JP3418286B2 - 掘進機 - Google Patents
掘進機Info
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Description
鉱における沿層坑道などを形成する掘進機に関するもの
である。
て図13に示すような長壁式採炭法が知られている。こ
の長壁式採炭法は、採掘対象の炭層1の両側に並行な沿
層坑道2,3を掘削すると共に、その先端間を結んで先
端坑道4を掘削し、その先端坑道4にカッターローダ
(ドラムカッタ)などの掘削機械を設置して、先端坑道
4の長壁を手前側(図中矢印a方向)に切り崩し、沿層
坑道2,3にかき出してベルトコンベヤなどで搬出する
ものである。
は、図14に示すような坑道掘進機(コンティニュアス
マイナー)5が公知である。この坑道掘進機5は、機本
体6の前方に延出されたブーム7の先端に円錐台状の掘
削ヘッド8が設けられ、そのブーム7を上下或いは左右
に旋回させることで、所定の断面形状に掘削するように
なっている。掘削した石炭や岩石(ズリ)は、機体前部
に設けられた積込装置9で掻き寄せられ、機体中央を後
方に延びるコンベヤ10で移送されて、後方にて追従走
行する運搬車両11に積み込まれるようになっている。
この坑道掘進機5は、通常作業者により運転され、クロ
ーラ12で走行する。
道掘進機5は、掘削ヘッド8の大きさが掘削すべき断面
に比べて小さいので、掘進能率が悪いという問題があっ
た。また掘削された坑道2,3,4は、天盤及び側壁に
ロックボルトを打ち込んで支持保全されるようになって
いるが、坑道掘進機7の運転者の安全を確保するため
に、少し掘り進んで掘削ヘッド8の運転を停止してロッ
クボルトを打ち込み、その後、掘削ヘッド8の運転を再
開して掘削するといった施工手順を踏まざるを得ない。
従って掘進速度はさらに遅くなり、沿層坑道2,3が数
キロに及ぶ場合は、採炭工程全体のうちの多くの時間を
坑道掘進に割かねばならなかった。
岳トンネル等にも実績のあるシールド掘進機を利用し、
沿層坑道2,3の全断面掘削、及びロックボルト施工を
並行した掘削を行うことが考えられる。しかしながらこ
の種のシールド掘進機は、トンネル壁に建て込まれるセ
グメントに反力をとって推進するようになっているの
で、覆工を行わない坑道掘進にそのまま適用することは
できない。また坑道掘進機は、計画長(炭層)の先端ま
で掘進したなら、その沿層坑道内を通って戻って来なけ
ればならないが、シールド掘進機には後退の機能が備わ
っていないので、回収は極めて困難である。仮に沿層坑
道2,3の先端側に放置するとなると、炭層毎に掘進機
を用意しなければならず、設備費が過大となって現実的
でなく、到底採用し難い。
本発明は、坑道を形成すべく、地山を所定の断面形状に
掘削するカッタと、該カッタにより形成された坑道の周
壁を支えるフレームとを備えた掘進機において、フレー
ムを掘進方向前後に分割した前方部フレームと後方部フ
レームとで形成し、その前方部フレームと後方部フレー
ムとを、周方向に適宜分割すると共に拡縮用ジャッキに
て坑道に対して拡縮自在に形成し、前方部フレームに、
掘削時の径より径が短くなることが可能なように形成さ
れたカッタを設け、前方部フレームと後方部フレーム間
に、所定の推進力を与えるための伸縮手段を設け、掘進
時に、前方部フレームを縮径すると共に後方部フレーム
を拡径して伸縮手段にて前方部フレームを介して上記カ
ッタに押圧力を与えて掘削し、伸縮手段の伸張後、前方
部フレームを拡径すると共に後方部フレームを縮径して
伸縮手段を縮退させて後方部フレームを前方部フレーム
に引き寄せて掘進し、掘進後に、前方部と後方部フレー
ムを縮径すると共にカッタの径を短くして坑道に対して
後退可能としたものであり、後方部フレームには、後方
部フレームが前方部フレームに引き寄せられたときに坑
道にロックボルトを挿入するためのボルト挿入装置が備
えられていることが好ましい。前方部フレームと後方部
フレームとは、坑道の床面に接すると共に機本体を構成
する本体フレームと、坑道の天盤を支える上部フレーム
