JP3426462B2 - 測量機器の焦点検出装置 - Google Patents

測量機器の焦点検出装置

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JP3426462B2
JP3426462B2 JP5966197A JP5966197A JP3426462B2 JP 3426462 B2 JP3426462 B2 JP 3426462B2 JP 5966197 A JP5966197 A JP 5966197A JP 5966197 A JP5966197 A JP 5966197A JP 3426462 B2 JP3426462 B2 JP 3426462B2
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信一 鈴木
昌広 中田
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ペンタックス株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、望遠光学系を備えた、例えばオ
ートレベル、セオドライト、トランシットなどの測量機
器に適した焦点検出装置に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】オートレベル、トランシッ
ト、セオドライトなどの測量機器は、基本的に、視準望
遠鏡と、水準器、回転角、俯仰角などを計測するスケー
ルなどを備えている。そして、測量機器を水平にセット
し、視準望遠鏡で視準点、あるいは視準物体を視準す
る。
【0003】一般的な測量機器の視準望遠鏡は、物体側
から順に、対物レンズ、焦点調節レンズ及び接眼レンズ
を備え、この焦点調節レンズが、物体距離に応じて該物
体像をレチクル(焦点板)上に結像させるべく位置調節
(焦点調節)される。使用者は、レチクルと重なった像
を接眼レンズを介して観察する。
【0004】このような測量機器には、いわゆるパッシ
ブ型の焦点検出装置を搭載することが考えられる。公知
の焦点検出装置は、視準望遠光学系の光路を分岐させ
て、分岐光路中に焦点検出センサを配置し、焦点検出セ
ンサにおいて光束を二分割し、焦点板と等価な位置に配
置された一対のラインセンサ上に物体像を形成し、一対
のラインセンサ上の物体像の位相差からデフォーカスを
検知し、焦点調節している。通常、測量機器では、標尺
を視野の中心に位置させるので、デフォーカスを検出す
る物体像は、レチクルの交点を中心とした領域に含まれ
るのが望ましい。このような焦点検出センサを測量機器
に組みつけるときの組み付け誤差、製造誤差などによっ
て、焦点検出センサの軸合わせが狂い、デフォーカスを
検知する領域の中心がずれて、レチクルを中心として左
右対称な領域にならない場合がある。しかし、焦点検出
センサを微動させて軸合わせを可能にするのは、構造上
も、作業上も困難である。
【0005】また、測量機器は、標尺を視準物体とする
ことが多いが、結像板上に形成される標尺像の大きさ
(幅)は、遠距離になるほど小さくなる(図8および図
9参照)。したがって、遠距離では、標尺像の周囲の像
に対して焦点検出してしまうおそれがある。そこで、遠
距離では焦点検出領域の幅を狭めることが考えられる。
しかし、焦点検出領域が中心からずれた状態で焦点検出
領域の幅を狭めると、視野の中央に位置する細い被写体
像は焦点検出領域から外れてしまい、焦点状態が検出で
きなくなってしまう。
【0006】
【発明の目的】本発明は、このような従来の焦点検出装
置の問題意識に基づきなされたもので、焦点検出領域の
中心を、簡単に視野の中心と一致させることが可能な焦
点検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【発明の概要】この目的を達成する本発明は、物体側か
ら順に、対物レンズ群と、光軸に沿って移動して焦点調
節する焦点調節レンズ群と、レチクルを有する焦点板
と、焦点板上に形成された物体像を観察する接眼レンズ
群とを備えた望遠光学系と、前記焦点調節レンズ群と前
記焦点板との間に配置された光束分割光学系と、前記光
束分割光学系によって分割された分割光路中に配置され
た、前記焦点板上において前記レチクルを中心とした横
長の領域内に形成される像に相当する像を、対応する焦
点検出領域において受光する一対の受光手段と、該一対
の受光手段が前記焦点検出領域において受光した一対の
像の位相差に基づいてデフォーカス量を算出する演算手
段とを備え、前記焦点板上のレチクルの位置と、前記焦
点状態を検出する際に使用する前記受光手段の前記焦点
検出領域の設計上の中心位置とのズレ量を補正すべく、
前記一対の受光手段の前記焦点検出領域の焦点検出基準
位置を設計上の中心位置から前記ズレ量分だけシフトさ
せるシフト手段を備えたことに特徴を有する。 この構成
によれば、一対の受光手段の製造誤差、または測量機器
に組み付けるときの組み付け誤差等により、接眼レンズ
群を介して観察する視野内における焦点検出板上のレチ
クルを中心とした横長の領域の中心位置と、受光手段の
焦点検出領域の設計上の中心位置とがズレているため、
接眼レンズ群を介して焦点検出板上のレチクルに重なっ
て観察される物体像が、受光手段上の焦点検出領域の設
計上の中心位置からずれた位置に形成されていても、そ
のズレ量分、受光手段の焦点検出領域をシフトさせるの
で、接眼光学系を介して観察する視野内のレチクルを中
心とした領域の物体像は、焦点検出領域の中心位置に位
置することになり、レチクルを中心として観察される物
体に対して焦点検出がなされる。
【0008】本発明の実施形態では、黒い縦線が描かれ
たチャート板を、前記接眼レンズ群を介して前記望遠光
学系により視準して前記黒い縦線と前記レチクルの縦線
とを一致させ、該一致状態で前記受光手段の出力から該
受光手段上の前記黒い縦線の像位置を検出し、該黒い縦
線の像位置と焦点検出基準位置とのズレを前記ズレ量と
して設定することができる。 この構成によれば、測量機
器に焦点検出装置を組み込んだ後にズレ量を設定できる
ので、焦点検出手段の機械的な組み立て、調整精度が多
少低く、組み立てた状態において、受光手段上の焦点検
出領域が焦点検出板上におけるレチクルを中心とした領
