JP3418431B2 - 電気二重層キャパシタ及びその製造方法 - Google Patents

電気二重層キャパシタ及びその製造方法

Info

Publication number
JP3418431B2
JP3418431B2 JP23140093A JP23140093A JP3418431B2 JP 3418431 B2 JP3418431 B2 JP 3418431B2 JP 23140093 A JP23140093 A JP 23140093A JP 23140093 A JP23140093 A JP 23140093A JP 3418431 B2 JP3418431 B2 JP 3418431B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric double
rubber
double layer
electrolyte
lithium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP23140093A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0786096A (ja
Inventor
一郎 棚橋
常男 三露
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP23140093A priority Critical patent/JP3418431B2/ja
Publication of JPH0786096A publication Critical patent/JPH0786096A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3418431B2 publication Critical patent/JP3418431B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Landscapes

  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全固体の小型大容量の
電気二重層キャパシタ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体メモリーバックアップ用の
小型電源として電気二重層キャパシタが広く使用される
ようになってきた。そして、電解液の漏液がなく、自己
放電の小さなより信頼性の高いキャパシタの開発が望ま
れている。
【0003】この分野における従来の技術としては、
(1)電解質に、金属イオン伝導性を有する多結晶体の
固体電解質を用いるキャパシタとして、例えば特開昭5
3−61053号公報に開示されたものがある。具体的
には、電解質として銅イオン伝導性を有する固体電解質
を用いられている。
【0004】また、(2)電解液に、電気化学的に安定
な電解質塩を溶解した有機溶媒を用い、分極性電極に活
性炭粉末を用いたものとして、例えば特開昭49−68
254号公報に開示されたものがある。具体的には、電
解質としてテトラアルキルアンモニウムの過塩素酸塩を
プロピレンカーボネート等の有機溶媒に溶解した有機電
解液が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記(1)の
ような構成の電気二重層キャパシタでは、多結晶体の固
体電解質の分解電圧が0.6V以下と低いためにキャパ
シタの耐電圧を高めることが困難であり、さらに、固体
電解質の電気伝導度も十分大きくないために内部抵抗が
小さく、放電特性の優れたキャパシタを得ることは困難
であった。
【0006】また、前記(2)のような有機電解液を用
いた場合には、電解液の漏液を完全に防止することは困
難であり、また、広い温度範囲で信頼性の高いキャパシ
タを作製することは困難であった。
【0007】本発明は、前記課題を解決し、従来よりも
