JP3415100B2 - 投射型液晶表示素子 - Google Patents

投射型液晶表示素子

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JP3415100B2 JP2000155712A JP2000155712A JP3415100B2 JP 3415100 B2 JP3415100 B2 JP 3415100B2 JP 2000155712 A JP2000155712 A JP 2000155712A JP 2000155712 A JP2000155712 A JP 2000155712A JP 3415100 B2 JP3415100 B2 JP 3415100B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶パネルから出
力された映像信号を、スクリーン等の大画面に拡大表示
する投射型液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の投射型液晶表示装置は、例えば図
26、或いは図27に示すような構成を有している。こ
れらにおいて、光源71から出射された光は、UV/I
Rカットフィルタ51を介して映像出力部52(或いは
映像出力部52’)に入射し、映像出力部52(或いは
映像出力部52’)から出射した映像信号が、投射レン
ズ53に入射し、図示しないスクリーンに投射表示され
る。
【0003】上記映像出力部52・52’は、何れも液
晶パネル54と、この光入射側及び光出射側にそれぞれ
配された光入射側及び光出射側偏光素子55a・55b
とからなる。このうち、映像出力部52では、光出射側
偏光素子55bが液晶パネル54と空気層を隔てて配さ
れ、映像出力部52’では、空気層を介さず液晶パネル
54の光出射面に貼着されている。一方、上記映像出力
部52・52’共に、光入射側偏光素子55aは、光入
射側偏光素子55aによる光吸収により液晶パネル54
の温度が上昇するのを避けるため、空気層を隔てて配さ
れている。
【0004】図28に、上記映像出力部52・52’に
おける液晶パネル54の要部断面図を示し、図29に、
液晶パネル54の光出射側表面に光出射側偏光素子55
bが粘着材60を介して貼着された、映像出力部52’
の液晶パネル部59の要部断面図を示す。
【0005】液晶パネル54は、各々対向配置された光
入射側に配される対向基板54aと、光出射側に配され
るアクティブマトリクス基板54bとからなり、基板間
に液晶層56が挟持されている。アクティブマトリクス
基板54bの対向面には、各々表示画素に対応する半導
体能動素子58が形成されると共に、他方の対向基板5
4aの対向面には、図示しない対向電極と共に、上記半
導体能動素子58を遮光する遮光パターン57が形成さ
れている。このように対向基板54a側を光入射側に配
し、かつ、遮光パターン57を形成するのは、アクティ
ブマトリクス基板54bに形成されている半導体能動素
子58に光が当たると、OFF特性の低下が生じて、コ
ントラストの低下が生じるためである。尚、このような
遮光パターン57は、アクティブマトリクス基板54b
側に、半導体能動素子58を覆うように形成されること
もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図26に示
す映像出力部52の場合、液晶パネル54におけるアク
ティブマトリクス基板54bと光出射側偏光素子55b
との間に空気層が介在するため、アクティブマトリクス
基板54bの光出射面(アクティブマトリクス基板54
aと空気層との境界面)での内部反射や、光出射側偏光
素子55bにおける光入射面(空気層と光出射側偏光素
子55bとの境界面)での外部反射、及び光出射側偏光
素子55bにおける光出射面(光出射側偏光素子55b
と空気層との境界面)での内部反射によって、反射光が
発生する。
【0007】このような反射光がアクティブマトリクス
基板54aの半導体能動素子58に当たると、半導体能
動素子58にOFF特性の低下が生じ、これを原因とし
てクロストークが発生したり、コントラスト低下が生じ
たりし、その結果、画質が低下して良好な画像が得られ
ないといった問題が生じる。
【0008】また、図27に示す映像出力部52’の場
合は、液晶パネル54に光出射側偏光素子55bが貼着
された液晶パネル部59であるので、光出射側偏光素子
55bにおける光出射面(光出射側偏光素子55bと空
気層との境界面)での内部反射が生じるのみで、アクテ
ィブマトリクス基板54bにおける光出射面での内部反
射や、光出射側偏光素子55bにおける光入射面での外
部反射は生じない。しかしながら、特に、液晶パネル5
4として、表示絵素電極の微細な小型高精細の液晶パネ
ルを用いた投射型液晶表示装置では、対向電極による遮
光パターンが小さくなり、遮光効果が不十分となるの
で、たとえ光出射側偏光素子55bにおける光出射面で
の内部反射で生じた反射光のみでも、半導体能動素子5
8にOFF特性の低下が生じ、クロストークの発生や、
コントラスト低下による画質の低下が招来されている。
【0009】加えて、図26に示す映像出力部52、又
は図27に示す映像出力部52’の場合、液晶パネル5
4におけるアクティブマトリクス基板54bの光出射
面、又は対向基板54aの光入射面のごみや傷、光出射
側偏光素子55bに形成されている傷や欠陥等の不良
が、投射レンズ53によりスクリーン等の上に結像され
るため、これによっても画質の低下が招来されている。
【0010】尚、特開平4−100002号公報には、
図30及び図31に示すように、液晶パネル72の光入
出射側にそれぞれ配された光入射側偏光素子55a、及
び光出射側偏光素子55bの各素子表面にて外部反射や
内部反射が生じ、反射ロスにて透過率が低下することを
阻止するために、光入射側及び光出射側偏光素子55a
・55bにおける光入射面に減反射コーティング61を
施した構成と、光入射側及び光出射側偏光素子55a・
55bの光入射面及び光出射面の両面に減反射コーティ
ング61を施した構成とが開示されている。
【0011】また、特開平4−104244号公報に
は、液晶パネルの光入射側及び光出射側の各表面、光出
射側偏光素子、及び光出射側偏光素子の各素子表面にて
外部反射や内部反射が生じ、反射ロスにて透過率が低下
することを阻止するために、減反射コーティングを施し
た光学素子に光入射側偏光素子或いは光出射側偏光素子
となる偏光素子を貼り合わせたユニットを、液晶パネル
