JP3434599B2 - 焼き物用調理用具 - Google Patents
焼き物用調理用具Info
- Publication number
- JP3434599B2 JP3434599B2 JP32899194A JP32899194A JP3434599B2 JP 3434599 B2 JP3434599 B2 JP 3434599B2 JP 32899194 A JP32899194 A JP 32899194A JP 32899194 A JP32899194 A JP 32899194A JP 3434599 B2 JP3434599 B2 JP 3434599B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stainless steel
- pottery
- cooking utensil
- polishing
- metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Baking, Grill, Roasting (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼き物用調理用具に係
る。
る。
【0002】
【従来の技術】現在、調理用に用いられている焼き物用
調理用具は、そのほとんどが鉄製あるいはステンレス製
でできている。そのため非常に重いうえ熱伝導性も悪
く、一旦油や焼け焦げがつくとそれを取り除くために大
変な労力を要する。そこでフッ素コーティングを施した
ものもあるが、これらは傷つき易いため別の金属製調理
用具で取り扱うことができないという問題がある。
調理用具は、そのほとんどが鉄製あるいはステンレス製
でできている。そのため非常に重いうえ熱伝導性も悪
く、一旦油や焼け焦げがつくとそれを取り除くために大
変な労力を要する。そこでフッ素コーティングを施した
ものもあるが、これらは傷つき易いため別の金属製調理
用具で取り扱うことができないという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、油や焼け焦
げが容易に取り除けて、軽量で熱伝導性に優れた焼き物
用調理用具を提供することを目的とする。
げが容易に取り除けて、軽量で熱伝導性に優れた焼き物
用調理用具を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の手段は、あらかじめ電解研磨、電解複合研
磨、流動砥粒研磨等により表面平滑化を施した金属表面
に酸化クロム不動態膜を有することを特徴とする焼き物
用調理用具である。
の本発明の手段は、あらかじめ電解研磨、電解複合研
磨、流動砥粒研磨等により表面平滑化を施した金属表面
に酸化クロム不動態膜を有することを特徴とする焼き物
用調理用具である。
【0005】
(実施例1)本例では、電解研磨により表面平滑化を施
したフェライト系ステンレス鋼からなる板材を用意し
た。次いで、10%H2−5ppmO2/Ar雰囲気中で
550℃×6時間熱処理を行うことにより不動態膜の形
成を行った。
したフェライト系ステンレス鋼からなる板材を用意し
た。次いで、10%H2−5ppmO2/Ar雰囲気中で
550℃×6時間熱処理を行うことにより不動態膜の形
成を行った。
【0006】(従来例1)本例では、実施例1と同じ電
解研磨により表面平滑化を施したフェライト系ステンレ
ス鋼からなる板材を用意した。以上2つの板材について
ESCAを用いて表面分析を行った。その結果を図1
(実施例l)および図2(従来例1)に示す。
解研磨により表面平滑化を施したフェライト系ステンレ
ス鋼からなる板材を用意した。以上2つの板材について
ESCAを用いて表面分析を行った。その結果を図1
(実施例l)および図2(従来例1)に示す。
【0007】実施例1の表面は約200Aの膜厚でCr
とOのみからなるCr2O3不動態膜が形成されている
(エッチング時間3.5分近傍)。
とOのみからなるCr2O3不動態膜が形成されている
(エッチング時間3.5分近傍)。
【0008】一方、従来例1の表面はCr,Fe,N
i,Oからなる混合酸化化膜であった。
i,Oからなる混合酸化化膜であった。
【0009】次に、実施例1および従来例1の板材を市
販のサラダオイルに浸漬した後、布で拭き取った表面に
水滴を落とし接触角を測定したところ、実施例1の場合
48度であったのに対し従来例1の場合72度であっ
た。すなわち、酸化クロム不動態膜の場合は、鉄酸化物
を含む不動態膜に比べて接触角ははるかに小さかった。
販のサラダオイルに浸漬した後、布で拭き取った表面に
水滴を落とし接触角を測定したところ、実施例1の場合
48度であったのに対し従来例1の場合72度であっ
た。すなわち、酸化クロム不動態膜の場合は、鉄酸化物
を含む不動態膜に比べて接触角ははるかに小さかった。
【0010】(実施例2)本例では、電解複合研磨によ
りRmaxが0.6μmのオーステナイト系ステンレス鋼
に実施例1と同じ熱処理を行った板材を用意した。
りRmaxが0.6μmのオーステナイト系ステンレス鋼
に実施例1と同じ熱処理を行った板材を用意した。
【0011】(比較例1)本例では、特に表面平滑化処
埋を施してないRmaxが48μmのオーステナイト系ス
テンレス鋼に実施例1と同じ熱処理を行った板材を用意
した。
埋を施してないRmaxが48μmのオーステナイト系ス
テンレス鋼に実施例1と同じ熱処理を行った板材を用意
した。
【0012】次に、実施例1と同様の接触角測定を行っ
たところ実施例2の場合49度であったのに対し比較例
1では57度であった。(油や焼け焦げの除去容易性)
上記実施例、従来例及び比較例の試料につき、油をたら
テッシュペーパーで除去を行ったところ、実施例の場合
は従来例、比較例の場合に比べて容易に除去可能であっ
た。
たところ実施例2の場合49度であったのに対し比較例
1では57度であった。(油や焼け焦げの除去容易性)
