JP3431673B2 - ライン照明装置及びライン読取装置 - Google Patents

ライン照明装置及びライン読取装置

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JP3431673B2
JP3431673B2 JP33059493A JP33059493A JP3431673B2 JP 3431673 B2 JP3431673 B2 JP 3431673B2 JP 33059493 A JP33059493 A JP 33059493A JP 33059493 A JP33059493 A JP 33059493A JP 3431673 B2 JP3431673 B2 JP 3431673B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ライン状に連設した発
光素子で照明位置をライン状に照明するライン照明装置
と、このようなライン照明装置で照明されたライン状の
照明位置をライン状に連設された受光素子で読取るライ
ン読取装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的なイメージスキャナは、二次元の
読取画像を副走査方向に連続する主走査ラインとして読
取るようになっているので、読取画像をライン状に読取
るライン読取装置を具備しており、このようなライン読
取装置には読取画像をライン状に照明するライン照明装
置が一体化されている。
【0003】ここで、このようなライン照明装置は、例
えば、LED(Light Emitting Diode)等の多数の発光素
子をライン状に連設して発光素子アレイを形成し、この
発光素子アレイの光軸上に細長い集光レンズを配置した
構造などとなっている。そこで、このようなライン照明
装置は、発光素子アレイのライン状の出射光を集光レン
ズで照明位置にライン状に集光することになるので、こ
の照明位置に配置された読取画像をライン状に照明する
ことができる。
【0004】そして、このようなライン照明装置を具備
したライン読取装置は、CCD(Charge Coupled Devic
e)等の受光素子をライン状に連設して受光素子アレイ
を形成し、この受光素子アレイの光軸上に等倍結像素子
を配置し、この等倍結像素子の結像位置をライン照明装
置の照明位置とした構造などとなっている。そこで、こ
のようなライン読取装置では、ライン照明装置でライン
状に照明された読取画像のライン状の反射光が、等倍結
像素子で受光素子アレイにライン状に結像されるので、
この受光素子アレイで読取画像をライン状に読取ること
ができる。
【0005】そして、上述のようなライン読取装置を利
用したイメージスキャナは、例えば、読取原稿を表面で
照明位置に配置するカバーガラスを設け、このカバーガ
ラスの裏面下に、主走査方向と平行なライン読取装置を
副走査方向に移動自在に配置した構造などとなってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなライン照
明装置では、読取画像などをライン状に照明することが
でき、上述のようなライン読取装置では、読取画像など
をライン状に読取ることができる。
【0007】しかし、上述のようなライン照明装置で
は、読取画像を一方向から照明することになるので、例
えば、用紙を部分的に貼付した原稿や、シワのある原稿
などを読取る場合には、その凹凸に対応して画像表面に
影が発生することになる。このため、このようなライン
照明装置で上述のような原稿を読取った場合、その読取
画像に影が発生して品質が低下することになる。
【0008】例えば、このような課題を解決したライン
読取装置としては、受光素子アレイの両側に発光素子ア
レイを配置したものがあり、この場合は読取画像を二方
向から照明するので微小な凹凸による影の発生を防止す
ることができる。
【0009】しかし、このようなライン読取装置は、二
つの発光素子アレイと二つの集光レンズとを個々に対向
配置して一つの受光素子アレイの両側に一つずつ分散配
置することになるので、これは二個のライン照明装置を
受光素子アレイの両側に一個ずつ配置することと同等で
あり、部品数が増大して小型軽量化や生産性向上が阻害
されることになる。
【0010】また、上述のように受光素子アレイの両側