分解電圧が高く、内部抵抗の小さなさらに漏液のない信
頼性の高い電気二重層キャパシタ及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る第1発明の電気二重層キャパシタは、
電解質としてゴムマトリックスと有機溶媒と電解質塩と
からなるゴム状イオン伝導性電解質を用い、正極と負極
の分極性電極として活性炭を用いるという構成を備えた
ものである。
【0009】また、本発明に係る第2発明の電気二重層
キャパシタは、電解質としてゴムマトリックスと有機溶
媒と電解質塩とからなるゴム状イオン伝導性電解質を用
い、正極の分極性電極として活性炭を用い、負極の非分
極性電極としてリチウム又はリチウムを吸蔵、放出でき
る金属を用いるという構成を備えたものである。
【0010】
【0011】
【0012】また、前記第1又は第2の構成において
は、有機溶媒がプロピレンカーボネート、ガンマブチル
ラクトン、あるいはこれらの混合溶媒から選ばれる一つ
であるのが好ましい。
【0013】また、前記第1又は第2の構成において
は、電解質塩が過塩素酸テトラエチルアンモニウム、ホ
ウフッ化テトラエチルアンモニウム、過塩素酸リチウム
から選ばれる一つであるのが好ましい。
【0014】また、前記第1又は第2の構成において
は、分極性電極がフェノール系、ピッチ系、ポリアクリ
ロニトリル(PAN)系の粉末状あるいは繊維状の活性
炭から選ばれる一つであるのが好ましい。
【0015】また、前記第2の構成においては、リチウ
ムを吸蔵、放出できる金属が亜鉛、ビスマス、スズ、
鉛、カドミウム、インジウムから選ばれる一つの金属単
体又は上記金属における組合せ可能な種々の合金である
のが好ましい。
【0016】また、本発明に係る電気二重層キャパシタ
の第1の製造方法は、電解質塩とゴムラテックス又は熱
可塑性エラストマーとを混合して固化させ、さらに有機
溶媒を添加してゴム状イオン伝導性電解質を形成し、こ
のゴム状イオン伝導性電解質を介して活性炭からなる分
極性電極を相対向させ、さらに分極性電極に金属又は導
電性樹脂からなる集電体を形成することを特徴とする。
【0017】また、本発明に係る電気二重層キャパシタ
の第2の製造方法は、リチウムの電解質塩とゴムラテッ
クス又は熱可塑性エラストマーとを混合して固化させ、
さらに有機溶媒を添加してゴム状イオン伝導性電解質を
形成し、このゴム状イオン伝導性電解質を介して活性炭
からなる正極の分極性電極とリチウム又はリチウムを吸
蔵、放出できる金属からなる負極の非分極性電極を相対
向させ、さらに正極と負極に金属又は導電性樹脂からな
る集電体を形成することを特徴とする。
【0018】また、前記第1又は第2の製造方法の構成
においては、熱可塑性エラストマーがポリスチレン系、
ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、
ポリアミドから選ばれる一つであるのが好ましい。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【作用】前記本発明の第1発明の構成によれば、電解質
としてゴムマトリックスと有機溶媒と電解質塩とからな
るゴム状イオン伝導性電解質を用いるものであるため
に、分解電圧が高くなり、また、結晶化していないゴム
マトリックス中では、結晶中よりもイオンが動き易いた
めに内部抵抗を小さくすることができ、さらに、ゴム状
イオン伝導性電解質は巨視的には固体であるために漏液
のない信頼性の高いものとなる。また、正極と負極の分
極性電極に活性炭を用いているため、電気化学的反応は
起こらず、特に腐食反応が生じることはない。従って、
電気化学的反応によって劣化するような部分もなく、信
頼性の高い電気二重層キャパシタを実現することができ
る。
【0024】また、前記本発明の第2発明の構成によれ
ば、正極の分極性電極に活性炭を、負極の非分極性電極
にリチウム又はリチウムを吸蔵、放出できる金属を用い
