JP3431533B2 - 圧力センサ装置および製造方法 - Google Patents

圧力センサ装置および製造方法

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JP3431533B2
JP3431533B2 JP10274399A JP10274399A JP3431533B2 JP 3431533 B2 JP3431533 B2 JP 3431533B2 JP 10274399 A JP10274399 A JP 10274399A JP 10274399 A JP10274399 A JP 10274399A JP 3431533 B2 JP3431533 B2 JP 3431533B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力センサ装置に
関し、特に耐腐食性の圧力センサチップを用いた圧力セ
ンサ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、圧力センサ装置として、半導体圧
力センサチップを用いた圧力センサ装置がある。この半
導体圧力センサチップは、外部からの圧力に応じて変化
する半導体の抵抗成分を検出することにより、外部の圧
力変化を測定するものであり、接着剤などで圧力センサ
装置のボディ部に固定されて用いられる。
【0003】この種の半導体圧力センサチップのほとん
どはセンサ自身がシリコンなどから構成されており腐食
性物質に弱いため、外側に耐腐食性のダイヤフラムを設
け、その内側に封入液を介在させて半導体への圧力伝達
を行っていた。しかしながら、封入液を用いているため
それが漏れる可能性があり、食品などを加工する場所な
ど不純物の混入を許さない場所において使用できない場
合もあった。
【0004】また、温度変化によって封入液の体積が変
化して誤差となったり、ダイヤフラムを水素などの気体
が透過して封入液中で気化し、圧力の伝達に誤差を与え
る場合もあった。これに対して、最近では、センサチッ
プをサファイアなどの腐食に強い材料で構成することが
可能となり、これを用いれば封入液や外部のダイヤフラ
ムを用いる必要がなくなり、使用場所が飛躍的に広がる
ことが期待されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな耐腐食性を有するセンサチップをボディ部に固定す
る場合に、従来の半導体圧力センサチップと同様に樹脂
製の接着剤を用いて固定した場合は、腐食性を有する物
質により接着剤が腐食することから、このような腐食性
物質と接触する場所では直接使用できず、センサチップ
の有する耐腐食性を十分に生かすことができないという
問題点があった。本発明はこのような課題を解決するた
めのものであり、腐食性を有する物質と接触する場所で
も安定して測定できる圧力センサ装置および製造方法を
提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明による圧力センサ装置は、筐体がサフ
ァイヤからなり、感圧部が設けられている受圧面の表面
に耐腐食性を有するセンサチップと、受圧面側に開口部
を有し、その内側にセンサチップを支持する耐腐食性の
ボディ部と、金属を拡散させたサファイアを介してセン
サチップの筐体と接合される耐腐食性の薄膜からなり、
センサチップの感圧部を除く受圧面側表面とボディ部の
受圧面側内壁面とを覆うカバーとを備えるものである。
したがって、耐食性を有する薄膜のカバーによりセンサ
チップとボディ部との接合部分が覆われて密閉され、腐
食性物質に接触することなく圧力測定が行われる。
【0007】また、それぞれ感圧部が設けられている対
向する2つの受圧面の表面に耐腐食性を有するセンサチ
ップと、このセンサチップとほぼ同じか薄い厚さを有
し、中央の穴にセンサチップが配置される支持部材と、
耐腐食性の薄膜からなり、センサチップの感圧部を除く
受圧面側表面と支持部材の受圧面側表面とを上下両方の
面側から覆う2つのカバーと、両受圧面側にそれぞれ開
口部を有し、これら開口部の中間にセンサチップが位置
するように、センサチップ周辺の支持部材を支持する耐
腐食性のボディ部とを備えるものである。したがって、
支持部材とセンサチップとの隙間がカバーで覆われて密