と、側壁を支える側部フレームとで拡縮自在に形成され
ることが好ましい。本体フレームと上部フレームとは、
坑道に接する面が扁平に形成され、左右の側部フレーム
は、坑道に接する面が円弧状に形成されることが好まし
い。前方部フレームに、カッタにより形成された坑道の
天盤に沿ってカッタ前方へ移動自在な覆部材が備えられ
ることが好ましい。更に覆部材が、前方部フレームの上
部フレームに移動自在に設けられることが好ましい。
ムと後方部フレームに分割すると共にカッタを縮径可能
とし、この前方部フレームと後方部フレームとを周方向
に適宜分割すると共に拡縮用ジャッキで拡縮自在に形成
し、前方部フレームと後方部フレーム間に伸縮手段を設
けることで、掘削推進時には、後方部フレームを拡径し
て坑道に圧接させ、前方部フレームを縮径させること
で、後方部フレームで推進反力を受けながら、伸縮手段
を伸張させてカッタに押圧力を与えて掘削することがで
き、また伸縮手段が伸張後は、前方部フレームを拡径さ
せると共に後方部フレームを縮径させて伸縮手段を縮退
させることで、後方部フレームを前方部フレームに引き
寄せることができ、これを繰り返すことにより、坑道で
掘進時の反力を受けながら、沿層坑道等の全断面掘削が
行えると共に、掘進作業能率の向上が達成される。また
掘削後は、前方部フレームと後方部フレームとを縮径さ
せ、カッタを掘削時の径より短くした状態にして、掘削
した坑道内を通して容易に後方に搬出することができ
る。
図面に従って説明する。
層坑道を掘削形成する掘進機として適用した場合を示し
たものである。この掘進機は、正面視で左右方向に長い
長円形の断面形状に地山(炭層又は岩盤)14を掘削す
るカッタ21と、カッタ21の後方に連ねられて、掘削
形成された沿層坑道2,3の周壁を支えるフレーム22
とにより主として構成されている。
れ、その前方部フレーム23及び後方部フレーム24が
略同様に、沿層坑道2,3の床面15に接すると共に機
本体を構成する本体フレーム25と、天盤13を支える
上部フレーム26と、側壁を支える左右の側部フレーム
27,28とで構成されている。そしてこれらフレーム
25…28は、周方向に所定の間隔を以て隔てられ、カ
ッタ21による掘削断面に略相応した外形(長円形)を
呈するようになっている。すなわち上部フレーム26
は、横断面が直線状の上板29を有して、全体が偏平に
組み立てられ、側部フレーム27,28は横断面が円弧
状の外側板30,31を有して組み立てられている。本
体フレーム25は、横断面が直線状の底板32を有して
長方形状に形成された下部33と、下部33の両側の長
手方向前後にそれぞれ立設された鉛直部34と、鉛直部
34の上端間を結ぶ上横部35及び上縦部36とで成
り、全体が略直方体状に組み立てられている。また本体
フレーム25の前端には、カッタ21側と隔てるための
隔壁37が取り付けられている。
6及び側部フレーム27,28との間には、それぞれ拡
縮用ジャッキ38,39が設けられ、機体内方へ縮径で
きるようになっていると共に、その拡縮を案内するガイ
ド40,41が設けられている。上部フレーム26のた
めの拡縮用ジャッキ38は、図8にも示すように、本体
フレーム25の左右それぞれの上縦部36の前後に、シ
リンダ42が鉛直方向に取り付けられ、シリンダ42か
ら出没されるピストンロッド43の先端が上部フレーム
26の下面に連結されている。すなわち上部フレーム2
6は、上部フレーム26の下面と、本体フレーム25の
上縦部36の上面との距離を限度とした所定の昇降範囲
で、移動自在となっている。そしてガイド40は、図7
及び図9に示すように、各鉛直部34の上端に立設され
た筒体44と、筒体44と同軸に上部フレーム26から
垂下された柱体45とで成り、柱体45が筒体44内を
摺動することで、上部フレーム26の昇降を案内するよ
うになっている。また左右の側部フレーム27,28の
ための拡縮用ジャッキ39は、本体フレーム25の両側
の前後及び上下にそれぞれ設けられ、図9に示したよう
に、ジャッキ本体46が鉛直部34の上下に、そのピス