にライン照明装置を配置したライン読取装置では、受光
素子アレイに入射する迷光も倍増するために読取品質が
低下しがちである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項記載のライン照
明装置の発明は、断面形状が半円形の二個のシリンドリ
カルレンズを平面部で一体に接合して円柱状レンズを形
成し、多数の発光素子がライン状に連設された発光素子
アレイを設け、この発光素子アレイと前記円柱状レンズ
とを長手方向で平行に配置して前記平面部を前記発光素
子の出射光軸に対して傾斜させ、前記発光素子アレイか
ら出射されて前記円柱状レンズを透過する際に前記平面
部で反射された光路と前記平面部で反射されることなく
前記円柱状レンズを透過した光路との少なくとも一方を
偏向して両方を一つの照明位置に入射させる偏向光学系
を形成した。
【0012】請求項記載の発明は、円柱状レンズの外
周面に少なくとも一つの平面部を形成し、多数の発光素
子がライン状に連設された発光素子アレイを設け、この
発光素子アレイと前記円柱状レンズとを前記発光素子ア
レイの出射光軸上に前記円柱状レンズの中心を位置させ
長手方向で平行に配置して前記平面部を前記発光素子の
出射光軸と略平行に位置させ、前記発光素子アレイから
出射されて前記円柱状レンズを透過する際に前記平面部
で反射された光路と前記平面部で反射されることなく前
記円柱状レンズを透過した光路との少なくとも一方を偏
向して両方を一つの照明位置に入射させる偏向光学系を
形成した。
【0013】請求項記載の発明は、多数の発光素子が
ライン状に連設された発光素子アレイを設け、この発光
素子アレイを包囲する位置に透光部材を配置し、この透
光部材の前記発光素子アレイの出射光軸から偏向した位
置の外面に円柱状の屈折面を形成し、前記発光素子アレ
イの出射光を前記屈折面に反射する平面状の反射面を前
記透光部材の外面に形成し、前記発光素子アレイから出
射されて前記平面部で反射されると共に前記屈折面を透
過した光路と前記平面部で反射されることなく前記屈折
面を透過した光路との少なくとも一方を偏向して両方を
一つの照明位置に入射させる偏向光学系を形成した。
【0014】請求項記載のライン読取装置の発明は、
請求項1,2又は3記載のライン照明装置と照明位置と
の間に透光性のカバープレートを配置し、このカバープ
レートを介して前記照明位置と対向する位置にライン読
取手段を配置し、このライン読取手段に入射する迷光を
遮断する遮光部を前記カバープレートの表裏面の少なく
とも一方に設けた。
【0015】請求項記載のライン読取装置の発明は、
請求項1,2又は3記載のライン照明装置の照明位置に
ルーフミラーレンズアレイを対向配置し、このルーフミ
ラーレンズアレイの結像位置に多数の受光素子がライン
状に連設された受光素子アレイを配置した。
【0016】
【作用】請求項1ないし記載の発明は、発光素子アレ
イが出射する光路を複数に分割してから一つの照明位置
に収束することで、この照明位置を複数の方向から照明
する。
【0017】請求項記載の発明は、照明位置を複数方
向から照明する差に増大する迷光を遮光部で遮断するこ
とで、画像読取手段の読取品質を改善する。
【0018】請求項記載の発明は、照明位置の読取画
像をルーフミラーレンズアレイで受光素子アレイに結像
することで、画像読取装置を小型化する。
【0019】
【実施例】本発明の第一の参考例を図1に基づいて以下
に説明する。まず、このライン照明装置1では、発光素
子である多数のLED2がライン状に連設された二列の
LEDアレイ3,4が、一個の絶縁基板5の表面に長手
方向で平行に形成されており、この絶縁基板5の上方で
前記LEDアレイ3,4と長手方向で平行に対向する位
置に、一個の円柱状レンズ6が配置されている。なお、
この円柱状レンズ6とは、略完全に円柱形で屈折率部分
も均一な透光体で形成されており、一般的に円柱レンズ
と呼称されるシリンドリカルレンズとは相違している。
【0020】このような構成において、このライン照明
装置1は、二つのLEDアレイ3,4のライン状の出射
光が一個の円柱状レンズ6で一つの照明平面7の二箇所
にライン状に集光されることになる。なお、このライン
照明装置1のLEDアレイ3,4のLED2は、その全
部の発光スペクトルが同一となっているので、この出射
