JP3422497B2 - TiCウイスカーの製造方法 - Google Patents

TiCウイスカーの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた硬度ならびに強
度特性を示す結合炭素量の高いTiCウイスカーの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】TiCの針状結晶で構成されるウイスカ
ーは、SiCやSi3 4 のような他のセラミックス系
ウイスカーと同様に高度の機械的強度、耐熱性、化学的
安定性等の材質特性を有するほか、とくに硬度が抜群に
優れているため、例えば超硬工具の複合材料やサーメッ
ト材料として注目されている。
【0003】従来、TiCウイスカーを製造する技術と
しては、ハロゲン化チタンと一酸化炭素を反応させる方
法(特開昭58−60700 号公報) あるいはハロゲン化チタ
ンと四塩化炭素を反応させる方法〔Z.Wokulski,Journal
of Cristal Growth 82(1987),P427〜434 〕のような気
相反応法が知られている。また、工業生産に有利な固相
反応法として、二酸化チタンまたは/およびチタン酸ア
ルカリ金属塩からなるチタン源原料に特定量の炭材原料
と遷移金属触媒、更に必要に応じてアルカリ金属塩化物
からなる粉末抑制材を混合して不活性ガス雰囲気下1400
〜1700℃の温度域で加熱反応させる方法が本発明者らに
よって開発されている(特願平2−323866号、同3−29
5027号) 。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の製造技術で得ら
れるTiCウイスカーは、TiCを組成するC/Ti原
子比が 0.6以下の範囲に位置している。ところが、一般
に結合炭素量が少ないTiCは材質の硬度および強度が
相対的に低くなることが解明されており、前記の炭素結
合量の範囲では例えばセラミックスあるいは金属材料を
対象とする複合強化材などの用途において硬度および強
度が不十分となる。
【0005】TiCの結合炭素量を増加するためには、
炭素粉末とともに二次的な熱処理を施す方法が考えられ
るが、発明者の研究によるとTiCがウイスカー形態の
場合には単純な二次的熱処理を施しても元のウイスカー
(針状)形態を保持したまま結合炭素量を増大させるこ
とが困難なケースが多い。そこで、かかる技術的因果関
係について多面的に研究をおこなったところ、ウイスカ
ーの形状変化を伴わずにTiCウイスカーの結合炭素量
を高めるには、処理対象となるTiCウイスカーの結晶
格子定数と熱処理する圧力、温度等の条件が重要な因子
となることを確認した。
【0006】本発明は、上記の知見に基づいて最適な熱
処理条件を解明した結果として開発されたもので、その
目的はウイスカー形態を損ねることなしに優れた硬度な
らびに強度を備える高結合炭素量のTiCウイスカーを
効率よく製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるTiCウイスカーの製造方法は、Ti
C結晶の平均格子定数が0.4300nm以上のTiCウイスカ
ーと炭素粉末を含む混合物を、面圧50〜100kg/cm2 でプ
レス成形し、成形体を不活性ガス雰囲気に保持された加
熱炉中で10Torr以下の減圧下に1700〜2000℃の温度によ
り熱処理することを構成上の特徴とする。
【0008】本発明において処理対象とするTiCウイ
スカーは、平均値で0.4300nm以上の結晶格子定数を有す
るものであれば製造履歴に関係なく使用し得るが、前記
格子定数を下廻るとウイスカー形状が変形して粒状物や
焼結塊の混在が多くなって、元の正常な針状形態を留め
なくなる。したがって、気相反応法で生成されたTiC
ウイスカーの場合には、前記の格子定数を満たす結晶性
状を分別し、これに例えばカーボンブラック、コーク
ス、炭素あるいは黒鉛などの粉末を混合して処理原料と
する。しかし、この手段を用いるときには均質な分散状
態を得ることが難しい煩雑な機械的混合工程が必要にな
る。この点、固相反応法で形成される反応生成物はTi
Cウイスカーと未反応の炭材成分が均質に混在する組織
状態を呈しているため、生成物そのものを処理原料とす
ることができ、製造工程の面から有利となる。
【0009】したがって、本発明の目的には本出願人に
よる特願平3−295027号の方法、すなわち二酸化チタン
または/およびチタン酸アルカリ金属塩からなるチタン
源原料100 重量部に対し、炭材原料50〜200 重量部、
鉄、ニッケルおよびコバルトから選ばれた生成触媒1〜
30重量部、および必要に応じてアルカリ金属の塩化物か
らなる粉末化抑制材10〜100 重量部を混合し、不活性ガ
