JP3434589B2 - 電力波受信装置 - Google Patents

電力波受信装置

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JP3434589B2
JP3434589B2 JP25315294A JP25315294A JP3434589B2 JP 3434589 B2 JP3434589 B2 JP 3434589B2 JP 25315294 A JP25315294 A JP 25315294A JP 25315294 A JP25315294 A JP 25315294A JP 3434589 B2 JP3434589 B2 JP 3434589B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力波受信装置に関
し、特に、8の字状に巻かれた電力波送信コイルからの
電力波を受信する際に、電力波送信コイルと電力波受信
コイルとの相対位置が左右に変動した時に、送信された
電力波を受信できる変動許容距離を大きく取れるように
した電力波受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、鉄道交通においては、列車を安
全に運行するために自動列車停止装置(以下、ATS装
置とする)が設備されている。このATS装置では、車
上側に地上側から列車運行に必要な情報を供給するため
の地上子が、列車軌道に沿って所定地点に備えられてい
る。前記地上子は、地上の電源供給設備から電源供給を
受ける有電源のものが一般的であるが、地点情報等、固
定情報を送信する場合には、車上側に設備された電力波
送信コイルから電力波を供給し、その電力波を地上子に
内蔵した電力波受信装置で受信してエネルギ変換し、地
上子内の回路駆動用の電力を得るようにした無電源地上
子が用いられる。
【0003】無電源地上子に内蔵される従来の電力波受
信装置は、図5に示すように、車上側に搭載される電力
波送信コイル10からの電力波を受信する電力波受信コイ
ル11と、電力波受信コイル11の出力を整流する整流回路
12とからなり、整流回路12の直流出力を地上子内の回路
駆動用電力としている。そして、前記電力波受信コイル
11を、8の字状に巻回された電力波送信コイル10と同様
に、8の字状に巻回したものを1個設け、電力波送信コ
イル10の閉塞部10a,10bと電力波受信コイル11の閉塞
部11a,11bを対峙して配置している。尚、20は、電力
波送信コイル10に交流電流を供給する車上側に搭載され
た交流電流供給回路である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の電力波
受信装置では、電力波受信コイル11が、電力波送信コイ
ル10と同様の8の字状コイルのため、電力波を受信でき
る左右の応動範囲は受信コイルの大きさ、形状によって
決まってしまう欠点があった。図6及び図7に基づきこ
の間の事情を説明する。
【0005】まず、図6において、電力波送信コイル10
は8の字状に巻くことにより、8の字に出来た2つの閉
塞部10a,10bには同図の右側に矢印で示すような方向
の交流電流が流れ、アンペアの右ネジの法則により各閉
塞部10a,10b内には、同図左側に示すように互いに反
対向きの磁束が生ずる。図中、点線aは電力波送信コイ
ル10の中心線を示す。
【0006】一方、地上子側に設けられる電力波受信コ
イル11は、列車側の前記電力波送信コイル10から電力を
受けるため、同じように8の字状に巻かれて構成され
る。従って、例えば図7の(A)のように電力波受信コ
イル11の中心が電力波送信コイル10の中心線aと一致し
ているような場合には、電力波送信コイル10の2つの閉
塞部10a,10bで生じた各々の磁束は確実に電力波受信
コイル11の各々の閉塞部11a,11bを鎖交する。従っ
て、レンツの法則により電力波受信コイル11に起電力
が生じ図中の右図で示すような方向の電流が流れる。
【0007】しかし、電力波送信コイル10は列車の振動
やカーブ等により進行方向に向かって左右に揺れるよう
な変動を生ずる。この変動距離は走行区間によっては大
きい場合も考えられる。この変動に応じた電力波送信コ
イル10と電力波受信コイル11の関係は次のようになる。
【0008】まず、図7の(B)は列車の変動により電
力波送信コイル10の中心線aが電力波受信コイル11の一
方の閉塞部11bの中心まで移動した場合を示す。このと