トンロッド47の先端が側部フレーム27,28の内面
にそれぞれに取り付けられている。そしてガイド41
は、拡縮用ジャッキ39の近傍に並設され、図7に示し
たように、側部フレーム27,28の内面から水平に突
出された柱部48と、鉛直部34内に区画されて柱部4
8を摺動させる筒部49とで形成されている。
24との間には、掘進に必要な所定の推進力を与えるた
めの伸縮手段である推進ジャッキ50が設けられてい
る。この推進ジャッキ50は、本体フレーム25の上下
左右の四隅の位置に配置され、ジャッキ本体51が後方
部フレーム24の下部33及び上縦部52に、その長手
方向に沿って設けられている。このため特に上縦部52
は、推進ジャッキ50を充分支持できるように、前方部
フレーム23の上縦部36よりも若干堅牢に形成されて
いる。また後方部フレーム24の左右の拡縮用ジャッキ
39及びガイド41は、この推進ジャッキ50と干渉し
ない位置に設けられている。そして推進ジャッキ50の
ピストンロッド53の先端は、前方部フレーム23の本
体フレーム25の後端に着脱自在に連結されている。す
なわち推進ジャッキ50が、拡縮用ジャッキ38,39
の駆動によるフレーム拡縮と適宜連動して伸縮駆動され
ることにより、後方部フレーム24に反力をとって前方
部フレーム23及びカッタ21を前進させると共に、前
進した前方部フレーム23に対して後方部フレーム24
を引き寄せるようになっている。
それぞれ掘進方向の軸回りに回転する左右一対のメイン
カッタ61,62と、メインカッタ61,62により切
り残された部分(図中二点鎖線内Q)を掘削するための
上下一対のトリミングカッタ63,64とで構成されて
いる。メインカッタ61,62は、回転軸となるシャフ
ト65と、シャフト65から放射状に延びた三本のスポ
ーク66と、スポーク66の長手方向に所定の間隔で前
方に突出されたビット(カッターピック)67とで構成
されている。なおシャフト65の前端にもビット68が
円弧状に植設されている。またこのシャフト65に水噴
射用ノズルを設けて、切羽に対して粉塵抑止及び切削火
花防止のための噴霧を噴射させるようにしてもよい。そ
して左右のメインカッタ61,62は、そのスポーク6
6が同一平面上に、且つ一方のスポーク66が他方のス
ポーク66の中間に入り込むような位相関係で並設され
ている。
後方に延出されて本体フレーム26の鉛直部34に軸支
されていると共に、その延出端にギヤ69が設けられて
いる。このギヤ69は、本体フレーム26の下部33に
載置された電動モータ70のギヤ71に噛合されてい
る。ギヤ71と電動モータ70との間には減速機72が
設けられている。すなわち電動モータ70の回転力が一
対のメインカッタ61,62に適宜伝達され、これらが
互いに反対方向に回転駆動されて、前方の切羽に対して
掘削を行うようになっている。そして図3に示したよう
に、スポーク66の外周端側66aは、着脱可能に分割
され、フレーム22の縮径に相応して短くなるように形
成されている。この分割構造としては、例えばスポーク
66の分割面73を凹凸に形成して嵌め合わせるように
し、ボルト・ナット(図示せず)にて締結するようにす
ればよい。なお図3では、縮径時に上方或いは左右に突
出するスポーク66だけを分割可能な構造として示した
が、全スポーク66を短縮可能としても構わない。
74が設けられ、掘削した石炭或いは岩石を掬い取っ
て、シュート75を経由して搬出用のコンベヤ76に投
入されるようになっている。シュート75は左右のメイ
ンカッタ61,62に対応して二基設けられ、機体中央
側に下降傾斜されている。コンベヤ76は、図1に示し
たように、シュート75の下方且つ前方側に位置された
ローラ77に巻き掛けられた無端ベルト78にて形成さ
れている。そして図8に示したように、無端ベルト78
は、本体フレーム25内に適宜配置されたガイドローラ
79により搬送面側が支えられて、若干上昇したのち水
平に後方へ延びて、機体後方に位置された図示しない別
のコンベヤ或いは運搬車両に、掘削した石炭或いは岩石