光が円柱状レンズ6で屈折する場合の角度は同一であ
る。
【0021】つぎに、本発明の第二の参考例を図2に基
づいて以下に説明する。なお、本参考例で例示するライ
ン照明装置8に関し、前述したライン照明装置1と同一
の部分は、同一の名称と符号とを利用して詳細な説明は
省略する。
【0022】本実施例のライン照明装置8は、前述した
ライン照明装置1の円柱状レンズ6の両側上方に偏向光
学系である二個の反射ミラー9,10を一個ずつ配置
し、これらの反射ミラー9,10の上方に位置する照明
平面7の中央部をライン状の一つの照明位置11とした
構造となっている。
【0023】このような構成において、このライン照明
装置8では、照明平面7の一つの照明位置11を二方向
から照明することができるので、この照明位置11に、
用紙を部分的に貼付した原稿やシワのある原稿(共に図
示せず)などを配置しても、その表面に影が発生するこ
とがない。このため、このようなライン照明装置8をラ
イン読取装置(図示せず)に組込んだ場合、上述のよう
な原稿を照明して表面を読取っても、この読取画像に影
が発生して品質が低下することがない。
【0024】しかも、このライン照明装置1では、占有
容積が多大で生産性も良好でない部品である円柱状レン
ズ6は一個とし、占有容積が微小で生産性も良好な部品
であるLEDアレイ3,4と反射ミラー9,10とを二
個にするだけで、一つの照明位置11を二方向から照明
するようになっているので、小型軽量化や生産性向上に
寄与するようになっている。
【0025】つぎに、参考例として示すライン照明装置
を、ライン読取装置と共に、図3及び図4に基づいて以
下に説明する。なお、本参考例で例示するライン照明装
置12に関し、前述したライン照明装置8等と同一の部
分は、同一の名称と符号とを利用して詳細な説明は省略
する。
【0026】まず、このライン読取装置12の一部であ
るライン照明装置13は、図3に例示するように、一つ
の照明位置11と一個の円柱状レンズ6の光学中心とを
結ぶ直線上に一方の発光素子アレイ3のみを位置させて
第一の光路を最短とし、他方の発光素子アレイ4から出
射されて円柱状レンズ6を透過する第二の光路を照明位
置11に偏向する偏向光学系である反射ミラー14を設
けた構造となっている。
【0027】そこで、上述のような構造のライン照明装
置13を一部とするライン読取装置12は、照明位置1
1にルーフミラーレンズアレイ15を対向配置し、この
ルーフミラーレンズアレイ15の結像位置に、CCD等
の多数の受光素子16が絶縁基板17上にライン状に連
設された一つの受光素子アレイ18を配置した構造とな
っている。なお、このライン読取装置12では、上述の
ような配置を実現するため、照明位置11と対向する開
口孔19が形成された本体ハウジング20の内部に所定
形状の内部フレーム21を設け、この内部フレーム21
で前記ライン照明装置13や前記ルーフミラーレンズア
レイ15や前記絶縁基板17等を支持している。
【0028】ここで、このライン読取装置12の前記ル
ーフミラーレンズアレイ15では、同図及び図4に例示
するように、照明位置11に直線上で順次対向する位置
に、多数の集光レンズ22が所定ピッチでライン状に連
設されたレンズアレイ23と、各々入射光を二回の反射
で略逆方向に偏向する多数のルーフミラー24を前記集
光レンズ22と同一ピッチでライン状に連設したミラー
アレイ25とが配置されている。さらに、このルーフミ
ラーレンズアレイ15では、前記ミラーアレイ25で偏
向されて前記レンズアレイ23を透過した光路上にライ
ン状に細長い反射ミラー26が配置されており、この反
射ミラー26で反射された光路上に、前記受光素子アレ
イ18が位置するようになっている。
【0029】このような構成において、このライン読取
装置12のライン照明装置13では、二つのLEDアレ
イ3,4から出射されて一個の円柱状レンズ6を透過し
た第一・第二の光路の一方のみを一個の反射ミラー14
で偏向することで、一つのライン状の照明位置11を二
方向から照明するようになっている。
【0030】このようにすることで、このライン照明装
置13では、照明位置11に表面が凹凸の原稿(図示せ
ず)などを配置しても、この照明する表面に影が発生す
ることがないので、このライン照明装置13を一部とし
