JP3423795B2 - 試料分析装置 - Google Patents

試料分析装置

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JP3423795B2
JP3423795B2 JP29261294A JP29261294A JP3423795B2 JP 3423795 B2 JP3423795 B2 JP 3423795B2 JP 29261294 A JP29261294 A JP 29261294A JP 29261294 A JP29261294 A JP 29261294A JP 3423795 B2 JP3423795 B2 JP 3423795B2
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也寸志 新山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は試料分析装置、特に臨床
検査の分野で利用される他、食品検査や医学、生命科学
の基礎分野等で用いられる抗原−抗体反応を利用した分
析に適した試料分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】血清または尿のような生体液を分析し、
この生体液内の抗体と抗原、あるいは抗原・抗体免疫複
合物の存在を検出し、その定量を行うことはよく知られ
ており、このような方法は一般に免疫分析と呼ばれてい
る。免疫分析の1つの共通の方法は、制限した量の抗原
と2種の抗体との間に生ずる結合反応を使うことであ
る。これらの両抗体は抗原と結合することができるが、
たとえば一方の抗体に標識を付けて区別すると、抗原と
結合する標識付抗体の比率を計測することにより存在す
る標識なしの抗体の量がわかる。
【0003】この反応において種々の標識が提案されて
いるが、そのうちの1つがペルオキシダーゼ等の酵素を
標識とする酵素免疫測定法(EIA)法である。
【0004】免疫分析法ではたとえば反応生成物(たと
えば抗体・抗原複合物)内の標識付抗体の量を測定する
ように(反応生成物または残りの反応混合物の直接分析
により)反応混合物から反応生成物を分離する必要のあ
ることが多い。従来よりEIA法においては該分離(以
下B/F分離と記す。)を容易にするために固相として
種々の抗体や抗原をポリエチレンビーズ、ガラスビーズ
等に固定化したものが使用されてきた。これらの担体は
B/F分離には比較的好都合であるものの、反応の迅速
性という点では固相−液相間の反応であり、結合等の反
応が液相同士の場合にくらべ遅く不利である。反応速度
を上げる為には担体の微粒子化が好ましいが、微粒子担
体を用いた場合、通液時に圧力損失を生じたり該粒子か
らのB/F分離操作にろ過のような複雑な操作が必要と
なる。
【0005】一方、反応の迅速化を図る試みとして、担
体に磁性粒子を使用して磁力で担体を集め、B/F分離
を行う方法が行われてきたが、今日まで一般的に広く用
いられるにはいたっていない。この原因は、従来から使
われている担体への酵素標識試薬の非特異的吸着が大き
いため、一般的に測定のブランクが高く十分に感度が得
られなかったからである。
【0006】その問題を解決する手段として、磁性粒子
への抗体付加能力を高める方法(特開平3−4656
5)、さらに、標識物質として酵素を利用しその作用に
よる基質の分解に起因する吸光度変化あるいは発生する
蛍光の強度を計測する方法のかわりに、化学ルミネセン
ト物質を標識とし電気的に化学発光を生じさせる、より
高感度な方法(特開昭64−500146)が提案され
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次のような問題がある。特開平3−4656
5号に記載された従来技術はB/F分離手段の改善であ
り、特開昭64−500146号に記載された従来技術
はB/F分離後の蛍光強度計測手段の改善であり、いず
れもそれ以外の手順は従来一般の方法によっている。こ
