JP3432190B2 - ポルフィリン金属錯体−アルブミン多量体包接化合物、及びそれを有効成分とする酸素輸液剤 - Google Patents

ポルフィリン金属錯体−アルブミン多量体包接化合物、及びそれを有効成分とする酸素輸液剤

Info

Publication number
JP3432190B2
JP3432190B2 JP31870299A JP31870299A JP3432190B2 JP 3432190 B2 JP3432190 B2 JP 3432190B2 JP 31870299 A JP31870299 A JP 31870299A JP 31870299 A JP31870299 A JP 31870299A JP 3432190 B2 JP3432190 B2 JP 3432190B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
albumin
oxygen
metal complex
porphyrin metal
complex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP31870299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001131200A (ja
Inventor
英俊 土田
晃之 小松
和芳 浜松
Original Assignee
英俊 土田
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 英俊 土田 filed Critical 英俊 土田
Priority to JP31870299A priority Critical patent/JP3432190B2/ja
Publication of JP2001131200A publication Critical patent/JP2001131200A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3432190B2 publication Critical patent/JP3432190B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルブミン分子の
システイン残基を介して二以上のアルブミン分子を架橋
剤で分子間架橋したアルブミン多量体に、酸素吸脱着部
位としてポルフィリン金属錯体を包接させた新規化合
物、及びこの包接化合物を有効成分とする酸素輸液剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】ヘモグロビンやミオグロビン中に存在す
るポルフィリン鉄(II)錯体は、酸素を可逆的に吸脱着す
る。このような天然のポルフィリン鉄(II)錯体に類似す
る酸素吸脱着機能を合成の錯体により達成しようとする
研究は、従来から数多く報告されている(例えば、J.P.
Collman, Accounts of Chemical Research, 10, 265 (1
997); F.Basolo, B.M.Hoffman, J.A.Ibers, 同, 8, 384
(1975)等参照)。しかしながら、特に合成ポルフィリ
ン金属錯体等の合成化合物を用いてその機能を生理条件
下(生理塩水溶液(pH 7.4)中、室温ないし37℃)で再現
させ、例えば人工血液、臓器保存液、人工肺等のための
酸素供給液(酸素輸液剤)のような医療用途に利用する
場合には、次の条件(i)および(ii)を満たすことが必
要不可欠である。
【0003】(i)酸素親和力を増大させるためには一般
に軸塩基配位子の存在が必要であるが、そのような配位
子として広く用いられているイミダゾール誘導体には薬
理作用を有するものがあり、生理毒性が高いものがある
ので、その濃度を最小限に抑制すること。
【0004】(ii)ポルフィリン金属錯体を水に可溶化す
るだけでなく、これを微視的疎水環境内に包接・固定す
ることにより、中心金属のプロトンによる酸化、及びμ
-オキソ二量体を経由する酸化を防止して酸素配位錯体
を安定に保持すること。
【0005】上記条件(i)については、本発明者らは、
既に、イミダゾリル基を共有結合によりポルフィリン環
に結合させたポルフィリン化合物、すなわち分子内に軸
塩基を持つ置換ポルフィリン化合物(ポルフィリン/イ
ミダゾールのモル比を1/1の最小必要量に抑制したこと
になる)を合成し、これが安定な酸素配位錯体を形成で
きることを明らかにしている(特開平6-271577号公報参
照)。このポルフィリン錯体において、特にエステル結
合により軸塩基を結合した場合には、生分解性も高く、
生体内投与に際してきわめて有利なものとなる。すなわ
ち、安全性の高い酸素結合部位(ポルフィリン金属錯
体)の開発は、本発明者等により既に確立されていると
いうことができる。
【0006】また、上記条件(ii)、すなわち水溶液中で
ポルフィリン金属錯体のための微視的疎水環境を提供す
ることについては、リン脂質からなる二分子膜小胞体を
利用することが知られている。本発明者らも、ポルフィ
リン環面上に末端親水性アルキル置換基を導入してポル
フィリンに両親媒性を付与すれば、該ポルフィリンをリ
ン脂質二分子膜の疎水環境へ高い配向性をもって包埋で
