JP3417422B2 - 熱線反射機能を有するポリカーボネート製成形品の製造方法 - Google Patents

熱線反射機能を有するポリカーボネート製成形品の製造方法

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JP3417422B2 JP3239694A JP3239694A JP3417422B2 JP 3417422 B2 JP3417422 B2 JP 3417422B2 JP 3239694 A JP3239694 A JP 3239694A JP 3239694 A JP3239694 A JP 3239694A JP 3417422 B2 JP3417422 B2 JP 3417422B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、熱線反射機能を有する
ポリカーボネート製成形品に関する。更に詳しくは太陽
光線に含まれる紫外光、可視光、赤外光のうち878〜
2600nmの近赤外光(特に、1000〜1500n
mの波長域)を効率よく遮断する事により、夏場の室内
での温度上昇防止及び直射日光による皮膚刺激等を防止
でき、さらには軽量でデザインの自由度に優れる熱線反
射機能を有するポリカーボネート製成形品の製造方法
関する。 【0002】 【従来の技術】最近の建造物等の構造物はガラス材料の
閉める割合が大きくなってきており、太陽光に含まれる
近赤外光によって、特に夏場の室内での温度上昇が起こ
るため、エアコンの効率が悪くなるなどエネルギー消費
の増大が問題となっている。そこでガラスに金、銀、
銅、及びアルミニウム等の金属を蒸着、スパッタリン
グ、無電解メッキ等の手段によって金属膜を形成させた
熱線反射ガラスと呼ばれる近赤外光遮断ガラスが実用化
されているものの、デザインの自由度の面から曲率を持
った製品が好まれており、熱間曲げ加工を行なう等の複
雑な工程を要する問題点があった。 【0003】プラスチックス成形品も同様な処理をする
ことで、熱線反射機能を付与することができ、プラスチ
ックス化する事で容易に軽量化が図れるものの、表面が
傷つきやすくまた室内の湿度による曇り等の問題があっ
た。そのため、成形後、各面にハードコート及び防曇処
理を後工程にて行う必要があり、生産性の面や、蒸着面
にコーティングした際に塗料の密着性が劣るなどの欠点
もあった。また他の方法として、プラスチックス中に赤
外線吸収剤を添加したものもあるが、赤外線吸収剤が高
価であり、また熱安定性に劣るために、押出成形時に熱
分解する問題があり、歩留まりの悪さから実際には殆ど
使用されていない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな従来技術の課題を解決し、擦傷性及び防曇性に優
れ、かつ熱線反射機能に優れたポリカーボネートシート
製成形品を提供することある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、ポリカーボネ
ートシート表面にそれぞれハードコート及び防曇機能を
付与させ、更に熱線反射機能を付与するため、射出圧縮
成形により、該シートの非機能性膜面にアルミニウム粒
子等の添加されたインキを印刷し、該面を封入すること
より上記課題が解決できることを見いだし、本発明に到
達した。 【0006】すなわち本発明は、表面にハード膜が形成
された芳香族ポリカーボネートシート(A)、及び表面
に防曇膜が形成された芳香族ポリカーボネート(B)を
成形品厚みよりも大きく開口させた射出成形用金型キャ
ビティに表面がそれぞれ金型面と接する向きとなるよう
にして装着し、型締め後、溶融状態にある芳香族ポリカ
ーボネートを金型キャビティ内に射出し、射出中もしく
は射出終了後直ちに金型キャビティを成形品厚みまで圧
縮して得られたポリカーボネート製成形品であって、上
記シート(A)もしくは(B)の少なくともいずれか一
