JP3816812B2 - トータルステーション - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子式測距測角儀であるトータルステーションに係り、特にトンネル内や夜間等の暗い状態でも反射ターゲット(または反射プリズム)を用いた測量が可能なトータルステーションに関する。
【0002】
【従来の技術】
測点にセットした反射ターゲット(または反射プリズム)に測距光を出射し、その戻り光から反射ターゲットの角度(鉛直角,水平角)と距離を測定するトータルステーションを用いた測量は、夜間ではターゲットを視準しにくいことから、一般には昼間に限られていた。しかし、トンネル内測量や鉄道の軌道測量など暗闇や夜間での作業が必要な場合があり、このような場合は、携帯用ライトで前方の反射ターゲットを照らしてその反射光から反射ターゲットの位置を視認した上で、望遠鏡をターゲットに向けるという視準を行っていた。しかし、携帯用ライトを目の近くにかざしての作業となり、しかも携帯用ライトの光軸が反射ターゲットから少しでもずれると視認できず、視準作業は高度の熟練を要すという問題があった。
【0003】
そこで、携帯用ライトを手で持って行うという不便を解消するために、図17(a),(b)に示すように、携帯用ライト2を視準用望遠鏡1上面に設けられているピープサイト3に金具4で固定するというものもがある。ピープサイト3は、目標を概略定めるための照準器で、その光軸は視準用望遠鏡1(対物レンズ1a)の光軸と平行であり、ピープサイト3に固定された携帯用ライト2は視準用望遠鏡1(対物レンズ1a)の光軸と略平行となるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記した従来技術では、必要に応じて携帯用ライト2を金具4で取着するため、面倒であり、使用しない場合の携帯用ライト2の保管も煩わしい。また、一般にトータルステーションには、望遠鏡1の上方を横切るように取っ手5が設けられており、望遠鏡1を180度鉛直回転させる正反測量の場合には取っ手5が邪魔になり、あるいは望遠鏡1とトータルステーショ本体6との間隔d1が狭すぎて、携帯用ライト2を望遠鏡1に取着すると望遠鏡1を180度鉛直回転させることができなかった。
【0005】
また、携帯用ライト2は金具4を介してピープサイト3に固定されているが、携帯用ライト2の光軸を対物レンズ1aの光軸と平行となるように固定保持することは困難で、しかも固定部のガタはさけられず、裸眼では白く見えて確認できたターゲットが望遠鏡を覗くと全く見えない場合が多々ある。
このように従来技術では、暗闇での視準作業の能率が非常に悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、暗闇での測量が容易なトータルステーションを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を達成するために、請求項1に係る発明では、鉛直回転および水平回転可能な視準用望遠鏡を備えたトータルステーションにおいて、前記視準用望遠鏡には、測定対象物を撮像する高倍率の視準カメラ光学系と広い視野の広角カメラ光学系が内蔵されるとともに、前記視準カメラ光学系と前記広角カメラ光学系とは選択可能にされ、前記視準用望遠鏡の前面側には、前記広角カメラ光学系の対物レンズが前記視準カメラ光学系の対物レンズの上または下に接近して設けられるとともに、前記2つの対物レンズ間に両対物レンズの光軸と平行な光軸をもつ反射ターゲット照明用の光源が設けられ、前記視準用望遠鏡を鉛直回転可能に支持するトータルステーション本体には、前記前記視準カメラ光学系又は前記広角カメラ光学系で撮像した映像を表示する表示装置が設けられるように構成した。
【0008】
(作用)反射ターゲット照明用の光源は視準カメラ光学系の対物レンズ近傍で、しかもその光軸は対物レンズの光軸と平行であるので、この照明用の光源から出射した光は、反射ターゲットを照明するとともに、ターゲットで反射されて照明用の光源近傍位置に正確に戻る。即ち、トンネル内や夜間といった暗い状態では、反射ターゲットが明るく照明されるため、反射ターゲットでの反射光の光路上にある照明用の光源近傍に目がくるようにして前方を見ると、暗闇の中に反射ターゲットが白く明るく際だって見え、反射ターゲットの位置を視認できる。そして、このとき視準用望遠鏡を覗くと、その視野(測定対象物を撮像装置で撮像して表示装置に表示する場合は、表示装置の画面)にはターゲットだけが白く浮き上がって見えるので、視準用望遠鏡を反射ターゲットに正対させる作業、即ち視準作業がし易い。
【0009】
また、ターゲット照明用の光源は視準用望遠鏡に一体に組み込まれているため、従来のように照明用光源(携帯用ライト)を装脱着する煩わしさがない。またターゲット照明用光源は視準用望遠鏡の外部に突出せず、望遠鏡を正反測量の際などのために鉛直回転する上での不都合がない。
【0010】
