JP3421551B2 - 捕集方法及び捕集装置 - Google Patents

捕集方法及び捕集装置

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JP3421551B2 JP25390697A JP25390697A JP3421551B2 JP 3421551 B2 JP3421551 B2 JP 3421551B2 JP 25390697 A JP25390697 A JP 25390697A JP 25390697 A JP25390697 A JP 25390697A JP 3421551 B2 JP3421551 B2 JP 3421551B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気等の気体中に
含まれる酸性又は塩基性化合物の捕集・分析に関わる捕
集方法及び捕集装置に関する。
【0002】
【従来の技術】大気中に時として含まれ得る悪臭物質の
一つとしてアンモニア、アミン類のような塩基性化合物
があり、その臭いは鮮魚類の腐敗臭として知られてい
る。魚腸骨処理工場や化学工場などから発生するアミン
類の悪臭は深刻な問題であり、環境大気の清浄化が望ま
れているが、そのためには気中のアンモニア・アミン類
を捕集・分析する技術の確立が必要である。
【0003】一方、超LSI製造プロセスでは、クリー
ンルーム内の不純物ガスを管理分析する技術の確立が不
可欠となっている。無機イオンの分析には、インピンジ
ャ等で大気中のイオン成分を超純水中に捕集し、それを
イオンクロマトグラフ法(IC)により検出する手法が
用いられている。ところが、今までほとんど重要視され
ていなかった大気中の超微量の有機物による汚染も、半
導体装置の種々の欠陥や超LSI製造工程の歩留まり低
下の原因となることが明らかになり、有機物の検出に関
しても無機物と同レベルの感度が求められるようになっ
た。特に、イオン性有機化合物であるアンモニア、アル
カノールアミン、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミ
ン類は反応性が高く、リソグラフィー工程におけるレジ
スト硬化の障害となるなどの不具合の原因となることが
明らかになってきており、その分析法の開発が特に重要
となっている。
【0004】クリーンルームのアンモニア汚染は、外
気、ウェハ洗浄液、CVD原料ガス等に起因すると考え
られる。また、アミン類は、クリーンルームのボイラー
水の添加剤に含まれている成分や人体から発生する成分
によると考えられる。これらのアンモニアやアミン類が
微量ガスとして半導体製造プロセスの歩留まり低下の一
因となっている。
【0005】アンモニア、アミン類の分析を目的とした
従来の捕集法としては、インピンジャ純水捕集法、ある
いは、硫酸をコーティングした濾紙に空気を通過させる
濾紙吸収法が用いられてきた。しかし、インピンジャ法
では、捕集効率を高めるために超純水を100ml以上と
大量に用いるため、濃縮が困難であった。また、濾紙吸
収法においても、捕集後にホルダーから取り外した濾紙
をビーカーに入れて十分な量の溶媒(直径5cmの濾紙で
10ml〜20ml)に浸して抽出した後に分析装置にかけ
るため、操作中の空気や容器からの汚染の心配があり微
量ガスの高感度検出法としては問題があった。
【0006】このような作業中の汚染を減少させること
ができ、作業すべての自動化を行える装置として、気体
透過膜を利用した拡散スクラバー法とイオンクロマトグ
ラフィーを一体化した装置が開示されている(特開平8
−54380)。この装置を用いることにより、気中濃
度が0.1ppb レベルのアンモニアを20分ごとに自動
でモニタリングすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】気中に含まれるアンモ
ニアやアミンは、気中の酸性物質(例えば塩酸)などと
反応し、粒子状やミスト状で存在していることが多い。
しかし、拡散スクラバー法では、その機構上、粒子やミ
ストを捕集することができない。このため、実際にイン
ピンジャ法及び拡散スクラバー法により同場所での同時
測定を行うと、インピンジャ捕集で検出される濃度の方
が高い結果になることが多い。このような状態では正確
なアンモニア、アミン量を測定することが不可能である
ので、結果的に、インピンジャと併用して用いなければ
ならない。
【0008】また、最近では部品材料からの発生ガスの
試験を行うために、部品材料で非常に小さな箱(15cm
×15cm×15cm程度)を作製し、その中の空気を分析
したいというニーズが生まれている。ところが、インピ
ンジャや拡散スクラバーはサイズが大きく、そのような
小さな箱の中に入れて捕集することができないという問
題点があった。
【0009】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解
決し、大気等の気体に含まれる化合物の高感度分析を可
能とするための捕集方法及び捕集装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意研究を行った結果、気体透過性の
多孔質支持体表面に酸性又は塩基性の固体捕集剤を支持
し、この捕集剤との塩の生成によって塩基性又は酸性の
気体成分を捕集し、塩の溶離及び気体成分のイオン吸着
を介して気体成分を高効率で再捕集することにより高濃
度の測定試料に調製可能であることを見出した。
【0011】本発明の捕集方法は、気中の酸性又は塩基
性の目的物を捕集し該目的物を含んだ試料液を調製する
