JP3413184B2 - 連続熱間圧延方法および連続熱間圧延設備 - Google Patents

連続熱間圧延方法および連続熱間圧延設備

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JP3413184B2 JP2001287428A JP2001287428A JP3413184B2 JP 3413184 B2 JP3413184 B2 JP 3413184B2 JP 2001287428 A JP2001287428 A JP 2001287428A JP 2001287428 A JP2001287428 A JP 2001287428A JP 3413184 B2 JP3413184 B2 JP 3413184B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項に係る発明は、薄板を
製造できるようタンデムに配置された複数スタンドのミ
ルを用いて、内部に微細なフェライト組織を有する厚さ
6mm以上の厚板を製造する連続熱間圧延方法、および
そのような方法を実施できる連続熱間圧延設備に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】内部に微細なフェライト組織を有してい
て機械的性質にすぐれた、いわゆる細粒鋼の鋼板を製造
する方法として、大圧下圧延法、制御圧延法などが
知られている。このうちの大圧下圧延法については、
特開昭58−123823号公報や特公平5−6556
4号公報などに記載がある。同法は、オーステナイト粒
に大きな圧下を加えることによってオーステナイト
(γ)相からフェライト(α)相への歪誘起変態を促進
し、もって組織の微細化をはかるものである。一方、
の制御圧延法は、Nb(ニオブ)やTi(チタン)を成
分に含有してNb、Tiの析出強化作用で高張力化が容
易に図れるだけでなく、Nb、Tiのオーステナイト粒
の再結晶抑制作用によって低温圧延(フェライト領域圧
延)を施したときにγ相からα相への歪誘起変態が促進
され、フェライト粒の微細化が図れる方法である。この
ような圧延法を実施して工業的・商業的に細粒鋼を製造
する場合には、イ)負荷が大きいために一般的な形式の圧
延機が使用できないうえ、ロ)加工発熱のために圧延材
(鋼板)の適切な温度維持が困難である、ハ)圧延荷重が
高く温度上昇も著しいために圧延ロールや圧延材に変形
が生じて良好な板プロフィールがもたらされない−とい
った不都合がある。
【0003】このような課題を解決して細粒鋼鋼板の円
滑な製造を可能にする手段として、発明者らはすでに、
複数スタンドのミルをタンデムに配置した通常の形式を
もつ新しい圧延機を開発し、関連する適切な圧延方法を
確立した(特願2001−77293号にて特許出願ず
み)。低い圧延荷重によって必要な圧下を円滑に実現す
ることができ、また圧延材の温度維持も良好に行える、
というものである。
【0004】開発した圧延機では、厚さ(板厚)が2〜
3mm程度のものを中心に厚さ6mmまでの細粒鋼圧延
鋼板を製造することができる。板厚を変更する場合にも
配置の全スタンドを使用し、パススケジュール(各段の
ミルの圧下率等)を変更したうえで圧延を行う。微細な
フェライト組織を効果的に内部に形成するためには、後
段寄りのミルにおいて圧下率を高くするのが一般的であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、後段寄りのミ
ルにおいて圧下率を高くしながら全スタンドのミルを使
用するという上記のような方法では、厚さが6mm以上
の細粒鋼鋼板を製造することができない場合がある。最
終段のミルをはじめとする後段寄りのミルでは、一般
に、そのような厚板を十分に圧下するだけの圧延トルク
が発揮されないからである。
【0006】後段寄りのミルが十分な圧延トルクを発揮
できない理由はつぎのように説明できる。まず、後段寄
りのミルでは、圧延ロールの駆動系が、圧延が進んで板
厚が減少したことにともなう圧延速度の増加に対応すべ
く高速仕様になっており、前段寄りのミルに比べると回
転速度が高く(つまり減速比が小さく)て圧延トルクが
低くなるよう設定されているのが一般である。これに対
し、厚板を圧延する場合には、薄板の圧延時と圧下率が
一定であっても入側での接触弧長(接触長)が長い(接
触角が大きい)ことから、必要なトルクは、薄板を圧延
する場合よりも相当に大きくなる。そのため、トルクの
低い後段寄りのミルでは、薄板を円滑に圧延することは
できても、設備能力上、必要な圧下を厚板に加えること
によって厚い細粒鋼鋼板を製造することが困難になり得
るのである。
【0007】なお、複数スタンドのミルをタンデムに配
置した圧延設備における厚板細粒鋼鋼板の製造に関する
上記のような課題については、これを提示した文献が見
あたらない。前掲の公報に記載された技術も、厚さが3
mmもしくは5mm以下の薄い細粒鋼鋼板の製造、また
はリバース式の圧延機を用いての製造に関するものであ
る。請求項に係る発明は、こうした課題を解決すること