さらに、反射ターゲット照明用の光源は、互いに接近して設けられた視準カメラ光学系の対物レンズおよび広角カメラ光学系の対物レンズの間に位置することから、視準カメラ光学系および広角カメラ光学系に入射するこれらの光の光量は大きく、視準カメラ光学系又は広角カメラ光学系のいずれを選択しても、表示装置の画面には反射ターゲットが明るく浮き上がって見える。そして、概略の視準に便利な広角カメラ光学系で視準した後に、高倍率の視準カメラ光学系に切り替えると、拡大した映像を表示装置に写すことができ、反射ターゲットを正確に視準できる。
【0011】
請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明において、前記表示装置に表示された画像から測定点を弁別する画像処理装置と、前記前記表示装置に表示された画像上の測定点を指定する測定点指定手段と、指定された測定点を自動的に視準する自動視準装置とを備えるように構成した。
(作用) 表示装置に表示された画像の測定点をマウスやタッチペンやジョイスティックなどの指定手段によって指定すると、表示装置の画面中央(のレチクル線)と指定点間の縦横のピクセル数が画像処理装置で読みとられて垂直偏差hと水平偏差vが求められ、自動視準装置が作動して、この垂直偏差hと水平偏差vがそれぞれ0となるように望遠鏡が鉛直方向および水平方向に回転し、表示装置の画面中央(のレチクス線)をターゲットの十字線交点と一致させる。
【0012】
請求項3に係る発明では、請求項1又は2に係る発明において、前記反射ターゲット照明用の光源を、所定間隔で点滅する点滅光源で構成するようにした。
(作用)反射ターゲットを直接裸眼で見る場合、視準用望遠鏡で見る場合又は表示装置の画面を通して見る場合のいずれにおいても、照明用の光源の点滅に合わせて反射ターゲットが暗闇の中であたかも点滅しているように見えるので、視認しやすい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、実施例に基づいて詳細に説明する。
図1〜図16は、本発明の一実施例であるトータルステーションを示し、図1はトータルステーション全体のブロック図、図2は同トータルステーションの光学系と自動視準装置を説明する図、図3(a),(b)は同トータルステーションの正面図および背面図であり、図4は同トータルステーションの自動視準装置に用いられる十字形ラインセンサを説明する図、図5は測定対象物の各部位置を測定する方法を示す図、図6は同トータルステーションの広角カメラ光学系で得たが画像を示す図、図7は同トータルステーションにおいて、広角カメラ光学系で得た画像を用いて予備視準した後の画像を示す図、図8は同トータルステーションにおいて、視準カメラ光学系で得た画像を用いて、自動視準した後に、前記視準カメラ光学系で得た画像を示す図、図9は測定点(ターゲット)の位置測定の手順を説明するフローチャート、図10は自動視準の開始前の広角カメラ光学系で得た最も広角な画像を示す図、図11は図10における測定点のターゲットの中心のレクチル線の中心からの水平偏差及び垂直偏差を示す図、図12は広角カメラ光学系の最も広角な状態で、ターゲットの中心と視準軸を一致させた状態を示す図、図13は同トータルステーションの予備視準の途中において、広角カメラ光学系を小幅ズームアップした状態を示す図、図14は広角カメラ光学系を小幅ズームアップした状態で、ターゲットの中心と視準軸を一致させた状態を示す図、図15は視準カメラ光学系に切り換えた直後に視準カメラ光学系で捕らえた画像を示す図、図16は視準カメラ光学系で捕らえた画像で、ターゲットの中心と視準軸を一致させた状態を示す図である。
【0014】
トータルステーション110の視準用望遠鏡46は、図1、図2及び図3に示したように、測定対象物を高倍率で撮像する撮像装置として視準カメラ光学系47の他に、測定対象物を低倍率の広い視野で撮像する撮像装置として広角カメラ光学系89を備えている。そして、このトータルステーション110は、図3に示したように、整準台40上に水平回転可能に水平回転部42を取り付け、この水平回転部42に立設された一対の柱部44間に垂直(鉛直)回転可能に望遠鏡46を取り付けている。即ち、水平回転部42と一対の柱部44によって一体のトータルステーション本体41が構成され、トータルステーション本体41の柱部44,44間に視準用望遠鏡46が垂直(鉛直)回転可能に設けられている。また、トータルステーション110は、図1に示したように、測定点までの距離を測定する測距部(光波距離計)48と、望遠鏡46の水平角を測定する水平測角部(水平エンコーダ)50と、望遠鏡46の垂直角を測定する垂直測角部(垂直エンコーダ)52と、望遠鏡46の水平角を制御する水平制御部(水平サーボモータ)54と、望遠鏡46の垂直角を制御する垂直制御部(垂直サーボモータ)56と、これら各部を制御するとともに測定結果を算定するためのCPU(演算制御部)58とを備えている。なお、視準用望遠鏡46は、水平制御部(水平サーボモータ)54と垂直制御部(垂直サーボモータ)56によってその駆動が制御されるが、手動で容易に回動させることもできる。
【0015】
