JP3417084B2 - 母豚飼料用添加物および母豚用飼料 - Google Patents
母豚飼料用添加物および母豚用飼料Info
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Description
元型葉酸量を増加させ、延いては母豚の繁殖効率を改善
する作用を有する還元型葉酸を有効成分として含有する
母豚飼料用添加物、およびこのような飼料用添加物を配
合した母豚用飼料に関する。
リンおよびグルタミン酸ならびにDNAの構成成分であ
る核酸のプリン塩基の合成に関与する補酵素であり、古
くから妊娠中には母体の葉酸要求量が増加し、血漿中の
濃度が低下することが、妊婦での疫学調査や妊娠モルモ
ットでの試験で確かめられている(Pritchard J. A. et
al., Am. J. Obst. Gynecol., Vol.104, p.388(1969)
およびHabibzadeh H. C.et al., Br. J. Nutr., Vol.5
5, p.23 (1986))。
漿中の還元型葉酸量が低下することが確かめられている
(Natsuhori et al., Final Program and Abstracts Bo
ok of the 10th International Symposiumh “Chemistr
y and Biology of Pteridines and Flates”,p.196(19
93))。そしてさらに、妊娠豚に葉酸(酸化型)を筋肉注
射で投与することにより繁殖効率の改善効果がでること
も証明され(Matte J.J. et al., J. Anim. Sci., Vol.
67, p.426 (1989) およびFriendship R. M. et al., Ca
n. Vet. J., Vol.32, p.564 (1991) )、妊娠豚(母
豚)への葉酸投与の重要性が示唆されている。
への投与は実用上煩雑であり、飼料添加による投与(経
口投与)によっても繁殖効率の改善効果が発現すれば極
めて好ましい。経口投与による繁殖効率改善効果の検討
も既にいくつかなされてはいる。ところが、効果がある
としているもの(Thaler R. C. et al., J. Anim. Sc
i., Vol. 67, p.3360 (1989)、Lindemann M. D. et a
l., J. Anim. Sci., Vol.67, p.459 (1989) およびLind
emann M. D. et al., J. Anim. Sci., Vol. 71, p.239
(1991) )、および効果を疑問視しているもの(Easter
R. A. et al., Nutrition Reports International, Vo
l.28, p.945 (1983)およびMatte J. J. et al., Livest
ock Production Science, Vol.33, p.131 (1992))があ
り、酸化型葉酸の経口投与による投与効果についてはは
っきりした結論はでていない。
り製造されるが、この化学合成葉酸は酸化型であって、
そのままでは補酵素として作用しない。通常生体内へ吸
収後、ジヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼにより7,8−ジ
ヒドロ葉酸に変換され、さらにこれが酵素的に還元され
て還元型のテトラヒドロ葉酸(THF)や5−メチルテ
トラヒドロ葉酸(5MF)となって補酵素としての作用
を発現する。従って、血漿中のこれらTHFや5MFの
量を測定することによって葉酸の投与効果を測定するこ
とができるが、従来の測定法はラジオリガンド法による
ものであるために、還元型葉酸のみを選択的に測定する
ことができず、正確な血漿中還元型葉酸値を求めること
はできなかった。なお、本明細書においては、上に説明
したように、還元型葉酸は生理作用を有するので活性型
葉酸と言い、また、酸化型葉酸は生理作用を有しないの
で不活性型葉酸と言うことがある。