捕集方法であって、該目的物と塩を生成可能な塩基性又
は酸性の固体捕集剤に該目的物を接触させて塩を生成す
る工程と、該塩を第1の溶剤に溶解する工程と、該塩を
溶解した第1の溶剤にイオン吸着能を有する吸着部材を
接触させて当該目的物を該吸着部材に吸着する工程と、
イオン吸着された当該目的物を第2の溶剤に溶離させる
工程とを有する。
【0012】又、本発明の捕集装置は、気中の酸性又は
塩基性の目的物を捕集し該目的物を含んだ試料液を調製
する捕集装置であって、該目的物と塩を生成可能な塩基
性又は酸性の固体捕集剤が支持体に支持された第1の捕
集部材と、第1の捕集部材に生成した該塩を溶解する第
1の溶離液を第1の捕集部材に供給する第1の溶離手段
と、該塩が溶解した第1の溶離液から当該目的物をイオ
ン吸着により捕集する第2の捕集部材と、第2の捕集部
材に吸着された当該目的物を第2の捕集部材から溶離さ
せる第2の溶離液を第2の捕集部材に供給する第2溶離
手段とを有する。
【0013】上記支持体には、親水化処理を施したフッ
素系樹脂製多孔質フィルタが用いられる。
【0014】上目的物がアンモニア及びアミン化合物か
ら選択される塩基性化合物である場合、上記固体捕集剤
は、ホスホン酸、硫酸、過塩素酸、酒石酸、リン酸、ホ
ウ酸、シュウ酸、アジピン酸、キナルジン酸、クエン
酸、ケイ皮酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロ
ン酸、マンデル酸、リンゴ酸からなる群より選択される
酸性化合物である。
【0015】上記第1の捕集部材は、固体捕集剤をアル
コール溶液に調製し、親水化処理を施したフッ素樹脂フ
ィルタに供給して減圧又は加熱あるいはガスパージによ
り溶媒を除去することによって作製される。
【0016】上記捕集装置を集中自動制御すると共に、
捕集装置によって調製された試料液を検出装置によって
分析したデータを取り込み、データ処理を行う制御部を
添設することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】イオンクロマトグラフを用いてア
ンモニア等を分析する場合、捕捉成分の抽出液をイオン
クロマトグラフに注入する時に装置本体内蔵の濃縮カラ
ムで濃縮し、濃縮された捕捉成分を検出器で検出する方
法が採られる。この方法では、抽出工程でのコンタミネ
ーションが多いこと、内部濃縮装置までの流路が長いた
めに使用する抽出液の量が多くなるために濃縮に時間が
かかることなどが欠点となる。イオンクロマトグラフの
装置外部で濃縮を行うための濃縮装置を有する自動注入
装置も市販されているが、抽出液に吸収した形態で保管
し、自動注入する工程で濃縮する方式であるので、イオ
ンクロマトグラフ内部に濃縮装置を有する場合と同じ欠
点がある。
【0018】本発明においては、第1の捕集部材及び第
2の捕集部材からなる2種の捕集部材が用いられ、第1
の捕集部材は、気中の捕捉対象成分すなわち酸性又は塩
基性気体を捕集するための捕集剤が多孔質支持体に支持
された部材であり、捕集剤は固相を形成する化合物であ
る。第2の捕集部材は、第1の捕集部材によって捕集さ
れた捕捉対象が少量の液に含有された試料を調製するた
めの部材である。第1の捕集部材の捕集剤は、気中の捕
捉対象成分と塩を形成することによってこれらを補集
し、塩を溶解する溶離液の接触よって捕捉対象成分及び
補集剤は溶離液に抽出され、多孔質支持体を離れる。第
2の補集部材は、補集対象成分をイオン吸着作用によっ
て捕捉するもので、塩は形成しない。
【0019】この構成において、捕集性能の優れた固体
捕集剤を用いることにより、捕集された対象成分の全量
を少量の液に濃縮するのが容易であり、捕集対象成分の
捕集、抽出及び濃縮が行われる2種の捕集部材を近接し
て配置することにより、捕集、抽出及び濃縮に用いる溶
離液の量も少量で済む。例えば、本発明を用いるアンモ
ニア分析では使用する純水量を従来技術の1/10以下
の1〜2ml程度にすることが可能であり、従って、バッ
クグランドの少ない高感度分析が可能になる。コンピュ
ーターの採用により自動分析も可能である。
【0020】第1の捕集部材の捕集剤として酸性捕集剤
を用いると、アンモニアやアミン等の塩基性物質が捕捉
され、塩基性捕集剤を用いれば酸性物質が捕捉される。
捕集剤は、常温での安定性、揮発性などの点から不揮発
性である必要があるため、常温で固体のものが用いられ
る。例えば、塩基性の捕捉対象を捕集する酸性捕集剤と
して、ホスホン酸、過塩素酸、酒石酸、ホウ酸、シュウ
酸、アジピン酸、キナルジン酸、クエン酸、ケイ皮酸、
コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル
酸、リンゴ酸などが挙げられる。融点の低い酢酸、ギ酸
等は、捕集剤の寿命が短く、また、空気中に揮散するこ
とによる空気汚染が考えられることから適していない。
このような酸性の捕集剤により捕集可能な捕捉対象であ
る塩基性化合物としては、アンモニア、第1級アミン、
第2級アミン、第3級アミン、第4級アミン、ナトリウ
ム塩、カリウム塩等が挙げられる。本発明において捕集
可能なアミン類は常温常圧で液体や固体であるもので
も、気体中で蒸気圧を持つ、あるいはミスト状のアミン
類でも良い。第1級アミンとしては、メチルアミン、エ
チルアミン、プロピルアミン等の飽和脂肪族第1級アミ
ン、アリルアミン等の不飽和脂肪族第1級アミン、アニ
リン等の芳香族第1級アミンが、第2級アミンとして
は、ジメチルアミン、ジエチルアミン等の飽和脂肪族第
2級アミン、ジアリルアミン等の不飽和脂肪族第2級ア
ミン、メチルアニリン等の芳香族第2級アミン等がそれ