のため、磁性粒子を用いたB/F分離は所定量の液体を
磁石付きの容器に吐出して行い、かつB/F分離後の必
要な処理も容器内で行うことを前提としており、その後
の発光量の計測を実施するには非測定液を吸引により容
器から検知部に移送して計測することが必要となる。し
かし、その場合は、容器の側壁に反応生成物などの被検
物質の一部が吸着によって付着する傾向があり、その結
果、移送時にロスが生じ、検知感度が低下するという問
題があった。また、特開昭64−500146号に記載
された分析法を実施するには、反応生成物をいかに効率
よく捕捉し、いかに効率よく発光反応を起こさせ、かつ
いかに効率よくその光を検知するかが重要であるが、当
該従来技術ではそれらのことについては検討されていな
い。
【0008】本発明の目的はブランクが低く高感度で正
確かつ精密な分析を再現性よく迅速に行うのに適した試
料分析装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の課題解決手段は
次のとおりである。
【0010】1.試料分析装置であって、これはフロ−
セルと、試料中の特定成分、磁性粒子及び発光を生じる
物質が結合してなる複合体を含む懸濁液を前記フロ−セ
ルに導入する手段と、前記フロ−セルに導入された前記
複合体に作用させて該複合体を前記フロ−セル内の予め
定められた部分に捕捉するための磁界を発生させる手段
と、前記捕捉された複合体から発光を生じさせ、その生
じた発光を検出する手段とを備え、前記発光生成手段は
前記フロ−セルに導入された複合体に電圧を与えるため
の、前記フロ−セルに導入された懸濁液と接触するよう
に配置された作用電極及び対極を含み、前記発光は前記
複合体に前記電圧を与えることによって生じる電気的化
学発光であり、前記作用電極の、前記懸濁液と接触する
表面の粗さRaはRa≦0.2μmであることを特徴と
する(請求項1)。
【0011】
【0012】.解決手段の試料分析装置であって、
前記作用電極及び対極は金、白金、パラジウム及びそれ
らの合金のいずれか一つから選ばれた材料でつくられて
いることを特徴とする(請求項)。
【0013】
【0014】.解決手段のいずれかの試料分析
装置であって、前記フロ−セルの内壁に互いに隣接する
ように第1及び第2のざぐり穴をあけ、該第1及び第2
のざぐり穴にはそれぞれ前記作用電極及び対極を、それ
らの表面が前記フロ−セルの内壁面と実質的に一致する
ように埋め込んだことを特徴とする(請求項)。
【0015】.請求項のいずれかの試料分析装
置であって、前記フロ−セルの、前記発光が生じる側の
壁は透明板にて形成され、該透明板の、前記懸濁液が導
入される側の表面にはざぐり穴を設け、該ざぐり穴には
前記対極を、その表面が前記透明板の表面と実質的に一
致するように埋め込んだことを特徴とする(請求項
)。
【0016】
【作用】懸濁液には試料中の特定成分、磁性粒子及び発
光を生じる物質が結合してなる複合体が含まれており、
この複合体はフロ−セルに導入される。このフロ−セル
内に導入された複合体には磁界が作用せしめられ、これ
によってその複合体はフロ−セル内の予め定められた部
分に捕捉される。この捕捉された複合体からは発光が生
じ、その生じた発光は検出される。これによれば、複合
体の分離と発光の検出とが、複合体がフロ−セル内の同
一個所にある状態で行われる。したがって、分離された
複合体を発光を検出するために別の部分に移送する必要
がなく、このためその複合体のロスが起こらない。ま
た、磁性粒子に磁界を作用させて複合体の分離を行うた
め、複雑な操作をすることなしに磁性粒子の粒径を小さ
くし、反応速度を増大させることが可能となる。したが
って、ブランクが低く高感度で正確かつ精密な分析を再
現性よく迅速に行うことができるようになる。
【0017】作用電極の、懸濁液と接触する表面の粗さ
RaはRa≦0.2μmである。したがって、その表面
が粗い場合にその表面のくぼみにおいて観測される磁性
粒子間の凝集が少なくなり、複合体の電極表面への捕捉
時の分散が一様化され、より高感度化が図られるように