域と一致していなくても、シフト手段により焦点検出の
際に簡単にこれらの領域を一致させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明を説明
する。図1は、本発明の自動焦点調節装置を適用したオ
ートレベルの一実施の形態を示す図である。オートレベ
ル10は、望遠光学系(視準望遠光学系)として、物体
側から、正の視準用対物レンズ群11、負の焦点調節レ
ンズ群12、水平補償光学系13、焦点板(焦点面)1
4、及び正の接眼レンズ群15を備えている。
【0010】水平補償光学系13は、周知のもので、第
1コンペプリズム13a、コンペミラー13b及び第2
コンペプリズム13cとを有する左右対称形状をしてい
て、図示しないが、紐体を介して軸に吊り下げられてい
る。コンペミラー13bと第1、第2コンペプリズム1
3a、13cとの角度は、絶対値が等しく符号が反対の
例えば30゜をなしている。この角度は、紐体の長さ等
の要素によって異なる。この水平補償光学系13は、対
物レンズ群11と焦点調節レンズ群12の光軸を略水平
(例えば水平から10〜15分程度傾斜した状態)にセ
ットすると、第1コンペプリズム13aへの入射光束は
同じズレ量だけ水平からズレるが、第1コンペプリズム
13a、コンペミラー13b及び第2コンペプリズム1
3cで反射して射出する光束は、実質的に水平となる。
【0011】焦点調節レンズ群12には、レンズ移動手
段として、ラック12aが固定されており、このラック
12aにピニオン12bが噛み合っている。このピニオ
ン12bを回転させて焦点調節レンズ群12を光軸に沿
って移動させることにより、対物レンズ群11と焦点調
節レンズ群12によって形成される物体9の像の位置を
光軸に沿って平行移動させることができる。作業者は、
焦点板14上に結像された物体像を、焦点板14上に描
いたレチクル等と一緒に接眼レンズ15によって観察す
る。
【0012】対物レンズ群11から焦点板14に至る光
路中に、該光路を分岐させる分岐光学素子(ハーフミラ
ー)18を配置し、分岐光路中に、焦点板14の等価面
14Aにおける焦点状態(結像状態)を検出する焦点検
出系20を設け、さらにこの焦点検出系20の出力に基
づいて焦点調節レンズ群12を駆動する焦点調節レンズ
群駆動系30を設けている。焦点検出系20および焦点
調節レンズ群駆動系30の主要部は、基盤部17に収納
されている。
【0013】演算・制御回路23は、演算したAFモー
タ31の回転方向およびAFパルス数に基づいてAFモ
ータ駆動回路25を介してAFモータ31を駆動する。
AFモータ31の回転は、クラッチ内蔵減速機構32を
介してピニオン12bに伝達され、焦点調節レンズ群1
2を移動する。
【0014】AFモータ31の回転は、エンコーダ33
が出力するパルスによって演算・制御回路23が検知お
よびカウントし、そのカウント値と、先に演算によって
求めたパルス数に基づいて速度制御、停止制御などを行
う。この焦点検出系20と焦点調節レンズ群駆動系30
により、物体距離に応じて焦点調節レンズ群12が光軸
に沿って駆動され、自動合焦される。
【0015】焦点検出系20は、スイッチとして、自動
焦点調節処理を開始するAF開始スイッチ27、AFモ
ードであること(マニュアルフォーカスモードではない
こと)を検知するAFスイッチ29を備えている。AF
開始スイッチ27は、使用者などによって押されるとオ
ンし、押圧力が除かれると自動復帰(オフ)する押し釦
スイッチである。AFスイッチ29は、フォーカス操作
ノブ16の軸方向移動に連動し、フォーカス操作ノブ1
6が押し込まれて自動焦点調節モードになったときにオ
ンするスイッチである。
【0016】また、ピニオン12bは、フォーカス操作
ノブ16による手動焦点調節と、焦点検出系20および
焦点調節レンズ群駆動系30による自動焦点調節のいず
れか一方による駆動が可能である。つまり、オートレベ
ル10は、焦点検出系20の出力により焦点調節レンズ
群12を駆動するオートフォーカスモード(自動焦点調
節)と、焦点検出系20の出力によることなく手動でフ
ォーカス操作ノブ16を回転駆動して焦点調節レンズ群
12を移動するマニュアルモード(手動焦点調節)とに
切替可能に構成されている。
【0017】これらオートフォーカスモードとマニュア
ルモードとを切替える手段として、例えばマニュアルフ
ォーカス操作ノブ16を軸方向のいずれか一方に移動さ
せたときマニュアルモードに切替わり、他方に移動させ
たときオートフォーカス(AF)モードに切替わるよう
に構成してある。また、演算・制御回路23は、フォー
カス操作ノブ16がオートフォーカスモードに切り換わ
ったことを、AFスイッチ29がオンしていることによ
り知る。
【0018】等価面14Aの焦点状態を検出する焦点検
出系20は、等価面14Aの近傍に配置したAFセンサ
21を有し、このAFセンサ21の出力に基づいてデフ
ォーカス量を検出するものである。本実施の形態のAF
センサ21は位相差法タイプのもので、図2に示したよ
うに、等価面14Aの物体像を、集光レンズ21aおよ
び基線長だけ離して配置した一対のセパレータレンズ
(結像レンズ)21bによって分割して一対のCCDラ
インセンサ21c上に再結像する。この一対のラインセ
ンサ21cに対する物体像の入射位置は、物体9の像が
共役面14A上に正確に結像しているとき(合焦)、共
役面14Aより前方に結像しているとき(前ピン)、及
び共役面14Aより後方に結像しているとき(後ピン)
とでそれぞれ異なり、かつ、合焦位置からのずれ量(デ
フォーカス量)も、一対のラインセンサ21c上への物
体像の結像位置によって判断できる。
【0019】CCDラインセンサ21cは、左右一対有
するが、一方の基準部の概要を図3に示すように、多数
の光電変換素子(受光素子)を有し、各光電変換素子
が、受光した物体像を光電変換して光電変換した電荷を
積分(蓄積)し、積分した電荷を、AFセンサデータと
して順番に出力する。
【0020】このラインセンサ21cは、焦点板14に
設けられたレチクルに対して、レチクルの視準軸が中央
(設計中心)に位置し、横線と平行かつその横線が中心
に位置するように配置してある。
【0021】しかし、組立誤差などによって、AFセン
サ21の位置、あるいは向きが設計位置、設計向きから