きるものとの考えから、既に種々の両親媒性ポルフィリ
ン金属錯体を合成し、これらのポルフィリン錯体をリン
脂質二分子膜中に包埋・配向させることにより、水相系
において有効な一連の酸素運搬体を開発している(例え
ば、特開昭60-101490号公報、特開昭58-213777号公報参
照)。
【0007】しかしながら、これらの酸素運搬体では多
量のリン脂質を使用するため、工業的規模での製造の
点、また代謝を含む生体適合性の点で、なお改善の余地
が残されていた。そこで本発明者らは、より生体適合性
に優れたキャリアーとして、血漿タンパク質の50〜55%
を占め且つ生体内で種々の化合物の運搬を担っている血
清アルブミンに着目した。その結果、血清アルブミンは
ポルフィリン金属錯体のための優れた疎水環境を提供す
ることができ、これに所定のポルフィリン金属錯体を包
接して得られるポルフィリン金属錯体−アルブミン包接
化合物は水中で安定な酸素配位錯体を形成し、酸素運搬
体として機能することを見出した(特開平8-301873号公
報参照)。
【0008】ところが、血液中における生体内アルブミ
ン濃度は約5wt%であることが知られており、生体内投
与を想定して、これらアルブミン−ポルフィリン金属錯
体包接化合物水溶液のアルブミン濃度を5wt%に調整す
ると、酸素結合席であるポルフィリン金属錯体の濃度は
最大でも6mMに留まることになる。この値はヒト血液に
おけるヘム濃度(9.2 mM)の約60%に相当するに過ぎな
い。勿論、アルブミン−ポルフィリン金属錯体包接化合
物の濃度を増大させれば、ポルフィリン金属錯体の濃度
が増大するので、溶液中の酸素溶解量を上昇させること
ができる。しかし、生体内アルブミン濃度を増大させる
と膠質浸透圧の上昇を誘発するので、生体適合性の点で
好ましくない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記事情に鑑み、本発
明は、ポルフィリン金属錯体を酸素吸脱着部位として含
有する酸素運搬体として、膠質浸透圧の点でも生体適合
性に優れ、さらに高濃度に酸素を溶解・運搬することが
できる新規化合物、及びこれを有効成分とする酸素輸液
剤を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、生理条件
下で安定に酸素を運搬でき、しかも高濃度の酸素を溶解
できる酸素輸液剤の分子設計と機能発現について鋭意研
究を重ねた結果、アルブミンの多量体を合成し、これに
酸素結合席であるポルフィリン金属錯体を包接させれ
ば、膠質浸透圧を上昇させることなく、十分な酸素運搬
能を具備するポルフィリン金属錯体包接アルブミン多量
体が得られることに想到し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、アルブミン多量体溶液のモル濃度は、同
じアルブミン重量濃度のアルブミン単量体溶液よりも小
さくなるので、その膠質浸透圧を低くすることができ
る。
【0011】アルブミンの多量体については、グルタル
アルデヒドを架橋剤として使用するか、または超音波処
理により合成されるアルブミンマイクロスフェアーや、
マイクロバブルスという名の高分子アルブミンが知られ
ている(例えば、T.Scotland, Biotechnol.Appl.Bioche
m. 18, 227 (1993), K.S.Suslick, Proc.Natl.Acad.Sc
i., 88, 7708 (1991)等参照)。これらの球状高分子は
直径が4μm以上と大きく、超音波イメージング、造影
剤、ドラッグキャリアー、人工血小板などの用途として
使用されている。しかし、この種の高分子化アルブミン
多量体では、いわゆるアルブミン自身の持つ特異な高次
構造は失われており、分子結合能は大きく変化している
と考えてよい。事実、ポルフィリン金属錯体のキャリア
として使用した例は報告されていない。
【0012】一方、哺乳動物の血清アルブミンは、計35
個のシステイン残基を持つが、そのうちの17対はジスル
フィド結合を形成しており、唯一、システイン34(Cys3
4)のみが反応活性なチオール基を有する。本発明者ら
は、このCys34を架橋点として利用することにより、構
造明確なアルブミン多量体が合成できるものと考え、当
該アルブミン多量体を設計、精密合成することにより、
本発明を完成した。
【0013】すなわち、本発明によれば、アルブミンの
システイン残基を介して二以上のアルブミン分子を架橋
剤で分子間架橋したアルブミン多量体に、以下に示す一
般式(II)または一般式(III)で示される置換ポルフ
ィリンを包接させてなるポルフィリン金属錯体−アルブ
ミン多量体包接化合物、およびこれを含有する酸素輸液
剤が提供される。
【0014】本発明のより具体的な側面に従えば、アル
ブミンのシステイン34を介して二以上のアルブミン分子
を、下記一般式(I)で表されるビスマレイミド誘導体、
トリスマレイミド誘導体またはテトラキスマレイミド誘
導体(L.R.Dix.Eur, Polym.J., 31, 647 (1995)、G.Kos
smehl, Makromol.Chemie, 227, 139 (1995)等)を架橋
剤として分子間架橋して得たアルブミン多量体に、以下
に示す一般式(II)または(III)で示される置換ポル
フィリン金属錯体を包接させてなるポルフィリン金属錯
