110へ進
み、中央処理装置4のI/Oポートの内、ポートBがO
Nすなわち論理値「1」の制御信号が出力される(図5
のステップ110参照)。
【0042】さらに、衝突タイマの値tcrが、第2の所
定時間T2以上である(T2≦tcr)場合には、ステップ
112へ進み、中央処理装置4のI/Oポートの内、ポ
ートCがONすなわち論理値「1」の制御信号が出力さ
れる(図5のステップ112参照)。
【0043】このように、中央処理装置4のI/Oポー
トであるA乃至Cポートのいずれかから、衝突発生時か
らの時間経過に応じて、制御信号が出力されることによ
って、クロック発生器3においては、その出力するクロ
ック信号の発振周波数fcが、衝突発生時からの時間経
過に応じて、図4に示されたように切り換えらることと
なる。
【0044】すなわち、本実施例において、クロック信
号の発振周波数fcは、暫定的な衝突発生時から時間T
1まではfc=f1に、時間T1以降T2まではfc=f3
に、時間T2以降はfc=f2に、それぞれ設定され、各
発振周波数の関係は、f1>f2>f3となっている。
【0045】したがって、クロック信号の発振周波数f
cがf1の場合の通過帯域可変型ローパスフィルタ2の
通過帯域を第1の通過帯域と、fcがf2の場合の通過
帯域可変型ローパスフィルタ2の通過帯域を第2の通過
帯域と、fcがf3の場合の通過帯域可変型ローパスフ
ィルタ2の通過帯域を第3の通過帯域と、それぞれ定義
すると、これら通過帯域の関係は、第1の通過帯域>第
2の通過帯域>第3の通過帯域となり、衝突発生時と設
定された時点からの経過時間が、時間T1以降T2までの
間において、通過帯域可変型ローパスフィルタ2の通過
帯域が最も挟域に設定されるようになっている。
【0046】ここで、通過帯域可変型ローパスフィルタ
2の通過帯域を、図4に示されたように、暫定的な衝突
発生時からの経過時間に応じて変化させることの意義に
ついて説明する。まず、車両がいわゆるバリアへ正面か
ら衝突した場合、いわゆる衝撃Gの発生は、一度に発
生、消滅するものではなく、バンパーでの衝撃Gの発
生、続いていわゆるクラッシャブルゾーンでの衝撃Gの
発生、そして、最後にエンジンブロックでの衝撃Gの発
生というように、典型的な衝撃Gの発生は、衝突時から
時間の経過と共に、3段階に分かれることは一般的に良
く知られているところである。
【0047】一方、衝突の形態によっても、いわゆる衝
突Gの発生時間は異なるものである。例えば、いわゆる
縁石衝突の場合には、衝突発生時から時間T1までの間
の大凡中間時点ににおいて、比較的大きな衝撃Gが発生
する他、時間T1乃至時間T2の間の比較的後半時点で、
再度比較的大きな衝撃Gが発生することが知られてい
る。また、いわゆるセンターポール衝突においては、時
間T1乃至時間T2の間において、衝撃Gが発生する。さ
らに、低速衝突においては、衝突直後から比較的小さな
衝撃Gが連続的に発生してゆき、時間T2乃至時間T3の
間の比較的後半時点で、比較的大きな衝撃Gが発生する
ことが知られている。
【0048】本実施例では、特に、上述のような衝突形
態における衝突検出を確実とする観点から通過帯域可変
型ローパスフィルタ2の通過帯域を、衝突時からの経過
時間に応じて可変するようにしている。すなわち、衝突
時から時間T1までの間において、判断を必要とする衝
突は、いわゆる高速衝突であり、早めの点火判定信号を
得るようにするため、通過帯域を広げて、ΔVの値の変
化を比較的早くすすめるようにしている。
【0049】また、時間T1乃至時間T2の間は、いわゆ
る偏角衝突、ンターポール衝突等のソフトクラッシュ
の点火判断時期であり、時間T1以降はエアバックへの
点火と非点火とのいわゆる切り分けの限界ゾーンである
ことに鑑みて、不必要なトリガーの発生を避けるため、
通過帯域を狭くしてフィルタリングを強くするようにし
ている。さらに、時間T2以降は、ΔVを求める積分処
理との関係から、ややフィルタリングを弱めるため、通
過帯域をやや広く設定するようにしている。
【0050】とこでで、クロック発生器3の発振周波数
が上述のようにして設定された後、この時点における加
速度センサ1により検出された加速度が、通過帯域可変
型ローパスフィルタ2を介して中央処理装置4へ読み込
みこまれることとなる(図5のステップ114参照)。
なお、この加速度の読み込みにおいては、先に説明した
ステップ100におけると同様に、アナログ加速度信号
は、中央処理装置4内でディジタル信号に変換されて読
み込まれる。
【0051】そして、上述のようにして読み込まれた加