封されるとともに、支持部材の中央の穴に、耐食性を有
する薄膜のカバーを介してセンサチップがフローティン
グ状態で支持される。
【0008】また、本発明による圧力センサ装置の製造
方法は、サファイアからなる筐体を用いて構成されたセ
ンサチップ表面のうち、感圧部が設けられた受圧面側の
サファイア表面に金属薄膜を形成し、感圧部を除く領域
の金属薄膜上にステンレスの溶接リングを圧接して加熱
することにより溶接リングとサファイアとを接合し、そ
の溶接リングとステンレスからなる薄膜のカバーとを溶
接することによりセンサチップにカバーを接合し、カバ
ーが接合されたセンサチップを、受圧面側に開口部を有
する耐腐食性のボディ部の内側に支持し、センサチップ
に接合されているカバーとボディ部の受圧面側内壁面と
を溶接するようにしたものである。また、金属薄膜とし
て、加熱により溶接リング側およびサファイア側の両方
に拡散する金属、具体的にはCr,Ni,Ti,Nb,
Mn,Mo,Mg,Alのいずれかまたはこれらを含む
合金を用いるようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態による
圧力センサ装置を示す構成図であり、(a)は受圧面側
(接液面側)から見た平面図、(b)は側面断面図、
(c)は底面側から見た平面図を示している。
【0010】本実施の形態による圧力センサ装置は、耐
腐食性の材料からなる容量式圧力センサチップ(以下、
センサチップという)2、センサチップ2を支持するボ
ディ部1、センサチップ2とボディ部1との接合部分を
受圧面側から密閉するカバー3とから構成されている。
【0011】センサチップ2としては、例えば、図5に
示すような容量式圧力センサチップが用いられる。図5
はセンサチップの構成例を示す説明図であり、(a)は
斜視図、(b)は平面透視図である。このセンサチップ
は、サファイア基板からなる基台101と、ダイヤフラ
ム102とから構成されている。
【0012】基台101のほぼ中央には、凹部すなわち
容量室101aが設けられており、ダイヤフラム102
は、この容量室101aを取り巻くリム部101bの主
表面に接合され、容量室101aを密閉している。容量
室101aの底部には固定電極103が設けられてお
り、またこれに対向してダイヤフラム102の容量室1
01a側に可動電極104が設けられており、これら固
定電極103と可動電極104とで容量素子(コンデン
サ)が形成される。
【0013】ここで、外部から圧力を受けた場合、ダイ
ヤフラム102が容量室101a方向にたわむため、固
定電極103と可動電極104との距離が小さくなり、
その間の容量が変化する。したがって、この容量変化を
外部から電気的に検出することにより、ダイヤフラム1
02が受けた圧力を測定できる。
【0014】図1において、ボディ部1は貫通孔を有す
る筒体からなり、ステンレスなどの耐腐食性の金属部材
から構成されている。ボディ部1の貫通孔内側には、そ
の受圧面側開口部1C側にカバー3を支持する支持部1
Aが設けられており、また底面側開口部1D側にセンサ
チップ2の底部を支持する支持部1Bが設けられてい
る。
【0015】支持部1Bの内径は円盤形状のセンサチッ
プ2の外径より小さく、センサチップ2の底部外周側2
Cが支持部1Bの段部に係止され、その接合部6が軟ロ
ウ付けまたは硬ロウ付け(以下、これらをロウ付けとい
う)や接着剤で接着されている。また、センサチップ2
の電極取り出し配線2Pが、ボディ部1の底面側開口部
1Dを介して外部に導かれている。
【0016】支持部1Aの内径はセンサチップ2の外径
より僅かに大きく、支持部1Aの内周面とセンサチップ
2の外周面との接合部7が、ロウ付けや接着剤で接着さ
れている。この支持部1Aの受圧面側開口部1C側の側
面1Eとセンサチップ2の受圧面側周部2Bとがカバー
3で密閉されている。
【0017】カバー3は、ステンレスなどの耐腐食性を
有するドーナツ板状の金属箔(ダイヤフラム)からな
り、その外径は受圧面側開口部1Cの内径より僅かに小
さくなっている。また、内径はセンサチップ2の感圧部
2Aの外径より僅かに大きくなっており、感圧部2Aに
よる正確な圧力測定の妨げにならない。
【0018】そして、カバー3の外周部は溶接5により
ボディ部1の内壁に固着され、センサチップ2の受圧面