き、前記閉塞部11b内を鎖交する磁束は互いに反対方向
であり相殺されるため、出力としては、図中の右図に示
すように閉塞部11a側のみの鎖交磁束で発生する起電力
分の電流しか流れず図7(A)の場合に比べ半分に減っ
てしまう。
【0009】また、図7(C)は、電力波送信コイル10
の中心線aが、電力波受信コイル11の閉塞部11bの左端
まで移動した場合を示す。この場合には、電力波受信コ
イル11の2つの閉塞部11a,11bには同じ方向の磁束が
鎖交することになるため、8の字で構成される2つの閉
塞部11a,11bに生ずる起電力は各々相殺し合い、電力
波受信コイル11には電流が流れず出力は零になってしま
う。この状況は、電力波送信コイル10の中心線aが電力
波受信コイル11の2つの閉塞部11a,11bより更に離れ
て移動した場合でも同様である。
【0010】即ち、従来の電力波受信コイル形状では、
電力波の受信可能な応動範囲は、一方の閉塞部の大きさ
で決まってしまい。受信コイルとしてはその略2倍の大
きさが必要となる。従って、列車のどのような横揺れに
対しても電力波を確実に受信できるようにするには、電
力波受信コイルの小型化には限界があり、その結果、無
電源地上子の左右の幅を狭くするとにも限界があっ
た。
【0011】ところで、この無電源地上子は線路間の枕
木上に設置されるものであり、線路の保守等の際に、地
上子の横幅が大きいと保守作業がやり難いため、近年、
無電源地上子の小型化の要求がある。本発明はこのよう
な従来の課題に鑑みてなされたもので、8の字状の電力
波送信コイルからの電力波を受信する電力波受信コイル
の小型化を図り、コンパクトな電力波受信装置を提供
し、鉄道設備の例で言えば無電源地上子の小型化を図る
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の発明では、列車の進行方向と直角な方向に8の字状に
巻かれた電力波送信コイルから送信される電力波を受信
する電力波受信装置において、前記電力波送信コイルの
列車進行方向と直角な方向の2つの閉塞部とそれぞれ対
させて列車進行方向と直角な方向に配置した0の字状
に巻かれた2つの電力波受信コイルと、該各電力波受信
コイルの出力をそれぞれ整流する2つの整流手段と、該
各整流手段の出力を加算する加算手段を備えて構成し
た。
【0013】また、請求項2記載の発明では、前記2つ
の0の字状に巻かれた電力波受信コイルに代えて、8の
字状に巻かれた電力波受信コイルと、0の字状に巻かれ
た電力波受信コイルとを、上下に配置して設け、前記電
力波送信コイルに対峙させる構成とした。また、請求項
3記載の発明では、請求項1又は2記載の電力波受信装
置を、列車上に設置された前記電力波送信コイルから送
信される電力波を受信するために地上子に内蔵する構成
とした。
【0014】
【作用】請求項1の構成によれば、電力波送信コイルと
電力波受信コイルの相対位置関係が、8の字状に巻かれ
た電力波送信コイルの中心が、対峙した0の字状に巻か
れた一方の電力波受信コイルの中心と一致するときは、
一方の電力波受信コイル内の磁束が相殺するため当該電
力波受信コイルには起電力は生じない。しかし、この場
合でも、他方の0の字状に巻かれた電力波受信コイルに
は電力波送信コイルからの磁束が鎖交するため起電力を
生ずる。また、0の字状に巻かれた2つの電力波受信コ
イルが、対峙する電力波送信コイルの一方の閉塞部内に
共に入った場合でも、2つの電力波受信コイルはそれぞ
れに独立した閉塞ループを構成しているため、それぞれ
の受信コイルに独立した起電力を生ずる。そして、両起
電力を整流後に加算することで、8の字状に巻かれた電
力波送信コイルの中心が、対峙した0の字状に巻かれた
2つのコイルからなる電力波受信コイルの中心と一致す
る変動のない場合に得られる電力と同じだけの電力を得
ることができる。
【0015】その結果、電力波送信コイルと電力波受信
コイルの相対的位置関係がずれて、電力波受信コイル左
端(又は右端)が電力波送信コイルの中心より右側(又
は左側)に移動した場合でも、電力波送信コイルから発
せられた電力波は電力波受信コイルで確実にしかも効率
良く受信でき、安定した直流電力が得られる。従って、
電力波受信コイルの形状(特に左右)を従来より小さく
しても従来と同様の受信可能な左右の応動距離を取れ、
言い換えれば、従来と同じ大きさであれば、従来より受
信可能な応動距離が大きくとれる。従って、左右の応動