ているために、電気二重層容量がより大きく(例えば、
第1発明に比べて2倍程度)、かつ、信頼性の高い電気
二重層キャパシタを実現することができる。
【0025】また、前記第1又は第2の構成において
解質塩が過塩素酸テトラエチルアンモニウム、ホウフ
ッ化テトラエチルアンモニウム、過塩素酸リチウムから
選ばれる一つであるという好ましい構成によれば、内部
抵抗を特に小さくすることができると共に、漏液の完全
防止を図ることができる。
【0026】また、前記第1又は第2の構成において、
分極性電極がフェノール系、ピッチ系、ポリアクリロニ
トリル(PAN)系の粉末状あるいは繊維状の活性炭か
ら選ばれる一つであるという好ましい構成によれば、こ
れらの活性炭が、椰子殻炭に比べて純度が高く、しかも
比表面積が約2倍以上もあるために、電気二重層容量を
さらに大きくすることができると共に、信頼性を高める
ことができる。
【0027】また、前記第2の構成において、リチウム
を吸蔵、放出できる金属が亜鉛、ビスマス、スズ、鉛、
カドミウム、インジウムから選ばれる一つの金属単体又
は上記金属における組合せ可能な種々の合金であるとい
う好ましい構成によれば、充放電特性を向上させ、さら
に、信頼性を高めることができる。
【0028】また、前記本発明の第1又は第2の製造方
法によれば、前記第1又は第2の構成を有する電気二重
層キャパシタを効率良く合理的に作製することができ
る。
【0029】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。本発明で用いるゴム状イオン伝導性電解質
は、ゴムマトリックスと有機溶媒とイオン伝導性を有す
る電解質塩との混合物であり、特に限定されるものでは
なく、種々のゴムマトリックスと有機溶媒と電解質を用
いることができる。特に、ゴムマトリックスとしては、
化学的に安定であることから、天然ゴム、スチレン−ブ
タジエン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重
合体、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリエステ
ル系、ポリウレタン系、あるいはポリアミド等を用いる
のが好ましい。また、有機溶媒としては、電気化学的に
安定で、沸点が高いことから、プロピレンカーボネー
ト、ガンマブチルラクトン、あるいはこれらの混合溶媒
等を用いるのが好ましい。また、電解質塩としては、電
気化学的に安定で、電気伝導度が大きいことから、過塩
素酸テトラエチルアンモニウム、ホウフッ化テトラエチ
ルアンモニウム、過塩素酸リチウム等を用いるのが好ま
しい。
【0030】ゴム状イオン伝導性電解質として、上記し
たゴムマトリックスと有機溶媒と電解質塩とを組み合せ
たものを用いると、室温で10-3S・cm-1以上の電気
伝導度を示す。
【0031】本発明で用いるゴム状イオン伝導性電解質
の形態としては、シート状のものが好ましく、より具体
的には、塗布法等によって500〜1000μm程度の
膜厚にしたものが好ましい。
【0032】また、本発明で分極性電極として用いる活
性炭は、特に限定されるものではなく、各種の活性炭を
用いることができる。形態としては、微粒子状のものが
好ましく、より具体的には、5〜100μmの粒径のも
のが好ましい。また、繊維状のものを用いることもでき
る。
【0033】特に、フェノール系、ピッチ系、ポリアク
リロニトリル系の粉末状あるいは繊維状の活性炭を用い
れば、椰子殻炭に比べて比表面積を2倍以上の2000
2-1に高めることができ、さらに細孔径も2〜4n
mの範囲に制御することができるため、電気二重層容量
を大きくすることができる。
【0034】また、本発明の第2発明における負極の非
分極性電極としては、リチウム又はリチウムを吸蔵、放
出できる金属、あるいは銀を用いるのが好ましい。特
に、リチウムを吸蔵、放出できる金属として亜鉛、ビス