速度をGfとすると、Gfについて、零から前述した衝突
タイマの値tcrで表される時間まで時間積分(図5のス
テップ116の横に併記した積分式参照)され、この時
間tcrの間における速度変化の大きさすなわち速度積分
値ΔVが算出される(図5のステップ116参照)。次
に、算出された速度積分値ΔVが、所定値以上であるか
否かが判断される(図5のステップ118参照)。すな
わち、速度積分値ΔVが所定値ΔV1を越えたと判定さ
れた場合(Yesの場合)には、衝突であるとして中央
処理装置4から点火判定信号が出力され、図示されない
エアバック装置においては、この点火判定信号の入力に
よりエアバックへの点火が行われることとなる(図5の
ステップ122参照)。
【0052】一方、速度積分値ΔVが所定値ΔV1を越
えないと判定された場合(Noの場合)には、衝突では
ないとして、衝突タイマをリセットして一連の処理が終
了することとなる。
【0053】このように、本実施例においては、衝突に
より生じる本来の加速度信号と共に加速度センサの出力
信号に含まれる余分な信号、すなわち特に、ハンドルの
殴打や、いわゆる床下干渉に起因して生ずるいわば擬似
的な加速度信号を、本来の加速度信号を失うことなく、
衝突時からの経過時間に応じて、通過帯域可変型ローパ
スフィルタ2の帯域を変化させることで除去し、その除
去した後の加速度センサの出力信号を従来の手法に基づ
く衝突判定処理に供するようにしたものである。
【0054】このため、上述したハンドルの殴打等によ
り生ずるいわば疑似的な加速度信号による衝突判定の誤
りをなくし、確実、かつ、適切な衝突判定に基づくエア
バック装置の動作が確保されることとなるものである。
【0055】上述の実施例においては、クロック発生器
3を用い、さらに、中央処理装置4によりこのクッロク
発生器3の発振周波数を制御して、異なる周波数のクロ
ック信号を得るようにしたが、必ずしもこのようなクロ
ック発生器を備える必要はなく、例えば、中央処理装置
4においてソフトウェアにより異なる周波数のクロック
信号を発生させるようにしてもよい。
【0056】また、上述の実施例においては、通過帯域
可変型ローパスフィルタ2の帯域を、衝突時からの経過
時間に応じて切り換える変えるようにしたが、この他
に、例えば、速度積分値ΔVの値、乗員変位(速度積分
値ΔVを時間積分して得られたもの)、加速度の変化率
(検出された加速度を時間で微分して得られたもの)等
をパラメータとして切り換えるようにしてもよい。
【0057】なお、上述した実施例においては、クロッ
ク信号発生手段は、クロック発生器3により実現されて
おり、また、クロック周期変更手段は、中央処理装置4
により図5に示されたステップ100,102,10
4,130,132,106,108,110,112
が実行されることにより実現されるようになっている。
さらに、衝突判定手段は、中央処理装置4により図5に
示されたステップ114,116,118が実行される
ことにより実現されるようになっている。
【0058】次に、図6を参照しつつ、通過帯域可変型
ローパスフィルタの他の実施例について説明する。この
実施例における通過帯域可変型ローパスフィルタ2A
は、演算増幅器10を中心に構成された積分回路におい
て、積分用のコンデンサを電子スイッチにより切り換え
るようにしてなるものである。
【0059】すなわち、演算増幅器10の反転入力端子
には、入力用の抵抗(抵抗値R1)11の一端が接続さ
れると共に、この反転入力端子と出力端子との間には、
抵抗(抵抗値R2)12とコンデンサ(容量C1)13
が、それぞれ接続されている。さらに、演算増幅器10
の反転入力端子と出力端子との間には、コンデンサ(容
量C2)14が電子スイッチ15を介して接続されてい
る。
【0060】この電子スイッチ15は、例えば具体的に
は、CMOS等の半導体を用いてIC化されたアナログ
スイッチが好適である。この実施例における電子スイッ
チ15は、中央処理装置4から入力されるコントロール
信号に応じて開閉接点15aが開閉成されるようになっ
ているもので、電子スイッチ15が閉成された状態にお
いては、コンデンサ13,14が並列接続された状態と
なり、その合成容量はC1+C2となる。したがって、積
分回路のいわゆる積分定数が変えられる結果、通過帯域
が変えられるようになっている。
【0061】例えば、電子スイッチ15の開閉接点15
aが開成状態である場合、この通過帯域可変型ローパス
フィルタ2Aのカットオフ周波数fc1は、fc1=1/
(2π×C1×R1)となり、また、ロールオフ周波数f
