JP3421836B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置の製造方
法、詳しくは化合物半導体電流狭窄層を有する、特性の
良い化合物半導体光素子の製造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】化合物半導体レーザーにおいて発光層を
挟む上部と下部のガイド層へのn型ドーピングによっ
て、しきい値電流の低減、温度特性の向上など素子特性
が向上する(S.Seki et al: IEEE Photonics Technolog
y Letters, Vol.10,pp.200-202,1998)。この素子特性
の向上を達成するためには、該n型ドーピングによって
pn接合位置がp-InPクラッド層とn-InGaAs
Pガイド層の界面からシフトしないこと、発光層の結晶
品質が劣化しないことが必要となる。 【0003】図3、図4に従来の活性層構造を示す。こ
のうち図3は、n型ドーパントにSe,SなどのVI族の
不純物を用いた場合の素子構造の説明図であって、光半
導体素子の活性層周辺の断面図(コンタクト層等の活性
層から離れた部分は図示しない。)を示す。図中10は
n-InP基板、11はSeドープされたn型InGa
AsP四元混晶層(組成波長1.1μm、層厚100n
m)、12は発光波長が1.3μmである発光層、13
はSeドープされたn型InGaAsP四元混晶層(組
成波長1.1μm、層厚100nm)、14はp型(Z
n)ドーピングInPである。矢印15はpn接合位置
を示す。16はSIMS測定結果から推定される活性層
側壁周辺のSeの濃度分布である。17はZnの濃度分
布である。18は後述する本発明の実施例の素子構造よ
り得られるPLスペクトル、19はアンドープInGa
AsPガイド層を下地とする発光層より得られる、比較
のためのPLスペクトルである。 【0004】この図3に示すn型ドーパントにSeを用
いた素子構造のものでは、発光層12の劣化は起こらな
い。このことは、フォトルミネッセンス(PL)におけ
る強度18が、アンドープInGaAsPガイド層を下
地とする発光層の場合19と同等なことからわかる。ま
た、SIMS測定より得られるSe(またはS)の濃度
分布から、Se(またはS)が発光層12に混入してい
るが、発光層12の結晶品質には影響を与えない。 【0005】しかしながら、結晶成長におけるpn接合
成形時にn型ドーピングガスからp型ドーピングガスへ
切り替える際にVI族のn型ドーピングガス16が結晶
成長雰囲気中に残留しやすいために(メモリー効果)、
Se,SなどのN型ドーパントがp-InPクラッド層
14に混入してpn接合15の位置がp-InPクラッ
ド層14とn-InGaAsPガイド層13の界面から
p-InPクラッド層14側にシフトして、レーザー特
性を劣化させることが問題となっていた。 【0006】この問題を改善、つまりpn接合のシフト
を起こらないようにしたのが図4に示す従来例である。
すなわち、この図4はn型ドーパントにSiを用いた場
合の従来の素子構造を説明する図であって、光半導体の
活性層周辺の断面図(コンタクト層などの活性層から離
れた部分は図示しない。)を示す。20はn-InP基
板、21はSiドープされたn型InGaAsP四元混
晶層(組成波長1.1μm、層厚100nm)、22は
発光波長が1.3μmである発光層、23はSiドープ
されたn型InGaAsP四元混晶層(組成波長1.1
μm、層厚100nm)、24はp型(Zn)ドーピン
グInPである。矢印25はpn接合位置を示す。26
はSIMS測定結果から推定される活性層側周辺のSi
の濃度分布、27はZnの濃度分布である。28は本発
明に実施例の素子構造より得られるPLスペクトル、2
9はアンドープInGaAsPガイド層を下地とする発
光層より得られる、比較のためのPLスペクトルであ
る。 【0007】図3に示すように、n型ドーパントにSi
などのIV族の不純物を用いた場合、メモリー効果が起こ
らないため、pn接合25のシフトは生じない。 【0008】しかしながら、1x1018/cm3以上
を発光層の下地となるn-InGaAsPガイド層21
にドープした場合には該ガイド層21の結晶品質の劣化
が起きるため、その上に成長される発光層22を劣化さ
せるので問題となっていた。この発光層22の劣化は図
3に示すようにPL強度28の低下として観測される。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のことに
鑑み提案されたもので、その目的とするところは、pn
接合のシフトは起こらず、かつ発光層の結晶品質の劣化
をも防止した化合物半導体光素子を得ることができる半
導体装置の製造方法を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】この発明は、基板上に、