解析を目的として電気化学的検出器を用いた高速液体ク
ロマトグラフィーによる血漿中の活性型葉酸含量を測定
する方法(HPLC−ECD法)が開発され、この方法
を用いて、葉酸(酸化型)を豚に静脈注射、筋肉注射お
よび経口投与した時の血漿中へのTHFと5MFの出現
の程度が検討された。詳述すると、体重25kg前後の
育生豚4頭をラテン方格に従い葉酸(酸化型)静脈注射
(1mg/kg体重)、筋肉注射(1mg/kg体
重)、小用量経口投与(1mg/kg体重)および大用
量経口投与(50mg/kg体重)の4因子に分配し実
験を行なった。その結果、静脈注射、筋肉注射および大
用量経口投与の場合は、THFと5MFの血漿中濃度が
上昇した。この結果、投与した葉酸(酸化型)は吸収さ
れ、肝臓等で活性型葉酸に変換されたと考えられた。一
方、小用量の経口投与では血漿中にTHFや5MFは出
現して来なかった。以上、小久江栄一ら、「第113回
日本獣医学会講演要旨集」第112頁(1992年)参
照。因みに、ラットの実験では小用量の酸化型葉酸経口
投与でも血漿中の還元型葉酸濃度は急激に上昇すること
が知られている(Tsunematu K. et al., Cong. Anom.,
Vol.30, p.113 (1990))。
葉酸に変換する能力はあるが、不活性型葉酸を消化管か
ら吸収する能力がラットに比べてはるかに低いと考えら
れる。また、不活性型葉酸を豚へ経口投与して血漿中の
活性型葉酸値を上昇させるためにはきわめて多量投与し
なければならないことが判明した。
技術に鑑みなされたものであり、血漿中の還元型葉酸濃
度を高め、延いては繁殖効率を改善する母豚飼料用添加
物、およびこのような飼料添加物を配合した繁殖効率を
改善する母豚用飼料を提供することを課題とする。
解決するために鋭意研究を行なった結果、還元型葉酸を
飼料に添加して母豚に経口投与することにより、豚血漿
中の還元型葉酸濃度を高めることができることを見い出
し、このような知見に基いて本発明を完成するに至っ
た。
与による母豚の繁殖効率改善に関するものであるが、以
下、逐次詳細に説明する。
めの有効成分として還元型葉酸を含有することを特徴と
する母豚飼料用添加物に関する。
に複数の胎児(多胎)が発生するが、このようにして発
生した胎児が全て無事に出産に至るとは限らない。養豚
業における経営の見地からは、もちろん、一旦発生した
多胎が全て無事に出産に漕ぎ付け得ることが極めて望ま
しい。本発明に関して、母豚について繁殖効率が改善す
るとは、本発明の飼料用添加物を経口投与するかまたは
本発明の飼料で飼養して母豚を飼育した場合に、そうで
ない場合に比較して、一旦発生した多胎のうちで無事出
産に至る胎児の数に増加のみられることを意味する。
酸(プテロイル(モノ)グルタミン酸)の還元型のみな
らず、狭義の還元型葉酸と同様の生理作用を示すその他
の種々の葉酸(広義の葉酸または葉酸類)の還元型をも
意味し、このような還元型をも包含するものとして定義
されていることに留意されたい。
ては、例えば、葉酸のプテリジン環の還元された、7,
8−ジヒドロ葉酸(H2 葉酸);5,6,7,8−テト
ラヒドロ葉酸(H4 葉酸)、ロイコボリン(L−(−)
−5−ホルミル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸)
などの5−ホルミル−H4 葉酸、5,10−メチレン−
H4 −葉酸、5−メチル−H4 葉酸、10−ホルミル−
H4 −葉酸、5−メテニル−H4 葉酸、5−ホルムイミ
ノ−H4 葉酸等のH4 葉酸類;および各H4 葉酸のポリ
−γ−グルタミン酸誘導体(肝臓における貯蔵型葉酸と
して知られている。)等の誘導体;を挙げることができ
る。また、本発明における還元型葉酸は、これを含有す
る肝臓末や微生物消化物(微生物の菌体破砕物もしくは
菌体抽出物)の形態であってもよいことはもちろんであ
る。
われる臓器であり、活性型葉酸の含有量も比較的高いこ
とが知られているが、例えば、豚、牛等の肝臓を凍結乾
燥し、破砕して製造される肝臓末を母豚の繁殖効率を改
善するために経口投与された例は皆無である。飼料へ肝