ずれてしまうことがある。このような場合は、視野にお
いて中心に位置する像点が、一対のCCDラインセンサ
21c上の設計上の中心位置からずれた位置に形成され
てしまう。つまり、焦点板14上の像とAFセンサ21
上の像とが、一種のパララックスを生じた状態になる。
このようなずれ、あるいはパララックスを生じると、図
7、図9に示したように、視準物体の像が非常に細くな
ると、焦点検出領域を狭めたときに視準物体像が焦点検
出領域から外れてしまい、合焦できなくなる虞れがあ
る。
【0022】そこで本実施の形態では、焦点検出領域を
左右にシフト調整可能とした。つまり、例えば、設計上
の中心が中心線Vであったとすると、例えば焦点検出領
域の中心線V+ の位置、あるいは中心線V- の位置まで
シフト(移動)させることができる。なお、この移動は
CCDラインセンサ21c自体を移動するのではなく、
デフォーカス量演算に使用する画素(光電変換素子)の
領域、例えば焦点検出領域Z1を焦点検出領域Z1+ 、
Z1- のようにずらすのである。
【0023】図4から図7を参照して、焦点検出領域の
シフト調整処理を説明する。この調整は、通常、オート
レベル10の組立工程の最終調整時に行なう。先ず、オ
ートレベル10をほぼ水平に設置し、視野内のレチクル
(十字線)の交点を、望遠光学系の光軸中心に一致させ
る。そして、この望遠光学系を、所定距離に設置したチ
ャート板51に向ける。このチャート板51は、黒い縦
線52が描かれた薄板であって、縦線52が鉛直になる
ようにオートレベル10に向けて立て、かつ望遠光学系
で、縦線52がレチクルの縦線vと一致するように視準
する。このチャート板51の縦線52と、焦点検出領域
Z、Z1との視野F内における関係を図4に示した。こ
の図から分かるように、焦点検出領域Zの中心Vが、視
野F内において右にΔXずれているものとする。
【0024】演算・制御回路23の出力に、コンピュー
タ(パーソナルコンピュータ)60を接続する。そし
て、コンピュータ60から演算・制御回路23に、予め
設定されたAFセンサ駆動コマンドを出力してAFセン
サ21に積分を実行させ、AFセンサ21が出力したA
Fセンサデータを演算・制御回路23を経由してコンピ
ュータ60で取り込む。そして、コンピュータ60のデ
ィスプレイに、すべての画素のAFセンサデータをグラ
フ化して表示する(図5参照)。このグラフにおいて、
縦軸はCCDラインセンサ21cの各画素の出力電圧
(積分値)、横軸は画素の座標(位置)である。このグ
ラフにおいて、谷部が縦線52の像(が形成されている
CCDラインセンサ21cの画素群のAFセンサデー
タ)に相当し、この谷部が全AFセンサデータの中心か
らΔx0 ずれていることが分かる。
【0025】コンピュータ60は、この全AFセンサデ
ータから、縦線52の像の中心およびずれ量Δx0 を演
算する。そして、このずれ量Δx0 、つまり、中心シフ
ト量を、EEPROM6に書込む。中心シフト量の最小単位
を、本実施例ではCCDラインセンサ21cの1個の画
素(光電変換素子)幅としてある。演算・制御回路23
は、詳細は後述するが、AF処理において、このシフト
量をEEPROM6から読み出して、焦点検出領域を補正す
る。図4には、補正後の焦点検出領域Z、Z1と視野F
との関係を示し、図7には補正前の焦点検出領域Z、Z
1と視野Fとの関係を示し、図6には、ずれの無い場合
の焦点検出領域Z、Z1と視野Fとの関係を示してい
る。
【0026】チャート板51の像の中心位置を求める方
法としては、チャート板51の像の重心位置を演算する
か、チャート板51の像の濃度(輝度)のある値でスレ
ッシュホールドレベルを設定して、そのスレッシュホー
ルドレベルに相当する値の中間位置から中心位置を求め
るなど、公知の方法を利用できる。なお、AFセンサ2
1は、一対のCCDラインセンサ21cを有し、チャー
トの像はそれぞれのCCDラインセンサ21c上に形成
されるが、チャートの像は、ピントがあっている場合
は、それぞれのCCDラインセンサ21c上の同じ位置
に形成されるので、一方のシフト量だけ求めればよい。
【0027】また、CCDラインセンサ21cに隣接し
て、物体像の明るさに応じて積分時間(受光時間)をコ
ントロールするモニターセンサ21dを備えている。こ
のモニターセンサ21dは、3個のモニターセンサM
1、M2、M3を備えている。AFセンサ21は、この
モニターセンサM1、M2、M3の出力を検知して、C
CDラインセンサ21cの積分時間、つまり、積分終了
をコントロールする。
【0028】一対のCCDラインセンサ21cが出力し
たAFセンサデータは、プリアンプ22で増幅して演算
・制御回路23に入力する。演算・制御回路23は、一
対のAFセンサデータに基づいて、デフォーカス演算に
よってデフォーカス量を算出する。本実施の形態ではさ
らに、デフォーカス量に基づいて、デフォーカス量が0
になる位置まで焦点調節レンズ群12を移動するのに必
要なAFモータ31の駆動方向および駆動量(エンコー
ダ33の出力パルス(以下「AFパルス」)数)を算出
する。
【0029】このオートレベル10の自動焦点調節処理
について、図10から図17に示したフローチャートを
参照してより詳細に説明する。この処理は、オートレベ
ル10に不図示のバッテリが装着されている状態で、演
算・制御回路23によって実行される。
【0030】不図示のバッテリが装着されると、まず、
ステップ(以下「S」と省略する)101において、内
部RAM、各入出力ポートなどをイニシャライズしてか
らパワーダウン処理に進む。以後、バッテリが外され、
再装着されない限り、S101は実行しない。
【0031】パワーダウン処理は、いわゆる待機処理で
あって、AF開始スイッチ27がオン操作されない間は
演算・制御回路23を除く各回路の電源をオフしてAF
開始スイッチ27が操作されるのを待ち、AF開始スイ
ッチ27がオン操作されると、各回路の電源(パワー)
をオンしてAF処理(焦点調節処理)を実行する。
【0032】パワーダウン処理では、まず、AF動作
(焦点調節処理)に関するフラグをクリア(0をセッ
ト)し、動作を終了する(S111)。フラグとして本
実施例では、合焦したことを識別する合焦フラグ、自動
焦点調節ができなかったことを識別するAFNGフラ
グ、一度合焦した後の積分処理であることを識別する再