ス雰囲気下で1400〜1700℃の温度域で加熱反応して得ら
れる生成物を処理原料とすることが好ましい態様とな
る。この際、チタン源原料100 重量部に対し、炭材とし
てカーボンブラック80〜200 重量部、生成触媒として塩
化ニッケル5〜30重量部、粉末化抑制材として塩化ナト
リウムを50〜100 重量の範囲でそれぞれ配合して反応容
器に見掛比重が0.2g/cc 以下になるように充填し、1000
〜1500℃までの昇温速度を2〜10℃/min として最終的
に1500〜1700℃の温度まで上昇し、この温度域に30分以
上保持する等の条件を設定することによりTiC結晶の
平均格子定数0.4300nm以上のTiCウイスカーを含む反
応生成物を形成することができる。
【0010】上記のTiC結晶格子定数が平均0.4300nm
以上のTiCウイスカーと炭素粉末を含む混合物は、面
圧50〜100kg/cm2 の加圧条件でプレス成形する。この成
形化はTiCと炭素粉末との接触度合を高めるために見
掛比重0.8g/cc 以上の組織に成形し、TiCの炭素結合
を効率よく促進させる処理である。プレス成形時の面圧
が50kg/cm2未満では見掛比重0.8g/cc 以上の成形組織を
得ることが困難となり、100kg/cm2 を超える面圧を適用
するとTiCウイスカーの破損が顕著となる。
【0011】成形体は、ついでアルゴン、窒素のような
不活性ガス雰囲気に保持された加熱炉中で10Torr以下の
減圧下に1700〜2000℃の温度により熱処理する。熱処理
時の圧力条件が前記の減圧度合より不足し、処理温度が
1700℃未満になると炭素結合が不十分となり、また処理
温度が2000℃を上廻るとTiCウイスカーが大径化して
粒状物や焼結塊の混在が増大する。
【0012】このようにして二次的な熱処理を施して炭
素結合量を高めたTiCウイスカーは反応容器から取り
出し、残余の炭素成分を分離除去するための後処理を施
す。後処理の簡便な手段には、空気中で炭素成分を燃焼
除去する方法があるが、この方法を適用するとTiCが
酸化されてTiO2 に転化する不都合がある。処理物を
有機溶媒(トルエン、軽油、灯油等)と水からなる二相
液体中に投入して激しく振盪し、非親水性の炭素成分を
有機溶媒相に、また親水性のTiC成分を水相側に分別
する液相分離法を適用することも可能であるが、TiC
ウイスカーは結合炭素量が増すに従って親水性が減退す
るため、二液界面にトラップされ易くなって回収率が低
下する。本発明に最も好適な残余炭素成分の分離手段
は、処理物を少量のノニオン系界面活性剤を添加した水
中に分散させ、TiCウイスカーと炭素成分のストーク
ス径の差を利用して分離する湿式分級法である。湿式分
級さた高結合炭素量のTiCウイスカーは濾過、乾燥処
理して回収される。
【0013】
【作用】Ti−C系の相線図からみると、C/Ti原子
比が0.5 以下では1650℃以上の温度で液相が生成する。
該液相状態は炭化促進に対しては有効に作用するが、こ
の状態では針状結晶が溶融変形してウイスカーは粒状物
に転化する。また、完全に粒状化しないケースでは、ウ
イスカー相互の融着や焼結が起こり、塊となって品質低
下を招く。
【0014】本発明において、平均格子定数0.4300nm以
上のTiCウイスカーを熱処理した場合にウイスカー形
態を損ねずに結合炭素量を高めることができる理由につ
いては詳しく解明されていないが、次のように推測する
ことができる。C/Ti比とTiC結晶の格子定数の間
には一定の関係があり、本発明の熱処理で形状変化を生
じない原料TiCウイスカーの平均格子定数0.4300nmに
相当するC/Ti比は概ね0.5 となる。この平均格子定
数およびC/Ti比は熱処理の昇温過程で共に上昇し、
1645℃の液相成形温度に達した時点ではTiCウイスカ
ーのC/Ti比は全て0.5 以上になる。この作用で、原
料TiCウイスカーの格子定数が平均0.4300nm以上あれ
ば、ほぼ原形性状を保持したままの炭化が円滑に進行す
る。
【0015】このような機構を介してセラミックスや金
属材料を複合強化するに十分な硬度ならびに強度を有す
る高結合炭素量のTiCウイスカーが製造される。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0017】原料TiCウイスカーの生成:Ti源原料
として試薬一級アナターゼ型TiO2 粉末〔和光純薬
(株)製〕を用い、その100 重量部に対し炭材としてカ
ーボンブラック〔東海カーボン(株)製、シースト5
H〕100 重量部、粉末化抑制材としてNaCl 100重量
部および生成触媒として試薬特級の塩化ニッケル( NiC
l2・6H2O)を乾燥脱水した無水NiCl2 を添加量を変