臓末を配合することにより豚血漿中のTHFや5MFの
濃度を挙げ得ることは本発明者による新たな知見であ
る。
出物に関して説明すると、ビタミン等の供給源としてト
ルラ酵母などの飼料用酵母が用いられているが、通常は
細胞壁を破砕処理をしていない菌体が用いられているた
めに、菌体含有ビタミンの吸収が悪い。
研究を重ねた結果、微生物菌体を機械的破砕処理、酵素
分解処理もしくは自己消化に付し、菌体細胞壁を破砕し
て菌体内の還元型葉酸を経口摂取しやすい形にしたもの
(微生物の菌体破砕物)、または微生物菌体より還元型
葉酸を抽出処理したもの(微生物の菌体抽出物)を豚に
経口投与することにより、血漿中のTHFおよび5MF
量を上昇させることができることを見い出した。したが
って、これを妊娠母豚へ投与することにより繁殖効率を
高めることができる。
抽出物の原料に使用される微生物としては、菌体内の、
還元型葉酸含量の高いものであれば、いづれの微生物も
用いることも可能であるが、具体的には、例えば、コリ
ネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glut
amicum(旧Brevibacterium lactofermentum) ATCC 1386
9 など)、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス(Co
rynebacterium (旧Brevibacterium)ammoniagenes ATC
C 6871など)、ブレビバクテリウム・フラブム(Brevib
acterium flavum ATCC 13826など)、コリネバクテリウ
ム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum ATCC
13032 、ATCC 13060など)、バチラス・サチラス(Baci
llus subtilis ATCC 13952、IFO 3009、IFO 13169 な
ど)、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis
subsp. cremoris ATCC 19257 など)等の細菌;サッカ
ロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae I
FO 2044 、IFO 2375など)、カンジダ・ウチルス(Cand
ida (旧Torulopsis) utilisATCC 9226など)等の酵
母;およびアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryz
ae IFO 30104など)、アスペルギルス・ニガー(Asperg
illus niger IFO 4414など)等の糸状菌;を挙げること
ができる。
微生物が資化しうる栄養源を含む培地であればいずれの
培地をも使用して行なうことができる。例えば、グルコ
ース、シュークロースなどの炭水化物、エタノール、グ
リセロールなどのアルコール、酢酸、プロピオン酸など
の有機酸、大豆油などまたはこれらの混合物等の炭素
源、酵母エキス、ペプトン、肉エキス、コーンスティー
プリカー、硫安、アンモニア等の含窒素無機有機栄養
源、リン酸塩、マグネシウム、鉄、マンガン、カリ等の
無機栄養源およびビオチン、チアミン等のビタミン類を
適宜配合した通常の培地が用いられる。
物の培養に採用される条件をそのまま採用することがで
き、例えば、、栄養培地のpHを4.0〜9.5の範囲
で20〜40℃で12時間〜5日間好気的に微生物を培
養すればよい。
葉酸または/および核酸を添加することにより、培養し
て得る微生物菌体中に生成する還元型葉酸の量を増やす
ことができることがある。核酸としては、グアノシン、
イノシン、キサンチン、5′−グアニル酸、5′−イノ
シン酸、5′−キサンチル酸、グアノシン−5′−二リ
ン酸、グアノシン−5′−三リン酸等が挙げられる。こ
れらの添加物の添加量は、これらを添加しなかった場合
に比較して還元型葉酸の菌体内産生量が増大する量であ