体−アルブミン多量体包接化合物が提供される。
【0015】
【化4】
【0016】(ここで、上記pは1ないし18の整数であ
る)。
【0017】本発明に用いられる置換ポルフィリン金属
錯体は、下記一般式(II)で示される5,10,15,20-テトラ
[α,α,α,α,-O-(置換アミド)フェニル]ポルフィリン
金属錯体であるか、
【化5】
【0018】(一般式(II)において、R2は水素又はメ
チル基、Mは鉄又はコバルトイオン、mは0ないし17の
整数、及びnは0ないし17の整数である)または、下記
一般式(III)で表されるポルフィリン金属錯体である
【化6】
【0019】(一般式(III)において、R3はビニル基又
は式 -(CH3)CHO(CH2)hCH3で表される1-アル
カンオキシエチル基(ここで、hは0ないし17の整数)、
4は水素又はメチル基、Mは鉄又はコバルトイオン、
jは0ないし17の整数、及びkは3ないし10の整数であ
る)。
【0020】酸素運搬体である式(II)又は式(III)のポ
ルフィリン金属錯体において、Mで表される鉄又はコバ
ルトは+2価の状態にある。
【0021】本発明におけるアルブミンは、その由来を
特に制限するものではないが、ヒト血清アルブミン又は
組換えヒト血清アルブミンであることが好ましい。特に
遺伝子組換え技術の進展により、構造・組成及び物理化
学的特徴がヒト血清アルブミンと全く同一である高純度
の組換えヒト血清アルブミンが開発されており(横山、
大村、臨床分子医学、1, 939 (1993)参照)、この組換
えヒト血清アルブミンからなるアルブミン多量体に置換
ポルフィリン金属錯体を包接させてなるポルフィリン金
属錯体−アルブミン多量体包接化合物は、全合成系とし
て提供できるので、工業的規模での製造も比較的容易で
ある。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳しく説明
する。
【0023】本発明において、以後詳述するポルフィリ
ン金属錯体を包接するために用いるアルブミン多量体
は、血液中において、膠質浸透圧調節を主な役割とする
単純タンパク質のアルブミンを基材とする。
【0024】アルブミンは血漿タンパク質であるから、
生体への適用、特に血液代替物としての利用に関して
は、リン脂質小胞体を用いる系に比べて格段に有利であ
る。本発明に用いるアルブミンとしては、ヒト血清アル
ブミン、組換えヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミ
ン等を用いることができ、その由来に制限はない。しか
し、ヒトへの適用を考えた場合、ヒト血清アルブミン、
又は組換えヒト血清アルブミンを用いることが好まし
い。Cys34がジスルフィド架橋したアルブミンの二量体
が生体内にも微量存在することを考慮すれば、本発明で
用いるアルブミン多量体は抗原性にも問題はないと考え
られる。
【0025】本発明において、アルブミン多量体を合成
する際に用いる架橋剤は、既述した一般式(I)で表され
るビスマレイミド誘導体、あるいはトリスマレイミド誘
導体が好ましい。
【0026】
【0027】
【0028】一般式(II)で表される5,10,15,20-テトラ
[α,α,α,α,-O-(置換アミド)フェニル]ポルフィリン
金属錯体は、そのアルキルイミダゾリル基がポルフィリ
ン環の2-位に結合していることが重要である。本発明
者らの研究によれば、分子内にそのようなイミダゾリル
基を持たないポルフィリン錯体は、外部から小過剰のイ
ミダゾール誘導体(例えば、1-メチルイミダゾール)
を添加しても、水相系では安定な酸素錯体を生成するこ
となく直ちに劣化した。
【0029】また、一般式(III)で示されるポルフィリ
ンは、生体内のヘモグロビンと同様のプロトポルフィリ
ンIX誘導体であり、生体適合性に優れることはいうまで
もない。一般式(III)で表される化合物のうち、R2がビ
ニル基であるポルフィリン誘導体は、T.G.トレーラー(T
raylor)ら、J.Am.Chem.Soc., 101, 6716 (1979)に記載
の方法により合成できる。R2が1-アルカンオキシエチ
ル基であるポルフィリン誘導体は、特開平8-301873号公
報に記載の方法により合成できる。
【0030】次に、本発明のポルフィリン金属錯体−ア
ルブミン多量体包接化合物の製造について説明する。
【0031】最初に、次のようにしてアルブミン多量体
を合成する。まず、アルブミンと、一般式(I)のビス
マレイミド、トリスマレイミドまたはテトラキスマレイ
ミド誘導体とを、其々リン酸緩衝生理食塩水(pH 6〜
8)中に溶解する。マレイミド誘導体水溶液は数秒間、
超音波照射を行うと均一に分散する。各々の水溶液を窒
素で十分に置換し、ゆっくりと混合し、4〜20℃、好ま
しくは4〜10℃で、2〜24時間、好ましくは4〜16時間撹
拌する。得られた混合物は、生理食塩水を展開溶媒とし
てゲル濾過クロマトグラフィーにより精製する。各分画
成分は紫外部吸収検出器により注意深く検定しながら回
収し、多量体成分を分取する。得られた目的物につい
て、再度ゲル濾過クロマトグラフィーにより単一成分で
あることを確認する。電気泳動測定、及びMALDI-TOF質
量分析により、分子量を確認できる。
【0032】こうして得られたアルブミン多量体へのポ
