JP3433131B2 - 基地局装置 - Google Patents

基地局装置

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JP3433131B2
JP3433131B2 JP09006499A JP9006499A JP3433131B2 JP 3433131 B2 JP3433131 B2 JP 3433131B2 JP 09006499 A JP09006499 A JP 09006499A JP 9006499 A JP9006499 A JP 9006499A JP 3433131 B2 JP3433131 B2 JP 3433131B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のアンテナに
より適応的に指向性パターンを形成するアダプティブア
レイを有する基地局装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現行のパーソナルハンディホンシステム
(PHS)では、移動局と、基地局との送信出力が最大10mW
と、500mWとに規格化されている。このように移動局と
基地局との送信出力比が大きいシステムにおいて基地局
は、ダイバーシチ方式又はアダプティブアレイ方式にて
電波を送受信するのが望ましい。
【0003】前者のダイバーシチ方式では、基地局に複
数のアンテナが設けられており、相手側となる移動局と
電波の送受信を行うにあたって、最も電波状態の良いア
ンテナをこの複数のアンテナから特定する。特定された
アンテナを用いて電波の送受信を行うことにより、移動
局との送受信を良好に行うことができる。一方、後者の
アダプティブアレイ方式とは、送信回路と、受信回路
と、アンテナとの組みを複数用いて所望の指向性パター
ンを形成する方式である。ここでアダプティブアレイ方
式の基地局装置から見て、所定の方位に利用者が存在す
る場合、当該基地局装置は、送信回路とアンテナとの組
みにおいて、振幅・位相を変化させることによりその特
定の方位にのみ指向性を有する指向性パターンを形成す
る。そうすると、当該基地局装置は、その特定の利用者
だけに電波を到達させることができる。
【0004】当該基地局装置から見て所定の方位に干渉
波が発生している場合、基地局装置はこの方位に指向性
が存在しない指向性パターンを形成する。これにより、
基地局装置は干渉波対策を効率良く行うことができ、利
用者は良好な電波状況で通話を行うことができる。アダ
プティブアレイ方式の詳細については「空間領域におけ
る適応信号処理とその応用技術論文特集」(電子通信学
会論文誌 VOL.J75-B-II.11 NOVEMBER)に記載されてい
るので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところでアダプティブ
アレイ方式の基地局装置をPHSに導入しようとすると、
このアダプティブアレイ式基地局は、PHSに規定された
通話チャネルを送信することには適しているが、制御チ
ャネルの送信には適さないという問題点がある。ここで
通話チャネルとは、PHSにおいて通話データを送信する
ためのチャネルであり(PHSではTCHと呼ばれる。)、PHS
に規定されたTDMAフレームにおける上り下り各1つずつ
のタイムスロットを用いて送受信される。この通話チャ
ネルは基地局との回線接続が確立された移動局が存在す
る方位にのみ送信されればよいので、アダプティブアレ
イ式基地局はその方位に指向性があらわれるような指向
性パターンを形成すればよい。
【0006】一方、制御チャネルとは、位置登録や発着
信などの制御信号の送受信に用いられるチャネルであり
(PHSではCCHと呼ばれる。)、間欠的に送受信された複数
のタイムスロットにより構成される。この制御チャネル
は、回線接続が確立済み移動局のみならず、待ち受け状
態にある移動局に対しても送信されねばならない。何故
なら、制御チャネルは、同期獲得のための情報や、通話