積分フラグ、焦点調節レンズ群12を移動しながらの積
分処理であることを識別するサーチ中およびオーバーラ
ップ中フラグ、有効なデフォーカス量が得られことを識
別するデフォーカスOKフラグ、AF焦点検出領域を選択
したことを識別する領域セレクトフラグを有する。
【0033】AF動作に関するリセット処理が終了する
と、AF開始スイッチ27がオンかどうかをチェックす
る(S113)。使用者が操作しない初期状態ではオフ
なので、AF開始スイッチメモリをOFFにする(OF
Fを書き込む)(S113、S115)。そして、パワ
ーオンかどうかをチェックするが、初期状態では各回路
に各回路の電源を供給していないパワーオフ状態なの
で、S113に戻って、S113、S115、S119
の処理を繰り返す。
【0034】AF開始スイッチ27がオンされたとき
は、次の処理を実行する。AF開始スイッチ27がオン
になったので、S113からS117に進み、AF開始
スイッチメモリがONかどうかをチェックするが、1回
目はOFFなので、S123に進んで、AF開始スイッ
チメモリをONにする(ONを書込む)(S123)。
そして、AFスイッチ29の状態を入力するが、AFス
イッチ29がオフしているときはマニュアル焦点調節モ
ードなのでパワーダウン処理に戻る(S125、S11
1)。AFスイッチ29がオンしているとき、つまり自
動焦点調節モードのときには、パワーをオンしてVDD
ループ処理に進む(S125)。
【0035】パワーダウン処理に戻ったときは、AF開
始スイッチメモリはONなので、AF開始スイッチ27
がオンしているときは、S113、S117、S119
からS121に進んでパワーをOFFして、AF開始ス
イッチ27がオフし、オンするのを待つ。AF開始スイ
ッチ27がオフしているときは、S113からS115
に進んでAF開始スイッチメモリにOFFを書込み、S
119からS121に進んでパワーをOFFし、AF開
始スイッチ27がオンするのを待つ。
【0036】VDDループ処理は、焦点調節処理を実行
し、AF開始スイッチ27の状態を検知しながら、合焦
するか、合焦不能であると判断されたらパワーダウン処
理に戻る処理である。VDDループ処理に入ると、再度
AFスイッチ29の状態を入力して、オンしていること
を条件に処理を進めるが、オフしているときはマニュア
ルフォーカスなのでパワーダウン処理に戻る(S20
1、S203)。以下、AFスイッチ29がオンしてい
るものとして説明する。
【0037】AFスイッチ29がオンしているときは、
デフォーカスを検出して焦点調節レンズ群12を合焦位
置まで移動するAF処理(焦点調節処理)を実行し(S
205)、処理途中で定期的にAF開始スイッチ27が
オンしているかどうかをチェックする(S207)。1
回目のチェックでは、通常AF開始スイッチ27はオン
のままなので、AF開始スイッチメモリがONかどうか
をチェックするが、S123でONにされているので、
合焦フラグ、AFNGフラグのチェックを行う(S21
1、S213、S215)。AF処理途中で、合焦とも
AF合焦不能とも判定できていない場合は、合焦フラ
グ、AFNGフラグともにクリア状態(0)なので、S
201に戻る。
【0038】そして、合焦して合焦フラグに1がセット
されるか、合焦不能でAFNGフラグに1がセットされ
るまでS201、S203、S205、S207、S2
11、S213、S215の処理を繰り返す。この処理
中にAF開始スイッチ27がオフすると、S207から
S209に進んでAF開始スイッチメモリにOFFを書
込む処理を経て、合焦フラグ、AFNGフラグチェック
処理(S213、S215)からS201に戻る処理を
繰り返す。
【0039】通常は、S205のAF処理によって焦点
調節レンズ群12が合焦位置まで移動されるので合焦フ
ラグに1がセットされて、S213からパワーダウン処
理に戻り(S213)、AF動作を終了する(S11
1)。また、視準物体が静止していなかったとか、暗す
ぎた、コントラストが低すぎた場合など、何らかの事情
で合焦できなかったときは、AFNGフラグに1をセッ
トしてパワー処理に戻り(S215)、AF動作を終了
する(S111)。
【0040】パワーダウン処理に戻ると、AF開始スイ
ッチ27がオンしているときはAF開始スイッチメモリ
がONなので、S113、S117、S119からS1
21に進んでパワーをOFFし、AF開始スイッチ27
がOFFしているときは、S113からS115に進ん
でAF開始スイッチメモリにOFFを書込み、S119
からS121に進んでパワーをOFFし、AF開始スイ
ッチ27がオンするのを待つ。
【0041】いずれの場合もパワーダウン処理に戻る
と、パワーをOFFをOFFして演算・制御回路23以
外の周辺回路への電力供給を断つ。
【0042】また、VDDループ処理中に、AF開始ス
イッチ27がオフされてから再びオンされると、S20
7からS211に進むが、最初はAF開始スイッチメモ
リがOFFなのでS211からS217に進んでAF開
始スイッチメモリにONを書き込み、S201に戻る。
【0043】そして、AF開始スイッチチェック時にA
F開始スイッチ27がオンしていれば、AF開始スイッ
チメモリがONであるかどうかをチェックし、ONなの
で合焦フラグチェック処理、AFNGフラグチェック処
理を実行してS201に戻る(S209、S213、S
215)。AF開始スイッチチェック時にAF開始スイ
ッチ27がオフしていれば、S207からS209に進
んでAF開始スイッチメモリにOFFを書込み、合焦フ
ラグチェック処理、AFNGフラグチェック処理を実行
してS201に戻る(S211、S213、S21
5)。
【0044】このように、一旦AF開始スイッチ27が
オンされると、合焦するまで、あるいは合焦不能である
ことが検知されるまで焦点調節処理を繰り返すので、使
用者は焦点調節処理に煩わされず、測量作業を実行でき
る。
【0045】また、VDDループ処理中にAFスイッチ
29がオフすると、つまり、フォーカス操作ノブ16が
マニュアルフォーカス位置に移動されると、S203か
らパワーダウン処理に戻り、AF処理を終了する。
【0046】次に、S205のAF処理の詳細につい
て、図12から図17に示したフローチャートを参照し
て説明する。AF処理に入ると、オーバラップ中フラ