o1は、fo1=1/(2π×C1×R2)となる。
【0062】一方、電子スイッチ15の開閉接点15a
が閉成状態である場合には、カットオフ周波数fc2
は、fc2=1/(2π×(C1+C2)×R1)となり、
また、ロールオフ周波数fo2は、fo2=1/(2π×
(C1+C2)×R2)なって、開閉接点15aの開成時
に比してより低域へ移動する(通過帯域が狭まる)こと
となる。
【0063】なお、この実施例は、通過帯域を2通りに
切り換える場合の例であるが、3通りに切り換える場合
には、例えば、図6において、第3のコンデンサを電子
スイッチを介して演算増幅器10の反転入力端子と出力
端子との間に接続し、3つのコンデンサによる合成容量
が生じるようにすればよい。
【0064】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明によれば、
加速度センサの出力信号に含まれる雑音を、衝突発生時
からの経過時間に応じて適切に除去し、雑音除去後の信
号から速度変化量を算出して、衝突の判定を行えるよう
に構成することにより、加速度センサの出力信号に施す
フィルタリングによる信号の劣化を極力抑圧しつつ効果
的な雑音除去がなされることとなるので、適切、かつ、
確実な衝突判定が確保され、信頼性の高い衝突判定を得
ることができる。特に、共振性の振動除去が可能なの
で、加速度センサを基板やブラケットに取り付けた際、
車両の振動に伴い生ずるブラケット共振や基板の共振が
加速度センサの出力信号に及ぼす影響、さらには、ハン
ドル内に加速度センサを設置した際に、車両の振動に伴
い生ずるハンドルの共振による加速度センサの出力信号
への影響を確実に軽減することが可能となる。
【0065】また、請求項5記載の発明においては、こ
の発明に係る装置を搭載する車両毎に、加速度センサの
出力信号に含まれる除去されるべき雑音の特性が異なる
ような場合であっても、フィルタ制御手段による低域通
過型フィルタ手段の制御を変えることにより、車両毎に
より適切な通過帯域の設定が容易であるので、いわゆる
車両マッチングと称される車両毎の整合性が向上する。
【0066】さらに、低域通過型フィルタ手段の通過帯
域を、特に必要な時間だけ挟域とすることができるの
で、より実際の衝突に近い情報で衝突の判定ができるこ
ととなり、信頼性の向上を図ることができる。またさら
に、低域通過型フィルタ手段の通過帯域が雑音除去のた
めに常時挟域とされるのではなく、特に必要な時間だけ
挟域とされるので、低域通過型フィルタ手段を通過した
信号をディジタル信号処理する場合には、いわゆる折返
し雑音の発生を極力回避することが可能となり、そのた
め、より信頼性の高い信号処理を行うことができる。
【0067】また、請求項3及び6記載の発明において
は、スイッチトキャパイシタによるフィルタによって、
多段フィルタが簡易な構成で実現できるので、通過特性
がシャープなものを容易に得ることができ、より効果的
な雑音の除去が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項5記載の発明に係る車両用衝突検出装置
の一実施例における構成図である。
【図2】通過帯域可変型ローパスフィルタの具体的構成
例を示す回路図である。
【図3】図2に示された通過帯域可変型ローパスフィル
タへ入力されるクロック信号をパラメータとした場合の
通過周波数と利得との関係を示す特性曲線図である。
【図4】衝突時からの経過時間に対するクロック周波数
の切り換え状態を示す説明図である。
【図5】図1に示された車両用衝突検出装置の中央処理
装置において実行される制御プログラムの制御手順を示
すと共に、請求項1記載の発明に係る車両の衝突検出方
法を説明するためのフローチャートである。
【図6】通過帯域可変型ローパスフィルタの他の実施例
を示す回路図である。
【符号の説明】
1…加速度センサ 4…中央処理
装置 2…通過帯域可変型ローパスフィルタ 7,8…電子
スイッチ 3…クロック発生器

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加速度センサにより所定値以上の加速度
    が検出された場合に、この検出時を暫定的に衝突発生時
    とし、この時点からの経過時間に応じてローパスフィル
    タの通過帯域を変化させつつ、このローパスフィルタに
    より加速度センサの出力信号をフィルタリングし、その
    出力信号を基に所定時間内における速度変化量を算出
    し、算出値が所定以上である場合に衝突発生と判定する
    ことを特徴とする車両の衝突検出方法。