ルフィリン金属錯体の包接は、以下の手法により実施で
きる。例えば、特開平6-271577号公報記載の手法に従っ
て合成した 2-(8-(2-メチル-1''-イミダゾリル))オクタ
ノイルオキシメチル)-5,10,15,20-テトラキス(α,α,
α,α,-O-ピバルアミドフェニルポルフィナト鉄(III)錯
体のエタノール、DMFまたはDMSO溶液、好ましくはエタ
ノール溶液に、一酸化炭素雰囲気下で小過剰のアスコル
ビン酸水溶液を添加し、ポルフィリンの中心鉄を+2価
に還元し、一酸化炭素錯体とする。この溶液を、ヒト血
清アルブミンの水溶液(溶媒として、例えば水、リン酸
緩衝液(pH 5〜9)、生理食塩水、クレーブス−リンガ
ー溶液等)と混合し、振盪する。その混合液を透析膜チ
ューブに入れ、生理食塩水中で透析すると、目的とする
2-(8'-(2''-メチル-1''-イミダゾリル))オクタノイルオ
キシメチル)-5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α,-O-
ピバルアミドフェニル)ポルフィナト鉄(II)一酸化炭素
錯体−アルブミン多量体包接化合物の分散液が得られ
る。分散液濃度は限外ろ過(例えば、限外分子量20,000
〜40,000の限外ろ過膜を使用)により濃縮できる。この
分散液を石英製分光測定用セルに移し、一酸化炭素下で
密封する。その可視吸収スペクトルはλmaxが539nm、42
7nmであり、分子内軸塩基が1つ配位し、第6配位座に
一酸化炭素が配位した一酸化炭素錯体に相当する。この
分散液は、室温又は4℃で数ヶ月保存しても沈殿・凝集
が認められず、きわめて安定である。
【0033】さらにこの分散液に酸素を通気しながら、
氷浴中で光照射(500W)すると、その可視吸収スペクト
ルはλmaxが552nm、426nmへと移行し、分子内軸塩基が
1つ配位し、第6配位座に酸素が配位した酸素錯体の形
成を確認できる。
【0034】また、この分散液に窒素ガスを通気する
と、直ちにスペクトルが変化し、λmaxが569nm、543n
m、442nmのスペクトルが得られる。これは、アルブミン
に包接されたポルフィリン鉄(II)錯体がデオキシ体にな
っていることを明らかに示すものである。このデオキシ
体の分散液に酸素を通気すると、可視吸収スペクトルは
デオキシ型スペクトルから再び酸素化型スペクトルに変
化し、これにより酸素の吸脱着が可逆的に生起すること
が確認される。なお、酸素及び窒素の交互の通気を繰り
返すことによって、酸素の吸脱着を繰り返し行うことが
できる。
【0035】上記のようにして得られた本発明のポルフ
ィリン金属錯体−アルブミン多量体包接化合物は、アル
ブミン内の疎水領域にポルフィリン金属錯体が包埋・固
定(包接)されたものである。なお、例えばアルブミン
二量体1モルに包接・結合されたポルフィリン金属錯体
の数は、遊離のポルフィリン金属錯体を定量することに
より(E.Tsuchida, Bioconjugate Chem., 10, 82 (199
9))決定できる。アルブミン二量体(例えば、ヒト血清
アルブミン二量体)に対する置換ポルフィリン金属錯体
(例えば、2-(8'-(2''-メチル-1-イミダゾリル))オクタ
ノイルオキシメチル-メソ-テトラ(α,α,α,α,-O-ピバ
ルアミドフェニル)ポルフィナト鉄(II)錯体)の結合数
は、1〜16である。
【0036】上述したように、本発明のポルフィリン金
属錯体−アルブミン多量体包接化合物においては、酸素
吸着席であるポルフィリン金属錯体が多量体アルブミン
の内部疎水環境内に固定されているため、中心金属のプ
ロトンによる酸化、及びμ-オキソ二量化を経由する酸
化劣化過程が完全に抑止される結果、本発明の包接化合
物は水相系においても安定な酸素配位錯体が保持でき
る。
【0037】また、本発明のポルフィリン金属錯体−ア
ルブミン多量体包接化合物は、その酸素結合部位が合成
の置換ポルフィリン金属錯体で構成されているため、酸
素親和力、毒性、生分解性等は、当該置換ポルフィリン
金属錯体の化学構造を抑制することにより任意に調整す
ることができる。
【0038】上記で述べた説明からも明らかなように、
本発明のポルフィリン金属錯体−アルブミン包接化合物
は、酸素と接触すると速やかに安定な酸素配位錯体を形
成し、酸素分圧に応じて酸素を吸脱着できる。この酸素
吸脱着は酸素分圧差により可逆的に繰り返し安定に行う
ことができる。また、酸素の結合解離は迅速であるか
ら、本発明の包接化合物は、生体内血液中でも酸素を効
率よく運搬できる半人工酸素運搬体として、また組換え
ヒト血清アルブミンを用いた場合には、全合成系酸素運
搬体として機能し得る。
【0039】本発明者らの実験によれば、ポルフィリン
鉄(II)錯体−アルブミン多量体包接化合物(例えば、2-
(8'-(2''-メチル-1-イミダゾリル))オクタノイルオキシ
メチル-メソ-テトラ(α,α,α,α,-O-ピバルアミドフェ
ニル)ポルフィナト鉄(II)錯体−ヒト血清アルブミン二
量体包接化合物)の25℃における酸素配位錯体の半減期
(τ1/2)は8時間以上である。これに対し、同条件で
リン脂質小胞体の二分子層間に包埋した同酸素配位錯体
の半減期は4時間以上であり、また界面活性剤トリトン
X-100(商品名)を用いて分散させたミセル溶液中では
