JP3413012B2 - 溶融炭酸塩型燃料電池 - Google Patents

溶融炭酸塩型燃料電池

Info

Publication number
JP3413012B2
JP3413012B2 JP08875396A JP8875396A JP3413012B2 JP 3413012 B2 JP3413012 B2 JP 3413012B2 JP 08875396 A JP08875396 A JP 08875396A JP 8875396 A JP8875396 A JP 8875396A JP 3413012 B2 JP3413012 B2 JP 3413012B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolyte
sheet
layer
fuel cell
molten carbonate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08875396A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09259906A (ja
Inventor
仁 韮沢
孝典 川地
斗 小川
謙二 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP08875396A priority Critical patent/JP3413012B2/ja
Priority to US08/816,894 priority patent/US5795671A/en
Publication of JPH09259906A publication Critical patent/JPH09259906A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3413012B2 publication Critical patent/JP3413012B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0289Means for holding the electrolyte
    • H01M8/0295Matrices for immobilising electrolyte melts
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/14Fuel cells with fused electrolytes
    • H01M2008/147Fuel cells with molten carbonates
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M2300/00Electrolytes
    • H01M2300/0017Non-aqueous electrolytes
    • H01M2300/0048Molten electrolytes used at high temperature
    • H01M2300/0051Carbonates
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Sustainable Energy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融炭酸塩型燃料
電池の電解質積層体に関し、特に、初期起動時及び停止
及び再起動の熱サイクル時における電解質層のクラック
発生に伴う燃料ガスと酸化剤ガスとの交差混合(クロス
オーバー)や燃料ガスと酸化剤ガスの電池外への漏洩を
防止し、燃料ガスと酸化剤ガスの電気化学反応(起電反
応)への有効利用率低下を抑制する溶融炭酸塩型燃料電
池の電解質積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融炭酸塩型燃料電池の単セルには、一
般に炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムを電
解質として用い、これらの電解質をリチウムアミネート
微粉末等により保持して電解質層としている。この電解
質層は製造時に有機バインダーを結着剤として用い、ド
クターブレード法により厚さ0.2〜1mmとなるよう
に作製される。このシートを複数枚用いて電解質として
いる。
【0003】この電解質層を挟持するようにニッケルを
主成分とする多孔質焼結体アノードと酸化ニッケル多孔
質体カソードにより溶融炭酸塩型燃料電池は構成され
る。アノード側には燃料ガスを、カソード側には酸化剤
ガスを供給し、起電反応により発電を行っている。この
単セルをセパレータを介して積層し、積層電池(スタッ
ク)として発電システムのユニットとして用いる。