チャネルの構造等を報知するための報知チャネル、周辺
の移動局に呼出をかけるための一斉呼出チャネル等、待
受状態にある移動局が受信すべき情報を含んでいるから
である。このため、上記のように回線接続が確立済み移
動局が存在する方位にのみ指向性が現れる指向性パター
ンを形成していたのでは、待受状態にある移動局は一向
に制御チャネルを受信できない。
【0007】もっとも、アダプティブアレイ方式では、
振幅・位相の制御によりあらゆる指向性パターンを形成
することが可能なので、ある方位に指向性が現れるよう
に指向性パターンを形成して、制御チャネルを送信した
後、別の方位に指向性が現れるように指向性パターンを
形成して、制御チャネルを送信することもできる。この
処理を繰り返せば、待ち受け状態の移動局が存在しうる
全ての方位を網羅することができる。しかし、この方法
では、指向性パターンの形成を何度も繰り返す必要があ
るので、全ての方位を網羅するのに時間がかかりすぎて
しまう。これでは、待ち受け状態にある移動局が移動し
ている場合に、この移動に追従することができない。
【0008】指向性パターンの形成の繰り返しに時間が
かかるからといって、位相・振幅の制御を行うことなし
に、制御チャネルを複数のアンテナから同時に送信すれ
ば、位相が管理されていない複数の電波が空間内で合成
されることになり、方位毎の指向性がきわめて不均一な
指向性パターンが現れる。これでは、方位毎の到達距離
に極端なバラツキが生じてしまう。
【0009】本発明の目的は、通話チャネルの利用時に
はアダプティブアレイによる無線通信を行いつつも、全
ての方位に存在する移動局に、制御チャネルを送信する
ことができる基地局装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、制御チャネ
ルと、複数の通話チャネルとを時分割多重したタイムス
ロット列を通じて移動局と通信する基地局装置であっ
て、通話チャネルは、複数の第1アンテナからなるアダ
プティブアレイアンテナを用いて移動局の基地局装置に
対する位置に即した指向性パターンで送信し、制御チャ
ネルは、前記アダプティブアレイアンテナとは別に設け
た第2アンテナを用いて略均一な指向性で送信するもの
であり、アダプティブアレイアンテナを構成する複数の
第1アンテナと同数の送信回路と、送信回路の1つを通
話チャネルにおいて前記複数の第1アンテナの1つに接
続し、制御チャネルにおいて第2アンテナに接続するよ
う切り換えを行うスイッチ手段とを備え、前記第2アン
テナは、アダプティブアンテナに含まれる複数の第1ア
ンテナのアンテナ利得より高いアンテナ利得を有する
地局装置により達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、基地局装置内部を示す図
である。基地局装置は、図示しないデジタル公衆網と接
続されており、配下の無線ゾーンにおいて通信を行うと
ともに、デジタル公衆網を用いて情報交換を行うことが
できる。図1に示すように、基地局装置はAD-PCMトラン
スコーディック1、TDMA/TDD処理部2、送信回路3、受
信回路4、送信回路5、受信回路6、送信回路7、受信
回路8、送信回路9、受信回路10、アンテナ17、ア
ンテナ18、アンテナ19、アンテナ20、アンテナ2
1、スイッチ22、スイッチ23、スイッチ24、スイ
ッチ25、及びスイッチ26から構成される。
【0012】ADPCMトランスコーディック1は、デジタ
ル公衆網で伝送される信号形式と、無線ゾーンで伝送さ
れる32KbpsのADPCM信号との双方向変換を行う。TDMA/TD
D処理部2は、AD-PCMトランスコーディック1から出力
されたAD-PCM信号に対してTDMA/TDD処理を行い、複数の
タイムスロットが時分割多重されたベースバンド信号を
送信回路3、送信回路5、送信回路7、送信回路9に出
力する。以降、ベースバンド信号に時分割多重されてい
るタイムスロットがどのようなチャネルを構成している
かを以下に説明する。図2は、ベースバンド信号に時分