さらに、トータルステーション110は、各カメラ光学系47、89で得た画像からノイズを除去して鮮明な画像にするとともに、測定対象物の輪郭や測定点等を弁別する画像処理装置60と、各カメラ光学系47、89から得た画像に種々の情報等を重ね合わせるスーパーインポーズ装置62と、各カメラ光学系47、89で得た映像を表示するとともに、タッチペン68又は指等の測定点指定手段で触れることにより測定点を指定したり、各種データやコマンド等を入力することができる表示装置であるタッチパネルディスプレイ64と、トータルステーション110とは別体の計測制御機(パーソナルコンピュータ)65等の外部機器とのデータ入出力のための入出力装置66とを備える。
【0016】
画像処理装置60とスーパーインポーズ装置62は、トータルステーション本体41の内部に設けられ、タッチパネルディスプレイ64は、水平回転部42の下部背面に取り付けられる。タッチパネルディスプレイ64は、各カメラ光学系47、89により撮像された映像を表示するだけでなく、広角カメラ光学89系又は視準カメラ光学系47の視準軸(光軸)Oの方向を示すレクチル線(十字線)92、各種のコマンドを入力するためのアイコン、データを入力するためのテンキー、測距部48や測角部50、52で得た測定結果等も、スーパーインポーズ装置62により重ねて表示できるようになっている。
【0017】
もちろん、タッチパネルディスプレイパネル64の代わりに、普通の液晶ディスプレイ等の表示装置と、種々のコマンドやデータ入力のためのキーボードとを別体にして備え、測定点指定手段としては、カーソル移動キー、マウス、トラックボール、ジョイスティック等を用いてもよい。
【0018】
広角カメラ光学系89は、広角(対物)レンズ87と、自動焦点合わせ機構を内蔵する広角CCDカメラ素子88と、合焦レンズ19からなり、前記合焦レンズ19の代わりに広角CCDカメラ素子88が図示しないズーム装置を備えてもよい。もちろん、小型化や価格抑制等のためには、ズーム装置を省くことができ、さらに広角カメラ光学系89そのものも省くこともできる。また、広角CCDカメラ素子88の代わりに、その他の適当な撮像装置を用いてもよい。
【0019】
視準カメラ光学系47は、視準軸O上に、対物レンズ11、反射プリズム70、ダイクロイックプリズム72、ビームスプリッタ120、視準CCDカメラ素子45を設置し、さらに、赤外線レーザ光の測距光を出射する赤外線LED等の発光素子74と、この測距光を集光する集光レンズ76と、集光された測距光を反射プリズム70に向けて光路を90度偏向するミラー78と、図示しない反射ターゲットで反射された測距光がダイクロイックプリズム72で反射して入射するフォトダイオード等の受光素子86と、ビームスプリッタ120で90度偏向した光が集光する十字形ラインセンサ122を備えて構成されている。もちろん、視準CCDカメラ素子45の代わりに、その他の適当な撮像装置を用いてもよく、十字形ラインセンサ122の代わりに4分割センサ等の適宜センサを用いてもよい。
【0020】
光源80により形成される照明光としては赤外線レーザ光でもよいが、レーザ光では、広角CCDカメラ素子88の視野全体を認識しにくいため、本実施例では、遠方のターゲットまで光が十分届くように、広角CCDカメラの画角(20度)と同じ拡散角をもつ高輝度LEDによる可視光を用いた。
【0021】
そして、この反射ターゲット照明用の光源80は、視準用望遠鏡46の前面において上下方向に互いに接近して設けられた視準用カメラ光学系47の対物レンズ11広角カメラ光学系89の広角(対物)レンズ87間に設けられている。
【0022】
そして、光源80から出射された照明光L1は、測定対象物の測定点に設置されたターゲットに向かい、ターゲットを照明するとともに、ターゲットで反射された反射光L1’として今来た光路を逆進する。このため、撮像装置として視準カメラ光学系47を選択した場合は、対物レンズ11を介して入射した光(反射光L1’)はダイクロイックプリズム72を通過し、その一部はビームスプリッタ120を通過し、合焦レンズ19を経て視準CCDカメラ素子45上に集光しターゲット像を照明し、このターゲット像はディスプレイ64上に拡大されて表示される。また、ダイクロイックプリズム72を通過した光のうち、主に反射光L1’はビームスプリッタ120で90度偏向されて、十字形ラインセンサ122に集光する。一方、撮像装置として広角カメラ光学系89を選択した場合は、対物レンズ87を介して入射した反射光L1’が合焦レンズ19を経てターゲット像形成用の光として広角CCDカメラ素子88上に結像し、ディスプレイ64上に広角に表示される。
【0023】
また、ターゲット照明用の光源80は、視準用望遠鏡46の対物レンズ11の近傍で、しかもその光軸は対物レンズ11の光軸(視準軸)Oと平行で、さらに広角CCDカメラの広角(対物)レンズ87と視準用望遠鏡46の対物レンズ11の中間に配置されている。即ち、照明用光源80から出射して反射ターゲットで反射した光束の中心軸に近い光エネルギーの強い位置に対物レンズ11および広角(対物)レンズ87があるため、視準カメラ光学系47および広角カメラ光学系89に入射する光(反射光L1’)の光量は大きく、撮像装置を視準カメラ光学系47と広角カメラ光学系89のいずれに切り替えても、ディスプレイ64の画面には反射ターゲット(ターゲット像)が白く際だって見える。このため、屋内の暗所やトンネル内や夜間の測定に使用した場合には、ディスプレイ上には暗い背景の中にターゲット像が白く浮き上がって見え、作業員は反射ターゲットの位置を簡単に確認できる。
【0024】
光源80は、継続点灯させても、あるいは所定間隔(例えば1秒間隔)で点滅させてもよい。特に光源80を点滅させるように構成した場合は、ディスプレイ64の画面上に反射ターゲット(ターゲット像)があたかも点滅発光しているように見えるため、視認性がよい。なお、この光源80を点滅させる手段としては、変調回路を用いる方法やCPU58によってスイッチング操作させる方法などがある。
【0025】
また、発光素子74から出射された測距光(赤外線レーザ光)L2は、集光レンズ76、ハーフミラー78、反射プリズム70、対物レンズ11を経て、測定対象物に設置した反射ターゲットに向けて送光される。そして、ターゲットで反射された測距光L2’は、今来た光路を逆進し、対物レンズ11を透過して、ダイクロイックプリズム72で直角方向へ反射され、受光素子86へ入射する。ターゲットまでの距離は、従来と同様に、発光素子74から図示しない光ファイバーにより直接受光素子86へ入射する参照光と、ターゲットで反射してから受光素子86へ入射する測距光の位相差から算出される。
【0026】
ところで、本実施例では、測定点を視準カメラ光学系47の視準軸O上に位置させるための自動視準装置69として、視準CCDカメラ素子45、CPU58,画像処理装置60、水平制御部54、垂直制御部56からなる第1の自動視準装置と、十字形ラインセンサ122、CPU58、水平制御部54、垂直制御部56からなる第2の自動視準装置と、広角CCDカメラ素子88、CPU58、画像処理装置60、水平制御部54、垂直制御部56からなる予備視準装置とを備えている。
【0027】
まず、視準CCDカメラ素子45を有する第1の自動視準装置について、図2及び図6に基づいてさらに詳細に説明する。視準CCDカメラ素子45の受光部の中心は、視準カメラ光学系47の視準軸Oと一致するようにされていて、視準軸Oに沿う光線が視準CCDカメラ素子45の受光部の中心に入射するので、図6に示したように、タッチパネルディスプレイ64上において、視準軸Oとターゲット像90との水平方向偏差hと垂直方向偏差vは、視準軸Oとターゲット方向のなす角に対応する。そこで、両偏差h、vをともに0とすることによりターゲットを自動視準することができる。
【0028】
このため、視準CCDカメラ素子45からの画像信号は、図示しない信号処理部(増幅器、波形整形器、A/D変換器等)を経て、CPU58に入力される。CPU58は、画像処理装置60に、視準CCDカメラ素子45で得た画像から測定対象物の輪郭やターゲット像90を弁別させる。また、CPU58は、タッチパネルディスプレイ64上の指定したいターゲット像90にタッチペン68で触れると、タッチペン68で触れた点と視準軸Oとの間の水平方向偏差hと垂直方向偏差vとを求め、これら両偏差h、vに応じた制御信号を夫々、水平制御部54、垂直制御部56に送る。すると、両制御部56は、両偏差h、vに応じた制御信号により望遠鏡46を回転させ、タッチペン68で触れた点、すなわち指定したターゲット像90を視準軸O上に移動させる。こうして、ターゲット像90が視準軸O付近に移動すると、CPU58は、指定されたターゲット像90を認識し、その後は、ターゲット像90と視準軸Oとの間の水平方向偏差hと垂直方向偏差vとを求め、これら両偏差h、vに応じた制御信号を夫々、水平制御部54、垂直制御部56に送って自動視準を行う。
【0029】
次に、十字形ラインセンサ122を有する第2の自動視準装置について、図2及び図4に基づいて説明する。十字形ラインセンサ122は、図4に示したように、2本のラインセンサ123、124を十字形に組み合わせたもので、その中心125を視準カメラ光学系の視準軸Oに沿う光線が入射する位置と一致させておく。両ラインセンサ123、124からの出力信号は、図示しない信号処理部(増幅器、波形整形器、A/D変換器等)を経て、CPU58に入力される。CPU58は、両ラインセンサ123,124の各受光部分126、127夫々の中点128、129を求めることにより、中心125に対するターゲットからの反射光の照射スポット130の中心131の水平方向偏差h1と垂直方向偏差v1を求める。なお、このときディスプレイ64には照射スポット130は表示されず、視準CCDカメラ素子45,または広角CCDカメラ素子88の映像が表示される。両偏差h1、v1は、視準軸Oとターゲット方向のなす角に対応するので、CPUは、両偏差h1、v1に応じた制御信号を夫々、水平制御部54、垂直制御部56に送り、両偏差h1、v1をともに0とするように望遠鏡を回転させることにより、ターゲットを自動視準する。この第2の自動視準装置には、十字形ラインセンサ122以外にも、4分割光センサ等、従来用いられていた適宜センサを用いることができる。
【0030】