方の裏面に、粒子径が5〜80μmである金属粒子を添
加してなるインキを連続パターン柄として印刷されたも
のであることを特徴とする熱線反射機能を有するポリカ
ーボネート製成形品の製造方法に関する発明である。 【0007】更に、詳細には、片面がハードコート膜が
形成された芳香族ポリカーボネートシート(A)、及び
片面が防曇膜が形成された芳香族ポリカーボネートシー
ト(B)をハードコート膜及び防曇膜面がそれぞれ金型
面と接する向きとなるように射出成形用金型キャビティ
内に装着し、成形品厚みよりも大きく開口させた状態に
型締めした後、溶融状態にある芳香族ポリカーボネート
を金型キャビティ内に射出し、射出中もしくは射出終了
後直ちに金型キャビティを成形品厚みまで圧縮して得ら
れる厚さ1〜6mmのポリカーボネート製成形品の製造
方法であって、シート(A)もしくはシート(B)の少
なくともいずれか一方のハードコート膜もしくは防曇膜
が形成されていない面に粒子径が5〜80μmの金属粒
子を添加してなるインキより印刷層が形成されており、
かつ、金型キャビティ内に射出される芳香族ポリカーボ
ネートにより形成される樹脂層の厚さをY(mm)とし
て、2枚のシートを金型キャビティ内に装着した状態に
おいて、前記空間の成形品厚さ方向の距離(Z+Y)
(mm)を以下の関係を有するように設定することを特
徴とするポリカーボネート製成形品の製造方法である。 1.0mm<Y<2.0mmの場合 {3.0−Y}(mm)≦Z≦5.0(mm) 2.0mm<Y<3.0mmの場合 {2.0−Y/2}(mm)≦Z≦5.0(mm) 3.0mm<Y<5.8mmの場合 {1.0−Y/6}(mm)≦Z≦5.0(mm) 以下、本発明について説明する。 【0008】本発明で使用する芳香族ポリカーボネート
は、透明及びブラウン、スモーク色等に染料で着色され
た有色透明なものを成形材料及びシートに使用する。こ
れらは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロ
パンや2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキ
シフェニル)−プロパンで例示される二価のフェノール
系化合物の一種以上とホスゲンで例示されるカーボネー
ト前駆体とから公知の方法によって得られる重合体等で
ある。 【0009】ポリカーボネートシートの厚みとしては、
0.1〜1.0mmのものを使用するのが望ましいが、
切断性、装着性、成形性の面から0.3〜0.7mmの
厚みのシートが特に望ましい。0.1mmより薄くなる
と成形時に樹脂流動によって動かされるために皺が発生
したり、装着性が悪い問題があり、1.0mmより厚く
なると切断性に劣り、シート端部にバリが発生しやすい
問題がある。 【0010】本発明で使用するシートは、プラスチック
表面性能を改善するために耐擦傷性、防曇性の機能を設
ける必要がある。耐擦傷性は、ハードコート溶液をポリ
カーボネートシートに塗布することで得ることができ
る。例えばシリコン系、ポリシロキ酸系、アクリル系、
ウレタン系の塗料を用い、ポリカーボネートシートの片
面のみにディップ法、フローコート法、スプレー法等の
手段によって塗布後、熱及び紫外線照射によって塗料を
硬化させてシート(A)を作製することができる。ま
た、これらの塗料中に紫外線吸収剤を添加することで、
ポリカーボネートの劣化を防ぐとともに、人体に有害な
紫外線が室内へ進入することも防止できる。防曇性も同
様にして防曇塗料をシートの片面のみに塗布後硬化させ
てシート(B)を作成する。 【0011】従来、該機能性膜は、熱線反射用金属膜の
保護を目的とし、金属蒸着面に施す必要があった。しか
し蒸着膜と機能性膜は接着力が低いために、プライマー
として珪素(Si)等を蒸着面に塗布した後、該膜のコ
ーティングを行っていたが、それでも接着性が悪く剥離
を発生することが多かったため、接着性を高める様々な