割多重されているタイムスロットがどのように通話チャ
ネル、制御チャネルを構成しているかを示す図である。
【0013】図2において横軸に時間軸を表し、この時
間軸上における1,2,3,4,1,2,3,4という数値の繰り返し
は時系列に現れるタイムスロットの列を示している。こ
のうち、8つのタイムスロットは、PHSに規定されたTDM
Aフレームを構成している。PHSにおいて、TDMAフレーム
を構成するスロットは(図中の上りスロット1,2,3,4、
下りスロット1,2,3,4)、この上り下りの1対のスロッ
トがPHSにおける通話チャネルであり、これらにおいて
独立した通信が実現できる。TDMAフレームには、このよ
うなタイムスロットの組みが4つ含まれているので、4
つの通話チャネルが多重されていることになる。これら
の通話チャネルは、上り下りのスロット1なら移動局1
01、上り下りスロット2なら移動局102、上り下り
スロット3なら移動局103というように通話相手が決
まっており、またこれらの移動局101〜移動局103
は何れも基地局装置との回数接続が確立した移動局なの
で、これらの通話チャネルを構成するタイムスロット
は、移動局101〜移動局103が存在する方位にのみ
送信されればよい。
【0014】図3は、タイムスロットにより構成される
制御チャネルを示す図である。図中の第1段目における
ベースバンド信号に含まれる複数のタイムスロット(図
中の1,2,3,4,1,2,3,4,1,2,3,4・・・・)は、図2と同様タイ
ムスロット列を示し、図中の第2段目は、PHSに規定さ
れたLCCHスーパーフレームを示す。ここでLCCHスーパー
フレームは、PHSにおける各種制御チャネルを含む。
【0015】図中の破線の矢印は、第1段目におけるタ
イムスロットのうち、どれがLCCHスーパーフレームを構
成しているかを示す。この矢印を参照すると、5×n mse
c置きにベースバンド信号内に現れるタイムスロット
(タイムスロット4)がm個配列されることにより、LCCH
スーパーフレームが形成されていることがわかる。図4
は、LCCHスーパーフレームに含まれる各種制御チャネル
を示す図である。
【0016】図4を参照すると、LCCHスーパーフレーム
は、報知チャネルBCCH、一斉呼出チャネルP1,P2,P3,P
4、論理制御チャネルSCCHといった制御チャネルを含ん
でいることがわかる。報知チャネルBCCHは、同期獲得の
ための情報や、通信チャネルの構造、スーパーフレーム
長等を報知するために設られている。
【0017】一斉呼出チャネルPCHは、配下の移動局に
対して呼出をかけるために設けられたチャネルである。
このPCHにP1,P2,P3といった番号が付されているのは、
配下の移動局宛に個別に呼出をかけられるように分割し
ているからである。論理制御チャネルSCCHは、通信チャ
ネルの構造を示す情報やシステム情報などの制御情報を
間欠的に報知するための情報である。
【0018】これらの報知チャネルBCCH、一斉呼出チャ
ネルP1,P2,P3,P4、論理制御チャネルSCCHは、通話状態
にある移動局のみならず、待受状態にある移動局も受信
せねばならない。そのためLCCHスーパーフレームを構成
するタイムスロットは、あらゆる方位に送信するのが望
ましい。本実施形態において特に説明に値するのは、TD
MA/TDD処理部2が、送信期間指示信号、制御チャネル指
示信号を生成してスイッチ22〜スイッチ25、スイッ
チ26に出力する点である。
【0019】送信期間指示信号とは、ベースバンド信号
において、下りのタイムスロットが現れる期間を指示す
るものである。図5は、ベースバンド信号に含まれるタ
イムスロット列と、送信期間指示信号−制御チャネル指
示信号と、スイッチ22〜スイッチ26の設定との対応
関係を示すタイミングチャートである。図5の第1段目
は、ベースバンド信号に含まれるタイムスロット列を示
している。第1段目におけるタイムスロット列のうち、
8つのものは、TDMAフレームを構成している。
【0020】図5の第2段目は、送信期間指示信号を示