なる。
【0018】
【実施例】図1を参照するに、サンプルボトル31には
試料が収容されている。試料は血清や尿のような生体液
由来試料である。試料が血清の場合、分析されるべき成
分はたとえば抗原、ペプチドホルモン、ステロイドホル
モン、薬剤、又はウイルス抗体、あるいは各種の腫瘍マ
−カ−、抗体、又は抗原・抗体複合物、又は単一たんぱ
く質である。ここでは特定成分はたとえばTSH(甲状
腺ホルモン)であるとする。ビ−ズボトル32には磁性
粒子を含む溶液が収容されている。この溶液としては粒
子状磁性物質をポリスチレンなどのマトリックスに埋め
込んだ磁性粒子(比重1.4、平均粒径2.8μm)を
緩衝液中に分散させてなる溶液が用いられ、マトリック
スの表面にはビオチンと結合可能なストレプタビジンが
結合されている。磁性粒子はたとえば鉄、酸化鉄、ニッ
ケル、コバルト、酸化クロムなどの磁気吸引物質であれ
ばよく、また、マトリックス自体はポリスチレンの他に
多くの合成及び天然の重合性物質(たとえばセルロ−
ス、ポリエステルなど)の中から選ばれてもよい。第1
試薬ボトル33には磁性粒子を試料中の特定成分TSH
と結合させる第1試薬が収容されており、これは末端を
ビオチン処理したTSH抗体を含む。第2試薬ボトル3
4には電気化学反応により発光を生じる標識物質をラベ
ルしかつ試料中の特定成分と結合する第2試薬が収容さ
れている。すなわち、第2試薬は末端をビオチン処理
し、かつ励起により化学発光を生じる標識物質、ここで
はルテニウム(II)トリス(ビピリジル)[以下Ru
(bpy)3と記す]、を結合させたTSH抗体を含
む。第1試薬及び第2試薬は分析されるべき特定の成分
の種類によって異なり、たとえば免疫グロブリン、抗
原、抗体又はその他の生物学的物質が使用される。緩衝
液ボトル3には標識物質の電気的な化学発光を誘引する
物質を含む緩衝液が収容されている。具体的には、この
緩衝液は電圧印加後による還元後、標識化合物の励起を
誘引する物質、たとえばトリプロピルアミン(TPA)
を含む、pHが7.4前後のものである。洗浄液ボトル4
には洗浄液が収容されている。ベッセル1は反応生成
物、換言すれば、試料中の特定成分、磁性粒子及びはこ
うを生じる物質が結合してなる複合体、を含む懸濁液を
得るためのもので、そのために必要な試料、磁性粒子、
第1試薬、第2試薬及び緩衝液はサンプリングプロ−ブ
30を通してベッセル1に分注される。シッパ−プロ−
ブ2はベッセル1内の懸濁液を測定セル6に送液するた
めのもので、その先端を洗浄する洗浄液は洗浄槽5に収
容されている。シリンジ11は懸濁液、緩衝液、洗浄液
の吸引及び吐出を行うもので、廃液は廃液ボトル13に
廃液される。蒸留水ボトル14は蒸留水を収容するもの
で、その蒸留水はポンプ12により洗浄槽5に送られ
る。
【0019】サンプリングプローブ30は図示しないシ
リンジと導管P1を介して接続されている。シッパープ
ローブ2は導管P2を介して測定セル6に接続されてい
る。測定セル6は導管P3、第1ピンチ弁7、導管P4
を介してシリンジ11に接続されている。また、導管P
4は導管P5、第2ピンチ弁8、導管P6を介して廃液
ボトル13に接続されている。
【0020】一方、蒸留水ボトル14は導管P9、ポン
プ12、導管P10を介して洗浄槽5に接続され、洗浄
槽5は導管P11を介して廃液ボトル13に接続されて
いる。また、導管P10の途中から導管P8が分岐し、
この導管P8は第3ピンチ弁9、導管P7を介してシリ
ンジ11に接続されている。
【0021】図2〜4を参照するに、測定セル6はセル
基盤18と、光電子増倍管19を収納したケース21
と、セル基盤18とケース21との間に位置する透明な
受光窓22とを有し、それらの間に測定セル6内に導入
された反応生成物を含む懸濁液が流れる流路17が形成
される。流路17は図4に示すように上方から見て紡錘
形をしており、紡錘形の一方の端に入口35が位置し、
他方の端に出口36が位置し、入口35及び出口36は
セル基盤18に取り付けられたニップル50、51を介
してそれぞれ導管P2、P3に接続されている。また、
流路17の紡錘形の最大幅部中央下面にはザグリ穴が開
けられ、その中にリボン状の作用電極15が埋め込まれ
ていると共に、作用電極15の両側の同一平面状には対
極16が同様に対称な形で埋め込まれており、そして両
電極表面は基盤18ごと研磨されてある。作用電極15
及び対極16は金、白金、パラジウム及びそれらの合金
のいずれか一つから選択された材料で作られている。、
これらはセル基盤18上に設けられたシート部材18B
上に取り付けられ、それらの一端はセル基盤18の外に
延出し図示しない電源及び制御装置に接続されている。
さらに、作用電極15及び対極16はセル基盤18を含
めて適当な研磨材を用いてその表面粗さがRa≦0.2
μmとなるように研磨されている。作用電極15の下方
には磁石24が位置し、磁石24は作用電極15に接近
して、これに磁界を作用させるようにセル基盤18に形
成されるくぼみ18Cに配置されている。受光窓板22
の下面にざぐり穴を開け、このざぐり穴に対極18をワ
イヤ状あるいはリボン状にして埋込み、その表面を受光
窓板22ごと研磨するようにしてもよい。また、磁石2
4は磁石ホルダ25に取り付けられ、磁石ホルダ25は
レバー25Aの一端に取り付けられている。レバー25
Aの他端はステッピングモータ26に取り付けられ、死
点28を中心にして回転可能であり、ステッピングモー
タ26を動作させることにより、磁石24はくぼみ18
C内の図示の作動位置とその外に出た2点鎖線で示す後
退位置との間で出入り可能である。
【0022】光電子増倍管19は流路17で発生し受光
窓板22を透過した光を計測するものであり、ここでは
R1104(浜松ホトニクス社製)を使用する。光電子
増倍管19は磁気シールド管20に覆われて、ケース2
1内に収納されている。光電子増倍管19の上方にはソ
ケット27が取り付けられ、このソケット27を介して
光電子増倍管19の検出信号が図示しない制御装置に送
られ、光強度が計測される。
【0023】次に、上記のように構成した本発明にもと
づく実施例の動作を説明する。サンプルボトル31内の
特定成分であるTSHを含む血清、尿などの生体液由来
の試料50μlと、ビーズボトル32内の磁性粒子30
μgを緩衝液中に分散させたビーズ溶液50μlと、第
1試薬ボトル33内の第1試薬50μlと、第2試薬ボ
トル34内の第2試薬50μlと、緩衝液ボトル3内の
前記誘引物質を含むPH7.4前後の緩衝液100μl
とをサンプリングプローブ30により所定の順番にした
がってベッセル1内に分注する。このベッセルは分注後
一定温度(この実施例では37℃)に保温される。これ
により、磁性粒子、第1試薬、試料中のTSH、及び第
2試薬が結合した反応生成物、換言すれば、これらの複
合体、を含む懸濁液がベッセル1内に生成される。サン
プリングプローブ30の先端は各分注動作後、洗浄され
る。
【0024】続いて、図2に示すようにステッピングモ
−タ28を駆動して磁石24を実線で示す位置に移動さ
せておく。次に図1において第1ピンチ弁7を開け、第
2ピンチ弁8及び第3ピンチ弁9を閉じる。この状態
で、まずシッパープローブ2を図示しない駆動装置によ
りベッセル1の上方に、続いて水平移動した後下方に移
動させ、その先端部をベッセル1内の懸濁液に挿入す
る。
【0025】次に、シリンジ11によりベッセル1内の
前記反応生成物を含む250μlの懸濁液のうち200
μlをシッパープローブ2内に吸引する。その後、シッ
パープローブ2を上方に、続いて水平に移動した後下方
に移動させ、緩衝液ボトル3から緩衝液を吸引する。こ
の吸引により懸濁液は導管P2を介して測定セル6内に
導入され流路17内を流れる。懸濁液が電極15上に達
すると、磁石24により局部的に形成される磁界により
反応生成物は作用電極15上に捕捉され、続いて吸引さ
れる緩衝液の導入により、測定セル6の流路17内に残
存していた未反応の第2試薬が洗い流されB/F分離が
完了する。このとき、洗浄に用いられた緩衝液と未反応
の試薬は、流路17から導管P3、第1ピンチ弁7及び
導管P4を通ってシリンジ11内に吸引される。
【0026】以上の操作により流路17内は、作用電極
15上に反応生成物と未反応の磁性粒子が補足されてお
り、それらの周囲は標識物質の励起を誘引するために用
いられるTPAを含む緩衝液によって満たされることに
なる。
【0027】一方、シリンジ11中に吸引された緩衝液
と未反応の試薬は第1ピンチ弁7を閉じた後にピンチ弁
8を開けてシリンジ11により廃液ボトル13中に吐出
される。上記工程終了の後、作用電極15とその同一平
面上両側に配置された対極16間に定められたシーケン
スに基づいた電圧を印加し、表1に示される反応を行わ
せる。
【0028】
【表1】
【0029】表1に示される反応によって発生した光は
流路17上に設けられた透明の受光窓板22を通じて光
電子増倍管19の光電面に導入されてその発光量が計測
され、TSH濃度既知のコントロール物質を測定した際
の発光量と比較して試料中のTSH濃度が算出される。
【0030】上記反応時、作用電極15上に磁性粒子と
結合してなる反応生成物を捕捉する目的で、作用電極1
5下の位置に配置されている磁石24は作用電極15、
対極16間に一定のシ−ケンスによる電圧を印加し、電
気化学的反応により発光を行わせる工程の直前あるいは
でき得るならば直後にステッピングモータ28を駆動し
て作用電極15面上に磁石24の磁界が及ばない位置に
移動させられる。
【0031】発光反応終了後、流路17内の洗浄を行
う。まず、第1ピンチ弁7を開け第2ピンチ弁8及び第
3ピンチ弁9を閉じ、予め蒸留水により先端及びプロー
ブ内を洗浄しておいたシッパープローブ2を洗浄液ボト
ル4の上方に水平移動した後下方に移動し、シリンジ1
1にて洗浄液ボトル4内の洗浄液の吸引を開始する。こ
の際、洗浄効率を上げる目的でシリンジ11により洗浄
液を吸引している間にシッパープローブ2を上下させて
洗浄液及び空気を一定量ずつ交互に吸引し、導管P2を
通じて測定セル6内の流路17内に導びき、流路17内
に残った反応終了後の緩衝液、反応生成物及び未反応の
磁性粒子を洗い流す。この後、その廃液及び洗浄液はシ
リンジ11内に吸引された後、第1ピンチ弁7を閉じ、
続いて第2ピンチ弁8を開ける操作を経てシリンジ11
を押し上げることにより廃液ボトル13内に吐出され
る。
【0032】上記工程終了後、再び第2ピンチ弁8を閉
じて第1ピンチ弁7を開け、予め蒸留水により先端及び
プローブ内を洗浄しておいたシッパープローブ2により
緩衝液ボトル3内からTPAを含む緩衝液をシリンジ1
1を用いて吸引し、導管P2及び流路17内に残された
洗浄液を洗い流した後、導管P2及び流路17内を緩衝
液で置換する。この操作にて一試料に対するTSHの測
定が完了する。
【0033】以上の工程及び測定セルを用いて得られた
TSH濃度に対する発光量(作用電極15の表面粗さR
a=0.4;0.2;0.04μmの場合)の関係を図
5に示す。図から、表面粗さが細かいほど発光量が多い
ことがわかる。
【0034】作用電極15の表面粗さRaはRa≦0.
2μmであることが望ましい。この理由を説明するに、
図5に示されるように、発光試料単位濃度当たりの発光
量は表面粗さが粗くなるほど減少するが、たとえばRa
=0.4μmの場合を例にとってみると、試料の濃度が
次第に薄くなるとその発光量もされに比例して減少する
が、ある濃度以下になるとその発光量は検出系がもつ固
有のノイズ等のレベル(一般にダ−クレベル、バックグ
ラウンド等と呼ばれる)と同等となり、その中に埋没し
て試料濃度と発光量との間に良好な比例関係が得られな
くなる点が現れる。この点の試料濃度をもって一般に最
小感度としているが、この最小感度と表面粗さの関係を
示したのが図6である[TSH(ヒト甲状腺刺激ホルモ
ン)の場合]。
【0035】免疫測定においては最近より高感度の測定
が求められるようになってきているが、TSHの場合を
例にとると、臨床的な意味では最小感度が0.01μI
U/ml以下であれば十分に実用性があり、されが0.