グ、サーチ中フラグ、再積分フラグのチェック処理を行
うが(S301、S303、S305)、1回目のとき
は全てS111でクリアされたままなので、AFセンサ
に積分を開始させ、積分結果をAFセンサデータとして
入力し、デフォーカス演算を実行する(S307)。な
お、デフォーカス演算では、公知の通り、一対のAFセ
ンサデータから相関度を求め、相関度からデフォーカス
方向(前ピンか後ピンか)、およびデフォーカス量を算
出する。
【0047】そして、この演算結果が有効かどうかをチ
ェックする。視準物体が、コントラストが低すぎる場
合、繰り返し模様の場合、被写体輝度が低すぎる場合な
どに、演算結果が無効になる場合がある。通常は有効な
演算結果が得られるので、演算結果が有効である場合に
ついて最初に説明する。
【0048】演算結果が有効のときは、合焦チェック処
理を行い、合焦していれば合焦フラグに1をセットし、
非合焦であれば合焦フラグに0をセットする(S32
1)。この実施の形態で合焦と判断するのは、デフォー
カス量が所定量以下のときである。合焦していればVD
Dループ処理にリターンしてS207以降の処理を実行
し、非合焦のときはパルス計算処理に進む(S32
3)。
【0049】パルス計算処理は、有効なデフォーカス量
に基づいてAFパルス数、つまり、デフォーカス量が0
になる位置まで焦点調節レンズ群12を移動させるのに
必要なAFモータ31の駆動量(エンコーダ33が出力
するAFパルス数)を演算する処理である。
【0050】パルス計算処理に入ると、デフォーカス量
からAFモータ31の駆動方向およびAFパルス数を演
算する(S331)。このAFパルス数を演算・制御回
路23のAFパルスカウンタ23aにセットし、AFモ
ータ31をDC起動してパルスチェック処理を実行する
(S333、S335)。AFパルスカウンタ23aの
値は、エンコーダ33からAFパルスが1個出力される
ごとに1減算する。
【0051】パルスチェック処理は、AFパルスカウン
タ23aの値に応じて、AFモータ31の駆動速度を制
御する処理である。つまり、オーバーラップ積分禁止パ
ルス数よりも大きいときにはAFモータ31を高速駆動
して焦点調節レンズ群12をより短時間で合焦位置に近
づけ、かつオーバラップ積分も実行し、オーバーラップ
積分禁止パルス数未満になったら高速駆動しつつもオー
バラップ積分を停止し、さらに一定速度制御開始パルス
数未満になったら、行き過ぎを防止するためにAFモー
タ31を低速のPWM制御しつつ、カウンタ値が0にな
ったらAFモータ31を停止させる処理である。
【0052】パルスチェック処理に入ると、AFパルス
カウンタ23aの値とオーバラップ積分禁止パルス数を
比較し(S341)、カウンタ値の方が大きい間はS3
43に進んで、オーバラップ中フラグに1をセットし、
オーバーラップ積分をスタートさせて、AFセンサ21
からAFセンサデータを入力し、デフォーカス演算を実
行する(S345)。そして、有効な演算結果が得られ
たら、駆動方向チェック処理に進み、有効な演算結果が
得られなかったら、リターンする(S347)。
【0053】駆動方向チェック処理は、AFモータ31
駆動中の積分によって得られたAFセンサデータに基づ
いてAFパルス数を算出し、カウンタにセットするが、
駆動方向が変わった場合には、AFモータ31にブレー
キをかけて停止させる処理である。本実施例のブレーキ
は、AFモータ31の両極をショートして回転を停止さ
せる処理である。
【0054】駆動方向チェック処理に入ると、オーバラ
ップ中フラグに1をセットし、サーチ中フラグに0をセ
ットして、焦点調節レンズ群12の前回と今回の駆動方
向を、演算結果から比較する(S361、S363)。
通常は同方向なので、積分中間点におけるAFパルス数
を算出して、算出した値をカウンタにセットしてリター
ンする(S363、S365)。駆動方向が変わったと
きは、AFモータ31にブレーキをかけて停止し、オー
バーラップ中フラグに0をセットし、再積分フラグに1
をセットしてVDDループ処理にリターンする(S36
3、S367、S369、S371)。
【0055】VDDループ処理にリターンするとS20
7以降の処理を実行し、再びAF処理に入る。駆動方向
が変わっていないときは、オーバーラップ中フラグに1
がセットされているので、S301からパルスチェック
処理に入り、カウンタ値がオーバラップ禁止パルス数よ
りも少なくなるまで、S341からS347、駆動方向
チェック処理のS361からS365を経てVDDルー
プ処理にリターンして、パルスチェック処理に戻る処理
を繰り返す。
【0056】そして、以上の処理中に通常は、合焦位置
まで駆動するためのAFパルス数が減少し、オーバラッ
プ積分禁止パルス数よりも少なくなって、パルスチェッ
ク処理のS341からS349に進む。
【0057】S349からS355の処理は、算出した
AFパルス数分の駆動を終了してAFモータ31を停止
させる処理である。S349に進むと、AFパルス数が
一定速度制御開始パルス数未満になるのを待ち、未満に
なったら、残りのAFパルス数に応じてAFモータ31
を低速制御して、AFパルス数が0でAFモータ31を
停止するように制御する(S349、S351、S35
3)。そして、AFモータ31を停止したら、オーバー
ラップ中フラグに0をセットし、再積分フラグに1をセ
ットしてVDDループ処理にリターンする(S353、
S355)。
【0058】VDDループ処理に戻り、次にS205に
入ったときは、オーバーラップ中フラグおよびサーチ中
フラグには0がセットされ、再積分中フラグには1がセ
ットされているので、S305から再積分処理に入る。
S363で駆動方向が変わった場合も同じである。
【0059】再積分処理は、デフォーカス量を求めて合
焦状態にあるかどうかをチェックし、合焦しているとき
には合焦フラグに1をセットし、合焦していないときは
再度AFパルスを計算し、焦点調節レンズ12を駆動す
る処理である。ここで合焦フラグに1がセットされ、V
DDループ処理にリターンすると、S213からパワー
ダウン処理に抜けてAF処理を終了し、AF開始スイッ
チ27がオンするのを待つ待機状態になる。
【0060】以上は、正常に合焦した場合の処理である
が、合焦が困難な場合、及び合焦不能の場合も、合焦不