の光入射側及び光出射側の各表面に貼り合わせた構成が
開示されている。
【0012】また、特開平2−195381号公報に
は、液晶パネルの光入射側及び光出射側の各表面につい
たごみが投射レンズによってスクリーン等の上に結像す
ることを防止するために、液晶パネルの光入射側及び光
出射側の各表面にガラスブロックを貼着し、液晶パネル
モジュール表面が投射レンズの焦点深度よりも外側にあ
る液晶パネルモジュールの構成が開示されている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の投射型液晶表示
装置は、上記の課題を解決するために、半導体能動素子
が形成されたアクティブマトリクス基板と対向電極が形
成された対向基板との間に液晶層を挟持してなる液晶パ
ネルに、対向基板側から光を照射して、液晶パネルに表
示された映像を投射レンズを用いて投射表示するもの
で、上記液晶パネルには、入射光がアクティブマトリク
ス基板の半導体能動素子に直接当たらないように半導体
能動素子を遮光する遮光パターンが形成されると共に、
光出射側に配される平板状の光出射側偏光素子が、アク
ティブマトリクス基板の光出射面に密着して設けられ、
かつ、この光出射側偏光素子の光出射面に、減反射コー
ティングからなる反射防止部が形成されると共に、アク
ティブマトリクス基板の厚みが、厚みdmm、液晶パネ
ルにおける絵素開口部面積をaμm 2 としたとき、d>
−0.0016a+1.26の式を満たすように設計さ
れていることを特徴としている。
【0014】
【0015】
【0016】また、本発明の投射型液晶表示装置は、上
記の課題を解決するために、上記投射型液晶表示装置に
おいて、上記対向基板の厚みも、厚みdmm、液晶パネ
ルにおける絵素開口部面積をaμm2としたとき、d>
−0.0016a+1.26の式を満たすように設計さ
れていることを特徴としている。
【0017】さらに、本発明の投射型液晶表示装置は、
上記の課題を解決するために、上記投射型液晶表示装置
において、前記液晶パネルにおけるアクティブマトリク
ス基板に設けられた半導体能動素子が、トップゲート構
造の多結晶シリコン薄膜トランジスタであることを特徴
としている。
【0018】以下、本発明の作用について説明する。
【0019】上記本発明の構成によれば、光出射側偏光
素子と液晶パネルにおけるアクティブマトリクス基板と
は密着されており、光出射側偏光素子と液晶パネルとの
間に空気層が介在しない構成となっているので、アクテ
ィブマトリクス基板の光出射面での内部反射、及び光出
射側偏光素子の光入射面での外部反射が確実に低減され
る。また、光出射側偏光素子の光出射面には、反射防止
部が形成されているので、この反射防止部にて、光出射
側偏光素子の光出射面での内部反射が確実に低減され
る。その結果、液晶パネルのアクティブマトリクス基板
に設けられた半導体能動素子にOFF特性の低下が生じ
難くなり、クロストークの発生や、コントラストの低下
が抑制され、たとえ表示絵素電極の微細な小型高精細の
液晶パネルを用いた場合でも、画質の高い良好な画像を
得ることが可能となる。
【0020】
【0021】
【0022】さらに、アクティブマトリクス基板の厚み
が、厚みdmm、液晶パネルにおける絵素開口部面積を
aμm2としたとき、d>−0.0016a+1.26
の式を満たすように設計され、アクティブマトリクス基
板の光出射面が投射レンズの焦点深度以上、液晶パネル
における表示絵素電極から離間されるので、アクティブ
マトリクス基板の光出射面についたごみや傷が投射レン
ズによってスリーン等の上に結像することが防止され
る。そしてアクティブマトリクス基板の光出射面よりも
さらに光出射側に配されている光出射側偏光素子に形成
されている傷や欠陥等の不良が投射レンズによってスリ
ーン等の上に結像することが防止されるのはもちろんで
あり、より一層画質の高い良好な画像を得ることが可能
となる。
【0023】さらに、本発明の構成によれば、液晶パネ
ルにおけるアクティブマトリクス基板だけでなく、対向
基板の厚みについても、d>−0.0016a+1.2
6の式を満たすように設計され、対向基板の光入射面が
投射レンズの焦点深度以上、液晶パネルにおける表示絵
素電極から離間されるので、上述した構成による作用に
加えて、対向基板の光入射面についたごみや傷も投射レ
ンズによってスリーン等の上に結像することが防止さ
れ、さらに、画質の高い良好な画像を得ることが可能と
なる。
【0024】また、本発明の構成は、液晶パネルにおけ
るアクティブマトリクス基板に設けられた半導体能動素
子が、トップゲート構造の多結晶シリコン薄膜トランジ
スタである。トップゲート構造の多結晶シリコン薄膜ト
ランジスタ半導体能動素子の場合、アクティブマトリク
ス基板の裏面から見て、チャネル層はゲート電極にて遮
光されないので、ボトムゲート構造の多結晶シリコン薄
膜トランジスタ半導体能動素子に比べて、アクティブマ
トリクス基板の光出射面での内部反射や、光出射側偏光
素子の光入射面での外部反射、及び光出射側偏光素子の
光出射面での内部反射によるOFF特性低下の影響を受
け易かった。しかしながら、本発明の構成を採用し、反
射光の発生をほぼ確実に抑えることで、たとえトップゲ
ート構造の多結晶シリコン薄膜トランジスタ半導体能動
素子を用いた場合も、画質の高い良好な画像を得ること
が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】(実施例1)本発明の一実施例に
ついて図1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通
りである。
【0026】本実施例に係る投射型液晶表示装置は、図
2に示すように、光源1、UV/IRカットフィルタ
2、第1〜第4のダイクロイックミラー3・4・5・
6、第1及び第2の反射ミラー7・8、及び赤・緑・青
の各原色毎の信号で駆動している映像出力部10・11
・12を備えている。
【0027】上記構成において、光源1からUV/IR
カットフィルタ2を介して出射された光は、まず第1の
ダイクロイックミラー3に入射し、反射光と透過光とに
分離される。このうち、第1のダイクロイックミラー3
を透過した透過光は、第2のダイクロイックミラー4に
入射し、さらに反射光と透過光とに分離される。このよ
うに、第1及び第2のダイクロイックミラー3・4によ
り、赤、緑、青の3原色に分離された光は、それぞれの
色に対応する映像出力部10・11・12に入射する。