特性を向上できる。
【0016】請求項2の構成によれば、8の字状に巻か
れた電力波送信コイルの中心が、8の字状に巻かれて対
峙する電力波受信コイルの一方の閉塞部の中心と一致す
るときは、8の字状に巻かれた電力波受信コイルの一方
の閉塞部を鎖交する磁束は相殺することになるが、他方
の閉塞部を鎖交する磁束により8の字状に巻かれた電力
波受信コイルと0の字状に巻かれた電力波受信コイルの
両コイルで独立した起電力を生ずる。
【0017】また、8の字状と0の字状の両電力波受信
コイルが、対峙する電力波送信コイルの一方の閉塞部内
に共に入った場合には、8の字状に巻かれた電力波受信
コイルからは起電力が得られないが、0の字状に巻かれ
た電力波受信コイルからは鎖交する磁束により起電力を
得ることができる。その結果、請求項1と同様の効果を
得ることができるが、更に8の字状に巻かれた電力波送
信コイルの中心が、8の字状に巻かれて対峙する電力波
受信コイルの一方の閉塞部の中心と一致するときでも、
8の字状に巻かれた電力波受信コイルと0の字状に巻か
れた電力波受信コイルの両コイルから起電力が得られる
ため、請求項1のように一方の電力波受信コイルのみか
ら起電力を得るということはなく、請求項1の発明に比
べて、より効率の良い受信が出来る。
【0018】請求項3の構成によれば、車上側の8の字
状に巻かれた電力波送信コイルが、列車の振動やカーブ
等で左右に変動し対峙する電力波受信コイルとの相対的
位置がずれた場合でも、上述した理由から磁束は必ず組
み合わされた電力波受信コイルの何れかと鎖交すること
になる。その結果、電力波受信コイルを従来より小型化
しても、車上子側から供給された電力波を地上子側で確
実にしかも効率良く受信でき必要な電力が得られ、地上
子内の論理回路を確実に駆動できるので、地上側から車
上側に必要な情報波を安定して送信出来る。従って、地
上子の小型化を図ることができると共に、地上子の動作
の安定性も向上できる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1に本発明に係る電力波受信装置の第1実施例
を示す。尚、従来と同一部分には同一符号を付する。図
1において、交流電流供給回路20から8の字状の電力波
送信コイル10に交流電流を供給し、電力波送信コイル10
から電力波が送信されることは同じである。これら交流
電流供給回路20及び電力波送信コイル10は、列車上から
地上に設置された地上子に電力波を供給するため列車側
に搭載されている。
【0020】そして、この電力波を受信する本実施例の
電力波受信装置は、以下のように構成される。即ち、電
力波送信コイル10の2つの閉塞部10a,10bとそれぞれ
対峙して0の字状に巻かれた2つの電力波受信コイル1
A,1Bと、これら2つの電力波受信コイル1A,1B
から得られた交流出力を各々直流に変換するために設け
られている整流手段としての2つの整流回路2A,2B
と、これら整流回路2A,2Bから得られた各直流電圧
を加算するために設けられている加算手段としての加算
回路3とを備え、これら電力波受信コイル1A,1B、
整流回路2A,2B、加算回路3は、線路の枕木上に設
置される無電源地上子に内蔵される。
【0021】次にその作用を説明する。電力波送信コイ
ル10に交流電流供給回路20から交流電流(例えば245
KHZ)が供給されると、アンペアの右ネジの法則によ
り電力波送信コイル10からは磁束が生ずる。この磁束の
向きは8の字を構成する2つの閉塞部10a,10bでそれ
ぞれコイルの巻き方向が逆になるため、互いに異なる方
向の磁束となる。この磁束が、対峙する2つの電力波受
信コイル1A,1Bを鎖交することになりその結果コイ
ルには起電力を生じて交流電流が流れ、それぞれの整流
回路2A,2Bで整流され、加算回路3で加算されて、
地上子内部の各回路に駆動用電力として供給される。
【0022】次に、本実施例の電力波受信装置におけ
る、電力波送信コイル10と2つの電力波受信コイル1
A,1Bの相対的位置関係と電力波受信コイル1A,1
Bの出力関係について図2(A)〜(C)を参照しなが
ら説明する。尚、電力波送信コイル10の電流と磁束の方
向は、図6に示すものと同じとする。まず、図2(A)
のように電力波送信コイル10の中心(図中の点線aで示
す)と2つの電力波受信コイル1A,1Bの中心とが一
致している場合について説明する。
【0023】この場合は、電力波受信コイル1Aと電力