を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の連続熱
間圧延方法は、薄板を製造できるよう複数スタンド(一
般的には5〜7スタンド)のミルがタンデムに配置さ
、後段寄りの複数のミルの各出側に鋼板用の冷却手段
が配置された連続熱間圧延設備を用い、加熱された鋼板
を圧延して厚板を製造する連続熱間圧延方法であって、a) 出側に上記冷却手段が配置されたミルを1以上含む
前段寄りの3スタンド以上のミルを、当該1以上のミル
の出側に配置された上記冷却手段とともに使用し、 b) 使用する上記前段寄りのミル(3スタンド以上)よ
りも後段では、ミルを使用せずにミルの出側の鋼板冷却
手段を使用して、 c) 累積歪みが0.25以上になるか、または使用する
最終段のミルでの圧下率が12%以上になるよう厚板に
圧延することを特徴とする。
【0009】なお、この明細書において「薄板」とは厚
さが6mm未満の板をいい、「厚板」とは厚さが6mm
以上(50mm程度以下)の板をいう。また「歪み」と
は、各段のスタンドの入り側での鋼板の厚さh0と出側
での厚さh1の差を両者の平均厚さで除した ε=(h0−h1)/{(h0+h1)/2} をいう。また「累積歪み」とは、使用するミルのうち後
段3スタンドの各段(それらより上流側のスタンドは影
響力が小さいので無視する)での歪みを、金属組織に対
する影響の強さを考慮して加重積算したもので、最終段
とその前段・前々段での歪みをそれぞれεn、εn-1、ε
n-2とするとき、 εc=εn+εn-1/2+εn-2/4 で表されるεcをいうものとする。
【0010】請求項1の方法によれば、薄板を製造でき
るよう配置された複数スタンドのミルを用いながらも、
トルク不足による不都合を招くことなく厚板の細粒鋼鋼
板を製造することができる。最終段のミルなど後段寄り
のミルではトルク不足になることがあっても、それらを
使用せずに、いわば低速仕様であって高い圧延トルクを
発揮できる駆動系をもつ前段寄りのミルのみを使用する
ならば、接触弧長の長い厚板を圧延する場合にもトルク
不足とならずに十分な圧下を行うことができるからであ
る。最終段のミル等を使用しないので圧延速度は高くは
ならないが、その分、厚板であるがために長くなる冷却
所要時間を満たしやすい。
【0011】上記のようにして圧延する厚板を細粒鋼の
ものとすることができるのは、累積歪みが0.25以上
(または最終段のミルでの圧下率が12%以上)という
強めの圧下を鋼板に加えることと、使用したミルのうち
後段のものの出側において上記のように鋼板を十分に時
間をかけて冷却することとに基づく。ミルの出側で行う
上記の冷却が強いほど、フェライト粒径の小さい細粒鋼
を得ることができる。また、冷却を強める意味では、使
用した最終段のミルの前でも冷却を行ったり、後段の複
数のミルの各出側においても冷却を行ったりするのがと
くに好ましい。
【0012】請求項2に記載した連続熱間圧延方法はと
くに、圧延終了温度がAr3変態点+50℃を超えない
ようにすることを特徴とする。圧延終了温度とは、圧延
設備の下流側(配置された最終段のミルより数m下流
側)に設置された温度計により計測される鋼板の表面温
度である。
【0013】上記した冷却の強さを管理して圧延終了温
度をこの請求項の方法のように設定すれば、圧延鋼板
(たとえば炭素含有量が0.5%以下で合金元素の含有
量が5%以下の鋼板)の少なくとも表面付近には、フェ
ライト粒径が10μmを下回る程度の微細な組織ができ
る。大圧下圧延法に適した温度範囲はAr3変態点〜A
3変態点+50℃であるとされるが、発明者らのテス
トによると、上記のとおり圧延終了温度がAr3変態点
+50℃を超えない範囲であればよい。厚板の場合、表
面の温度が下がっていても内部温度はAr3変態点に近
く維持されるからだと考えられる。
【0014】請求項3に記載した連続熱間圧延方法は、
薄板を製造する場合には、加熱した鋼板を、配置された
全スタンドのミルを使用して累積歪みが0.6以上にな
るように圧延しながら、後段寄りの複数のミルの出側に
おいて上記冷却手段を使用して冷却することを特徴とす
る。そして厚板を製造する場合には、前記したa)〜c)等
のように行うわけである。
【0015】この方法によれば、前記のように厚板の細
粒鋼鋼板を製造できる一方で、フェライト粒径の微細な
薄板の細粒鋼鋼板をも円滑に製造することができる。前
記の方法は、薄板を製造できる複数スタンドのミルを用
いて厚板を製造するのであるから、ミルの使用条件を変
更することにより薄板を製造できるのはもちろんであ
る。しかしこの請求項の方法は、配置された全スタンド
を使用するだけでなく、累積歪みが0.6以上になるよ
うに圧延し、しかも後段寄りの複数のミルの出側におい
て鋼板(薄板)を冷却する(したがって強く冷却する)
ものであり、それによってその薄板を細粒鋼とすること
ができるのである。後段寄りの複数のミルの出側で冷却
を行うと、最終段およびそれまでのミルで圧延時に発生
する熱を効果的に奪って適切な温度維持をはかり、微細
組織の粒成長を停止させるので、細粒鋼の製造上きわめ
て好ましい。発明者らの調査では、炭素含有量が0.5
%以下で合金元素の含有量が5%以下の薄鋼板を得る場
合、上記した累積歪みと冷却とによって平均フェライト
粒径を4〜6μm程度にすることが可能である。
【0016】請求項4に記載した連続熱間圧延方法はと
くに、上記冷却手段をカーテンウォール型冷却手段と
し、厚板を製造する場合および薄板を製造する場合の鋼
板の冷却を、当該冷却手段によって行うことを特徴とす
る。カーテンウォール型冷却手段とは、上方および下方
から幕のように連ねて大量の冷却水を層流状に流し、そ
れを圧延材の上下面に全幅にわたって当てる形式の冷却
手段をいう。
【0017】カーテンウォール型冷却手段は、上記のよ
うに流す大量の冷却水によって鋼板を強く冷却するた
め、細粒鋼鋼板の円滑な製造を可能にする。すなわち、
同手段なら、圧延材が加速された場合を含めて高圧下を
行うに適した温度範囲に圧延材を維持することが可能で
あり、圧延直後の微細組織の粒成長を停止させる作用も
確保される。また同手段は、圧延材の全幅にわたって冷
却水を当てるものであるため、幅方向にも偏ることなく
圧延材を均一に冷却できる。
【0018】請求項5に記載した連続熱間圧延方法はと
くに、炭素含有量が0.5%以下であり合金元素の含有
量が5%以下である鋼板を圧延して、表面から厚さの1
/4だけ内側にある箇所での平均フェライト粒径が3〜
10μm程度の厚板を得ることを特徴とする。
【0019】このような化学成分とフェライト粒径を有
する細粒鋼鋼板は、機械的性質のバランス(引張強さや
延性等の面で汎用性がある)が高いうえ低温靱性や溶接
性などにもすぐれている(たとえば図5〜図7を参
照)。そのために用途が広く、また比較的低価であって
入手容易であるうえにリサイクル性もあるので、高い需
要があるものと考えられる。したがって、かかる鋼板な
ら、社会的貢献度が高いうえその生産に十分な経済合理
性がともなうことになる。なお、このような細粒鋼鋼板
は、上記した各請求項の方法によって製造することが可
能である。
【0020】請求項6に記載した連続熱間圧延設備は、
前段寄りにある3スタンド以上のミルに、加熱した鋼板
に0.25以上の累積歪みを与えて厚板を製造し得る能
力を付与するとともに、全スタンド(5〜7スタンド)
のミルには、加熱した鋼板に0.6以上の累積歪みを与
えて薄板を製造し得る能力を付与し、またさらに、後段
寄りの複数のミルの出側にカーテンウォール型冷却手段
を配置したこと、および、出側に上記冷却手段が配置さ
れた後段寄りの上記各ミルでは、ミルを使用せずに出側
の上記冷却手段を使用することを選択可能にしたこと、
を特徴とする。
【0021】この連続熱間圧延設備によると、請求項4
に記載した方法にしたがって上述の各請求項の圧延方法
を実現することができる。それは、イ)前段寄りにある3
スタンド以上のミルのみを使用して0.25以上の累積
歪みにて厚板を圧延し、同時に後段のミルの出側でカー
テンウォール型冷却手段による強い冷却を施せば厚板の
細粒鋼鋼板を製造でき、ロ)その一方、全スタンドのミル
を使用して0.6以上の累積歪みにて薄板を圧延し、同
時に後段の複数のミルの出側で同冷却手段による強い冷
却を施せば薄板の細粒鋼鋼板を製造できるからである。
後段寄りの複数のミルの出側にカーテンウォール型冷却
手段を配置したので、請求項1のように後段寄りのミル
を使用せずに厚板を製造する場合に、使用したミルのう
ち後段のものの出側直後やさらにその前後において鋼板
を冷却することができ、また、請求項3のように薄板を
製造する場合に後段の複数のミルの出側において冷却を
することも可能である。またそのために、たとえば請求
項2のように圧延終了温度を管理することも可能とな
る。
【0022】請求項7に記載した連続熱間圧延設備は、
最終段のミルを、25%以上の圧下率にて厚さを6mm
以下にするトルクを発揮可能なものにするとともに、そ
れよりも前段にあるいずれかのミルを、12%以上の圧
下率にて厚さを6mm以上にするトルクを発揮可能なも
のにし、また、後段寄りの複数のミルの出側にカーテン
ウォール型冷却手段を配置したこと、および、出側に上
記冷却手段が配置された後段寄りの上記各ミルでは、ミ
ルを使用せずに出側の上記冷却手段を使用することを選
択可能にしたこと、を特徴とする。
【0023】この連続熱間圧延設備によっても、厚板お
よび薄板の細粒鋼鋼板を製造することが可能である。そ
れは、ハ)薄板を製造する際には、25%以上の圧下率に
て厚さを6mm以下にし得る最終段のミルを他のミルと
ともに使用して必要な圧下を薄板に加え得るうえ、上記
のとおり配置したカーテンウォール型冷却手段により後
段の複数のミルの出側で同冷却手段による強い冷却を施
せること、ニ)また厚板の製造時には、最終段より前にあ
って12%以上の圧下率で厚さを6mm以上にするトル
クを発揮可能ないずれかのミルをそれより前段のミルと
ともに使用して必要な圧下を厚板に加え得るうえ、上記
のとおり配置したカーテンウォール型冷却手段により、
使用したうち最終段のミルの出側直後において鋼板を冷
却できること−が理由である。ここでいう「必要な圧
下」とは、好ましい細粒鋼鋼板とするために必要な圧下
をさし、たとえば、薄板の場合には平均フェライト粒径
を2〜6μm程度に、厚板の場合には表面から厚さの1
/4だけ内側の部分での平均フェライト粒径を3〜10
μm程度にするに必要なものをいう。
【0024】請求項8に記載の連続熱間圧延設備はさら
に、最終段のミルの出側において上記冷却手段の下流側
に、鋼板上の冷却水を除去する流体噴射スプレーを配置
したことを特徴とする。
【0025】カーテンウォール型冷却手段は上述のよう
に、その強い冷却能力によって細粒鋼鋼板の製造を可能
にするが、大量の冷却水を使用するため、圧延設備を出
た鋼板の上面に多量の冷却水がのることになる。圧延設
備の下流側には種々の計測器類があって鋼板の形状や寸
法、温度などを測定しているが、鋼板の上に多量の水が
あると正確な計測が不可能になり、結果的に圧延設備を
円滑には運転できなくなることもある。上記の流体噴射
スプレーは、そのような水を除去するものである。この
スプレーを使用すると、噴射した流体によって、前記冷
却手段の作用で鋼板上に載った冷却水を除去できるの
で、最終スタンドを出た鋼板について必要な計測を適切
に行うことができ、冷却強さや鋼板温度を正確に管理で
きるようになり、ひいては圧延設備の運転を円滑に継続
することが可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】発明の実施についての一形態を図
1〜図3等に示す。図1は、連続熱間圧延設備Aの全体
配置を概念的に示す側面図である。図2は、図1の圧延
設備Aのうち前段にあるミルF1等に関してCVC機能
を説明するための模式図であり、また図3は、圧延設備
Aのうち後段のミルF4〜F6とその付近について詳細
を示す側面図である。
【0027】図1に示す連続熱間圧延設備Aは鋼板Pの
いわゆる仕上圧延機であって、上流(図示省略)には加
熱炉と粗圧延機があり、下流側(図示省略)にはランア
ウトテーブルや巻取り機などが配置されている。この熱
間圧延設備Aは、それぞれに圧延ロールを備える合計6
スタンドのミルF1〜F6をタンデムに配置したもの
で、上流側で粗圧延された鋼板(圧延材)を連続圧延す
ることにより、通常は、厚さが2〜16mm前後の種々
の熱延鋼板Pを製造する。一般的な内部組織(平均フェ
ライト粒径が10μm以上のもの)をもつ鋼板Pを製造
する通常圧延を円滑に行えるとともに、運転条件を適切
に設定することにより細粒鋼圧延、すなわち微細なフェ
ライト組織を有する細粒鋼熱延薄鋼板Pの製造を行える
よう、圧延設備Aは以下のように構成している。
【0028】まず前段の3スタンドとして、いわゆるC
VCミルF1・F2・F3をタンデムに配置している。
最前段のCVCミルF1は、図1のようにワークロール
1a・1bとバックアップロール1c・1dとからなる
4重の圧延機として構成し、ワークロール1a・1b
に、図2(a)に示すようなクラウン(CVC、すなわ
ち直径の連続的変化)をもたせている。ワークロール1
a・1bは、図2(b)・(c)のように上下で反対の
軸長方向へ同時に移動(シフト)させることができ、そ
れによってロール間の位置関係、すなわちロールギャッ
プを調整することが可能である。ワークロール1a・1
bの径は700mmとし、最大シフト量は正逆それぞれ
に100mmとした。他の2段のCVCミルF2・F3
も、このような構成および機能について最前段のCVC
ミルF1と相違はない。
【0029】こうしたCVCミルF1・F2・F3を前
段に配置したのは、鋼板Pのクラウン(形状)を好適に
保つためである。後述する後段の異径ロールミルF4・
F5・F6では、細粒鋼圧延の際、加工発熱に起因した
サーマルクラウン等が発生しやすいため、前段に置いた
これらCVCミルF1・F2・F3によってあらかじめ
板クラウンを修正し、鋼板Pの中絞り等を軽減するので
ある。なお、各CVCミルF1・F2・F3のワークロ
ール(1a・1b等)には、可変速制御手段を付属した
交流モータ(図示せず)を、減速機や自在継手(いずれ
も図示せず)を介してそれぞれ接続している。
【0030】続く後段の3スタンドとしては、いわゆる
異径ロールミルF4・F5・F6をやはりタンデムに配
置している。前述のCVCミルF1・F2・F3を含む
全6スタンドのスタンド間隔は、等しく5.5mであ
る。CVCミルF1から数えて第4スタンドにあたる異
径ロールミルF4は、図1のようにワークロール4a・
4bとバックアップロール4c・4dとからなる4重の
圧延機として構成し、この例では、ワークロール4a・
4bとして互いに直径の異なるものを使用している。ワ
ークロール4a・4bのうち下側にある大径のロール4
bのみを、減速機(図示せず)および自在継手を介し接
続したモータ(図示せず。可変速制御手段つき交流モー
タ)によって回転駆動し、上側の小径のロール4aにつ
いては、回転を自在にして駆動力をかけないこととし
た。ワークロール4a・4bにはベンダー(図示せず)
を付設しているので、ワークロール4a・4bにベンデ
ィングをかけることが可能である。また各ワークロール
4a・4bにはCVC機能をも付与しており、正逆各向
きに100mmの範囲内で軸長方向へ両者を移動させる
ことができる。ワークロール4aの径は480mm、ワ
ークロール4bの径は600mmとしたので、両者の平
均である等価ロール径は540mmと小さい。以上のよ
うな構成および機能について、後方にある他の2段の異
径ロールミルF5・F6も上記の異径ロールミルF4と
相違はない。なお、CVCミルF1・F2・F3および
異径ロールミルF4・F5・F6においては、圧延の進
行とともに板厚が減少して圧延速度が増加するため、後
段寄りのミルほど減速比を下げ、ワークロールの最大回
転数を高めるとともに最大出力トルクを低く設定してい
る。ミルF1〜F6の許容最大出力トルクはそれぞれ、
125.0、98.2、61.4、34.1、22.7、19.5(いずれも単位
はトン(tf)・mである。
【0031】3スタンドの異径ロールミルF4・F5・
F6は、等価ロール径が小径であることと、一方のワー
クロール4bのみを駆動して鋼板Pに剪断力を作用させ
ることから、比較的低い圧延荷重でも圧下率の高い(た
とえば圧下率50%の)圧延を実施できる。そのため、
小さな圧延荷重にて、細粒鋼圧延のための大圧下圧延等
を極端な程度にまでも行うことができ、しかもその際、
圧延荷重が小さいために、厚さ2mm前後の薄板の圧延
であっても、ロール偏平やエッジドロップによる不都合
を回避することができる。
【0032】細粒鋼圧延を連続的に行うためには、鋼板
Pを十分に冷却して適切な温度範囲に保つ必要があるた
め、熱間圧延設備Aにおける後段のスタンドF4・F5
・F6の各後部または前部に、図1のとおりカーテンウ
ォール冷却装置7(図3に示す符号7A〜7H)を配置
している。冷却装置7のそれぞれは、上方または下方に
設けたヘッダーから鋼板Pの全幅表面へ向けて、幕状
(カーテンウォール状)に大量の常温冷却水(ラミナー
フロー。たとえば図3中の符号f)を流し当てる冷却手
段である。幕状に流す冷却水の厚さ(幕厚)は10mm
以上必要であり、16mm程度あることが冷却効果の面
で望ましい。各冷却装置7における冷却水量は、鋼板P
の単位幅(1m)あたり100〜500m3/hの範囲
内で調整可能とし、冷却による鋼板Pの温度降下が20
℃/sec以上になるようにする。後述する例により強
い圧下を加える場合等には単位幅あたりに350m3
hの冷却水を使用するが、その場合の鋼板Pの温度降下
は、板厚と速度との積が1200mm・mpmであると
き60〜80℃/sec(加工発熱による温度上昇を含
めて40℃/sec前後)に達する。
【0033】冷却装置7は図3のとおり鋼板Pの上方お
よび下方の位置に複数配置し、上方では、スタンドF4
の後部とスタンドF5の前部および後部、スタンドF6
の前部および後部にそれぞれ冷却装置7A・7B・7D
・7E・7Gを配置し、下方については、スタンドF4
・F5・F6の後部にそれぞれ冷却装置7C・7F・7
Hを配置している。これらのうち冷却装置7Hは第6段
スタンドF6の後部においてローラテーブルTのフレー
ムに取り付け、他の冷却装置7A〜7Gは、各スタンド
のハウジングに取り付けている。
【0034】このような冷却装置7を後段3スタンドの
ミルF4・F5・F6の各出側等にて使用することによ
り、著しい加工発熱をともなう大圧下圧延法や制御圧延
法を行う場合にも、各ミルF4・F5・F6での温度上
昇を抑制して鋼板Pを適切な温度範囲に保ち、かつ、圧
延後に微細組織が粒成長を起こすことを抑制することが
できる。なお、熱間圧延設備Aの下流側にあるランアウ
トテーブル(前記。図示せず)においても、粒成長を防
止すべく冷却水にて鋼板Pを冷却する。
【0035】また、図1のように熱間仕上圧延設備Aで
は、最終段スタンドであるミルF6の出側であってカー
テンウォール冷却装置7(7G・7H)から数百mm〜
1mほど下流側の位置に、水噴射スプレー8を配置して
いる。これは、冷却装置7G・7Hによって鋼板Pの表
面に載った冷却水を除去するためのもので、複数配置し
たノズル(図示せず)より鋼板Pの表面に向けて斜め前
方へ、圧延材の幅方向にも広がるように加圧水を吹き出
すものである。このような水噴射スプレー8を使用すれ
ば、冷却装置7の作用で鋼板P上に載った冷却水を円滑
に除去できるので、その下流側にある各種計測器(温度
計など。図示せず)によって、圧延後の鋼板Pに関する
種々の値(圧延終了温度など)を適切に計測できる。計
測の精度が高いと、冷却水量の制御等を通して圧延終了
温度など圧延条件を正確に制御することが可能になる。
【0036】以上のように構成した連続熱間圧延設備A
では、すべてのミルF1〜F6を使用して、生産性をと
もなう十分な速度(たとえば7〜9m/sec)で、厚
さ2〜6mm程度の良好な細粒鋼熱延鋼板Pを生産する
ことができる。具体的には、累積歪み(前記した加重積
算値であるεc)が0.6以上になるように圧延しなが
ら、後段のミルF4・F5・F6の各後部においてカー
テンウォール型冷却装置7により強冷却を行うことによ
り、炭素含有量・合金元素含有量がともに低い鋼を圧延
材としながらも平均フェライト粒径が4〜6μm程度の
好ましい細粒鋼鋼板Pを生産できた。とくに、累積歪み
を0.9以上にとれば、同じ鋼種において平均フェライ
ト粒径を4μm以下にすることもできた。後に示す実施
例Aはその一例(εc≧0.6の場合)である。このよ
うな生産が可能であるのは、金属組織上の影響が強い後
段のスタンドにおいて、冷却能力の高いカーテンウォー
ル冷却装置7を使用して鋼板Pの温度を適切な範囲に保
ちながら、小径の異径ロールミルF4・F5・F6にて
圧下率の高い圧延を実施できるからである。ミルF4・
F5・F6ではロール偏平やエッジドロップを回避で
き、また各ミルF1〜F6のCVC機能によってクラウ
ン制御が行えるために、板厚の薄くなる後段においても
鋼板Pの蛇行や形状の悪化を抑制できる、という点も、
そのような細粒鋼圧延を可能にする理由の一つである。
【0037】しかし、同じように最終段のミルF6まで
を使用して厚さが6mm以上の細粒鋼鋼板Pを生産する
場合には、当該最終段のミルF6(またはさらにその前
段のミルF5等)において出力トルクが不足し、圧延を
継続できないこと(モータが停止するなど)がある。厚
板の場合は、薄板と同程度(または小さめ)の圧下率と
する場合であっても、薄板の場合よりも接触弧長が長く
なり、したがって大きな圧延トルクが必要になるからで
ある。最終段のミルF6やその前のミルF5等では前述
のとおり許容最大出力トルクが小さいため、負荷が能力
を上回る結果、圧延の継続ができなくなるわけである。
そのようなケースを、後述する実施例Bに示す。
【0038】そこで発明者らは、同じ連続熱間圧延設備
Aを用いて厚さが6mm以上の細粒鋼鋼板Pをも生産す
るために、下記a)〜d)の態様で圧延設備Aを運転するこ
ととした。すなわち、 a) 出力トルクの小さい最終段のミルF6を使用しな
い。その前段にあるミルF4・F5についても、板厚や
圧下率・変形抵抗等から計算される所要トルクよりも許
容される最大出力トルクが小さい場合には使用しないこ
ととする。したがって、前段寄りのミルF1〜F5のう
ちから圧延トルクを満たし得るもの3スタンド以上を、
パススケジュールに応じて選択し使用する。
【0039】b) 累積歪みが0.25以上(望ましくは
0.29以上)になるか、または使用する最終段のミル
での圧下率が12%以上(望ましくは14%以上)にな
るようパススケジュールを定める。金属組織に対する影
響力の強い下流側のミルでの圧延を一定以上の圧下率で
行わないと、フェライト粒径を小さくすることは困難だ
からである。
【0040】c) カーテンウォール型冷却装置7を使っ
て鋼板Pを強く(表面の温度降下が毎秒40℃程度にな
るように)冷却する。冷却装置7は、使用したうち最終
段のミルの直後のものを少なくとも使用し、望ましく
は、当該最終段のミルの前部を含むすべての冷却装置7
(7A〜7H)を使用する。フェライト粒径を小さくす
るためには、圧延直後の鋼板Pを十分に冷却して適切な
温度範囲に保ち、圧延後の粒成長を的確に抑制すること
が不可欠だからである。
【0041】d) 上記c)の冷却によって、圧延終了温度
(最終段のミルF6より数m下流側に設置された温度計
にて計測される鋼板Pの表面温度)がAr3変態点+5
0℃を超えないように(望ましくはAr3変態点以下
に)する。望ましい下限もあるはずだが、表面温度がか
なり下がっても細粒鋼の生産に支障はなかった。厚さ6
mm以上の鋼板Pを2〜3m/sec程度の速度で圧延
する限りは、表面温度にかかわらず鋼板Pの板厚中心の
付近はAr3変態点程度の温度に保たれているからだと
推測される。
【0042】以上のように圧延を行うことにより、炭素
含有量が0.5%以下であり合金元素の含有量が5%以
下という鋼種について、表面から厚さの1/4だけ内側
での平均フェライト粒径が5〜10μm程度の、厚手の
細粒鋼熱延鋼板Pを生産することができた。このような
厚鋼板Pの生産に関するデータを、下記に実施例C・D
として示す。
【0043】
【実施例】以上に述べた連続熱間圧延設備Aによる薄板
および厚板の細粒鋼熱延鋼板Pの生産について、圧延上
のデータを以下に示す。各表において、実施例Aは、前
述のとおり薄手(厚さ2.07mm)の鋼板Pの生産に
関するものであり、実施例Bは、ミルF1〜F6を用い
て厚い鋼板Pを生産しようとして圧延を継続できなくな
った例を示すものである。そして実施例C・Dは、圧延
設備Aを用いて厚手(厚さ12.2mm)の細粒鋼鋼板
Pを円滑かつ継続的に生産した例を示している。
【0044】まず、表1には、各実施例A〜Dにおける
鋼板Pの化学成分(表示以外には有意量の成分を含まな
い)およびAr3変態点の温度を示し、表2に、圧延終
了温度(仕上出側温度)と各鋼板Pの板幅、ミルF4〜
F6の後部での各カーテンウォール型冷却装置7の使用
状況を示す。表3には、各ミルF1〜F6の出側での板
厚を示している(「粗バー厚」は粗圧延機の出側での板
厚をさす)。また、表4・表5・表6は、表3のパスス
ケジュールにしたがうときの各ミルF1〜F6における
圧下率(%)、歪みおよび累積歪み、所要圧延トルク
(トン・m)をそれぞれ示している。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0045】表6によると、圧延の継続が不能であった
実施例Bにおいては最終段のミルF6に必要なトルクが
23トン・mと大きく、前述したミルF6の許容最大ト
ルク(19.5トン・m)を上回っていることが分かる。ま
た実施例Dにおいては、表5のとおり累積歪みが0.3
8という強めの圧下をしているため、使用したうちの最
終段のミルF4には表6のように30トン・mもの大き
さのトルク(つまり、より後段のミルF5またはF6に
は発揮し得ないトルク)が必要であることも見てとれ
る。
【0046】各実施例A〜Dにて生産した鋼板Pについ
てフェライト粒径と機械的性質とを調査した結果が表7
である。ただし実施例Bについては、圧延不能となるま
での短時間内に得た鋼板Pについてのデータを示してい
る。表示した粒径は、実施例Aでは厚さの中央で計測
し、実施例B〜Dでは表面から厚さの1/4だけ内側の
位置で計測したものである。表中の「TS」は引張強
さ、「YP」は降伏点、「EL」は伸びを表し、「L方
向」は長さ方向(圧延方向)、「C方向」は幅方向を意
味する。いずれの場合にも、フェライト粒径が十分に小
さく、機械的性質にすぐれた鋼板Pが得られたことが分
かる。
【表7】
【0047】図4(a)・(b)・(c)は、実施例D
によって得た鋼板Pについて、上表面付近と、それより
厚さの1/4だけ内側の位置、厚さの中央位置のそれぞ
れの箇所で結晶組織を撮影した顕微鏡写真である。1/
4の厚さの位置では平均フェライト粒径が5〜10μm
の、厚さの中央でも同粒径が10μm以下の、それぞれ
微細な組織が形成されている。
【0048】また図5〜図7は、実施例Dまたはそれに
準じた圧延条件によって生産した鋼板Pについて、他の
機械的性質を調査し整理したものである。すなわち、ま
ず図5は、細粒鋼鋼板Pにおけるフェライト粒径と引張
強さおよび降伏点との関係を示す図である(横軸にはフ
ェライト粒径d(μm)を−1/2乗した値をとってい
る)。そして同じ細粒鋼鋼板Pについて、図6はシャル
ピー衝撃値の温度変化を通常鋼(非細粒鋼鋼板)におけ
る変化と併記して表し、図7は、脆性破面率の温度変化
を表している。そのほか、生産した同じ鋼板Pについ
て、JISZ3040「溶接施工方法の確認試験方法」
に基づく溶接継手の継手引張試験・継手曲げ試験・継手
衝撃試験・マクロ試験・硬さ分布確認試験を、それぞれ
複数の試験片にて行ったところ、細粒鋼鋼板の溶接性は
いずれも良好である旨を確認した。
【0049】
【発明の効果】請求項1に記載した連続熱間圧延方法に
よれば、薄板を製造できるよう配置された複数スタンド
のミルを用いながらも、トルク不足による不都合を招く
ことなく厚板の細粒鋼鋼板を製造することができる。
【0050】請求項2に記載した圧延方法なら、フェラ
イト粒径のかなり小さい、好ましい細粒鋼鋼板を円滑に
得ることができる。
【0051】請求項3に記載した圧延方法によれば、上
記のように厚板の細粒鋼鋼板を製造できる一方で、フェ
ライト粒径の微細な薄板の細粒鋼鋼板をも円滑に製造す
ることが可能である。
【0052】請求項4に記載した圧延方法は、カーテン
ウォール型冷却手段によって鋼板を強く冷却するもので
あるため、粒径がとくに微細な細粒鋼鋼板について円滑
な製造を可能にする。均一な冷却を実現できるため鋼板
の全幅にわたって組織を均一化できるという利点もあ
る。
【0053】請求項5に記載の圧延方法は、機械的性質
が高くて溶接性等にもすぐれ、用途が広くて比較的低価
な細粒鋼鋼板を生産するものであるため、社会的貢献度
の点でも生産の経済合理性の点でも好ましい。
【0054】請求項6または請求項7に記載した連続熱
間圧延設備によると、請求項4に記載した方法にしたが
って上記各請求項の圧延方法を実現でき、厚板および薄
板の細粒鋼鋼板の製造によって上述の効果を得ることが
できる。
【0055】請求項8に記載の圧延設備なら、冷却強さ
や鋼板温度をとくに正確に管理できるようになり、圧延
設備の運転を円滑に継続することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の一形態である連続熱間圧延設備A
について、全体配置を概念的に示す側面図である。
【図2】図2(a)・(b)・(c)の各図は、図1の
圧延設備Aのうち、前段にあるミルF1等に関してCV
C機能を説明するための模式図である。
【図3】圧延設備Aのうち後段のミルF4〜F6とその
付近について詳細を示す側面図である。
【図4】図4(a)・(b)・(c)は、実施例Dによ
って得た鋼板Pについて、上表面付近と、それより厚さ
の1/4だけ内側の付近と、厚さの中央付近との各箇所
で結晶組織を撮影した顕微鏡写真である。
【図5】生産した鋼板Pについて、フェライト粒径と引
張強さおよび降伏点との関係を示す線図である。
【図6】生産した鋼板Pと通常鋼(非細粒鋼鋼板)とに
ついて、シャルピー衝撃値の温度変化を示す線図であ
る。
【図7】生産した鋼板Pについて、脆性破面率の温度変
化を示す線図である。
【符号の説明】 A 熱間圧延機 F1〜F6 ミル 7(7A〜7H) カーテンウォール冷却装置 8 水噴射スプレー
フロントページの続き (72)発明者 大谷 崇 大阪市大正区船町1丁目1番66号 株式 会社中山製鋼所内 (72)発明者 高橋 昌範 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (72)発明者 足立 明夫 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (72)発明者 高岡 真司 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (56)参考文献 小指軍夫著「制御圧延・制御冷却」 (1997年2月10日),株式会社地人書館 発行,第17−31,93−101頁 材料とプロセス,Vol.14 (2001),No.5,第1157−1160頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/26 B21B 35/00 B21B 45/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄板を製造できるよう複数スタンドのミ
    ルがタンデムに配置され、後段寄りの複数のミルの各出
    側に鋼板用の冷却手段が配置された連続熱間圧延設備を
    用い、加熱された鋼板を圧延して厚板を製造する連続熱
    間圧延方法であって、a) 出側に上記冷却手段が配置されたミルを1以上含む
    前段寄りの3スタンド以上のミルを、当該1以上のミル
    の出側に配置された上記冷却手段とともに使用し、 b) 使用する上記前段寄りのミルよりも後段では、ミル
    を使用せずにミルの出側の鋼板冷却手段を使用して、 c) 累積歪みが0.25以上になるか、または使用する
    最終段のミルでの圧下率が12%以上になるよう厚板に
    圧延することを特徴とする連続熱間圧延方法。
  2. 【請求項2】 圧延終了温度がAr3変態点+50℃を
    超えないようにすることを特徴とする請求項1に記載の
    連続熱間圧延方法。
  3. 【請求項3】 薄板を製造する場合には、加熱した鋼板
    を、配置された全スタンドのミルを使用して累積歪みが
    0.6以上になるように圧延しながら、後段寄りの複数
    のミルの出側において上記冷却手段を使用して冷却する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の連続熱間圧
    延方法。
  4. 【請求項4】 上記冷却手段をカーテンウォール型冷却
    手段とし、厚板を製造する場合および薄板を製造する場
    合の鋼板の冷却を、当該冷却手段によって行うことを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の連続熱間圧延
    方法。
  5. 【請求項5】 炭素含有量が0.5%以下であり合金元
    素の含有量が5%以下である鋼板を圧延して、表面から
    厚さの1/4だけ内側での平均フェライト粒径が3〜1
    0μm程度の厚板を得ることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の連続熱間圧延方法。
  6. 【請求項6】 前段寄りにある3スタンド以上のミル
    に、加熱した鋼板に0.25以上の累積歪みを与えて厚
    板を製造し得る能力があるとともに、全スタンドのミル
    には、加熱した鋼板に0.6以上の累積歪みを与えて薄
    板を製造し得る能力があり、また、後段寄りの複数のミ
    ルの出側にカーテンウォール型冷却手段が配置されてい
    ること および、出側に上記冷却手段が配置された後段寄りの上
    記各ミルでは、ミルを使用せずに出側の上記冷却手段を
    使用することが選択できること を特徴とする連続熱間圧
    延設備。
  7. 【請求項7】 最終段のミルが、25%以上の圧下率に
    て厚さを6mm以下にするトルクを発揮できるととも
    に、それよりも前段にあるいずれかのミルが、12%以
    上の圧下率にて厚さを6mm以上にするトルクを発揮で
    き、また、後段寄りの複数のミルの出側にカーテンウォ
    ール型冷却手段が配置されていること および、出側に
    上記冷却手段が配置された後段寄りの上記各ミルでは、
    ミルを使用せずに出側の上記冷却手段を使用することが
    選択できることを特徴とする連続熱間圧延設備。
  8. 【請求項8】 最終段のミルの出側において上記冷却手
    段の下流側に、鋼板上の冷却水を除去する流体噴射スプ
    レーが配置されていることを特徴とする請求項6または
    7に記載の連続熱間圧延設備。
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