尚、映像出力部10に入射する光は、第1の反射ミラー
7にて反射された後入射する。
【0028】その後、これら映像出力部10・11・1
2から出射した3原色の映像信号が、第3及び第4のダ
イクロイックミラー5・6、及び第2の反射ミラー8を
介して合成され、投射レンズ9に入射し、図示しないス
クリーンに投射表示される。
【0029】次に、上記構成の投射型液晶表示装置の各
映像出力部10・11・12の構成を説明する。尚、各
映像出力部10・11・12は、駆動信号が異なるだけ
で各々ほぼ同様の構成を有しているので、ここでは映像
出力部10の構成のみを説明し、映像出力部11・12
の説明については省略するものとする。
【0030】映像出力部10は、液晶パネル部15と、
この光入射側に空気層を隔てて配された光入射側偏光素
子13aとからなる。
【0031】液晶パネル部15は、図1に示すように、
厚みが後述のように設定されている、対向基板14aと
アクティブマトリクス基板14bとを有し、基板間に液
晶層19を挟持してなる液晶パネル14を備えている。
【0032】この液晶パネル14は、対向基板14aが
光入射側に、アクティブマトリクス基板14bが光出射
側になるように配され、上記液晶パネル14におけるア
クティブマトリクス基板14bの光出射面には、アクテ
ィブマトリクス基板14b及び光出射側偏光素子13b
とほぼ同一の屈折率(約1.5)を有した粘着材20を介
して光出射側偏光素子13bが密着されている。そし
て、この光出射側偏光素子13bにおける空気層と接す
る光出射面には、反射防止部として減反射コーティング
21が施されている。
【0033】一方、上記液晶パネル14におけるアクテ
ィブマトリクス基板14bの対向基板14aとの対向面
には、各々表示画素に対応する半導体能動素子17が形
成され、他方の対向基板14aにおける対向面には、図
示しない対向電極と共に、上記半導体能動素子17を遮
光するための遮光パターン18が形成されている。尚、
この遮光パターン18は、必ずしも対向基板14a側に
設ける必要はなく、図5に示すように、アクティブマト
リクス基板14b側に半導体能動素子17を覆う如く形
成してもよい。
【0034】半導体能動素子17は、トップゲート構造
の多結晶シリコン薄膜トランジスタ半導体能動素子から
なり、図3に示すように、アクティブマトリクス基板1
4bの上に、チャネル層17a、ゲート絶縁膜17b、
ゲート電極17c、層間絶縁膜17dが順に積層される
と共に、それぞれ所定形状にパターニングされており、
その上面に、ソース電極17e、及びドレイン電極17
fが形成されている。
【0035】次に、このような構成の映像出力部10に
おいて、液晶パネル14におけるアクティブマトリクス
基板14bの光出射面(アクティブマトリクス基板14
bと光出射側偏光素子13bとの境界面)での内部反
射、光出射側偏光素子13bの光入射面(アクティブマ
トリクス基板14bと光出射側偏光素子13bとの境界
面)での外部反射、及び光出射側偏光素子13bの光出
射面(光出射側偏光素子13bと空気層との境界面)で
の内部反射をそれぞれ求め、前述の図26に示した従来
の映像出力部52の場合と比較した結果を示す。
【0036】一般に、入射光の反射に関しては、屈折率
の異なる物質の境界面で次式で示した反射が生じる。即
ち、 反射率:R=〔(n1−n2)2/(n1+n2)2〕×
100 〔%〕 n1,n2:物質の屈折率 従来のアクティブマトリクス基板54bと光出射側偏光
素子55bとの間に空気層が介在していた構成の映像出
力部52の場合は、アクティブマトリクス基板(屈折
率:約1.5)54bと空気層(屈折率:約1.0)と
の差により、アクティブマトリクス基板54bの光出射
面で、4%程度の内部反射が生じ、空気層と光出射側偏
光素子55b(屈折率:約1.5)との差により、光出
射側偏光素子55bの光入射面では、3%程度の外部反
射が生じていた。
【0037】これに対し、本実施例の映像出力部10の
場合は、アクティブマトリクス基板14bの光出射面に
は、アクティブマトリクス基板14bとほぼ同じ屈折率
を有する粘着材20を介して光出射側偏光素子13bが
貼着されているので、アクティブマトリクス基板14b
の光出射面での内部反射は殆ど生じず、反射はほぼ0%
となっており、また、光出射側偏光素子13bの光入射
面での外部反射も殆ど生じず、反射はほぼ0%となって
いる。
【0038】さらに、光出射側偏光素子13bの光出射
面での内部反射は、光出射側偏光素子13bの光出射面
に施された減反射コーティング21により、ほぼ0%と
なっている。
【0039】このことから、アクティブマトリクス基板
14bの光出射面での内部反射、光出射側偏光素子13
bの光入射面での外部反射、及び光出射側偏光素子13
bの光出射面での内部反射がそれぞれ確実に低減されて
いることがわかる。
【0040】次に、上記液晶パネル14における対向基
板14a及びアクティブマトリクス基板14bにおける
厚みの設定方法に付いて説明する。
【0041】液晶パネル14の対向基板14aの光入射
面にあるごみや傷、光出射側偏光素子13bにある傷や
欠陥等の不良が、投射レンズ9の焦点深度内に存在して
いると、これらの不良が投射レンズによてスクリーン等
の上に結像されてしまい、色むらや輝度むらとなって画
質を低下させる虞れがある。そこで、アクティブマトリ
クス基板14b・対向基板14aとしては、アクティブ
マトリクス基板14bの光出射面と対向基板14aの光
入射面とが、投射レンズ9の焦点深度よりも外側になる
ような厚みを有する基板が用いられている。アクティブ
マトリクス基板14bの光出射面を投射レンズ9の焦点
深度より外側とすることで、光出射側偏光素子13bは
必ず焦点深度外となる。
【0042】これにより、本実施例の投射型液晶表示装
置では、対向基板14aの光入射面表面に着いているご
みや傷、光出射側偏光素子13bにある傷や欠陥等の不
良が、投射レンズ9によってスクリーン等の上に結像す
ることが防止され、これによって、さらなる画質の向上
がもたらされている。
【0043】ここで、基板の厚みの設定を具体的に数値
を挙げて説明すると、液晶パネルを投射する際に、投射
レンズによってスクリーン等の上に結像して問題となる
液晶パネルの対向基板の光入射面或いはアクティブマト
リクス基板の光出射面(本実施例では、アクティブマト
リクス基板14bの光出射面には光出射側偏光素子13
bが貼着されているため、ごみや傷がつく虞れはない)
にあるごみや傷と、光出射側偏光素子にある傷や欠陥等