波受信コイル1Bにはそれぞれ電力波送信コイル10の2
つの閉塞部10a,10bから生じた磁束が鎖交する。そし
て、その鎖交磁束により各電力波受信コイル1A,1B
を流れる電流の方向は、レンツの法則より同図の右側に
矢印で示すような方向となる。また、図2(B)のよう
に電力波送信コイル10の中心が、一方の電力波受信コイ
ル1Bの中心と一致する場合は、電力波受信コイル1A
には電力波送信コイル10aからの磁束のみが鎖交する
が、電力波受信コイル1Bには電力波送信コイル10の2
つの閉塞部10a,10bから生じた磁束が共に鎖交する。
その結果、電力波受信コイル1B内の磁束は両磁束によ
り相殺され、電力波受信コイル1Bには起電力は生じな
い。しかし、この場合でも、電力波受信コイル1Aには
電力波送信コイル10aからの磁束により起電力が生じ
る。従って、この場合には、(B)図の右側に示すよう
に、電力波受信コイル1Aに矢印方向の電流が流れる。
【0024】次に、図2(C)のように電力波送信コイ
ル10の中心が、電力波受信コイル1Bの左端と一致した
場合には、電力波受信コイル1A、電力波受信コイル1
B共に、電力波送信コイル10の一方の閉塞部10aに対峙
することになり、両電力波受信コイル1A、1Bには共
に閉塞部10aからの同方向の磁束が鎖交する。この場
合、電力波受信コイル1A、電力波受信コイル1Bは共
に独立して構成されているため、電力波受信コイル1
A、電力波受信コイル1Bにそれぞれ起電力が発生し、
(C)図の右側に示すように同方向の電流が流れる。こ
の状況は、更に電力波送信コイル10が図中左方向に移動
した場合(相対的に電力波受信コイル1A、電力波受信
コイル1Bが右方向に移動した場合)でも、両コイルを
鎖交する磁束の本数は変わることがないため同様の起電
力と電流が生じる。この点で、従来構造が8の字状に巻
かれた電力波受信コイル11を有するため、この場合に各
閉塞部ループで生じた起電力同士がお互いに打ち消し合
い、起電力が零となるのと大きく異なる。尚、本実施例
では、極端な場合で言えば、電力波送信コイルが、列車
の横揺れによって、対峙する電力波受信コイル1A,1
Bの位置をはみ出した場合でも、そのはみ出し程度如何
によっては電力波を受信可能である。
【0025】以上の各場合において、電力波受信コイル
1A及び電力波受信コイル1Bに発生した各起電力は、
レンツの法則より電力波送信コイル10を流れる電流と同
じ周波数を持つ交流となるが、地上子内の論理回路を駆
動するのに必要な直流を得るため各々整流回路2A,2
Bにて交流─直流変換される。その後、加算回路3で各
出力は加え合わされた後、各回路に供給される。
【0026】以上のように、本実施例では、電力波受信
コイルを、2つの独立した0の字状の電力波受信コイル
1A,1Bを並設することで構成したので、仮に送信コ
イル10側の変動距離が大きく送信コイル10の中心線aが
受信コイル1A又は1Bの端からずれても、電力波送信
コイル10に対して、2つの電力波受信コイル1A,1B
の少なくとも一方が一部分でも対峙していれば、必ず起
電力が発生し、両コイルからの起電力を整流後加算する
ようにしたため安定して直流電力を得ることが出来る。
【0027】即ち、受信コイル側で電力波を受信できる
送信コイル側の応動範囲は、受信コイルの端から端まで
となり、従来のような受信コイルの中心から中心までの
ものに比べて、受信コイルの左右の幅が同じであれば略
2倍の応動距離がとれるようになる。従って、従来より
送信コイルと受信コイルとの受信可能な相対移動距離が
大きくでき、許容変動距離を同じとすれば、受信コイル
の左右の幅を大幅に小さくでき、受信コイルの小型化が
図れ、延いては、無電源地上子の小型化を図ることがで
きる。また、左右の応動特性が従来より広がり、列車の
広い変動範囲に対し、車上子側から供給された電力波を
地上子側で確実にしかも効率良く受信できるようにな
り、地上子側の回路動作の安定性を向上できる。
【0028】次に、図3に本発明の第2実施例を示す。
尚、図1と同一部分には同一符号を付する。図3におい
て、電力波受信コイル4は、電力波送信コイル10の2つ
の閉塞部10a,10bの両方に跨がって0の字状に巻かれ
て構成され、電力波受信コイル5は、電力波送信コイル
10に対峙して8の字状に巻かれて構成され、両コイル
4,5は上下に間隔を設けて配置されている。そして、
両電力波受信コイル4,5は、整流回路2A,2B及び
