JP3431050B2 - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents

フェノール樹脂成形材料

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノール樹脂成形材
料に関する。更に詳しくは、フェノール樹脂に繊維状物
質を配合したフェノール樹脂成形材料に関する。
【0002】
【従来の技術】成形材料たるフェノール樹脂に、ガラス
繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの繊維状物質を1.5
〜6mmの長さにカットしたチョップドストランドを配合
し、強度を向上させることが一般に行われている。
【0003】ところで、射出成形、トランスファ成形な
どでは、成形材料を溶融し、金型キャビティ内を流動さ
せて成形品を得ているが、キャビティ内にピンやインサ
ートなどの障害物が存在したり、多点ゲートで成形した
りする場合、樹脂の流動先端が一度分離し、その後再び
合流する挙動をとるため、ウェルドラインの発生を避け
ることができない。
【0004】そして、従来技術による成形材料で形成さ
れたウェルドラインの強度、特にウェルドラインと直角
方向の引張応力に対する強度は非常に低く、チョップド
ストランドを配合したフェノール樹脂成形材料もその例
外ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本出願人には先に、ガ
ラス繊維のチョップドストランドを配合したフェノール
樹脂成形材料であって、その成形品のウェルド強度を向
上せしめたものとして、フェノール樹脂、その硬化剤、
ガラス繊維のチョップドストランドおよび長さ約10〜20
0μmのガラス繊維粉末を含有するフェノール樹脂成形材
料を提案している(特開平5-311,036号公報)。
【0006】ここで提案されたフェノール樹脂成形材料
は、成形品のウェルド強度の向上という目的は達成させ
るものの、伸びの点ではなお一層の改善が望まれた。
【0007】本発明の目的は、フェノール樹脂、その硬
化剤、ガラス繊維のチョップドストランドおよび長さ10
〜200μmのガラス繊維粉末を含有するフェノール樹脂成
形材料であって、伸びの点を更に改善したものを提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
上記フェノール樹脂成形材料中に更に水素化NBRを添
加することによって達成される。
【0009】フェノール樹脂としては、ノボラック型樹
脂、レゾール型樹脂のいずれをも用いることができ、ノ
ボラック型樹脂が好んで用いられる。用いられるノボラ
ック型樹脂の重量平均分子量は約1000〜5000であること
が好ましい。約1000以下では流動性が良すぎて、成形時
に大量のバリが発生したり、ガス発生による焼けが生じ
たりするおそれがあり、一方約5000以上では流動性が悪
く、一般に成形が困難となる。これらのフェノール樹脂
には、それの硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンな
どが、フェノール樹脂100重量部当り好ましくは約10〜3
0重量部配合されて用いられる。
【0010】水素化NBRとしては、結合アクリロニト
リル含量が36〜44%であって、そのヨウ素価が28g/100g
以下、好ましくは4〜28g/100gのものが用いられる。水
素化の程度を示すヨウ素価がこれより大きい不飽和度の
ものを用いると、耐熱性が低下するようになる。一方、
ヨウ素価が4以下のものは上市されておらず、またコス
ト的にも不経済である。水素化NBRは、フェノール樹
脂100重量部当り約1〜15重量部、好ましくは約2〜10重
量部の割合で用いられる。添加割合がこれより少ない
と、本発明の目的とする伸びの改善効果が得られず、一
方これより多い割合で用いられると、弾性率が急激に低
下するようになる。
【0011】ガラス繊維のチョップドストランドとして
は、繊維径6〜30μm、好ましくは9〜13μmのガラス繊維
約1000〜30000本をエポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂など
のバインダで束ねたものを1.5〜6mmの長さにカットした
ものが、従来と同様にフェノール樹脂100重量部当り約5
〜150重量部の割合で用いられる。
【0012】また、長さ約10〜200μmのガラス繊維粉末
は、繊維径6〜30μmのガラス繊維を粉砕機などで粉砕
し、所定の長さにしたものであり、フェノール樹脂100
重量部当り約50〜200重量部、好ましくは約60〜160重量
部の割合で用いられる。ガラス繊維粉末の長さがこれよ
り短いと、通常の強度が低下するようになり、一方これ
より長さの長いものを用いると、ウェルド強度の向上が
達成されないようになる。また、配合割合がこれより少
ないと、目的とするウェルド部の強度向上効果が得られ
ず、反対にこれより多い割合で用いると、ウェルド強度
は大きくなるものの、混練性が悪くなる。
【0013】上記ガラス繊維のチョップドストランドお