マス、スズ、鉛、カドニウム、インジウムから選ばれる
一つの金属単体又は上記金属における組合せ可能な種々
の合金を用いれば、電気二重層キャパシタの充放電特性
を向上させることができる。
【0035】以下に具体的実施例を挙げて、本発明をよ
り詳細に説明する。 (実施例1)天然ゴムに対し0.5モルの過塩素酸テト
ラエチルアンモニウムを溶解させ、この混合溶液を室温
で固化させた後、40℃で3時間わたって乾燥すること
により、膜厚500μmのゴム状シートを作製した。さ
らに、このシートを乾燥雰囲気下でプロピレンカーボネ
ート溶液に浸漬して溶液を吸収させた後、表面に付着し
た余分な溶液を取り除き、ゴム状イオン伝導性電解質を
作製した。このゴム状イオン伝導性電解質の電気伝導度
は、室温で4×10-3S・cm-1であった。また、分極
性電極としては、比表面積が2000m2 -1のフェノ
ール系活性炭粒子(平均粒径20μm)を用いた。
【0036】また、天然ゴムに対し0.5モルの過塩素
酸テトラエチルアンモニウムと活性炭粒子を混合し、室
温で固化させ、40℃で3時間にわたって乾燥すること
により、活性炭粒子と天然ゴムとがそれぞれ50対50
の重量比で混合された膜厚500μmの分極性電極を作
製した。さらに、このシートを乾燥雰囲気下でプロピレ
ンカーボネート溶液に浸漬して溶液を吸収させた後、表
面に付着した余分な溶液を取り除き、40℃で3時間に
わたって乾燥した。
【0037】以上のようにして作製したゴム状のイオン
伝導性電解質シートと分極性電極とを用いて、コイン型
電気二重層キャパシタを構成した。その概略断面図を図
1に示す。図1において、1、2は分極性電極、3、4
はステンレス鋼製メッシュからなる集電体、5はゴム状
のイオン伝導性電解質である。
【0038】イオン伝導性電解質5を介して集電体3、
4を相対向させ、ケーシングの上部部材6(封口板)、
下部部材7(ケース)をポリプロピレン製パッキング8
を介してカシメ封口した。上部部材6と下部部材7には
ステンレス鋼を用いた。尚、上記一連の工程は、乾燥雰
囲気下で行った。
【0039】このキャパシタを2.0Vで充電した後、
10μAで定電流放電したところ、電気容量0.2F、
インピーダンス210Ωを得た。また、70℃の雰囲気
下で常時2.0Vを印加したところ、初期容量に対する
1000時間後の容量減少率は19%であった。
【0040】尚、ゴムマトリックスとして、天然ゴムの
代わりにスチレン−ブタジエン共重合体、ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体を用いても、上記とほぼ同等
の特性を示すキャパシタを作製することができた。
【0041】また、有機溶媒として、プロピレンカーボ
ネートの代わりにガンマブチルラクトン、あるいはプロ
ピレンカーボネートとガンマブチルラクトンとの混合溶
媒を用いても、上記とほぼ同等の特性を示すキャパシタ
を作製することができた。
【0042】また、電解質塩として、過塩素酸テトラエ
チルアンモニウムの代わりにホウフッ化テトラエチルア
ンモニウム、過塩素酸リチウムを用いても、上記とほぼ
同等の特性を示すキャパシタを作製することができた。
【0043】さらに、フェノール系活性炭粒子の代わり
にピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN)系の活性
炭粒子を用いても、上記キャパシタとほぼ同等の特性を
示した。
【0044】一方、従来のテトラアルキルアンモニウム
の過塩素酸塩をプロピレンカーボネートの有機溶媒に溶
解した有機電解液を用いた同様な構造のコイン型電気二
重層キャパシタを作製し、70℃の雰囲気下で常時2.
0Vを印加したところ、初期容量に対する1000時間
後の容量減少率は28%であった。また、この試験終了
後、従来のキャパシタの0.9%に漏液が見られた。
【0045】(実施例2)上記実施例1と同様にして、