ぞれ挙げられる。第3級アミンとしては、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、メチルピペリジンなどが、第
4級アミンとしては、ベンジルトリメチルアンモニウム
クロリドなどが挙げられる。本発明においては、アンモ
ニアから第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、
第4級アミン、ナトリウム塩、カリウム塩といった気中
のすべての塩基性化合物が捕集可能である。
【0021】酸性の捕捉対象を捕集する塩基性捕集剤と
しては、アルカリ金属水酸化物で、好ましくは水酸化カ
リウム、水酸化カルシウムが挙げられ、塩酸、フッ酸や
酢酸、乳酸、ギ酸などの有機酸が捕捉対象となる。
【0022】上述の捕集剤を支持する多孔質支持体は、
気体を透過する多孔質フィルターが用いられ、この多孔
質素材としては、フッ素系樹脂が優れている。フッ素系
樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FE
P)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(EPE)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合
体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(P
CTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共
重合体(ECTFE)、ポリビニリデンジフルオライド
(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)など
が挙げられる。これらフッ素系樹脂は耐薬品性に優れて
いるため、酸コーティングや有機溶剤による繰り返し抽
出などに耐久性があり、不純物も少ない。但し、これら
のフッ素系樹脂は、共通して非常に撥水性が高い性質が
ある。従って、捕集剤と捕捉対象及び溶離液との接触が
容易であるように、フッ素系樹脂製の多孔質支持体の表
面には親水性を持たせる必要がある。
【0023】上記フッ素樹脂製の多孔質支持体を親水化
処理する方法としては、NaAl(OH)4 水溶液に支
持体を浸した後、ArFレーザを照射する方法、若しく
は低温プラズマ処理を行う方法、アルカリ金属を有機溶
剤に溶かした溶液に浸漬する化学的活性化方法、ポリビ
ニルピロリドンなどの潤湿剤に浸す方法などが挙げられ
る。
【0024】この様に親水化処理を施した多孔質支持体
の表面に酸性の捕集剤の層を形成する方法としては、上
述の酸性捕集剤の溶液を多孔質支持体に通過、若しくは
滴下、若しくは浸漬した後に、減圧若しくは加熱若しく
はガスバージにより溶媒を除去する方法が挙げられる。
このとき、捕集剤層の作製処理に用い得る溶媒として
は、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロパノール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒド
ロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエ
タン等が挙げられるが、酸の溶解性及び溶媒の沸点の低
さを考慮すると、メタノールが最適である。塩基性の捕
集剤の場合も、同様にして層が形成され、この時使用す
る溶剤としては、水、メタノール、エタノール等が好ま
しい。
【0025】多孔質支持体を構成するフッ素樹脂は、表
面が多孔質、つまり、略円形の孔が相互につながり合っ
た孔構造を有しているものがよい。多孔質支持体は、繊
維状のものを編んでフィルタ状にしたもの、もしくは、
チューブ状にしたものなどが用い易い。一般にメンブラ
ンフィルタと呼ばれる多孔質のフィルム状フィルタであ
り、円形に近い孔が相互につながりあった孔構造を持っ
ているものが好ましい。気中の微量成分を捕集する際に
用いるメンブランフィルタの場合、孔径が0.025〜
10μm、膜厚が10〜170μm、直径が5〜50mm
程度のものが良い。また、チューブ状のものとしては、
チューブ外に気体が通過しないようにプラスチックなど
の外管の内側に上記多孔質状の内管を入れた構造が望ま
しい。ここで多孔質が望ましいのは、表面積が大きいた
めである。本発明に用いるチューブの場合、内管の孔径
が0.025〜10μm、膜厚が10〜170μm、内
管の直径が2〜10mm、内管の長さが5mm〜50cm程度
のものが良い。管の長さが長いと捕集効率が高まるが、
ブランクの大きさも高くなるので、10cm程度の長さの
ものが好ましい。又、チューブをスパイラル状、若しく
はジクザク状などに構成すると、被測定大気とチューブ
表面との接触確率が高まり、捕集効率が良い。
【0026】上述の酸性捕集剤層を有する第1の捕集部
材に捕捉対象である塩基性物質を含有する気体を接触さ
せると、気体中の塩基性物質が第1の捕集部材の捕集剤
に捕捉されて塩を形成する。この第1の捕集部材上の塩
は、第1の捕集部材に溶離液(第1の溶離液)を接触さ
せることによって溶離液に溶出させる。溶離液は、塩が
溶出可能であって測定・分析の障害となる物質を含まな
い溶剤であればよく、水性あるいは親水性の溶剤が第1
の溶離液として用いることがができるが、通常は純水が
用いられる。第1の溶離液が第1の捕集部材と接する
と、捕捉対象の塩及び捕集剤が第1の溶離液に溶出す
る。水を溶離液としてアミン塩を溶出する場合では、直
径13mmφのフィルタの場合、2mlの水によって99.