よび粉末に代えて、炭素繊維やアラミド繊維などのチョ
ップドストランドおよび粉末を用いることもできるが、
成形品の強度およびコストの面からみて、ガラス繊維の
ものの方が望ましい。ただし、これらのものをガラス繊
維のものと、支障のない範囲内で併用することはでき
る。
【0014】以上の各成分以外に、フェノール樹脂とガ
ラス繊維との接着性を向上させるためのシラン系、チタ
ネート系、アルミニウム系などのカップリング剤、着色
剤、硬化促進剤、離型剤なども、必要に応じて適宜配合
される。カップリング剤としては、アミノシラン系のも
のが好ましく、一般にはガラス繊維100重量部当り約0.1
〜2重量部の割合で用いられる。
【0015】成形材料は、まずフェノール樹脂と水素化
NBRとを混練し、それを粉砕して得られた予備混練物
に他の配合成分を加えて混練し、冷却後ミル型粉砕機な
どで粉砕することにより調製され、調製された成形材料
は、射出成形、トランスファ成形などに供される。
【0016】
【発明の効果】フェノール樹脂にガラス繊維のチョップ
ドストランドを配合したフェノール樹脂成形材料中に、
長さ約10〜200μmのガラス繊維粉末を更に配合すること
により、射出成形、トランスファ成形などによって得ら
れる成形品のウェルド部強度を向上させることができ
る。
【0017】この結果、本発明に係るフェノール樹脂成
形材料から成形されたウェルド部のある成形品は、高負
荷状態や熱応力を受ける環境下で使用した場合でも、す
ぐれた耐久性を示すようになる。また、金属などをイン
サートしたウェルド部を有する成形品、例えば自動変速
機に用いられるフェノール樹脂製ステータなどにおいて
は、すぐれた耐クラック性を有している。
【0018】更に、水素化NBRが添加されたことによ
り、弾性率の低下を招くことなく、伸びを大幅に改善す
ることができる。従って、本発明に係るフェノール樹脂
成形材料から得られた加硫成形品は、弾性率が高いため
応力負荷時の歪が小さく、伸びが大きいため許容歪が大
きくなり、その結果として割れ(破壊)が有効に防止され
ることになる。
【0019】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0020】実施例1〜5 ノボラック型フェノール樹脂 100重量部 (住友デュレッ製品 PR-29274H) ヘキサメチレンテトラミン 25 〃 水素化NBR 2 〃 (実施例1) (日本ゼオン製品ゼットポール 2000L) 4 〃 (実施例2) 6 〃 (実施例3) 10 〃 (実施例4) 15 〃 (実施例5) ガラス繊維チョップドストランド(繊維径13μm) 150 〃 ガラス繊維粉末(繊維径11μm、平均繊維長70μm) 75 〃 ステアリン酸 4 〃 水酸化カルシウム 5 〃 アミノシラン系カップリング剤 4 〃
【0021】このフェノール樹脂成形材料を用いて、AS
TM D-638、TYPE Iに準じた形状の試験片を、シリンダ温
度90℃、金型温度175℃、射出圧力800kgf/cm2、射出時
間30秒間、硬化時間30秒間の成形条件下で射出成形し
た。
【0022】ウェルド部の引張弾性率および伸びを測定
した試験片は、成形用金型の両端から溶融成形材料を
入した。引張試験は、ASTM D-638に準じて行われた。測
定結果は、次の表1に示される。
【0023】比較例1 実施例3において、水素化NBRが用いられなかった。
【0024】比較例2 実施例3において、ガラス繊維粉末が用いられなかっ
た。
【0025】比較例3 実施例3において、水素化NBRおよびガラス繊維粉末
が用いられなかった。
【0026】以上の各比較例で得られた射出成形品につ
いても、前記各実施例と同様にウェルド部の引張弾性率
および伸びが測定された。得られた結果は、次の表2に
示される。
【0027】また、成形品モデルでの割れに対する安全
率を算出すると、実施例1では1.7であるのに対し、比
較例1では1.3、また比較例3では割れであった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール樹脂、その硬化剤、水素化N
    BR、ガラス繊維のチョップドストランドおよび長さ10
    〜200μmのガラス繊維粉末を含有してなるフェノール樹
    脂成形材料。
  2. 【請求項2】 請求項1のフェノール樹脂成形材料から
    成形されたウェルド部を有するフェノール樹脂成形品。
  3. 【請求項3】 請求項1のフェノール樹脂成形材料から
    成形された、金属製アウターレースをインサート成形ま
    たは後挿入したフェノール樹脂製ステータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH072895B2 (ja) * 1984-03-01 1995-01-18 日本ゼオン株式会社 耐衝撃性フェノール系樹脂組成物
JP3232694B2 (ja) * 1992-03-13 2001-11-26 エヌオーケー株式会社 フェノール樹脂製ステータ

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