次に広角CCDカメラを有する予備視準装置について、図2に基づいて説明する。広角CCDカメラ素子88の受光部の中心は、広角カメラ光学系89の視準軸と一致するようにされていて、広角CCDカメラ素子45で得た映像も、前述の視準CCDカメラ素子45で得た映像と同様に処理して自動視準を行うことができる。ただし、広角カメラ光学系89の視準軸は、視準カメラ光学系89の視準軸Oから距離dだけずれているので、この広角カメラ光学系89で構成される予備視準装置は、最初に望遠鏡46を略ターゲット付近に向ける予備視準のために用いられ、最終的には視準CCDカメラ素子45を含む第1の自動視準装置、又は十字形ラインセンサ122を含む第2の自動視準装置を用いて自動視準する。
【0031】
なお、前述の第2の自動視準装置は主に屋外で測定するときに用いられ、前述の第1の自動視準装置は主に屋内やトンネル内といった暗所や夜間での測定に用いられる。この理由は、第1の自動視準装置は、日中に屋外で測定すると、自然光の強い外乱を受けて測定ミスが出やすいからである。
【0032】
大型構造物の各測定点の位置を計測するには、次のような方法をとる。図5に示したように、大型構造物である測定対象物100は、自然光の外乱を避けるため、計測室102内の暗所に設置され、多数の測定点に夫々ターゲット(反射シートに反射プリズムを設けたもの)104を取り付ける。計測室102の床106等には、基準点を示すためのターゲット108と、各ターゲット104、108の位置を測定するためのトータルステーション110が設置される。
【0033】
まず、トータルステーション110を所定位置に設置し、トータルステーション110のメインスイッチをONにするとともに、ターゲット照明用の光源80を点灯する。すると、図6に示したように、広角カメラ光学系89により得られた複数のターゲット104の反射によるターゲット像90をレクチル線92とともにタッチパネルディスプレイ64に表示させる。ディスプレイ64に表示されたターゲット像90は、暗い全体背景の中にひときわ白く光って浮き上がって見える。
【0034】
次に、タッチパネルディスプレイ46に表示されたターゲット像(測定点又は基準点)90にタッチペンで触れて、測定するターゲット104、108を指定する。すると、予備視準装置が働いて、図7に示したように、タッチパネルディスプレイ64上で視準軸Oを示すレクチル線92の中心と指定したターゲット像90が一致するまで、望遠鏡46を回転させ、指定したターゲット像90を画面中央に移動させていく。このとき、ターゲット104、108は、光が来た方向のみに光を反射するので、測定点又は基準点を示すターゲット像90は、特に明るく表示されて、画像処理装置60の処理を容易にするとともに、作業者にも自動視準の進捗状況を分かり易くしている。
【0035】
こうして、指定したターゲット104又は108が概略視準されると、さらに正確に視準するために、広角カメラ光学系89から視準カメラ光学系47に切り換え、図8に示したように、タッチパネルディスプレイ64にターゲット像90とレクチル線92を表示する。このときも、ディスプレイ64に表示されたターゲット像90は、暗い背景の中にひときわ白く光って浮き上がって見えるので、作業員は、レクチル線92に対するターゲット像90の位置を一目で確認できる。ここで、ターゲット104又は108が第1又は第2の自動視準装置により正確に自動視準されると、自動的に距離測定を行うとともに、水平角及び垂直角も測定する。このさい、これらの測定値は、指定された座標系上の座標に変換され、図示しない適当な記録媒体にも記録される。
【0036】
前述の測定方法の手順を、図9のフローチャートと、図10〜図16に示したタッチパネルディスプレイ64に表示された画像に基づいて、さらに詳細に説明する。
【0037】
まず、トータルステーション110を所定位置に設置し、図示しないメインスイッチをONにするとともに、ステップS1において、ターゲット照明用の光源80を点灯させる。次に、ステップS2に進み、図10に示したように、広角カメラ光学系89を最も広角として、測定対象物100にセットしたターゲットが照明されて見える像であるターゲット像90と画像上のレクチル線92をタッチパネルディスプレイ64に表示させる。さらに、図示しない既知のオートフォーカス制御装置により、合焦レンズ19の位置を調整してターゲット104、108に焦点が合わせられる。なお、このレクチル線92の中心は、望遠鏡46を上下左右の回転させても、広角カメラ光学系89又は視準カメラ光学系47の視準軸Oを常に表示している。このため、以下、レクチル線の中心にも符号Oを付す。次に、ステップS3に進み、タッチパネルディスプレイ64に表示された測定点に位置するターゲット像90にタッチペン68で触れることにより、測定しようとするターゲット104、108の像を指定する。もし、測定しようとするターゲット104、108の像がタッチパネルディスプレイ64上に表示されていないときは、タッチパネルディスプレイ64上の適当な点にタッチペン68で触れる。すると、後述するように、この点を測定点としてタッチパネルディスプレイ64の中心へ移動するので、測定するターゲット像90をタッチパネルディスプレイ64上に表示させることができ、ここで測定するターゲット104、108を指定する。
【0038】