を搬送するようになっている。
さのカッタ本体80と、その長手方向に沿って所定の間
隔で植設されたビット81とで鋸ぎり状に形成され、メ
インカッタ61,62のバケット74の後方近傍におい
て、前方部フレーム23の前端に設けられている。すな
わち上側のトリミングカッタ63が上部フレーム26
に、下側のトリミングカッタ64が本体フレーム25の
下部33にそれぞれ配置されている。図5にも示すよう
に、カッタ本体80は、箱状のブラケット部材82にビ
ット81の部分のみが露出する状態で収容され、左右方
向に伸びたガイドロッド83に移動ブロック84を介し
て支持されている。ガイドロッド83は、ブラケット部
材82の左右側板82aに両端が支持されている。移動
ブロック84は、ガイドロッド83に嵌合されてその長
手方向に摺動自在となっている。移動ブロック84には
復動シリンダ85が連結されている。復動シリンダ85
は、ガイドロッド83と平行に設けられ、そのシリンダ
本体85aの基端がブラケット部材82の後部の基板8
2bにブラケット86を介して支持され、ピストンロッ
ド85bの先端がブラケット87を介して移動ブロック
84に連結されている。すなわち復動シリンダ85の伸
縮により、トリミングカッタ63,64が左右方向に往
復するようになっている。なおその復動範囲は、ガイド
ロッド83に設けられたストッパ83aによって規制さ
れている。
82には、トリミングカッタ63,64を機体の内方及
び外方に適宜移動させるためのアクチュエータ88が設
けられている。アクチュエータ88は、シリンダ部88
aの基端がブラケット89を介して下フレーム33或い
は上部フレーム26の内側に軸支され、ピストンロッド
88bの先端が基板82bの背面側にブラケット90を
介して軸支されている。そしてその軸支点の近傍には、
基板82bをブラケット91を介してフレーム33,2
6に支持するための支軸92が左右方向に設けられてい
る。すなわちアクチュエータ88の伸縮駆動によりブラ
ケット部材82を支軸92を中心に俯仰させることで、
トリミングカッタ63,64を機体の内外方に移動自在
としている。従って、図6中(a)に示したように、通
常の掘削においてはトリミングカッタ63,64のビッ
ト方向を鉛直方向に対して所定の角度θに、例えば45度
に保持すると共に、必要に応じてアクチュエータ88を
縮退させて、図6中(b)に示したようにブラケット部
材82を図中時計回りに回転移動させることで、ビット
81を機体内方に向けると共に、ブラケット部材82全
体を機体内方に位置させるようになっている。また例え
ば余掘り量の調整や屈曲掘進を行うときは、アクチュエ
ータ88を上下両方或いは一方を常時よりも伸長させ
て、ビット81が機体外方に大きく突出するように回転
移動させ、この位置(P)で保持できるようになってい
る。なおトリミングカッタ63,64を機体内方に向け
る際には、ブラケット部材82が隔壁37と干渉するこ
とが考えられるので、これを避けるために、図6(b)
に示したように、フレーム33,26のアクチュエータ
88を支持している部分を前後方向にスライド可能に形
成して、別のアクチュエータ93の伸長によりこの部分
を適宜距離Lだけ前進させるようにしてもよい。このほ
かブラケット部材82の機体内方側には、掘削された石
炭等を適宜導くための傾斜ガイド板82cが形成され、
上側においてはシュート75へと導き、下側においては
掘進に従って前方へ押出すようにしてメインカッタ6
1,62のバケット74に掬い取られるようにしてい
る。さらにブラケット部材82には、トリミングカッタ
63,64の掘削反力を充分受けるために、ガイドロッ
ド83の後方に補助ガイド94が並設されている。
ーム23の上部フレーム26には、カッタ21により形
成された沿層坑道2,3の天盤13に沿って移動する覆
部材95が設けられている。この覆部材95は、上板2
9が二枚重ねに形成されたうちの外側の板として形成さ
れ、内側の板96に対して摺動自在となっている。そし
て上部フレーム26にはシリンダ97が設けられ、ピス