5%以上のアミン塩が溶離液に溶出して回収される。
【0027】第2の捕集部材は、イオン交換樹脂のよう
なイオン吸着能を有する材料で形成され、塩基性捕捉対
象の場合には陽イオン交換樹脂のような陽イオン吸着能
を有する材料が、酸性捕捉対象の場合には陰イオン交換
樹脂のような陰イオン吸着能を有する材料が用いられ
る。第1の捕集部材から溶出した捕捉対象及び捕集剤を
含む第1の溶離液が第2の捕集部材に接すると、捕捉対
象は第2の捕集部材に吸着される。捕捉対象が第2の捕
集部材に吸着された後に第1の溶離液を第2の捕集部材
から除去し、捕捉対象を吸着した第2の捕集部材に、強
酸性基又は強塩基性基を有する溶剤を含んだ溶離液(第
2の溶離液)を接触させることにより、捕捉対象は溶離
液に溶出する。捕捉対象が塩基性の場合にはメチルスル
ホン酸、ジアミノプロピオン酸塩酸塩等の溶剤が、酸性
の捕捉対象の場合にはNa2 CO3、NaHCO3 、シ
アノフェノール等の水性溶液などの溶剤が用いられる。
このようにして捕捉対象が溶出した第2の溶離液を検出
器に導入することによって、捕捉対象が検出される。
【0028】分析方法としては、液体クロマトグラフ
(HPLC)若しくはイオンクロマトグラフ(IC)が
考えられる。例えば、HPLCによる分析の場合、ナト
リウムのような無機物質の分析は不可能であるが、IC
では測定できない炭素数の大きなアミン類の測定が可能
である。この場合、捕集されたアミンは通常は紫外線吸
収に対する感度が低いため、蛍光ラベル化を行うと良
い。
【0029】上述の第1の捕集部材のように、多孔質支
持体の表面に酸性あるいは塩基性の捕集剤の層を形成し
て、気体中の成分を捕捉する方法は極めて効果があり、
特に半導体プロセスにおいて極微量の制御が必要とされ
ているアンモニア、アミン等の塩基性物質の捕集法とし
て有効である。しかしながら、更に高感度化と自動化を
はかるためには、捕捉成分を第1の捕集部材から抽出し
分析する過程における汚染を防止できる自動化システム
が不可欠である。本発明では、抽出から分析にいたる過
程での溶離液を最少量にすることができ、コンタミネー
ションが少なく、濃縮時間も短く、高感度且つ短時間で
測定が可能となるような構成を提示する。これは、例え
ば、以下に示すような装置として実現できる。
【0030】図1は、本発明に係る捕集装置の第1の実
施形態を示す概念図である。この捕集装置1は、第1の
捕集部材3、第2の捕集部材5、第1溶離液貯留容器
7、ドレイン9及び第2溶離液貯留容器11を備え、第
1の捕集部材3及び第2の捕集部材5は、着脱可能なカ
ートリッジとして各々構成される。
【0031】第1の捕集部材3は、上流側において、切
り替えバルブ13を介してイオン吸着カラム15、第1
溶離液貯留容器7及び送液ポンプ17に接続され、下流
側において切り替えバルブ19に接続される。この実施
形態においては第1溶離液として純水が用いられ、第1
の捕集部材3と第1溶離液貯留容器7との間にイオン吸
着カラム15が配置されることにより、第1溶離液であ
る純水中のイオン性不純物を除去でき、コンタミネーシ
ョンを低減できる。
【0032】切り替えバルブ19は、イオンクロマトグ
ラフなどの検出装置D及び第2の捕集部材5に接続され
る。更に、第2の捕集部材5は、切り替えバルブ21を
介してドレイン9と第2溶離液貯留容器11及び送液ポ
ンプ23に接続される。切り替えバルブ13,19,2
1の切り替え動作及び送液ポンプ17,23の作動はコ
ンピュータ(図示省略)により自動的に行われる。切り
替えバルブ13,19,21は、三方切り替えバルブ等
の通常用いられる切り替えバルブを適宜使用する。
【0033】捕捉対象の捕集のために、まず、被測定対
象気体が第1の捕集部材3を通過して第1の捕集部材3
上の酸性あるいは塩基性の捕集剤と捕捉対象が反応して
塩を生成するように切り替えバルブ13を切り替え、所
定量の被測定対象気体を流入させる。次に、第1の捕集
部材3を第1溶離液貯留容器6側に接続し、ポンプ17
を作動させて、第1溶離液を第1溶離液貯留容器7から
イオン吸着カラム5を通して第1の捕集部材3へ供給す
る。第1の補集部材3上の塩及び補集剤は第1溶離液に
溶出してイオンに解離した後、第2の補集部材5に接触
し、捕捉対象は第2の補集部材5にイオン吸着される。
補集剤は第1溶離液と共にドレインに排出される。この
時、第1溶離液の流量制御はコンピューターによって送
液ポンプ17の駆動時間及び切り替えバルブ13を制御
することによって行う。
【0034】所定時間経過後、バルブ切り替えが行わ
れ、送液ポンプ23により第2溶離液貯留容器11の第
2溶離液が切り替えバルブ21を経て第2の捕集部材5
へ供給される。第2溶離液は、第2の補集部材5にイオ
ン吸着されている捕捉対象を溶離させ、切り替えバルブ
19を経て、検出器(分析器)Dに注入されると同時に
検出器Dでの分析が開始される。
【0035】第1の捕集部材と第2の捕集部材とが近接
して配置され、検出器Dへの経路が短く設定されること
により、第1溶離液及び第2溶離液を多量に用いること
が回避される。
【0036】図1の補集装置1の第1の捕集部材3が着
脱可能なカートリッジとして構成された一例を図2に示