えて配合し、十分均一となるまで機械的に撹拌混合し
た。混合物を内径100mm 、高さ50mmのネジ蓋付黒鉛容器
に充填密度が0.2g/cc 以下になるように軽く詰めて蓋を
閉め、アルゴンガス雰囲気に保持された電気炉中で昇温
速度、反応温度および反応時間を変えて反応させ、各種
性状のTiCウイスカー生成物を作成した。得られた生
成物の一部を分取し、二液分離法で未反応の炭材成分を
除去したのち、X線回折装置を用いてTiCウイスカー
結晶の格子定数を測定した。その結果を、TiCウイス
カー生成時の変動条件と対比させて表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】実施例1〜5、比較例1〜3 Run No1〜5および7〜9のTiCウイスカーを含む反
応生成物(未反応の炭材成分との混合物)を内径80mmの
シリンダー状金型に詰め、面圧60kg/cm2で平板状にプレ
ス成形した。ついで、成形体を真空加熱炉に入れ、10To
rr以下に減圧しながら1800℃の温度に昇温し、1時間保
持した。熱処理後の生成物をノニオン系界面活性剤の0.
1 %溶液中に分散させ、湿式分級をおこなってTiCウ
イスカーを分離回収した。得られたTiCウイスカーの
性状、結晶格子定数および結合炭素量を測定し、その結
果を表2に示した。
【0020】
【表2】
【0021】表2の結果を表1と対比して判るように、
熱処理後のTiCウイスカーはいずれも格子定数が上昇
しており、炭素結合量は理論値に近似する値になってい
る。しかし、熱処理前の平均格子定数が0.43nm以上のT
iCウイスカー生成物を熱処理した実施例ではTiCウ
イスカーの性状が処理前と殆ど変化していないのに対
し、平均格子定数が0.43nm未満のTiCウイスカー生成
物を原料とした比較例では熱処理後の形状変化が激し
く、粒状物や焼結塊の増加が著しいことが認められる。
【0022】実施例6〜10、比較例4〜7 表1のRun No.6のTiCウイスカーを含む反応生成物を
処理原料として、表3に示す各種条件によりプレス成形
および熱処理を施した。熱処理物から実施例1と同様に
してTiCウイスカーを分離回収し、その性状、格子定
数および結合炭素量を測定した。結果を表4に示した。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】表3および表4の結果から、本発明の条件
を満たす実施例においては殆ど形状変化なしにTiCウ
イスカーの結合炭素量を増加させることができるが、プ
レス圧を与えない比較例4や熱処理雰囲気が常圧の比較
例5では結合炭素量が増大せず、また熱処理温度が2000
℃を越える比較例6では形状変化が激しく、1700℃未満
の比較例7は結合炭素量の増大が期待できないことが判
る。
【0026】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に従えば格子定数
が平均0.4300nm以上のTiCウイスカーと炭素粉末を含
む混合物を特定の条件で成形および熱処理することによ
り、優れた硬度ならびに強度を示す結合炭素量が増大し
た高性能のTiCウイスカーを製造することが可能とな
る。したがって、セラミックス材や金属材料を対象とす
る複合強化材の製造手段として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 31/30 C04B 35/52 C30B 29/62 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 TiC結晶の平均格子定数が0.4300nm以
    上のTiCウイスカーと炭素粉末を含む混合物を、面圧
    50〜100kg/cm2 でプレス成形し、成形体を不活性ガス雰
    囲気に保持された加熱炉中で10Torr以下の減圧下に1700
    〜2000℃の温度により熱処理することを特徴とするTi
    Cウイスカーの製造方法。
  2. 【請求項2】TiC結晶の格子定数が0.4300nm
    以上のTiCウイスカーと炭素粉末を含む混合物が、二
    酸化チタンまたは/およびチタン酸アルカリ金属塩から
    なるチタン源原料100重量部に対し、炭材原料50〜
    200重量部、鉄、ニッケルおよびコバルトから選ばれ
    た生成触媒1〜30重量部、およびアルカリ金属の塩化
    物からなる粉末化抑制材10〜100重量部を混合し、
    不活性ガス雰囲気下で1400〜1700℃の温度域で
    加熱処理して得られる反応生成物である、請求項1記載
    のTiCウイスカーの製造方法。
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