1分以下と短かった。このように、ポルフィリン金属錯
体をアルブミン多量体の内部疎水環境内に包接させるこ
とにより、酸素配位錯体の寿命が大幅に延長されること
が明らかとなっている。
【0040】以上詳述したように、置換ポルフィリン金
属錯体をアルブミン多量体の内部疎水領域に包接させる
ことにより優れた酸素結合能を有するに至った本発明の
ポルフィリン金属錯体−アルブミン多量体包接化合物
は、酸素運搬体として機能するばかりでなく、例えば中
心金属が周期律表第4〜第5周期の遷移金属である場
合、広く酸化還元反応、酸素酸化反応、活性酸素分解反
応、光酸素活性化反応、さらには酸素添加反応の触媒と
して作用し得るものである。従って、本発明の包接化合
物は、それ自体人工酸素運搬体(酸素輸液剤)として有
用であり、またガス吸着剤、酸素吸脱着剤、酸素酸化・
還元触媒、酸素添加反応触媒、光酸素活性化触媒などと
して有用である。また、本発明の包接化合物は、その製
造が比較的簡単であり、特に組換えヒト血清アルブミン
を用いた場合などは工業的規模での生産に適している。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、こ
れらの実施例は例示目的でのみ記載するものであり、本
発明を限定するものでない。
【0042】[実施例1]ヒト血清アルブミン(25 wt
%、8.8 mL)と、ビスマレイミドヘキサン(9.1 mg)と
を其々18.8 mL、3 mLのリン酸緩衝生理食塩水(pH 7.
0、10 mM)に溶解する。ビスマレイミドヘキサン溶液は
数秒間、超音波照射を行う。各々の水溶液を窒素で十分
に置換し、ゆっくりと混合し、4℃で12時間撹拌する。
得られた混合物を、生理食塩水を展開溶媒としてゲル濾
過クロマトグラフィー(セファクリルS-100HR、分子量
5〜250 kDa、ファルマシア社製)により精製した。分流
は紫外部吸収検出器により注意深く検定し、二量体成分
を分取した。得られた成分は、ゲル濾過クロマトグラフ
ィー(LC-8A、島津社)により、単一成分であることを
再確認した(収率:28%)。電気泳動測定、及びMALDI-
TOF質量分析により、分子量が約130 kDaであることを実
証した。こうして得られたアルブミン二量体に、以下の
手法によりポルフィリン金属錯体を包接した。特開平6-
271577号公報記載の手法に従って合成した 2-(8-(2-メ
チル-1''-イミダゾリル))オクタノイルオキシメチル)-
5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α,-O-ピバルアミド
フェニルポルフィナト鉄(III)錯体(16μmol)のエタノ
ール溶液(12 mL)に、一酸化炭素雰囲気下でアスコル
ビン酸水溶液を添加し、ポルフィリンの中心鉄を+2価
に還元、一酸化炭素錯体とする。このエタノール溶液を
ヒト血清アルブミン二量体(1μmol)のリン酸緩衝液
(pH 7.4、1/30 mM)36 mLと混合し、振盪した。その混
合液を透析膜チューブに入れ、生理食塩水中で透析し
た。こうして、目的とする2-(8'-(2''-メチル-1''-イミ
ダゾリル))オクタノイルオキシメチル)-5,10,15,20-テ
トラキス(α,α,α,α,-O-ピバルアミドフェニル)ポル
フィナト鉄(II)一酸化炭素錯体−アルブミン二量体包接
化合物の分散液を得た。
【0043】この分散液を20倍に希釈した後、石英製分
光測定用セルに移し、一酸化炭素下で密封した。その可
視吸収スペクトルはλmaxが539nm、427nmであり、分子
内軸塩基が1つ配位し、第6配位座に一酸化炭素が配位
した一酸化炭素錯体の形成を示した。この分散液は、室
温又は4℃で数ヶ月保存しても沈殿・凝集が認められ
ず、きわめて安定であった。
【0044】次いで、上記の分散液に酸素を通気しなが
ら、氷浴中で光照射(500W)すると、その可視吸収スペ
クトルはλmaxが552nm、426nmへと移行し、分子内軸塩
基が1つ配位し、第6配位座に酸素が配位した酸素錯体
の形成を示した。
【0045】更に、この分散液に窒素ガスを通気する
と、直ちにスペクトルが変化し、λmaxが569nm、543n
m、442nmのスペクトルが得られた。これは、アルブミン
二量体に包接されたポルフィリン鉄(II)錯体がデオキシ
体になっていることを明らかに示すものである。このデ
オキシ体の分散液に酸素を通気すると、可視吸収スペク
トルはデオキシ型スペクトルから再び酸素化型スペクト
ルに変化し、これにより酸素の吸脱着が可逆的に生起す
ることが確認された。なお、酸素及び窒素の交互の通気
を繰り返すことによって、酸素の吸脱着を繰り返し行う
ことができた。また、上記酸素錯体の半寿命は8時間以
上であった。
【0046】[実施例2]実施例1で用いたビスマレイ
ミドヘキサンの代わりにビスマレイミド-4,4'-ジフェニ
ルメタンを用い、ポルフィリン鉄(II)一酸化炭素錯体と
して2-(18'-(N-イミダゾリル))オクタデカノイルオキ
シメチル)-5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α,-O-(2,
2-ジメチルオクタデカンアミドフェニル)ポルフィナト
鉄(II)一酸化炭素錯体を用いた以外は、実施例1と全く
同じ手法により、2-(18'-N-イミダゾリル))オクタデカ