す。このカートリッジ25は、第1の捕集部材3が取り
付けられる円筒形の捕集室27と、捕集室27に連通す
る流入口29及び排出口31を有する。第1の捕集部材
3は、円盤形の多孔質支持体33と、この上流側の一面
に支持された捕集剤35とからなり、カートリッジ25
が捕集装置1に装着されると、分析する気体及び第1の
溶離液が流入口29から捕集室27内に流入するように
構成されている。カートリッジはポリプロピレン等のプ
ラスチックで形成される。分析する気体が補集室27に
流入すると、気体内の捕捉対象が捕集剤35と塩を形成
し、捕捉対象が除去された気体が多孔質支持体33を通
じて排出口31より排出される。この後、第1溶離液が
流入口29から捕集室27へ供給されると、捕捉対象の
塩及び捕集剤は第1溶離液に溶出し、多孔質支持体33
を通じて排出口31から送出され、第2の捕集部材5へ
供給される。
【0037】本発明の第1の捕集部材及び第2の捕集部
材は、1つのカートリッジ内に設けることも可能であ
る。この場合の捕集装置の一例を以下に示す。
【0038】図3は、本発明に係る捕集装置41の第2
の実施形態を示し、この捕集装置41では1つの着脱可
能なカートリッジ43に収容された第1の捕集部材3’
及び第2の捕集部材5’を使用する。
【0039】この捕集装置41は、第1の捕集部材
3’、第2の捕集部材5’、第1溶離液貯留容器7、ド
レイン9及び第2溶離液貯留容器11を備え、第1の捕
集部材3’の配置が図1の捕集装置1と異なる。即ち、
第1の捕集部材3’は、一側において、切り替えバルブ
13,19を介してイオン吸着カラム15、第1溶離液
貯留容器7及び送液ポンプ17に接続され、他側におい
て、第2の捕集部材5’に接続されるように配置され
る。イオン吸着カラム15によってイオン性不純物が除
去された第1溶離液が第1の捕集部材3’に供給され、
第1溶離液のコンタミネーションが低減される。
【0040】切り替えバルブ19は、イオンクロマトグ
ラフなどの検出装置D及びカートリッジ43の第1の捕
集部材3’に接続される。更に、第2の捕集部材5’
は、切り替えバルブ21を介してドレイン9と第2溶離
液貯留容器11及び送液ポンプ23に接続される。切り
替えバルブ13,19,21の切り替え動作及び送液ポ
ンプ17,23の作動はコンピュータ(図示省略)によ
り自動的に行われる。
【0041】捕捉対象の捕集のために、まず、被測定対
象気体が第1の捕集部材3’を通過して第1の捕集部材
3’上の酸性あるいは塩基性の捕集剤と捕捉対象が反応
して塩を生成するように切り替えバルブ13,19を切
り替え、所定量の被測定対象気体を流入させる。次に、
第1の捕集部材3’を第1溶離液貯留容器7に接続し、
ポンプ17を作動させて、第1溶離液を第1溶離液貯留
容器7からイオン吸着カラム5を通して第1の捕集部材
3’へ供給する。第1の補集部材3’上の塩及び補集剤
は第1溶離液に溶出してイオンに解離した後、第2の補
集部材5’に接触し、捕捉対象は第2の補集部材5’に
イオン吸着される。補集剤は第1溶離液と共にドレイン
9に排出される。この時、第1溶離液の流量制御はコン
ピューターによって送液ポンプ17の駆動時間及び切り
替えバルブ13を制御することによって行う。
【0042】所定時間経過後、バルブ切り替えが行わ
れ、送液ポンプ23により第2溶離液貯留容器11の第
2溶離液が切り替えバルブ21を経て第2の捕集部材
5’へ供給される。第2溶離液は、第2の補集部材5’
にイオン吸着されている捕捉対象を溶離させ、捕集剤が
なくなった第1の捕集部材3’及び切り替えバルブ19
を経て、検出器Dに注入されると同時に検出器Dでの分
析が開始される。
【0043】図3の補集装置41の第1の捕集部材3’
及び第2の捕集部材5’が着脱可能なカートリッジとし
て構成された一例を図4に示す。このカートリッジ43
は、第1の捕集部材3’が取り付けられる円筒形の第1
捕集室45と、第2の捕集部材5’が取り付けられる円
筒形の第2捕集室47と、第1捕集室45に連通する第
1口49と第2捕集室に連通する第2口51を有する。
第2捕集室47は第1捕集室45より小径に形成され、
同軸状に配置される。第1の捕集部材3’は、円盤形の
多孔質支持体53と、この第1口49側の一面に支持さ
れた捕集剤55とからなり、カートリッジ43が捕集装
置41に装着されると、分析する気体及び第1の溶離液
が第1口49から第1捕集室45内に流入するように構
成されている。分析する気体が第1補集室45に流入す
ると、気体内の捕捉対象が捕集剤55と塩を形成し、捕
捉対象が除去された気体が多孔質支持体53及び第2の
捕集部材5’を通じて第2口31より排出される。この
後、第1溶離液が流入口49から第1捕集室45へ供給
されると、捕捉対象の塩及び捕集剤は第1溶離液に溶出
し、多孔質支持体53を通って第2の捕集部材5’へ供
給される。捕捉対象は第2の捕集部材5’にイオン吸着
され、捕集材は第2口51からカートリッジ43外へ排
出される。この後、第2溶離液が第2口51から供給さ
れると、第2捕集部材5’上の捕捉対象は第2溶離液に
溶出し、捕集剤のなくなった多孔質支持体53を通って