00μIU/ml以下であればさらに望ましいとされて
いる。この値を図6の表面粗さとの関係からみると、R
a≦0.2μmのときさいしょう感度は0.005μI
U/ml以下となることがわかる。かくして、TSHの
最小感度0.005μIU/ml以下を実現するために
は作用電極15の表面粗さRaをRa≦0.2μmとす
べきであるとの結論が得られたのである。
【0036】以上の説明から、反応生成物の分離とその
発光の検出とがその反応生成物がフロ−セル内の同一個
所にある状態で行われることが理解される。したがっ
て、分離された反応生成物を発光を検出するために別の
部分に移送する必要がなく、このためその反応生成物の
ロスが生じない。また、磁性粒子に磁界を作用させて反
応生成物の分離を行っているため、複雑な操作をするこ
となしに磁性粒子の粒径を小さくし、反応速度を増大さ
せることが可能となる。したがって、ブランクが低く高
感度で正確かつ精密な分析を再現性よく迅速に行うこと
ができるようになる。
【0037】作用電極の懸濁液と接触する表面の粗さR
aはRa≦0.2μmである。したがって、その表面が
粗い場合にその表面のくぼみにおいて観測される磁性粒
子間の凝集が少なくなり、反応生成物の電極表面への捕
捉時の分散が一様となり、より高感度化が図られるよう
になる。
【0038】作用電極15及び対極16は基盤18に設
けられたざぐり穴に埋め込まれて、その表面が基盤18
ごと研磨されるので、その製作が容易である。対極16
が受光窓板22側に設けられる場合もその両者は一体的
に同時に研磨されると共に作用電極も基盤18と一体的
に同時に研磨されるので、同様にその製作の容易化が図
られる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、ブランクが低く高感度
で正確かつ精密な分析を再現性よく迅速に行うのに適し
た試料分析装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す試料分析装置のシステ
ム概略図である。
【図2】図1の測定セルの縦断面図である。
【図3】図2の測定セルの部分拡大側断面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】作用電極の表面粗さの差によるTSH濃度と発
光量の関係を示すグラフである。
【図6】作用電極の表面粗さとTSH最小感度との関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
1:ベッセル、2:シッパ−プロ−ブ、3:緩衝液ボト
ル、4:洗浄液ボトル、5:洗浄槽、6:測定セル、7
〜9:ピンチ弁、11:シリンジ、12:ポンプ、1
3:廃液ボトル、14:蒸留水ボトル、15:作用電
極、16:対極、17:流路、18:セル基板、19:
光電子増倍管、20:シ−ルド管、21:ケ−ス、2
2:受光窓板、24:磁石、25:磁石ホルダ、26:
ステッピイングモ−タ、30:サンプリングプロ−ブ、
31:サンプリングボトル、32:ビ−ズボトル、3
3:第1試薬ボトル、34:第2試薬ボトル。
フロントページの続き (72)発明者 内田 裕康 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式 会社 日立製作所 計測器事業部内 (56)参考文献 特表 平6−509412(JP,A) 特表 平6−508203(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/543 G01N 21/76 G01N 33/536

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロ−セルと、試料中の特定成分、磁性
    粒子及び発光を生じる物質が結合してなる複合体を含む
    懸濁液を前記フロ−セルに導入する手段と、前記フロ−
    セルに導入された前記複合体に作用させて該複合体を前
    記フロ−セル内の予め定められた部分に捕捉するための
    磁界を発生させる手段と、前記捕捉された複合体から発
    光を生じさせ、その生じた発光を検出する手段とを備
    前記発光生成手段は前記フロ−セルに導入された複合体
    に電圧を与えるための、前記フロ−セルに導入された懸
    濁液と接触するように配置された作用電極及び対極を含
    み、前記発光は前記複合体に前記電圧を与えることによ
    って生じる電気的化学発光であり、 前記作用電極の前記懸濁液と接触する表面の粗さRaは
    Ra≦0.2μmであることを特徴とする 試料分析装
    置。
  2. 【請求項2】 前記作用電極及び対極は金、白金、パラ
    ジウム及びそれらの合金のいずれか一つから選ばれた材
    料でつくられている請求項記載試料分析装置。
  3. 【請求項3】 前記フロ−セルの内壁に互いに隣接する
    ように第1及び第2のざぐり穴をあけ、該第1及び第2
    のざぐり穴にはそれぞれ前記作用電極及び対極を、それ
    らの表面が前記フロ−セルの内壁面と実質的に一致する
    ように埋め込んでなる請求項1または2記載試料分析
    装置。
  4. 【請求項4】 前記フロ−セルの、前記発光が生じる側
    の壁は透明板にて形成され、該透明板の、前記懸濁液が
    導入される側の表面にはざぐり穴を設け、該ざぐり穴に
    は前記対極を、その表面が前記透明板の表面と実質的に
    一致するように埋め込んでなる請求項1または2記載
    試料分析装置。
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