測定するターゲット104、108を指定すると、ステップS4に進み、予備視準装置が働き、CPU58により、図11に示したように、タッチペン68で触れた点とレクチル線92の中心Oとの水平偏差hと垂直偏差v(ピクセル数で表す。)を検出する。次に、ステップS5に進み、両偏差h,vを水平制御部54と垂直制御部56に送り、両制御部54、56を作動させ、両偏差x、yがともに0となるように望遠鏡46を回転させ、図12に示したように、タッチペン68で触れた点をタッチパネルディスプレイ64の画面中央のレクチル線92の中心Oに移動させる。ターゲット像90が略レクチル線92の中心O上に移動すことで、CPU58は中心O上のターゲット像90を指定されたターゲット像であると認識する。
【0039】
さらに正確に視準するため、ステップS6に進み、広角カメラ光学系89を小幅ズームアップする。小幅にズームアップするのは、一度に最大倍率までズームさせると、視準誤差等によりターゲット104、108の像が視野から外れ、自動視準ができなくなる恐れがあるからである。広角カメラ光学系89をズームアップすると、図13に示したように、ターゲット像90の中心O’とレクチル線92の中心Oがわずかにずれていることが普通である。そこで、ステップS7に進み、ステップS4と同様に、ターゲット像90の位置を検出し、ステップS8に進む。ステップS8では、ステップS5と同様に両制御部54、56を作動させ、図14に示したように、ターゲット像90の中心O’をレクチル線92の中心O上へ移動させる暫定的な予備視準を行う。
【0040】
次に、ステップS9に進み、広角CCDカメラが最大倍率になったか否かを調べる。広角CCDカメラが、最大倍率に達していないときは、ステップS6に戻るが、最大倍率になっているときは、ステップS10に進み、ターゲット104,108までの距離測定を行う。この距離測定には、ターゲット104,108の大きさが既知であることを利用し、画像処理装置を用いてタッチパネルディスプレイ64上のターゲット像90の大きさから距離を算出する。
【0041】
ターゲット104,108までの距離が求まると、ステップS11に進み、この距離と、両カメラ光学系47、89の視準軸間の距離dとから、視準カメラ光学系47の視準軸O上にターゲット104が位置するように、望遠鏡46の向きの調整角を計算し、望遠鏡46の向きを調整する。そして、さらに正確に視準するため、ステップS12に進み、図15に示したように、広角カメラ光学系89から高倍率の視準カメラ光学系47に切り換え、合焦レンズ19の位置を調整してターゲット104に焦点を合わせる。このときの視準カメラ光学系47のフォーカス制御には、ステップS10の距離計測で求めた距離を用いる。
【0042】
次に、ステップS13に進み、ステップS4と同様に、ターゲット像90の位置を検出する。そして、ステップS14に進み、ステップS5と同様に再び、両制御部54、56を作動させ、第1の自動視準装置により暫定的な自動視準を行う。次に、ステップS15に進み、視準用の光源80を消灯するとともに、測距部(光波距離計)48によりターゲット104までの正確な距離を求め、この距離を用いて、ターゲット104に正確に焦点を合わせる。それから、ステップS15Aにおいて光源80を点灯した後、ステップ16に進み、ステップS4と同様に、ターゲット像90の位置を検出する。そして、ステップS17に進み、ステップS5と同様に、両制御部54、56を作動させ、第1の自動視準装置により最終的な自動視準を行い、図16に示したように、ターゲット像90の中心O’をレクチル線の中心O上に正確に位置させる。
【0043】
それから、ステップS18に進み、ターゲット像90の中心O’が正確にレクチル線92の中心O上にあるか否か、すなわちターゲット像90の中心O’とOとの水平偏差hと垂直偏差vが所定範囲内(たとえば、両制御部54、56のサーボモータの制御精度以下)か否か調べる。両偏差h、vがともに所定範囲内のときは、ステップS19に進んで、照明用の光源80を消灯し、測距部(光波距離計)48によりターゲット104までの距離を求め、同時に水平測角部50と垂直測角部52により望遠鏡46の水平角と垂直角を求める。これらの角度は、光学式エンコーダによって求められる。座標系が指定してあれば、これらの距離と角度から指定された座標系での座標へ変換する。両偏差h、vがともに所定範囲外のときは、ステップS16に戻る。
【0044】
前述した測定において、測距部48で距離を測定するステップS15、S19では必ずターゲット照明用の光源80が消灯しているので、光源80による照明光が距離測定に誤差を与えることがない。
こうして、1つの測定点又は基準点の測定を完了すると、再び、広角カメラ光学系89に切り換えられ、図6に示したような画像が表示されるので、次に測定したいターゲット像90をタッチペン68で指定する。以下同様に、順次ターゲット104、108の位置を計測していく。
【0045】
一方、図示しない自動計測スイッチをONとすると、CPU58は、測定対象物100に取り付けられたターゲット104と、基準点を示すターゲット108を端から端まで自動的に順番に指定していき、前述の測定を全部自動的に行うようになっている。この場合は、予め測定点及び基準点の座標を計測制御機65等の外部機器から入力しておくことにより、効率的に自動測定できるようにしている。
【0046】
こうして、1個所で前述の測定を終了すると、測量機110を次の個所へ移動させ、前述のように、ターゲット104、108を端から端まで測定していき、このような測定を予定した個所全部で行う。こうして、すべての予定個所での測定を終了した後に、この測定結果をタッチパネルディスプレイ64に表示するとともに、図示しない適当な記録媒体に記録して測定を終了する。
【0047】
以上は、1台の測量機のみで計測する方法を説明したが、通常は、計測室102の床106には複数の測量機110を設置し、これらの測量機110の入出力装置66と、観測室112内に設置されたディスプレイ(画像表示装置)を備えた計測制御機(パーソナルコンピュータ)65との間を電源ケーブル116と映像ケーブル117と通信ケーブル118で接続して、各測量機110を計測制御機65により遠隔操作するとともに、各測量機110で得た映像や測定結果は直ちに計測制御機65に送って、能率的に測定できるようにしている。もちろん、計測制御機65をもっと離れた事務所等に設置し、適当な通信装置(電話、携帯電話、無線機等)を介して、各測量機110と計測制御機65とを接続してもよい。
【0048】
このような測量機110を遠隔操作する場合、1つの測量機110に計測制御機65から計測開始指令を送ると、この測量機110のメインスイッチがONとなり、この測量機110は、広角CCDカメラ素子88により得られた測定対象物100の映像を計測制御機65に送ってくるので、計測制御機65のディスプレイに測定対象物100の像が表示される。計測制御機65は、測量機110と同じ計測制御プログラムを内蔵しているから、後は前述した測量機110で行った方法と同様にして、ターゲット104、108を端から端まで測定していく。この測量機110での全ての測定を終了すると、この測量機110のメインスイッチをOFFとし、次の測量機110に計測開始指令を送り、以下、同様にして、全ての測量機110での測定を行う。全ての測量機110での測定を終了すると、計測制御機65は、この測定結果をディスプレイに表示するとともに、適当な記録媒体に測定結果を記録し、必要により測定結果を印字して計測を終了する。
【0049】
以上の説明から明らかなように、本実施例では、薄暗い屋内において、測定対象物100にセットした多数の反射ターゲット104をトータルステーション110側の1人の作業員でもって能率的に測定できる。このさい、作業員は、トータルステーション110のタッチパネルディスプレイ64上で、広角CCDカメラで得た広い視野の画面からターゲット像90を指定することができ、後は、自動視準装置69により自動視準がなされ、続いて測定点の位置が自動測定されるので、作業員の負担が少なく、人為的な視準誤差も発生しないという利点がある。
【0050】
特に、視準軸Oの近傍に設けたターゲット照明用の光源80から、可視光で所定の拡散角をもつ照明光を視準軸Oと平行に出射することから、ターゲットには、視準カメラ光学系47および広角レンズ光学系89のいずれにおいても充分の明るさのターゲット画像が得られる程度の照明がなされて、測定対象物100にセットした反射ターゲットの像(ターゲット像)を鮮明にタッチパネルディスプレイ64上に表示でき、しかも、充分な視準精度を有し、距離測定に誤差を与えることが少ない。とくに、照明光は、必要な時のみに出射し、測距部(光波距離計)48による測距時には出射しないので、距離測定に誤差を与えることがない。
【0051】
なお、前記した実施例では、視準CCDカメラ素子45で撮像した映像をタッチパネルディスプレイ64上に表示し、ディスプレイ64上の画像中のターゲット像90をタッチペン68で指定すると、自動視準装置69が作動して、ターゲット像90が自動的にディスプレイ64のレチクル線92の中心Oにくるように構成されているが、画像処理装置60が設けられておらず、ディスプレイ64上のターゲット像90を見ながら、キーボードの操作キーを押すことで、望遠鏡46を水平回転及び鉛直回転させてターゲット像90をディスプレイ64のレチクル線92の中心にくるよう調整して、十字ラインセンサ122により自動視準する構造のトータルステーションであってもよい。そして、特に画像処理装置60が設けられていな構造の場合には、反射ターゲット照明用の光源として所定間隔(例えば1秒間隔)で点滅する点滅光源を用いると、表示装置の画面を通して反射ターゲットが照明用の光源の点滅に合わせて暗闇の中であたかも点滅しているように見えるので、それだけ視認しやすく、視準作業も容易となる。
【0052】
またさらに、前記した実施例のような視準CCDカメラ素子45,88および表示装置64が設けられておらず、作業員が視準CCDカメラ素子45に代えて接眼レンズ,焦点板十字線で構成された視準望遠鏡の接眼レンズを直接覗くタイプのトータルステーションであっても、裸眼で見て射ターゲットが白く浮き上がって見えるため、視準作業が容易となる点は同じである。さらに、反射ターゲット照明用の光源として所定間隔で点滅する点滅光源を用いた場合には、反射ターゲットが暗闇の中で点滅しているように見えて視認しやすく、視準作業が容易となる点も同じである。
【0053】
また、前記した実施例では、薄暗い屋内での測量について説明したが、トンネル内の暗闇での測量や夜間の測量においても同様に適用できる。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る発明によれば、暗闇の中でも反射ターゲットの位置を簡単に視認できて円滑な視準作業が可能となるので、夜間やトンネル内等の暗闇での測量が容易になる。また、屈んだ姿勢で視準用望遠鏡の接眼レンズを覗く従来の視準作業に比べて、当初は広角でその後は高倍率で表示装置に表示された画像を見ながら視準作業を遂行できるので、夜間やトンネル内等での測量が一層容易になる。
【0056】
請求項2に係る発明によれば、表示装置に表示された画像の測定点を指定手段によって指定すると、自動視準装置が作動して自動的に反射ターゲットを視準するので、視準作業が非常に迅速かつ簡単になる。
【0057】
請求項3に係る発明によれば、反射ターゲットが照明用の光源の点滅に合わせて暗闇の中で点滅しているように見えるので、反射ターゲットを視認しやすく、それだけ視準作業を迅速にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるトータルステーション全体のブロック図である。
【図2】 同トータルステーションの光学系及び自動視準装置を説明する図である。
【図3】 (a)同トータルステーションの正面図である。
(b)同トータルステーションの背面図である。
【図4】 十字形ラインセンサを説明する図である。
【図5】 測定対象物の各部位置を測定する方法を示す図である。
【図6】 同トータルステーションの広角カメラ光学系で得た画像を示す図である。
【図7】 同トータルステーションにおいて、広角カメラ光学系で得た画像を用いて予備視準した後の画像を示す図である。
【図8】 同トータルステーションにおいて、視準カメラ光学系で得た画像を用いて、自動視準した後に、前記視準カメラ光学系で得た画像を示す図である。
【図9】 測定点(ターゲット)の位置測定の手順を説明するフローチャートである。
【図10】 自動視準の開始前の広角カメラ光学系で得た最も広角な画像を示す図である。
【図11】 図10における測定点のターゲットの中心のレクチル線の中心からの水平偏差及び垂直偏差を示す図である。
【図12】 広角カメラ光学系の最も広角な状態で、ターゲットの中心と視準軸を一致させた状態を示す図である。
【図13】 同トータルステーションの予備視準の途中において、広角カメラ光学系を小幅ズームアップした状態を示す図である。
【図14】 広角カメラ光学系を小幅ズームアップした状態で、ターゲットの中心と視準軸を一致させた状態を示す図である。
【図15】 視準カメラ光学系に切り換えた直後に視準カメラ光学系で捕らえた画像を示す図である。
【図16】 視準カメラ光学系で捕らえた画像で、ターゲットの中心と視準軸を一致させた状態を示す図である。
【図17】 (a)従来のトータルステーションの正面斜視図である。
(b)同トータルステーションの背面斜視図である。
【符号の説明】
11 視準カメラ光学系の対物レンズ
41 トータルステーション本体
45 視準用CCDカメラ素子
46 視準用望遠鏡
47 視準カメラ光学系
54 水平制御部
56 垂直(鉛直)制御部
58 CPU
60 画像処理装置
64 タッチパネルディスプレイ(表示装置)
65 計測制御装置
68 タッチペン(測定点指定手段)
69 自動視準装置
80 ターゲット照明用の光源
86 受光素子
87 広角(対物)レンズ
88 広角CCDカメラ素子
89 広角カメラ光学系
90 ターゲット像
110 トータルステーション
104 ターゲット(測定点)

Claims (3)

  1. 鉛直回転および水平回転可能な視準用望遠鏡を備えたトータルステーションにおいて、
    前記視準用望遠鏡には、測定対象物を撮像する高倍率の視準カメラ光学系と広い視野の広角カメラ光学系が内蔵されるとともに、前記視準カメラ光学系と前記広角カメラ光学系とは選択可能にされ、
    前記視準用望遠鏡の前面側には、前記広角カメラ光学系の対物レンズが前記視準カメラ光学系の対物レンズの上または下に接近して設けられるとともに、前記2つの対物レンズ間に両対物レンズの光軸と平行な光軸をもつ反射ターゲット照明用の光源が設けられ
    前記視準用望遠鏡を鉛直回転可能に支持するトータルステーション本体には、前記視準カメラ光学系又は前記広角カメラ光学系で撮像した映像を表示する表示装置が設けられたことを特徴とするトータルステーション。
  2. 前記表示装置に表示された画像から測定点を弁別する画像処理装置と、前記表示装置に表示された画像上の測定点を指定する測定点指定手段と、指定された測定点を自動的に視準する自動視準装置とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のトータルステーション。
  3. 前記反射ターゲット照明用の光源は、所定間隔で点滅するように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のトータルステーション。
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