加算回路3と共に地上子に内蔵されるようになってい
る。電力波受信コイル4,5で受信した電力エネルギを
変換して地上子内の回路の駆動源として出力を発生する
までの動作は第1実施例と同様であるので説明は省略
し、ここでは、本実施例の電力波受信装置における、電
力波送信コイル10と2つの電力波受信コイル4,5の相
対的位置関係と電力波受信コイル4,5の出力関係につ
いて図4(A)〜(C)を参照しながら説明する。尚、
電力波送信コイル10の電流と磁束の方向は、図6と同じ
とする。
【0029】まず、図4(A)のように電力波送信コイ
ル10の中心(図中の点線aで示す)と2つの電力波受信
コイル4,5の中心が一致している場合について説明す
る。この場合は、電力波送信コイル10で発生した磁束は
電力波受信コイル4,5を鎖交する。そして、図に示す
ように、電力波受信コイル4を鎖交する磁束は、電力波
受信コイル4が電力波送信コイル10の各閉塞部10a,10
bの両方に均等に跨がって対峙しているため、閉塞部10
aと閉塞部10bからの磁束はお互いに相殺しあう。従っ
て、電力波受信コイル4には起電力は生じない。一方、
電力波受信コイル5を鎖交する磁束は、閉塞部5aと5
bで共に8の字の方向に起電力が発生するため、両コイ
ルで生じた起電力は加わり合う。従って、この場合に
は、(A)図の右側に示すように、電力波受信コイル5
側に矢印方向の電流が流れる。
【0030】次に、図4(B)のように電力波送信コイ
ル10の中心が、電力波受信コイル5の一方の閉塞部5b
の中心と一致している場合には、閉塞部5b内には電力
波送信コイル10の両閉塞部10a,10bで生じた磁束が鎖
交するが、磁束はお互いに相殺するようになるため、閉
塞部5b側に起電力は発生しない。一方、他方の閉塞部
5aには電力波送信コイル10の閉塞部10aで生じた磁束
が鎖交するため起電力を生じる。また、前述したのと同
じ電力波送信コイル10側の全ての磁束が電力波受信コイ
ル4を鎖交するため、相殺後の残りの磁束により電力波
受信コイル4には起電力が発生する。従って、この場合
には、(B)図の右側に示すように、電力波受信コイル
4,5に矢印方向の電流が流れる。
【0031】次に、図4(C)のように電力波送信コイ
ル10の中心が両電力波受信コイル4,5の左端と一致し
た場合には、閉塞部5aと5b内には電力波送信コイル
10の閉塞部10aで生じた磁束が鎖交するが、磁束は同じ
方向であり、8の字のコイル内で発生した起電力がお互
いに相殺するようになるため、電力波受信コイル5に起
電力は発生しない。一方、同じ磁束が電力波受信コイル
4を鎖交するため、かかる磁束により電力波受信コイル
4には起電力が発生する。従って、この場合には、
(C)図の右側に示すように電力波受信コイル4に矢印
方向の電流が流れる。この状況は、電力波受信コイル4
及び電力波受信コイル5の図中の左端が電力波送信コイ
ル10の中心から更に離れた場合でも同様である。
【0032】その結果、第1実施例と同様に、仮に送信
コイル10側の変動が大きく、送信コイル10の中心線aが
受信コイル4又は5の端からずれても、電力波送信コイ
ル10に対して、2つの電力波受信コイル4,5の少なく
とも一方が一部分でも対峙していれば、必ず起電力が発
生し、両コイルからの起電力を整流後加算するようにし
たため安定して直流電力を得ることが出来る。
【0033】尚、上述した第1実施例と第2実施例の説
明は簡単化するため1巻のコイルについて行ったが、実
際には所定の電力を得るため複数回巻かれる。また、各
コイル毎の巻数は異なっていても原理的には支障ない
が、特性を揃えるように統一することが望ましい。更
に、電力波受信コイル4と電力波受信コイル5は図3で
示したものとその上下が逆であっても良いし、同一の巻
芯に絶縁材を介して重ねるように巻いてもよい。また、
各コイルの形状は図では四角で説明したが、レンツの法
則を考慮すれば四角には限定されない。更に、説明では
2組のコイルに限定したが、これは経済面やスペースそ
の他製造面等の実施上の利点を考慮したからで、理論的
には第1実施例と第2実施例の構成を適宜組み合わせ
て、例えば4組のコイルで構成する等も可能である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明(請求項1)
によれば、0の字状に巻かれた2つの電力波受信コイル
を並設し、両コイルの各出力をそれぞれ整流して加算す
る構成としたので、電力波送信コイルと電力波受信コイ