【0004】スタックにおいては、還元性ガスである燃
料ガスの流路となるアノード室と酸化性ガスである酸化
剤ガスの流路となるカソード室と不活性雰囲気の容器内
とを相互にガス相が隔離されている。つまり、セパレー
タが隣り合ったアノード室とカソード室のガスを隔離
し、さらに電解質層が燃料ガスと酸化剤ガスとの直接燃
焼反応を防止すると共に、エッジ部においてはアノード
室とカソード室と容器内の不活性雰囲気との隔離を図っ
ている。
【0005】これらのガスの隔離が完全に行われていな
いと、燃料及び酸化剤ガスの直接燃焼反応やシール不良
に伴うアノード室及びカソード室への雰囲気ガスの混入
等により、電気エネルギーへの変換効率の高い電気化学
反応に燃料ガスの使用される割合が低下し、発電システ
ムの電気エネルギーへの変換効率が低下する。さらに、
クロスオーバーの燃焼による局所的な温度上昇で金属部
材の腐食を生じ、スタックの長寿命化もはかることがで
きない。
【0006】これらの燃料及び酸化剤ガスの直接燃焼反
応やシール不良に伴うアノード室及びカソード室への雰
囲気ガスの混入の原因の一つとして電解質層のクラック
発生が挙げられる。
【0007】このクラックは、溶融炭酸塩型燃料電池の
起動時及び停止及び再起動時(熱的非定常運転時)に、
電極とエッジ部の界面のように熱膨張率が不連続に変化
する部位に接した箇所に生じ易い。
【0008】従来から昇降温時に発生する電解質層のク
ラックを防止するため、保持材よりも粒子径の大きなセ
ラミック粒子をクラックアレスターとして添加し、多数
のミクロクラックを発生させ、大きなクラック防止する
方法(特開昭57−27569号公報)、セラミック繊
維を電解質層中へ添加する方法、スプリングでの支持に
よりエッジ板のマトリックスへの反力をエッジ板界面で
均一としてマトリックスへの応力集中を軽減する方法
(特願平4−307444号)等が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、クラックアレ
スターの添加又はセラミック繊維の添加だけでは、昇降
温時に発生する電解質層の大きなクラック発生に対する
抑制効果を、ある程度得ることができるが、クラックの
発生部位を制御できず、短絡現象の原因となるミクロク
ラックの発生頻度はかえって高くなり、これらのミクロ
クラックのネットワークが構築され燃料ガスと酸化剤ガ
スとの直接燃焼反応を生じ易くなってしまう。
【0010】また、エッジ部にバネを入れ、マトリック
スへの応力集中を軽減しても、電解質層そのものが充分
な機械的強度を有していないために、熱サイクル数が増
加するにつれエッジ領域にとどまっていたクラックが反
応部にまで拡大し、クロスオーバーやエッジリーク抑制
の大幅な改善は期待できない。
【0011】本発明の目的は、起電反応である電気化学
的な反応への、燃料ガス及び酸化剤ガスの利用効率を高
め、単なる燃焼反応やガス漏洩による消費を極力低減
し、性能劣化の抑制と長寿命化をはかる電解質積層体を
有する溶融炭酸塩型燃料電池を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
発明は、電解質層をアノード及びカソードにより挟持し
てなる単セルをセパレータを介して積層した溶融炭酸塩
型燃料電池において、前記電解質層は、電解質保持機能
を有する微粉末を主成分とする電解質保持用シートと、
電池運転中に微粉化されるFe、Mn、又はCoの酸化
物からなる粉末を主成分とする充填層シートとを組合わ
せた積層体からなり、前記電解質保持用シート中には、
繊維長が前記電解質保持用シートの厚さの等倍以上であ
る補強用セラミック繊維が当該シート面に略平行に配列
されていることを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池であ
る。
【0013】請求項2に係る発明は、請求項1記載の溶
融炭酸塩型燃料電池であって、前記充填層シートを前記
カソード側に設けることを特徴とするものである。
【0014】請求項3に係る発明は、請求項1記載の溶
融炭酸塩型燃料電池であって、前記電解質保持用シート
及び前記充填層シートは、燃料電池起動時に当該シート
に含まれるバインダーを揮散したものであることを特徴
とするものである。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】本発明に係る溶融炭酸塩型燃料電池の電解
質積層体を構成する電解質層グリーンシートの製造は、
図1に示すように、スラリーに繊維長Lの繊維を添加・
攪拌し(R1)、該繊維を添加したスラリーを、隙間l
のブレードによるドクターブレード成型することにより
当該繊維の長手方向が基材面にほぼ沿うようにシート状
を成し(R2)、これを乾燥等することにより当該繊維