て組込んだライン読取装置12では、上述のような原稿
の読取画像に影が発生して品質が低下することがない。
【0031】しかも、このライン照明装置13では、上
述のように第一・第二の光路の一方のみを反射ミラー1
4で偏向して両方を一つの照明位置11に入射させるよ
うになっているので、第一・第二の光路の両方を反射ミ
ラー9,10で偏向する前述のライン照明装置8などに
比較しても、その部品数が削減されて小型軽量化や生産
性向上に寄与することができる。
【0032】さらに、このライン読取装置12では、照
明位置11の読取画像を受光素子アレイ18に結像する
等倍結像光学系をルーフミラーレンズアレイ15で形成
しているので、通常は占有容積が多大な結像光学系が小
型化されており、その全体の小型軽量化に寄与するよう
になっている。
【0033】なお、このライン読取装置12のライン照
明装置13では、LEDアレイ3から出射されて円柱状
レンズ6で照明位置11より奥側に収束される第一の光
路と、LEDアレイ4から出射されて円柱状レンズ6で
反射ミラー14を介して照明位置11の手前に収束され
る第二の光路とでは、第一の光路より第二の光路は極め
て長くなっており、照明位置11の表面での第一・第二
の光路の収束率は同等となっている。
【0034】しかし、図5に例示するように、各部の配
置を調節することで、第一・第二の光路の長さの格差を
軽減すると共に、照明位置11の表面での収束率を第二
の光路が第一の光路より向上させたライン照明装置27
及びライン読取装置28なども実施可能である。このよ
うにすることで、このライン照明装置27は、照明位置
11での第一・第二の光路の照度を同等にすることがで
きるので、より良好に原稿の凹凸の影を防止することが
できる。
【0035】つぎに、請求項記載の発明の一実施例で
あるライン照明装置を、請求項記載の発明の一実施例
であるライン読取装置と共に、図6に基づいて以下に説
明する。なお、本実施例で例示するライン読取装置29
及びライン照明装置30に関し、前述したライン読取装
置12及びライン照明装置13と同一の部分は、同一の
名称と符号とを利用して詳細な説明は省略する。
【0036】まず、このライン読取装置29の一部であ
るライン照明装置30は、絶縁基板5の表面にLEDア
レイ31が一つだけ形成されており、断面形状が半円形
の二個のシリンドリカルレンズ32,33を平面部34
で一体に接合することで円柱状レンズ35が形成されて
いる。そして、この円柱状レンズ35は、前記LEDア
レイ31と長手方向で平行な状態で、前記平面部34が
LED2の出射光軸に対して傾斜するように配置されて
いる。
【0037】そこで、このライン照明装置30では、前
記発光素子アレイ31から出射されて前記円柱状レンズ
35を透過する際に前記平面部34で反射された第一の
光路が照明位置11に直接的に入射し、前記平面部34
で反射されることなく前記円柱状レンズ35を透過した
第二の光路は反射ミラー14で偏向されて照明位置11
に入射するようになっている。
【0038】このような構成において、このライン読取
装置29のライン照明装置30では、一つのLEDアレ
イ31から出射されて円柱状レンズ35を透過する際に
平面部34で反射された第一の光路は照明位置11に直
接的に入射し、平面部34で反射されることなく円柱状
レンズ35を透過した第二の光路は反射ミラー14で偏
向されて照明位置11に入射することで、一つのライン
状の照明位置11を二方向から照明するようになってい
る。
【0039】このようにすることで、このライン照明装
置30では、照明位置11に表面が凹凸の原稿(図示せ
ず)などを配置しても、この照明する表面に影が発生す
ることがないので、このライン照明装置30を一部とし
て組込んだライン読取装置29では、上述のような原稿
の読取画像に影が発生して品質が低下することがない。
【0040】しかも、このライン照明装置30では、上
述のように一つのLEDアレイ31の出射光から第一・
第二の光路を形成して一つの照明位置11を二方向から
照明するようになっているので、二つのLEDアレイ
3,4を設けた前述のライン照明装置13,27などに
比較しても、生産性向上や省電力化に寄与することがで
きる。
【0041】なお、本実施例のライン照明装置30で
は、円柱状レンズ35の平面部34で反射された第一の