第1口49から排出され、検出器Dへ送出される。
【0044】図3及び図4に示す構成は、第1の捕集部
材と第2の捕集部材とが1つのカートリッジに収めら
れ、捕捉対象が塩基性であれば、酸性捕集剤を有する第
1の捕集部材と陽イオン吸着能を有する第2の捕集部材
とが組み込まれ、酸性の捕捉対象の場合には塩基性捕集
剤を有する第1の捕集部材と陰イオン吸着能を有する第
2の捕集部材とが組み込まれる。従って、カートリッジ
を交換することによって容易に捕捉対象を変更すること
ができる。
【0045】上述のカートリッジ25及び43は、捕集
装置1、41とは別体の気体サンプラーを用いて捕捉対
象の捕集を行った後に捕集装置1、41に装着してもよ
い。このようにすると、カートリッジの交換によって多
数の気体サンプルについて連続的に捕集・濃縮及び分析
が行えるので、分析操作が効率的に行える。又、図1及
び3の捕集装置1、41において、複数のカートリッジ
を並列に配置して順次接続を切り替えられるように構成
してもよい。あるいは、図3の捕集装置41において、
酸性及び塩基性の捕捉対象用の1対のカートリッジを切
り替えバルブ19、21間に並列に接続できるように構
成し、切り替えバルブ19、21の切り替えによって順
次酸性及び塩基性の捕捉対象の測定を行えるようにして
もよい。
【0046】本発明においては、拡散スクラバー法では
分析不可能であったミスト状や粒子状のアミン類も捕集
可能となる他、拡散スクラバー法よりも測定用試料液を
調整するのに用いる溶離液が少量で済み、測定用試料液
の調製時間の短縮が可能である。また、使用後のカート
リッジに再度捕集剤の溶液を供給して多孔性支持体上に
捕集剤を載せることにより乾燥することにより第1の捕
集部材を再生することができるので、廉価である。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0048】なお、本発明による分析は以下の機器等を
用いて行った。
【0049】 [高速液体クロマトグラフィ(HPLC)] ウォーターズ社製HPLC610Eシステム カラム:(財)化学品検査協会製(商品名L−カラムO
DS)(4.6mmφ×250mm) カラム温度:40℃、流速1ml/分、 移動相溶媒:アセトニトリル/水=45/55 注入量:20μl/1回 検出器:ウォーターズ社製474スキャニング蛍光検出
器(励起波長450nm、蛍光波長530nm) [試薬]アセトニトリル、水、メタノール:和光純薬
(株)製高速液体クロマトグラフ用溶媒 NBD−F:同人化学(株)製 その他の試薬:和光純薬(株)製を用いた。
【0050】標準アミンの濃度:メチルアミン=4μg
/ml、エチルアミン=5μg/ml、プロピルアミン=7
μg/ml 内部標準:ブチルアミン濃度=7μg/ml バッファー溶液:ホウ酸バッファー/メタノール溶液
(pH8.5) [ポンプ] 柴田化学(株)製ミニポンプ(MP−603P) [ディスポーザブルメンブランフィルタ] 東洋濾紙(株)、13HP020AN 直径:13mmφ、孔径:0.2μm、厚さ35μm、 材質:親水性PTFE、ハウジング材料:ポリプロピレ
ン [イオンクロマト] 装置:Dionex DX−100 ガードカラム:CG−12、分離カラム:CA−12 濃縮カラム:CG−12 溶離液:メタンスルホン酸(10mM)、流速:1.0
(ml/分) 検出器:電気伝導度検出器 (実施例1)−フィルタ捕集、回収試験− 上記ディスポーザブルフィルタカートリッジにシリンジ
を用いてメタノール5mlを通液した後、0.3%酒石酸
メタノール溶液1mlを通液し、デシケータ内に入れ、真
空ポンプで1時間減圧乾燥した。減圧の解放時には、高
純度窒素で置換した。
【0051】上述のように準備した2個のカートリッジ
を直列に接続し、これに接続した管の中に配置したガラ
スウールに混合アミン10μlを展着し、2L/分で窒
素300Lをガラスウールに吹き込み、ガラスウールを
通過した窒素気流を2個のカートリッジに通した。
【0052】その後、カートリッジを2.5mg/mlのN
BD−F/バッファー溶液1mlで溶出し、内部標準物質
としてブチルアミン10μlを添加し、70℃で15分
反応させた後、HPLC測定を行った。アミンをそのま
まサンプル瓶にとり、ラベル化反応させたピークの面積
を100%捕集として計算を行った。結果を表1に示
す。
【0053】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− カートリッジ アミン回収率(%) メチルアミン エチルアミン プロピルアミン −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1つ目 97.6 101.0 97.7 2つ目 1.87 0.00 0.91 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 0.3%の酒石酸をコーティングすることにより、アミ
ンが98〜100%の回収率で得られることが判明し
た。抽出液量は1mlで十分であった。
【0054】(実施例2)−水によるアンモニア回収試
験− 上記カートリッジをメタノール5mlで洗浄した後、0.