トンロッド97aの先端が覆部材95に連結されて、そ
の伸長によりカッタ21の前方へ突出するようになって
いる。すなわち掘進途中でのビット交換或いは保守点検
の際には、切羽とカッタ21の間に作業者が入ることに
なるが、この際に掘削直後の天盤13からの落石などを
防いで、作業者の安全を確保できるようになっている。
5には通気のためのベントパイプ98が設けられてい
る。そして後方部フレーム24には各ジャッキ(38,
39,50…)のためのパワーユニット、及び掘進を制
御するための運転室(図示せず)などが設けられてい
る。この運転室は、フレーム22から隔てられた坑口側
に設けて遠隔操作にて掘進操作を行うようにしてもよ
い。さらに後方部フレーム24の後部デッキ(図示せ
ず)にはロックボルト99を沿層坑道2,3の天盤13
及び側壁に挿入するためのボルト挿入装置100 が備えら
れている。なおこのボルト挿入装置100 は、後部デッキ
に備えるとは限らず、掘進に追従して走行する走行車な
どに別途搭載するようにしてもよい。
3を掘削する工程を説明する。図10に示すように、ま
ず推進ジャッキ50を縮小した状態にしておくと共に、
前方部フレーム23はカッタ21により掘削される断面
よりも僅かに小さい外形となるように、拡縮用ジャッキ
38,39を縮退させて縮径状態にする。すなわち天盤
13と上部フレーム26の上面との間には適宜な隙間S
1 が形成されている状態にあり、側壁と側部フレーム2
7,28との間にも同様な隙間(図示せず)が形成され
ている。そして後方部フレーム24は、拡縮用ジャッキ
38,39の伸長により、本体フレーム25の他、各フ
レーム26…28が全周に亘って周壁に対して適宜圧接
した状態にする(図10のa)。この状態でメインカッ
タ61,62及びトリミングカッタ63,64を駆動さ
せると共に、コンベヤ76を駆動させる。そして推進ジ
ャッキ50を伸長させると、メインカッタ61,62は
その回転及び押圧力によって切羽の略全面の掘削を行
い、トリミングカッタ63,64はそのメインカッタ6
1,62によって切り残された部分を掘削する(図10
のb)。この際、トリミングカッタ63,64は、一対
のメインカッタ61,62の上端同士、及び下端同士を
接線状に結んだ位置において切り込むのみであるが、切
り残された上下の略三角形の部分(Q)は、炭層の性質
上、亀裂が入るとその自重或いは振動などにより容易に
地山14から剥離される。カッタ21により掘削された
石炭或いは岩石は、バケット74により掬い取られ、シ
ュート75及びコンベヤ76により後方へ搬出される。
まで掘進したなら(図10のc)、前方部フレーム23
の拡縮用ジャッキ38,39を伸長させて、その上部フ
レーム26及び側部フレーム27を周壁に圧接した状態
(S2 )にすると共に、後方部フレーム24の拡縮用ジ
ャッキ38,39を縮小させて、各フレーム26,27
を天盤13及び側壁から離間させる。すなわち後方部フ
レーム24の上部フレーム26の上面と天盤13との間
には適宜な隙間S1 が形成された状態となる。この状態
で推進ジャッキ50を縮退させて、後方部フレーム24
を前方に引き寄せる(図10のd)。この引き寄せと並
行して、或いは引き寄せ完了後に、掘進した区間の天盤
13及び側壁に、ロックボルト挿入用の孔をボルト挿入
装置100に備えられたドリルにて開け、その孔を利用し
て安定化のための薬液注入を行うと共に、ロックボルト
99を挿入してナットにて固定する。この支保に際して
は、ロックボルト99の固定にネット等を併用してもよ
い。そして推進ジャッキ50を最小に縮退させたなら
(図10のe)、再び前方部フレーム23を縮径させ、
後方部フレーム24を拡径させて、最初の状態(図10
のa)に戻し、掘進を継続する。
示すように各拡縮用ジャッキ38,39を最大限に縮退
して、フレーム外形が沿層坑道2,3の断面よりも大幅
に小さくなるように縮径する。すなわちフレーム26…
28と天盤13及び側壁との間に大きな隙間S3 が形成
される状態にする。そして推進ジャッキ50のピストン