ポリスチレンエラストマー(硬質相ポリスチレン、軟質
相ポリブタジエン)に対し0.5モルの過塩素酸テトラ
エチルアンモニウムを溶解させ、この混合溶液を室温で
固化させ、40℃で3時間にわたって乾燥することによ
り、500μmの膜厚を有するゴム状シートを作製し
た。さらに、このシートを乾燥雰囲気下でプロピレンカ
ーボネート溶液に浸漬して溶液を吸収させた後、表面に
付着した余分な溶液を取り除き、40℃で3時間にわた
って乾燥した。このゴム状イオン伝導性電解質の電気伝
導度は、室温で8×10-3S・cm-1であった。また、
分極性電極としては、比表面積が2000m2 -1のフ
ェノール系活性炭粒子(平均粒径20μm)を用いた。
【0046】また、ポリスチレンエラストマーに対し
0.5モルの過塩素酸テトラエチルアンモニウムと活性
炭粒子を混合し、室温で固化させ、40℃で3時間にわ
たって乾燥することにより、活性炭粒子とポリスチレン
エラストマーがそれぞれ50対50の重量比で混合され
た膜厚500μmの分極性電極を作製した。さらに、こ
のシートを乾燥雰囲気下でプロピレンカーボネート溶液
に浸漬して溶液を吸収させた後、表面に付着した余分な
溶液を取り除き、40℃で3時間にわたって乾燥した。
【0047】以上のようにして作製したゴム状のイオン
伝導性電解質シートと分極性電極とを用いて、図1と同
様なコイン型電気二重層キャパシタを構成した。尚、上
記一連の工程は、乾燥雰囲気下で行った。
【0048】このキャパシタを2.0Vで充電した後
に、10μAで定電流放電したところ、電気容量0.2
3F、インピーダンス110Ωを得た。また、70℃の
雰囲気下で常時2.0Vを印加したところ、初期容量に
対する1000時間後の容量減少率は16%であった。
【0049】尚、熱可塑性エラストマーとして、ポリス
チレン系の代わりにポリオレフィン系(硬質相ポリエチ
レン、軟質相ブチルゴム)、ポリエステル系(硬質相ポ
リエステル、軟質相ポリエーテル)、ポリウレタン系
(硬質相ウレタン、軟質相ポリエーテル)、あるいはポ
リアミド(硬質相ポリアミド、軟質相ポリエーテル)を
用いても、上記とほぼ同等の特性を示すキャパシタを作
製することができた。
【0050】また、有機溶媒として、プロピレンカーボ
ネートの代わりにガンマブチルラクトン、あるいはプロ
ピレンカーボネートとガンマブチルラクトンとの混合溶
媒を用いても、上記とほぼ同等の特性を示すキャパシタ
を作製することができた。
【0051】また、電解質塩として、過塩素酸テトラエ
チルアンモニウムの代わりにホウフッ化テトラエチルア
ンモニウム、過塩素酸リチウムを用いても、上記とほぼ
同等の特性を示すキャパシタを作製することができた。
【0052】さらに、フェノール系活性炭粒子の代わり
にピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN)系の活性
炭粒子を用いても、上記キャパシタとほぼ同等の特性を
示した。
【0053】一方、従来のテトラアルキルアンモニウム
の過塩素酸塩をプロピレンカーボネートの有機溶媒に溶
解した有機電解液を用いて同様な構造のコイン型電気二
重層キャパシタを作製し、70℃の雰囲気下で常時2.
0Vを印加したところ、初期容量に対する1000時間
後の容量減少率は28%であった。また、この試験終了
後、従来のキャパシタの0.9%に漏液が見られた。
【0054】(実施例3)上記実施例2と同様にして、
ポリスチレンエラストマー(硬質相ポリスチレン、軟質
相ポリブタジエン)に対し0.5モルの過塩素酸リチウ
ムを溶解させ、この混合溶液を室温で固化させ、40℃
で3時間にわたって乾燥することにより、500μmの
膜厚を有するゴム状シートを作製した。さらに、このシ
ートを乾燥雰囲気下でプロピレンカーボネート溶液に浸
漬して溶液を吸収させた後、表面に付着した余分な溶液
を取り除き、40℃で3時間にわたって乾燥した。この
ゴム状イオン伝導性電解質の電気伝導度は、室温で8.