って、例えば、1mg/L〜1g/L、好ましくは10
〜100mg/Lである。添加量が少なすぎると添加の
効果が現れず、多過ぎると微生物の生育を阻害すること
があるからである。
は、適宜の方法で菌体を培養液から一旦分離した後に破
砕処理もしくは抽出処理をするが、培地成分込みで豚に
経口投与しても差支えなくかつ破砕処理もしくは抽出処
理にも差支えなければ、培養液をそのまままたは濃縮し
て破砕処理もしくは抽出処理に付することもできる。ま
た、破砕処理もしくは抽出処理する菌体は、生菌体およ
び殺菌処理物のいずれであってもよい。
はなく、例えば、従来公知の機械的方法および酵素を利
用する方法のいずれによることもできる。機械的方法と
しては、方法自体は従来のものによることができ、例え
ば、「ビーズビーター」(バイオスペック社製)を用い
てガラスビースにより菌体の破砕を行ってもよく、圧力
で菌体の破砕を行なってもよく、または超音波破砕機な
どを用いて細胞の破砕を行ってもよい。酵素を用いて微
生物細胞を破砕する場合も、方法自体は従来のものによ
ることができ、例えば、培養菌体をそのまま加熱殺菌処
理した後にこれに細胞壁溶解酵素を添加して、菌体の細
胞壁を分解する。この際用いる酵素は、細胞壁を分解破
砕する能力のあるものであればいかなるものでもよく、
そのような能力を有するものとしては従来公知のリゾチ
ーム、プロテアーゼ、ザイモリアーゼなどを代表例とし
て挙げることができる。酵素処理条件は、もちろん、公
知の方法に従うことができる。
限はなく、例えば、自己消化あるいは90℃ないし12
0℃の温度で熱水中にて当該菌体を加熱することにより
抽出を行うことができる。
は菌体抽出物は、そのままでまたは適宜濃縮もしくは乾
燥してあるいは適当な添加物を加えた形態で母豚に経口
投与する。また、葉酸は細胞壁にはほとんど存在しない
ので、菌体破砕物から残存細胞壁の断片を除去してもよ
い。母豚に経口投与する形態には、飼料に配合して母豚
を飼養する形態も含まれることはもちろんである。
か1種を単用してもよく、また2種以上を併用してもよ
いことはもちろんである。
も考えて、適当な希釈剤などを添加しまたは添加しない
で、濃厚物、乾燥粉末、顆粒など適宜の剤形で流通に置
くことができる。
物を配合したことを特徴とする母豚用飼料に関する。
難はなにもなく、添加物として本発明の母豚飼料用添加
物を配合する他は全てそれ自体公知の配合飼料の製造法
に従うことができる。
について留意すべき点を説明する。それは、配合量であ
って、本発明の母豚飼料用添加物の飼料への配合量は、
配合効果の現れる量であって、例えば、還元型葉酸に換
算して1日当り摂取量が母豚の体重1kgにつき0.1
〜100μgとなるような量である。配合量が少なすぎ
ると配合効果はなく、このような量より多くしても配合
効果はそれ以上は増加せず、無駄である。
加物を母豚に経口投与するかまたは本発明の母豚用飼料
で母豚を飼養することを特徴とする母豚の飼育方法に関
する。
く、還元型葉酸の1日当り摂取量が母豚の体重1kgに
つき0.1〜100μgとなるようにする他は全て従来
公知の方法によることができる。
期間または飼養期間については、還元型葉酸投与の目的
が受精により母豚胎内に発生した多胎をなるべく多く、
できるなら全てを無事出産に至らせることであるから、
母豚に交配(受精)直前乃至2か月前位から還元型葉酸
の経口摂取を開始させ、発生多胎が無事出産に至ること
が確認できる程に生育した段階、例えば交配後2月位ま
で、または安全をみて分娩に至るまで引続き摂取を継続
させるとよい。
2頭を(実験区および比較区に各1頭)用いて検査し
た。
イコボリン(Sigma 社製)の0.75%水懸濁液を、体重1
kg当りロイコボリン50mgの量で強制経口投与(可撓性細
管により胃内へ直接注入)した。また、比較のために、
ロイコボリンを(酸化型)葉酸(金剛化学社製)に替え
た他は全く同様にして強制経口投与を行なった。
時間後に採血し、豚血漿中の2種の活性型葉酸、すなわ
ち、テトラヒドロ葉酸(THF)および5−メチルテト
ラヒドロ葉酸(5MF)を定量分析した。また、比較の