研究がなされてきたが解決には至っていない。また各面
に機能性膜と蒸着を施し、蒸着面を溶融樹脂と積層封入
成形させることも考えられたが、溶融樹脂の熱の影響に
よって、金属膜にクラックが発生したり、溶融樹脂との
接着性に乏しい等の欠点があり、実用的でない状況にあ
った。 【0012】本発明ではポリカーボネートと接着性を有
する2液硬化型もしくは紫外線硬化型のインキ中にアル
ミニウム等の金属粒子を添加して、該インキをシート
(A)またはシート(B)のいずれか一方の非機能性膜
面に印刷することができる。インキに使用する樹脂組成
物として、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系、アク
リルウレタン系、酢酸ビニル系樹脂等より選択して使用
する。 【0013】上記印刷インキ中に添加する金属粒子とし
て、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、クロム、酸
化チタン、又はこれらの化合物等が例示でき、これらの
金属粒子を添加することで熱線効果が得られるものの、
価格、腐食性及び熱線反射効果等から判断して、アルミ
ニウムが特に好ましい。また、用途に応じて、金属観、
落ち着いた色調等の要望があるが、インキに着色剤を添
加して使用することで容易に好みの色調を得ることがで
きる。 【0014】上記金属粒子は、粒子径が5〜80μm、
好ましくは10〜35μmのものを適宜選択して使用す
る。粒子径が80μmを超えると、粒子間の隙間が大き
くなることによって、近赤外域での透過率が高くなり熱
線反射効果が低減する。粒子径が5μm未満であると、
安定した粒子の製造が困難となる。粒子径を10〜35
μmとすることで、特に性能及びコスト的にも優れたイ
ンキとすることができる。また添加量としては、インキ
樹脂中で20〜90重量%となるような範囲で添加する
のが望ましい。上記添加範囲が、性能的、及び印刷時の
インキの粘度の面からも望ましい。 【0015】上記インキをシルクスクリーン印刷等によ
って、シート(A)及びシート(B)の非機能性膜面に
印刷する。印刷インキの膜厚としては、5〜20μmの
範囲で印刷することで、外観及び性能が極めて向上で
き、熱線反射効果及び印刷性(インキの滲み等)に優れ
るものが得られる。 【0016】印刷のパターンまたは柄としては、同一柄
及び近似柄の連なった印刷パターンにて印刷するのが望
ましい。部分的に偏って凝集したパターンの場合、実際
には暑さを部分的に極度に感じるおそれがある。また、
金属粒子を含む印刷インキの塗布されていない部分の面
積(開口率、式:〔(金属粒子を含む印刷インキの塗布
されていない部分の面積)/(シート面全体の面積)〕
×100より求められる)が30%以下、特に好ましく
は15%以下となるようにするのが望ましい。 【0017】一般に開口率が30%以下にすると、近赤
外域の遮断能率よく、室内側の温度上昇を効率よく防止
することができる。更に、開口率を15%以下とするこ
とで、極めて優れた熱線反射機能を有し、太陽光下にて
設置した場合、可視光は透過するため室内は明るく、近
赤外光は遮断しているために、室内温度の上昇及び皮膚
に感じる暑さは殆どなくなる。 【0018】印刷処理及びコーティング処理されたシー
ト(A)とシート(B)は、金型キャビティまたはコア
内に装着するが、予め金型の形状にプレス機械によって
切断して装着するのが実用的である。装着方法として
は、例えば該タブ部に厚み0.2mm程度の接着剤付鉄
片を貼付け、予め金型のタブ部相当位置に磁石を埋め込
んでおき、鉄片と磁石の吸引力によって装着する特開平
1−99822号公報に開示の方法を用いることで、安
定したシート装着性と位置精度を向上させることができ
る。更に好ましい態様として、少なくとも1箇所以上の
タブ部中心部に、1mmφ以上のピンを設けておき、そ
の位置に対応するシートに丸、四角、楕円等の穴をあけ
ておき、前記の方法と併せて使用することで、装着性、
位置精度を高めることができる。 【0019】またシートを金型に装着する際には、機能
性膜が金型キャビティ面を向くようにして装着する必要
がある。もし逆に装着した場合、射出樹脂とは全く接着
せず、更にハードコートは割れてしまうという問題が生
じるためである。製品形状が曲率または絞りの大きい場
合、シートを予め真空成形等により予備成形を行なうこ
とが好ましく、例えばストレート、ドレープ、プラグア
シスト、エアーブロー成形等が適用できる。このように
して金型形状にシートを賦形した後に、金型に装着し成
形を行なう。 【0020】本発明では、射出圧縮成形を用い、熱線反
射機能を有する印刷面を成形品内に封入するようにして
成形を行う。以下に2種の金型を使用した場合について
それぞれ説明する。本発明で使用する金型としては、可
動可能なキャビティを装着した金型A及び型締め時に完
全に型締めされていない任意の位置で停止できる機能を
有する成形機にインロー構造を有する金型Bを取り付け
て成形を行う。また圧縮時のキャビティ面圧力として
は、200〜400kgf/cm2 の範囲の圧力が発生
するような油圧下に油圧シリンダーを作動させる。 【0021】金型Aでは、キャビティ厚みは金型内に組
み込まれた油圧シリンダー等によって制御し、金型Bで
は、成形機の型締め位置にて制御を行う。まず金型キャ
ビティを成形品厚みよりも広げておき、そのキャビティ
内にシートを装着する。金型Aでは、金型合わせ面(パ
ーティング)を完全に閉じた後、溶融樹脂をキャビティ
空間内に射出しながらまたは射出終了後に、金型キャビ
ティを閉じてキャビティ内の樹脂を製品厚みまで圧縮す
る。金型Bでは、パーティングを開いたまま(成形品厚
みよりも大きくなる任意の位置で停止するように、成形
機の型締め部の位置を制御する)、溶融樹脂をキャビテ
ィ空間内に射出しながらまたは射出終了後に、金型キャ
ビティを閉じてキャビティ内の樹脂を製品厚みまで圧縮
する。 【0022】また成形品厚みよりも広く開口させた空間
の厚み(Z(mm))としては、金型キャビティ内で射
出された溶融樹脂により形成される部分の樹脂厚みをY
(mm)とすると 1.0mm<Y<2.0mmの場合 (3.0−Y) ≦ Z ≦5.0 (mm) 2.0mm<Y<3.0mmの場合 (2.0−Y/2)≦Z ≦5.0 (mm) 3.0mm<Y<5.8mmの場合 (1.0−Y/6)≦Z ≦5.0 (mm) の式より導かれた範囲の厚みとする。 【0023】また成形品厚みは、1〜6mmまでのもの
を製造できる。しかし、ポリカーボネートの機械的強度
と軽量化の面から3〜6mmとするのが好ましい。厚み
が3mm未満の場合、風圧及び外力の影響を受けて撓み
やすく、6mmを超えるとガラスを使用した場合とほぼ
重量が等しくなるため、軽量化及びコストダウンが期待
できないからである。この式で表されるZの範囲の厚み
にキャビティを開口させて、射出圧縮成形することで容
易に射出時の剪断力を緩和でき、印刷インキを封入した
成形品を製造してもインキの流出は起こらない。またそ
の際の射出時の溶融樹脂の射出速度は、100mm/秒
以下の条件で成形すると、シートに施した印刷インキに
対する剪断応力が低減でき、印刷インキの流出を防止で
きる。 【0024】上記のZの値は、ポリカーボネートからな
る樹脂層(Y)の値が大きくなるにつれ、上記の式の範
囲内で小さくする。Zの値が上記の範囲の下限値未満の
場合には、キャビティ空間内に射出された溶融ポリカー
ボネートのポリカーボネートシート(A)またはポリカ
ーボネートシート(B)に形成された印刷面に対する剪
断応力が大きくなり、印刷物が流動樹脂によって流出し
てしまう。一方、Zの値が上記の範囲の上限値を超える
場合には、シートと樹脂層の間に空気が巻き込まれた
り、フローマークが発生し易くなる。ここでY(mm)
の値は、厳密にY(mm)にする場合だけでなく、0.
