JP3429096B2 - 金色装飾被膜 - Google Patents
金色装飾被膜Info
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- decorative coating
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジニアリングプラ
スチックや金属などの基材の表面に形成する金色の装飾
被膜に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、例えば自動車の車種やグレードな
どを表すエンブレムには、一般にＡＢＳ（アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン）樹脂や金属が用いられ、
その表面には装飾被膜が形成されている。装飾被膜を金
色にする場合、一般に、基材の表面に下地メッキとして
銅メッキとニッケルメッキを施した上に純度の高くない
金メッキを施し、さらに金色の顔料を含んだアクリルウ
レタン系塗料の層を保護層として形成している。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】この構成で金の純度を
低くしているのは、エンブレムの表面への傷付きを防止
するためであるが、逆に金の純度が低いために時間が経
過すると含有している金以外の金属が錆びてしまい、外
観が低下するという問題があった。純度の高い金（２４
金）を使ってメッキをすれば錆の問題は解消できると想
定されるが、その場合には逆にエンブレムに傷が付きや
すいことが問題になる。 【０００４】以上のことから、２４金メッキの上に、そ
の傷付きを防止できるような保護層を形成すれば、錆の
発生と傷付きの両方を防止することができると考えられ
る。したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、エ
ンブレムの表面に施した２４金メッキに傷つき防止性に
優れた保護層を形成して、金色の装飾被膜における錆の
発生の防止と傷付きの防止を両立させることである。 【０００５】 【課題を解決するための手段】上述の技術的課題を解決
するため、本発明に係る金色装飾被膜は以下のように構
成されたことを特徴としている。すなわち、この被膜
は、基材の表面上に、銅層、ニッケル層、金層、保護層
の順序で各層が積層され、金層が２４金からなる層であ
り、保護層がアクリルシリコン系塗料からなる層であ
る。 【０００６】 【作用・効果】上記構成においては、金の純度が高いう
えに、金との接着性の高いアクリルシリコン系塗料の保
護層を形成したので、水分の浸入を防いで錆の発生を効
果的に防止できる。また、硬度の高いアクリルシリコン
系の塗料を保護層として形成したので、表面に傷を付き
にくくすることができる。 【０００７】 【実施例】以下に、図１に示した本発明の一実施例に係
る金色装飾被膜について詳細に説明する。図１は、この
金色装飾被膜を施した自動車用のエンブレムの断面構造
を示す斜視図である。図において、１は基材、２は銅メ
ッキ層、３はニッケルメッキ層、４は金メッキ層、５は
保護層である。 【０００８】基材１は、ＡＢＳ樹脂などのエンジニアリ
ングプラスチックや金属により、自動車の車種やグレー
ドを表す形状に形成されている。銅メッキ層２は、基材
の表面にある無数の小さな凹部に延性に優れた銅を埋め
込んで表面の凹凸を平滑化するために形成されており、
約２５〜５０μｍの厚さになっている。ニッケルメッキ
層３は、外観美を高める目的で、約２５μｍ程度の厚さ
で形成されている。金メッキ層４には２４金メッキが用
いられており、その厚さは０．０５μｍ以上である。ま
た、保護層５はアクリルシリコン系塗料からなる層であ
り、厚さは２０μｍ以上になっている。純金は薄く延ば
せるので金メッキの層４を薄くすればコストを抑えるこ
とが可能であるが、薄すぎるとエンブレムの側面まで均
一に形成することが困難になるので、上述した程度の厚
さで形成することが好ましい。 【０００９】本実施例の装飾被膜は、下地メッキとして
銅メッキ２、ニッケルメッキ３を施してから、ニッケル
メッキ層３に酸化被膜ができないようにするための保護
層として一旦クロムメッキの層（不図示）を形成してお
き、クロムメッキの層を剥離すると同時にニッケルメッ
キ層３の上に金メッキ層４を形成し、さらにその上に、
紫外線吸収剤の入った透明のアクリルシリコン系塗料を
塗布することにより形成することができる。このように
クロムメッキの層を剥離するのと同時に金メッキ４を施
すことにより、ニッケルメッキ層３の表面に酸化被膜が
付着するのを防止し、金メッキの層４との間で錆や剥離
などによる変色が発生するのを防止することができる。 【００１０】アクリルシリコン系塗料は金との接着性が
高いので、上記構成の装飾被膜は、JIS D 0201に基づく
キャス試験６０Ｈ（蒸留水に塩を溶かし、希塩酸をいれ
たもの（海水を想定）を６０時間噴霧）において、錆の
発生を防止することができた。また、被膜の表面に対し
てJIS D 0202に基づく鉛筆引っかき試験（鉛筆を４５°
にして押すことによって傷付き性を計る試験）を行った
場合、従来は傷の付かないのが４Ｂの芯まであったの
が、上記構成ではＦの芯でも傷つかず、傷付きにくさが
大きく向上した。
スチックや金属などの基材の表面に形成する金色の装飾
被膜に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、例えば自動車の車種やグレードな
どを表すエンブレムには、一般にＡＢＳ（アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン）樹脂や金属が用いられ、
その表面には装飾被膜が形成されている。装飾被膜を金
色にする場合、一般に、基材の表面に下地メッキとして
銅メッキとニッケルメッキを施した上に純度の高くない
金メッキを施し、さらに金色の顔料を含んだアクリルウ
レタン系塗料の層を保護層として形成している。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】この構成で金の純度を
低くしているのは、エンブレムの表面への傷付きを防止
するためであるが、逆に金の純度が低いために時間が経
過すると含有している金以外の金属が錆びてしまい、外
観が低下するという問題があった。純度の高い金（２４
金）を使ってメッキをすれば錆の問題は解消できると想
定されるが、その場合には逆にエンブレムに傷が付きや
すいことが問題になる。 【０００４】以上のことから、２４金メッキの上に、そ
の傷付きを防止できるような保護層を形成すれば、錆の
発生と傷付きの両方を防止することができると考えられ
る。したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、エ
ンブレムの表面に施した２４金メッキに傷つき防止性に
優れた保護層を形成して、金色の装飾被膜における錆の
発生の防止と傷付きの防止を両立させることである。 【０００５】 【課題を解決するための手段】上述の技術的課題を解決
するため、本発明に係る金色装飾被膜は以下のように構
成されたことを特徴としている。すなわち、この被膜
は、基材の表面上に、銅層、ニッケル層、金層、保護層
の順序で各層が積層され、金層が２４金からなる層であ
り、保護層がアクリルシリコン系塗料からなる層であ
る。 【０００６】 【作用・効果】上記構成においては、金の純度が高いう
えに、金との接着性の高いアクリルシリコン系塗料の保
護層を形成したので、水分の浸入を防いで錆の発生を効
果的に防止できる。また、硬度の高いアクリルシリコン
系の塗料を保護層として形成したので、表面に傷を付き
にくくすることができる。 【０００７】 【実施例】以下に、図１に示した本発明の一実施例に係
る金色装飾被膜について詳細に説明する。図１は、この
金色装飾被膜を施した自動車用のエンブレムの断面構造
を示す斜視図である。図において、１は基材、２は銅メ
ッキ層、３はニッケルメッキ層、４は金メッキ層、５は
保護層である。 【０００８】基材１は、ＡＢＳ樹脂などのエンジニアリ
ングプラスチックや金属により、自動車の車種やグレー
ドを表す形状に形成されている。銅メッキ層２は、基材
の表面にある無数の小さな凹部に延性に優れた銅を埋め
込んで表面の凹凸を平滑化するために形成されており、
約２５〜５０μｍの厚さになっている。ニッケルメッキ
層３は、外観美を高める目的で、約２５μｍ程度の厚さ
で形成されている。金メッキ層４には２４金メッキが用
いられており、その厚さは０．０５μｍ以上である。ま
た、保護層５はアクリルシリコン系塗料からなる層であ
り、厚さは２０μｍ以上になっている。純金は薄く延ば
せるので金メッキの層４を薄くすればコストを抑えるこ
とが可能であるが、薄すぎるとエンブレムの側面まで均
一に形成することが困難になるので、上述した程度の厚
さで形成することが好ましい。 【０００９】本実施例の装飾被膜は、下地メッキとして
銅メッキ２、ニッケルメッキ３を施してから、ニッケル
メッキ層３に酸化被膜ができないようにするための保護
層として一旦クロムメッキの層（不図示）を形成してお
き、クロムメッキの層を剥離すると同時にニッケルメッ
キ層３の上に金メッキ層４を形成し、さらにその上に、
紫外線吸収剤の入った透明のアクリルシリコン系塗料を
塗布することにより形成することができる。このように
クロムメッキの層を剥離するのと同時に金メッキ４を施
すことにより、ニッケルメッキ層３の表面に酸化被膜が
付着するのを防止し、金メッキの層４との間で錆や剥離
などによる変色が発生するのを防止することができる。 【００１０】アクリルシリコン系塗料は金との接着性が
高いので、上記構成の装飾被膜は、JIS D 0201に基づく
キャス試験６０Ｈ（蒸留水に塩を溶かし、希塩酸をいれ
たもの（海水を想定）を６０時間噴霧）において、錆の
発生を防止することができた。また、被膜の表面に対し
てJIS D 0202に基づく鉛筆引っかき試験（鉛筆を４５°
にして押すことによって傷付き性を計る試験）を行った
場合、従来は傷の付かないのが４Ｂの芯まであったの
が、上記構成ではＦの芯でも傷つかず、傷付きにくさが
大きく向上した。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一実施例に係る金色装飾被膜を施し
た自動車用のエンブレムの断面構造を示す斜視図であ
る。 【符号の説明】 １ 基材 ２ 銅メッキ層 ３ ニッケルメッキ層 ４ 金メッキ層 ５ 保護層
た自動車用のエンブレムの断面構造を示す斜視図であ
る。 【符号の説明】 １ 基材 ２ 銅メッキ層 ３ ニッケルメッキ層 ４ 金メッキ層 ５ 保護層
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
C25D 5/12
B32B 15/08
C23C 14/00 - 14/58
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 基材(1)の表面上に、銅層(2)、ニッケル
層(3)、金層(4)、保護層(5)の順序で各層が積層された
金色装飾被膜において、 上記金層(4)が２４金からなる層であり、 上記保護層(5)が、アクリルシリコン系塗料からなる層
であることを特徴とする金色装飾被膜。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP02921795A JP3429096B2 (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | 金色装飾被膜 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP02921795A JP3429096B2 (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | 金色装飾被膜 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08225920A JPH08225920A (ja) | 1996-09-03 |
| JP3429096B2 true JP3429096B2 (ja) | 2003-07-22 |
Family
ID=12270038
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP02921795A Expired - Fee Related JP3429096B2 (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | 金色装飾被膜 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3429096B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4538720B2 (ja) * | 2004-04-13 | 2010-09-08 | 株式会社フクダコーポレーション | 樹脂基材又は金属基材の加飾方法 |
| KR102576116B1 (ko) * | 2018-01-16 | 2023-09-07 | 가부시키가이샤 타이요 고사쿠쇼 | 실리카 코팅이 실시된 도금층 |
| JP7160024B2 (ja) * | 2019-12-20 | 2022-10-25 | 株式会社村田製作所 | 電子部品 |
-
1995
- 1995-02-17 JP JP02921795A patent/JP3429096B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08225920A (ja) | 1996-09-03 |
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