している。この送信期間指示信号を参照すると、第1段
目において下りのタイムスロットが現れる期間のみ、オ
ンになっており(期間t1,t2,t3,t4,t5を参照)、その他の
期間は全てオフになっていることがわかる(期間t8,t9,t
10,t11,t12を参照)。また、第1段目におけるタイムス
ロット4のうち、間欠送信周期5×n毎に現れるものは、
図3、図4に示したものと同様、LCCHスーパーフレーム
を構成している。
【0021】図5の第3段目は、制御チャネル指示信号
を示している。即ち第1段目では、間欠送信周期5×n毎
にタイムスロット4が現れているが、このタイムスロッ
ト4が現れている期間のみ、制御チャネル指示信号はオ
ンとなり(期間t21,t22,t23を参照)、その他の期間は、
全てオフになっていることがわかる。以上でベースバン
ド信号に含まれるタイムスロットについての説明を終了
する。続いて基地局装置における送受信系統について説
明する。
【0022】図1に示した基地局装置の内部構成におい
て、送信回路3−受信回路4−アンテナ17−スイッチ
22−スイッチ26−アンテナ21は、一つの送受信系
統を構成しており、送信回路5−受信回路6−アンテナ
18−スイッチ23は、一つの送受信系統を構成してい
る。同様に送信回路7−受信回路8−アンテナ19−ス
イッチ24、送信回路9−受信回路10−アンテナ20
−スイッチ25もそれぞれ独立した送受信系統を構成し
ている。本基地局装置におけるこれらの4つの送受信系
統は、アダプティブアレイ方式により通話チャネルの送
受信を行う。
【0023】送受信系統の詳細について、送信回路3−
受信回路4−アンテナ17−スイッチ22−スイッチ2
6−アンテナ21を一例にして説明する。この4つの送
受信系統に含まれる4本のアンテナ17〜アンテナ20
は、特許請求の範囲にいうアダプティブアレイアンテナ
に相当する。図6は、送信回路3、受信回路4の内部構
成と、その周辺部との接続関係を示す図である。
【0024】本図において送信回路3は、TDMA/TDD処理
部2が出力したベースバンド信号の振幅と位相とを調整
する送信調整部11と、送信調整部11により振幅・位
相が調整されたベースバンド信号を中間周波数信号(以
後、IF信号と略す)に変調し、IF信号を高周波信号(以
後、RF信号と略す)に変換する変調器12と、変調器1
2により変換されたRF信号を送信出力レベルにまで増幅
する電力増幅器13とを備える。
【0025】受信回路4は、アンテナ17に誘起した受
信信号を増幅する低雑音増幅器14と、増幅された受信
信号をIF信号に変換し、IF信号をベースバンド信号(シ
ンボルデータ)に復調する復調器15と、アダプティブ
アレイとしての指向性パターンを生成するために、復調
器15から入力される受信ベースバンド信号の振幅と位
相とを調整する受信調整部16とを備えるここで変調器
12、復調器15における変復調の方式は、ディジタル
変調であれば種類を問わないが、PHSではπ/4シフトQ
PSK方式にて行われる。
【0026】アンテナ17は、送信回路3から出力され
たRF信号を基地局装置の無線ゾーンに送信すると共に、
無線ゾーンにおいて送信されている電波を受信するバー
ティカルアンテナである。スイッチ22は、送信期間指
示信号がオンになっている期間において、接点C側に設
定され、送信期間指示信号がオフになっている期間にお
いて、接点D側に切り換えられる。これにより、送信期
間指示信号のオン期間において、送信回路3から出力さ
れたRF信号がアンテナ17に伝達され、送信期間指示信
号のオフ期間において、アンテナ17から入力された受
信信号が受信回路4に伝達される。
【0027】スイッチ26は、制御チャネル指示信号が
オフになっている期間において、接点B側に設定され、
制御チャネル指示信号がオンになっている期間におい
て、接点A側に切り換えられるスイッチである。このよ
うな切り換えにより、制御チャネル指示信号のオフ期間
において、送信回路3から出力されたRF信号はアンテナ
17に伝達されるが、制御チャネル指示信号のオン期間
において、送信回路3から出力されたRF信号はアンテナ
21に出力される。
【0028】アンテナ21は、アダプティブアレイに含
まれるアンテナ17〜20のアンテナ利得より高いアン
テナ利得を有するバーティカルアンテナである。即ち、
アンテナ17〜アンテナ20のアンテナ利得は、10dBi
であるが、アンテナ21は16dBiのアンテナ利得を有し
ている。10dBiというアンテナ利得は、送信出力が500mW
の基地局装置において使用が認められているアンテナ利
得である。一方、16dBiというアンテナ利得は、最大2W
の送信出力で電波を送信する際のアンテナ利得である。
平成10年度に改正された電波法において最大2Wの送信出
力が認められるのは、制御チャネルの送信時のみなの
で、アンテナ利得16dBiのアンテナ21を用いて制御チ
ャネルを送信することにより、制御チャネルは最大2Wの
送信出力で送信される。
【0029】"dBi"とは、基準アンテナとして等方性
(無指向性)アンテナを用いた場合のアンテナ利得(絶
対利得という)を表す単位であり、等方性アンテナ以外
のアンテナを基準アンテナを用いた場合のアンテナ利得
と区別して用いられる(相対利得といい"dB"を用いて表
現される。)。尚、理想的な等方性アンテナは現実には
存在しないので、絶対利得を算出するにあたって、微小
ダイポールアンテナを基準アンテナとして用いて相対利
得を求め、これに微小ダイポールアンテナの絶対利得を
乗ずるという近似計算がしばしば用いられる。
【0030】以上、送信回路3−受信回路4を含む送受
信系統の詳細についての説明を終える。続いて基地局装
置における残りの送受信系統について説明する。アンテ
ナ18、アンテナ19、アンテナ20のアンテナ利得
は、アンテナ17のアンテナ利得と同一の10dBiであ
る。アダプティブアレイによる利得は、アンテナ17〜
アンテナ20のアンテナ利得10dBiと、アダプティブア
レイ方式を行うことによる特有の利得(アダプティブア
レイ利得)6dBとを用いて近似することができる。この
近似計算によれば、アダプティブアレイを用いた場合の
送信時の利得は16dBiとなる。
【0031】残りの送受信系統が送信回路3−受信回路
4を含む送受信系統と異なるのは、後者の送受信系統に
制御チャネル指示信号によって切り換わるスイッチ26
と、アンテナ21とが備えられているのに対して、前者
の送受信系統では、送信回路5、送信回路7、送信回路
9に直接制御チャネル指示信号が入力されており、この
制御チャネル指示信号がオンになっている期間におい
て、送信回路5、送信回路7、送信回路9は停止状態に
なる点である。
【0032】以上の各送受信系統における共通点−相違
点により、本基地局装置における通話チャネル及び制御
チャネルは以下のように送信される。即ち、送信期間指
示信号がオン−制御チャネル指示信号がオフの期間で
は、ベースバンド信号内に通話チャネルが現れるので、
当該通話チャネルは、アンテナ17〜アンテナ20を用
いた4つの送受信系統を含むアダプティブアレイにより
通話チャネルが送受信されることになる。
【0033】一方、制御チャネル指示信号がオンの期間
では、送信回路5、送信回路7、送信回路9は停止状態
になり、スイッチ26は接点Bから接点Aへと切り換えら
れるので、送信回路3とアンテナ21との組みのみを用
いて電波の送信が行われることがわかる。ここでアンテ
ナ21は、アンテナ利得16dBiを有しており、アダプテ
ィブアレイと同一の利得をもって制御チャネルを送信す
ることができる。
【0034】図7(a)〜(c)は、通話チャネル送信
時、通話チャネル受信時、制御チャネル送信時における
スイッチ22〜スイッチ26の設定を示す図である。図
7(a)は、通話チャネル送信時におけるスイッチ22
〜スイッチ26の設定を示す図である。図7(a)にお
いて、スイッチ22〜スイッチ25が接点C,F,H,J側に
設定されるとともに、スイッチ26は、接点B側に設定
されていることがわかる。
【0035】図7(b)は、通話チャネル受信時におけ
るスイッチ22〜スイッチ26の設定を示す図である。
図7(b)において、スイッチ22〜スイッチ25が接
点D,G,I,K側に設定されるとともに、スイッチ26は、
接点B側に設定されていることがわかる。図7(c)
は、通話チャネル送信時におけるスイッチ22〜スイッ
チ26の設定を示す図である。図7(a)において、ス
イッチ26が接点A側に設定されるとともに、この制御
チャネル指示信号がオンになっている期間において、送
信回路5、送信回路7、送信回路9は停止状態になって
いることがわかる。
【0036】図8は、基地局装置におけるアンテナ17
〜アンテナ20、アンテナ21の空間配置を示す図であ
る。本図においてアンテナ17〜アンテナ20は4つの
方位に放射状に配置され、その真ん中に16dBiのアンテ
ナ利得を有するアンテナ21が配置されていることがわ
かる。再度図5を参照しながら、スイッチ22〜スイッ
チ26の切り換えについて説明する。
【0037】図5の第4段目は、スイッチ22〜スイッ
チ25の設定を示しており、第5段目は、送信回路5、
送信回路7、送信回路9の状態を示す。図5の第6段目
は、アンテナ21の設定を示している。ここで本図の第
2段目を参照すると、送信期間指示信号は、期間t1,t2,
t3,t4,t5においてオンになっていることがわかる。
【0038】第4段目を参照すると、これらの期間t1,t
2,t3,t4,t5のうち、制御チャネル指示信号がオフになっ
ている期間においてスイッチ22〜スイッチ25は、接
点C,F,H,J側に設定され、第6段目において、スイッチ
26は、アンテナ17側に設定されていることがわか
る。これにより、通話チャネルを構成する下りタイムス
ロットが、アダプティブアレイを用いて送信されること
になる。
【0039】一方、送信期間指示信号は、期間t8,t9,t1
0,t11,t12においてオフになっていることがわかる。第
4段目を参照すると、これらの期間においてスイッチ2
2〜スイッチ25は、接点D,G,I,K側に設定され、第6
段目において、スイッチ26は、アンテナ17側に設定
されていることがわかる。これにより、通話チャネルを
構成する上りタイムスロットが、アダプティブアレイを
用いて受信されていることになる。
【0040】次に制御チャネル指示信号がオンになって
いる期間におけるスイッチ26の切り換えについて説明
する。本図の第3段目では、制御チャネル指示信号は期
間t21,t22,t23においてオンになっていることがわか
る。また、本図の第5段目を参照すると、これらの期間
t21.t22.t23において、送信回路5、送信回路7、送信
回路9は停止状態になっていることがわかる。
【0041】更に、第6段目を参照すると、スイッチ2
6がアンテナ21側に切り換えられていることがわか
る。これにより、期間t21,t22,t23においてベースバン
ド信号内に現れる制御チャネルは、アンテナ21のみを
用いて送信されることになる。以上のように本実施形態
によれば、制御チャネル指示信号がオンとなる期間で
は、ベースバンド信号内に制御チャネルが現れるので、
当該制御チャネルは、アンテナ21のみを用いてアダプ
ティブアレイにより送信される。アンテナ21単独で送
信された電波は略均一の指向性で送信されるので、基地
局装置に対してあらゆる方位に送信される。またアンテ
ナ21のアンテナ利得は他のアンテナ17〜アンテナ2
0のアンテナ利得より大きいので、基地局装置から見て
かなり遠方に位置する移動局に制御チャネルを受信させ
ることができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本基地局装置は、制
御チャネルと、複数の通話チャネルとを時分割多重した
タイムスロット列を通じて移動局と通信する基地局装置
であって、通話チャネルは、複数の第1アンテナからな
るアダプティブアレイアンテナを用いて移動局の基地局
装置に対する位置に即した指向性パターンで送信し、制
御チャネルは、前記アダプティブアレイアンテナとは別