ために被験物質投与直前にも採血し、同様の定量分析を
行なった(対照)。
した血液 0.2mlに 0.5M perchloricacid 0.2ml を添加
して5000g×2min の遠心分離に付して除蛋白した。得
られた上清液 100μlを高速液体クロマトグラフィーに
供した。分析条件は、カラムは「Phenyl-bonded phase
4.6mm φ×150mm 」(Irica 社製)を採用し、移動相は
20mM酢酸カリウム緩衝液(pH 3.6)とアセトニトリルの
97.5:2.5 (v/v )混合液を使用し、流速は 0.8ml/mi
n とした。また、検出は、「電気化学検出器 E-502型」
(Irica 社製)を使用して行ない、印加電圧-300mVで測
定した。
投与後、速やかに血漿中のTHF濃度が上昇し、次いで
5MF濃度が上昇した。ロイコボリンは、生体内の代謝
においてTHF、次いで5MFへと変化することが知ら
れているので、本実験で見られる両活性型葉酸の血中動
態はよく理解できるものであり、THFの血漿中濃度が
1時間のうちに上昇したことから、ロイコボリンの経口
投与による体内吸収がきわめて良好に行なわれることが
示された。それに対して、比較の葉酸(不活性型)の経
口投与では、投与による血漿葉酸値に変化は認められな
かった。
懸濁液を、肝臓末換算で体重1kg当り5g(酸化型葉酸
および還元型葉酸を計0.08mg含有)の量で強制投与した
他は、実験動物、比較実験などを含めて全て実施例1に
おけると全く同様にして検査を行なった。ただし、比較
区は実施例1におけるものをそのまま流用した。
区)では、5MFの濃度は速かに上昇し、THFの濃度
も上昇した。これは、肝臓末に多量の5MFが含まれて
いるからであると考えられる。これに対し比較区では、
実施例1で触れたように、血漿中5MFおよびTHFの
上昇はともに認められなかった。肝臓末5g中の葉酸
は、上に述べたように、不活性型をも含めて0.08mgであ
ることを考えると、極めて体内吸収のよいことが分る。
に50mlずつ分注し、加熱殺菌後、細菌についてはブイヨ
ン寒天培地で予め30℃で24時間、酵母および糸状菌につ
いては、それぞれマルツエキス寒天培地で予め30℃で48
〜72時間培養して得た、下記第4表に示す微生物の菌体
を、それぞれ、1白金耳量接種し、30℃で24〜78時間振
とう培養した。培養後遠心分離によって菌体を集めた。
℃で10分間加熱処理(殺菌)を行い、再び遠心分離によ
って菌体を集めた。この菌体(湿菌体)を25mMのリン酸
緩衝液(pH 7.0)に10重量%になるように懸濁した。
製した菌体懸濁液に、卵白リゾチーム(Sigma 社製)
0.1重量%とパパイン(天野製薬(株)製) 0.2重量%
を添加し、37℃に12時間維持して細胞壁を溶解破砕して
溶解破砕液を得、酵母については、酵母細胞壁溶解酵素
「ザイモリアーゼ20T」(生化学工業(株)製) 0.2重
量%を添加し、同じく37℃に12時間維持して細胞壁を溶
解破砕して溶解破砕液を得、そして糸状菌については、
菌体懸濁液に等量(容量)の0.75mmφのガラスビーズを
混ぜ、「ビーズビーター」(バイオスペック社製)で1
分間の細胞破砕処理を5回繰返し、デカンテーションに
よってガラスビーズを除いた上清を得た。
菌の溶解破砕液および上清は、それぞれ、凍結乾燥によ
り乾燥し、粉末とした(本発明の母豚飼料用添加物の流
通形態の1つ)。
当りに含有される葉酸量をEnterococcus hirae ATCC 80
43を用いるバイオアッセイで測定した。結果を第4表に
併記した。因みに、このバイオアッセイでは、活性型
(還元型)葉酸および酸化型(不活性型)葉酸はその合
計量として同時に測定されるが、乾燥粉末に含まれる葉
酸は微生物由来なので測定値の大部分は活性型と考えて
よい。
成) 実施例3におけると同様にして、コリネバクテリウム・
グルタミカムATCC 13869およびコリネバクテリウム・グ
ルタミカム ATCC 13060 の菌体を培養集菌し、それぞれ
の菌体を20mMリン酸緩衝液(pH 7.0)に10重量%になる
ように懸濁して菌体懸濁液を調製した。