周辺部2Bと接触する内周部は、ステンレス薄膜からな
るドーナツ状の溶接リング4を介してレーザ溶接などに
より固着されている。したがって、ボディ部1とセンサ
チップ2との接合部7が、受圧面側から耐腐食性のカバ
ー3で覆われているため、その接合部7に腐食性の物質
が接触しなくなる。
【0019】これにより、接合部7の接着技術として耐
腐食性のあるものに限定されず、適用できる接着技術の
自由度が大幅に拡大され、例えば耐腐食性の低い接着剤
やハンダあるいは銀などの低融点金属を充填してもよ
く、腐食性を有する物質と接触する場所でも安定して圧
力測定できる。
【0020】なお、接合部7を充填せずクリアランスと
して微細な隙間を設けておいてもよく、このような場合
もカバー3によりその隙間への不純物の滞留が阻止さ
れ、衛生面が重要視される食品加工などサニタリーの分
野でも有効に利用できる。また、センサチップ2の受圧
面周辺部2Bと支持部1Aの受圧面側開口部1C側の側
面1Eとが、ほぼ同一面上に位置するように両者を面一
に配置してもよく、これにより接合部7での段差がなく
なって不純物の付着を抑制でき、サニタリーの分野でも
有効に利用できる。
【0021】なお、以上の説明では、ボディ部1にセン
サチップ2を直接固定する場合を例にして説明したが、
図2に示すように、金属、セラミックあるいはガラスな
どからなる台座を介して、ボディ部1にセンサチップ2
を固定する場合にも適用できる。図2は他の圧力センサ
装置を示す構成図であり、(a)は受圧面側(接液面
側)から見た平面図、(b)は側面断面図、(c)は底
面側から見た平面図を示している。
【0022】支持部材8の受圧面側中央には、センサチ
ップ2を支持する凹部8Aが設けられており、凹部8A
の底面8Bとセンサチップ2の底面2Dとの接合部9
が、接着剤やロウ付け、またはガラスハーメチックシー
ルで接着されている。また、支持部1Bの内径は円筒形
の支持部材8の外径より小さく、支持部材8の底部外周
側8Cが支持部1Bの段部に係止され、その接合部10
が接着剤やロウ付けで接着されている。
【0023】なお、センサチップ2の電極取り出し配線
2Pが、支持部材8の凹部8Aと底部8Cとを連結する
絶縁処理された穴、およびボディ部1の底面側開口部1
Dを介して外部に導かれている。この場合も図1と同様
に、カバー3により、センサチップ2の外周面と支持部
材8との微細な隙間と、支持部材8とボディ部1との接
合部10とが、一括して覆われて密閉されているため、
前述と同様の作用効果が得られる。
【0024】次に、図3を参照して、本発明の第2の実
施の形態について説明する。図3は本発明の第2の実施
の形態による圧力センサ装置を示す構成図であり、
(a)は上側から見た平面図、(b)は側面断面図、
(c)は下側から見た平面図を示している。ここでは、
差圧タイプの圧力センサ装置を例にして説明する。な
お、図1と同じまたは同様部分には同一符号を付してあ
る。
【0025】本実施の形態による圧力センサ装置は、対
向する2つの受圧面にそれぞれ感圧部2Aを有するセン
サチップ2、このセンサチップ2をフローティング状態
で配置する穴を有するドーナツ板状の支持部材8、この
支持部材8を支持するボディ部1、センサチップ2と支
持部材8との僅かな隙間を両面側から密閉するドーナツ
板状のカバー3とから構成されている。
【0026】なお、以下で説明する圧力センサ装置は、
センサチップ2を中心として、その上側および下側とも
対象構造をなしている。特に、上下2つのボディ部1の
筒端面で支持部材8を挟持することにより、差圧が生じ
る2つの受圧面側にそれぞれ開口部1F,1Gを形成
し、これら開口部1F,1Gの中間にセンサチップ2が
配置されるようにしたものである。
【0027】ボディ部1は貫通孔を有する筒体からな
り、ステンレスなどの耐腐食性の金属部材から構成され
ている。支持部材8は、セラミック、ガラス、樹脂、あ
るいはこれら材料と金属との合成部材などから構成され
るドーナツ板状をなしており、センサチップ2とほぼ同
じ厚さを有している。内径は、円盤形状のセンサチップ
2の外径より僅かに大きくなっており、その外径はボデ
ィ部1の外径とほぼ同じである。
【0028】カバー3は、ステンレスなどの耐腐食性を
有するドーナツ板状の金属箔から構成されている。内径
はセンサチップ2の感圧部2Aの外径より僅かに大きく
なっており、感圧部2Aによる正確な圧力測定の妨げに
ならない。外径はボディ部1の外径とほぼ同じである。
【0029】支持部材8の中央の穴には、センサチップ
2が配置され、支持部材8とセンサチップ2との隙間1
2が、上下から2つのカバー3により覆われ密閉されて
いる。カバー3のうち、センサチップ2の受圧面周辺部
2E(受圧面側表面)と接触する内周部は、ステンレス
薄膜からなるドーナツ板状の溶接リング4を介してレー
ザ溶接などにより固着され、外周部は接合部11を介し
てカバー3の外周側上下面(受圧面側表面)とロウ付け
されている。
【0030】そして、支持部材8およびその上下に設け
られた2つのカバー3が、2つのボディ部1により上下
から挟持されている。なお、カバー3とボディ部1と
は、溶接5により固着されている。このように、支持部
材8の両面に設けられた2つのカバー3で、支持部材8
とセンサチップ2との隙間12を密閉するようにしたの
で、その接合部には腐食性の物質が接触しなくなる。
【0031】これにより、間隔12を耐腐食性のある材
料で充填する必要がなくなり、腐食性を有する物質と接
触する場所でも安定して圧力測定できる。また、空間の
ままであってもその隙間12への不純物の滞留を阻止で
き、衛生面が重要視される食品加工などサニタリーの分
野でも有効に利用できる。
【0032】また、支持部材8とセンサチップ2との厚
さをほぼ同一としたので、これにより隙間12での段差
がなくなって不純物の付着を抑制でき、サニタリーの分
野でも有効に利用できる。なお、隙間12を充填しても
よく、この場合、樹脂製の接着剤など耐腐食性を持たな
い材料を用いることができる。
【0033】また、図4は電極取り出し配線部分の構成
を示す平面図であり、支持部材8とセンサチップ2との
隙間12を上側から見た場合が示されている。ここで
は、センサチップ2内部の配線パターン13に接続され
ている電極取り出し配線2Pが、隙間12を介して支持
部材8に設けられた配線パターン14に接続されてい
る。
【0034】そして、支持部材8の外周部に設けられた
端子部8T(図3参照)から圧力測定装置(図示せず)
に接続される。これにより、センサチップ2からの電極
取り出し配線2Pを外部に導くための構成を別途設ける
必要がなくなり、圧力センサ装置を大幅に小型化でき
る。
【0035】また、ボディ部1の各開口部1F,1Gの
内壁であってセンサチップ2(すなわち支持部材8)の
上下近傍に凸部1Hが設けられており、ここで圧力変化
によるセンサチップ2の変位が規制される。これによ
り、圧力測定時にセンサチップ2が受圧した場合、その
圧力によりセンサチップ2の受圧面外周部がいずれか低
圧側の凸部1Hに当接する。
【0036】したがって、センサチップ2が凸部1Hに
押圧固定されるものとなり、安定した圧力測定が可能と
なる。なお、凸部1Hは、ボディ部1の内壁の全周にわ
たって設けてもよく、複数に分割して周方向に等配して
もよい。
【0037】以上の説明において、センサチップ2は耐
腐食性のある材料から構成されており、この材料として
は例えば、サファイアの他に、SiC,Si34,Al
22,SiO2,TiO2,ZrO2などが用いられる。
また、カバー3の溶接については、熱圧接、熱+超音波
圧接、レーザ溶接、電気抵抗溶接などを適用できる。
【0038】特に、カバー3とセンサチップ2との接合
部分において、Ti,Nb,Cr,Niなどのクラッド
材を用いてもよく、接合性能を向上させることができ、
カバー3による密閉性を高めることができる。なお、こ
れらクラッド材は微量でよく、カバー3側あるいはセン
サチップ2側、さらにはこれら両方に、メッキ、蒸着あ
るいはスパッタなどで部分的に成膜しておいてもよい。
【0039】また、センサチップ2として、図1,3で
は円盤形状のものを用いた例を示し、図2では正方形板
形状のものを用いた例を示したが、それぞれセンサチッ
プ2の形状について限定されるものではなく、センサチ
ップ2の外形および感圧部の形状に応じてカバー3の形
状を決定すればよく、前述と同じ作用効果が得られる。
また、ボディ部1の外形についても同様であり、円筒に
限定されるものではなく、他の筒状形状であってもよ
い。
【0040】次に、図6を参照して、本発明の圧力セン
サ装置の製造方法について説明する。図6は、本発明に
よる圧力センサ装置の製造方法を示す説明図であり、特
にセンサチップ2とカバー3の接合工程が断面図により
示されている。以下では、図1に示した圧力センサ装置
において、ステンレスの溶接リング4のほかにサファイ
アのカバー61を用いて、センサチップ2とカバー3を
接合する場合を例に説明する。
【0041】まず、溶接リング4と同様に、センサチッ
プ2の感圧部2Aの外径より大きな貫通穴61Aを有す
るリング状のカバー61を用意する。このカバー61
は、センサチップ2の基台101やダイヤフラム102
(図5参照)と同様のサファイアから構成されている。
このカバー61の表面に、図6(a)に示すように、蒸
着やスパッタリングなどにより、膜厚20Å〜1000
Åの金属薄膜62を形成する。
【0042】この金属薄膜62としては、カバー61の
サファイア内部に拡散するとともに、溶接リング4のス
テンレス内部にも拡散する金属部材、例えばCr,N
i,Ti,Nb,Mn,Mo,Mg,Alやこれら金属
を含む合金が用いられる。Cr系合金としてはステンレ
ス鋼などがあげられ、Ni系合金としてはハステロイ,
モネル,インコネルなどがあげられる。
【0043】次に、図6(b)に示すように、この金属
薄膜62の上にステンレスの溶接リング4を配置して、
その境界面が一様で十分接触するように圧接し、高真空
中、不活性ガス中または水素還元ガス中で加熱する。金
属薄膜62としてCrを用いた場合の加熱温度は、サフ
ァイアのAl2 3のOがAlとCrにより共有される
とともに、Crがステンレスの溶接リング4内部に十分
拡散する温度、例えば1200℃〜1400℃が選択さ
れる。
【0044】なお、Niを用いた場合の加熱温度は、サ
ファイア内部にNiが十分拡散するとともに、Niがス
テンレスの溶接リング4内部に十分拡散する温度、例え
ば1100℃〜1300℃が選択される。この加熱によ
り、図6(c)に示すように、金属薄膜62は、サファ
イアのカバー61およびステンレスの溶接リング4の両
方に拡散してなくなり、両者は異種材料を含まず直接接
合された状態と等価となる。
【0045】続いて、図6(d)に示すように、カバー
61の溶接リング4接合側とは反対側の面に、センサチ
ップ2を接合する。この場合、カバー61とセンサチッ
プ2のダイヤフラム102は、ともにサファイアである
ことから、その境界面を鏡面磨きして例えば300℃前
後に加熱することにより、両者が直接接合される。
【0046】次に、図6(e)に示すように、カバー6
1を介してセンサチップ2に接合された溶接リング4の
表面に、ステンレスのカバー3を抵抗溶接やYAGレー
ザー溶接などの入熱密度の高い方法を用いて溶接する。
そして、カバー3が接合されたセンサチップ2を、図1
で示したようにボディ部1内部の支持部1Bに支持し、
カバー3の外周部とボディ部1の内壁とを溶接5により
固着する。
【0047】このように、センサチップ2の筐体として
用いられているサファイアと、溶接リング4に用いられ
ているステンレスの両方に拡散しうる金属薄膜、例えば
CrやNiなどを用いてセンサチップ2と溶接リング4
を接合し、この溶接リング4とカバー3とを溶接するよ
うにしたので、受圧面側においてカバー3とセンサチッ
プ2との接合部分での接触電位に起因して発生しうるガ
ルバニック腐食を抑制でき、高い腐食性が得られる。
【0048】また、金属薄膜62を介してサファイアの
カバー61と溶接リング4とを接合した後、カバー61
とセンサチップ2とを接合するようにしたので、ステン
レスのカバー3からセンサチップ2が受ける応力を緩和
することができる。なお、センサチップ2の筐体がサフ
ァイアであることから、カバー61を用いずに、金属薄
膜62を介して溶接リング4とセンサチップ2の筐体、
例えばダイヤフラム102とを直接接合するようにして
もよく、これにより製造工程が削減される。
【0049】また、1つのウエハーにそれぞれ貫通穴6
1Aを有する複数のカバー61を形成しておき、前述し
た図6(a)〜(d)の工程を行った後で個々に切断
し、図6(e)の工程を行うようにしてもよい。これに
より、図6(a)〜(d)の工程を複数のセンサチップ
について一括して実施でき、工数を削減できる。
【0050】また、図6(d)の工程において、カバー
61にセンサチップ2を接合する際に、センサチップ2
の組立を行ってもよい。この場合、カバー61、ダイヤ
フラム102および基台101の各境界面を鏡面磨きし
て例えば300℃前後に加熱することにより、これら3
者が一括して直接接合される。これにより、カバー61
とセンサチップ2との接合、およびセンサチップ2の組
立とが、1つの工程で一括して実施でき、工数を削減で
きる。
【0051】さらに、センサチップ2がボディ部1に取
り付けられ、その接合部分がカバー3で覆われた後、少
なくとも受圧面側、例えばカバー3とセンサチップ2と
の接合部分やカバー3とボディ部1との接合部分、さら
には一般的な活性金属ろう付けされた接合部分につい
て、AuやPtなど耐食性の高い電解メッキを行っても
よく、これにより、圧力センサ装置全体の耐腐食性がさ
らに向上する。この場合、電界メッキを用いるため、絶
縁体であるサファイア表面にはメッキ膜が形成されなく
なり、メッキ膜の機械的性質による圧力センサ特性への
影響を抑止できる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、金属を
拡散させたサファイアを介してセンサチップの筐体と接
合される耐腐食性の薄膜からなるカバーを用いて、筐体
がサファイヤからなるセンサチップの感圧部を除く受圧
面側表面とボディ部の受圧面側内壁面とを覆うようにし
たので、そのカバーによりセンサチップとボディ部との
接合部分が密閉され、腐食性物質に接触することなく圧
力測定が行われる。これにより、腐食性を有する物質と
接触する場所でも安定して圧力測定できるとともに、接
合部分の接着技術として耐腐食性のあるものに限定され
ず、適用できる接着技術の自由度が大幅に拡大される。
さらに、接合部分への不純物の滞留を阻止でき、衛生面
が重要視される食品加工などサニタリーの分野でも有効
に利用できる。
【0053】また、支持部材の中央の穴に対向する受圧
面にそれぞれ感圧部を有するセンサチップを配置し、耐
腐食性の薄膜からなるカバーを用いて、センサチップの
感圧部を除く受圧面側表面と支持部材の受圧面側表面と
を上下両方の面側から覆うようにしたので、支持部材と
センサチップとの隙間が両方の受圧面側からカバーで覆
われて密封され、その隙間に腐食性物質が接触しなくな
る。これにより、その隙間を耐腐食性のある材料で充填
する必要がなくなり、腐食性を有する物質と接触する場
所でも安定して圧力測定できる。また、その隙間への不
純物の滞留を阻止でき、サニタリーの分野でも有効に利
用できる。
【0054】また、センサチップのサファイア表面に金
属薄膜を形成し、その金属薄膜上にステンレスの溶接リ
ングを圧接して加熱することにより溶接リングとサファ
イアとを接合し、この溶接リングにステンレスからなる
薄膜のカバーを溶接することによりセンサチップにカバ
ーを接合し、これを受圧面側に開口部を有する耐腐食性
のボディ部の内側に支持し、センサチップに接合されて
いるカバーとボディ部の受圧面側内壁面とを溶接するこ
とにより、圧力センサ装置を製造するようにしたもので
ある。
【0055】したがって、金属薄膜として、センサチッ
プの筐体として用いられているサファイアと、溶接リン
グに用いられているステンレスの両方に拡散しうる金属
薄膜、例えばCrやNiなどを用いてセンサチップと溶
接リングを接合し、この溶接リングとステンレスのカバ
ーとを溶接するようにしたので、受圧面側においてカバ
ーとセンサチップとの接合部分での接触電位に起因して
発生しうるガルバニック腐食を抑制でき、高い腐食性が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態による圧力センサ
装置を示す構成図である。
【図2】 他の圧力センサ装置を示す構成図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態による圧力センサ
装置を示す構成図である。
【図4】 電極取り出し配線部分の構成を示す平面図で
ある。
【図5】 センサチップの構成例を示す説明図である。
【図6】 圧力センサ装置の製造方法を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1…ボディ部、1A,1B…支持部、1C…受圧面側開
口部、1D…底面側開口部、1G,1F…受圧面側開口
部、1H…凸部、2…センサチップ、2A…感圧部、2
P…電極取り出し配線、3…カバー、6,7,9,1
0,11…接合部、4…溶接リング、5…溶接、8…支
持部材、61…カバー、62…金属薄膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 9/12 G01L 19/06

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体がサファイヤからなり、感圧部が設
    けられている受圧面の表面に耐腐食性を有するセンサチ
    ップと、 受圧面側に開口部を有し、その内側にセンサチップを支
    持する耐腐食性のボディ部と、金属を拡散させたサファイアを介して前記センサチップ
    の筐体と接合される 耐腐食性の薄膜からなり、前記セン
    サチップの感圧部を除く受圧面側表面とボディ部の受圧
    面側内壁面とを覆うカバーとを備えることを特徴とする
    圧力センサ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧力センサ装置におい
    て、 カバーにより覆われるセンサチップの受圧面とボディ部
    の受圧面側内壁面とが面一に配置されていることを特徴
    とする圧力センサ装置。
  3. 【請求項3】 それぞれ感圧部が設けられている対向す
    る2つの受圧面の表面に耐腐食性を有するセンサチップ
    と、 このセンサチップとほぼ同じ厚さを有し、中央の穴にセ
    ンサチップが配置される支持部材と、 耐腐食性の薄膜からなり、センサチップの感圧部を除く
    受圧面側表面と支持部材の受圧面側表面とを上下両方の
    面側から覆う2つのカバーと、 両受圧面側にそれぞれ開口部を有し、これら開口部の中
    間にセンサチップが位置するように、センサチップ周辺
    の支持部材を支持する耐腐食性のボディ部とを備えるこ
    とを特徴とする圧力センサ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の圧力センサ装置におい
    て、 支持部材は、センサチップからの電極取り出し配線を外
    部に導く配線パターンを有することを特徴とする圧力セ
    ンサ装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の圧力センサ装置におい
    て、 ボディ部は、それぞれの開口部内壁であってかつセンサ
    チップ近傍に設けられ、センサチップの受圧面外周部に
    当接して、受圧によるセンサチップの変位を規制する凸
    部を有することを特徴とする圧力センサ装置。
  6. 【請求項6】 サファイアからなる筐体を用いて構成さ
    れたセンサチップ表面のうち、感圧部が設けられた受圧
    面側のサファイア表面に金属薄膜を形成し、 感圧部を除く領域の金属薄膜上にステンレスの溶接リン
    グを圧接して加熱することにより溶接リングとサファイ
    アとを接合し、 その溶接リングとステンレスからなる薄膜のカバーとを
    溶接することによりセンサチップにカバーを接合し、 カバーが接合されたセンサチップを、受圧面側に開口部
    を有する耐腐食性のボディ部の内側に支持し、 センサチップに接合されているカバーとボディ部の受圧
    面側内壁面とを溶接することを特徴とする圧力センサ装
    置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の圧力センサ装置の製造方
    法において、 金属薄膜として、 加熱により溶接リング側およびサファイア側の両方に拡
    散する金属を用いることを特徴とする圧力センサ装置の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の圧力センサ装置の製造方
    法において、 金属薄膜として、 Cr,Ni,Ti,Nb,Mn,Mo,Mg,Alのい
    ずれかまたはこれらを含む合金を用いることを特徴とす
    る圧力センサ装置の製造方法。
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