能な状態でVDDループ処理を抜けてパワーダウン処理
に戻り、AF動作を終了する。
【0061】合焦が困難な場合および合焦不能な場合の
AF処理について説明する。AF処理に入ると、1回目
はS307の積分スタート、AFセンサデータ入力、デ
フォーカス演算処理を実行する(S301、S303、
S305)。ここで、物体のコントラストが低すぎるな
どの理由で有効なデフォーカス量を求めることができな
かったときは、S309からサーチ積分処理に入る。
【0062】サーチ積分処理は、有効なデフォーカス量
が得られるように、AFモータ31を至近距離合焦位置
から無限遠合焦位置まで駆動しながら積分、デフォーカ
ス演算を実行する処理である。このサーチ積分処理によ
っても有効なデフォーカス量が得られなかったときは、
AFNGフラグに1をセットしてリターンし、S215
からパワーダウン処理に戻る。
【0063】サーチ積分処理(サーチ処理)に入ると、
まず、AFモータ31を、サーチ駆動(まず、近距離合
焦方向に駆動)し、サーチ中フラグに1をセットして、
AFセンサ21に積分をスタートさせ、積分が終了した
ら積分値をAFセンサデータとして取り込み、デフォー
カス演算によってデフォーカス量を求める(S311、
S313、S315)。ここで有効なデフォーカス量が
求まれば駆動方向チェックに抜けるが(S317)、求
められなかったときは、VDDループ処理にリターンし
てS207からの処理を実行する(S317、S31
9)。
【0064】AFモータサーチ駆動とは、AFモータ3
1をまず近距離合焦位置方向に駆動し、焦点調節レンズ
群12が近距離側移動端点に到達して停止したら、AF
モータ31を無限遠合焦位置方向に反転し、焦点調節レ
ンズ群12が無限遠側移動端点に到達して停止したら、
AFモータ31を停止する処理である。このサーチ駆動
途中に有効な演算結果が得られたら、そのデフォーカス
に基づく駆動に戻る。
【0065】VDDループ処理に戻って再びS205に
入ると、オーバーラップフラグはクリアされ、サーチ中
フラグには1がセットされているので、S303からサ
ーチ積分処理に入り、S313からのサーチ積分処理を
実行する。そして、焦点調節レンズ群12が無限遠合焦
位置に達しても有効な演算結果が得られなかったとき
は、AFNG処理に入り、AFNGフラグに1をセット
してVDDループ処理にリターンし、S215からパワ
ーダウン処理に抜ける(S317、S319、S39
1)。
【0066】以上は、最初から有効な演算結果が得られ
なかった場合の処理であるが、一度有効な演算結果が得
られ、合焦でなくレンズ駆動した後、再積分処理で有効
な演算結果が得られなかったときは、S385からAF
NG処理に入り、AFNGフラグに1をセットしてVD
Dループ処理にリターンし、S215からパワーダウン
処理に抜ける(S385、S391)。
【0067】つぎに、S307、S315、S345、
S385で実行されるデフォーカス演算処理の詳細につ
いて、図15を参照して説明する。このデフォーカス演
算処理は、先ず最大焦点検出領域Zでコントラストを検
出し、所定値以上のコントラストが得られたら、最も狭
い焦点検出領域Z1からコントラストを検知する。有効
なコントラストが得られなければ、有効なコントラスト
が得られるまで、焦点検出領域Z2、Z3、Z4の順に
コントラストをチェックする。そして、有効なコントラ
ストが得られた焦点検出領域(最も狭い領域)のAFデ
ータを使用してデフォーカス量を演算し、そのデフォー
カス量に基づいて焦点調節レンズ群12を移動させる。
焦点検出領域Z1〜Z4のいずれからも有効なコントラ
ストが得られなかったら、最大焦点検出領域ZのAFデ
ータを使用して焦点調節することに特徴を有する。
【0068】このデフォーカス演算処理に入ると、ま
ず、最大焦点検出領域ZからのAFデータに基づいてコ
ントラスト計算を実行する(S401)。コントラスト
計算は、例えば、基準ラインセンサーにおいて、使用す
る領域の隣り合う光電変換素子の積分値の差の絶対値の
和を利用する。
【数式1】 なお、式1において、sは焦点検出領域の最初の画素の
ビットナンバー、Nは焦点検出領域の最後の画素のビッ
トナンバーである。つまり、この和が所定値よりも大き
ければ十分なコントラスト有りと判定され、所定値より
も小さければコントラストなしと判定される。コントラ
ストなしと判定されたときは、デフォーカスOKフラ
グ、領域セレクトフラグにぞれぞれ0をセットしてリタ
ーンする(S403、S453)。
【0069】デフォーカスOKフラグは、有効なデフォ
ーカスが得られたかどうかを識別するフラグ、領域セレ
クトフラグは、焦点検出領域を選択するかどうかを識別
するフラグである。
【0070】所定値以上のコントラストがあれば、領域
セレクトフラグが1であるかどうか(焦点検出領域がセ
レクトされているかどうか)をチェックするが、最初は
領域がセレクトされていないので、最大焦点検出領域Z
からのAFデータを使用して相関演算を行い、位相差を
計算する(S403、S405、S407)。そして、
位相差が計算できなかったら、S453のフラグクリア
処理を実行してからリターンする(S409)。焦点検
出領域Zに形成された像が大ボケ状態であった場合な
ど、一対の焦点検出領域Zに形成された像の一致点を検
出できなかったときに、位相差の計算ができない。
【0071】有効な位相差が得られたときは、その位相
差が所定値未満であるかどうか(ピントのずれが小さい
かどうか)をチェックし、位相のずれが大きいとき、つ
まりピントのずれが大きい間は、焦点検出領域セレクト
を行なわず、補間計算処理に進んで最大検出領域Zによ
ってデフォーカス量を計算し(S411、S413)、
デフォーカスOKフラグに1をセットする(S41
7)。そして、位相のずれが所定値以上の間は、S40
1〜S411、S413〜S417の処理を繰り返す。
【0072】位相のずれが所定値未満になったら、S4
11からS423に進み、領域セレクトチェック処理を
実行する。領域セレクトチェック処理は、最も狭い焦点
検出領域Z1から順にコントラストチェックを行って、
最初に所定値以上のコントラストが得られた焦点検出領
域、つまり、所定以上のコントラストが得られる最も狭
い焦点検出領域を選択する。所定値以上のコントラスト