ビーズを混ぜ、「ビーズビーター」で1分間の破砕処理
を10回繰返して菌体を完全に破砕した。その後遠心分離
により、細胞質画分を遠心上澄に、そして細胞壁画分を
遠心残渣に分離した。
g中に存在する葉酸を実施例3におけると同様にしてバ
イオアッセイによって測定した。結果を第5表に示す。
いることが分る。
ルタミカム ATCC 13869 およびコリネバクテリウム・グ
ルタミカム ATCC 13060 を用い、菌体の酵素処理による
菌体消化物(破砕物)を作成した。
れ、パラアミノ安息香酸 100mg/L酸化型葉酸10mg/L
またはグアノシン100mg/Lを添加して培養したも
のである。
表に示す通りであった。
果) 実施例3で調製したコリネバクテリウム・グルタミカム
ATCC 13869 の酵素消化物(1) およびサッカロマイセス
・セレビシエ IFO 2044 の酵素消化物(2) ならびに実施
例5で調製したコリネバクテリウム・グルタミカム ATC
C 13869 (パラアミノ安息香酸を培地に添加して培養し
た菌体)の酵素消化物(3) について、実施例1における
と同様にして投与効果の検査を行なった。
ンゲンミニブタ(年令1才、体重30kg)4頭を用いた。
また、酵素消化物は、乾物換算で体重1kg当り50mgの量
で使用した。また、比較のために、不活性型葉酸(金剛
化学社製)を体重1kg当り50mgの量で使用して、同様の
検査を行なった(比較区)。
対照(投与前)に比べて、酵素消化物(1),(2) および
(3) の場合は、いずれも、血漿中のTHF値の上昇が認
められた。また、(1) および(3) の場合は、投与後速や
かにTHF濃度が上昇したが、(2) の場合は、THF濃
度の上昇速度は(1) および(3) に比べて緩やかであっ
た。また、(3) は(1) よりもTHF値の上昇度が高く、
より効果的である。不活性型葉酸(比較区)には、TH
Fおよび5MFの血漿中濃度を上げる効果はなかった。
雑による雑種)の母豚(年令 1.5〜4才、体重 150〜20
0kg )計60頭(試験区40頭、および比較区20頭)を使用
した。、また、活性型葉酸含有物として、実施例3で調
製したコリネバクテリウム・グルタミカム ATCC 13869
の菌体破砕物(菌体酵素消化乾燥物)および実施例4で
調製した同じ菌株の菌体の菌体破砕物(細胞質画分乾燥
物)を使用した。
記葉酸含有物を毎日 300mgずつ、前記の実施例3で調製
した菌体破砕物を飼料に添加して連続投与を開始した。
交配後60日目に実施例1におけると同様にして血漿中の
THFおよび5MFの含有量を測定した(実験区I)。
いても同様の試験を行ない(実験区II)、なお、比較の
ために、菌体破砕物の飼料添加による投与をせずに同様
の試験を行なった(比較区)。
分るように、葉酸含有物投与区(実験区)は、比較区に
比べて、いずれも高いTHFおよび5MFの含有値(ng
/ml)を示した。
酸の投与を分娩時まで継続した。
なったが、出産成績は次の通りであった。すなわち、菌
体の酵素消化物投与区(実験区I)では、平均11.6頭、
そして細胞質画分乾燥物投与区(実験区II)では平均1
1.8頭を出産したのに対して、比較では平均10.8頭であ
った。この成績から、菌体の酵素消化物および細胞質画
分乾燥物を投与すること(以上、本発明)により、母豚
の血漿中のTHFおよび5MF値が上昇し、また繁殖成
績が向上することがわかった。
果) 同腹のゲッチンゲンミニブタ(年齢2才、体重約20k
g)2頭を用いて検査した。
一方には、7,8−ジヒドロ葉酸(H2 葉酸)(シグマ
社製)の0.2%アスコルビン酸ナトリトウム溶液を体
重1kg当りH2 葉酸1mgの量で、そして他方には
0.2mgの量で、それぞれ、強制経口投与を行なっ
た。投与後、実施例1におけると同様にして経時採血
し、その血漿を分離後同じく実施例1におけると同様に
して活性型葉酸濃度を測定した。
よび5MF)濃度の経時変化を下記第9表に示す。
Fはやや減少したがTHFは顕著な上昇がみられた。
の経口投与により母豚の血漿中活性型葉酸値を増大さ
せ、延いてはその繁殖効率が容易に改善されるところと