3%酒石酸メタノール溶液1mlを通過させた。真空ポン
プを用いて、デシケータ内で30分間乾燥し、メタノー
ルを除去した。
【0055】25%アンモニア水溶液をメタノールで希
釈して25μg/mlメタノール溶液を作製した。この溶
液40μlを実施例1と同様に直列に接続した2個のカ
ートリッジにつなげた管内に配置したガラスウールにの
せ、2L/分の割合で大気を150分間通気した。
【0056】その後、1つ目のカートリッジに純水を1
mlずつ3回供給してカートリッジからアンモニアを回収
した。
【0057】他方、標準として、純水1mlに直接上記ア
ンモニア溶液40μlを添加したサンプルを3個作製
し、これを基準として、カートリッジから回収したアン
モニアの回収率を算出した。この結果を表2に示す。
【0058】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− アンモニア回収率(%) 1ml目 2ml目 3ml目 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1回目 94.3 5.3 0.4 2回目 95.6 3.9 0.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0059】水による回収の場合、抽出液量2mlで9
9.5%以上の回収率が得られた。つまりイオンクロマ
トに導入する際の溶出液は2mlで十分であり、今までの
インピンジャ法に比べ、気中の捕捉対象を捕集するのに
必要な液量を減少させて100倍以上の高濃度とするこ
とができる。
【0060】(実施例3)−インピンジャ法との比較− クリーンルームにおける大気中物質の実測定を以下のよ
うに行った。
【0061】まず、実施例1と同様の方法で0.3%酒
石酸メタノールによる処理を行った親水性PTFEカー
トリッジを捕集部材として用いた。大気捕集用ポンプを
用い、流速1.1L/分で120分間大気を捕集した。
サンプリング後、捕集部材に2mg/mlNBD−Fホウ酸
バッファー(pH8.52)溶液1mlを加え、内部標準
としてブチルアミン5μlを添加し、60℃で15分間
加熱を行い、HPLCによる測定を行った。尚、メチル
プロパノールアミンによる検量線を同様の操作を行って
HPLCによる測定を繰り返すことにより作成した。
【0062】他方、インピンジャ法では、バブリングに
より純水140ml中に大気を2L/分の割合で120分
間吸引して大気480l中のガスを吸収し、イオンクロ
マトグラフ法で捕集された物質を測定した。結果を表3
に示す。
【0063】
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 積算流量 サンプリングによる気中検出濃度(気中ppb ) メチルプロパノールアミン アンモニア (L) 本法 インピンジャ法 本法 インピンジャ法 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− クリーン ルームA 203 16.7 13.0 8.0 8.1 クリーン ルームB 114 1.0 0.87 1.3 1.4 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 同時に捕集したインピンジャ法と比較して、測定値はほ
ぼ一致した。親水性PTFEカートリッジを用いると、
ブランク値はアンモニア、メチルプロパノールアミンと
もに十分低く、イオンクロマトグラフ法を利用した時の
検出下限はそれぞれ0.06及び0.07[気中pp
b]となり、検出能力は高かった。
【0064】(実施例4)上記ディスポーザブルフィル
タカートリッジにシリンジを用いてメタノール5mlを通
液した後、0.3%酒石酸メタノール溶液1mlを通液
し、デシケータ内に入れ、真空ポンプで1時間減圧乾燥
した。減圧の解放時には、高純度窒素で置換した。この
カートリッジを図1の構成を有する捕集装置1にカート
リッジ25として組み込んで、以下の操作を行った。捕
集装置1の第2の捕集部材5には陽イオン交換樹脂カラ
ム(スチレンビニル共重合体−スルホン酸型、交換容
量:2g)を用いた。
【0065】第1溶離液貯留容器7に純水を投入し、第
2溶離液貯留容器11に10mMメタンスルホン酸水溶
液を投入した。実施例3で測定したクリーンルームA中
の空気を2L/分の速度で30分間カートリッジ25に
流入させた後に、送液ポンプ17を作動させて第1溶離
液貯留容器7から2mlの純水を一定速度でカートリッジ
25に供給した。水はカートリッジ25を通過し、第2
の捕集部材5を通ってドレイン9に排出された。この
後、切り替えバルブ19、21を切り替えて、送液ポン
プ23を作動させて第2溶離液貯留容器11から10m
Mメタンスルホン酸水溶液1mlを第2の捕集部材5へ供
給した。第2の捕集部材5を通過したメタンスルホン酸
水溶液は切り替えバルブ19からイオンクロマトグラフ
検出器へ送られ分析された。分析結果を表4に示す。
【0066】本法の捕集剤は簡単な操作で作製でき、イ
ンピンジャ法と比較して小型で運びやすく取り扱いが容
易である。また、少量の純水で抽出可能であることか
ら、IC測定の際の濃縮時間が低減できる。本法では、
揮発性のアンモニアやアミン類が第1捕集部材表面で塩
を作った状態で捕集されているため、長期保存も安定で
あり、長距離のサンプル輸送も問題なく行える。また、
捕集したアンモニアやアミン類はメタノール等の有機溶
剤で抽出することも可能であるため、イオンクロマトだ
けではなく、HPLCやGCなどの多種の分析を行うこ
とができる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、気体中の酸性又は塩基
性の化合物を効率よく捕集し、高濃度に濃縮できるた
め、塩基性化合物の高感度分析に最適である。従って、
室内、室外、クリーンルーム等におけるアンモニア、ア
ミン類等に関する環境管理が良好となり、レジスト処理
等の半導体製造工程の歩留まりが向上し、高品位の半導
体装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の捕集装置の第1の実施の形態を示す概
略構成図である。
【図2】図1の捕集装置に用いられるカートリッジの一
例を示す概略構成図。
【図3】本発明の捕集装置の第2の実施の形態を示す概
略構成図である。