光路は直接的は照明位置11に入射し、平面部34で反
射されない第二の光路は偏向光学系である反射ミラー1
4の偏向で照明位置11に入射することを例示したが、
本発明は上記実施例に限定されるものではない。例え
ば、円柱状レンズの平面部で反射された第一の光路は偏
向光学系の偏向で照明位置に入射し、平面部で反射され
ない第二の光路は直接的に照明位置に入射するライン照
明装置(図示せず)や、このような第一・第二の光路の
両方が偏向光学系で偏向されて一つの照明位置に入射す
るライン照明装置(図示せず)なども実施可能である。
【0042】つぎに、請求項記載の発明の一実施例で
あるライン照明装置を、請求項記載の発明の一実施例
であるライン読取装置と共に、図7に基づいて以下に説
明する。なお、本実施例で例示するライン読取装置36
及びライン照明装置37に関し、前述したライン読取装
置29及びライン照明装置30等と同一の部分は、同一
の名称と符号とを利用して詳細な説明は省略する。
【0043】まず、このライン読取装置36の一部であ
るライン照明装置37では、一つの平面部38が外周面
に形成された円柱状レンズ39が、長手方向がLEDア
レイ31と平行で前記平面部38がLED2の出射光軸
と平行な状態に配置されている。
【0044】そこで、このライン照明装置37では、前
記LEDアレイ31から出射されて前記平面部38で反
射されることなく前記円柱状レンズ39を透過した第一
の光路が照明位置11に直接的に入射し、前記円柱状レ
ンズ39を透過する際に前記平面部38で反射された第
二の光路は反射ミラー14で偏向されて照明位置11に
入射するようになっている。
【0045】このような構成において、このライン読取
装置36のライン照明装置37では、一つのLEDアレ
イ31から出射されて平面部38で反射されることなく
円柱状レンズ39を透過した第一の光路は照明位置11
に直接的に入射し、円柱状レンズ39を透過する際に平
面部38で反射された第二の光路は反射ミラー14で偏
向されて照明位置11に入射することで、一つのライン
状の照明位置11を二方向から照明するようになってい
る。
【0046】このようにすることで、このライン照明装
置37では、照明位置11に表面が凹凸の原稿(図示せ
ず)などを配置しても、この照明する表面に影が発生す
ることがないので、このライン照明装置37を一部とし
て組込んだライン読取装置36では、上述のような原稿
の読取画像に影が発生して品質が低下することがない。
【0047】しかも、このライン照明装置37では、上
述のように一つのLEDアレイ31の出射光から第一・
第二の光路を形成して一つの照明位置11を二方向から
照明するようになっているので、二つのLEDアレイ
3,4を設けた前述のライン照明装置13,27などに
比較しても、生産性向上や省電力化に寄与することがで
きる。
【0048】なお、本実施例のライン照明装置37で
は、円柱状レンズ39の平面部38で反射されない第一
の光路は直接的に照明位置11に入射し、平面部38で
反射された第二の光路は偏向光学系である反射ミラー1
4の偏向で照明位置11に入射することを例示したが、
本発明は上記実施例に限定されるものではない。例え
ば、円柱状レンズの平面部で反射された第一の光路は直
接的に照明位置に入射し、平面部で反射されない第二の
光路は偏向光学系の偏向で照明位置に入射するライン照
明装置(図示せず)や、このような第一・第二の光路の
両方が偏向光学系で偏向されて一つの照明位置に入射す
るライン照明装置(図示せず)なども実施可能である。
【0049】つぎに、請求項記載の発明の別の一実施
例であるライン照明装置を、請求項記載の発明の一実
施例であるライン読取装置と共に、図8に基づいて以下
に説明する。なお、本実施例で例示するライン読取装置
40及びライン照明装置41に関し、前述したライン読
取装置36及びライン照明装置37等と同一の部分は、
同一の名称と符号とを利用して詳細な説明は省略する。
【0050】そこで、このライン読取装置40の一部で
あるライン照明装置41では、LEDアレイ31から出
射されて前記平面部38で反射されることなく円柱状レ
ンズ39を透過した第一の光路が照明位置11に直接的
に入射し、円柱状レンズ39を透過する際に平面部38
で反射された第二の光路は凹面ミラー42で偏向されて
照明位置11に入射するようになっている。つまり、こ
のライン照明装置41では、第二の光路を照明位置11
に偏向する偏向光学系が、入射光を偏向すると共に収束
する集光素子である凹面ミラー42で形成されているの
で、この凹面ミラー42で反射されて照明位置11に入
射する第二の光路が収束するようになっている。
【0051】このような構成において、このライン読取
装置40のライン照明装置41では、一つのLEDアレ
イ31から出射されて平面部38で反射されることなく
円柱状レンズ39を透過した第一の光路は照明位置11
に直接的に入射し、円柱状レンズ39を透過する際に平
面部38で反射された第二の光路は凹面ミラー42で偏
向されると共に収束されて照明位置11に入射すること
で、一つのライン状の照明位置11を二方向から照明す
るようになっている。
【0052】このようにすることで、このライン照明装
置41では、照明位置11に表面が凹凸の原稿(図示せ
ず)などを配置しても、この照明する表面に影が発生す
ることがないので、このライン照明装置41を一部とし
て組込んだライン読取装置40では、上述のような原稿
の読取画像に影が発生して品質が低下することがない。
【0053】しかも、このライン照明装置41では、第
二の光路を凹面ミラー42で偏向すると共に収束するこ
とで、第一の光路より低下しがちな第二の光路の照明位
置11での照度を向上させるようになっている。そこ
で、このライン照明装置41では、照明位置11での第
一・第二の光路の照度を同等に改善することができるの
で、より良好に原稿の凹凸の影を防止することができ
る。
【0054】つぎに、請求項記載の発明の一実施例で
あるライン照明装置を、請求項記載の発明の一実施例
であるライン読取装置と共に、図9に基づいて以下に説
明する。なお、本実施例で例示するライン読取装置43
及びライン照明装置44に関し、前述したライン読取装
置40及びライン照明装置41等と同一の部分は、同一
の名称と符号とを利用して詳細な説明は省略する。
【0055】そこで、このライン読取装置43の一部で
あるライン照明装置44では、一つのLEDアレイ31
が形成された絶縁基板5の表面が斜め下方に向いてお
り、この絶縁基板5の表面に、円柱状レンズ6の外周面
を部分的に台形様に延長してLEDアレイ31を包囲さ
せたような形状の透光部材45が形成されている。そこ
で、この断面形状が水滴様の透光部材45は、LEDア
レイ31の出射光軸から偏向した位置の外面に円柱状の
屈折面46が形成されており、LEDアレイ31の出射
光を前記屈折面46に反射する平面状の反射面47が外
面に形成されている。
【0056】そして、このライン照明装置44では、L
EDアレイ31から出射されて前記透光部材45の前記
反射面47で反射されてから前記屈折面46を透過した
第一の光路が照明位置11に直接的に入射し、前記反射
面47で反射されることなく前記屈折面46を透過した
第二の光路は凹面ミラー42で偏向されると共に収束さ
れて照明位置11に入射するようになっている。
【0057】このような構成において、このライン読取
装置43のライン照明装置44では、一つのLEDアレ
イ31から出射されて透光部材45の反射面47で反射
されてから屈折面46を透過した第一の光路は照明位置
11に直接的に入射し、反射面47で反射されることな
く屈折面46を透過した第二の光路は凹面ミラー42で
偏向されると共に収束されて照明位置11に入射するこ
とで、一つのライン状の照明位置11を二方向から照明
するようになっている。
【0058】このようにすることで、このライン照明装
置44では、照明位置11に表面が凹凸の原稿(図示せ
ず)などを配置しても、この照明する表面に影が発生す
ることがないので、このライン照明装置44を一部とし
て組込んだライン読取装置43では、上述のような原稿
の読取画像に影が発生して品質が低下することがない。
【0059】なお、本実施例のライン照明装置44で
は、透光部材45の反射面47で反射された第一の光路
は直接的に照明位置11に入射し、反射面47で反射さ
れた第二の光路は偏向光学系である凹面ミラー42の偏
向で照明位置11に入射することを例示したが、本発明
は上記実施例に限定されるものではない。例えば、透光
部材の反射面で反射された第一の光路は偏向光学系の偏
向で照明位置に入射し、反射面で反射されない第二の光