ノイルオキシメチル)-5,10,15,20-テトラキス(α,α,
α,α,-O-(2,2-ジメチルオクタデカンアミドフェニル)
ポルフィナト鉄(II)一酸化炭素錯体−アルブミン二量体
包接化合物の分散液を調製した。この分散液に実施例1
と同様に酸素を通気することにより、酸素化錯体に相当
する可視吸収スペクトル(λmax:551nm、425nm)を得
た。この酸素化錯体の分散液に窒素を通気すると、デオ
キシ型スペクトルが得られ、酸素の可逆的吸脱着が確認
された。なお、酸素化錯体の半寿命は25℃において7時
間以上であった。
【0047】[実施例3]実施例1において、ヒト血清
アルブミンの代わりに組換えヒト血清アルブミン(吉冨
製薬社製)を用い、ビスマレイミドヘキサンの代わりに
トリス(2-マレイミドエチル)アミンを用いた以外は、実
施例1と全く同様の手法に従って、2-(8'-(2''-メチル-
1''-イミダゾリル))ドデカノイルオキシメチル)-5,10,1
5,20-テトラキス(α,α,α,α,-O-ピバルアミドフェニ
ル)ポルフィナト鉄(III)錯体−組換えヒト血清アルブミ
ン三量体包接化合物の分散液を得た。この分散液に、実
施例1と同様に酸素ガスを通気すると、酸素化錯体に相
当する可視吸収スペクトル(λmax:542nm、426nm)を
得た。この酸素化錯体の分散液に窒素ガスを通気する
と、元のデオキシ型スペクトルが得られ、酸素の可逆的
吸脱着を確認した。また、上記酸素化錯体の半寿命は25
℃において8時間以上であった。
【0048】[実施例4]2-(8'-(N-イミダゾリル))オ
クタノイルオキシメチル)-5,10,15,20-テトラキス(α,
α,α,α,-O-(2,2-ジメチルヘキサンアミド)フェニル)
ポルフィナトコバルト(II)錯体(16μmol)のエタノー
ル溶液(12 mL)に、実施例1で合成したヒト血清アル
ブミン二量体(1μmol)のリン酸緩衝水溶液(pH 7.4、
1/30 mM)36mLを加え、振盪した。その混合液を透析膜
チューブに入れ、生理食塩水中で透析した。こうして、
目的とする2-(8'-(N-イミダゾリル))オクタノイルオキ
シメチル)-5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α,-O-ピ
バルアミドフェニル)ポルフィナトコバルト(II)錯体−
アルブミン二量体包接化合物の分散液を得た。
【0049】その可視吸収スペクトルはλmaxが540nm、
416nmであり、分子内軸塩基が1つ配位したデオキシ錯
体の形成を示した。この分散液は、室温又は4℃で数ヶ
月保存しても沈殿・凝集が認められず、きわめて安定で
あった。この分散液に酸素ガスを通気すると、直ちにス
ペクトルが変化し、λmax 547nm、416nmのスペクトルが
得られた。これは、アルブミンに包接されたポルフィリ
ンコバルト(II)錯体が酸素化錯体となっていることを明
らかに示すものである。この酸素化錯体分散液に窒素を
通気すると、可視吸収スペクトルは酸素化型スペクトル
から再びデオキシ型スペクトルへ変化し、これにより酸
素の吸脱着が可逆的に生起することが確認された。な
お、酸素及び窒素の通気を繰り返すことによって、酸素
の吸脱着を繰り返し行うことができた。また、上記酸素
化錯体の半寿命は、25℃において8時間以上であった。
【0050】[実施例5]実施例1で用いたポルフィリ
ン鉄(III)錯体の代わりに、8,13-ビス(1'-(オクタデカ
ン)エチル)-2-(2'-オクタデカンオキシカルボニル)エチ
ル)-18-(2'-(10''(2-メチルイミダゾリル)デカン)アミ
ノカルボニル)エチル-3,7,12,17-テトラメチル-ポルフ
ィナト鉄(III)錯体を用いた以外は、実施例1とまった
く同じ手法により、8,13-ビス(1'-(オクタデカン)エチ
ル)-2-(2'-オクタデカンオキシカルボニル)エチル)-18-
(2'-(10''(2-メチルイミダゾリル)デカン)アミノカルボ
ニル)エチル-3,7,12,17-テトラメチル-ポルフィナト鉄
(II)錯体−アルブミン二量体包接化合物の分散液を調製
した。一酸化炭素錯体の形成を示すスペクトル(λmax5
60nm、531nm、413nm)の水溶液中に、実施例1と同様に
酸素を通気することにより、酸素化錯体に相当する可視
吸収スペクトル(λmax 567nm、536nm、407nm)を得
た。この酸素化錯体の半寿命は25℃において1時間以内
であった。また、窒素の通気により可視吸収スペクトル
はλmaxが553nm、420nmへ移行し、デオキシ体を形成し
た。
【0051】[試験例1]実施例1の包接化合物につい
て、アルブミン二量体に対するポルフィリン鉄錯体の結
合数を決定したところ、結合数は16であった。デオキシ
体−オキシ体の繰り返しサイクルは25℃で50回以上観察
された。酸素親和度(P1/2(O2))は32 Torr(37℃)
であった。酸素結合解離平衡曲線より見積もった肺(11
0 Torr)−末梢組織(40 Torr)間の酸素運搬効率は22
%(37℃)であり、本包接化合物が赤血球代替物の酸素
運搬体として有効に作用することが示された。また、酸
素結合のエンタルピー/エントロピー変化から、本包接
化合物中の酸素配位錯体の挙動は赤血球中のヘモグロビ
ンとほぼ同じであることが明らかにされた。レーザーフ