【図4】図3の捕集装置に用いられるカートリッジの一
例を示す概略構成図。
【符号の説明】
1,41 捕集装置 3,3’ 第1の捕集部材 5,5’ 第2の捕集部材 7 第1溶離液貯留容器 9 ドレイン 11 第2溶離液貯留容器 13,19,21 切り替えバルブ 15 イオン吸着カラム 17,23 送液ポンプ 25,43 カートリッジ 27 捕集室 29 流入口 31 排出口 33,53 多孔質支持体 35,55 捕集剤 45,47 第1捕集室,第2捕集室 49,51 第1口,第2口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−54380(JP,A) 特開 平11−262659(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 1/00 - 1/44 B01J 20/00 - 20/34 G01N 30/00 - 30/96 EUROPAT(QUESTEL) JICSTファイル(JOIS)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気中の酸性又は塩基性の目的物を捕集し
    該目的物を含んだ試料液を調製する捕集方法であって、
    該目的物と塩を生成可能な塩基性又は酸性の固体捕集剤
    に該目的物を接触させて塩を生成する第1の接触工程
    と、該塩を第1の溶剤で溶解する第1の溶離工程と、イ
    オン吸着により該目的物を吸着可能な吸着材に該塩を含
    んだ第1の溶剤を接触させて当該目的物を該吸着材に吸
    着する第2の接触工程と、イオン吸着された当該目的物
    を第2の溶剤に溶離する第2の溶離工程とを有すること
    を特徴とする捕集方法。
  2. 【請求項2】 前記目的物が塩基性の時は、該固体捕集
    剤は酸性を有し、該吸着材は陽イオン交換体であり、前
    記目的物が酸性の時は、該固体捕集剤は塩基性を有し、
    該吸着剤は陰イオン交換体である請求項1記載の捕集方
    法。
  3. 【請求項3】 前記塩基性の目的物は、アンモニア、第
    1アミン、第2アミン、第3アミン、4級アミン、ナト
    リウム塩及びカリウム塩からなる群より選ばれる物質で
    あり、前記固体捕集剤は、ホスホン酸、過塩素酸、酒石
    酸、ホウ酸、シュウ酸、アジピン酸、キナルジン酸、ク
    エン酸、ケイ皮酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、
    マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸からなる群より選ばれ
    る酸性物質を含む請求項2記載の捕集方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の接触工程の前に、親水性担体
    に該固体捕集剤の層を形成する工程を有し、該親水性担
    体は、PTFE、PFA、FEP、EPE、ETFE、
    PCTFE、ECTFE、PVDF、PVFからなる群
    より選ばれる親水性化処理した弗素プラスチック製の多
    孔質フィルターである請求項1〜3のいずれかに記載の
    捕集方法。
  5. 【請求項5】 第1の溶剤は、水及び親水性アルコール
    からなる群より選択される該塩を溶離可能な親水性流体
    であり、第2の溶剤は、強酸性基又は強塩基性基を有す
    る溶剤であり、第2の溶剤は、メチルスルホン酸、ジア
    ミノプロピオン酸塩酸塩、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸
    水素ナトリウム水溶液、シアノフェノール水溶液からな
    る群より選ばれる請求項1〜4のいずれかに記載の捕集
    方法。
  6. 【請求項6】 気中の酸性又は塩基性の目的物を捕集し
    て該目的物を含んだ試料液を調製するために使用する捕
    集部材であって、親水性化処理した弗素プラスチック製
    の多孔質の担体と、入口及び出口を有し該担体を支持し
    覆うケースと、該担体上で捕集部材に供給された気中の
    該目的物と塩を形成する酸性の捕集剤とを有することを
    特徴とする捕集部材。
  7. 【請求項7】 気中の酸性又は塩基性の目的物を捕集し
    該目的物を含んだ試料液を調製する捕集装置であって、
    該目的物と塩を生成可能な塩基性又は酸性の固体捕集剤
    が支持体に支持された第1の捕集部材と、該第1の捕集
    部材に生成した塩を溶解する第1の溶剤を該第1の捕集
    部材に供給する第1の溶離手段と、塩が溶解した該第1
    の溶剤から当該目的物をイオン吸着により捕集する第2
    の捕集部材と、第2の捕集部材に吸着された当該目的物
    を該第2の捕集部材から溶離させる第2の溶剤を該第2
    の捕集部材に供給する第2の溶離手段とを有することを
    特徴とする捕集装置。
  8. 【請求項8】 前記捕集剤は、ホスホン酸、過塩素酸、
    酒石酸、ホウ酸、シュウ酸、アジピン酸、キナルジン
    酸、クエン酸、ケイ皮酸、コハク酸、フマル酸、マレイ
    ン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸からなる群より
    選ばれる酸性物質を有し、前記第2の捕集部材は陽イオ
    ン交換体を有することにより、前記目的物として、アン
    モニア、1級アミン、2級アミン、3級アミン、4級ア
    ミン、ナトリウム塩及びカリウム塩からなる群より選ば
    れる塩基性を有する物質が捕集される請求項7記載の捕
    集装置。
  9. 【請求項9】 前記捕集剤は塩基性物質を有し、前記第
    2の捕集部材は陰イオン交換体を有することにより、前
    記目的物として酸性物質を有する物質が捕集される請求
    項7記載の捕集装置。
  10. 【請求項10】 前記担体は、PTFE、PFA、FE
    P、EPE、ETFE、PCTFE、ECTFE、PV
    DF、PVFからなる群より選ばれる親水性化処理した
    弗素プラスチック製の親水性多孔質フィルターである請
    求項7〜9のいずれかに記載の捕集装置。
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