が得られなかったときは、焦点検出領域の選択は行わな
い。
【0073】領域セレクトチェック処理から戻ると、焦
点検出領域をセレクトしたかどうかをチェックして、焦
点検出領域をセレクトしなかったときはS413に進
む。セレクトしたときは、データ退避フラグに1を入
れ、最大焦点検出領域(全領域)の相関演算データ(位
相差の計算データ)を一旦RAMの所定アドレスに退避
させる(S427、S429)。
【0074】セレクトした焦点検出領域について相関演
算を行って位相差を計算し(S435)、有効な位相差
が得られなかったときはデータを退避しているかどうか
をチェックし、データを退避しているので、全領域の演
算データをRAMから読み込んで全領域を有効とし、デ
ータ退避フラグおよび領域セレクトフラグにそれぞれ0
をセットしてからS413の補間計算処理に進む(S4
37、S439、S441、S443、S413)。有
効な位相差が得られたときは、データ退避フラグに0を
セットし(S437、S438)、S413の補間計算
処理に進む。
【0075】また、焦点検出領域Z1〜Z4のいずれか
がセレクトされて領域セレクトフラグに1がセットされ
てからこのデフォーカス演算処理に入ったときは、S4
05からS431に進んで領域セレクトチェック処理を
実行する。そして、焦点検出領域がセレクトされなかっ
たときは最大焦点検出領域Zを使用するためにS407
に戻り(S433、S407)、セレクトされたときは
S435に進んでセレクトされた領域について相関演算
を行い、位相差を計算する(S433、S435)。
【0076】S431、S433からS435に進んで
セレクトした焦点検出領域の位相差を計算し、有効な位
相差が得られたときは、データ退避フラグに0をセット
して補間計算処理に進み(S437、S438、S41
3)、有効な位相差が得られなかったたときは、全域演
算データを待避していないので、S439からS445
に進んでデフォーカスOKフラグに0をセットし、領域
セレクトフラグに0をセットしてリターンする(S43
7、S439、S445、S451)。
【0077】以上のデフォーカス演算処理によって、全
体領域で所定値以上のコントラストが得られることを条
件に、所定値以上のコントラストが得られる焦点検出領
域の中で、最も狭い焦点検出領域のAFセンサデータに
基づいてデフォーカス量が計算される。
【0078】S307、S315、S383において実
行される積分スタート処理について、図16を参照して
より詳細に説明する。
【0079】この積分スタート処理に入ると、まず、全
モニターセンサを有効にし(S603)、積分をスター
トする(S611)。
【0080】積分をスタートすると、モニターセンサの
出力がAGCレベルを下回った時か、最大積分時間が経
過した時かいずれか早い時に積分を終了してCCDデー
タ(AFセンサデータ)を入力し、デフォーカス演算処
理を実行し、リターンする(S611、S613、S6
15、S617、S619)。
【0081】S423、S431の領域セレクト処理に
ついて、図17を参照してより詳細に説明する。領域セ
レクト処理は、領域Z1からZ4の中から、第2の所定
値以上のコントラストがある焦点検出領域Z1〜Z4の
うち、最も狭い焦点検出領域をセレクトしてその焦点検
出領域について焦点調節を行う処理である。第2の所定
値以上のコントラストが得られる焦点検出領域Z1〜Z
4が無かったときは、最大焦点検出領域Zを利用して焦
点調節を行う。
【0082】この処理に入ると、最小の使用bit 数、つ
まり、最小焦点検出領域Z1に対応する画素(光電変換
素子、受光手段)の数をセットする(S501)。そし
て、セレクト領域のスタート位置を設定する(S50
3)。つまり、焦点検出に使用する焦点検出領域の中心
の画素のビットナンバーと、このビットナンバーを中心
として左右両端のビットナンバーS、Nを設定する。
【0083】本実施の形態ではさらに、中心シフト調整
が可能なので、中心シフト調整がなされているときは、
中心シフト量をEEPROM6から読み込んで、読み込んだ中
心シフト量分、中心の画素のビットナンバーをシフトさ
せる。このシフト処理によって、焦点検出領域の中心
が、レチクルの縦線と一致する(図4参照)。
【0084】そして、セレクトし、中心シフトした焦点
検出領域のAFセンサデータによってコントラスト計算
を式1に基づいて実行し、演算結果をRAMにストアす
る(S505)。
【0085】演算したコントラストが、セレクト時のO
Kレベル(第2の所定値)以上であるかどうかをチェッ
クし(S507)、以上であれば領域セレクトフラグに
1をセットしてリターンする(S509、S513)。
いずれの場合もリターンすると、そのセレクトした焦点
検出領域のAFセンサデータに基づいてデフォーカス量
が演算され、焦点調節レンズ群12が移動される。
【0086】S507のコントラストチェックで、コン
トラストがセレクト時のOKレベル未満と判断したとき
は、その領域では正確なデフォーカスが求められないの
で、S515以降の焦点検出領域拡大処理を行う。S5
15では、セレクトが終了したかどうか、つまり、焦点
検出領域Z4についてのコントラストをチェックして来
たかどうかをチェックし、焦点検出領域Z1〜Z3につ
いてのコントラストをチェックして来たのであれば、次
の焦点検出領域の使用ビット数をセットして、つまり使
用する焦点検出領域を1ステップ拡大してS503に戻
る(S515、S517、S503)。そして、その焦
点検出領域でのコントラストがセレクト時のOKレベル
以上であればS507からS513に抜け、セレクト時
のOKレベル未満であればS507からS515に戻
る。
【0087】使用領域を焦点検出領域Z4に拡大しても
コントラストがセレクト時のOKレベルに達しないとき
は、領域セレクトフラグに0をセットしてリターンする
(S515、S519)。この場合は、全焦点検出領域
Zを使用してデフォーカスを算出する。
【0088】以上の通り図示実施の形態では、AFセン
サ21を機械的に動かすことなく、電気的に、あるいは
プログラム的に。焦点検出領域の中心が、視野において
レチクルを中心として左右に対称に広がる領域と一致す
るように焦点検出領域の中心シフト量を設定できる。
【0089】以上、図示実施の形態では焦点検出手段と