  2. 【請求項2】 衝突発生時と設定された時点から第1の
    所定時間までは、ローパスフィルタの通過帯域を第1の
    通過帯域とし、 第1の所定時間から第2の所定時間までは、ローパスフ
    ィルタの通過帯域を第3の通過帯域とし、 第2の所定時間以降は、ローパスフィルタの通過帯域を
    第2の通過帯域とすると共に、 前記第1乃至第3の通過帯域は、第1の通過帯域、第2
    の通過帯域、第3の通過帯域の順に、その通過帯域が小
    さいことを特徴とする請求項1記載の車両の衝突検出方
    法。
  3. 【請求項3】 ローパスフィルタを構成するコンデンサ
    は、スイッチトキャパシタを用いてなり、その容量を変
    化させることで、前記ローパスフィルタの通過帯域を変
    え得るようにしてなることを特徴とする請求項1又は2
    記載の車両の衝突検出方法。
  4. 【請求項4】 ローパスフィルタは、演算増幅器を用い
    た積分回路より構成されると共に、積分回路に用いられ
    るコンデンサを電子スイッチにより切り換えられること
    で、前記ローパスフィルタの通過帯域を可変可能として
    なることを特徴とする請求項1、2又は3記載の車両の
    衝突検出方法。
  5. 【請求項5】 車両に作用する加速度を検出する加速度
    センサと、 通過帯域が外部入力される制御信号により可変可能に構
    成され、前記加速度センサの出力信号が入力される低域
    通過型フィルタ手段と、 前記加速度センサにより所定値以上の加速度が検出され
    た場合に、この検出時点からの経過時間に応じて前記低
    域通過型フィルタ手段の通過帯域を変化させるべく制御
    信号を出力するフィルタ制御手段と、 前記低域通過型フィルタ手段の出力信号を基に所定値以
    上の速度変化が検出された際に衝突と判定する衝突判定
    手段と、 を具備してなることを特徴とする車両用衝突検出装置。
  6. 【請求項6】 低域通過型フィルタ手段は、コンデンサ
    がスイッチトキャパシタを用いてなり、その容量を変化
    させることで、通過帯域を変え得るよう構成されてなる
    ローパスフィルタであることを特徴とする請求項5記載
    の車両用衝突検出装置。
  7. 【請求項7】 フィルタ制御手段は、スイッチトキャパ
    シタに必要なクロック信号を発生するクロック信号発生
    手段と、 加速度センサにより所定値以上の加速度が検出された場
    合に、この検出時を暫定的に衝突発生時とし、この時点
    からの経過時間に応じて、前記クロック信号発生手段か
    ら発生されるクロック信号の発振周期を変えるべく制御
    信号を出力するクロック周期変更手段と、 を具備してなることを特徴とする請求項6記載の車両用
    衝突検出装置。
  8. 【請求項8】 クロック周期変更手段は、加速度センサ
    により所定値以上の加速度が検出された場合に、この検
    出時を暫定的に衝突発生時とし、この時点から第1の所
    定時間までは、低域通過型フィルタ手段の通過帯域を第
    1の通過帯域に、 第1の所定時間から第2の所定時間までは、低域通過型
    フィルタ手段の通過帯域を第3の通過帯域に、 第2の所定時間以降は、低域通過型フィルタ手段の通過
    帯域を第の通過帯域に、それぞれ設定すべく前記低域
    通過型フィルタ手段に対して所定の制御信号を出力し、 前記低域通過型フィルタ手段は、第1の通過帯域、第2
    の通過帯域、第3の通過帯域の順に、その通過帯域が小
    さくなるように構成されてなることを特徴とする請求項
    7記載の車両用衝突検出装置。
  9. 【請求項9】 低域通過型フィルタ手段は、演算増幅器
    を用いた積分回路より構成されると共に、積分回路に用
    いられるコンデンサが電子スイッチにより切り換られる
    ことで、通過帯域を可変可能としてなるローパスフィル
    タであることを特徴とする請求項5記載の車両用衝突検
    出装置。
  10. 【請求項10】 フィルタ制御手段は、加速度センサに
    より検出された加速度が所定値以上となったとき、その
    時点を暫定的に衝突発生時とし、この時点からの経過時
    間に応じて、低域通過型フィルタの電子スイッチの開閉
    成を制御する制御信号を発生することを特徴とする請求
    項9記載の車両用衝突検出装置。
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