上記実施例、従来例及び比較例の試料につき、油をたら
テッシュペーパーで除去を行ったところ、実施例の場合
は従来例、比較例の場合に比べて容易に除去可能であっ
た。
【0013】(溶出性試験)上記実施例1の試料につ
き、80℃の超純水中に5日間漬浸した後、超純水につ
いて成分分析を行った結果を図3に示す。図3からわか
るように、試料からの金属溶出はほとんどなかった。な
お、図3には、#600によりバフ研磨を行ったものに
ついて同様の溶出性試験を行った結果を合わせて示して
あるが、それと比較しても実施例1では金属溶出量が極
めて少ないことがわかる。
き、80℃の超純水中に5日間漬浸した後、超純水につ
いて成分分析を行った結果を図3に示す。図3からわか
るように、試料からの金属溶出はほとんどなかった。な
お、図3には、#600によりバフ研磨を行ったものに
ついて同様の溶出性試験を行った結果を合わせて示して
あるが、それと比較しても実施例1では金属溶出量が極
めて少ないことがわかる。
【0014】なお、以上の実施例はフェライト系ステン
レスを例にとり説明したが、オステナイト系ステンレス
でも良好な結果が得られた。
レスを例にとり説明したが、オステナイト系ステンレス
でも良好な結果が得られた。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、油や焼け焦げが容易に
取り除けて、軽量で熱伝導性に優れた焼き物用調理用具
を提供することができる。
取り除けて、軽量で熱伝導性に優れた焼き物用調理用具
を提供することができる。
【図1】実施例1の焼き物用調理用具の表面の不動態膜
のESCA分析した結果を示すグラフである。
のESCA分析した結果を示すグラフである。
【図2】従来例1の焼き物用調理用具の表面の不動態膜
のESCA分析した結果を示すグラフである。
のESCA分析した結果を示すグラフである。
【図3】金属溶出性試験の結果を示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平6−41629(JP,A)
特開 平6−141977(JP,A)
特開 昭58−157418(JP,A)
特開 昭62−286418(JP,A)
実開 平2−133892(JP,U)
特公 平5−62533(JP,B2)
実公 昭61−17706(JP,Y1)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
A47J 37/06
Claims (5)
- 【請求項1】 あらかじめ電解研磨、電解複合研磨、流
動砥粒研磨、機械研磨等により表面平滑化を施した金属
基面に酸化クロム不動態膜を設けたことを特徴とする焼
き物用調理用具。 - 【請求項2】 前記金属はステンレス鋼であることを特
徴とする請求項1に記載の焼き物用調理用具。 - 【請求項3】 前記ステンレス鋼はフェライト系ステン
レス鋼であることを特徴とする請求項2記載の焼き物用
調理用具。 - 【請求項4】 前記ステンレス鋼はオーステナイト系ス
テンレス鋼であることを特徴とする請求項2記載の焼き
物用調理用具。 - 【請求項5】 前記金属の裏面には、AlまたはCuの
張り合わせたことを特徴とする請求項1ないし4のいず
れか1項に記載の焼き物用調理用具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32899194A JP3434599B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 焼き物用調理用具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32899194A JP3434599B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 焼き物用調理用具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08182622A JPH08182622A (ja) | 1996-07-16 |
JP3434599B2 true JP3434599B2 (ja) | 2003-08-11 |
Family
ID=18216393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32899194A Expired - Fee Related JP3434599B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 焼き物用調理用具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3434599B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4125406B2 (ja) | 1997-08-08 | 2008-07-30 | 忠弘 大見 | フッ化不働態処理が施された溶接部材の溶接方法および再フッ化不働態処理方法ならびに溶接部品 |
FR2780263B1 (fr) * | 1998-06-25 | 2000-08-25 | Thermocompact Sa | Element chauffant pour applications alimentaires, et procede pour sa fabrication |
-
1994
- 1994-12-28 JP JP32899194A patent/JP3434599B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08182622A (ja) | 1996-07-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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