少なくともn型のクラッド層、不純物濃度が1×10
18/cm3以上のn型の下部ガイド層、発光層、不純
物濃度が1×1018/cm3以上のn型の上部ガイド
層、及びp型のクラッド層を、この順に積層して成る半
導体装置の製造方法において、前記下部ガイド層を成長
する際のドーパントとしてSeもしくはSを用い、前記
上部ガイド層を成長する際のドーパントとしてSiを用
いる構成とし、上記目的を達成している。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の半導体装置においては、
発光層下部のガイド層に発光層の結晶品質の劣化が起こ
らないSe,SなどのVI族のn型ドーパントを用い、か
つ、発光層上部のガイド層にメモリー効果のないSiを
用いて製造することにより、高品質の半導体レーザー結
晶を得ることができるようにしている。 【0012】すなわち、従来の素子構造ではガイド層の
ドープは上部、下部ともに1種類のn型ドーパントによ
りなされていたため、上述の問題があったのに対し、本
発明では、上述のように、発光層下部のガイド層にS
e,SなどのVI族のn型ドーパントを、かつ、発光層
上部のガイド層にSiをドープするようにし、2種類n
型ドーパントを用いることにより、pn接合のシフトの
ない、高品質の発光層を有する、半導体レーザー結晶が
得られる。 【0013】 【実施例】図1は本発明の第1の実施例を説明する図で
あって、光半導体素子の活性層周辺の断面図(コンタク
ト層等の活性層から離れた部分は図示しない。)を示
す。 【0014】この半導体素子は、基板上に少なくともn
型のクラッド層、不純物濃度が1×1018/cm3以
上のn型の下部ガイド層、発光層、不純物濃度が1×1
01 8/cm3以上のn型の上部ガイド層、及びp型の
クラッド層を、順次積層して作製されている。 【0015】すなわち、図中30はn-InP基板、31
は下部のガイド層であるSeドープされたn型InGa
AsP四元混晶層(組成波長1.1μm、層厚100n
m)、32は発光波長が1.3μmである発光層、33
は発光層32の上部のガイド層であるSiドープされた
n型InGaAsP四元混晶層(組成波長1.1μm、
層厚100nm)、34はp型(Zn)ドーピングIn
Pである。矢印35はpn接合位置を示す。36はSI
MS測定結果から推定される活性層側壁周辺のSeの濃
度分布、37はSiの濃度分布、38はZnの濃度分布
である。39は本発明の実施例の素子構造より得られ
る、PLスペクトル、40はアンドープInGaAsP
ガイド層を下地とする発光層より得られる、比較のため
のPLスペクトルである。 【0016】上記において発光層32は6層のInGa
AsP四元混晶量子井戸層(層厚60nm),5層のI
nGaAsP四元混晶障壁層(組成波長1.1μm、層
厚10nm)からなる。 【0017】発光層32の下部はSeやあるいはSなど
のVI族の不純物がドープされたガイド層からなり、また
上部のガイド層のn型ドーパントはSiなどのIV族の不
純物で構成されている。 【0018】この場合、Se,Siのドーピング濃度は
3x1018/cm3 である。 【0019】しかして、上記製造方法によって作製され
た素子は、不純物濃度分布37によりn型不純物Siの
p-InPクラッド層34への混入がなく、すなわち、
pn接合35のシフトが抑制されていることがわかる。
また、PLスペクトル39において良好なPL強度が得
られていることから、発光層が高品質であることがわか
る。 【0020】図4は上記構造を有する1.3μm帯半導
体レーザの25℃と85℃における電流・光出力特性で
あり、図中41は従来構造によるもの(点線)、42は
本発明によるもの(実線)である。従来構造によるもの
では、pn接合位置のシフト、あるいは発光層結晶品質
の劣化のため、しきい値電流の増大、温度特性の低下が
生じる。 【0021】一方、本発明による構造ではpn接合のシ
フトが抑制され、かつ発光層が高品質であるため、素子
特性の向上(しきい値電流の低減、温度特性の向上)が
達成される。 【0022】なお、本実施例では1.3μm波長帯の場
合で説明したが、1.5μmなどの他の波長帯を有する
素子構造についても可能である。また、活性層には6層
の井戸層と5層の障壁層を有する多重量子井戸構造を用
いたが井戸層数、障壁層数に限りはなく、また、多重量
子構造をもたないダブルヘテロ構造(たとえば活性層が
単一の組成のInGaAsP四元混晶層からなるダブル
ヘテロ構造)を用いてもかまわない。また、化合物半導
体としてIII-V族化合物半導体であるInP,InGa
AsPの場合で説明したが、その他のIII-V族化合物半
導体であるGaAs,InGaAs,AlAs,AlG
aAs,AlInGaAs,AlGaInPなどの場合
でも可能である。また、p型不純物にはZnの他にC