してCCDラインセンサを使用したが、MOS 型のライン
センサを使用することもできる。また、本実施の形態で
は、本発明をオートレベルの一つに適用したが、本発明
はこれに限定されず、トランシットなど他の測量機器に
も適用でき、さらに望遠鏡、双眼鏡などの望遠光学系に
も適用できる。
【0090】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り本発明は、
一対の受光手段の製造誤差、または測量機器に組み付け
るときの組み付け誤差等により、接眼レンズ群を介して
焦点検出板上のレチクルに重なって観察される物体像
が、受光手段上の焦点検出領域の設計上の中心位置から
ずれた位置に形成されても、そのズレ量分、受光手段の
焦点検出領域をシフトさせるので、接眼光学系を介して
観察する視野内のレチクルを中心とした領域の物体像
は、焦点検出領域の中心位置に位置することになるの
で、レチクルを中心として観察される物体に対して焦点
検出がなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したオートレベルの一実施の形態
の主要構成を示す図である。
【図2】同オートレベルのAFセンサの一実施例の概要
を示す図である。
【図3】同AFセンサの基準CCDラインセンサの概要
を示す図である。
【図4】同オートレベルの焦点検出位置調整後の焦点検
出領域と視野との関係を示す図である。
【図5】同オートレベルの焦点検出位置調整時のCCD
ラインセンサの出力強度分布をグラフで示す図である。
【図6】同オートレベルの焦点検出位置調整時の視野を
示す図である。
【図7】同オートレベルの焦点検出位置調整前の焦点検
出領域と視野との関係を示す図である。
【図8】物体距離5mにおいて視野内に視認される測量
用標尺と測距焦点検出領域との関係を示す図である。
【図9】物体距離50mにおいて視野内に視認される測
量用標尺と測距焦点検出領域との関係を示す図である。
【図10】同オートレベルの自動焦点調節処理に関する
フローチャートの一部を示す図である。
【図11】同オートレベルの自動焦点調節処理に関する
フローチャートの一部を示す図である。
【図12】同オートレベルの自動焦点調節処理に関する
フローチャートの一部を示す図である。
【図13】同オートレベルの自動焦点調節処理に関する
フローチャートの一部を示す図である。
【図14】同オートレベルの自動焦点調節処理に関する
フローチャートの一部を示す図である。
【図15】同オートレベルの自動焦点調節処理における
デフォーカス演算処理に関するフローチャートを示す図
である。
【図16】同オートレベルの自動焦点調節処理における
積分スタート処理に関するフローチャートを示す図であ
る。
【図17】同オートレベルの自動焦点調節処理における
焦点検出領域セレクトチェック処理に関するフローチャ
ートを示す図である。
【符号の説明】
10 オートレベル 12 焦点調節レンズ群 20 焦点検出系(焦点検出手段) 21 AFセンサ(焦点検出手段) 21a 集光レンズ 21b セパレータレンズ 21c CCDラインセンサ 23 演算・制御回路(シフト手段) 27 AF開始スイッチ 29 AFスイッチ 30 焦点調節レンズ群駆動系 31 AFモータ 51 チャート板 52 縦線 60 コンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−33707(JP,A) 特開 平6−273172(JP,A) 特開 平4−93711(JP,A) 特開 昭63−198818(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 5/00 G01C 1/00 G01C 3/00 G01C 15/00 G02B 7/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体側から順に、対物レンズ群と、光軸
    に沿って移動して焦点調節する焦点調節レンズ群と、レ
    チクルを有する焦点板と、焦点板上に形成された物体像
    を観察する接眼レンズ群とを備えた望遠光学系と、 前記焦点調節レンズ群と前記焦点板との間に配置された
    光束分割光学系と、 前記光束分割光学系によって分割された分割光路中に配
    置された、前記焦点板上において前記レチクルを中心と
    した横長の領域内に形成される像に相当する像を、対応
    する焦点検出領域において受光する一対の受光手段と、 該一対の受光手段が前記焦点検出領域において受光した
    一対の像の位相差に基づいてデフォーカス量を算出する
    演算手段とを備え、 前記焦点板上のレチクルの位置と、前記焦点状態を検出
    する際に使用する前記受光手段の前記焦点検出領域の設
    計上の中心位置とのズレ量を補正すべく、前記一対の受
    光手段の前記焦点検出領域の焦点検出基準位置を設計上
    の中心位置から前記ズレ量分だけシフトさせるシフト手
    を備えたことを特徴とする測量機器の焦点検出装置。
  2. 【請求項2】 黒い縦線が描かれたチャート板を、前記
    望遠光学系により前記接眼レンズ群を介して視準して前
    記黒い縦線と前記レチクルの縦線とを一致させ、該一致
    状態で前記受光手段の出力から該受光手段上の前記黒い
    縦線の像位置を検出し、該黒い縦線の像位置と焦点検出
    基準位置とのズレを前記ズレ量として設定した請求項1
    記載の測量機器の焦点検出装置。
  3. 【請求項3】 前記シフト量を記憶する記憶手段を備
    え、前記焦点検出手段は、この記憶手段から読み込んだ
    シフト量に基づいて、前記焦点状態を検出する際に使用
    する前記一対の受光手段の焦点検出領域の中心を、前記
    焦点検出基準位置からシフトさせる請求項1または2記
    載の測量機器の焦点検出装置。
  4. 【請求項4】 前記演算手段は、前記シフト手段によっ
    てシフトされた、前記焦点検出基準位置を中心とする前
    記焦点検出領域の各像に基づいて位相差を演算する請求
    項1から3のいずれか一項記載の測量機器の焦点検出装
    置。
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