6×10-3S・cm-1であった。また、分極性電極とし
ては、比表面積が2000m2 -1のフェノール系活性
炭粒子(平均粒径20μm)を用いた。
【0055】また、ポリスチレンエラストマーに対し
0.5モルの過塩素酸リチウムと活性炭粒子を混合し、
室温で固化することにより、活性炭粒子とポリスチレン
エラストマーとがそれぞれ50対50の重量比で混合さ
れた厚さ500μmの分極性電極を作製した。さらに、
このシートを乾燥雰囲気下でプロピレンカーボネート溶
液に浸漬して溶液を吸収させた後、表面に付着した余分
な溶液を取り除き、40℃で3時間にわたって乾燥し
た。
【0056】以上のようにして作製した活性炭粒子とポ
リスチレンエラストマーからなる正極と厚み100μm
のリチウム金属箔からなる負極を用いて、コイン型電気
二重層キャパシタを構成した。その概略断面図を図2に
示す。図2において、9はゴム状イオン伝導性電解質と
活性炭との混合体からなる正極、3、4はステンレス鋼
製メッシュからなる集電体、10はリチウム金属箔から
なる負極である。
【0057】ゴム状イオン伝導性電解質5を介して集電
体3、4を相対向させ、ケーシングの上部部材6(封口
板)、下部部材7(ケース)をポリプロピレン製パッキ
ング8を介してカシメ封口した。上部部材6と下部部材
7にはステンレス鋼を用いた。尚、上記一連の工程は、
乾燥雰囲気下で行った。
【0058】このキャパシタを2.4Vで充電した後
に、10μAで定電流放電したところ、電気容量0.4
5F、インピーダンス150Ωを得た。また、70℃の
雰囲気下で常時2.4Vを印加したところ、初期容量に
対する1000時間後の容量減少率は14%であった。
【0059】尚、熱可塑性エラストマーとして、ポリス
チレン系の代わりにポリオレフィン系(硬質相ポリエチ
レン、軟質相ブチルゴム)、ポリエステル系(硬質相ポ
リエステル、軟質相ポリエーテル)、ポリウレタン系
(硬質相ウレタン、軟質相ポリエーテル)、あるいはポ
リアミド(硬質相ポリアミド、軟質相ポリエーテル)を
用いても、上記とほぼ同等の特性を示すキャパシタを作
製することができた。
【0060】また、有機溶媒として、プロピレンカーボ
ネートの代わりにガンマブチルラクトン、あるいはプロ
ピレンカーボネートとガンマブチルラクトンの混合溶媒
を用いても、上記とほぼ同等な特性を示すキャパシタを
作製することができた。
【0061】また、電解質塩として、過塩素酸リチウム
の代わりにホウフッ化テトラエチルアンモニウム、過塩
素酸テトラエチルアンモニウムを用いても、上記とほぼ
同等の特性を示すキャパシタを作製することができた。
【0062】(実施例4)上記実施例3の厚み300μ
mのリチウム金属箔負極の代わりにPb(75%)−C
d(25%)からなる合金(100mg)にリチウム金
属(10mg)を電気化学的に合金化した負極を用いて
キャパシタを構成した。その他の構成は図2と同様であ
る。
【0063】このキャパシタを2.4Vで充電した後
に、10μAで定電流放電したところ、容量0.46
F、インピーダンス170Ωを得た。また、70℃の雰
囲気下で常時3.0Vを印加したところ、初期容量に対
する1000時間後の容量減少率は13%であった。さ
らに、このキャパシタを2〜3Vの電圧範囲で1000
回充放電を繰り返したところ、容量は初期値に比べて5
%だけ低下した。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1発明
の構成によれば、電解質としてゴムマトリックスと有機
溶媒と電解質塩とからなるゴム状イオン伝導性電解質を
用いるものであるために、分解電圧が高くなり、また、
結晶化していないゴムマトリックス中では、結晶中より
もイオンが動き易いために内部抵抗を小さくすることが
でき、さらに、ゴム状イオン伝導性電解質は巨視的には
固体であるために漏液のない信頼性の高いものとなる。
また、正極と負極の分極性電極に活性炭を用いているた
め、電気化学的反応は起こらず、特に腐食反応が生じる
ことはない。従って、電気化学的反応によって劣化する
ような部分もなく、信頼性の高い電気二重層キャパシタ
を実現することができる。
【0065】また、本発明の第2発明の構成によれば、
正極の分極性電極に活性炭を、負極の非分極性電極にリ
チウム又はリチウムを吸蔵、放出できる金属を用いてい
るために、電気二重層容量がより大きく(例えば、第1
発明に比べて2倍程度)、かつ、信頼性の高い電気二重
層キャパシタを実現することができる。
【0066】また、前記第1又は第2の構成において
解質塩が過塩素酸テトラエチルアンモニウム、ホウフ
ッ化テトラエチルアンモニウム、過塩素酸リチウムから
選ばれる一つであるという好ましい構成によれば、内部
抵抗を特に小さくすることができると共に、漏液の完全
防止を図ることができる。
【0067】また、前記第1又は第2の構成において、
分極性電極がフェノール系、ピッチ系、ポリアクリロニ
トリル(PAN)系の粉末状あるいは繊維状の活性炭か
ら選ばれる一つであるという好ましい構成によれば、こ
れらの活性炭が、椰子殻炭に比べて純度が高く、しかも
比表面積が約2倍以上もあるために、電気二重層容量を
さらに大きくすることができると共に、信頼性を高める
ことができる。
【0068】また、前記第2の構成において、リチウム
を吸蔵、放出できる金属が亜鉛、ビスマス、スズ、鉛、
カドミウム、インジウムから選ばれる一つの金属単体又
は上記金属における組合せ可能な種々の合金であるとい