の大きさと、液晶パネルの絵素開口部面積とは相関関係
にある。実験より図4の斜線部に示される範囲の厚みを
有する基板を対向基板14a、アクティブマトリクス基
板14bに用いれば、対向基板14aの光入射面及びア
クティブマトリクス基板14bの光出射面についたごみ
や傷、光出射側偏光素子13bについた傷や欠陥等の不
良が、投射レンズ9によってスクリーン等の上に結像さ
れるのを防止できる。図4における斜線部の範囲は次式
で表される。
【0044】d>−0.0016a+1.26 d:基板の厚み(単位:mm) a:液晶パネルの絵素開口部面積(単位:μm2) 以上のように、本実施例の投射型液晶表示装置に配され
る映像出力部10・11・12は、液晶パネル14のア
クティブマトリクス基板14bと光出射側偏光素子13
bとが、アクティブマトリクス基板14b及び光出射側
偏光素子13bとほぼ同じ屈折率をもつ粘着材20を介
して密着されていると共に、光出射側偏光素子13bの
光出射面に、減反射コーティング21が施された構成を
有している。したがって、アクティブマトリクス基板1
4bの光出射面での内部反射や、光出射側偏光素子13
bの光入射面での外部反射、及び光出射側偏光素子13
bの光出射面での内部反射がそれぞれ確実に低減され
る。その結果、液晶パネル14のアクティブマトリクス
基板14bに設けられた半導体能動素子17にOFF特
性の低下が生じ難くなり、クロストークの発生や、コン
トラストの低下が抑制され、たとえ表示絵素電極の微細
な小型高精細の液晶パネルを用いた場合でも、画質の高
い良好な画像を得ることが可能となる。
【0045】そして、特に本実施例の液晶パネル14の
ように、アクティブマトリクス基板14bに形成されて
いる半導体能動素子17がトップゲート構造の多結晶シ
リコン薄膜トランジスタ半導体能動素子からなる場合、
アクティブマトリクス基板14bの裏面から見て、チャ
ネル層17aはゲート電極17cにて遮光されないの
で、半導体能動素子17がボトムゲート構造の多結晶シ
リコン薄膜トランジスタ半導体能動素子からなる構成に
比べて、アクティブマトリクス基板14bの光出射面で
の内部反射や、光出射側偏光素子13bの光入射面での
外部反射、及び光出射側偏光素子13bの光出射面での
内部反射による半導体能動素子17のOFF特性低下の
影響を受け易いといった問題を有しているが、これによ
り、投射型液晶表示装置に、トップゲート構造の多結晶
シリコン薄膜トランジスタ半導体能動素子を用いた場合
も、画質の高い良好な画像を得ることが可能となる。
【0046】また、本実施例の投影型液晶表示装置で
は、液晶パネル部15を構成する液晶パネル14のアク
ティブマトリクス基板14a及び対向基板14bに、図
4の斜線部に示される範囲の厚みを有するものを用いた
ので、対向基板14aの光入射面表面についているごみ
や傷、光出射側偏光素子13bにある傷や欠陥等の不良
が、投射レンズ9によってスクリーン等の上に結像する
ことが防止され、さらに画質の高い良好な画像を得るこ
とが可能となっている。そしてこの場合、はじめから基
板の厚みを設定しているので、ガラスブロック等を別途
用意して後から基板に貼り付けて、液晶パネルにおける
光出射側表面及び光入射側表面を、投射レンズの焦点深
度外にする構成に比べて、工程数が削減され、低コスト
に製造できる等の利点を有している。
【0047】尚、本実施例のように、液晶パネル部15
を構成する液晶パネル14のアクティブマトリクス基板
14a及び対向基板14bに、図4の斜線部に示される
範囲の厚みを有するものを用いず、液晶パネル14にお
ける対向基板14aの光入射面についたごみは清掃によ
り取り除くことができるので、少なくとも清掃によりと
り除くことはできない光出射側偏光素子13bにある傷
や欠陥等の不良が結像されないように、アクティブマト
リクス基板14bだけでも図4の斜線部に示される範囲
の厚みを有するものを用いた構成として、従来に比べて
充分効果的である。
【0048】また、本実施例では、光源からの光を3原
色に分解し、3つの映像出力部10・11・12に入射
させる構成の投射型液晶表示装置としているが、これに
限定されるものではなく、例えば図6に示すような投射
型液晶表示装置にももちろん、上記した構成の映像出力
部を採用することができる。
【0049】(実施例2)本発明の他の実施例を図7な
いし図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
尚、説明の便宜上、前記の実施例と同一の機能を有する
部材には同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0050】本実施例に係る投射型液晶表示装置は、図
7に示すように、前記の実施例1の投射型液晶表示装置
において配されていた映像出力部10・11・12に換
えて、映像出力部24・25・26が各々配されてい
る。
【0051】尚、上記の各映像出力部24・25・26
においても、前記の実施例1と同様に、駆動信号が異な
るだけで各々ほぼ同様の構成を有しているので、ここで
も映像出力部24の構成のみを説明する。
【0052】映像出力部24は、前記の実施例1の映像
出力部10における液晶パネル部15に換えて、液晶パ
ネル部23を備えている。
【0053】上記液晶パネル部23は、図8に示すよう
に、前記の液晶パネル部15では、光出射側偏光素子1
3bの光出射面に、反射防止部として減反射コーティン
グ21が施されていたのに対し、粘着材20を介して1
/2波長板27が貼着されている。
【0054】このような液晶パネル部23を備えた映像
出力部24の構成でも、前記の実施例1と同様に光出射
側偏光素子13bの光出射面での内部反射を、確実に低
減できる。その結果、前記の実施例1と同様の効果を得
ることができる。
【0055】そしてさらに、図9に示すように、1/2
波長板27における空気層と接する光出射面に、減反射
コーティング21を施すことにより、1/2波長板27
の光出射面(1/2波長板27と空気層との境界面)で
の内部反射をも低減できる。
【0056】尚、この場合、減反射コーティング21を
1/2波長板27に直接施す代わりに、減反射コーティ
ング21を施した透明な非偏光性物質からなる透明板を
貼着してもよい。このように1/2波長板27の光出射
面に減反射コーティング21を施すことで、反射による
クロストークの発生や、コントラストの低下をより一層
抑制して、さらに画質の高い良好な画像を得ることが可