9Y乃至1.1Yの範囲に収める場合も含む。 【0025】また成形品の形状によってはYの値が一定
でない場合がある。このような場合には、ゲートから2
0mm離れた位置までのYの最小値を用いる。例えばゲ
ート付近のYの値が1mmであり、その部分がゲートか
ら30mm形成されており、その後はYが4mmで長さ
30mmに変化した形状の場合、Yは1mmとする。 【0026】以上本発明について説明してきたが、本発
明の実施態様は上記の説明に限定されるものではない。
例えば使用するシート(B)に防曇処理されたフィルム
を用い、該フィルムの非機能面に印刷処理を行い、つい
でポリカーボネートシートを押出成形する際に、印刷処
理面を半溶融ポリカーボネート面とラミネート加工した
シートを作成し、ついで同様にして打抜き、シート
(A)と共に金型装着を行って射出成形することもでき
る。この方法であると印刷面が射出される樹脂の剪断応
力を受けないために、容易に通常の射出成形で作成でき
る。 【0027】以上、本発明で使用する熱可塑性樹脂とし
てポリカーボネートに限定して発明したが、実用的には
本発明の成形品を現在広く使用されているポリメチルメ
タクリレート、メチルメタクリレート−スチレン共重合
体、及びアクリロニトリル−スチレン共重合体を用いて
成形することも可能である。この場合、使用するシート
及び射出する成形材間で溶着性が必要なことから、同種
の樹脂の組み合わせとする必要があり、好ましいシート
の厚みもポリカーボネートを使用するときと同様であ
る。使用するインキは、上記樹脂と接着性を有し、かつ
インキに使用する樹脂が、エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、酢酸ビニル
樹脂より選択された少なくとも一種を含むものであれば
よい。使用する金属粒子もアルミニウム、金、銀、銅、
ニッケル、クロム、酸化チタン、又はこれらの化合物の
少なくとも一種以上を含む金属粒子であればよい。 【0028】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 使用したポリカーボネートシートとして、厚み0.5m
mの片面ハードコート付ポリカーボネートシート(三菱
ガス化学(株)製、商品名: CFI−1)及び厚み
0.5mmの片面防曇機能付ポリカーボネートシート
(三菱ガス化学(株)製、商品名:AF−1)を用い
た。ついでCFI−1シートの非機能性膜面に、印刷イ
ンキ(十条化工製、商品名:ハイペット)中に、粒子径
15〜35μmの範囲のアルミニウム粒子を組成物中で
50重量%となるように添加して攪拌し、該印刷インキ
をシルクスクリーン印刷にて15%の開口率(丸ドット
の連続パターン)の元に膜厚12μmで印刷し、100
℃、1hr熱風循環乾燥機内で乾燥させた。 【0029】金型として成形品厚み4mm、300mm
×300mmの角型形状及びゲート部分にタブ(ピンが
2箇所設けてある)を持っており且つ摺動性のキャビテ
ィを備えた射出圧縮成形用金型を用いた。また該キャビ
ティは、油圧プレスによって自由に動かせる構造になっ
ており、まず該キャビティを内容積増加方向に2mm開
いた。尚、Zは、下記の計算より0.5〜5.0mmの
範囲となる。 成形品厚み:4.0mm シート厚み:0.5mm+0.5mm=1.0(mm) 樹脂層厚み(Y):4.0mm−1.0mm=3.0
(mm) Zmin =1.0−3.0/6=0.5(mm) 作成した印刷付CFI−1シートとAF−1シートをプ
レス機械にて金型キャビティ形状に打ち抜き、該シート
を機能性膜面がキャビティ面を向くようにして装着し
た。装着は、シートのタブ部に穴を空けておき、該穴を
金型タブ部のピンに挿入して装着した。 【0030】ついで金型を閉じ、溶融ポリカーボネート
(三菱ガス化学(株)製、商品名:ユーピロンH300
0、可視光線透過率:20%)を金型キャビティ内に、
樹脂温度300℃、射出圧力600kgf/cm2 の条
件で注入し、射出開始から1秒後に金型キャビティを、
400kgf/cm2 の面圧力となるようにして油圧プ
レスを作動させ、圧縮してシートと成形材料を一体化さ
せた。冷却時間として30秒を要した後、型開きして製
品を取り出した。完成した成形品の表面は、ハードコー
トと防曇機能を有し、更に内面には印刷インキ(熱線反
射機能)が封入された一体成形品であった。ゲート付近
にも印刷インキ流出跡はみられず、外観も非常に優れて
いた。また性能的にも可視光線透過率:5%、近赤外線
透過率:8%であり、非常に熱線反射効果に優れた製品
であった。 【0031】比較例1 シート及び金型は実施例1と同様のものを用いた。まず
CFI−1の非機能性膜面に、アルミニウムを100オ
ングストロームの膜厚にて全面に蒸着処理した。作成し
た蒸着膜付CFI−1シートとAF−1シートをプレス
機械にて金型キャビティ形状に打ち抜き、該シートを機
能性膜(ハードコート、防曇)面がキャビティ面を向く
ようにして装着した。装着は、シートのタブ部に穴を空
けておき、該穴を金型タブ部のピンに挿入して装着し
た。 【0032】ついで金型を閉じ、実施例と同条件にて、
溶融PCをキャビティ内に注入し、射出開始から1秒後
に金型キャビティを、400kgf/cm2 の面圧力と
なるようにして油圧プレスを作動させ、圧縮してシート
と成形材料を一体化させた。冷却時間として30秒を要
した後、型開きして製品を取り出した。完成した成形品
の表面は、ハードコートと防曇機能を有し、更に内面に
は蒸着膜(熱線反射機能)が封入された一体成形品であ
った。性能的には、可視光線透過率:15%、近赤外線
透過率:13%であり、熱線反射効果には優れていた
が、成形材料との接着力がなく、手で簡単に剥離できる
ものであった。また封入される際の温度の影響で、蒸着
膜にクラックが発生していた。 【0033】比較例2 厚み4mm、大きさ300mm×300mmのPCシー
ト(三菱ガス化学(株)製、商品名:NF2000)を
用いて、片面にアルミニウムを100オングストローム
の膜厚にて全面に蒸着処理した。ついでその蒸着面にハ
ードコート溶液(信越化学(株)製、商品名:トップコ
ートKP85,プライマーコート9EHH)を塗布し、
120℃の乾燥機中で硬化させた。さらにその裏面側に
防曇塗料(日本油脂(株)製、商品名:モディパーH8
850)を塗布し、80℃の乾燥機中で硬化させた。性
能的には、比較例1と同等であったが、PCシートと蒸
着面さらには蒸着面とハードコート面の接着性に乏し
く、セロテープ剥離試験を行った結果、容易に剥離した
ため実用的な使用は困難であった。 【0034】 【発明の効果】本発明のポリカーボネート製成形品は、
太陽光線に含まれる紫外光、可視光、赤外光のうち87
8〜2600nmの近赤外光(特に、1000〜150
0nmの波長域)を効率よく遮断する事ができ、夏場の
室内での温度上昇防止及び直射日光による皮膚刺激等を
防止できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 9:00 B29L 9:00 31:00 31:00 (56)参考文献 特開 昭64−69319(JP,A) 特開 昭60−195515(JP,A) 特開 昭60−212312(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 片面がハードコート膜が形成された芳香
    族ポリカーボネートシート(A)、及び片面が防曇膜が
    形成された芳香族ポリカーボネートシート(B)をハー
    ドコート膜及び防曇膜面がそれぞれ金型面と接する向き
    となるように射出成形用金型キャビティ内に装着し、 成形品厚みよりも大きく開口させた状態に型締めした
    後、溶融状態にある芳香族ポリカーボネートを金型キャ
    ビティ内に射出し、射出中もしくは射出終了後直ちに金
    型キャビティを成形品厚みまで圧縮して得られる厚さ1
    〜6mmのポリカーボネート製成形品の製造方法であっ
    て、 シート(A)もしくはシート(B)の少なくともいずれ
    か一方のハードコート膜もしくは防曇膜が形成されてい
    ない面に粒子径が5〜80μmの金属粒子を添加してな
    るインキより印刷層が形成されており、 かつ、金型キャビティ内に射出される芳香族ポリカーボ
    ネートにより形成される樹脂層の厚さをY(mm)とし
    て、2枚のシートを金型キャビティ内に装着した状態に
    おいて、前記空間の成形品厚さ方向の距離(Z+Y)
    (mm)を以下の関係を有するように設定することを特
    徴とするポリカーボネート製成形品の製造方法。 1.0mm<Y<2.0mmの場合 {3.0−Y}(mm)≦Z≦5.0(mm) 2.0mm<Y<3.0mmの場合 {2.0−Y/2}(mm)≦Z≦5.0(mm) 3.0mm<Y<5.8mmの場合 {1.0−Y/6}(mm)≦Z≦5.0(mm)
JP3239694A 1994-03-02 1994-03-02 熱線反射機能を有するポリカーボネート製成形品の製造方法 Expired - Lifetime JP3417422B2 (ja)

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