ラッシュホトリシス法により求めた酸素結合解離速度定
数kon及びkoffは、それぞれ、2.4×107(M-1-1)及
び4.7×102(s-1)であり、本包接化合物は、体内を高
速流動したときにもそれに追随して十分に酸素を運搬す
る能力があることがわかる。また、例えば実施例1で合
成したヒト血清アルブミン二量体水溶液(5wt%)の膠
質浸透圧は、25℃で約9mmHgで、同濃度ヒト血清アルブ
ミン単量体水溶液の50%であった。このことから、ポル
フィリン金属錯体−アルブミン二量体包接化合物水溶液
の濃度を10 wt%とした場合でも、その膠質浸透圧は生
体内膠質浸透圧の約18 mmHgに留まることになり、酸素
結合席であるポルフィリン金属錯体の濃度は最大12 mM
にまで上昇させることができる。この値はヒト血液のヘ
ム濃度(9.2 mM)の1.3倍に相当する。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ポルフィリン金属錯体を酸素吸脱着部位として含有する
酸素運搬体として、生体適合性に優れ、生理的条件下で
も高濃度の酸素輸送能を示す置換ポルフィリン金属錯体
−アルブミン多量体包接化合物、およびこれを有効成分
とする酸素輸液剤が提供される。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルブミンのシステイン残基を介して二
    以上のアルブミン分子を架橋剤で分子間架橋したアルブ
    ミン多量体に、下記一般式(II)で表される5,10,15,20-
    テトラ[α,α,α,α,-O-(置換アミド)フェニル]ポルフ
    ィリン金属錯体または下記一般式(III)で表されるポル
    フィリン金属錯体を包接させてなるポルフィリン金属錯
    体−アルブミン多量体包接化合物。 【化1】 (一般式(II)において、R2は水素又はメチル基、Mは
    鉄又はコバルトイオン、mは0ないし17の整数、及びn
    は0ないし17の整数である) 【化2】 (一般式(III)において、R3はビニル基又は式 -(C
    3)CHO(CH2)hCH3で表される1-アルカンオキシ
    エチル基(ここで、hは0ないし17の整数)、R4は水素
    又はメチル基、Mは鉄又はコバルトイオン、jは0ない
    し17の整数、及びkは3ないし10の整数である)。
  2. 【請求項2】 前記アルブミンのシステイン残基がシス
    テイン34であり、前記架橋剤が下記一般式(I)で表され
    るビスマレイミド誘導体、トリスマレイミド誘導体また
    はテトラキスマレイミド誘導体である請求項1に記載の
    ポルフィリン金属錯体−アルブミン多量体包接化合物。 【化3】 (ここで、pは1ないし18の整数である)
  3. 【請求項3】 鉄又はコバルトが+2価の状態にある請
    求項1または2に記載のポルフィリン金属錯体−アルブ
    ミン多量体包接化合物。
  4. 【請求項4】 アルブミンがヒト血清アルブミン又は組
    換えヒト血清アルブミンである請求項1ないし3のいず
    れか1項に記載のポルフィリン金属錯体−アルブミン多
    量体包接化合物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    のポルフィリン金属錯体−アルブミン多量体包接化合物
    を有効成分として含む酸素輸液剤。
JP31870299A 1999-11-09 1999-11-09 ポルフィリン金属錯体−アルブミン多量体包接化合物、及びそれを有効成分とする酸素輸液剤 Expired - Lifetime JP3432190B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31870299A JP3432190B2 (ja) 1999-11-09 1999-11-09 ポルフィリン金属錯体−アルブミン多量体包接化合物、及びそれを有効成分とする酸素輸液剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31870299A JP3432190B2 (ja) 1999-11-09 1999-11-09 ポルフィリン金属錯体−アルブミン多量体包接化合物、及びそれを有効成分とする酸素輸液剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001131200A JP2001131200A (ja) 2001-05-15
JP3432190B2 true JP3432190B2 (ja) 2003-08-04

Family

ID=18102056

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31870299A Expired - Lifetime JP3432190B2 (ja) 1999-11-09 1999-11-09 ポルフィリン金属錯体−アルブミン多量体包接化合物、及びそれを有効成分とする酸素輸液剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3432190B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3945428B2 (ja) * 2003-03-14 2007-07-18 ニプロ株式会社 ポルフィリン化合物、そのアルブミン包接化合物および人工酸素運搬体