ロッド53と前方部フレーム23との連結を解除して、
沿層坑道2,3を走行する牽引車101 に、連結部材102
を介して後方部フレーム24を連結させる(図11の
a)。そして牽引車101 を坑口側に走行させることによ
り後方部フレーム24を搬出する。このとき後方部フレ
ーム24の後端を少し持ち上げることで、前端のみが接
地した状態にし、摩擦抵抗を小さいものにする(図11
のb)。この牽引のために、後方部フレーム24の前端
下部にローラなどを設けるようにしてもよい。なお地山
14が石炭層であれば、掘削面(床面15)は平滑であ
り、摩擦係数μは0.4 程度であるので、牽引に際しての
大きな障害とはならなず、比較的小形の牽引車101 にて
迅速に搬出できる。この搬出が終了したなら、続いて前
方部フレーム23に牽引車101 を連結する。このとき下
側のトリミングカッタ64がフレーム外面と同一位置の
状態、或いは突出した状態のままにしておくと、接地に
よる摩擦抵抗が大きくなり、またカッタ損傷のおそれも
生ずるので、アクチュエータ88を縮小させて、図6
(b)に示したように、機体内方に収容した状態にす
る。そして牽引車101 の走行により、後方部フレーム2
4と同様にして搬出する(c)。なお場合によっては図
12に示すように、前方部フレーム23と後方部フレー
ム24を連結された状態のまま牽引車101 に連結して、
搬出するようにしてもよい。
先端同士を結ぶ先端坑道4を掘削する(前出図13参
照)。この掘削に際して、沿層坑道2,3に引き続き同
じ掘削機で掘削すべく、その向きを直角に変えてもよい
が、狭いスペースで向きを変えることは困難であり、ま
たこの先端坑道4は沿層坑道2,3に比べると極めて短
いので、本発明の掘進機を搬出した後に、従来の坑道掘
進機(前出図14参照)を搬入して掘削するものとす
る。この掘削が終了したなら、ドラムカッタを先端坑道
4に搬入設置して、二本の沿層坑道2,3の間の炭層を
掘削し、本格的な採炭を行う。
ッタ21と、カッタ21により形成された沿層坑道2,
3の周壁を支えるフレーム22とを備え、かつフレーム
22を縮径自在に形成したので、坑道全断面の掘削が一
挙に能率よく行え、しかもロックボルト99の施工を並
行して行えることで、掘進効率が大幅に向上するととも
に、掘進後の搬出を極めて容易に且つ迅速に行うことが
でき、沿層坑道2,3の掘進及び採炭の大幅な工期短縮
に貢献できる。そしてフレーム22を前後に分割して、
その間に推進ジャッキ50を設けたので、フレーム拡縮
自在の構成と相俟って、機体自重による坑道底壁との摩
擦力に依存することなく、推進反力を確実にとることが
でき、掘進速度のより一層の向上が達成される。
拡縮範囲は、掘進及び後退に支障ない程度であればよ
く、掘削断面の大きさやロックボルト99の頭部の突出
長さ等に対応させて、適宜選択すべきものである。また
この実施の形態では、フレームを略上下左右の四分割と
したが、全体として拡縮可能に分割形成してあればよ
い。また分割されたフレームが周方向に間隔をあけるよ
うにするとは限らず、掘進状態では略密閉した状態を保
ち、縮径状態では一部が重なり合うように構成してもよ
い。さらに炭鉱の沿層坑道22を掘進する場合を例示し
たが、本発明はこれに限るものではなく、同様の施工条
件下のトンネル掘削に広く適用できるものである。
レームと後方部フレームとを交互に拡縮させながら坑道
から反力を取り、伸縮手段にて前方部フレームを推進さ
せると共に後方部フレームを引き寄せることで、掘進効
率が大幅に向上すると共に、掘進後は、前方部フレーム
と後方部フレームとを縮径させ、カッタを掘削時の径よ
り短くした状態にして、掘削した坑道内を通して後方に
極めて容易に且つ迅速に搬出することができ、採炭工程
などの大幅な工期短縮に貢献できる。
図である。
断面図である。
図である。
斜視図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 坑道を形成すべく、地山を所定の断面形
状に掘削するカッタと、該カッタにより形成された坑道