d,Mg,Be,Cなど、IV族のn型不純物にはCな
ど、VI族の不純物にはSなどを用いても同様の効果が得
られる。 【0023】 【発明の効果】以上説明したように、本発明による素子
構造を用いれば、上部のガイド層のn型ドーパントにメ
モリー効果のないSiを用いているため、pn接合のシ
フトがなく、かつ、下部のガイド層のn型ドーパントに
Se,SなどのVI族の不純物を用いているため、発光層
の結晶品質の劣化が起こらず高品質の発光層を有するレ
ーザー用結晶が得られるから、高性能の半導体レーザー
を製造することができる。
法、詳しくは化合物半導体電流狭窄層を有する、特性の
良い化合物半導体光素子の製造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】化合物半導体レーザーにおいて発光層を
挟む上部と下部のガイド層へのn型ドーピングによっ
て、しきい値電流の低減、温度特性の向上など素子特性
が向上する(S.Seki et al: IEEE Photonics Technolog
y Letters, Vol.10,pp.200-202,1998)。この素子特性
の向上を達成するためには、該n型ドーピングによって
pn接合位置がp-InPクラッド層とn-InGaAs
Pガイド層の界面からシフトしないこと、発光層の結晶
品質が劣化しないことが必要となる。 【0003】図3、図4に従来の活性層構造を示す。こ
のうち図3は、n型ドーパントにSe,SなどのVI族の
不純物を用いた場合の素子構造の説明図であって、光半
導体素子の活性層周辺の断面図(コンタクト層等の活性
層から離れた部分は図示しない。)を示す。図中10は
n-InP基板、11はSeドープされたn型InGa
AsP四元混晶層(組成波長1.1μm、層厚100n
m)、12は発光波長が1.3μmである発光層、13
はSeドープされたn型InGaAsP四元混晶層(組
成波長1.1μm、層厚100nm)、14はp型(Z
n)ドーピングInPである。矢印15はpn接合位置
を示す。16はSIMS測定結果から推定される活性層
側壁周辺のSeの濃度分布である。17はZnの濃度分
布である。18は後述する本発明の実施例の素子構造よ
り得られるPLスペクトル、19はアンドープInGa
AsPガイド層を下地とする発光層より得られる、比較
のためのPLスペクトルである。 【0004】この図3に示すn型ドーパントにSeを用
いた素子構造のものでは、発光層12の劣化は起こらな
い。このことは、フォトルミネッセンス(PL)におけ
る強度18が、アンドープInGaAsPガイド層を下
地とする発光層の場合19と同等なことからわかる。ま
た、SIMS測定より得られるSe(またはS)の濃度
分布から、Se(またはS)が発光層12に混入してい
るが、発光層12の結晶品質には影響を与えない。 【0005】しかしながら、結晶成長におけるpn接合
成形時にn型ドーピングガスからp型ドーピングガスへ
切り替える際にVI族のn型ドーピングガス16が結晶
成長雰囲気中に残留しやすいために(メモリー効果)、
Se,SなどのN型ドーパントがp-InPクラッド層
14に混入してpn接合15の位置がp-InPクラッ
ド層14とn-InGaAsPガイド層13の界面から
p-InPクラッド層14側にシフトして、レーザー特
性を劣化させることが問題となっていた。 【0006】この問題を改善、つまりpn接合のシフト
を起こらないようにしたのが図4に示す従来例である。
すなわち、この図4はn型ドーパントにSiを用いた場
合の従来の素子構造を説明する図であって、光半導体の
活性層周辺の断面図(コンタクト層などの活性層から離
れた部分は図示しない。)を示す。20はn-InP基
板、21はSiドープされたn型InGaAsP四元混
晶層(組成波長1.1μm、層厚100nm)、22は
発光波長が1.3μmである発光層、23はSiドープ
されたn型InGaAsP四元混晶層(組成波長1.1
μm、層厚100nm)、24はp型(Zn)ドーピン
グInPである。矢印25はpn接合位置を示す。26
はSIMS測定結果から推定される活性層側周辺のSi
の濃度分布、27はZnの濃度分布である。28は本発
明に実施例の素子構造より得られるPLスペクトル、2
9はアンドープInGaAsPガイド層を下地とする発
光層より得られる、比較のためのPLスペクトルであ
る。 【0007】図3に示すように、n型ドーパントにSi
などのIV族の不純物を用いた場合、メモリー効果が起こ
らないため、pn接合25のシフトは生じない。 【0008】しかしながら、1x1018/cm3以上
を発光層の下地となるn-InGaAsPガイド層21
にドープした場合には該ガイド層21の結晶品質の劣化
が起きるため、その上に成長される発光層22を劣化さ
せるので問題となっていた。この発光層22の劣化は図