がシート中にて基材面に略平行に配列されるようにする
(R3)。このように、繊維がシート材面に略平行に配
列してあることによって、当該シートは曲げ及び剪断に
対して強くなることから、電解質層における大きなクラ
ック等の発生を効果的に防止することができる。
【0020】本発明における、図5又は図9に典型的に
示される電解質積層体は、図2に示す手順で作製され
る。すなわち、電解質層グリーンシート用のスラリーを
作製し(S1)、これに繊維長Lの繊維を添加・攪拌し
(S2)、該繊維を添加したスラリーをドクターブレー
ド成型することにより当該繊維の長手方向が基材面にほ
ぼ沿うようにシート状を成し、これを乾燥等することに
より当該繊維がシート中にて基材面に略平行に配列され
るようにし、もって繊維が基材面に略平行に配列してあ
る電解質層グリーンシートが得られる(S3)。
【0021】一方、充填層グリーンシート用のスラリー
を製作し(T1)、これをドクターレード成形し、こ
れを乾燥等することにより充填層リーンシートが得ら
れる(T2)。
【0022】S3の電解質グリーンシートとT2の充填
リーンシートとを複数組合せて積層することにより
電解質積層体を構成する(U1)。これにより単セルが
得られる(U2)。
【0023】上記を更に説明する。すなわち、リチウム
アルミネート微粉末を主成分とする電解質保持用シート
に、その厚さの等倍以上の長さを有する、3〜30重量
%のセラミック繊維をシート面に平行に配列させること
で、電解質層そのものを強化し、この昇降温時の起電部
品と電解質層さらに電解質層とエッジ部との熱膨張差に
よる電解質層の大きなクラック等の発生を防止する。
【0024】また、電池運転中に微粉化される粉末を主
成分とする充填層とを組合せ積層し、停止及び再起動に
よる電解質の凝固時に発生するクラックをシート面に平
行に配列したセラミック繊維の回りに起し、ミクロクラ
ック一つずつのサイズを小さくしてアノードからカソー
ドに連結するクラックの伝播を充填層により遮断するこ
とによりクロスオーバーを小さくする。
【0025】さらに、万一大きなクラックが発生した場
合や、電解質保持材の経時劣化に伴う粗孔化が生じた場
合でも、電池運転中に微粉化する粉末からなる充填層
クラック又は粗孔部に充填され、目止めされることによ
って、燃料ガス及び酸化ガスの直接燃焼反応又はシール
不良に起因するアノード室及及びカソード室と雰囲気ガ
スの混入を抑制し、電池の運転特性の安定化が図られ
る。
【0026】例えば、リチウムアルミネートを主成分と
する電解質保持用シートに、その厚さの等倍以上の長さ
を有する、3〜30重量%のZrO2 、Al2 3 、L
iAlO2 等の電解質である炭酸塩に対して比較的安定
な酸化物よりなるセラミック繊維を、シート面に平行に
配列させることで、電解質層そのものを強化し、電解質
保持層の機械的強度向上をはかる。
【0027】これにより、昇降温時に電解質層とエッジ
部及び電解質層と電極の間に発生する熱膨張の差に起因
する電解質の大きなクラックの発生を防止できる。
【0028】更に経時的に電池運転中に微粉化される粉
末、たとえばFe、Mn、又はCoの酸化物又はアルカ
リ金属、アルカリ土類金属を含む複合酸化物からなる充
填層との併用により、電解質層に発生したクラック又は
電池運転中に経時的に劣化する電解質保持層の粗孔化部
等の破損部充填し、確実に燃料ガス及び酸化剤をガスの
直接燃焼反応が防止でき、エッジ部におけるシール不良
に起因するアノード室及びカソード室と雰囲気ガスの混
入を防止できる。
【0029】本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0030】LiAlO2 の粉末にエタノールを添加
し、ボールミルにより混合し、LiAlO2 スラリーを
作製する。
【0031】当該LiAlO2スラリーに、繊維径10
μm、繊維長0.2mmのAl23繊維、水溶性樹脂水
溶液、可塑剤を添加し、さらに攪拌し、Al23繊維添
加LiAlO2スラリーを作製する。なお、添加する繊
維の繊維長は本例においては、0.2〜10mmとして
いるが、これはシート厚さにより導き出されたものであ
る。従って、添付する繊維の繊維長の範囲が、上記範囲
を超えるものであっても、要求されるシート強度に合致
するものであれば何等問題はない。一般に、添加する繊
維の繊維長は、シートの厚さの等倍以上である。
【0032】次に減圧下で真空脱泡を行って、スラリー
の粘度調整とエタノールを除去する。得られたスラリー
をドクターブレードにより成型し、この後、室温〜10
0℃の温度でエタノール又は水を、除去及び乾燥し、電
解質層グリーンシートが得られる。
【0033】上記実施形態で得られた電解質保持層中の
Al2 3 繊維の分散と配列状況を確認するため、電解
質保持層グリーンシートを電気炉に入れ、空気中450
℃で脱脂を行った後、顕微鏡(SEM)により断面の観
察を行った。その結果を図3の写真に示す。この写真に
示すように、Al2 3 繊維はシート面に略平行に配列
されている状況が観察された。
【0034】次に添加されたAl2 3 繊維の繊維長の
確認を行うために、電解質保持層グリーンシートを電気
炉に入れ、空気中450℃で脱脂を行った後、脱脂体を
取り出し、ビーカ中で濃塩酸中に投入し、加熱しながら
LiAlO2 保持材を除去した。その後、試料を金属顕
微鏡で観察し、画像処理を行った。金属顕微鏡での観察
結果を図4の写真に示す。この写真に示すように、確か
に、電解質保持層の厚さの等倍以上あるAl2 3 繊維
が確認された。
【0035】次に充填層の作製方法について述べる。L
iFeO2 の粉末に実施形態1で用いた水溶性樹脂水溶
液、可塑剤、エタノールを添加し、ボールミルで混合
し、スラリーとする。
【0036】本スラリーを減圧下で真空脱泡を行い、エ
タノールを除去し、スラリーの粘度調整を行う。得られ
たスラリーをドクターブレードにより成型し、室温〜1
00℃の温度でエタノール又は水を除去及び乾燥し、充
填層グリーンシートが得られる。
【0037】本実施形態では水溶性樹脂水溶液をバイン
ダーとして用いたが、従来から用いられている有機バイ
ンダーを用いて電解質保持層と充填層を作成しても同様
の効果が得られる。また、副成分として電解質保持用の
リチウムアルミネート微粉やAl2 3 繊維を上記実施
形態のように添加してもよい。
【0038】図5に示すように、厚さ約0.4mmの電
解質グリーンシート101を3枚(101A,101
B,101C)と、厚さ約0.1mmの充填層グリーン
シート102を2枚(102A,102B)とを図示の
ように積層して積層体100を構成し、Ni−0.5A
2 3 多孔質体をアノード105に、Li x Ni 1-x
多孔質体をカソード106として図6のように組合せ、
電極間有効面積10cm 2 の単位セルにより発電試験を
行った。なお、図6において、103,104はホルダ
であり、107,108はカレントコレクタである。
【0039】電解質には炭酸リチウムと炭酸ナトリウム
の共晶塩を用いた。アノードにはH2 :CO2 :H2
=72:18:10のガスを、カソードにはAir:C
2=70:30のガスをそれぞれ供給し、650℃で
連続発電を行った。結果を図7,図8に示す。また、比
較のために従来の電解質層を用いた場合を同時に示す。
従来の電解質層を用いた場合でも発電初期4000時間
程度までは開路電圧、0.15A・cm-2負荷電圧共に
安定に動作していたが、4000時間以降急激に両電圧
共に低下した(図7)。
【0040】さらに、上記と同時に燃料ガス中のN
2 (窒素)量もセル電圧の低下と共に増大した。この
後、5000時間で発電を終了し、分解調査を行った。
この結果、この単セルの接触抵抗の増大は認められなか
ったことと、アノードに燃料ガスと酸化剤ガスの交差混
合によるものと思われる部位が認められた(図8)こと
から、4000時間以降の電圧低下は、交差混合により
生じたものと推定される。
【0041】以上の結果からこのセル性能の低下は、セ
ルの立ち挙げ時に電解質層に生じた割れによる燃料ガス
と酸化剤ガスの交差混合が原因と推定される。この現象
は、発電試験開始3000時間までは非常に発見され難
いもので4000時間以降顕著になってくるものと考え
られる。
【0042】一方、本実施形態では5000時間まで開
路電圧、0.15A・cm-2負荷電圧共に安定に動作し
ており、接触抵抗の増大、燃料ガス中の窒素量の増加も
見られなかった。
【0043】本実施形態では図5に示すように組み合わ
せを行ったが、この他に図9に示す組合せを行っても充
填層102は本実施形態と同様の効果を発揮する。図9
において、積層体100´は、3枚の電解質グリーンシ
ート101A,101B,101Cと2枚の充填層グリ
ーンシート102A,102Bとを積層するに際し、図
示のように、3枚目の電解質グリーンシート101C
を、2枚の充填層グリーンシート102A,102Bで
挟持した構成としている。なお、図9では充填層102
をカソード側に配置しているが、仮にアノード近傍に充
填層102を設けた場合には、アノード雰囲気の影響を
受け充填層102を構成する成分が電池運転中に還元さ
れ、経時的に微細化しなくなるため、アノード近傍では
目止めや粗孔充填機能を十分に得ることはできず、電池
内で短絡現象を生じ易くなり、電池の寿命の低下につな
がる可能性があるが、上記形態ではアノード近傍に充填
102を設けていないので、かかる不具合は生じな
い。
【0044】上記した電解質層グリーンシートと充填層
グリーンシートを積層し、Ni−0.5wt%Al2
3 多孔質体をアノードに、Lix Ni1-x O多孔質体を
カソードとして組合せ、電解質層とし、電極有効面積1
0cm2 の単セルにより発電試験を行い、単セルの熱サ
イクル特性を調べた結果を示す。
【0045】即ち、電解質には炭酸リチウムと炭酸ナト
リウムの共晶塩を用いた。アノードにはH2 :CO2
2 O=72:18:10のガスを、カソードにはAi
r:CO2 =70:30のガスをそれぞれ供給し、65
0℃で発電を行い、500時間ごとに昇降温度速度30
℃・h-1にて室温までの熱サイクルを負荷した。
【0046】この時のセル性能のアノード排ガス中の窒
素量の変化を図10に示す。また比較のため、(a)従
来の電解質層で単セルを構成した場合、(b)上記実施
形態の電解質層グリーンシートのみで単セルを構成した
場合、(c)従来の電解質層に上記実施形態の電解質層
充填層を挿入し単セルを構成した場合を同時に示す。
【0047】図10より従来の電解質層(a)のみでは
2回の熱サイクル以降、燃料排ガス中の窒素量が増大
し、急激にセル性能が低下した。分解調査の結果から電
解質層反応部に熱サイクルに起因すると推定される亀裂
が認められた。
【0048】上記実施形態の電解質層(b)のみを用い
た場合、2回目の熱サイクルでわずかな窒素量の増加は
見られたもののセル性能の低下は見られず、この状態の
まま5回目の熱サイクル以降で燃料排ガス中の窒素量が
増大が顕著となりセル性能が低下した。分解調査の結果
から肉眼で認められる亀裂は電解質層にはなかったが、
ガスクロマトグラフィーの結果からミクロな亀裂が生じ
ているものと推定された。従来の電解質層と上記実施形
態の電解質層の充填層を挿入したセルでは5回目の熱サ
イクルまでは窒素量の増大は認められなかったが6回目
の熱サイクル以降燃料排ガス中の急激な窒素量の増大を
示し、これに伴ってセル性能も急激に低下した。
【0049】分解調査の結果から、昇温時又は熱サイク
ル時に発生したと推定される亀裂が存在したが、亀裂部
に上記実施形態の電解質層の充填層が充填され、亀裂に
沿って変色部が認められた。上記実施形態の電解質層の
充填層の存在により5回の熱サイクルに耐えた。また、
上記実施形態の電解質層と充填層を同時に用いた場合、
単セルは8回の熱サイクルに耐え、クロスオーバーによ
るN2の増大もさほどみられなかった。さらに10回目
以降の熱サイクルでややN2量が増えたものの、この程
度のクロスリーク量でもセル性能は試験初期とほぼ同じ
値を示した。このことから、上記実施形態の電解質と
填層の効果が熱サイクルに対して有効であることが判明
した。
【0050】次に、Al2 3 繊維の添加量と強度の関
係を調べるためセル外での評価試験を行った。上記した
手法によりAl2 3 繊維の添加量の異なる電解質保持
用シートを作成した。この電解質保持用シートを20×
50mmの大きさに切断し、上下からアルミナ板で挟み
込み、20個の試料にそれぞれ2kgf・cm-2の荷重
をかけ、酸化剤ガス(Air:CO2 =80:20)中
450℃で脱脂した。
【0051】脱脂終了後、各Al2 3 繊維添加量の試
料を取り出し、破損状況を確認し、破損確率を求めた。
その結果を図11に示す。添加量が3重量%以上ではほ
とんど破損しないことがわかった。
【0052】Al2 3 繊維が3重量%以上30重量%
未満であれば同様の効果が得られる。3重量%以下で
は、熱サイクル衝撃に対する補強効果が十分に得られ
ず、30重量%以上の場合は、熱衝撃に対する補強結果
はある程度得られるが、電解質保持シートの成型性が著
しく悪くなり、均一な表面が得らなくなり、電池組立時
に支障をきたすと同時に電解質保持層の電解質保持力が
低下し、電解質として機能しなくなる。
【0053】以上の観点から、電解質保持材とAl23
繊維との比率は、97:3〜70:30が適切である。
また、Al23繊維長が電解質グリーンシートの厚さの
等倍以下の場合は、電解質層の平面方向に分散する率が
低下し、補強効果が不十分になり、さらに垂直方向に分
布して短絡現象の発生点となる虞がある。よって、Al
23繊維長は電解質グリーンシートの等倍以上とする。
【0054】本実施形態では、電解質保持層に、クラッ
クアレスターとしてAl2 3 粒子又はLiAlO2
子を添加した場合の例を示していないが、クラックアレ
スターとして上記セラミック粒子を添加しても、本実施
形態の電解質層は構成でき、溶融炭酸塩型燃料電池の性
能及び耐熱サイクル性には何ら問題は生じない。
【0055】本発明に係る繊維添加方法は、溶融炭酸塩
型に限らず、他の燃料電池においても、電解質層の強度
増大が望まれる場合には、適宜応用が可能である。即
ち、上記実施形態のようにセラミックス繊維が電解質の
平面と略平行となっていれば、他の燃料電池用電解質の
強度増大が図られる。さらに、他の燃料電池に用いる場
合には、その燃料電池の運転条件に対して安定なセラミ
ックス繊維を用いることにより、より有効な効果が得ら
れる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、割
れ等の破損が発生した場合でも、また電解質保持材の経
時劣化に伴う粗孔化でも、燃料ガス及び酸化剤ガスの直
接燃焼反応又はシール不良に起因するアノード室及びカ
ソード室と雰囲気ガスの混入を抑制できる。よって燃料
ガスと酸化剤ガスの有効利用率低下を抑制でき、運転特
性の安定化が図られる溶融炭酸塩型燃料電池を提供でき
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるセラミック繊維を添加した電解質
保持層グリーンシート作成の手順を示す図。
【図2】本発明によるセラミック繊維を添加した電解質
保持層グリーンシートと充填層グリーンシートとによる
積層体作成の手順を示す図。
【図3】セラミック繊維を添加した電解質保持層の顕微
鏡写真。
【図4】電解質保持層に添加されたセラミック繊維の繊
維長の金属顕微鏡観察による繊維の形状を示す写真。
【図5】電解質保持層と充填層の一構成例を示す断面
図。
【図6】溶融炭酸塩型燃料電池の構成例を示す断面図。
【図7】実施形態と従来例の比較における連続発電試験
結果を示す特性図。
【図8】実施形態と従来例の比較におけるアノード排ガ
ス中の窒素量経時変化を示す特性図。
【図9】電解質保持層と充填層の他の構成例を示す断面
図。
【図10】実施形態と従来例との比較における熱サイク
ル時の電池性能とアノードガス中の窒素量を示す特性
図。
【図11】アルミナ繊維添加量と脱脂時の破損確率を示
す特性図。
【符号の説明】
100,100´…積層体、101…電解質保持層グリ
ーンシート、102…充填層グリーンシート、103,
104…ホルダ、105…アノード、106…カソー
ド、107,108…カレントコレクタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 謙二 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (56)参考文献 特開 昭63−152877(JP,A) 特開 昭58−128670(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/02,4/86

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解質層をアノード及びカソードにより挟
    持してなる単セルをセパレータを介して積層した溶融炭
    酸塩型燃料電池において、 前記電解質層は、電解質保持機能を有する微粉末を主成
    分とする電解質保持用シートと、電池運転中に微粉化さ
    れるFe、Mn、又はCoの酸化物からなる粉末を主成
    分とする充填層シートとを組合わせた積層体からなり、
    前記電解質保持用シート中には、繊維長が前記電解質保
    持用シートの厚さの等倍以上である補強用セラミック繊
    維が当該シート面に略平行に配列されていることを特徴
    とする溶融炭酸塩型燃料電池。
  2. 【請求項2】前記充填層シートは、前記カソード側に設
    けることを特徴とする請求項1記載の溶融炭酸塩型燃料
    電池。
  3. 【請求項3】前記電解質保持用シート及び前記充填層シ
    ートは、燃料電池起動時に当該シートに含まれるバイン
    ダーを揮散したものであることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の溶融炭酸塩型燃料電池。
JP08875396A 1996-03-18 1996-03-18 溶融炭酸塩型燃料電池 Expired - Fee Related JP3413012B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08875396A JP3413012B2 (ja) 1996-03-18 1996-03-18 溶融炭酸塩型燃料電池
US08/816,894 US5795671A (en) 1996-03-18 1997-03-13 Fuel cell having electrolyte layer held between anode and cathode

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08875396A JP3413012B2 (ja) 1996-03-18 1996-03-18 溶融炭酸塩型燃料電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09259906A JPH09259906A (ja) 1997-10-03
JP3413012B2 true JP3413012B2 (ja) 2003-06-03

Family

ID=13951667

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08875396A Expired - Fee Related JP3413012B2 (ja) 1996-03-18 1996-03-18 溶融炭酸塩型燃料電池

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5795671A (ja)
JP (1) JP3413012B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100362507B1 (ko) * 1997-12-19 2003-03-10 한국전력공사 용융탄산염형연료전지및그제조방법
DE10045912C2 (de) * 2000-09-16 2002-08-01 Mtu Friedrichshafen Gmbh Verfahren zur Herstellung einer Schmelzcarbonat-Brennstoffzelle sowie Schmelzcarbonat-Brennstoffzelle
US6716549B2 (en) * 2001-12-27 2004-04-06 Avista Laboratories, Inc. Fuel cell having metalized gas diffusion layer
US7056608B2 (en) 2003-02-14 2006-06-06 Relion, Inc. Current collector for use in a fuel cell
US6939636B2 (en) * 2003-04-28 2005-09-06 Relion, Inc. Air cooled fuel cell module
US7308510B2 (en) * 2003-05-07 2007-12-11 Intel Corporation Method and apparatus for avoiding live-lock in a multinode system
US20050072286A1 (en) * 2003-10-03 2005-04-07 Chao-Tung Shih Knife holder traverser of corner cutting device
US8026020B2 (en) 2007-05-08 2011-09-27 Relion, Inc. Proton exchange membrane fuel cell stack and fuel cell stack module
US9293778B2 (en) 2007-06-11 2016-03-22 Emergent Power Inc. Proton exchange membrane fuel cell
US8003274B2 (en) 2007-10-25 2011-08-23 Relion, Inc. Direct liquid fuel cell
ITMI20101758A1 (it) * 2010-09-28 2012-03-29 Ansaldo Fuel Cells Spa Metodo di realizzazione di strati barriera per celle a combustibile a carbonati fusi
US10756358B2 (en) * 2016-11-04 2020-08-25 Fuelcell Energy, Inc. Stable electrolyte matrix for molten carbonate fuel cells
US11205795B2 (en) * 2016-11-21 2021-12-21 Fuelcell Energy, Inc. Reinforced matrix for molten carbonate fuel cell and method for manufacturing the same

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4538348A (en) * 1981-09-30 1985-09-03 United Technologies Corporation Molten carbonate fuel cell matrix tape and assembly method
US4540640A (en) * 1983-04-29 1985-09-10 The United States Of America As Represented By The United States Department Of Energy Coated powder for electrolyte matrix for carbonate fuel cell
US4895774A (en) * 1988-02-17 1990-01-23 Kabushiki Kaisha Toshiba Molten carbonate fuel cell
JP3492709B2 (ja) * 1991-04-08 2004-02-03 株式会社東芝 溶融炭酸塩型燃料電池
US5529856A (en) * 1993-01-14 1996-06-25 Electric Power Research Institute Fuel cell having solidified plasma components
US5580673A (en) * 1993-01-19 1996-12-03 Energy Research Corporation Carbonate fuel cell matrix
JP3350167B2 (ja) * 1993-09-03 2002-11-25 株式会社東芝 溶融炭酸塩型燃料電池

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09259906A (ja) 1997-10-03
US5795671A (en) 1998-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3413012B2 (ja) 溶融炭酸塩型燃料電池
JP3350167B2 (ja) 溶融炭酸塩型燃料電池
JP5079991B2 (ja) 燃料電池セル及び燃料電池
KR20100137477A (ko) 높은 전력과 높은 기계적 강도를 갖는 저렴한 전해질 지지형 고온 연료 전지용 전해질
KR102247129B1 (ko) 전기 화학 반응 단위 및 전기 화학 반응 셀 스택
JP7336702B2 (ja) 膜電極接合体および燃料電池
EP0508745B1 (en) Fuel cell with a molten carbonate electrolyte retained in a matrix
EP2752929B1 (en) Solid oxide fuel cell, cell stack device, fuel cell module, and fuel cell device
JP5726023B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池セル、セルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置
JP2010129269A (ja) 燃料電池セル、燃料電池セルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置
EP3664202B1 (en) Cell unit
JP4593997B2 (ja) 燃料電池セル用支持体及び燃料電池セル並びに燃料電池
JPH0793146B2 (ja) 溶融炭酸塩型燃料電池積層体
JP2011192483A (ja) 固体酸化物形燃料電池
CN111244498B (zh) 燃料电池和燃料电池堆
JP2000243405A (ja) 固体電解質型燃料電池の製造方法
JP2010129267A (ja) 固体酸化物形燃料電池セル、燃料電池セルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置
JP5328316B2 (ja) 燃料電池セル、燃料電池セルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置
JP7245210B2 (ja) 電気化学反応単セルおよび電気化学反応セルスタック
JP7278241B2 (ja) 電気化学反応単セル
JP5294474B2 (ja) 積層固体電解質を備える高出力発電セル
JP2019009083A (ja) 電気化学反応単セルおよび電気化学反応セルスタック
KR102254281B1 (ko) 전기 화학 반응 단위, 전기 화학 반응 셀 스택, 및, 전기 화학 반응 단위의 제조 방법
JPH09245808A (ja) 固体電解質型燃料電池用セパレータ
JP2005259490A (ja) 固体電解質型燃料電池スタック、および固体電解質型燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080328

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090328

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees