JP3431504B2 - インバータ装置、インバータ制御装置及びインバータシステム - Google Patents

インバータ装置、インバータ制御装置及びインバータシステム

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JP3431504B2
JP3431504B2 JP19474698A JP19474698A JP3431504B2 JP 3431504 B2 JP3431504 B2 JP 3431504B2 JP 19474698 A JP19474698 A JP 19474698A JP 19474698 A JP19474698 A JP 19474698A JP 3431504 B2 JP3431504 B2 JP 3431504B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インバータ装置、
インバータ制御装置及びインバータシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無停電電源装置や車両用補助電源
装置などの一定電圧一定周波数の交流電圧を供給するイ
ンバータは、負荷系統に1台のみが接続されて出力電
圧、周波数を制御していたが、機器の容量増大や故障時
の冗長性のために二台以上の複数台を並列接続して同期
運転させたいという要求がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
インバータ制御装置では、それを備えたインバータをそ
のままに並列に接続すると、両者の交流位相が一般的に
は同期していないために、位相のずれに起因するインバ
ータ間の横流が過大となり、過電流保護による運転継続
不可や、損失増大を招く問題点があった。
【0004】そこで、2台のインバータ間の瞬時位相情
報をやりとりして同期させる方法がある。このインバー
タシステムは図13に示すような構成であり、2台のP
WMインバータ1−1,2−1が配線インダクタンス3
によって並列に接続され、それぞれのインバータ1−
1,2−1の出力に負荷1−4,2−4に接続されてい
る。また、各PWMインバータ1−1,2−1の三相出
力には、PWMに起因する高調波を除去するためのLC
フィルタ1−2,2−2(リアクトルとコンデンサで構
成されるフィルタ)が設置され、さらにその出力には、
インバータ入力と交流出力とを電気的に絶縁するための
変圧器1−3,2−3が設置されている。そしてPWM
インバータ1−1,2−1ごとにインバータ制御装置1
−10,2−10が設けられていて、それぞれに、自イ
ンバータの出力有効電力を演算する有効電力演算部10
1、相手側のインバータの出力有効電力を演算する他方
有効電力演算部102、これらの有効電力の差に基づい
て出力周波数を設定して出力する周波数設定部103、
この周波数設定部103の出力する出力周波数に対して
各相の出力電圧指令を設定する電圧指令設定部104、
そして電圧指令設定部104の出力する出力電圧指令と
自インバータの出力電圧検出値との差に基づいて出力電
圧指令を演算し、インバータを制御する電圧制御部10
5から構成されている。
【0005】ところが、このようなインバータシステム
では、情報伝送のための数多くの信号線を新たに追加す
る必要があり、費用増加を招く問題点がある。
【0006】そこでさらに、複数台の並列接続されたイ
ンバータ間で各々の出力有効電力に応じて出力周波数を
変化させることにより、新たな信号線の追加なしに位相
同期させる方法が提案されている。これは、2台のイン
バータ間に位相差があると、位相が進んだ方から遅れた
方に有効電力成分の横流が発生するので、有効電力が大
きくなるにつれて出力周波数が低くくなるように設定す
ることにより、他方の位相の遅れていたインバータの位
相が追いつき、同期させることができるという原理に基
づくものである。
【0007】しかしながら、この方法によると、起動時
に位相が大きく離れている状態からも確実に同期状態に
引き込むためには、負荷状態により大きく出力周波数を
変化させることが必要であり、一定電圧一定周波数電源
としての性能を満たさなくなってしまう問題点がある。
【0008】本発明は、以上のような従来の技術的課題
を解決するためになされたもので、有効電力に対する出
力周波数特性を起動時と定常動作時とに分けて設定し、
両者を切り替えて運転することにより、起動時の確実な
同期引き入れと定常運転時の周波数変動の抑制を両立さ
せ、特別な信号線の追加なしに並列同期運転を可能にす
るインバータ装置及びインバータ制御装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】本発明はまた、インバータ制御装置間に簡
単な信号伝送部を介在させるだけで、起動時の確実な同
期引き入れと定常運転時の周波数変動の抑制を両立さ
せ、複数台のインバータの並列同期運転を可能にするイ
ンバータシステムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、負荷
に対して交流出力を供給するインバータと、このインバ
ータの交流出力の周波数指令を設定して出力する周波数
設定部を有し、前記周波数指令に応じて交流出力指令を
算出して与えるインバータ制御部とを備えたインバータ
装置において、前記周波数設定部が、前記インバータの
出力電圧と出力電流とから有効電力を算出し、この有効
電力に応じて、起動時には当該有効電力が大きくなるに
つれ、低い出力周波数となるような第1の有効電力−出
力周波数特性にしたがって出力周波数を出力し、定常動
作時には前記第1の有効電力−出力周波数特性に比べ
て、有効電力の変化に対する出力周波数設定値の変化が
小さい特性を有する第2の有効電力−出力周波数特性に
したがって出力周波数を出力することを特徴とするもの
である。
【0011】請求項1の発明のインバータ装置では、有
効電力に対する出力周波数特性が起動時と定常動作時と
に分けて設定され、両者を切り替えて運転されるので、
起動時の確実な同期引き入れと定常運転時の周波数変動
の抑制が両立でき、特別な信号線の追加なしに複数台の
インバータの並列同期運転が可能である。
【0012】請求項2の発明は、インバータの交流出力
の周波数指令を設定して出力する周波数設定部と、前記
周波数設定部の出力する周波数指令に対する電圧指令位
相を算出する位相演算部と、前記位相演算部の算出する
電圧指令位相に対して、交流各相の出力電圧指令を設定
して出力する電圧指令設定部と、前記電圧指令設定部の
出力する交流各相の出力電圧指令と前記インバータの交
流各相のインバータ出力電圧との差に基づき、当該イン
バータの交流各相の出力電圧指令を算出して前記インバ
ータに与える電圧制御部とを具備し、さらに、前記周波
数設定部が、前記インバータの出力電圧と出力電流とか
ら有効電力を算出する有効電力演算部と、前記有効電力
演算部で演算した有効電力に応じて、当該有効電力が大
きくなるにつれ、低い出力周波数となるようにあらかじ
め設定しておいた有効電力−出力周波数特性にしたがっ
て出力周波数を設定して出力する起動時周波数設定部
と、前記起動時周波数設定部の有効電力−出力周波数特
性に比べて、有効電力の変化に対する出力周波数設定値
の変化が小さい特性を有する有効電力−出力周波数特性
にしたがって出力周波数を設定して出力する定常動作時
周波数設定部と、前記起動時周波数設定部から出力され
る出力周波数と、前記定常動作時周波数設定部から出力
される出力周波数とを入力とし、起動時と定常動作時と
で両者を切り替えて前記インバータの周波数指令として
出力する周波数切替部とを有して成るものである。
【0013】請求項2の発明のインバータ制御装置で
は、有効電力に対する出力周波数特性を起動時と定常動
作時とに分けて設定し、両者を切り替えて運転すること
により、起動時の確実な同期引き入れと定常運転時の周
波数変動の抑制を両立させ、特別な信号線の追加なしに
複数台のインバータの並列同期運転を可能にする。
【0014】請求項3の発明は、請求項2に記載のイン
バータ制御装置において、前記定常動作時周波数設定部
が、前記インバータの定常動作中に、前記有効電力演算
部の算出する有効電力がインバータ電流容量で決まる有
効電力制限値を超えそうになったときには、前記有効電
力に応じて減少させる出力周波数の量を増加させる調整
を行うようにしたものであり、インバータの出力有効電
力をインバータの電流容量で決まる有効電力制限内に確
実に収めながら、周波数変動を効果的に抑制する。
【0015】請求項4の発明は、請求項2の発明のイン
バータ制御装置において、さらに、前記インバータの起
動前にその出力電圧を検出し、検出された出力電圧振幅
が一定値以上であった場合には、前記位相演算部の出力
である電圧位相指令を検出電圧位相値に同期させた後に
前記インバータを起動する起動時位相整合部を備えたも
のであり、他のインバータが先に起動した状態において
自インバータを起動する場合に、その起動時の過渡変動
や過電流を抑制しながら、複数台のインバータを並列同
期運転に入らせることができる。
【0016】請求項5の発明は、請求項2の発明のイン
バータ制御装置において、さらに、出力電圧と出力電流
から演算した無効電力の変化率に応じて、前記電圧指令
設定部の出力する交流各相の出力電圧指令における振幅
指令値を補正する出力電圧振幅補正部を備えたものであ
り、インバータの過渡時の制御安定性を向上させる。
【0017】請求項6の発明は、請求項2の発明のイン
バータ制御装置において、さらに、負荷の軽重によらず
定常動作中の平均周波数が一定値になるように、前記定
常動作時周波数設定部の使用する有効電力−出力周波数
特性を変化させる出力周波数特性調整部を備えたもので
ある。
【0018】請求項7の発明は、請求項6の発明のイン
バータ制御装置において、前記出力周波数特性調整部
が、前記定常動作時周波数設定部の使用する有効電力−
出力周波数特性を前記起動時周波数設定部の有効電力−
出力周波数特性と同一にするものである。
【0019】請求項6及び7の発明のインバータ制御装
置では、複数台のインバータそれぞれを定常動作時には
負荷の軽重によらず所定の周波数に維持して並列同期運
転することができる。
【0020】請求項8の発明のインバータシステムは、
交流出力側が並列接続された複数台のインバータと、前
記各インバータに接続された複数台のインバータ制御装
置と、前記インバータ制御装置間で相互に有効電力値を
伝送する伝送装置とを具備し、前記インバータ制御装置
各々が、インバータの交流出力の周波数指令を設定して
出力する周波数設定部と、前記周波数設定部の出力する
周波数指令に対する電圧指令位相を算出する位相演算部
と、前記位相演算部の算出する電圧指令位相に対して、
交流各相の出力電圧指令を設定して出力する電圧指令設
定部と、前記電圧指令設定部の出力する交流各相の出力
電圧指令と前記インバータの交流各相の出力電圧との差
に基づき、当該インバータの交流各相のインバータ出力
電圧指令を算出して前記インバータに与える電圧制御部
とを具備し、さらに、前記周波数設定部が、前記インバ
ータの出力電圧と出力電流とから有効電力を算出する有
効電力演算部と、前記有効電力演算部で算出した有効電
力に応じて、当該有効電力が大きくなるにつれ、低い出
力周波数となるようにあらかじめ設定しておいた有効電
力−出力周波数特性にしたがって出力周波数を設定して
出力する起動時周波数設定部と、自装置の有効電力演算
部の算出した自インバータの有効電力と、前記伝送装置
により送られてくる他のインバータ制御装置それぞれの
有効電力演算部の算出した各インバータの有効電力とに
基づいてインバータ間の横流量を推定し、当該横流量を
用いて自インバータの定常動作時出力周波数を設定して
出力する定常動作時周波数設定部と、前記起動時周波数
設定部から出力される出力周波数と、前記定常動作時周
波数設定部から出力される出力周波数とを入力とし、起
動時と定常動作時とで両者を切り替えて前記インバータ
の周波数指令として出力する周波数切替部とを有して成
るものである。
【0021】請求項8の発明のインバータシステムで
は、インバータ制御装置間に簡単な信号伝送部を介在さ
せるだけで、各インバータの起動時の確実な同期引き入
れと定常運転時の周波数変動の抑制を両立させ、複数台
のインバータの並列同期運転を可能にする。
【0022】請求項9の発明は、請求項8の発明のイン
バータシステムにおいて、前記インバータが2台並列に
接続され、前記インバータ制御装置の定常動作時周波数
設定部が、定常動作時の前記インバータ相互の有効電力
の差を加味した有効電力−出力周波数特性に基づいて定
常時周波数設定値を設定して出力するようにしたもので
あり、インバータの個体差による有効電力のアンバラン
スを抑制しながら2台のインバータの並列同期運転が可
能である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1は本発明の第1の実施の形態の
インバータシステムの回路構成を示している。この第1
の実施の形態は、2台のPWMインバータ1−1,2−
1が配線インダクタンス3によって並列に接続され、そ
れぞれのインバータ1−1,2−1の出力に負荷1−
4,2−4が接続されている。また、各PWMインバー
タ1−1,2−1の三相出力には、PWMに起因する高
調波を除去するためのLCフィルタ1−2,2−2(リ
アクトルとコンデンサで構成されるフィルタ)が設置さ
れ、さらにその出力には、インバータ入力と交流出力と
を電気的に絶縁するための変圧器1−3,2−3が設置
されている。ここで各PWMインバータ1−1,2−1
の出力周波数は60Hz、出力電圧は線間実効値で44
0Vである。
【0024】そしてPWMインバータ1−1,2−1ご
とにインバータ制御装置1−10,2−10が設けられ
ていて、インバータ1−1,2−1を個別に制御する構
成である。なお、インバータ制御装置1−10とインバ
ータ制御装置2−10は同一の内部構成であるので、以
下では、インバータ制御装置1−10についてのみ、説
明する。
【0025】PWMインバータ1−1を制御するインバ
ータ制御装置1−10は、周波数設定部11、位相演算
部12、電圧指令設定部13、電圧制御部14から構成
されている。そして周波数設定部11は有効電力演算部
111と、起動時周波数設定部112と、定常動作時周
波数設定部113と、周波数切替部114とで構成され
ている。
【0026】有効電力演算部111では次の演算を行
い、有効電力Pwrを出力する。まず、インバータ1−1
の三相出力電圧検出値Vu,Vv,Vwと三相出力電流検出値
Iu,Iv,Iwを入力として、60Hzで回転する直交座標
dq軸の固定座標軸との位相角θを用いてdq軸電圧V
d,Vqと、dq軸電流Id,Iqを数1式により演算する。
【0027】
【数1】 そして、この数1式により求めたdq軸電圧、dq軸電
流から有効電力Pwrを次の数2式により求めて出力す
る。
【0028】
【数2】Pwr=Vd・Id+Vq・Iq 起動時周波数設定部112では、図2(a)に示すよう
に、有効電力演算部111から出力された有効電力Pwr
を入力として、次の数3式の演算により、起動時周波数
設定値foを求めて出力する。
【0029】
【数3】 ただし、Pmaxはインバータ出力有効電力の最大値であ
る。
【0030】上記の数3式においては、60Hzを中心
周波数として±2Hzの周波数特性を持たせているが、
2台のインバータ1−1,2−1間の配線インダクタン
ス3の大きさに応じて任意の値で増減することができ
る。
【0031】定常動作時周波数設定部113では、図2
(b)に示すように、有効電力演算部111から出力さ
れた有効電力Pwrを入力として、次の数4式の演算によ
り定常時周波数設定値fcを求めて出力する。
【0032】
【数4】 この数4式においても、60Hzを中心周波数として±
0.2Hzの周波数特性を持たせているが、起動時周波
数設定部112で設定した周波数範囲である±2Hzよ
りも小さい任意の値で増減してもよい。
【0033】周波数切替部114では、起動時周波数設
定部112から出力される起動時周波数設定値foと、定
常動作時周波数設定部113から出力される定常時周波
数設定値fcと、起動指令信号Gstを入力として、次の演
算によって新しい周波数設定値finvを求めて出力する。
【0034】起動指令信号Gstは、起動指令時には
[1]であり、それ以外では[0]である。そこで、周
波数切替部114は、起動指令信号Gstが[0]から
[1]に変更された直後には、周波数設定値finvとして
起動時周波数設定値foを選択して出力する。
【0035】起動時:finv=fo 起動指令信号Gstが[0]から[1]に変更され、一定
時間経過した後、例えば、2秒後には、周波数切替部1
14は周波数設定値finvとして定常時周波数設定値fcを
選択して出力する。
【0036】起動2秒以後:finv=fc この周波数切替部114において、周波数の切替を連続
的に行う例を図3を用いて説明する。起動後時間Tgstは
起動指令信号Gstが[0]から[1]に変更された時刻
を0(sec)として、それ以後の経過時間を演算したも
のである。切替ゲインKGchgは、起動後時間Tgstを用い
て、次の数5式により求める。この式は、起動後2秒で
切替を完了する場合を示している。
【0037】
【数5】 さらに周波数切替部114は数6式の演算を行い、周波
数設定値finvを出力する。
【0038】
【数6】finv=(1−KGchg)・fo+KGchg・fc 位相演算部12では、周波数切替部114が出力する周
波数設定値finvを用いて、次の数7式による積分によ
り、電圧指令位相θinvを求めて出力する。
【0039】
【数7】 さらに、電圧指令設定部13では、位相演算部12から
出力される電圧指令位相θinvと、起動指令信号Gstを入
力して、次の数8式、数9式の演算により三相電圧指令
VuRef,VvRef,VwRefを求めて出力する。
【0040】まず、起動指令信号Gstが[0]から
[1]に変更された時刻を0(sec)として、それ以後
の経過時間を演算した起動後時間Tgstを用いて、数8式
により電圧指令振幅V1Refを求める。
【0041】
【数8】 ここでは、[440]は線間電圧指令の実効値を示し、
2秒で電圧振幅を定常値にする場合の演算を実行してい
る。
【0042】電圧指令設定部13ではさらに、得られた
電圧指令振幅V1refと、電圧指令位相θinvとを用いて、
次の数9式により三相電圧指令Vuref,Vvref,Vwrefを
求める。
【0043】
【数9】 最終的に、電圧制御部14では、電圧指令設定部13か
ら出力される三相出力電圧指令Vuref,Vvref,Vwref
と、三相出力電圧検出値Vu,Vv,Vwを入力して、次の数
10式によりインバータ出力電圧指令Vuinv,Vvinv,Vw
invを算出してPWMインバータ1−1に出力する。
【0044】
【数10】 ただし、Kd:微分ゲイン、Kp:比例ゲイン、Ki:積分ゲ
イン、s:微分演算子である。
【0045】PWMインバータ1−1では、この電圧制
御部14から与えられる三相インバータ出力電圧指令Vu
inv,Vvinv,Vwinvを目標とするPWM制御を行い、三
相電力を出力する。
【0046】なお、上記の実施の形態において、特に電
圧制御部14は三相電圧指令、三相電圧検出値を回転座
標dq軸に変換した上で、dq軸上で微分比例積分制御
を行うものとしてよい。
【0047】これにより、第1の実施の形態のインバー
タ制御装置では、起動時の確実な同期引き入れと定常運
転時の周波数変動の抑制を両立させ、特別な信号線の追
加なしに並列同期運転が可能となる。
【0048】なお、上記の第1の実施の形態において定
常動作時周波数設定部113が採用した図2に示す特性
に代えて、図4に示す特性を採用することもできる。こ
の場合、定常動作時周波数設定部113は、有効電力演
算部111から出力される有効電力Pwrを入力として、
次の数11式の設定により定常時周波数設定値fcを決定
して出力する。
【0049】
【数11】 ただし、Pmaxはインバータ出力の有効電力の最大値であ
る。
【0050】このような演算式を採用することにより、
定常運転時により効果的に周波数変動を抑制することが
できる。
【0051】次に、本発明の第2の実施の形態を、図5
に基づいて説明する。第2の実施の形態は、図1に示し
た第1の実施の形態におけるインバータ制御装置1−1
0,2−10を図5に示す構成にしたことを特徴とす
る。したがって、その他の部分は図1に示した第1の実
施の形態と共通である。また、PWMインバータ2−1
に対するインバータ制御装置2−10はPWMインバー
タ1−1に対するインバータ制御装置1−10と共通で
あるので、以下、インバータ制御装置1−10について
のみ、説明する。
【0052】第2の実施の形態におけるインバータ制御
装置1−10は、周波数設定部11−1、位相演算部1
2、電圧指令設定部13−1、電圧制御部14、さら
に、電圧確立判定部15、電源位相検出部16、位相同
期部17及び起動可能判定部18から構成されている。
そして、周波数設定部11−1は、有効電力演算部11
1と、起動時周波数設定部112と、定常動作時周波数
設定部113と、周波数切替部114−1を有してい
る。
【0053】周波数設定部11−1における有効電力演
算部111と、起動時周波数設定部112と、定常動作
時周波数設定部113、また位相演算部12、電圧制御
部14は第1の実施の形態と同様の構成であり、同じ演
算処理を行う。
【0054】第2の実施の形態の特徴部分である電圧確
立判定部15では、三相出力電圧検出値Vu,Vv,Vwを入
力として電圧振幅を演算し、電圧振幅が一定値以上であ
るかどうかを判定する。そして判定結果により、電圧確
立信号FlgVfixを出力する。
【0055】電圧振幅V1は、次の数12式により求め
る。
【0056】
【数12】 ここで、電圧振幅V1が電圧指令値440Vに対して、例
えば、30%以上の値であれば、電圧が確立していると
判断して、電圧確立信号FlgVfix=1とし、30%より
も小さい値であれば、電圧確立信号FlgVfix=0として
出力する。
【0057】
【数13】 電源位相検出部16では、三相出力電圧検出値Vu,Vv,
Vwを入力として、次の数14式、数15式の演算によっ
て電圧位相θvを求めて出力する。
【0058】まず、直交固定ab座標上の電圧Va,Vbを
求める。
【0059】
【数14】 このab軸電圧Va,Vbを用いて、電圧位相θvを以下の
数15式により求めて出力する。
【0060】
【数15】 位相同期部17では、電源位相検出部16から出力され
る電圧位相θvと、位相演算部12から出力される電圧
指令位相θinvと、電圧確立判定部15から出力される
電圧確立信号FlgVfixを入力して、次の数16式、数1
7式により位相同期周波数fsynと、位相同期完了信号Fl
gSYNを出力する。
【0061】
【数16】fsyn=KpSYN(θv−θinv) ただし、KpSYNは位相同期比例ゲインである。
【0062】また、θvとθinvとの偏差の絶対値|θ
v−θinv|が、例えば、2πの1%以下になったなら
同期完了と判断して位相同期完了信号FlgSYNを出力す
る。
【0063】
【数17】 起動可能判定部18では、起動指令信号Gstと、位相同
期部17から出力される上記の位相同期完了信号FlgSYN
を入力して、次の条件判別により起動可能信号FlgGstを
出力する。
【0064】 Gst=1かつFlgSYN=1の場合:FlgGst=1 上記以外の場合:FlgGst=0 周波数設定部11−1における周波数切替部114−1
では、起動時周波数設定部112から出力される起動時
周波数設定値foと、定常時周波数設定部113から出力
される定常時周波数設定値fcと、位相同期部17から出
力される位相同期周波数fsynと、電圧確立判定部15か
ら出力される電圧確立信号FlgVfixと、起動可能判定部
18から出力される起動可能信号FlgGstを入力し、次の
条件判別によって周波数設定値finvを求めて出力する。
【0065】(1)FlgVfix=0で、FlgGstが[0]か
ら[1]に切り替わった直後は、finv=fo (2)FlgVfix=0で、FlgGstが[0]から[1]に切
り替わって2秒以上経過した後は、finv=fc (3)FlgVfix=1で、FlgGst=0のとき、finv=fsyn (4)FlgVfix=1で、FlgGst=1のとき、finv=fc 電圧指令設定部13−1では、第1の実施の形態と同様
の演算を行う位相演算部12から出力される電圧指令位
相θinvと、起動可能判定部18から出力される起動可
能信号FlgGstと、電圧確立判定部15から出力される電
圧確立信号FlgVfixと電圧振幅V1を入力して、次の条件
分岐、演算により三相電圧指令値Vuref,Vvref,Vwref
を求めて出力する。
【0066】まず、FlgVfix=0の場合、起動可能信号F
lgGstが[0]から[1]に変更された時刻を0(sec)
として、それ以後の経過時間を演算した起動後時間Tgst
を用いて、電圧指令振幅V1refを求める。
【0067】
【数18】 また、FlgVfix=1の場合、起動可能信号FlgGstが
[0]から[1]に変更された時刻を0(sec)とし
て、それ以後の経過時間を演算した起動後時間Tgstと、
Tgst=0のときの電圧振幅V1を用いて、電圧振幅指令V1
refを求める。
【0068】
【数19】 これらの数18式、数19式の演算では、[440]は
線間電圧指令の実効値を示し、2秒で電圧振幅を定常値
にする場合の演算を実行している。
【0069】電圧指令設定部13−1はさらに、第1の
実施の形態と同様に、上記の電圧指令振幅V1refと、電
圧指令位相θinvを用いて、次の数20式により三相電
圧指令Vuref,Vvref,Vwrefを求める。
【0070】
【数20】 そして電圧制御部14は、第1の実施の形態の場合と同
様に、この三相電圧指令Vuref,Vvref,Vwrefと三相電
圧検出値Vu,Vv,Vwとに基づき、前述した数10式によ
ってインバータ出力電圧指令Vuinv,Vvinv,Vwinvを算
出し、PWMインバータ1−1に出力する。PWMイン
バータ1−1では、この電圧制御部14から与えられる
三相電圧指令Vuinv,Vvinv,Vwinvを目標とするPWM
制御を行い、三相電力を出力する。
【0071】この第2の実施の形態では、上記構成のイ
ンバータ制御装置1−10を用いることにより、他のイ
ンバータが先に起動した状態においても、起動時の過渡
変動や過電流を抑制しながら、並列同期運転に入ること
ができる。
【0072】次に、本発明の第3の実施の形態を図6に
基づいて説明する。第3の実施の形態は、図1に示した
第1の実施の形態におけるインバータ制御装置1−1
0,2−10を図6に示す構成にしたことを特徴とす
る。したがって、その他の部分は図1に示した第1の実
施の形態と共通である。また、PWMインバータ2−1
に対するインバータ制御装置2−10はPWMインバー
タ1−1に対するインバータ制御装置1−10と共通で
あるので、以下、インバータ制御装置1−10について
のみ、説明する。
【0073】第3の実施の形態におけるインバータ制御
装置1−10は周波数設定部11、位相演算部12、電
圧指令設定部13−2、電圧制御部14、そして無効電
力変化率演算部19から構成されている。周波数設定部
11の内部構成は、図1に示した第1の実施の形態と同
様である。
【0074】第3の実施の形態の特徴部分は、無効電力
変化率演算部19を備え、また電圧指令設定部13−2
が後述する演算を行うことを特徴とする。なお、図1に
示した第1の実施の形態と共通する符号の付された部分
は同一である。
【0075】第3の実施の形態の特徴部分である無効電
力変化率演算部19では、PWMインバータ1−1の三
相交流出力電圧検出値Vu,Vv,Vwと、PWMインバータ
1−1の三相出力交流電流検出値Iu,Iv,Iwを入力とし
て、次の数21式により、60Hzで回転する直交座標
dq軸の固定座標軸との位相角θを用いて、dq軸電圧
Vd,Vqと、dq軸電流Id,Iqを演算する。
【0076】
【数21】 また、数21式で求めたdq軸電圧、dq軸電流から無
効電力Qを、次の式によって求める。
【0077】
【数22】Q=Vq×Id−Vd×Iq そして最終的に、この無効電力Qの時間変化率ΔQを求
めて出力する。
【0078】
【数23】 第3の実施の形態の特徴部分をなす電圧指令設定部13
−2では、位相演算部12から出力される電圧指令位相
θinvと、起動指令信号Gstと、無効電力変化率演算部1
9から出力される無効電力変化率ΔQを入力として、次
の数24式、数25式の演算により、三相電圧指令Vure
f,Vvref,Vwrefを求めて出力する。
【0079】まず、起動指令信号Gstが[0]から
[1]に変更された時刻を0(sec)として、それ以後
の経過時間を演算した起動後時間Tgstを用いて、電圧指
令振幅V1refを求める。
【0080】
【数24】 ここでは、[440]は線間電圧指令値の実効値であ
り、2秒で電圧振幅を定常値にする場合の演算を行って
いる。なお、Kqは比例ゲインである。
【0081】電圧指令設定部13−2ではさらに、上記
の電圧指令振幅V1refと、電圧指令位相θinvを用いて、
次の数25式により三相電圧指令Vuref,Vvref,Vwref
を求める。
【0082】
【数25】 こうして電圧指令演算部13−2が算出した三相電圧指
令Vuref,Vvref,Vwrefに対して、電圧制御部14は第
1の実施の形態と同様の演算を行ってインバータ電圧指
令Vuinv,Vvinv,Vwinvを求め、PWMインバータ1−
1に出力する。PWMインバータ1−1では、この電圧
制御部14から与えられる三相電圧指令Vuinv,Vvinv,
Vwinvを目標とするPWM制御を行い、三相電力を出力
する。
【0083】この第3の実施の形態では、各インバータ
1−1,2−1の過渡期の制御安定性を向上させた上
で、それらを並列同期運転することができる。
【0084】次に、本発明の第4の実施の形態を、図7
及び図8に基づいて説明する。第4の実施の形態の特徴
は、図1に示した第1の実施の形態における周波数設定
部11を、図7に示す内部構成の周波数設定部11−2
に代えた点にある。他の構成は、図1に示した第1の実
施の形態と共通である。
【0085】周波数設定部11−2は、有効電力演算部
111と、起動時周波数設定部112と、定常動作時周
波数設定部113−1と、周波数切替部114と、新た
な要素である平均有効電力演算部115から構成されて
いる。
【0086】平均有効電力演算部115では、第1の実
施の形態と同様の演算を行う有効電力演算部111から
出力される有効電力Pwrを入力として、次の数26式に
より平均有効電力PwrAveを求めて出力する。
【0087】
【数26】 ただし、Tはフィルタ時定数である。
【0088】また定常動作時周波数設定部113−1
は、有効電力演算部111から出力される有効電力Pwr
と、この平均有効電力演算部115から出力される平均
有効電力PwrAveを入力として、次の数27式により定常
時周波数設定値fcを算出する。
【0089】
【数27】 このような構成の周波数設定部11−2を備えたインバ
ータ制御装置1−10を採用することにより、第4の実
施の形態では、図8(a),(b)に示すように負荷の
軽重によらずに定常動作時には60Hzの固定周波数で
並列同期運転することが可能となる。
【0090】次に、本発明の第5の実施の形態を、図9
及び図10に基づいて説明する。第5の実施の形態の特
徴は、2台のPWMインバータ1−1,2−1を並列同
期運転するシステムにおいて、相互で有効電力Pwr1,Pw
r2を相手方に伝送装置4によって伝送し、それぞれのイ
ンバータ制御装置1−10,2−10の周波数設定部1
1−3で利用する点にある。なお、他の実施の形態と同
様に、インバータ制御装置1−10,2−10は同一の
構成であるので、以下では、インバータ制御装置1−1
0について説明する。
【0091】第5の実施の形態におけるインバータ制御
装置1−10は、その周波数設定部11−3内の定常動
作時周波数設定部113−2が相手方であるインバータ
制御装置2−10の周波数設定部11−3の有効電力演
算部111から伝送装置4を通じて有効電力Pwr2を取込
み、自装置側の有効電力Pwr1と共に利用し、また逆に自
装置側の有効電力演算部111で演算した有効電力Pwr1
を相手方のインバータ制御装置2−10に伝送装置4を
通じて伝送する構成である。この伝送装置4の伝送速度
は、例えば、100msec程度の比較的低速の伝送速度で
よい。
【0092】インバータ制御装置1−10の周波数設定
部11−3では、有効電力演算部111が第1の実施の
形態と同様にPWMインバータ1−1の有効電力Pwr1を
演算して出力する。起動時周波数設定部112は第1の
実施の形態と同様に、起動時の周波数設定値foを算出し
て出力する。
【0093】そして本発明の特徴部分である定常動作時
周波数設定部113−2では、自装置側の有効電力演算
部111の出力する有効電力Pwr1と、伝送装置4により
送られてくる相手方のインバータ制御装置2−10から
の有効電力Pwr2を入力し、次の数28式、数29式の演
算により、定常時周波数設定値fcを求めて出力する。
【0094】まず、横流有効電力推定値ΔPを、次の数
28式によって求める。
【0095】
【数28】 なお、3台以上の並列同期運転を行うシステムでは、上
記の数28式における右辺第2項の複数台の平均値に変
更することになる。
【0096】続いて、横流有効電力推定値ΔPを用いて
定常時周波数設定値fcを、次の数29式により求める
(図10を参照)。
【0097】
【数29】 こうして、定常時周波数設定値fcを得れば、以降の周波
数切替部114の演算処理、また位相演算部12、電圧
指令設定部13、電圧制御部14の演算処理はすべて、
第1の実施の形態と同様である。
【0098】この第5の実施の形態によれば、相手方の
有効電力をも考慮し、負荷の軽重によらず、定常動作時
には60Hzの固定周波数で複数台のインバータを並列
同期運転することができる。
【0099】次に、本発明の第6の実施の形態を、図1
1及び12に基づいて説明する。第6の実施の形態は、
図9に示した第5の実施の形態において、周波数設定部
11−3を図11の構成の周波数設定部11−4に変更
した点にある。その他の構成は、図9の第5の実施の形
態と同様である。
【0100】周波数設定部11−4は、有効電力演算部
111と、起動時周波数設定部112と、定常動作時周
波数設定部113−3と、周波数切替部114と、本実
施の形態の特徴部分をなす平均有効電力差演算部116
から構成されている。
【0101】平均有効電力差演算部116は、第1の実
施の形態と同様の演算を行う有効電力演算部111から
有効電力Pwr1を入力し、また図9に示した第5の実施の
形態と同様の伝送装置4によって他のインバータ制御装
置2−10からの有効電力Pwr2を入力し、数30式によ
り平均有効電力差ΔPwrを求めて出力する。
【0102】
【数30】 ただし、Tは一次遅れ時定数である。
【0103】定常動作時周波数設定部113−3では、
こうして平均有効電力差演算部116が算出した平均有
効電力差ΔPwrを入力し、また有効電力演算部111か
らの有効電力Pwr1を入力し、次の数31式による演算に
より、定常時周波数設定値fcを求めて出力する。
【0104】
【数31】 ただし、kは比例ゲインである。
【0105】こうして、定常時周波数設定値fcを得れ
ば、以降の周波数切替部114の演算処理、また位相演
算部12、電圧指令設定部13、電圧制御部14の演算
処理はすべて、第1の実施の形態、第5の実施の形態と
同様である。
【0106】この第6の実施の形態によれば、2台のイ
ンバータ制御装置1−10,2−10の個体差に起因す
る有効電力のアンバランスを抑制しながら2台のインバ
ータ1−1,2−1を並列同期運転することができる。
【0107】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明のインバー
タ装置によれば、有効電力に対する出力周波数特性が起
動時と定常動作時とに分けて設定され、両者を切り替え
て運転されるので、起動時の確実な同期引き入れと定常
運転時の周波数変動の抑制が両立でき、特別な信号線の
追加なしに複数台のインバータの並列同期運転が可能で
ある。
【0108】請求項2の発明のインバータ制御装置によ
れば、有効電力に対する出力周波数特性を起動時と定常
動作時とに分けて設定し、両者を切り替えて運転するこ
とにより、起動時の確実な同期引き入れと定常運転時の
周波数変動の抑制を両立させ、特別な信号線の追加なし
に複数台のインバータの並列同期運転が可能である。
【0109】請求項3の発明のインバータ制御装置によ
れば、請求項2の発明の効果に加えて、インバータの出
力有効電力をインバータの電流容量で決まる有効電力制
限内に確実に収めながら、周波数変動を効果的に抑制す
ることができる。
【0110】請求項4の発明のインバータ制御装置によ
れば、請求項2の発明の効果に加えて、他のインバータ
が先に起動した状態において自インバータを起動する場
合に、その起動時の過渡変動や過電流を抑制しながら、
複数台のインバータを並列同期運転に入らせることがで
きる。
【0111】請求項5の発明のインバータ制御装置によ
れば、請求項2の発明の効果に加えて、出力電圧と出力
電流から演算した無効電力の変化率に応じて、電圧指令
設定部の出力する交流各相の出力電圧指令における振幅
指令値を補正する出力電圧振幅補正部を備えたので、イ
ンバータの過渡時の制御安定性を向上させることができ
る。
【0112】請求項6及び7の発明のインバータ制御装
置によれば、請求項2の発明の効果に加えて、複数台の
インバータそれぞれを定常動作時には負荷の軽重によら
ず所定の周波数に維持して並列同期運転することができ
る。
【0113】請求項8の発明のインバータシステムによ
れば、インバータ制御装置間に簡単な信号伝送部を介在
させるだけで、各インバータの起動時の確実な同期引き
入れと定常運転時の周波数変動の抑制を両立させ、複数
台のインバータの並列同期運転が可能である。
【0114】請求項9の発明のインバータシステムによ
れば、請求項8の発明の効果に加えて、インバータが2
台並列に接続され、インバータ制御装置の定常動作時周
波数設定部が、定常動作時のインバータ相互の有効電力
の差を加味した有効電力−出力周波数特性に基づいて定
常時周波数設定値を設定して出力するようにしたので、
インバータの個体差による有効電力のアンバランスを抑
制しながら2台のインバータの並列同期運転が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示すブロッ
ク図。
【図2】上記の実施の形態における周波数設定部の動作
を示すグラフ。
【図3】上記の実施の形態における周波数切替部の動作
を示すタイミングチャート。
【図4】上記の第1の実施の形態における周波数設定処
理の他の例を示すグラフ。
【図5】本発明の第2の実施の形態の構成を示すブロッ
ク図。
【図6】本発明の第3の実施の形態の構成を示すブロッ
ク図。
【図7】本発明の第4の実施の形態における周波数設定
部の構成を示すブロック図。
【図8】上記の実施の形態における定常動作時周波数の
設定動作を示すグラフ。
【図9】本発明の第5の実施の形態の構成を示すブロッ
ク図。
【図10】上記の実施の形態における周波数設定動作を
示すグラフ。
【図11】本発明の第6の実施の形態のにおける周波数
設定部の構成を示すブロック図。
【図12】上記の実施の形態における定常動作時周波数
の設定動作を示すグラフ。
【図13】従来例の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1−1,2−1 PWMインバータ 1−2,2−2 LCフィルタ 1−3,2−3 変圧器 1−4,2−4 負荷 3 接続リアクタンス 4 伝送装置 11,11−1,11−2,11−3,11−4 周波
数設定部 12 位相演算部 13,13−1,13−2 電圧指令設定部 14 電圧制御部 15 電圧確立判定部 16 電源位相検出部 17 位相同期部 18 起動可能判定部 19 無効電力変化率演算部 111 有効電力演算部 112 起動時周波数設定部 113,113−1,113−2 定常動作時周波数設
定部 114,114−1 周波数切替部 115 平均有効電力演算部 116 平均有効電力差演算部

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷に対して交流出力を供給するインバ
    ータと、 このインバータの交流出力の周波数指令を設定して出力
    する周波数設定部を有し、前記周波数指令に応じて交流
    出力指令を算出して与えるインバータ制御部とを備えた
    インバータ装置において、 前記周波数設定部は、 前記インバータの出力電圧と出力電流とから有効電力を
    算出し、 この有効電力に応じて、起動時には当該有効電力が大き
    くなるにつれ、低い出力周波数となるような第1の有効
    電力−出力周波数特性にしたがって出力周波数を出力
    し、 定常動作時には前記第1の有効電力−出力周波数特性に
    比べて、有効電力の変化に対する出力周波数設定値の変
    化が小さい特性を有する第2の有効電力−出力周波数特
    性にしたがって出力周波数を出力することを特徴とする
    インバータ装置。
  2. 【請求項2】 インバータの交流出力の周波数指令を設
    定して出力する周波数設定部と、 前記周波数設定部の出力する周波数指令に対する電圧指
    令位相を算出する位相演算部と、 前記位相演算部の算出する電圧指令位相に対して、交流
    各相の出力電圧指令を設定して出力する電圧指令設定部
    と、 前記電圧指令設定部の出力する交流各相の出力電圧指令
    と前記インバータの交流各相の出力電圧との差に基づ
    き、当該インバータの交流各相のインバータ出力電圧指
    令を算出して前記インバータに与える電圧制御部とを具
    備し、 前記周波数設定部は、 前記インバータの出力電圧と出力電流とから有効電力を
    算出する有効電力演算部と、 前記有効電力演算部で演算した有効電力に応じて、当該
    有効電力が大きくなるにつれ、低い出力周波数となるよ
    うにあらかじめ設定しておいた有効電力−出力周波数特
    性にしたがって出力周波数を設定して出力する起動時周
    波数設定部と、 前記起動時周波数設定部の有効電力−出力周波数特性に
    比べて、有効電力の変化に対する出力周波数設定値の変
    化が小さい特性を有する有効電力−出力周波数特性にし
    たがって出力周波数を設定して出力する定常動作時周波
    数設定部と、 前記起動時周波数設定部から出力される出力周波数と、
    前記定常動作時周波数設定部から出力される出力周波数
    とを入力とし、起動時と定常動作時とで両者を切り替え
    て前記インバータの周波数指令として出力する周波数切
    替部とを有して成るインバータ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のインバータ制御装置に
    おいて、前記定常動作時周波数設定部は、前記インバー
    タの定常動作中に、前記有効電力演算部の算出する有効
    電力がインバータ電流容量で決まる有効電力制限値を超
    えそうになったときには、前記有効電力に応じて減少さ
    せる出力周波数の量を増加させる調整を行うことを特徴
    とするインバータ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のインバータ制御装置に
    おいて、前記インバータの起動前にその出力電圧を検出
    し、検出された出力電圧振幅が一定値以上であった場合
    には、前記位相演算部の出力である電圧位相指令を検出
    電圧位相値に同期させた後に前記インバータを起動する
    起動時位相整合部を備えたことを特徴とするインバータ
    制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のインバータ制御装置に
    おいて、出力電圧と出力電流から演算した無効電力の変
    化率に応じて、前記電圧指令設定部の出力する交流各相
    の出力電圧指令における振幅指令値を補正する出力電圧
    振幅補正部を備えたことを特徴とするインバータ制御装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載のインバータ制御装置に
    おいて、負荷の軽重によらず定常動作中の平均周波数が
    一定値になるように、前記定常動作時周波数設定部の使
    用する有効電力−出力周波数特性を変化させる出力周波
    数特性調整部を備えたことを特徴とするインバータ制御
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のインバータ制御装置に
    おいて、前記出力周波数特性調整部は、前記定常動作時
    周波数設定部の使用する有効電力−出力周波数特性を前
    記起動時周波数設定部の有効電力−出力周波数特性と同
    一にすることを特徴とするインバータ制御装置。
  8. 【請求項8】 交流出力側が並列接続された複数台のイ
    ンバータと、 前記各インバータに接続された複数台のインバータ制御
    装置と、 前記インバータ制御装置間で相互に有効電力値を伝送す
    る伝送装置とを具備し、 前記インバータ制御装置各々は、 インバータの交流出力の周波数指令を設定して出力する
    周波数設定部と、 前記周波数設定部の出力する周波数指令に対する電圧指
    令位相を算出する位相演算部と、 前記位相演算部の算出する電圧指令位相に対して、交流
    各相の出力電圧指令を設定して出力する電圧指令設定部
    と、 前記電圧指令設定部の出力する交流各相の出力電圧指令
    と前記インバータの交流各相の出力電圧との差に基づ
    き、当該インバータの交流各相のインバータ出力電圧指
    令を算出して前記インバータに与える電圧制御部とを具
    備し、 前記周波数設定部は、 前記インバータの出力電圧と出力電流とから有効電力を
    算出する有効電力演算部と、 前記有効電力演算部で算出した有効電力に応じて、当該
    有効電力が大きくなるにつれ、低い出力周波数となるよ
    うにあらかじめ設定しておいた有効電力−出力周波数特
    性にしたがって出力周波数を設定して出力する起動時周
    波数設定部と、 自装置の有効電力演算部の算出した自インバータの有効
    電力と、前記伝送装置により送られてくる他のインバー
    タ制御装置それぞれの有効電力演算部の算出した各イン
    バータの有効電力とに基づいてインバータ間の横流量を
    推定し、当該横流量を用いて自インバータの定常動作時
    出力周波数を設定して出力する定常動作時周波数設定部
    と、 前記起動時周波数設定部から出力される出力周波数と、
    前記定常動作時周波数設定部から出力される出力周波数
    とを入力とし、起動時と定常動作時とで両者を切り替え
    て前記インバータの周波数指令として出力する周波数切
    替部とを有して成るインバータシステム。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のインバータシステムに
    おいて、 前記インバータが2台並列に接続され、 前記インバータ制御装置の定常動作時周波数設定部は、
    定常動作時の前記インバータ相互の有効電力の差を加味
    した有効電力−出力周波数特性に基づいて定常時周波数
    設定値を設定して出力することを特徴とするインバータ
    システム。
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