3に示すようにPL強度28の低下として観測される。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のことに
鑑み提案されたもので、その目的とするところは、pn
接合のシフトは起こらず、かつ発光層の結晶品質の劣化
をも防止した化合物半導体光素子を得ることができる半
導体装置の製造方法を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】この発明は、基板上に、
少なくともn型のクラッド層、不純物濃度が1×10
18/cm3以上のn型の下部ガイド層、発光層、不純
物濃度が1×1018/cm3以上のn型の上部ガイド
層、及びp型のクラッド層を、この順に積層して成る半
導体装置の製造方法において、前記下部ガイド層を成長
する際のドーパントとしてSeもしくはSを用い、前記
上部ガイド層を成長する際のドーパントとしてSiを用
いる構成とし、上記目的を達成している。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の半導体装置においては、
発光層下部のガイド層に発光層の結晶品質の劣化が起こ
らないSe,SなどのVI族のn型ドーパントを用い、か
つ、発光層上部のガイド層にメモリー効果のないSiを
用いて製造することにより、高品質の半導体レーザー結
晶を得ることができるようにしている。 【0012】すなわち、従来の素子構造ではガイド層の
ドープは上部、下部ともに1種類のn型ドーパントによ
りなされていたため、上述の問題があったのに対し、本
発明では、上述のように、発光層下部のガイド層にS
e,SなどのVI族のn型ドーパントを、かつ、発光層
上部のガイド層にSiをドープするようにし、2種類n
型ドーパントを用いることにより、pn接合のシフトの
ない、高品質の発光層を有する、半導体レーザー結晶が
得られる。 【0013】 【実施例】図1は本発明の第1の実施例を説明する図で
あって、光半導体素子の活性層周辺の断面図(コンタク
ト層等の活性層から離れた部分は図示しない。)を示
す。 【0014】この半導体素子は、基板上に少なくともn
型のクラッド層、不純物濃度が1×1018/cm3以
上のn型の下部ガイド層、発光層、不純物濃度が1×1
01 8/cm3以上のn型の上部ガイド層、及びp型の
クラッド層を、順次積層して作製されている。 【0015】すなわち、図中30はn-InP基板、31
は下部のガイド層であるSeドープされたn型InGa
AsP四元混晶層(組成波長1.1μm、層厚100n
m)、32は発光波長が1.3μmである発光層、33
は発光層32の上部のガイド層であるSiドープされた
n型InGaAsP四元混晶層(組成波長1.1μm、
層厚100nm)、34はp型(Zn)ドーピングIn
Pである。矢印35はpn接合位置を示す。36はSI
MS測定結果から推定される活性層側壁周辺のSeの濃
度分布、37はSiの濃度分布、38はZnの濃度分布
である。39は本発明の実施例の素子構造より得られ
る、PLスペクトル、40はアンドープInGaAsP
ガイド層を下地とする発光層より得られる、比較のため
のPLスペクトルである。 【0016】上記において発光層32は6層のInGa
AsP四元混晶量子井戸層(層厚60nm),5層のI
nGaAsP四元混晶障壁層(組成波長1.1μm、層
厚10nm)からなる。 【0017】発光層32の下部はSeやあるいはSなど
のVI族の不純物がドープされたガイド層からなり、また
上部のガイド層のn型ドーパントはSiなどのIV族の不
純物で構成されている。 【0018】この場合、Se,Siのドーピング濃度は
3x1018/cm3 である。 【0019】しかして、上記製造方法によって作製され
た素子は、不純物濃度分布37によりn型不純物Siの
p-InPクラッド層34への混入がなく、すなわち、
pn接合35のシフトが抑制されていることがわかる。
また、PLスペクトル39において良好なPL強度が得
られていることから、発光層が高品質であることがわか
る。 【0020】図4は上記構造を有する1.3μm帯半導
体レーザの25℃と85℃における電流・光出力特性で
あり、図中41は従来構造によるもの(点線)、42は
本発明によるもの(実線)である。従来構造によるもの
では、pn接合位置のシフト、あるいは発光層結晶品質
の劣化のため、しきい値電流の増大、温度特性の低下が
生じる。 【0021】一方、本発明による構造ではpn接合のシ
フトが抑制され、かつ発光層が高品質であるため、素子
特性の向上(しきい値電流の低減、温度特性の向上)が
達成される。 【0022】なお、本実施例では1.3μm波長帯の場
合で説明したが、1.5μmなどの他の波長帯を有する
素子構造についても可能である。また、活性層には6層
の井戸層と5層の障壁層を有する多重量子井戸構造を用
いたが井戸層数、障壁層数に限りはなく、また、多重量
子構造をもたないダブルヘテロ構造(たとえば活性層が
単一の組成のInGaAsP四元混晶層からなるダブル
ヘテロ構造)を用いてもかまわない。また、化合物半導
体としてIII-V族化合物半導体であるInP,InGa
AsPの場合で説明したが、その他のIII-V族化合物半
導体であるGaAs,InGaAs,AlAs,AlG
aAs,AlInGaAs,AlGaInPなどの場合
でも可能である。また、p型不純物にはZnの他にC
d,Mg,Be,Cなど、IV族のn型不純物にはCな
ど、VI族の不純物にはSなどを用いても同様の効果が得
られる。 【0023】 【発明の効果】以上説明したように、本発明による素子
構造を用いれば、上部のガイド層のn型ドーパントにメ
モリー効果のないSiを用いているため、pn接合のシ
フトがなく、かつ、下部のガイド層のn型ドーパントに
Se,SなどのVI族の不純物を用いているため、発光層
の結晶品質の劣化が起こらず高品質の発光層を有するレ
ーザー用結晶が得られるから、高性能の半導体レーザー
を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す。
【図2】 1.3μm帯半導体レーザの25℃と85℃
における電流・光出力特性であって、従来構造のもの
と、本発明によるものとの比較を示す。 【図3】 n型ドーパントにSeを用いた場合の従来の
素子構造の説明図であって、光半導体素子の活性層周辺
の断面図を示す。 【図4】 n型ドーパントにSiを用いた場合の従来の
素子構造を説明する図であって、光半導体素子の活性層
周辺の断面図を示す。 【符号の説明】 30 n-InP基板 31 Seドープされたn型InGaAsP四元混
晶層 32 発光波長1.3μmの発光層 33 Siドープされたn型InGaAsP四元混
晶層 34 p型(Zn)ドーピングInP 35 pn接合位置 36 SIMS測定結果から推定される活性層側壁
周辺のSe濃度分布 37 Si濃度分布 38 Znの濃度分布 39 本発明の実施例の素子構造より得られるPL
スペクトル 40 アンドープInGaAsPガイド層を下地と
する発光層より得られる、比較のためのPLスペクトル 41 1.3μm帯半導体レーザの25℃と85℃
における従来構造の電流・ 光出力特性 42 本発明による電流・光出力特性
における電流・光出力特性であって、従来構造のもの
と、本発明によるものとの比較を示す。 【図3】 n型ドーパントにSeを用いた場合の従来の
素子構造の説明図であって、光半導体素子の活性層周辺
の断面図を示す。 【図4】 n型ドーパントにSiを用いた場合の従来の
素子構造を説明する図であって、光半導体素子の活性層
周辺の断面図を示す。 【符号の説明】 30 n-InP基板 31 Seドープされたn型InGaAsP四元混
晶層 32 発光波長1.3μmの発光層 33 Siドープされたn型InGaAsP四元混
晶層 34 p型(Zn)ドーピングInP 35 pn接合位置 36 SIMS測定結果から推定される活性層側壁
周辺のSe濃度分布 37 Si濃度分布 38 Znの濃度分布 39 本発明の実施例の素子構造より得られるPL
スペクトル 40 アンドープInGaAsPガイド層を下地と
する発光層より得られる、比較のためのPLスペクトル 41 1.3μm帯半導体レーザの25℃と85℃
における従来構造の電流・ 光出力特性 42 本発明による電流・光出力特性
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01S 5/00 - 5/50
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 基板上に、少なくともn型のクラッド
層、不純物濃度が1×1018/cm3以上のn型の下
部ガイド層、発光層、不純物濃度が1×101 8/cm
3以上のn型の上部ガイド層、及びp型のクラッド層
を、この順に積層して成る半導体装置の製造方法におい
て、前記下部ガイド層を成長する際のドーパントとして
SeもしくはSを用い、前記上部ガイド層を成長する際
のドーパントとしてSiを用いることを特徴とした半導
体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19824598A JP3421836B2 (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | 半導体装置の製造方法 |
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JP19824598A JP3421836B2 (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | 半導体装置の製造方法 |
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