JP3425368B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP3425368B2
JP3425368B2 JP18762198A JP18762198A JP3425368B2 JP 3425368 B2 JP3425368 B2 JP 3425368B2 JP 18762198 A JP18762198 A JP 18762198A JP 18762198 A JP18762198 A JP 18762198A JP 3425368 B2 JP3425368 B2 JP 3425368B2
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あいら 堀田
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一之 春原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子に係
り、特に液晶材料をマイクロカプセル化して用いた液晶
表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯情報機器が広く普及しつつあ
り、携帯情報機器に搭載される表示装置の需要も高まっ
ている。一般に、据置き型の機器に搭載される表示装置
としては、CRTが広く用いられている。CRTにおい
ては、表示面に塗布された蛍光体に電子線を照射するこ
とにより表示が行なわれ、表示面を構成する全ての画素
は1つの電子銃から電子を供給される。そのため、CR
Tでは電子銃と表示面とを離して配置する必要があり、
表示面に対する奥行き方向の長さが長い。さらに、CR
Tは、非常に重い或いは消費電力が高い等の欠点を有し
ているため、携帯用機器に搭載される表示装置としては
適していない。
【0003】薄型の表示装置としては、プラズマ表示装
置、EL表示装置、及び液晶表示装置等が知られてい
る。このうち、プラズマ表示装置やEL表示装置は、携
帯用機器に搭載される表示装置としては未だ問題を有し
ているため、ほとんど実用化されていない。
【0004】一方、液晶表示装置は、薄型化及び低電圧
駆動が可能であるため、腕時計や電卓などの表示部に広
く用いられている。特に、TN型液晶表示素子を用いた
アクティブマトリクス形の液晶表示装置では、CRT並
みの表示特性が実現されており、テレビ等の表示装置と
しても用いられている。
【0005】しかしながら、TN型の液晶表示素子は、
表示特性が高く薄型の表示装置を実現することが可能で
ある等のように様々な長所を有する反面で、偏光板を用
いる必要があるため光の利用効率が低いという問題を有
している。それゆえ、通常、この素子には、十分な明る
さを得るためにバックライトが付設されるが、バックラ
イトの消費電力が非常に高いため素子全体の消費電力を
大幅に高めてしまうという問題を生じてしまう。
【0006】上述のような偏光板を用いる液晶表示素子
とは別に、偏光板を用いない液晶表示素子として、ゲス
ト−ホスト型(GH型)液晶表示素子が知られている。
GH型液晶表示素子は、液晶層中の液晶化合物をホスト
として、これにゲストとして二色性色素を含有するもの
であり、特に反射型液晶表示素子として有用である。
【0007】上記GH型液晶表示素子においては、例え
ば、それぞれ吸収(反射)波長の異なる3種以上の液晶
領域を基板上に並置することにより、フルカラー表示を
実現することができる。
【0008】また、上記GH型液晶表示素子においてフ
ルカラー表示を行うために、それぞれ吸収(反射)波長
の異なる3種以上の液晶層を基板上に積層することが知
られている。このような液晶表示素子は、例えば、それ
ぞれの対向面に電極が形成された1対の基板間に、両面
に電極が形成された2枚の中間基板を配置して、基板面
に垂直な方向に3つに仕切られた空間を有する液晶セル
を形成し、3つの空間に吸収(反射)波長の異なる液晶
材料をそれぞれ注入することにより得ることができる。
【0009】このように、GH型液晶表示素子はバック
ライトを必要とせずかつ原理的には良好なフルカラー表
示が可能である。しかしながら、上述したGH型液晶表
示素子においては、高いコントラストを得ることができ
ない。その理由としては、液晶化合物に対する二色性色
素の溶解度が低いことが挙げられる。すなわち、溶解度
が低いため、液晶層で光を十分に吸収させることが困難
となるのである。
【0010】また、高いコントラストを得ることができ
ない理由として、二色性色素の吸光軸が一軸であること
が挙げられる。例えば、通常の平行配向セルを用いた場
合、光吸収率は原理的な最大値でも50%に過ぎない。
そのため、コントラストを高めるためには、液晶層の光
吸収軸を2軸以上の多軸とすることが必要である。
【0011】光吸収軸を多軸とする方法として、それぞ
れ光吸収軸の異なる2層の液晶層を積層すること、液晶
材料をツイスト配向させること(コレステリック液晶を
用いたWhite−Taylor型)、及び波長板を用
いることが提案されている。しかしながら、これら方法
により液晶層の光吸収軸を多軸とするには限界がある。
その理由を、図8を参照しながら説明する。
【0012】図8は、従来のGH型液晶表示素子を概略
的に示す断面図である。図8に示すGH型液晶表示素子
101は、一対の基板102,103間に、それぞれの
光吸収軸が直交するように積層された2層の液晶層10
6,107が挟持されている。これら液晶層106,1
07は隔壁110で仕切られており、また一対の基板1
02,103のそれぞれの対向面には電極104,10
5が設けられている。なお、図中、参照番号108,1
09は、それぞれ液晶分子及び二色性色素分子を示して
いる。
【0013】このように、上記GH型液晶表示素子10
1は隔壁110を必要とする。そのため、上記GH型液
晶表示素子101を製造するためには複雑な工程を必要
とし、コストの上昇をもたらしていた。
【0014】また、液晶層の光吸収軸を2軸以上の多軸
とするために、液晶材料をツイスト配向させた場合、液
晶材料のΔnの影響を受け、波長板を用いた場合、偏光
解消等を生じてしまう。そのため、これら方法のいずれ
も、コントラストを向上させることは困難であった。
【0015】ゲスト・ホスト液晶材料を用いた表示方式
としては、上述した方式の他に、例えば特開昭58−1
44885号公報及び特開平8−313939号公報等
において開示されるように、ゲスト・ホスト液晶材料を
透明被膜で包含して用いた、すなわちゲスト・ホスト液
晶材料をマイクロカプセル化して用いた表示方式が知ら
れている。この表示方式によると、液晶材料及び透明被
膜は、透明被膜の屈折率に対して液晶材料の常光屈折率
がほぼ等しくなるように、及び被膜の屈折率に対して液
晶材料の異常光屈折率が異なるように選定される。この
表示方式について、図9を参照しながら説明する。
【0016】図9(a),(b)は、従来の液晶マイク
ロカプセルを用いた液晶表示素子を概略的に示す断面図
である。なお、図9(a),(b)に示す液晶表示素子
111において、図8に示した液晶表示素子101と共
通する部材には同じ参照番号を付している。図9(a)
に示すように、電圧無印加時における透明被膜112中
の液晶材料108の配向方向はランダムである。したが
って、多くの液晶マイクロカプセル107において、基
板面に垂直に入射する入射光115に対する液晶材料1
08の屈折率と透明被膜112の屈折率との間に差を生
ずる。その結果、透明被膜112での光散乱を生じ、液
晶層113は白濁する。
【0017】一方、図9(b)に示すように、上記液晶
表示素子111の電極104,105間に電圧を印加す
ると、液晶材料108は、例えば基板面に垂直な方向に
配向する。そのため、基板面に垂直な方向に関する液晶
材料108の屈折率は透明被膜112の屈折率とほぼ一
致する。これにより、上記電圧無印加時における散乱効
果が消尽し、液晶層113は透明となる。
【0018】このように、上記液晶表示素子111によ
ると、透明状態と白濁状態との間の変化を利用して明る
い表示が可能である。また、液晶材料108としてゲス
ト・ホスト液晶材料を用いた場合、着色状態と透明状態
との間の変化を利用したカラー表示が可能である。さら
に、上記液晶表示素子111においては、印刷や転写法
等により液晶層等を形成することができるため、それぞ
れ吸収波長の異なる3種のゲスト・ホスト型の液晶マイ
クロカプセルを用いることにより、フルカラータイプの
液晶表示素子を容易に作製することが可能である。
【0019】しかしながら、上述のようにゲスト・ホス
ト液晶材料をマイクロカプセル化して用いた場合、高い
コントラストで表示を行うことは困難である。以下にそ
の理由を説明する。
【0020】上記液晶表示素子111において、透明状
態を形成するためには、液晶材料108と透明被膜11
2との屈折率を一致させることが必要である。しかしな
がら、透明状態において、これらの屈折率を常に一致さ
せることは不可能である。例えば、液晶分子の配向方向
にゆらぎを生じた場合等においては、液晶材料108は
複屈折性の材料であるため、液晶材料108と透明被膜
112との間に屈折率の差を生ずる。その結果、液晶材
料108と透明被膜112との間の界面で、光路曲がり
や光散乱を生じてしまう。そのため、液晶材料をマイク
ロカプセル化した従来の液晶表示素子111において
は、高いコントラストで表示を行うことは困難であっ
た。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題に鑑
みてなされたものであり、製造が容易であり、かつ高い
コントラストで表示を行うことが可能な液晶表示素子を
提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、a)一方の主面に電極が形成された基
板、b)前記基板の一方の主面上に設けられ、光吸収性
物質を含有する液晶材料と、前記液晶材料を包含する透
明薄膜とを有する液晶層、及びc)前記液晶層上に設け
られた透明電極を具備し、前記液晶層を光透過状態或い
は光散乱状態と光吸収状態との間で変化させることによ
り表示が行なわれ、前記光透過状態或いは光散乱状態
は、前記液晶層に入射した入射光を前記透明薄膜に透過
させることにより形成され、前記光吸収状態は、前記液
晶層に入射した入射光を前記液晶材料に透過させて前記
光吸収性物質に吸収させることにより形成されることを
特徴とする液晶表示素子を提供する。
【0023】上記液晶表示素子において好ましい態様を
以下に示す。 (1)前記光吸収性物質は前記液晶材料に溶解された等
方的に光を吸収する色素であること。
【0024】(2)前記光吸収性物質は前記液晶材料中
に分散された光吸収性の粒状体であること。 (3)前記光吸収性物質は二色性色素であること。
【0025】(4)前記液晶材料は液晶物質を含有し、
前記液晶物質の常光線屈折率及び異常光線屈折率の一方
と前記透明薄膜の屈折率とは実質的に等しく、前記透明
薄膜の屈折率は前記常光線屈折率及び異常光線屈折率の
他方に対してより大きいこと。
【0026】(5)前記液晶材料は液晶物質を含有し、
前記液晶物質の常光線屈折率及び異常光線屈折率の一方
と前記透明薄膜の屈折率とは実質的に等しく、前記透明
薄膜の屈折率に対する前記常光線屈折率及び異常光線屈
折率の他方の比は0.99以下であること。
【0027】(6)前記液晶材料は液晶物質を含有し、
前記液晶物質の常光線屈折率及び異常光線屈折率の一方
と前記透明薄膜の屈折率とは実質的に等しく、前記透明
薄膜の屈折率に対する前記常光線屈折率及び異常光線屈
折率の他方の比は0.91以下であること。
【0028】(7)前記液晶材料はP型の液晶物質を含
有し、前記液晶物質の常光線屈折率と前記透明薄膜の屈
折率とは等しく、かつ前記透明薄膜の屈折率は前記液晶
物質の異常光線屈折率に対してより大きいこと。
【0029】(8)前記液晶材料はP型の液晶物質を含
有し、前記液晶物質の異常光線屈折率と前記透明薄膜の
屈折率とは等しく、かつ前記透明薄膜の屈折率は前記液
晶物質の常光線屈折率に対してより大きいこと。
【0030】(9)前記液晶材料はN型の液晶物質を含
有し、前記液晶物質の常光線屈折率と前記透明薄膜の屈
折率とは等しく、かつ前記透明薄膜の屈折率は前記液晶
物質の異常光線屈折率に対してより大きいこと。
【0031】(10)前記液晶材料はN型の液晶物質を
含有し、前記液晶物質の異常光線屈折率と前記透明薄膜
の屈折率とは等しく、かつ前記透明薄膜の屈折率は前記
液晶物質の常光線屈折率に対してより大きいこと。
【0032】(11)前記光吸収性物質を含有する液晶
材料は、前記透明薄膜中に液滴状に分散されたこと。 (12)前記光吸収性物質を含有する液晶材料と前記透
明薄膜とは液晶マイクロカプセルを形成すること。
【0033】(13)前記光吸収性物質を含有する液晶
材料と前記透明薄膜とは液晶マイクロカプセルを形成
し、前記液晶層は、前記液晶マイクロカプセルと、透明
材料からなり前記液晶マイクロカプセルを分散させる分
散媒体とを具備すること。
【0034】(14)前記光吸収性物質を含有する液晶
材料と前記透明薄膜とは液晶マイクロカプセルを形成
し、前記液晶マイクロカプセルの基板面に垂直な方向の
径は、基板面に平行な方向の径に対してより長いこと。
【0035】(15)前記光吸収性物質を含有する液晶
材料と前記透明薄膜とは液晶マイクロカプセルを形成
し、前記液晶層は、前記液晶マイクロカプセルと液晶材
料とを透明被膜で包含してなる二重マイクロカプセルを
具備すること。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の液晶表示素子についてより詳細に説明する。図1に、
本発明の実施形態に係る液晶表示素子の断面図を概略的
に示す。図1に示す液晶表示素子1において、一対の基
板2,3間には液晶層6が挟持されている。液晶層6
は、液晶材料を透明被膜10で包含してなる液晶マイク
ロカプセル7を分散媒体11中に分散させた構造を有し
ている。また、一対の基板2,3のそれぞれの対向面に
は電極4,5が設けられている。なお、図中、参照番号
8及び9は、それぞれ液晶分子及び光吸収性物質を示し
ている。また、参照番号15は入射光を示している。
【0037】上記液晶表示素子1において、基板2,3
としてはガラスやプラスチック等からなる透明基板を用
いることができる。基板2は必ずしも設ける必要はな
く、代わりに、例えば透明フィルム等からなる保護膜を
設けてもよい。また、基板3としては、上記透明基板の
他に、光透過性を有していない基板も用いることが可能
である。
【0038】上記基板2,3の対向面に形成される電極
4,5としては、ITO等からなる透明電極を挙げるこ
とができる。電極4は必ずしも透明である必要はなく、
例えばアルミニウム等からなる反射電極であってもよ
い。
【0039】上記液晶マイクロカプセル7において用い
られる液晶物質8は、液晶表示素子において用いられる
一般的な液晶物質である。液晶物質8は、P型及びN型
のいずれであってもよく、液晶表示素子1の駆動方式に
応じて適宜選択される。
【0040】また、光吸収性物質9としては、等方的に
光を吸収することが可能な色素や光吸収性を有する粒状
体等を挙げることができる。液晶層6の光吸収状態にお
いて液晶分子8が基板面に平行に配向する場合は、光吸
収性物質9として、ゲスト・ホスト型液晶表示素子にお
いて一般に用いられる二色性色素を用いることも可能で
ある。なお、光吸収性物質9には、透明被膜10との相
互作用の少ないものを選定することが好ましい。光吸収
性物質9が透明被膜10と接して配置された場合、入射
光15の一部が吸収されてしまうため、後述する光透過
状態を良好に形成することが困難となる。
【0041】上記液晶表示素子1において、液晶材料中
で光吸収性物質9は20体積%〜80体積%であること
が望ましい。光吸収性物質9の含有量が下限値未満の場
合、十分に光吸収を行うことが困難となる場合がある。
また、光吸収性物質9の含有量が上限値を超える場合、
光透過状態を良好に形成することが困難となる。
【0042】上記液晶マイクロカプセルにおいて用いら
れる透明被膜10は、一般に液晶マイクロカプセルにお
いて使用される透明樹脂で構成することができる。上記
分散媒体11は透明材料からなる。この分散媒体11は
必ずしも用いる必要はない。しかしながら、上記液晶表
示素子1によると、液晶材料に入射光15を透過させる
ことなく光透過状態が形成される。したがって、光を透
過させるのに十分なパスを形成するために、分散媒体1
1を用いることが好ましい。液晶マイクロカプセル7を
分散媒体11中に分散させる場合、透明被膜10の屈折
率と分散媒体11の屈折率とがほぼ等しくなるように、
それぞれの材料を選定することが好ましい。この場合、
表示コントラストに与える分散媒体11の影響が低減さ
れる。特に、分散媒体の屈折率に対する透明被膜の屈折
率の比が0.99〜1の範囲内にある場合、その効果が
顕著となる。
【0043】上記液晶表示素子1によると、液晶層6を
光透過状態と光吸収状態との間で変化させることにより
表示が行われる。この光透過状態は、液晶層6に入射し
た入射光15を液晶材料8,9と透明被膜10との界面
で反射させ、かつ透明被膜10に透過させることにより
形成される。すなわち、光透過状態においては、図1に
示すように、液晶層6に入射した入射光15を液晶材料
8,9と透明被膜10との界面で全反射させる。それに
より、入射光の多くを、実質的に液晶材料8,9に透過
させることなく透明被膜10に透過させることが可能と
なる。
【0044】一方、光吸収状態は、液晶層6に入射した
入射光15を液晶材料8,9に透過させることにより形
成される。すなわち、光吸収状態においては、液晶層6
に入射した入射光15を、液晶材料8,9と透明被膜1
0との界面で全反射させることなく透過させる。それに
より、入射光15の少なくとも一部を、透明被膜10に
包含された光吸収性物質9に吸収させる。その結果、着
色状態を形成することが可能となる。
【0045】このように、上記液晶表示素子1による
と、光透過状態において、入射光15の多くは実質的に
液晶材料8,9を透過することはない。したがって、上
記液晶表示素子1によると、液晶分子8の配向方向にゆ
らぎ等を生じたとしても、光透過状態が影響を受けるこ
とは殆ど無い。すなわち、光透過状態における液晶層6
の光透過率をより高めることができる。
【0046】また、光透過状態において、殆どの入射光
15は実質的に液晶材料8,9を透過することはないの
で、光吸収性物質9として、等方的に光を吸収すること
が可能な一般的な色素や光吸収性の粒状体を用いること
ができる。すなわち、光吸収状態における液晶層6の光
吸収率をより高めることができる。
【0047】したがって、上記液晶表示素子1による
と、高いコントラストで表示を行うことが可能となる。
光透過状態において、液晶層6に入射した入射光15を
液晶材料8,9と透明被膜10との界面で全反射させる
方法として、以下に示す4つの方法を挙げることができ
る。例えば、液晶物質8としてP型の液晶物質を用い、
液晶物質8の常光線屈折率と透明被膜10の屈折率とを
等しくし、かつ液晶物質8の異常光線屈折率と透明被膜
10の屈折率とを異ならしめる。この場合、電極4,5
間に電圧を印加した際に光吸収状態が形成され、電圧無
印加時に光透過状態が形成される。なお、このような表
示方式を採用した場合、光吸収状態は液晶分子8が基板
面にほぼ垂直に配向した状態に相当するため、光吸収性
物質として等方的に光を吸収することが可能な色素或い
は光吸収性の粒状体を用いることが好ましい。
【0048】また、液晶物質8としてP型の液晶物質を
用いた場合、液晶物質8の異常光線屈折率と透明被膜1
0の屈折率とを等しくし、かつ液晶物質8の常光線屈折
率と透明被膜10の屈折率とを異ならしめてもよい。こ
の場合、電極4,5間に電圧を印加した際に光透過状態
が形成され、電圧無印加時に光吸収状態が形成される。
また、この場合、光吸収性物質としては、等方的に光を
吸収することが可能な色素或いは光吸収性の粒状体だけ
でなく、二色性色素も用いることができる。
【0049】液晶物質8としてN型の液晶物質も用いる
ことができる。N型の液晶物質を用いた場合、例えば、
液晶物質8の常光線屈折率と透明被膜10の屈折率とを
等しくし、かつ液晶物質8の異常光線屈折率と透明被膜
10の屈折率とを異ならしめる。この場合、電圧印加時
に光透過状態が形成され、電圧無印加時に光吸収状態が
形成される。また、この場合、光吸収性物質として、等
方的に光を吸収することが可能な色素或いは光吸収性の
粒状体を用いることが好ましい。
【0050】液晶物質8としてN型の液晶物質も用いた
場合、例えば、液晶物質8の異常光線屈折率と透明被膜
10の屈折率とを等しくし、かつ液晶物質8の常光線屈
折率と透明被膜10の屈折率とを異ならしめてもよい。
この場合、電圧印加時に光吸収状態が形成され、電圧無
印加時に光透過状態が形成される。また、この場合、光
吸収状態は液晶分子8が基板面に平行に配向した状態に
相当するため、光吸収性物質としては、等方的に光を吸
収することが可能な色素或いは光吸収性の粒状体だけで
なく、二色性色素も用いることができる。
【0051】上述した4つの方法において、電圧印加時
に光透過状態を形成した場合、電圧無印加時に光透過状
態を形成する場合に比べて、より高い光透過率を得るこ
とができる。また、電圧印加時に光吸収状態を形成した
場合、電圧無印加時に光吸収状態を形成する場合に比べ
て、より高い光吸収率を得ることができる。これは、液
晶分子8の配向方向は、電圧無印加時には各液晶マイク
ロカプセル7毎にランダムであるのに対し、電圧印加時
には一定方向に揃うためである。また、上記全反射を生
じさせるために、透明被膜10の屈折率が液晶物質8の
常光線或いは異常光線屈折率よりも大きいことが必要で
あることは言うまでもない。
【0052】以上説明したように、上記液晶表示素子1
によると、光透過状態は液晶材料6,8と透明被膜10
との界面での全反射を利用して形成される。したがっ
て、上記液晶表示素子1の光透過状態は、液晶物質8の
常光線或いは異常光線屈折率と透明被膜10の屈折率と
の比だけではなく、上記界面に対する入射光15の入射
角、言い換えると、液晶マイクロカプセル7の形状も影
響すると考えられる。これらが光透過状態に与える影響
を以下の方法により調べた。
【0053】すなわち、液晶材料としてP型の液晶物質
8と二色性色素9との混合物を用い、電極4,5間に電
圧を印加した際に光透過状態を形成することを想定し
た。また、現実的な液晶マイクロカプセルにおいて、透
明被膜近傍の液晶物質は、界面からの影響のために印加
電圧を変化させても配向状態に変化を生じないので、こ
こでは、非可動性の液晶物質が全体の30%を占めると
仮定した。
【0054】さらに、図2に示すように、液晶マイクロ
カプセル7を球状或いは回転楕円体状とし、その長径が
基板面と垂直となるように配置した場合を想定した。な
お、図2は、本発明の実施形態に係る液晶表示素子を概
略的に示す断面図である。また、図2に示す液晶表示素
子21において、図1に示す液晶表示素子1と同様に構
成される部材には同一の符号を付し、その説明は省略す
る。
【0055】以上示した条件下で、液晶マイクロカプセ
ル7の楕円率R及び上記屈折率の比と、液晶層6の光透
過率との関係を算出した。なお、液晶層6の光透過率を
求める際に必要な全反射条件はスネルの法則における全
反射の条件に基づいている。その結果を図3に示す。
【0056】図3は、本発明の実施形態に係る液晶表示
素子における液晶層の光透過率を示すグラフである。図
中、横軸は液晶マイクロカプセル7の楕円率Rを示し、
縦軸は液晶層6の光透過率を示している。また、曲線3
1〜37は、透明被膜10の屈折率に対する液晶物質8
の常光線屈折率の比を1、0.9、0.8、0.7、
0.6、0.4、0.2とした場合に得られたデータを
それぞれ示している。
【0057】図3の曲線31から明らかなように、電圧
印加時において、液晶マイクロカプセルを用いた従来の
液晶表示素子(液晶物質の常光線屈折率と透明被膜の屈
折率とが等しい)に関して得られる光透過率は70.0
%である。また、この場合、液晶マイクロカプセルを回
転楕円体状としても光透過率に変化を生ずることはな
い。
【0058】それに対し、例えば、屈折率の比を0.9
とし、楕円率Rを3とした液晶表示素子に関して得られ
る光透過率は、図3の曲線32から明らかなように7
5.3%である。すなわち、従来の液晶表示素子に比べ
て、光透過率を5.3%程度増加させることができた。
なお、この値は、64階調表示を行う際に認識すること
が可能な1階調分の光透過率変化量に相当する。
【0059】次に、図3に関して説明した液晶表示素子
1について、屈折率と表示特性との関係を以下に示す方
法により調べた。すなわち、液晶マイクロカプセル7の
楕円率を3として、透明被膜10の屈折率に対する液晶
物質8の常光線屈折率の比と、光透過時に液晶マイクロ
カプセル7関して観測される入射光強度に対する散乱
(反射)光強度の比との関係を調べた。なお、上記屈折
率の比が1である液晶表示素子、すなわち従来の液晶表
示素子においては、上記光強度比は0であると仮定し
た。また、この結果をもとに、上記屈折率の比と、光透
過状態における液晶層6の非着色率との関係を調べた。
その結果を図4(a),(b)に示す。
【0060】図4(a),(b)は、本発明の実施形態
に係る液晶表示素子の表示特性を示すグラフである。
(a),(b)において、横軸は、透明被膜10の屈折
率に対する液晶物質8の常光線屈折率の比を示してい
る。また、(a)において、縦軸は、光透過時に液晶マ
イクロカプセル7関して観測される入射光強度に対する
散乱(反射)光強度の比を示している。一方、(b)に
おいて、縦軸は、光透過時に液晶層6に関して観測され
る非着色率を示している。
【0061】図4(a)から明らかなように、上記屈折
率の比を小さくすることにより、より多くの入射光を液
晶マイクロカプセル7において散乱(反射)させること
が可能となる。
【0062】また、図4(b)から明らかなように、光
透過時における液晶層6の非着色率は、上記屈折率の比
が小さい場合に、より高い値が得られている。これは、
以下の理由によるものと考えられる。
【0063】上述したように、現実的な液晶マイクロカ
プセルにおいて、透明被膜近傍の液晶物質は、界面から
の影響のために印加電圧を変化させても配向状態に大き
な変化を生じない。すなわち、透明被膜近傍の二色性色
素は、例え液晶層に対して電圧を印加してもその配向状
態に大きな変化を生じないと考えられる。そのため、上
記屈折率の比が1である従来に液晶表示素子によると、
電圧印加時(光透過状態)においても、一部の二色性色
素は入射光を吸収してしまい、高い非着色率を得ること
が困難となる。
【0064】それに対し、上記屈折率の比をより小さく
した場合、液晶材料と透明被膜との界面で入射光の多く
が反射されるため、二色性色素による光吸収が低減され
る。したがって、より高い非着色率を得ることができ
る。
【0065】なお、図4(b)において、破線38は、
256階調表示を行う際に、非着色率0.7に対して認
識可能な1階調分の着色率の最小値を示している。ま
た、図4(b)において、破線39は、64階調表示を
行う際に、非着色率0.7に対して認識可能な1階調分
の着色率の最小値を示している。すなわち、256階調
表示を行う場合、上記屈折率の比を0.99以下とする
ことにより、表示特性を向上させる効果を得ることがで
きる。また、64階調表示を行う場合、上記屈折率の比
を0.91以下とすることにより、表示特性を向上させ
る効果を得ることができる。したがって、上記屈折率の
比は0.99以下であることが好ましく、0.91以下
であることがより好ましい。また、透明被膜10の屈折
率と液晶物質8の他方の屈折率との差は、0.2以上で
あることが好ましく、0.33以上であることがより好
ましい。この場合、上記界面において、より多くの入射
光を反射させることができる。
【0066】また、上述したように、上記液晶表示素子
1の光透過状態は、光透過状態は液晶材料6,8と透明
被膜10との界面に対する入射光の入射角、言い換える
と、液晶マイクロカプセル7の形状も影響する。したが
って、上記界面においてより多くの入射光を全反射させ
るために、図2に示すように、液晶マイクロカプセル7
を回転楕円体状とし、その長径が基板面と垂直となるよ
うに配置することが好ましい。また、図5に示すよう
に、液晶マイクロカプセル7を2つの円錐を組み合せた
形状としてもよい。この場合、上記界面に到達する入射
光の殆どを全反射させることができる。なお、図5は、
本発明の実施形態に係る液晶表示素子を概略的に示す断
面図である。また、図5に示す液晶表示素子22におい
て、図1に示す液晶表示素子1と同様に構成される部材
には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0067】液晶層6の光透過時における光透過率を向
上させるために、液晶マイクロカプセル7を2重構造と
することも可能である。図6に、本発明の実施形態に係
る液晶表示素子において用いられる液晶マイクロカプセ
ルの断面図を概略的に示す。図6に示す液晶マイクロカ
プセル17は、液晶物質8-1及び光吸収性物質9を透明
被膜10-1で包含してなる液晶マイクロカプセル7-1
と、液晶物質8-2とを透明被膜10-2で包含してなる。
このように、液晶マイクロカプセル17を2重構造とし
た場合、たとえ、光透過時に入射光が液晶物質8-2に到
達したとしても、その殆どを透明被膜10-1と液晶物質
8-1との界面で全反射させることができるため、高い光
透過率を得ることが可能となる。
【0068】上記液晶マイクロカプセル17において、
液晶物質8-1及び8-2の双方にP型或いはN型の液晶物
質を用いることができる。ここで、液晶物質8-1の異常
光線屈折率ne (a)、液晶物質8-2の異常光線屈折率
e (b)、透明被膜10-1の屈折率nm (a)、及び
透明被膜10-2の屈折率nm (b)が実質的に等しくな
るように、液晶物質8-1,8-2及び透明被膜10-1,1
0-2を選定した場合、屈折率nm (a)、nm (b)、
液晶物質8-1の常光線屈折率no (a)、及び液晶物質
8-2の常光線屈折率no (b)は、下記不等式に示す関
係を満たすことが好ましい。P型の液晶物質を用いた場
合には、液晶層6を、電圧印加時に光透過状態とし、電
圧無印加時に光吸収状態とすることができる。また、N
型の液晶物質を用いた場合には、液晶層6を、電圧印加
時に光吸収状態とし、電圧無印加時に光透過状態とする
ことができる。
【0069】no (a)<nm (a) no (b)<nm (b) また、この場合、no (a)及びno (b)が、さらに
下記不等式に示す関係を満たすことが好ましい。
【0070】no (b)<no (a) 上記関係を満たす場合、白表示時に液晶分子8-1及び8
-2の全てが基板面に対して垂直に配向するため、効率的
に光を散乱させることができる。
【0071】上記液晶マイクロカプセル17において、
液晶物質8-1としてP型の液晶物質を用い、液晶物質8
-2としてN型の液晶物質を用いることもできる。また、
液晶物質8-1としてN型の液晶物質を用い、液晶物質8
-2としてP型の液晶物質を用いることもできる。この場
合、屈折率no (b)、nm (a)、及びnm (b)が
実質的に等しくなるように、及び屈折率ne (b)及び
m (a)が少なくとも下記不等式に示す関係を満たす
ように、液晶物質8-1,8-2及び透明被膜10-1,10
-2を選定してもよい。
【0072】これにより、液晶物質8-1としてP型の液
晶物質を用い、液晶物質8-2としてN型の液晶物質を用
いた場合には、液晶層6を、電圧印加時に光透過状態と
し、電圧無印加時に光吸収状態とすることができる。ま
た、液晶物質8-1としてN型の液晶物質を用い、液晶物
質8-2としてP型の液晶物質を用いた場合には、液晶層
6を、電圧印加時に光吸収状態とし、電圧無印加時に光
透過状態とすることができる。
【0073】nm (a)<ne (b) この場合、さらに、屈折率ne (a)、no (b)、n
m (a)、及びnm (b)が実質的に等しく、かつ屈折
率no (a)、ne (b)、及びnm (a)が少なくと
も下記不等式に示す関係を満たすことが好ましい。これ
により、白表示時に液晶分子8-1は基板面に対して垂直
に配向し、液晶分子8-2は基板面に対して平行に配向す
るため、光散乱効果を高めることができる。
【0074】no (a)<nm (a)<ne (b) 以上説明した液晶表示素子1は透過型及び反射型のいず
れであってもよいが、特に反射型に適している。上記液
晶表示素子1を反射型とする場合は、基板2の電極4を
形成した面の裏面に反射板を設けるか、或いは電極4を
反射電極とすることが必要である。また、基板3上には
反射防止膜を設けることが望ましい。
【0075】また、それぞれ吸収波長の異なる3層の液
晶層を積層し、各液晶層間に透明電極を形成することに
より、上記液晶表示素子1をフルカラー表示対応として
もよい。例えば、シアン、マゼンタ、イエローの液晶層
を積層する場合は、基板2側からイエロー、シアン、マ
ゼンタを順次積層することが好ましい。このような順序
で積層した場合、最も良好な表示特性を得ることができ
る。これは、液晶表示素子1を反射型とした場合に特に
顕著となる。なお、それぞれの光吸収性物質9は、3つ
の液晶層全てを光吸収状態とした場合に黒色が表示され
るように選定することが好ましい。
【0076】また、液晶物質8がメモリ性を有していな
い場合、閾値特性を急峻化することによりマトリクス駆
動が可能となる。したがって、上記液晶表示素子1にT
FT等のようなスイッチング素子を設けることにより、
高コントラストであり、かつより良好な表示を行うこと
が可能となる。
【0077】なお、上記実施形態においては液晶材料を
マイクロカプセル化したが、電極4,5間に、上述した
透明被膜や分散媒体に用いたのと同様の材料からなる透
明薄膜を形成し、その透明薄膜中に液晶材料を液滴状に
分散させてもよい。このような液晶表示素子において
も、上述したのと同様の効果を得ることができる。
【0078】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)図1に示す液晶表示素子1を以下に示す方
法により作製した。
【0079】まず、液晶材料として、P型の液晶物質8
であるメルク社製ZLI−3277に対し、黒色顔料9
を0.5重量%添加した混合物を調製した。この液晶材
料を、in situ法によりフェノール樹脂からなる
透明被膜10で被覆して、平均粒径10μmの液晶マイ
クロカプセル7を得た。なお、上記液晶物質8の常光線
屈折率は1.5162であり、異常光線屈折率は1.6
767である。また、透明被膜10の屈折率は1.69
である。すなわち、液晶物質8の異常光線屈折率と透明
被膜10の屈折率とは等しく、透明被膜10の屈折率は
液晶物質8の常光線屈折率に対して0.17程度大き
い。
【0080】次に、厚さ0.7mmの2枚のガラス基板
2,3上に、蒸着法により厚さ1000オングストロー
ムのITO膜4,5をそれぞれ成膜した後、これらIT
O膜4,5をパターニングした。以上のようにしてIT
O膜4が形成された基板2上に、上記液晶マイクロカプ
セル7を所定の液体中に分散させた液晶マイクロカプセ
ル塗布液を塗布・乾燥することにより、液晶マイクロカ
プセル7を分散媒体11中に分散してなる液晶層6を得
た。なお、分散媒体11は、屈折率が1.79のポリフ
ッ化ビニリデンからなる。すなわち、透明被膜10と分
散媒体11との間での屈折率の差は0.1である。
【0081】さらに、真空下で、液晶層6上に透明電極
5が形成されたガラス基板3を圧着し、周辺部をシール
剤を用いてシールすることにより、液晶表示素子1を作
製した。
【0082】以上のようにして作製した液晶表示素子1
に、1000Hz、10Vの交流電圧を印加したとこ
ろ、電圧無印加時の黒色から白色状態へと変化した。ま
た、透過コントラスト比は2:1と良好であった。
【0083】(実施例2)図1に示す液晶表示素子1を
以下に示す方法により作製した。まず、P型の液晶物質
8であるメルク社製E2100−100に対し、黒色顔
料9を0.5重量%及びコレステロールノナノネート2
重量%を添加した混合物を調製した。この混合物を、i
n situ法によりフェノール樹脂からなる透明被膜
10で被覆して、平均粒径10μmの液晶マイクロカプ
セル7を得た。なお、上記液晶物質8の常光線屈折率は
1.5085であり、異常光線屈折率は1.6798で
ある。また、透明被膜10の屈折率は1.69である。
すなわち、液晶物質8の異常光線屈折率と透明被膜10
の屈折率とは等しく、透明被膜10の屈折率は液晶物質
8の常光線屈折率に対して0.18程度大きい。
【0084】次に、厚さ0.7mmの2枚のガラス基板
2,3上に、蒸着法により厚さ1000オングストロー
ムのITO膜4,5をそれぞれ成膜した後、これらIT
O膜4,5をパターニングした。その後、ガラス基板2
のITO膜4が形成された面上に、粒径20μmのスペ
ーサ粒子(図示せず)を散布した。さらに、ガラス基板
3のITO膜5が形成された面の周辺部にシール剤を塗
布し、ガラス基板3,4をスペーサ粒子を介して貼り合
せることにより液晶セルを作製した。なお、液晶セルの
端部には開口部が形成されている。
【0085】次に、上記液晶マイクロカプセル7に、ア
クリルモノマー20重量%と重合開始剤とを混合して液
晶マイクロカプセル分散液を調製した。この分散液を上
記液晶セル中に真空注入した。さらにUV光を照射して
アクリルモノマーを重合させることにより液晶表示素子
1を作製した。なお、アクリルモノマーを重合すること
により形成した分散媒体11の屈折率は1.70であ
る。
【0086】以上のようにして作製した液晶表示素子1
に、1000Hz、15Vの交流電圧を印加したとこ
ろ、電圧無印加時の黒色から白色状態へと変化した。ま
た、透過コントラスト比は2.5:1と良好であった。
【0087】(実施例3)以下に示す方法により、図7
に示す液晶表示素子を作製した。なお、図7は、本発明
の実施例に係る液晶表示素子を概略的に示す断面図であ
る。
【0088】まず、液晶材料として、P型の液晶物質で
あるメルク社製E2200−100に対し、イエローの
顔料を1重量%添加した混合物を調製した。この液晶材
料を、in situ法によりフェノール樹脂からなる
透明被膜で被覆して、平均粒径8μmのイエローの液晶
マイクロカプセル7-1を得た。また、イエローの顔料の
代わりにマゼンタの顔料及びシアンの顔料を用いたこと
以外は同様にして、マゼンタの液晶マイクロカプセル7
-2及びシアンの液晶マイクロカプセル7-3を得た。さら
に、これら液晶マイクロカプセル7-1〜7-3をそれぞれ
延伸法によりフットボール型に成形し、長軸方向の平均
径を9μm、長軸に垂直な方向の最大径の平均を3μm
とした。なお、上記液晶マイクロカプセル7-1〜7-3に
おいて、液晶物質の常光線屈折率は1.5085であ
り、異常光線屈折率は1.6812である。また、透明
被膜10の屈折率は1.69である。すなわち、上記液
晶マイクロカプセル7-1〜7-3において、液晶物質の異
常光線屈折率と透明被膜の屈折率とは等しく、透明被膜
の屈折率は液晶物質の常光線屈折率に対して0.18程
度大きい。
【0089】次に、厚さ1.1mmの透明ガラス基板2
上に、一画素について3系統のTFT、及びゲート、信
号配線24を設け、さらにポリイミドからなる厚さ2μ
mの下地膜25を形成した。この下地膜25には、型押
し加工を施すことによりディンプルを形成した。このよ
うにして型押しした下地膜25上に、アルミニウム膜を
1000オングストロームの厚さで成膜し、これをパタ
ーニングすることにより、反射電極4を形成した。
【0090】以上のようにして形成した反射電極4と、
3系統のTFTの内の1つのソース電極とを接続し、他
の2系統のTFTのソース電極上には、疎水性導電ペー
ストを用いて、それぞれ高さ10μmの電極柱26,2
7を形成した。
【0091】次に、厚さ100μmの透明フィルム28
の両面に、反射電極4と同様のパターンで厚さ50nm
のITO膜40を形成した。なお、透明フィルム28の
一方の面に形成したITO膜40と他方の面に形成した
ITO膜40とは、各画素毎に電気的に接続されてい
る。さらに、透明フィルム28に、電極柱27に対応し
たパターンでパンチングにより開口部を形成し、その開
口部内に導電性部材42を充填した。
【0092】次に、上記液晶マイクロカプセル7-1とア
クリルモノマー20重量%と重合開始剤とを混合して液
晶マイクロカプセル分散液を調製した。この分散液を、
上記反射電極4上に塗布した。さらに、基板2上に、電
極柱26とITO膜40とが接するように、及び電極柱
27と導電性部材42とが接するように透明フィルム2
8を配置した。ここで反射電極4とITO膜40との間
に100Vの電圧を印加することにより、液晶マイクロ
カプセル7-1はその長軸が基板面に垂直となるように配
向させた。この状態でUV光を照射することによりアク
リルモノマーを重合させて、厚さ15μmの液晶層6-1
を形成した。なお、アクリルモノマーの重合体は、液晶
マイクロカプセル7-1を分散させる分散媒体11であ
る。また、アクリルモノマーを重合することにより形成
した分散媒体11の屈折率は1.70である。以上のよ
うにして形成した構造体をセル(1)とする。
【0093】次に、厚さ1.1mmの透明ガラス基板3
の一方の主面にスパッタリング法によりITO膜5を形
成した。また、100μmの透明フィルム29の両面
に、反射電極4と同様のパターンで厚さ50nmのIT
O膜41を形成した。なお、透明フィルム29の一方の
面に形成したITO膜41と他方の面に形成したITO
膜41とは、各画素毎に電気的に接続されている。さら
に、透明フィルム29の非画素部に酸化チタン層を形成
した。
【0094】次に、これらガラス基板3と透明フィルム
29との間に、上述したのと同様の方法により、液晶マ
イクロカプセル7-3を分散媒体11中に分散させてなる
液晶層6-3を形成した。以上のようにして形成した構造
体をセル(2)とする。
【0095】次に、上記セル(1),(2)間に、上述
したのと同様の方法により、液晶マイクロカプセル7-2
を分散媒体11中に分散させてなる液晶層6-2を形成し
た。なお、導電性部材42とITO膜41とは、それら
の間に高い光反射率を有する導電性のスペーサ43を配
置することにより電気的に接続した。以上のようにして
液晶表示素子45を作製した。
【0096】以上のようにして作製した液晶表示素子4
5にTABによりドライバICを実装し、それぞれの電
極間に1000Hz、10Vの交流電圧を独立に印加し
たところ、非印加時の黒色から白色へと変化し、反射濃
度計により求めたコントラスト比は5:1であった。ま
た、色調の良好なカラー表示が可能であった。
【0097】(実施例4)図1に示す液晶表示素子1を
以下に示す方法により作製した。まず、液晶材料とし
て、P型の液晶物質8であるメルク社製ZLI−550
0−100に対し、黒色顔料9を0.5重量%添加した
混合物を調製した。この液晶材料を、in situ法
によりフェノール樹脂からなる透明被膜10で被覆し
て、平均粒径10μmの液晶マイクロカプセル7を得
た。なお、上記液晶物質8の常光線屈折率は1.501
7であり、異常光線屈折率は1.6718である。ま
た、透明被膜10の屈折率は1.69である。すなわ
ち、液晶物質8の異常光線屈折率と透明被膜10の屈折
率とは等しく、透明被膜10の屈折率は液晶物質8の常
光線屈折率に対して0.18程度大きい。
【0098】次に、厚さ0.7mmの2枚のガラス基板
2,3上に、蒸着法により厚さ1000オングストロー
ムのITO膜4,5をそれぞれ成膜した後、これらIT
O膜4,5をパターニングした。以上のようにしてIT
O膜4が形成された基板2上に、所定の液体中に上記液
晶マイクロカプセル7を30重量%の割合で分散させた
液晶マイクロカプセル塗布液を塗布・乾燥することによ
り、液晶マイクロカプセル7を分散媒体11中に分散し
てなる液晶層6を得た。なお、分散媒体11は、屈折率
が1.79のポリフッ化ビニリデンからなる。すなわ
ち、透明被膜10と分散媒体11との間での屈折率の差
は0.1である。
【0099】さらに、真空下で、液晶層6上に透明電極
5が形成されたガラス基板3を圧着し、周辺部をシール
剤を用いてシールすることにより、液晶表示素子1を作
製した。
【0100】以上のようにして作製した液晶表示素子1
に、1000Hz、10Vの交流電圧を印加したとこ
ろ、電圧無印加時の黒色から白色状態へと変化した。ま
た、透過コントラスト比は2:1と良好であった。
【0101】(実施例5)図1に示す液晶表示素子1を
以下に示す方法により作製した。まず、P型の液晶物質
8であるメルク社製ZLI−3277に対し、黒色顔料
9を0.5重量%及びコレステロールノナノネート2重
量%を添加した混合物を調製した。この混合物を、in
situ法によりフェノール樹脂からなる透明被膜1
0で被覆して、平均粒径10μmの液晶マイクロカプセ
ル7を得た。なお、上記液晶物質8の常光線屈折率は
1.5162であり、異常光線屈折率は1.6767で
ある。また、透明被膜10の屈折率は1.69である。
すなわち、液晶物質8の異常光線屈折率と透明被膜10
の屈折率とは等しく、透明被膜10の屈折率は液晶物質
8の常光線屈折率に対して0.17程度大きい。
【0102】次に、厚さ0.7mmの2枚のガラス基板
2,3上に、蒸着法により厚さ1000オングストロー
ムのITO膜4,5をそれぞれ成膜した後、これらIT
O膜4,5をパターニングした。その後、ガラス基板2
のITO膜4が形成された面上に、粒径20μmのスペ
ーサ粒子(図示せず)を散布した。さらに、ガラス基板
3のITO膜5が形成された面の周辺部にシール剤を塗
布し、ガラス基板3,4をスペーサ粒子を介して貼り合
せることにより液晶セルを作製した。なお、液晶セルの
端部には開口部が形成されている。
【0103】次に、上記液晶マイクロカプセル7に、ア
クリルモノマー20重量%と重合開始剤とを混合して液
晶マイクロカプセル分散液を調製した。この分散液を上
記液晶セル中に真空注入した。さらにUV光を照射して
アクリルモノマーを重合させることにより液晶表示素子
1を作製した。なお、アクリルモノマーを重合すること
により形成した分散媒体11の屈折率は1.70であ
る。
【0104】以上のようにして作製した液晶表示素子1
に、1000Hz、15Vの交流電圧を印加したとこ
ろ、電圧無印加時の黒色から白色状態へと変化した。ま
た、透過コントラスト比は2.5:1と良好であった。
【0105】(実施例6)図2に示す液晶表示素子21
を以下に示す方法により作製した。まず、厚さ0.7m
mの透明ガラス基板2上に、TFT及びゲート・信号配
線(図示せず)を設け、画素部上に酸化チタン膜(図示
せず)を形成した。さらに、酸化チタン膜上に、蒸着法
によりITO膜を1000オングストロームの厚さで成
膜し、これをパターニングすることにより、電極4を形
成した。この電極4はソース電極と接続した。また、厚
さ0.7mmの透明ガラス基板3上に、蒸着法によりI
TO膜5を1000オングストロームの厚さで成膜し
た。
【0106】次に、液晶材料として、N型の液晶物質8
であるメルク社製ZLI−1936に対し、黒色のN型
二色性色素9を1重量%添加した混合物を調製した。こ
の液晶材料を、in situ法によりフェノール樹脂
からなる透明被膜10で被覆して、平均粒径8μmの液
晶マイクロカプセル7を得た。なお、上記液晶物質8の
常光線屈折率は1.517であり、異常光線屈折率は
1.710である。また、透明被膜10の屈折率は1.
70である。すなわち、液晶物質8の異常光線屈折率と
透明被膜10の屈折率とは等しく、透明被膜10の屈折
率は液晶物質8の常光線屈折率に対して0.18程度大
きい。
【0107】次に、上記液晶マイクロカプセル7と30
重量%のアクリル樹脂とを金型に投入し、キューブ状の
成型体を形成した。この成型体を一方向に延伸し、さら
にその延伸方向に垂直な面が露出するようにスライスし
て、厚さ50μmの薄膜を得た。この薄膜は液晶層6と
して用いられる。なお、上記薄膜において、液晶マイク
ロカプセル7は回転楕円体状の形状を有している。ま
た、液晶マイクロカプセル7は、その長軸が上記薄膜の
主面に垂直となるように配向している。
【0108】この薄膜を、上記ガラス基板2,3間に配
置し、さらに周辺部をシール剤を用いてシールすること
により、液晶表示素子1を作製した。以上のようにして
作製した液晶表示素子1に、1000Hz、35Vの交
流電圧を印加したところ、電圧無印加時の白色から黒色
状態へと変化した。また、反射濃度計により求めたコン
トラスト比は5:1と良好であった。
【0109】(実施例7)以下に示す方法により、図7
に示す液晶表示素子を作製した。まず、液晶材料とし
て、P型の液晶物質であるメルク社製E2100−10
0に対しイエローの顔料を1重量%添加した混合物を調
製した。この液晶材料をin situ法によりフェノ
ール樹脂からなる透明被膜で被覆して、平均粒径8μm
のイエローの液晶マイクロカプセル7-1を得た。また、
イエローの顔料の代わりにマゼンタの顔料及びシアンの
顔料を用いたこと以外は同様にして、マゼンタの液晶マ
イクロカプセル7-2及びシアンの液晶マイクロカプセル
7-3を得た。さらに、これら液晶マイクロカプセル7-1
〜7-3をそれぞれ延伸法によりフットボール型に成形
し、長軸方向の平均径を9μm、長軸に垂直な方向の最
大径の平均を3μmとした。なお、上記液晶マイクロカ
プセル7-1〜7-3において、液晶物質の常光線屈折率は
1.5085であり、異常光線屈折率は1.6798で
ある。また、透明被膜10の屈折率は1.68である。
すなわち、上記液晶マイクロカプセル7-1〜7-3におい
て、液晶物質の異常光線屈折率と透明被膜の屈折率とは
等しく、透明被膜の屈折率は液晶物質の常光線屈折率に
対して0.17程度大きい。
【0110】以上のようにして作製した液晶マイクロカ
プセル7-1〜7-3を用いたこと以外は実施例3に示した
のと同様にして液晶表示素子45を作製した。この液晶
表示素子45にTABによりドライバICを実装し、そ
れぞれの電極間に1000Hz、10Vの交流電圧を独
立に印加したところ、非印加時の黒色から白色へと変化
し、反射濃度計により求めたコントラスト比は5:1で
あった。また、色調の良好なカラー表示が可能であっ
た。
【0111】(実施例8)本実施例においては、図1に
示す液晶表示素子1を、液晶マイクロカプセル7を用い
る代りに図6に示す液晶マイクロカプセル17を用いて
作製した。
【0112】まず、以下に示す方法により図6に示す液
晶マイクロカプセル17を作製した。液晶材料として、
P型の液晶物質8-1であるメルク社製E63に対し、黒
色顔料9を1重量%添加した混合物を調製した。この液
晶材料を、in situ法によりDIBFを主成分と
するポリマーからなる透明被膜10-1で被覆して、平均
粒径3μmの液晶マイクロカプセル7-1を得た。
【0113】次に、上述したのと同様の方法により、P
型の液晶物質8-2であるメルク社製E63と、この液晶
マイクロカプセル7-1とをDIBFを主成分とするポリ
マーからなる透明被膜10-2で被覆して、平均粒径8μ
mの二重液晶マイクロカプセル17を得た。なお、上記
液晶物質8-1,8-2の常光線屈折率は1.51であり、
異常光線屈折率は1.74である。また、透明被膜10
-1,10-2の屈折率は1.75である。すなわち、液晶
物質8-1,8-2の異常光線屈折率と透明被膜10-1,1
0-2の屈折率とはほぼ等しく、透明被膜10-1,10-2
の屈折率は液晶物質8-1,8-2の常光線屈折率に対して
0.25程度大きい。
【0114】次に、上記液晶マイクロカプセル17を用
いて、以下に示す方法により図1に示す液晶表示素子1
を作製した。まず、厚さ0.7mmの2枚のガラス基板
2,3上に、蒸着法により厚さ1000オングストロー
ムのITO膜4,5をそれぞれ成膜した後、これらIT
O膜4,5をパターニングした。以上のようにしてIT
O膜4が形成された基板2上に、上記液晶マイクロカプ
セル17を所定の液体中に分散させた液晶マイクロカプ
セル塗布液を塗布・乾燥することにより、上記液晶マイ
クロカプセル17を分散媒体11中に分散してなる液晶
層6を得た。分散媒体11は、屈折率が1.74のポリ
ビニルアルコール(PVA)からなる。すなわち、透明
被膜10と分散媒体11との間での屈折率の差は0.1
である。また、液晶層6中で液晶マイクロカプセル17
は50重量%を占めている。
【0115】さらに、真空下で、液晶層6上に透明電極
5が形成されたガラス基板3を圧着し、周辺部をシール
剤を用いてシールすることにより、液晶表示素子1を作
製した。
【0116】以上のようにして作製した液晶表示素子1
に、1000Hz、30Vの交流電圧を印加したとこ
ろ、電圧無印加時の黒色から白色状態へと変化した。ま
た、反射濃度計により求めたコントラスト比は4:1と
良好であった。
【0117】(実施例9)本実施例においては、図1に
示す液晶表示素子1を、液晶マイクロカプセル7を用い
る代りに図6に示す液晶マイクロカプセル17を用いて
作製した。
【0118】まず、以下に示す方法により図6に示す液
晶マイクロカプセル17を作製した。液晶材料として、
P型の液晶物質8-1であるメルク社製E63に対し、黒
色の二色性色素9を1重量%添加した混合物を調製し
た。この液晶材料を、in situ法によりPMMA
を主成分とするポリマーからなる透明被膜10-1で被覆
して、平均粒径5μmの液晶マイクロカプセル7-1を得
た。
【0119】次に、上述したのと同様の方法により、P
型の液晶物質8-2であるメルク社製E63と、この液晶
マイクロカプセル7-1とをPMMAを主成分とするポリ
マーからなる透明被膜10-2で被覆して、平均粒径10
μmの二重液晶マイクロカプセル17を得た。なお、上
記液晶物質8-1,8-2の常光線屈折率は1.51であ
り、異常光線屈折率は1.74である。また、透明被膜
10-1,10-2の屈折率は1.75である。すなわち、
液晶物質8-1,8-2の異常光線屈折率と透明被膜10-
1,10-2の屈折率とはほぼ等しく、透明被膜10-1,
10-2の屈折率は液晶物質8-1,8-2の常光線屈折率に
対して0.25程度大きい。
【0120】次に、上記液晶マイクロカプセル17を用
いて、以下に示す方法により図1に示す液晶表示素子1
を作製した。まず、厚さ0.7mmの2枚のガラス基板
2,3上に、蒸着法により厚さ1000オングストロー
ムのITO膜4,5をそれぞれ成膜した後、これらIT
O膜4,5をパターニングした。以上のようにしてIT
O膜4が形成された基板2上に、上記液晶マイクロカプ
セル17を所定の液体中に分散させた液晶マイクロカプ
セル塗布液を塗布・乾燥することにより液晶層6を得
た。なお、本実施例において、分散媒体11は用いてい
ない。
【0121】さらに、真空下で、液晶層6上に透明電極
5が形成されたガラス基板3を圧着し、周辺部をシール
剤を用いてシールすることにより、液晶表示素子1を作
製した。
【0122】以上のようにして作製した液晶表示素子1
に、1000Hz、10Vの交流電圧を印加したとこ
ろ、電圧無印加時の黒色から白色状態へと変化した。ま
た、透過コントラスト比は2.5:1と良好であった。
【0123】(実施例10)本実施例においては、図1
に示す液晶表示素子1を、液晶マイクロカプセル7を用
いる代りに図6に示す液晶マイクロカプセル17を用い
て作製した。
【0124】まず、以下に示す方法により図6に示す液
晶マイクロカプセル17を作製した。液晶材料として、
N型の液晶物質8-1であるチッソ社製LIXON E4
0に対し、黒色の二色性色素9を1重量%添加した混合
物を調製した。この液晶材料を、in situ法によ
りイソプレンを主成分とするポリマーからなる透明被膜
10-1で被覆して、平均粒径5μmの液晶マイクロカプ
セル7-1を得た。
【0125】次に、上述したのと同様の方法により、N
型の液晶物質8-2であるメルク社製ZLI−4788
と、この液晶マイクロカプセル7-1とをイソプレンを主
成分とするポリマーからなる透明被膜10-2で被覆し
て、平均粒径10μmの二重液晶マイクロカプセル17
を得た。
【0126】なお、上記液晶物質8-1の常光線屈折率は
1.51であり、異常光線屈折率は1.65である。ま
た、透明被膜10-1,10-2の屈折率は1.65であ
る。すなわち、液晶物質8-1の異常光線屈折率と透明被
膜10-1,10-2の屈折率とはほぼ等しく、透明被膜1
0-1,10-2の屈折率は液晶物質8-1,8-2の常光線屈
折率に対して0.15程度大きい。また、上記液晶物質
8-2の常光線屈折率は1.48であり、異常光線屈折率
は1.65である。すなわち、液晶物質8-2の異常光線
屈折率と透明被膜10-1,10-2の屈折率とは等しく、
液晶物質8-2の常光線屈折率は液晶物質8-1の常光線屈
折率よりも小さい。
【0127】次に、上記液晶マイクロカプセル17を用
いて、以下に示す方法により図1に示す液晶表示素子1
を作製した。まず、厚さ0.7mmの2枚のガラス基板
2,3上に、蒸着法により厚さ1000オングストロー
ムのITO膜4,5をそれぞれ成膜した後、これらIT
O膜4,5をパターニングした。以上のようにしてIT
O膜4が形成された基板2上に、上記液晶マイクロカプ
セル17を所定の液体中に分散させた液晶マイクロカプ
セル塗布液を塗布・乾燥することにより液晶層6を得
た。なお、本実施例において、分散媒体11は用いてい
ない。
【0128】さらに、真空下で、液晶層6上に透明電極
5が形成されたガラス基板3を圧着し、周辺部をシール
剤を用いてシールすることにより、液晶表示素子1を作
製した。
【0129】以上のようにして作製した液晶表示素子1
に、1000Hz、10Vの交流電圧を印加したとこ
ろ、電圧無印加時の白色から黒色状態へと変化した。ま
た、透過コントラスト比は2.0:1と良好であった。
【0130】(実施例11)本実施例においては、図1
に示す液晶表示素子1を、液晶マイクロカプセル7を用
いる代りに図6に示す液晶マイクロカプセル17を用い
て作製した。
【0131】まず、図1に示すように、厚さ0.7mm
の透明ガラス基板2上に、TFT及びゲート・信号配線
(図示せず)を設け、蒸着法によりアルミニウム膜(図
示せず)を形成した。さらに、このアルミニウム膜をパ
ターニングすることにより反射電極4を形成した。な
お、反射電極4はソース電極と接続し、その表面には微
細な凹凸を形成した。また、厚さ0.7mmの透明ガラ
ス基板3上に、蒸着法によりITO膜5を1000オン
グストロームの厚さで成膜した。
【0132】次に、以下に示す方法により図6に示す液
晶マイクロカプセル17を作製した。まず、液晶材料と
して、P型の液晶物質8-1であるメルク社製E63に対
し、0.5重量%の黒色の二色性色素9と0.5重量%
の液晶カイラル剤とを添加した混合物を調製した。この
液晶材料を、in situ法によりポリスチレンを主
成分とするポリマーからなる透明被膜10-1で被覆し
て、平均粒径が6μm程度の液晶マイクロカプセル7-1
を得た。
【0133】次に、上述したのと同様の方法により、P
型の液晶物質8-2であるメルク社製ZLI5049と、
この液晶マイクロカプセル7-1とをポリスチレンを主成
分とするポリマーからなる透明被膜10-2で被覆して、
平均粒径12μmの二重液晶マイクロカプセル17を得
た。
【0134】なお、上記液晶物質8-1の常光線屈折率は
1.52であり、異常光線屈折率は1.74である。ま
た、透明被膜10-1,10-2の屈折率は1.72であ
る。すなわち、液晶物質8-1の異常光線屈折率と透明被
膜10-1,10-2の屈折率とは等しく、透明被膜10-
1,10-2の屈折率は液晶物質8-1,8-2の常光線屈折
率に対して0.25程度大きい。また、上記液晶物質8
-2の常光線屈折率は1.50であり、異常光線屈折率は
1.72である。すなわち、液晶物質8-2の異常光線屈
折率と透明被膜10-1,10-2の屈折率とはほぼ等し
い。
【0135】次に、図1に示すように、ITO膜4が形
成された基板2上に、上記液晶マイクロカプセル17を
所定の液体中に分散させた液晶マイクロカプセル塗布液
を塗布・乾燥することにより、液晶マイクロカプセル1
7を分散媒体11中に分散してなる液晶層6を得た。な
お、分散媒体11は、屈折率が1.71のPVAからな
る。すなわち、透明被膜10と分散媒体11との間での
屈折率の差は0.1である。また、液晶層6中で液晶マ
イクロカプセル17は50重量%を占めている。
【0136】さらに、真空下で、液晶層6上に透明電極
5が形成されたガラス基板3を圧着し、周辺部をシール
剤を用いてシールすることにより、液晶表示素子1を作
製した。
【0137】以上のようにして作製した液晶表示素子1
に、1000Hz、20Vの交流電圧を印加したとこ
ろ、電圧無印加時の黒色から白色状態へと変化した。ま
た、反射濃度計により求めたコントラスト比は3.5:
1と良好であった。
【0138】(実施例12)本実施例においては、図7
に示す液晶表示素子45を、液晶マイクロカプセル7-1
〜7-3を用いる代りに図6に示す液晶マイクロカプセル
17を用いて作製した。
【0139】まず、以下に示す方法により図6に示す液
晶マイクロカプセル17を作製した。液晶材料として、
P型の液晶物質8-1であるメルク社製ZLI5049に
対し、イエローの二色性色素9を1重量%添加した混合
物を調製した。この液晶材料を、in situ法によ
りDIBFを主成分とするポリマーからなる透明被膜1
0-1で被覆して、平均粒径6μmの液晶マイクロカプセ
ル7-1を得た。
【0140】次に、上述したのと同様の方法により、P
型の液晶物質8-2であるメルク社製ZLI5049と、
この液晶マイクロカプセル7-1とをDIBFを主成分と
するポリマーからなる透明被膜10-2で被覆して、平均
粒径10μmのイエローの二重液晶マイクロカプセル1
7を得た。
【0141】なお、上記液晶物質8-1,8-2の常光線屈
折率は1.50であり、異常光線屈折率は1.72であ
る。また、透明被膜10-1,10-2の屈折率は1.72
である。すなわち、液晶物質8-1,8-2の異常光線屈折
率と透明被膜10-1,10-2の屈折率とは等しく、透明
被膜10-1,10-2の屈折率は液晶物質8-1,8-2の常
光線屈折率に対して0.25程度大きい。
【0142】さらに、上述したのと同様の方法により、
シアン及びマゼンタの二重液晶マイクロカプセル17を
それぞれ作製した。以上のようにして作製した3種の二
重液晶マイクロカプセル17を用いたこと以外は実施例
3に示したのと同様にして液晶表示素子45を作製し
た。
【0143】この液晶表示素子45にTABによりドラ
イバICを実装し、それぞれの電極間に1000Hz、
30Vの交流電圧を独立に印加したところ、非印加時の
黒色から白色へと変化し、反射濃度計により求めたコン
トラスト比は5:1であった。また、色調の良好なカラ
ー表示が可能であった。
【0144】なお、上記実施例においては液晶材料をマ
イクロカプセル化したが、一対の電極間に、上述した透
明被膜や分散媒体に用いたのと同様の材料からなる透明
薄膜を形成し、その透明薄膜中に液晶材料を液滴状に分
散させてもよい。このような液晶表示素子においても、
上述したのと同様の効果を得ることができる。
【0145】
【発明の効果】以上示したように、本発明の液晶表示素
子において、液晶材料は透明薄膜に包含される。そのた
め、液晶層を塗布法等により形成することができる。し
たがって、本発明によると、容易に製造することが可能
な液晶表示素子が提供される。
【0146】また、本発明の液晶表示素子によると、光
透過状態において、入射光の多くは実質的に液晶材料を
透過することはない。したがって、液晶分子の配向方向
にゆらぎ等を生じたとしても、光透過状態が影響を受け
ることは殆ど無い。すなわち、光透過状態における液晶
層の光透過率をより高めることができる。また、光透過
状態において、殆どの入射光は実質的に液晶材料を透過
することはないので、光吸収性物質として、等方的に光
を吸収することが可能な一般的な色素や光吸収性の粒状
体を用いることができる。すなわち、光吸収状態におけ
る液晶層の光吸収率をより高めることができる。したが
って、本発明の液晶表示素子によると、高いコントラス
トで表示を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶表示素子を概略的
に示す断面図。
【図2】本発明の実施形態に係る液晶表示素子を概略的
に示す断面図。
【図3】本発明の実施形態に係る液晶表示素子における
液晶層の光透過率を示すグラフ。
【図4】(a),(b)は、本発明の実施形態に係る液
晶表示素子の表示特性を示すグラフ。
【図5】本発明の実施形態に係る液晶表示素子を概略的
に示す断面図。
【図6】本発明の実施形態に係る液晶表示素子において
用いられる液晶マイクロカプセルを概略的に示す断面
図。
【図7】本発明の実施例に係る液晶表示素子を概略的に
示す断面図。
【図8】従来のGH型液晶表示素子を概略的に示す断面
図。
【図9】(a),(b)は、従来の液晶マイクロカプセ
ルを用いた液晶表示素子を概略的に示す断面図。
【符号の説明】
1,22,45,101,111…液晶表示素子 2,3,102,103…基板 4,5,104,105…電極 6,6-1〜6-3,106,107,113…液晶層 7,7-1〜7-3…液晶マイクロカプセル 8,8-1,8-2…液晶物質 9…光吸収性物質 10,10-1,10-2,112…透明被膜 11…分散媒体 24…TFT及びゲート・信号配線 25…下地膜 26,27…電極柱 28,29…透明フィルム 31〜37…曲線 38,39…破線 40,41…ITO膜 42…導電性部材 43…スペーサ 110…隔壁 108…液晶分子 109…二色性色素分子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 春原 一之 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株式会社東芝生産技術研究所内 (56)参考文献 特開 平6−222340(JP,A) 特開 平8−286162(JP,A) 特開 昭64−91125(JP,A) 特開 平10−81882(JP,A) 特開 平9−90321(JP,A) 特開 平9−318977(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1334

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)一方の主面に電極が形成された基
    板、 b)前記基板の一方の主面上に設けられ、光吸収性物質
    を含有した液晶材料と前記液晶材料を包含した透明薄膜
    とを有する液晶マイクロカプセルを含んだ液晶層、及び c)前記液晶層上に設けられた透明電極を具備し、 前記液晶層を光散乱状態と光吸収状態との間で変化させ
    ることにより表示が行なわれ、 前記光散乱状態は、前記液晶層に入射した入射光を前記
    液晶材料と前記透明薄膜との界面で反射させて前記透明
    薄膜に透過させることにより形成され、 前記光吸収状態は、前記液晶層に入射した入射光を前記
    液晶材料に透過させて前記光吸収性物質に吸収させるこ
    とにより形成され 前記液晶マイクロカプセルの基板面に垂直な方向の径
    は、基板面に平行な方向の径に対してより長い ことを特
    徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 a)一方の主面に電極が形成された基
    板、 b)前記基板の一方の主面上に設けられ、光吸収性物質
    を含有した第1液晶材料及び前記液晶材料を包含した
    透明薄膜を有する液晶マイクロカプセルと、前記液晶
    マイクロカプセルを包含した第2透明薄膜と、前記液晶
    マイクロカプセルと前記第2透明薄膜との間に介在した
    第2液晶材料とを備えた二重マイクロカプセルを含んだ
    液晶層、及び c)前記液晶層上に設けられた透明電極を具備し、 前記液晶層を光散乱状態と光吸収状態との間で変化させ
    ることにより表示が行なわれ、 前記光散乱状態は、前記液晶層に入射した入射光を前記
    液晶材料と前記透明薄膜との界面で反射させて前記透明
    薄膜に透過させることにより形成され、 前記光吸収状態は、前記液晶層に入射した入射光を前記
    液晶材料に透過させて前記光吸収性物質に吸収させるこ
    とにより形成されることを特徴とする液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記光吸収性物質は前記液晶材料に溶解
    された等方的に光を吸収する色素であることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 前記光吸収性物質は前記液晶材料中に分
    散された光吸収性の粒状体であることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 前記光吸収性物質は二色性色素であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表
    示素子。
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