CN112263679B (zh) * 2020-10-26 2023-11-21 深圳先进技术研究院 一种靶向载氧纳米声敏剂及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001131200A (ja) 2001-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3628019B2 (ja) ニトロキシドを用いる酸素毒性の防止用組成物と防止法
Tsuchida et al. Artificial oxygen carriers, hemoglobin vesicles and albumin− hemes, based on bioconjugate chemistry
JP6083674B2 (ja) ヘモグロビン−アルブミン複合体、並びに該複合体を含む人工血漿増量剤及び人工酸素運搬体
Tsuchida et al. Human serum albumin incorporating tetrakis (o-pivalamido) phenylporphinatoiron (II) derivative as a totally synthetic O2-carrying hemoprotein
Charbe et al. A new era in oxygen therapeutics? From perfluorocarbon systems to haemoglobin-based oxygen carriers
JP3428225B2 (ja) ポルフィリン金属錯体−アルブミン包接化合物及び酸素運搬体
Inayat et al. Oxygen carriers: a selected review
JP3432190B2 (ja) ポルフィリン金属錯体−アルブミン多量体包接化合物、及びそれを有効成分とする酸素輸液剤
US20060166861A1 (en) Inclusion compound of porphyrin metal complex and albumin
US7285379B2 (en) Artificial oxygen carrier and production method thereof
JP2001072595A (ja) 安定保存可能な酸素輸液剤
Yamada et al. Zinc Substituted Myoglobin− Albumin Fusion Protein: A Photosensitizer for Cancer Therapy
Komatsu et al. Structural and mutagenic approach to create human serum albumin-based oxygen carrier and photosensitizer
WO2006016561A1 (ja) 表面修飾血清アルブミン-金属ポルフィリン複合体、およびそれを含有する酸素輸液
JP3429483B2 (ja) 一酸化窒素トラップ剤
WO1999018979A1 (en) Storage-stable hemoglobin composition
JP3945428B2 (ja) ポルフィリン化合物、そのアルブミン包接化合物および人工酸素運搬体
JP2007209543A (ja) 表面修飾アルブミンからなる固相膜および酸素吸着膜
JP2007099900A (ja) アルブミンクラスター、アルブミン−金属ポルフィリン錯体クラスター、およびそれを含有する人工酸素運搬体
JP4763265B2 (ja) メト化防止剤を含有する人工酸素運搬体
Chang Nanobiotechnological modification of hemoglobin and enzymes from this laboratory
Tsuchida et al. Preservation stability and in vivo administration of albumin–heme hybrid solution as an entirely synthetic O2‐carrier
WO2006001429A1 (ja) スクシンイミジル基を持つポルフィリン化合物もしくはその金属錯体、ポルフィリン金属錯体結合アルブミンおよびそれを含有する酸素輸液
Sakai et al. Functional evaluation of hemoglobin‐and lipidheme‐vesicles as red cell substitutes
JP2006232818A (ja) ポルフィリン金属錯体とアルブミンとの包接化合物

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3432190

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090523

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150523

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term