路は直接的に照明位置に入射するライン照明装置(図示
せず)や、このような第一・第二の光路の両方が偏向光
学系で偏向されて一つの照明位置に入射するライン照明
装置(図示せず)なども実施可能である。
【0060】つぎに、請求項記載の発明の一実施例で
あるライン読取装置を、本発明の一参考例であるライン
照明装置13と共に、図10に基づいて以下に説明す
る。なお、本実施例で例示するライン読取装置48に関
し、前述したライン読取装置12と同一の部分は、同一
の名称と符号とを利用して詳細な説明は省略する。
【0061】まず、このライン読取装置48では、照明
位置11に対向する本体ハウジング20の開口孔19
が、透光性のカバープレートであるカバーガラス49で
遮蔽されることで、ルーフミラーレンズアレイ15と受
光素子アレイ18とからなるライン読取手段50とライ
ン照明装置13とが、前記カバーガラス49を介して照
明位置11に対向しており、このカバーガラス49の裏
面には、前記ライン読取手段50に入射する迷光を遮断
する遮光部である遮光膜51が部分的に成膜されてい
る。
【0062】このような構成において、このライン読取
装置48では、二つのLEDアレイ3,4から出射され
て一個の円柱状レンズ6を透過して一方のみが反射ミラ
ー14で反射された第一・第二の光路で一つの照明位置
11を二方向から照明することで、表面が凹凸の原稿
(図示せず)の読取画像の影を防止するようになってい
る。
【0063】しかも、このライン読取装置48では、上
述のように照明位置11を二方向から照明することで発
生する迷光も増化しているが、この迷光がライン読取手
段50に入射することをカバーガラス49の遮光膜51
で防止するようになっているので、その読取品質の向上
に寄与することができる。
【0064】
【発明の効果】請求項記載の発明は、一つの照明位置
を複数方向から照明することができるので、例えば、こ
の照明位置に配置した原稿の表面に凹凸の影が発生する
ことを防止でき、さらに、複数の光路を形成するために
発光素子アレイを複数にする必要がないので、生産性向
上や省電力化に寄与することができる等の効果を有する
ものである。
【0065】請求項記載の発明は、一つの照明位置を
複数方向から照明することができるので、例えば、この
照明位置に配置した原稿の表面に凹凸の影が発生するこ
とを防止でき、さらに、複数の光路を形成するために発
光素子アレイを複数にする必要がないので、生産性向上
や省電力化に寄与することができる等の効果を有するも
のである。
【0066】請求項記載の発明は、一つの照明位置を
複数方向から照明することができるので、例えば、この
照明位置に配置した原稿の表面に凹凸の影が発生するこ
とを防止でき、さらに、複数の光路を形成するために発
光素子アレイを複数にする必要がないので、生産性向上
や省電力化に寄与することができる等の効果を有するも
のである。
【0067】請求項記載の発明は、照明位置を複数方
向から照明することにより増大する迷光がライン読取手
段に入射することを防止できるので、読取品質の向上に
寄与することができる等の効果を有するものである。
【0068】請求項記載の発明は、通常は占有容積が
多大な結像光学系を小型化することができ、全体の小型
軽量化に寄与することができる等の効果を有するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のライン照明装置の第一の参考例を例示
する縦断側面図である。
【図2】本発明のライン照明装置の第二の参考例を例示
する縦断側面図である。
【図3】参考例として示すライン照明装置を一部とする
請求項7記載の発明のライン読取装置の一実施例を例示
する縦断側面図である。
【図4】ライン読取装置のルーフミラーレンズアレイを
例示する斜視図である。
【図5】参考例として示すライン照明装置を一部とする
請求項7記載の発明のライン読取装置の一変形例を例示
する縦断側面図である。
【図6】請求項記載の発明のライン照明装置を一部と
する請求項記載の発明のライン読取装置の一実施例を
例示する縦断側面図である。
【図7】請求項記載の発明のライン照明装置を一部と
する請求項記載の発明のライン読取装置の一実施例を
例示する縦断側面図である。
【図8】請求項記載の発明のライン照明装置を一部と