に設けた第2アンテナを用いて略均一な指向性で送信
るものであり、アダプティブアレイアンテナを構成する
複数の第1アンテナと同数の送信回路と、送信回路の1
つを通話チャネルにおいて前記複数の第1アンテナの1
つに接続し、制御チャネルにおいて第2アンテナに接続
するよう切り換えを行うスイッチ手段とを備え、前記第
2アンテナは、アダプティブアンテナに含まれる複数の
第1アンテナのアンテナ利得より高いアンテナ利得を有
するので、基地局装置から見てあらゆる方位に位置する
移動局に制御チャネルを受信させることができる。
【0043】またこの基地局装置は、アダプティブアレ
イにおける送信回路と第1アンテナとの組みのうち、一
つの送信回路を共用することができるので、基地局装置
内の回路構成を簡易にすることができる。
【0044】
【0045】更に第2アンテナにより、基地局装置は、
かなり遠方に位置する移動局に制御チャネルを受信させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基地局装置の内部構成を示す図である。
【図2】ベースバンド信号に時分割多重されているタイ
ムスロットがどのように通話チャネル、制御チャネルを
構成しているかを示す図である。
【図3】タイムスロットにより構成される制御チャネル
を示す図である。
【図4】LCCHスーパーフレームに含まれる各種制御チャ
ネルを示す図である。
【図5】ベースバンド信号に含まれるタイムスロット列
と、送信期間指示信号と、制御チャネル指示信号と、ス
イッチ22〜スイッチ26の設定との対応関係を示すタ
イミングチャートである。
【図6】送信回路3、受信回路4の内部構成と、その周
辺部との接続関係を示す図である。
【図7】(a)〜(c)通話チャネル送信時、通話チャ
ネル受信時、制御チャネル送信時におけるスイッチ22
〜スイッチ26の設定を示す図である。
【図8】基地局装置におけるアンテナ17〜アンテナ2
0、アンテナ21の空間配置を示す図である。
【符号の説明】
1 トランスコーディック 2 TDMA/TDD処理部 3,5,7,9 送信回路 4,6,8,10 受信回路 11 送信調整部 12 変調器 13 電力増幅器 14 低雑音増幅器 15 復調器 16 受信調整部 17〜20 アンテナ 21 アンテナ 22〜25 スイッチ 26 スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 7/24 - 7/26 H04Q 7/00 - 7/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御チャネルと、複数の通話チャネルと
    を時分割多重したタイムスロット列を通じて移動局と通
    信する基地局装置であって、 通話チャネルは、複数の第1アンテナからなるアダプテ
    ィブアレイアンテナを用いて移動局の基地局装置に対す
    る位置に即した指向性パターンで送信し、 制御チャネルは、前記アダプティブアレイアンテナとは
    別に設けた第2アンテナを用いて略均一な指向性で送信
    するものでありアダプティブアレイアンテナを構成する複数の第1アン
    テナと同数の送信回路と、 送信回路の1つを通話チャネルにおいて前記複数の第1
    アンテナの1つに接続し、制御チャネルにおいて第2ア
    ンテナに接続するよう切り換えを行うスイッチ手段とを
    備え、 前記第2アンテナは、 アダプティブアンテナに含まれる複数の第1アンテナの
    アンテナ利得より高いアンテナ利得を有する ことを特徴
    とする基地局装置。
  2. 【請求項2】 複数の第1アンテナと同数の送信回路の
    うち、前記残余の送信回路と、残余のアンテナとは1対1
    の関係で接続されていると共に、制御チャネルにおいて
    送信停止に制御される ことを特徴とする請求項1記載の
    基地局装置。
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