能となる。上記の非偏光性物質からなる透明板の材料と
しては、ガラス基板、石英基板、アセテートセルロース
系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネー
トフィルム、ポリサルフォンフィルムの何れかもしくは
その組み合わせから成るものを用いることができる。
【0057】尚、本実施例の場合も、光源からの光を3
原色に分解し、3つの映像出力部24・25・26に入
射させる構成の投射型液晶表示装置としているが、これ
に限定されるものではなく、例えば図10に示すような
構成の投射型液晶表示装置にももちろん、上記した構成
の映像出力部を採用することができる。
【0058】(実施例3)本発明の他の実施例を図11
ないし図13に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、前記の実施例と同一の機能を有
する部材には同一の符号を付記し、その説明を省略す
る。
【0059】前記の実施例1・実施例2における投射型
液晶表示装置の構成の場合、清掃では取り除けない光出
射側偏光素子13bにある傷や欠陥等の不良が投射レン
ズ9によってスクリーン上に結像されてしまい画質を低
下させるため、これを阻止するためには、少なくともア
クティブマトリクス基板14bの厚みを、図4の斜線部
に示される範囲にすることが必要であった。しかしなが
ら、こうして厚みの範囲が決まると、一般に製造されて
いる液晶パネルを使用できないため、コストが割高にな
る虞れがある。
【0060】そこで、本実施例は、液晶パネルのアクテ
ィブマトリクス基板に設けられた半導体能動素子にOF
F特性の低下が生じ難く、クロストークの発生や、コン
トラストの低下を抑制し、画質の高い良好な画像が得ら
れ、かつ、アクティブマトリクス基板の厚みを図4の斜
線部に示される範囲にせずとも、光出射側偏光素子にあ
る傷や欠陥等の不良が、スクリーン上に結像されること
を防止できる構成を提供するものである。
【0061】本実施例に係る投射型液晶表示装置は、図
11に示すように、前記の実施例1の投射型液晶表示装
置において配されていた映像出力部10・11・12に
換えて、映像出力部30・31・32が各々配されてい
る。
【0062】尚、上記の各映像出力部30・31・32
においても、前記の実施例1と同様に、駆動信号が異な
るだけで各々同様の構成を有しているので、ここでも映
像出力部30の構成のみを説明する。
【0063】映像出力部30は、前記の実施例1の映像
出力部10における液晶パネル部15に換えて、液晶パ
ネル部29を備えている。
【0064】上記液晶パネル部29は、図12に示すよ
うに、液晶パネル14’を備えている。この液晶パネル
14’のアクティブマトリクス基板14b’及び対向基
板14a’の厚みは、図4の斜線部に示される範囲外で
ある。液晶パネル14’と光出射側偏光素子13bと
が、空気層A1を隔てて互いに離間して配されており、
液晶パネル14’におけるアクティブマトリクス基板1
4b’の光出射面、及び光出射側偏光素子13bの光入
出射両面には、それぞれ減反射コーティング21が施さ
れている。ここで、上記空気層A1は、液晶パネル1
4’の表示絵素電極から、光出射側偏光素子13bが、
投射レンズ9の焦点深度以上離間するように、その厚み
が設定されている。
【0065】このような液晶パネル部29を備えた映像
出力部30では、液晶パネル14’におけるアクティブ
マトリクス基板14b’の光出射面(アクティブマトリ
クス基板14b’と空気層A1との境界面)での内部反
射は、アクティブマトリクス基板14b’に設けられた
減反射コーティング21にて、従来の映像出力部52
(図19参照)における4%程度からほぼ0%の状態に
抑えることができる。また、光出射側偏光素子13bの
光入射面(空気層A1と光出射側偏光素子13bとの境
界面)での外部反射は、光出射側偏光素子13bの光入
射面に設けられた減反射コーティング21にて、従来の
映像出力部52(図19参照)における3%程度からほ
ぼ0%の状態に抑えることができる。同様に、光出射側
偏光素子13bの光出射面(光出射側偏光素子13bと
空気層との境界面)での内部反射も、光出射側偏光素子
13bの光出射面に設けられた減反射コーティング21
にて、0%の状態に抑えることができる。したがって、
このような構成でも、アクティブマトリクス基板14
b’に形成された半導体能動素子17にOFF特性の低
下を生じ難くして、クロストークの発生や、コントラス
トの低下を抑制し、たとえ表示絵素電極の微細な小型高
精細の液晶パネルを用いた場合でも、画質の高い良好な
画像を得ることが可能となるという前記の実施例1・実
施例2と同様の効果を得ることができる。
【0066】しかも、上記の映像出力部30では、液晶
パネル14’の表示絵素電極と、光出射側偏光素子13
bとが、空気層A1にて投射レンズ9の焦点深度以上離
間しているので、光出射側偏光素子13bに形成されて
いる傷や欠陥等の不良が、投射レンズ9によってスクリ
ーン上に結像することは防止される。
【0067】尚、液晶パネル部29を、前記の実施例1
・実施例2に示したように、アクティブマトリクス基板
14b及び対向基板14aの厚みが、図4の斜線部に示
される範囲内である液晶パネル14を用いて構成した場
合は、液晶パネル部14の対向基板14aの光入射面及
びアクティブマトリクス基板14bの光出射面に設けら
れた減反射コーティング21表面を清掃せずとも、これ
ら表面についたごみや傷も結像されない構成となる。
【0068】また、本実施例の場合も、光源からの光を
3原色に分解し、3つの映像出力部30・31・32に
入射させる構成の投射型液晶表示装置としているが、こ
れに限定されるものではなく、例えば図13に示すよう
な構成の投射型液晶表示装置にも、もちろん上記した構
成の映像出力部を採用することができる。
【0069】(実施例4)本発明の他の実施例を図14
ないし図16に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、前記の実施例と同一の機能を有
する部材には同一の符号を付記し、その説明を省略す
る。
【0070】前記の実施例3の投射型液晶表示装置のよ
うに、液晶パネル14’のアクティブマトリクス基板1
4b’の光出射面に直接、減反射コーティング21を施
す構成の場合、以下のような問題が生じる虞れがある。
【0071】即ち、液晶パネル14’におけるアクティ
ブマトリクス基板14b’の一方面に半導体能動素子1
7を形成する前に、他方面に減反射コーティング21を
施すと、半導体能動素子17の形成時に減反射コーティ
ング21に傷がつき、スクリーン上にこの傷が結合して
画質が劣化する。一方、半導体能動素子17を形成した
後に、他方面に減反射コーティング21を直接施すと、
半導体能動素子17にダメージを与えたり、静電気破壊
(ESD)により半導体能動素子17の不良が起こり、
歩留りが低下する。さらに、対向基板14a’と貼着し
て液晶パネル14’を完成した後に、減反射コーティン
グ21を直接、半導体能動素子17が形成されたアクテ
ィブマトリクス基板14bの光出射面に形成すると、液
晶パネル14’に加えることのできる温度に制約がある
ため、膜質が低下し、良好な特性の減反射コーティング
21を設けることができない。
【0072】そこで、本実施例の投射型液晶表示装置で
は、このような問題を解決して、優れた膜質の傷等のな
い良好な減反射コーティング21を高歩留りで施すこと
を目的としている。
【0073】本実施例に係る投射型液晶表示装置は、図
14に示すように、前記の実施例3の投射型液晶表示装
置において配されていた映像出力部30・31・32に
換えて、映像出力部36・37・38が各々配されてい
る。
【0074】尚、上記の各映像出力部36・37・38
においても、前記の実施例1と同様に、駆動信号が異な
るだけで各々同様の構成を有しているので、ここでも映
像出力部36の構成のみを説明する。
【0075】映像出力部36は、前記の実施例3の映像
出力部30における液晶パネル部29に換えて、液晶パ
ネル部35を備えている。
【0076】上記液晶パネル部35は、図15に示すよ
うに、液晶パネル14’におけるアクティブマトリクス
基板14b’の光出射面に、粘着材20を介して光出射
面に減反射コーティング21が施された透明板(透明部
材)39が密着されている一方、光入射面及び光出射面
に減反射コーティング21がそれぞれ施されている光出
射側偏光素子13bが空気層A2を介して配された構成
を有している。尚、透明板39の材料としては、ガラス
基板、石英基板、アセテートセルロース系フィルム、ポ
リエステル系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポ
リサルフォンフィルムの何れかもしくはその組み合わせ
から成るものを用いることができる。
【0077】ここでも、上記空気層A2は、液晶パネル
14’の表示絵素電極から、光出射側偏光素子13b
が、投射レンズ9の焦点深度以上離間するように、その
厚みが設定されている。
【0078】このような液晶パネル部35を備えた映像
出力部36では、液晶パネル14’におけるアクティブ
マトリクス基板14b’の光出射面(アクティブマトリ
クス基板14b’と透明板39との境界面)での内部反
射は、液晶パネル14’のアクティブマトリクス基板1
4b’に粘着材20を介して貼着された、光出射面に減
反射コーティング21を有する透明板39にて、従来の
映像出力部52(図19参照)における4%程度からほ
ぼ0%の状態に抑えることができる。また、光出射側偏
光素子13bの光入射面(空気層A2と光出射側偏光素
子13bとの境界面)での外部反射も、従来の映像出力
部52(図19参照)における3%程度からほぼ0%の
状態に抑えることができる。同様に、光出射側偏光素子
13bの光出射面(光出射側偏光素子13bと空気層と
の境界面)での内部反射も、光出射側偏光素子13bの
光出射面に設けられた減反射コーティング21にて0%
の状態に抑えることができる。また、液晶パネル14’
の表示絵素電極と、光出射側偏光素子13bとが、空気
層A2にて投射レンズ9の焦点深度以上離間しているの
で、光出射側偏光素子13bに形成されている傷や欠陥
等の不良が、投射レンズ9によってスクリーン上に結像
することは防止される。これにより、前記の実施例3と
同様の効果を得ることができる。
【0079】しかも、上記映像出力部36の場合、減反
射コーティング21をアクティブマトリクス基板14
b’の光出射面に直接設けるのではなく、減反射コーテ
ィング21が設けられた透明板39を貼着することで設
けているので、直接設ける場合の前述した問題点が解決
されて、優れた膜質の傷等のない良好な減反射コーティ
ング21を高歩留りで施すことが可能である。
【0080】また、本実施例の場合も、光源からの光を
3原色に分解し、3つの映像出力部36・37・38に
入射させる構成の投射型液晶表示装置としているが、こ
れに限定されるものではなく、例えば図16に示すよう
な構成の投射型液晶表示装置にも、もちろん上記した構
成の映像出力部を採用することができる。
【0081】(実施例5)本発明の他の実施例を図17
ないし図19に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、前記の実施例と同一の機能を有
する部材には同一の符号を付記し、その説明を省略す
る。
【0082】前記の実施例4の投射型液晶表示装置のよ
うに、液晶パネル14’のアクティブマトリクス基板1
4b’の光出射面に粘着材20を介して透明板39を貼
着する構成では、透明板39を貼着する際に、アクティ
ブマトリクス基板14b’に応力を加えることになり、
基板対向面に設けられた半導体能動素子17にダメージ
を与えたり、セルギャップ(基板間隔)の変化が生じた
りする。
【0083】そこで、本実施例の投射型液晶表示装置で
は、このような問題を解決して、アクティブマトリクス
基板14b’に応力を加えることなく、透明板39を貼
り付けることを目的としている。
【0084】本実施例に係る投射型液晶表示装置は、図
17に示すように、前記の実施例4の投射型液晶表示装
置において配されていた映像出力部36・37・38に
換えて、映像出力部41・42・43が各々配されてい
る。
【0085】尚、上記の各映像出力部41・42・43
においても、前記の実施例1と同様に、駆動信号が異な
るだけで各々同様の構成を有しているので、ここでも映
像出力部41の構成のみを説明する。
【0086】映像出力部41は、前記の実施例4の映像
出力部36における液晶パネル部35に換えて、液晶パ
ネル部40を備えている。
【0087】上記液晶パネル部40は、図18に示すよ
うに、液晶パネル14’におけるアクティブマトリクス
基板14b’の光出射面に、液体層50を介して光出射
面に減反射コーティング21が施された透明板39が密
着されている。液体層50は、アクティブマトリクス基
板14b’及び透明板39とほぼ等しい屈折率(約1.
5)を有する等方性の液体であり、基板外周部側で漏れ
ないようにシールされている。
【0088】このように、減反射コーティング21が設
けられた透明板39をアクティブマトリクス基板14
b’に粘着材20を用いて貼着するのではなく、液体層
50を挟んで貼り合わせることで、液体層50が貼り合
わせの際に圧力媒体として働き、均一な応力がアクティ
ブマトリクス基板14b’にかかるので、粘着材20を
用いて直接貼り付ける場合の前述した問題点が解決され
て、アクティブマトリクス基板14b’に形成された半
導体能動素子17にダメージを与えたり、セルギャップ
の変化が生じることなく、優れた膜質の傷等のない良好
な減反射コーティング21を施すことが可能となる。こ
れにより、前記の実施例4の投影型表示装置より、さら
に画質の向上が図れる。
【0089】また、本実施例の場合も、光源からの光を
3原色に分解し、3つの映像出力部41・42・43に
入射させる構成の投射型液晶表示装置としているが、こ
れに限定されるものではなく、例えば図19に示すよう
な構成の投射型液晶表示装置にも、もちろん上記した構
成の映像出力部を採用することができる。
【0090】(実施例6)本発明の他の実施例を図20
ないし図25に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、前記の実施例と同一の機能を有
する部材には同一の符号を付記し、その説明を省略す
る。
【0091】前記の実施例3・実施例4・実施例5の投
射型液晶表示装置の場合、一般的な基板厚を有する液晶
パネル14’を用いることはできるが、液晶パネル1
4’と光出射側偏光素子13bとは、各々別体からなる
ため、光源1の光路中に配する際、各々別々に取り付け
る必要があり、また、互いの位置合わせや所定の距離離
間して配するため、煩雑な作業を強いられる虞れがあ
る。そこで、本実施例は、このような問題点を解決し、
さらに組み立て時の作業性を向上させることを目的とし
ている。
【0092】本実施例に係る投射型液晶表示装置は、図
20に示すように、前記の実施例3の投射型液晶表示装
置において配されていた映像出力部30・31・32に
換えて、映像出力部46・47・48が各々配されてい
る。
【0093】尚、上記の各映像出力部46・47・48
においても、前記の実施例3と同様に、駆動信号が異な
るだけで各々同様の構成を有しているので、ここでも映
像出力部46の構成のみを説明する。
【0094】映像出力部46は、前記の実施例3の映像
出力部30における液晶パネル部29に換えて、液晶パ
ネル部45を備えている。
【0095】上記液晶パネル部45は、図21に示すよ
うに、液晶パネル14’におけるアクティブマトリクス
基板14b’の光出射面に、粘着材20を介して非偏光
性の透明物質からなる透明板(透明層)44が密着され
ている。そして、この透明板44の光出射面に、粘着材
20を介して光出射側偏光素子13bが密着され、この
光出射側偏光素子13bの空気層と接する光出射面に、
減反射コーティング21が施されている。尚、この場合
も、光出射側偏光素子13bの光出射面に直接減反射コ
ーティング21を施すのではなく、減反射コーティング
21が施されている透明な非偏光性物質を貼着してもよ
い。また、透明板44の材料としても、前記の実施例で
記載したものを用いることができる。
【0096】ここで、上記透明板44の厚みは、前記の
実施例3の空気層A1の厚み設定と同様に、液晶パネル
14’の表示絵素電極から、光出射側偏光素子13b
が、投射レンズ9の焦点深度以上離間するように設定さ
れている。
【0097】このような液晶パネル部45を備えた映像
出力部46では、液晶パネル14’のアクティブマトリ
クス基板14b’の光出射面(アクティブマトリクス基
板14b’と透明板44との境界面)での内部反射は、
アクティブマトリクス基板14b’の光出射面に粘着材
20を介して透明板44が貼着されているので、従来の
映像出力部52(図19参照)の4%からほぼ0%の状
態に抑えることができる。また、光出射側偏光素子13
bの光入射面(透明板44と光出射側偏光素子13bと
の境界面)での外部反射も、光出射側偏光素子13bの
光入射面に粘着材20を介して透明板44が貼着されて
いるので、従来の映像出力部52(図19参照)の3%
からほぼ0%の状態に抑えることができる。さらに、光
出射側偏光素子13bの光出射面での内部反射は、光出
射側偏光素子13bの光出射面に設けられた減反射コー
ティング21にてほぼ0%の状態に抑えることができ
る。
【0098】また、光出射側偏光素子13bに形成され
ている傷や欠陥等の不良は、透明層44にて、液晶パネ
ル14’の表示絵素電極から、光出射側偏光素子13b
が、投射レンズ9の焦点深度以上離間されているので、
投射レンズ9によってスクリーン上に結像することは防
止される。これにより、前記の実施例3と同様の効果を
得ることができる。
【0099】しかも、上記映像出力部46の場合、液晶
パネル14’と光出射側偏光素子13bとは一体となっ
ているので、前記の実施例3の構成のように、光路中に
組み付ける際に、煩雑な作業を強いられることもない。
その結果、前記実施例3の構成よりも、作業性を向上で
きるという効果も併せて得られる。
【0100】尚、本実施例においては、透明板44と光
出射側偏光素子13bとを、粘着材20を介して貼着し
たが、図22に示すように、透明板44と光出射側偏光
素子13bと粘着材20を用いることなく、両者を接合
させた液晶パネル部45’の構成でも同様の効果が得ら
れる。
【0101】さらに、前記の実施例5のように、液晶パ
ネル14’におけるアクティブマトリクス基板14b’
の光出射面に、粘着材20を介して透明板44を貼り付
けるかわりに、図23・24に示す液晶パネル部49・
49’のように、上記した液体層50を介して貼り合わ
せてもよく、それにより、アクティブマトリクス基板1
4b’に設けられた半導体能動素子17にダメージを与
える虞れも、セルギャップが変化するおそれもなく、上
記した効果が得られる。
【0102】また、本実施例の場合も、光源からの光を
3原色に分解し、3つの映像出力部46・47・48に
入射させる構成の投射型液晶表示装置としているが、こ
れに限定されるものではなく、例えば図25に示すよう
な構成の投射型液晶表示装置にも、もちろん上記した構
成の映像出力部を採用することができる。
【0103】
【発明の効果】本発明の投射型液晶表示装置は、以上の
ように、半導体能動素子が形成されたアクティブマトリ
クス基板と対向電極が形成された対向基板との間に液晶
層を挟持してなる液晶パネルに、対向基板側から光を照
射して、液晶パネルに表示された映像を投射レンズを用
いて投射表示するもので、上記液晶パネルには、入射光
がアクティブマトリクス基板の半導体能動素子に直接当
たらないように半導体能動素子を遮光する遮光パターン
が形成されると共に、光出射側に配される平板状の光出
射側偏光素子が、アクティブマトリクス基板の光出射面
に密着して設けられ、かつ、この光出射側偏光素子の光
出射面に、減反射コーティングからなる反射防止部が形
成されていると共に、アクティブマトリクス基板の厚み
を、厚みdmm、液晶パネルにおける絵素開口部面積を
aμm 2 としたとき、d>−0.0016a+1.26
の式を満たすように設計されている構成である。
【0104】これにより、液晶パネルのアクティブマト
リクス基板に設けられた半導体能動素子にOFF特性の
低下が生じ難くなり、クロストークの発生や、コントラ
ストの低下が抑制され、たとえ表示絵素電極の微細な小
型高精細の液晶パネルを用いた場合でも、画質の高い良
好な画像を得ることが可能となるという効果を奏する。
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】さらに、アクティブマトリクス基板の光出
射面が投射レンズの焦点深度以上、液晶パネルにおける
表示絵素電極から離間されるので、アクティブマトリク
ス基板の光出射面についたごみや傷が投射レンズによっ
てスリーン等の上に結像することが防止される。そして
アクティブマトリクス基板の光出射面よりもさらに光出
射側に配されている光出射側偏光素子に形成されている
キズや欠陥等の不良が投射レンズによってスリーン等の
上に結像することが防止されるのはもちろんであり、よ
り一層画質の高い良好な画像を得ることが可能となると
いう効果を奏する。
【0109】また、本発明の投射型液晶表示装置は、以
上のように、上記投射型液晶表示装置において、上記対
向基板の厚みも、厚みdmm、液晶パネルにおける絵素
開口部面積をaμm2としたとき、d>−0.0016
a+1.26の式を満たすように設計されている構成で
ある。
【0110】これにより、上記構成による効果に加え
て、対向基板の光入射面に付着したごみや傷も投射レン
ズによってスリーン等の上に結像することが防止され、
さらに、画質の高い良好な画像を得ることが可能とな
る。
【0111】さらに、本発明の投射型液晶表示装置は、
以上のように、上記投射型液晶表示装置において、上記
液晶パネルにおけるアクティブマトリクス基板に設けら
れた半導体能動素子が、トップゲート構造の多結晶シリ
コン薄膜トランジスタである構成である。
【0112】トップゲート構造の多結晶シリコン薄膜ト
ランジスタ半導体能動素子の場合、アクティブマトリク
ス基板の裏面から見て、チャネル層はゲート電極にて遮
光されないので、ボトムゲート構造の多結晶シリコン薄
膜トランジスタ半導体能動素子に比べて、アクティブマ
トリクス基板の光出射面での内部反射や、光出射側偏光
素子の光入射面での外部反射、及び光出射側偏光素子の
光出射面での内部反射によるOFF特性低下の影響を受
け易かったが、これにより、たとえトップゲート構造の
多結晶シリコン薄膜トランジスタ半導体能動素子を用い
た場合も、画質の高い良好な画像を得ることが可能とな
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すものであり、投射型液
晶表示装置に配された映像出力部における液晶パネル部
の要部断面図である。
【図2】上記投射型液晶表示装置の構成図である。
【図3】上記映像出力部における液晶パネルのアクティ
ブマトリクス基板に設けられた半導体能動素子の要部断
面図である。
【図4】絵素開口部面積と基板の厚みとの関係を表すグ
ラフである。
【図5】遮光パターンの別の設け方を示す、液晶パネル
部の要部断面図である。
【図6】本発明の他の実施例の投射型液晶表示装置の構
成図である。
【図7】本発明の他の実施例の投射型液晶表示装置の構
成図である。
【図8】図5に示す投射型液晶表示装置に配された映像
出力部における液晶パネル部の要部断面図である。
【図9】図6に示す液晶パネル部の他の構成を示す要部
断面図である。
【図10】本発明の他の実施例の投射型液晶表示装置の
構成図である。
【図11】本発明の他の実施例の投射型液晶表示装置の
構成図である。
【図12】図11に示す投射型液晶表示装置に配された
映像出力部における液晶パネル部の要部断面図である。
【図13】本発明の他の実施例の投射型液晶表示装置の
構成図である。
【図14】本発明の他の実施例の投射型液晶表示装置の
構成図である。
【図15】図14に示す投射型液晶表示装置に配された
映像出力部における液晶パネル部の要部断面図である。
【図16】本発明の他の実施例の投射型液晶表示装置の
構成図である。
【図17】本発明の他の実施例の投射型液晶表示装置の
構成図である。
【図18】図17に示す投射型液晶表示装置に配された
映像出力部における液晶パネル部の要部断面図である。
【図19】本発明の他の実施例の投射型液晶表示装置の
構成図である。
【図20】本発明の他の実施例の投射型液晶表示装置の
構成図である。
【図21】図20に示す投射型液晶表示装置に配された
映像出力部における液晶パネル部の要部断面図である。
【図22】図21に示す液晶パネル部の他の構成を示す
要部断面図である。
【図23】図21に示す液晶パネル部の他の構成を示す
要部断面図である。
【図24】図21に示す液晶パネル部の他の構成を示す
要部断面図である。
【図25】本発明の他の実施例の投射型液晶表示装置の
構成図である。
【図26】従来の投射型液晶表示装置の構成図である。
【図27】従来の投射型液晶表示装置の構成図である。
【図28】従来の液晶パネルの要部断面図である。
【図29】従来の液晶パネルに光出射側偏光素子が貼着
された液晶パネル部の要部断面図である。
【図30】従来の投射型液晶表示装置の構成図である。
【図31】従来の投射型液晶表示装置の構成図である。
【符号の説明】
1 光源 9 投射レンズ 10〜12 映像出力部 13a 光入射側偏光素子 13b 光出射側偏光素子 14・14’ 液晶パネル 14a・14a’ 対向基板 14b・14b’ アクティブマトリクス基板 15 液晶パネル部 17 半導体能動素子 18 遮光パターン 21 減反射コーティング(反射防止部、反射防止膜) 23 液晶パネル部 24〜26 映像出力部 27 1/2波長板 29 液晶パネル部 30〜32 映像出力部 35 液晶パネル部 36〜38 映像出力部 39 透明板(透明部材) 40 液晶パネル部 40’ 液晶パネル部 41〜43 映像出力部 44 透明板(透明層) 45 液晶パネル部 45’ 液晶パネル部 46〜48 映像出力部 49 液晶パネル部 49’ 液晶パネル部 50 液体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−110031(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13 G02F 1/1335

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体能動素子が形成されたアクティブマ
    トリクス基板と対向電極が形成された対向基板との間に
    液晶層を挟持してなる液晶パネルに、対向基板側から光
    を照射して、液晶パネルに表示された映像を投射レンズ
    を用いて投射表示するもので、上記液晶パネルには、入
    射光がアクティブマトリクス基板の半導体能動素子に直
    接当たらないように半導体能動素子を遮光する遮光パタ
    ーンが形成されると共に、光出射側に配される平板状の
    光出射側偏光素子が、アクティブマトリクス基板の光出
    射面に密着して設けられ、かつ、この光出射側偏光素子
    の光出射面に、減反射コーティングからなる反射防止部
    が形成されると共に、 アクティブマトリクス基板の厚みが、厚みdmm、液晶
    パネルにおける絵素開口部面積をaμm 2 としたとき、
    d>−0.0016a+1.26の式を満たすように設
    計されている ことを特徴とする投射型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】上記対向基板の厚みも、厚みdmm、液晶
    パネルにおける絵素開口部面積をaμm 2 としたとき、
    d>−0.0016a+1.26の式を満たすように設
    計されていることを特徴とする請求項1に記載の投射型
    液晶表示装置。
  3. 【請求項3】上記液晶パネルにおけるアクティブマトリ
    クス基板に設けられた半導体能動素子が、トップゲート
    構造の多結晶シリコン薄膜トランジスタであることを特
    徴とする請求項1または2に記載の投射型液晶表示装
    置。
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