する請求項記載の発明のライン読取装置の別の一実施
例を例示する縦断側面図である。
【図9】請求項記載の発明のライン照明装置を一部と
する請求項記載の発明のライン読取装置の一実施例を
例示する縦断側面図である。
【図10】参考例として示すライン照明装置を一部とす
る請求項記載の発明のライン読取装置の一実施例を例
示する縦断側面図である。
【符号の説明】
1,8,13,27,30,37,41,44 ライン
照明装置 2 発光素
子 3,4,31 発光素
子アレイ 6,35,39 円柱状
レンズ 12,28,29,36,40,43,48 ライン
読取装置 14,42 偏向光
学系 15 ルーフ
ミラーレンズアレイ 16 受光素
子 18 受光素
子アレイ 32,33 シリン
ドリカルレンズ 34,38 平面部 45 透光部
材 46 屈折面 47 反射面 49 カバー
プレート 50 ライン
読取手段 51 遮光部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面形状が半円形の二個のシリンドリカ
    ルレンズを平面部で一体に接合して円柱状レンズを形成
    し、多数の発光素子がライン状に連設された発光素子ア
    レイを設け、この発光素子アレイと前記円柱状レンズと
    を長手方向で平行に配置して前記平面部を前記発光素子
    の出射光軸に対して傾斜させ、前記発光素子アレイから
    出射されて前記円柱状レンズを透過する際に前記平面部
    で反射された光路と前記平面部で反射されることなく前
    記円柱状レンズを透過した光路との少なくとも一方を偏
    向して両方を一つの照明位置に入射させる偏向光学系を
    形成したことを特徴とするライン照明装置。
  2. 【請求項2】 円柱状レンズの外周面に少なくとも一つ
    の平面部を形成し、多数の発光素子がライン状に連設さ
    れた発光素子アレイを設け、この発光素子アレイと前記
    円柱状レンズとを前記発光素子アレイの出射光軸上に前
    記円柱状レンズの中心を位置させ長手方向で平行に配置
    して前記平面部を前記発光素子の出射光軸と略平行に位
    置させ、前記発光素子アレイから出射されて前記円柱状
    レンズを透過する際に前記平面部で反射された光路と前
    記平面部で反射されることなく前記円柱状レンズを透過
    した光路との少なくとも一方を偏向して両方を一つの照
    明位置に入射させる偏向光学系を形成したことを特徴と
    するライン照明装置。
  3. 【請求項3】 多数の発光素子がライン状に連設された
    発光素子アレイを設け、この発光素子アレイを包囲する
    位置に透光部材を配置し、この透光部材の前記発光素子
    アレイの出射光軸から偏向した位置の外面に円柱状の屈
    折面を形成し、前記発光素子アレイの出射光を前記屈折
    面に反射する平面状の反射面を前記透光部材の外面に形
    成し、前記発光素子アレイから出射されて前記平面部で
    反射されると共に前記屈折面を透過した光路と前記平面
    部で反射されることなく前記屈折面を透過した光路との
    少なくとも一方を偏向して両方を一つの照明位置に入射
    させる偏向光学系を形成したことを特徴とするライン照
    明装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載のライン照明装
    置と照明位置との間に透光性のカバープレートを配置
    し、このカバープレートを介して前記照明位置と対向す
    る位置にライン読取手段を配置し、このライン読取手段
    に入射する迷光を遮断する遮光部を前記カバープレート
    の表裏面の少なくとも一方に設けたことを特徴とするラ
    イン読取装置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2又は3記載のライン照明装
    置の照明位置にルーフミラーレンズアレイを対向配置
    し、このルーフミラーレンズアレイの結像位置に多数の
    受光素子がライン状に連設された受光素子アレイを配置
    したことを特徴とするライン読取装置。
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