ルの相対的位置関係が、従来構造では受信不能となる位
置までずれた場合でも、電力波送信コイルから出力され
た電力波を電力波受信コイルで確実にしかも効率良く受
信でき、必要な直流電力に変換される。従って、従来よ
り応動特性を向上できる。換言すれば、従来と同等の応
動特性とするならば、電力波受信コイルの形状(特に左
右)を小さくでき、電力波受信装置の小型化を図れる。
【0035】また、本発明(請求項2)によれば、8の
字状に巻かれた電力波受信コイルと、0の字状に巻かれ
た電力波受信コイルを上下に配置し、各コイル出力をそ
れぞれ整流して加算する構成としたので、請求項1で得
られた効果と同様の効果を得ることが出来る。更に、8
の字状に巻かれた電力波送信コイルの中心が、8の字状
に巻かれて対峙する電力波受信コイルの一方の閉塞部の
中心と一致するときでも、8の字状に巻かれた電力波受
信コイルと0の字状に巻かれた電力波受信コイルの両コ
イルで起電力が得られるため、請求項1のように一方の
電力波受信コイルのみから起電力を得るということはな
くなり、より効率の良い受信が出来、その結果、より安
定した直流電力を得ることが出来る。
【0036】更に、本発明(請求項3)によれば、請求
項1又は請求項2の電力波受信装置を地上子に内蔵した
結果、列車の変動が大きくても車上子側から供給された
電力波を地上子側で確実にしかも効率良く受信でき、こ
の電力波を整流し加算することで必要な電力が得られ、
地上子内の論理回路を駆動し、地上子より車上子に列車
運行に必要な情報波を安定して送信出来るようになる。
また、地上子の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電力波受信装置の第1実施例の構
成図
【図2】同上実施例の電力波送信コイルと電力波受信コ
イルとの相対位置関係に応じた電力波受信コイル側の鎖
交磁束と発生電流の様子を説明する図
【図3】本発明に係る電力波受信装置の第2実施例の構
成図
【図4】同上実施例の電力波送信コイルと電力波受信コ
イルとの相対位置関係に応じた電力波受信コイル側の鎖
交磁束と発生電流の様子を説明する図
【図5】従来例の電力波受信装置の構成図
【図6】8の字状の電力波送信コイルで発生する磁束と
電流の様子を説明する図
【図7】従来の電力波送信コイルと電力波受信コイルと
の相対位置関係に応じた電力波受信コイル側の鎖交磁束
と発生電流の様子を説明する図
【符号の説明】
1A,1B,4,5 電力波受信コイル 2A,2B 整流回路 3 加算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平2−97692(JP,U) 実開 平4−39752(JP,U) 実開 平4−118864(JP,U) 実開 平5−19053(JP,U) 実開 平6−31305(JP,U) 欧州特許出願公開535549(EP,A 2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61L 3/12 H01Q 3/01 H01Q 7/00 H02J 17/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】列車の進行方向と直角な方向に8の字状に
    巻かれた電力波送信コイルから送信される電力波を受信
    する電力波受信装置において、 前記電力波送信コイルの列車進行方向と直角な方向の
    つの閉塞部とそれぞれ対峙させて列車進行方向と直角な
    方向に配置した0の字状に巻かれた2つの電力波受信コ
    イルと、該各電力波受信コイルの出力をそれぞれ整流す
    る2つの整流手段と、該各整流手段の出力を加算する加
    算手段を備えたことを特徴とする電力波受信装置。
  2. 【請求項2】前記2つの0の字状に巻かれた電力波受信
    コイルに代えて、8の字状に巻かれた電力波受信コイル
    と、0の字状に巻かれた電力波受信コイルとを、上下に
    配置して設け、前記電力波送信コイルに対峙させる構成
    とした請求項1記載の電力波受信装置。
  3. 【請求項3】列車上に設置された前記電力波送信コイル
    から送信される電力波を受信するために地上子に内蔵し
    たことを特徴とする請求項1又は2記載の電力波受信装
    置。
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