の周壁を支えるフレームとを備えた掘進機において、フ
レームを掘進方向前後に分割した前方部フレームと後方
部フレームとで形成し、その前方部フレームと後方部フ
レームとを、周方向に適宜分割すると共に拡縮用ジャッ
キにて坑道に対して拡縮自在に形成し、前方部フレーム
に、掘削時の径より径が短くなることが可能なように形
成されたカッタを設け、前方部フレームと後方部フレー
ム間に、所定の推進力を与えるための伸縮手段を設け、
掘進時に、前方部フレームを縮径すると共に後方部フレ
ームを拡径して伸縮手段にて前方部フレームを介して上
記カッタに押圧力を与えて掘削し、伸縮手段の伸張後、
前方部フレームを拡径すると共に後方部フレームを縮径
して伸縮手段を縮退させて後方部フレームを前方部フレ
ームに引き寄せて掘進し、掘進後に、前方部と後方部フ
レームを縮径すると共にカッタの径を短くして坑道に対
して後退可能としたことを特徴とする掘進機。 - 【請求項2】 後方部フレームには、後方部フレームが
前方部フレームに引き寄せられたときに坑道にロックボ
ルトを挿入するためのボルト挿入装置が備えられる請求
項1記載の掘進機。 - 【請求項3】 前方部フレームと後方部フレームとは、
坑道の床面に接すると共に機本体を構成する本体フレー
ムと、坑道の天盤を支える上部フレームと、側壁を支え
る側部フレームとで拡縮自在に形成される請求項1又は
2記載の掘進機。 - 【請求項4】 本体フレームと上部フレームとは、坑道
に接する面が扁平に形成され、左右の側部フレームは、
坑道に接する面が円弧状に形成される請求項1〜3いず
れかに記載の掘進機。 - 【請求項5】 前方部フレームに、カッタにより形成さ
れた坑道の天盤に沿ってカッタ前方へ移動自在な覆部材
が備えられた請求項1〜4いずれかに記載の掘進機。 - 【請求項6】 覆部材が、前方部フレームの上部フレー
ムに移動自在に設けられた請求項3記載の掘進機。
Priority Applications (2)
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JP30731195A JP3418286B2 (ja) | 1995-11-27 | 1995-11-27 | 掘進機 |
AU74000/96A AU708331B2 (en) | 1995-11-27 | 1996-11-27 | Excavation machine |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30731195A JP3418286B2 (ja) | 1995-11-27 | 1995-11-27 | 掘進機 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001065087A Division JP3512012B2 (ja) | 2001-03-08 | 2001-03-08 | 掘進機の掘進方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=17967628
Family Applications (1)
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JP30731195A Expired - Fee Related JP3418286B2 (ja) | 1995-11-27 | 1995-11-27 | 掘進機 |
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JP (1) | JP3418286B2 (ja) |
-
1995
- 1995-11-27 JP JP30731195A patent/JP3418286B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09144474A (ja) | 1997-06-03 |
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