JP3425668B2 - 凹凸柄パイル布帛 - Google Patents

凹凸柄パイル布帛

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JP3425668B2
JP3425668B2 JP2001025780A JP2001025780A JP3425668B2 JP 3425668 B2 JP3425668 B2 JP 3425668B2 JP 2001025780 A JP2001025780 A JP 2001025780A JP 2001025780 A JP2001025780 A JP 2001025780A JP 3425668 B2 JP3425668 B2 JP 3425668B2
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繁光 堀田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてカーペッ
トと椅子張地に使用される凹凸柄パイル布帛に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】シングルモケット(ウイルトン)織機で
は凹凸を有するワイヤーを織り込んでパイル面に凹凸図
柄を描出することが出来、タフテッド機ではパイル糸の
供給量とテンションを変えて凹凸図柄をパイル面に描出
することが出来、又、パイル編機ではシンカーの高さを
変えてパイル面に凹凸図柄を描出することが出来る。し
かし、ダブルモケット(ウイルトン)織機やダブルラッ
シェル経編機のように二枚のパイル布帛の基布を上下二
重に織編し、その上基布と下基布を連結しているパイル
糸をカット(センターカット)して上下二重に二枚のパ
イル布帛を同時に製造する織機や編機では、パイル長が
一定でパイル面が平滑(平坦)な所謂レベルカットパイ
ル布帛しか得られない。
【0003】レベルカットパイル布帛には、その織編後
の染色仕上工程において、凹部と凸部の色彩が異なる多
彩な凹凸図柄を描出することは可能である。その第1の
方法は、特開昭58−4888(特公昭61−1519
8)、特開昭58−156089(特公昭61−151
97)、特開昭54−82499(特公昭61−943
8)、特開昭56−118981(特公昭60−307
88)、特開昭56−49047(特公昭62−245
53)に記載されているように、パイル面に抜蝕捺染を
施す抜蝕捺染法である。第2の方法は、特開平3−24
9239(特許第2825304号)や特開平4−24
0247(特許第2544840号)に記載されている
ように、色彩と熱収縮率を異にする2種類のパイル糸を
用いてレベルカットパイル布帛を織編し、加熱処理を施
して2種類のパイル糸の熱収縮差を顕現させる加熱収縮
法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】抜蝕捺染法では、抜蝕
捺染糊のパイル層への浸透度合いによって形成される凹
部の深さがばらつき、又、パイルの繊維素材の種類によ
って使用し得る抜蝕剤や染料が限定され、その後の脱糊
洗浄による廃液は公害問題の原因となり、ウイルトンカ
ーペットのように重厚なパイル布帛では実際上洗浄処理
を行うことは不可能であり、現実問題として抜蝕捺染法
を適用することは出来ない。加熱収縮法では、均等にパ
イル面を加熱する加熱温度のコントロールが難しく、そ
のばらつきによって形成される凹部の深さがばらつき、
高熱収縮性繊維の種類も極く限られる。加えて、高熱収
縮性繊維を染色するときは、染色工程や乾燥工程におい
て加熱されて収縮し、高熱収縮性が失われるので、パイ
ル布帛の織編前に高熱収縮性繊維を染色することは出来
ず、又、抜蝕捺染の場合と同様に、ウイルトンカーペッ
トのように重厚なパイル布帛を洗浄処理することは現実
問題として不可能であるから、パイル布帛の織編後にお
いても高熱収縮性繊維を染色することは出来ない。そこ
で、高熱収縮性繊維の着色は紡糸時の原着によることに
なるが、その紡糸は大ロットにせざるを得ず、凹凸柄パ
イル布帛の多種多量生産には不向きであり、又、高熱収
縮性繊維がコスト高になる。
【0005】
【発明の目的】そこで本発明は、凹凸柄出装置の付設が
困難なダブルモケット(ウイルトン)織機やダブルラッ
シェル経編機によっても製造し得、パイル布帛の多種少
量生産にも適し、凹部の深さが一定に揃い、而も、凹部
と凸部の現われる繊維の形状が異なり、デザイン的にも
新規な凹凸柄パイル布帛を提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る凹凸柄パイ
ル布帛17は、(a) 下撚の施された複数本の強撚単
糸11A・11B・11Cに上撚を施して合撚した強撚
糸12に成る強撚パイル13と、非強撚糸14に成る非
強撚パイル15によってパイル面が構成され、(b)強
撚パイルの上端21が非強撚パイルの上端22よりも低
く、強撚パイル13の構成する凹部と非強撚パイル15
の構成する凸部とによる凹凸図柄がパイル面に描出され
ており、(c) 強撚パイル13を構成する少なくとも
1本の強撚単糸11Aの下撚方向が強撚糸12の上撚方
向と同じ方向になっており、(d) 強撚糸12が、捲
縮を有する熱可塑性合成繊維を主材とし、その1〜20
重量%の熱融着性繊維を有し、(e) その熱融着性繊
維が熱溶融して強撚糸12の主材とする熱可塑性合成繊
維に融着しており、(f) 伸長して測定される強撚パ
イル13と非強撚パイル14の長さが同等であることを
第1の特徴とする。
【0007】本発明に係る凹凸柄パイル布帛17の第2
の特徴は、上記第1の特徴に加えて、強撚パイル13の
上端21が解撚して複数本の強撚単糸11A・11B・
11Cに分離しており、それらの複数本の強撚単糸11
A・11B・11Cの上端がランダム方向に向いてお
り、強撚パイル15のパイル布帛の基布16から上端2
1までの高さLが、非強撚パイル13のパイル布帛の基
布16から上端22までの高さHの90%未満になって
いる点にある。
【0008】本発明に係る凹凸柄パイル布帛17の第3
の特徴は、上記第1または第2の特徴に加えて、熱融着
性繊維が、熱溶融してその繊維の長さ方向において分断
されており、強撚糸12の主材とする熱可塑性合成繊維
に融着している点にある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において「強撚」とは、無
緊張(ノーテンション)の自然状態において糸条の長さ
方向に続く軸芯が真っ直ぐにならず、捩れて彎曲する程
度に糸条が加撚されていることを意味し、「強撚単糸」
とは、そのように強く加撚された糸条を意味し、「強撚
糸」とは、その複数本の強撚単糸を合撚して構成される
糸条を意味する。
【0010】本発明者は、熱融着性繊維を含有する羊毛
繊維の下撚の施された複数本の強撚単糸を下撚と同じ方
向に上撚を施した羊毛繊維強撚糸によりカットパイルを
形成したカーペットを発明し、特開平2000−701
04(特許第3051846号)(以下、先願発明と言
う。)に開示している。先願発明と同じように、下撚の
施された複数本の強撚単糸を下撚と同じ方向に上撚を施
して合撚した熱融着性繊維を有する強撚糸によりカット
パイルを形成するときは、強撚単糸や強撚糸が熱セット
されていても、強撚単糸の有する解撚トルクが顕現し、
カットパイルの上端では、そのカットパイルを構成する
複数本の各強撚単糸のカットパイル片に分離し、各カッ
トパイル片の上端(カット断面)がランダム方向に傾
き、強撚単糸の側面がパイル面に現われ、カットパイル
がループパイル乃至チップシャー、即ちループパイル面
にシャーリング(剪毛処理)が施されてループパイル片
とカットパイル片が混在するループパイルの如き観を呈
する。しかし、先願発明とは異なり、その強撚単糸にナ
イロンBCF、即ちバルキー加工の施された高捲縮ナイ
ロンの如く、捲縮を有する熱可塑性合成繊維(以下、捲
縮熱可塑性合成繊維と言う。)を使用し、その合撚され
た強撚糸と他の非強撚糸との2種類のカットパイルを形
成するとき、格別な凹凸柄出装置を使用しなくても、
又、カットパイルを形成する織編過程の条件が全く同じ
であっても、即ち、強撚パイルと非強撚パイルの基布か
ら上端までの高さ(以下、パイル長と言う。)を同じに
設定しておいても、強撚パイルのパイル長は非強撚パイ
ルのパイル長に比して少なくとも10%は低くなり、非
強撚パイルを凸部とし強撚パイルを凹部とする凹凸図柄
がパイル面に描出される。その理由については次のよう
に考えられる。
【0011】即ち、何れのパイル織編装置においても、
織編過程のパイル糸には一定のテンションが作用してお
り、そのパイル布帛原反に織編込まれてからカットパイ
ルを形成するまで、織編込まれたパイル糸は緊張状態に
おかれる。例えば、ダブルモケット(ウイルトン)織機
とダブルラッシェル経編機において織編込まれたパイル
糸は、センターカットされるまで上基布と下基布の間で
緊張状態におかれる。シングルモケット(ウイルトン)
織機において織込まれたパイル糸は、緯糸と同様にパイ
ル布帛原反に挿入されたワイヤーによってカットされる
まで、そのワイヤーによって基布から突き上げられて緊
張状態におかれる。タフテッド機においてニードルによ
って基布に差し込まれたパイル糸は、ナイフによってカ
ットされるまで、基布から離れる方向にルーパーに引っ
掛けられて緊張状態におかれる。そのように緊張状態に
おかれているパイル糸がカットされて緊張状態から解放
されると、そのカットされて生じるカットパイルは、そ
の緊張されていた分だけ収縮可能になる。
【0012】通常パイル糸に使用される紡績糸やマルチ
フイラメント糸の織編過程で加えられるテンションによ
る伸長率は、その繊維の種類にもよるが概して5%未満
であり、パイル長が3〜10mmの通常のカットパイル
では、その程度の伸長率に応じた収縮分は0.5mm未
満となり、その程度の僅かにパイル面に現われる凹凸
は、パイル長の不揃いとしてシャーリングによって刈り
揃えられ、平滑なパイル面に仕上げられる。しかし、熱
融着性繊維が融着して主材の捲縮熱可塑性合成繊維間が
部分的に接着された強撚単糸11に成るカットパイル1
3では、解撚して分離した個々の強撚単糸11A・11
B・11Cのそれぞれが軸芯18に対して捩れた彎曲状
態になるので、そのカット前の位置(22)、即ちダブ
ルモケット(ウイルトン)パイル布帛原反ではセンター
カットのカッター20の位置、シングルモケット(ウイ
ルトン)パイル布帛原反ではワイヤーの上端縁の位置、
タフテッドパイル布帛原反ではルーパーのカッテイング
エッヂ(ナイフと協働する切刃稜)の位置から基布側
(16)へとカットパイルの上端21の位置が大きく、
概して非強撚パイル15のパイル長Hの20〜30%程
度移動する。
【0013】その結果、本発明のパイル布帛17では、
非強撚パイル15の上端22よりも強撚パイル13の上
端21が一段と低くなってハッキリ凹凸として認められ
る凹凸図柄がパイル面に顕現し、その凹部を構成する各
強撚単糸のカットパイル片(11A・11B・11C)
に分離し、各カットパイル片(11A・11B・11
C)の上端(カット断面)21がランダム方向に傾き、
凹部の表面に細かい起伏が生じ、又、強撚単糸11A・
11B・11Cの側面が凹部の表面に現われてループパ
イルの如き観を呈し、その凹部の表面が繊維の先端がパ
イル面に直立した非強撚パイル15とは余りにも相異す
るところからデザイン的にも新規で豪華な凹凸柄パイル
布帛が得られることになる。
【0014】尚、強撚単糸に羊毛繊維を使用した先願発
明では、強撚パイルのパイル長と非強撚パイルのパイル
長が同じになり、パイル面に凹凸図柄は描出されない。
又、強撚単糸に捲縮熱可塑性合成繊維を使用した強撚糸
であっても、熱融着性繊維が使用されておらず、又、熱
融着性繊維が使用されていても捲縮熱可塑性合成繊維に
融着していない強撚糸をパイル糸に使用すると、それを
カットしてカットパイル(強撚パイル)を形成した時点
で本発明と同様に凹凸図柄が描出されるものの、その
後、強撚単糸のカットパイル片の上端(カット断面)が
開毛して非強撚パイルとの外観上の相異が薄れ、又、強
撚単糸のカットパイル片が次第に伸長して非強撚パイル
との間の凹凸(長短)差が不明瞭になり、カーペットや
椅子張地に使用し得る凹凸柄パイル布帛は得られない。
【0015】熱融着性繊維の使用量は、強撚糸12の1
〜20重量%でよい。その使用量が20重量%を超える
と、強撚パイルが粗硬になってパイル布帛の風合いを損
ない、又、強撚単糸の伸縮性が損なわれるのでカットし
ても格別縮まらず、非強撚パイル15と強撚パイル13
との凹凸差が少なくなって凹凸図柄が不鮮明になる。熱
融着性繊維は、下撚時に強撚単糸11に合撚してもよい
し、上撚時に複数本の強撚単糸と共に合撚してもよい。
熱融着性繊維は、パイル布帛を織編する前に加熱して捲
縮熱可塑性合成繊維に融着させる。下撚時に強撚単糸1
1に合撚した熱融着性繊維は、強撚単糸11を合撚して
強撚糸12とする合撚前と合撚後の何れの時点で加熱し
て捲縮熱可塑性合成繊維に融着させてもよい。
【0016】熱融着性繊維には、繊維全体が熱融着性ポ
リマーで構成され、熱溶融して分断された熱溶物となっ
て捲縮熱可塑性合成繊維に融着する所謂ホットメルト型
熱融着性繊維、および、熱融着性ポリマーを鞘成分と
し、それよりも融点の高い高融点ポリマーを芯成分とす
る芯鞘構造複合型熱融着性繊維の何れをも使用すること
が出来る。しかし、原料コストを考慮すれば、芯鞘構造
複合型熱融着性繊維よりもホットメルト型熱融着性繊維
使用する方が得策である。何故なら、ホットメルト型熱
融着性繊維は加熱されて細かい溶融物に分かれて多くの
捲縮熱可塑性合成繊維に融着するので、その使用量は強
撚糸12の1〜5重量%で済むが、ホットメルト型熱融
着性繊維では加熱しても芯成分の高融点ポリマーによっ
て繊維の形態が保たれるので数の限られた捲縮熱可塑性
合成繊維にしか融着せず、強撚糸12の5重量%以上の
使用を必要とされるからである。
【0017】熱融着性繊維によって捲縮熱可塑性合成繊
維間が接着されていても、熱融着性繊維の使用量が強撚
糸12の15重量%以下であれば、各強撚単糸11A・
11B・11Cの間が熱融着性繊維によって強固に接着
されることなく、強撚糸12をカットパイル13にする
と、強撚単糸の有する解撚トルクが作用してカットパイ
ル13の上端21が複数本の強撚単糸のカットパイル片
(11A・11B・11C)に分離する。そのために
は、強撚糸12の上撚方向を強撚単糸11の下撚方向と
同じにしなければならないが、合撚する複数本の全ての
強撚単糸11A・11B・11Cの下撚方向と同じ方向
に揃え、強撚糸12の上撚方向を全ての強撚単糸11A
・11B・11Cの下撚方向と同じ方向にしなければな
らないと言う訳ではなく、一部の強撚単糸11の下撚方
向と強撚糸12の上撚方向を同じにすることも出来る。
従って、下撚方向が異なる複数本の強撚単糸11A・1
1B・11Cを合撚して強撚糸12とすることも出来
る。しかし、解撚して分かれた強撚単糸のカットパイル
片(11A・11B・11C)の強撚状態を維持するた
めに熱融着性繊維の使用量を多くしても、強撚パイル1
3の上端21を解撚し易くするために、合撚する複数本
の全ての強撚単糸11A・11B・11Cの下撚方向を
揃え、その全ての下撚方向と強撚糸12の上撚方向を同
じ方向にすることが望ましい。
【0018】強撚糸12と非強撚糸14とは、ダブルモ
ケット(ウイルトン)織機、シングルモケット(ウイル
トン)織機およびダブルラッシェル経編機ではドビーや
ジャガードによって織編分けられ、又、タフテッド機で
はニードルによって織編分けられ、それぞれ図柄に応じ
た箇所に強撚パイル13と非強撚パイル15を選択的に
形成することが出来る。従って、強撚糸12と非強撚糸
14の色彩を異にするときは、多彩な凹凸図柄が描出さ
れることになる。
【0019】先に説明した通り、シングルモケット(ウ
イルトン)織機では凹凸を有するワイヤーを織り込んで
パイル面に凹凸図柄を描出することが出来、タフテッド
機ではパイル糸の供給量とテンションを変えて凹凸図柄
をパイル面に描出することが出来る。従って、シングル
モケット(ウイルトン)織機やタフテッド機を使用する
場合は、パイル長の異なる強撚パイル13と非強撚パイ
ル15を選択的に形成することが出来、又、非強撚パイ
ル15を選択的にカットパイルとループパイルにするこ
とも出来る。そのようにして一層変化に富んだ多彩な凹
凸図柄を描出することが出来る。
【0020】非強撚パイル15のパイル長Hに対する強
撚パイル13のパイル長Lは、強撚単糸11に加えられ
る下撚の撚回数によって加減することが出来る。尚、本
発明において「伸長して測定される強撚パイル13の長
さ」とは、パイル布帛14の基布16から上端21まで
の高さであるパイル長Lを意味するのではなく、軸芯1
8が捩れて彎曲し収縮した状態にある強撚パイル13を
抜き出し、その軸芯18を真っ直ぐにした状態で測定さ
れる強撚パイル13の実寸法であり、カット前のパイル
布帛原反における緊張状態にある強撚パイル13の実寸
法を意味する。そのカット前のパイル布帛原反における
緊張状態から、カットしてカットパイルの状態にすると
き、強撚パイル13が収縮し易くなるようにするには、
強撚単糸11の主材である捲縮熱可塑性繊維を、紡績糸
(短繊維)ではなくマルチフイラメント糸(長繊維)と
するとよい。凹凸図柄を鮮明にするには、強撚パイル1
3のパイル長Lが、非強撚パイル15のパイル長Hの8
0%以下になるようにする。
【0021】本発明では、強撚単糸11の主材である捲
縮熱可塑性繊維の捲縮性と伸縮弾性と強撚単糸の解撚ト
ルクによる伸縮性によって、強撚パイル13のパイル長
Lが非強撚パイル15のパイル長Hに比して短くなる
が、そのように強撚パイル13を短くするには、熱収縮
性や水収縮性を有する熱可塑性合成繊維を強撚単糸に使
用することも出来、それによって強撚パイル13と非強
撚パイル15との高低差を一層大きくすることも出来
る。従って、熱収縮性合成繊維や水収縮性合成繊維、或
いは、ゴム弾性合成繊維(スパンデックス)の強撚単糸
11への使用は、本発明の技術的範囲を縮限するもので
はない。
【0022】
【実施例】単糸繊度10dtexのBCFナイロン13
6本にS方向に下撚を200回/M施した3本のBCF
ナイロン強撚単糸(11A・11B・11C)に、単糸
繊度60dtexのホットメルト型ナイロンフイラメン
ト糸を1本を揃えて、これらにS方向に上撚を160回
/M施して合撚した強撚糸12と、単糸繊度10dte
xであり総太さが1360dtexのナイロン紡績単糸
を3本を合撚した非強撚糸14をパイル糸とし、ダブル
ウイルトン織機において、それらのパイル糸12・14
をジャガードによって織分けたダブルパイル布帛原反1
9を、その上基布16と下基布16の間でカッター20
によってセンターカットし、パイル長7mmの非強撚パ
イル15とパイル長5mmの強撚パイル13によって凹
凸図柄の描出された2枚のダブルウイルトンカーペット
17A・17Bを上下二重にして同時に織成した。
【0023】
【発明の効果】上記の通り本発明によると、凹凸柄出装
置の付設が困難なダブルモケット(ウイルトン)織機や
ダブルラッシェル経編機を使用しても、凹凸差が確実に
一定に揃い、凹部の表面がループパイルの如き光沢を有
すると共に、その凹部の表面が細かく起伏して変化に富
み、又、凹部を構成する強撚糸12は織編前に染色し得
るので小ロットでも随時調達することが出来、従って、
多種少量生産に対応することが出来、デザイン的にも新
規で豪華な凹凸柄パイル布帛を得ることが出来る。
【0024】パイル面の凹凸図柄の凹部を構成する強撚
単糸の捲縮熱可塑性合成繊維の間が熱融着性繊維によっ
て接着されているので、解撚して分離した個々の強撚単
糸のカットパイル片(11A・11B・11C)が開毛
したり、カットパイル片(11A・11B・11C)が
伸長して非強撚パイルとの間の凹凸(長短)差が不明瞭
になることもなく、本発明の凹凸柄パイル布帛は、パイ
ル面が頻繁に擦られるカーペットや椅子張地、或いは、
頻繁に洗濯して使用されるダストコントロールマット、
或いは又、周縁の裁断口からのパイルの解れが懸念され
るタイルカーペットに頗る好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る凹凸柄パイル布帛のダブルウイル
トン織機による製織過程における断面側面図であり、そ
の一部を円で囲んで拡大して図示している。
【符号の説明】
11 強撚単糸 12 強撚糸 13 強撚パイル 14 非強撚糸 15 非強撚パイル 16 基布 17 パイル布帛 18 軸芯 19 パイル布帛原反 20 カッター 21 強撚パイルの上端 22 非強撚パイルの上端

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 下撚の施された複数本の強撚単糸
    (11A・11B・11C)に上撚を施して合撚した強
    撚糸(12)に成る強撚パイル(13)と、非強撚糸
    (14)に成る非強撚パイル(15)によってパイル面
    が構成され、(b)強撚パイルの上端(21)が非強撚
    パイルの上端(22)よりも低く、強撚パイル(13)
    の構成する凹部と非強撚パイル(15)の構成する凸部
    とによる凹凸図柄がパイル面に描出されており、(c)
    強撚パイル(13)を構成する少なくとも1本の強撚
    単糸(11A)の下撚方向が強撚糸(12)の上撚方向
    と同じ方向になっており、(d) 強撚糸(12)が、
    捲縮を有する熱可塑性合成繊維を主材とし、その1〜2
    0重量%の熱融着性繊維を有し、(e) その熱融着性
    繊維が熱溶融して強撚糸(12)の主材とする熱可塑性
    合成繊維に融着しており、(f) 伸長して測定される
    強撚パイル(13)と非強撚パイル(14)の長さが同
    等である凹凸柄パイル布帛。
  2. 【請求項2】 前掲請求項1に記載の強撚パイル(1
    3)の上端(21)が解撚して複数本の強撚単糸(11
    A・11B・11C)に分離しており、それらの複数本
    の強撚単糸(11A・11B・11C)の上端がランダ
    ム方向に向いており、強撚パイル(15)のパイル布帛
    の基布(16)から上端(21)までの高さ(L)が、
    非強撚パイル(13)のパイル布帛の基布(16)から
    上端(22)までの高さ(H)の90%未満である前掲
    請求項1に記載の凹凸柄パイル布帛。
  3. 【請求項3】 前掲請求項1に記載の熱融着性繊維が、
    熱溶融してその繊維の長さ方向において分断されてお
    り、強撚糸(12)の主材とする熱可塑性合成繊維に融
    着しており、その強撚糸(12)の1〜5重量%が熱融
    着性繊維である前掲請求項1に記載の凹凸柄パイル布
    帛。
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