なり、養豚業の経営に資するところ極めて大である。
Claims (5)
- 【請求項1】 繁殖効率を改善するための有効成分とし
て、7,8−ジヒドロ葉酸、5,6,7,8−テトラヒ
ドロ葉酸、5−ホルミル−H4 葉酸、5,10−メチ
レン−H4 −葉酸、5−メテニル−H4 葉酸、10−
ホルミル−H4 −葉酸、5−ホルムイミノ−H4 葉酸
からなる群から選択された還元型葉酸を含有することを
特徴とする母豚飼料用添加物。 - 【請求項2】 還元型葉酸が肝臓末または/および、コ
リネバクテリウム・アンモニアゲネス(Corynebacteriu
m ammoniagenes)、ブレビバクテリウム・フラブム(Br
evibacterium flavum)、ラクトコッカス・ラクチス(L
actococcus lactis subsp. cremoris)、サッカロマイ
セス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、カン
ジダ・ウチルス(Candida utilis)、アスペルギルス・
オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ニガ
ー(Aspergillus niger)を含む群から選択された微生
物の菌体破砕物もしくは菌体抽出物の形態であることを
特徴とする、請求項1記載の母豚飼料用添加物。 - 【請求項3】 微生物の菌体破砕物もしくは菌体抽出物
がパラアミノ安息香酸、酸化型葉酸または/および核酸
を添加した培地で培養した微生物の菌体破砕物であるこ
とを特徴とする請求項2記載の母豚飼料用添加物。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の飼料用
添加物を配合したことを特徴とする母豚用飼料。 - 【請求項5】 母豚に請求項1〜3のいずれかに記載の
飼料用添加物を経口投与するかまたは母豚を請求項4記
載の飼料で飼養することを特徴とする母豚の飼育方法。
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JP24030794A JP3417084B2 (ja) | 1993-10-05 | 1994-10-04 | 母豚飼料用添加物および母豚用飼料 |
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JP5-249405 | 1993-10-05 | ||
JP24940593 | 1993-10-05 | ||
JP24030794A JP3417084B2 (ja) | 1993-10-05 | 1994-10-04 | 母豚飼料用添加物および母豚用飼料 |
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JP3417084B2 true JP3417084B2 (ja) | 2003-06-16 |
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JP24030794A Expired - Lifetime JP3417084B2 (ja) | 1993-10-05 | 1994-10-04 | 母豚飼料用添加物および母豚用飼料 |
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-
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Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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GB1193191A (en) | 1967-04-19 | 1970-05-28 | Chemoforma Ag | Veterinary Compositions |
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