う好ましい構成によれば、充放電特性を向上させ、さら
に、信頼性を高めることができる。
【0069】また、前記本発明の第1又は第2の製造方
法によれば、前記第1又は第2の構成を有する電気二重
層キャパシタを効率良く合理的に作製することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気二重層キャパシタの一実施例
を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係る電気二重層キャパシタの他の実施
例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1、2 分極性電極とゴム状イオン電解質の混合体 3、4 集電体 5 ゴム状イオン伝導性電解質 6 上部部材(封口板) 7 下部部材(ケース) 8 パッキング 9 正極 10 負極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−179711(JP,A) 特開 平5−211111(JP,A) 特開 昭60−167280(JP,A) 特開 平2−38451(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/038 H01G 9/058

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質としてゴムマトリックスと有機溶
    媒と電解質塩とからなるゴム状イオン伝導性電解質を用
    い、正極と負極の分極性電極として活性炭を用いる電気
    二重層キャパシタ。
  2. 【請求項2】 電解質としてゴムマトリックスと有機溶
    媒と電解質塩とからなるゴム状イオン伝導性電解質を用
    い、正極の分極性電極として活性炭を用い、負極の非分
    極性電極としてリチウム又はリチウムを吸蔵、放出でき
    る金属を用いる電気二重層キャパシタ。
  3. 【請求項3】 電解質塩とゴムラテックス又は熱可塑性
    エラストマーとを混合して固化させ、さらに有機溶媒を
    添加してゴム状イオン伝導性電解質を形成し、このゴム
    状イオン伝導性電解質を介して活性炭からなる分極性電
    極を相対向させ、さらに分極性電極に金属又は導電性樹
    脂からなる集電体を形成する電気二重層キャパシタの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 リチウムの電解質塩とゴムラテックス又
    は熱可塑性エラストマーとを混合して固化させ、さらに
    有機溶媒を添加してゴム状イオン伝導性電解質を形成
    し、このゴム状イオン伝導性電解質を介して活性炭から
    なる正極の分極性電極とリチウム又はリチウムを吸蔵、
    放出できる金属からなる負極の非分極性電極を相対向さ
    せ、さらに正極と負極に金属又は導電性樹脂からなる集
    電体を形成する電気二重層キャパシタの製造方法。
  5. 【請求項5】 ゴムラテックスが天然ゴム、スチレン−
    ブタジエン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共
    重合体から選ばれる一つである請求項3は4に記載の
    電気二重層キャパシタの製造方法。
  6. 【請求項6】 熱可塑性エラストマーがポリスチレン
    系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン
    系、ポリアミドから選ばれる一つである請求項3は4
    に記載の電気二重層キャパシタの製造方法。
  7. 【請求項7】 有機溶媒がプロピレンカーボネート、ガ
    ンマブチルラクトン、あるいはこれらの混合溶媒から選
    ばれる一つである請求項1は2に記載の電気二重層キ
    ャパシタ。
  8. 【請求項8】 電解質塩が過塩素酸テトラエチルアンモ
    ニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、過塩素
    酸リチウムから選ばれる一つである請求項1は2に記
    載の電気二重層キャパシタ。
  9. 【請求項9】 分極性電極がフェノール系、ピッチ系、
    ポリアクリロニトリル(PAN)系の粉末状あるいは繊
    維状の活性炭から選ばれる一つである請求項1は2に
    記載の電気二重層キャパシタ。
  10. 【請求項10】 リチウムを吸蔵、放出できる金属が亜
    鉛、ビスマス、スズ、鉛、カドニウム、インジウムから
    選ばれる一つの金属単体又は上記金属における組合せ可
    な合金である請求項2に記載の電気二重層キャパシ
    タ。
JP23140093A 1993-09-17 1993-09-17 電気二重層キャパシタ及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3418431B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23140093A JP3418431B2 (ja) 1993-09-17 1993-09-17 電気二重層キャパシタ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23140093A JP3418431B2 (ja) 1993-09-17 1993-09-17 電気二重層キャパシタ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0786096A JPH0786096A (ja) 1995-03-31
JP3418431B2 true JP3418431B2 (ja) 2003-06-23

Family

ID=16923016

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23140093A Expired - Fee Related JP3418431B2 (ja) 1993-09-17 1993-09-17 電気二重層キャパシタ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3418431B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997025728A1 (fr) * 1996-01-12 1997-07-17 Nippon Zeon Co., Ltd. Collecteur pour condensateur electrique double couche
JP3436189B2 (ja) * 1999-06-21 2003-08-11 日本電気株式会社 電気二重層コンデンサおよびその製造方法
KR100733391B1 (ko) * 2005-05-04 2007-06-29 주식회사 네스캡 전기에너지 저장 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0786096A (ja) 1995-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Sarangapani et al. Materials for electrochemical capacitors: theoretical and experimental constraints
US5688614A (en) Electrochemical cell having a polymer electrolyte
KR100863562B1 (ko) 유기 전해질 커패시터
EP2169756B1 (en) Lithium secondary battery
CN100364166C (zh) 用于电化学件的膏状物质和由此制成的层制品及电化学件
KR101571191B1 (ko) 에너지 저장 디바이스를 위한 전극 구조체
US20220029242A1 (en) Method for producing a solid electrolyte membrane or an anode, and solid electrolyte membrane or anode
US8310811B2 (en) Positive electrode active material for lithium ion electric storage device, and lithium ion electric storage device using the same
JPH097896A (ja) 電気二重層キャパシタ
EP2850678B1 (en) An apparatus and associated methods
JP3418431B2 (ja) 電気二重層キャパシタ及びその製造方法
JP2541342B2 (ja) ハイブリット電池
JPH06302472A (ja) 電気二重層キャパシタ及びその製造方法
JP3167781B2 (ja) 電気二重層コンデンサー
US20130095376A1 (en) Electrode active material for secondary battery and secondary battery
US20130070390A1 (en) Electrode active material, method for preparing the same, and electrochemical capacitor including the same
JP3800810B2 (ja) 電気二重層キャパシター
Yong et al. Flexible Textile Zinc Ion Supercapacitor
JP2008258205A (ja) 電気二重層キャパシタ用電極の製造方法
JP3422406B2 (ja) 電気二重層キャパシタ
JPH07240233A (ja) 高分子固体電解質リチウム二次電池
JPH0782839B2 (ja) 二次電池負極
KR102317345B1 (ko) 전지용 전해질 및 그 제조방법.
JPH08222485A (ja) 電気二重層キャパシタ
JPH09275041A (ja) 電気二重層キャパシタ

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080411

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090411

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100411

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120411

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees