JP3412751B2 - プレキャストコンクリート板使用の床構造 - Google Patents

プレキャストコンクリート板使用の床構造

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JP3412751B2 JP27182498A JP27182498A JP3412751B2 JP 3412751 B2 JP3412751 B2 JP 3412751B2 JP 27182498 A JP27182498 A JP 27182498A JP 27182498 A JP27182498 A JP 27182498A JP 3412751 B2 JP3412751 B2 JP 3412751B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、突設したリブと平
板部とからなる複数のプレキャストコンクリート板(以
下、PC板と記す。なお、このPC板以外のPCはプレ
ストレストコンクリートを意味する。)を敷き並べ、そ
れらのプレキャストコンクリート板の上面にコンクリー
トまたはモルタルのいずれかを打設して構築するプレキ
ャストコンクリート板使用の床構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図45〜図48に示すように、突
設したリブ21aと平板部21fとからなる断面T字形
状(図45、図46)、または互いに平行なリブ21A
を突設したダブルT字形状(図47、図48)のプレキ
ャストコンクリート板21または21Aを複数枚、相対
する梁H、H間に架け渡して敷き並べ、それらの上面に
コンクリートまたはモルタルCを打設して床を構成して
いる。
【0003】このプレキャストコンクリート板21は、
工場製作時にリブ内にPC(プレストレストコンクリー
ト)鋼線3等を配設し、これに引張力fを加えてからコ
ンクリートを打設し固化している。このPC鋼線(鋼撚
り線)は、リブ内に直線状に配し、緊張力を加えてコン
クリートに圧縮力を与え、PC板を梁間に架け渡した際
にPC板の自重及び仕上げ等によって生じる曲げモーメ
ントMB に抗するモーメントMA を付している(図49
参照)。
【0004】この曲げモーメントMA の効果を大きくす
るためには、図50、図51に示すようにリブ内にケー
ブル3を懸垂線状に配設する必要がある。そのため、シ
ース管に鋼より線等を挿通して懸垂線状に配設し、コン
クリートを打設・固化してから、ケーブル(鋼より線)
に緊張力fを加えて両端を固定し、シース管内にモルタ
ルを充填固化して一体化している。
【0005】この様な従来技術においては、以下に示す
ような問題点が存在する。 ・リブ上向きPC板を用いて床を構成した場合 図52に示すように、PC板21のユニットを敷き並べ
てその上部にコンクリートCを打設し、床を構成した場
合には、ユニット同志の接合部Jは、面接触しているだ
けであり、したがって、床荷重によって生ずる曲げモー
メントは、主にリブ21aの長手方向で負担し、リブ直
角方向の曲げ耐力は極めて小さい(図53参照)。
【0006】各リブが平行に配設されるので、リブ21
aを直角方向に横切る電気配線等の配設がやりにくい。
【0007】PC板21のユニットを敷き並べ、その上
でのコンクリート打設等の作業の際に生じる荷重と、P
C板21自体の荷重による曲げモーメントとは、打設コ
ンクリートCが固化しPC板21と一体化するまでは、
リブ内に配設されたPC鋼線等のケーブルに緊張力を加
えたプレストレスト・プレキャストによるPC板自体の
曲げ耐力に依存する。
【0008】しかし、一般に用いられているリブ付きP
C板21はリブ内のPC鋼線3が全長に亘り直線状に配
設されているため、曲げ耐力及び剛性が低く、床コンク
リート打設中はスパン中央に仮設の支保構25、あるい
は小梁を設けることが必要である(図54参照)。
【0009】かかる直線状のPC鋼線3の配設は、プレ
ストレスト板の製造ではコンクリート打設前にPC鋼線
3に緊張力fを加え、コンクリートの打設・固化後に型
枠を脱型するため、直線引きの方が容易であることによ
る。
【0010】また、図51に示すように、PC鋼線3を
懸垂線状に配設すれば上載荷重に対してPC鋼線の効果
が上がるが、シース管を懸垂線状に配設してコンクリー
ト打設し、移動しないように型枠に固定する必要があ
り、コンクリートが固化してからPC鋼線に緊張力fを
加え、さらにシース管内にモルタルをグラウトする等作
業工程に多くの工数がかかるため、工場製品としてコス
トがかかる。
【0011】・リブ下向きPC板を用いて床を構成した
場合 PC板ユニット同志が互いに面接触で並べられているの
で、曲げ耐力が小さいのは、前記リブ上向きPC板と同
様である。
【0012】そして、図55に示すように、PC板21
上のモルタルまたはコンクリートCは厚さが薄いため、
配線・配管等は、PC板21の下面で行い、建築物では
天井等を設ける必要がある。
【0013】PC板のみで床構造の強度と剛性とを確保
させるため、リブの成を大きくするか、スパンが大きい
場合にはPC鋼線を懸垂線状にしたものを用いる必要が
ある。なぜなら、PC板上の仕上げモルタル、またはコ
ンクリートは、床板の鉛直荷重に対して耐力的に寄与が
期待できない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、従来のPC板には、懸垂線状にPC鋼線を配設して
プレストレスを付加し、梁間に敷設する際の作業及び自
重による応力を軽減していたのに対し、より容易にプレ
ストレスを付加することができ、かつその際に上方向き
のプレストレスを自由度を有して設定することができる
プレキャストコンクリート板使用の床構造を提供するこ
とを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、突設し
たリブ(1a)と平板部(1f)とからなる複数のプレ
キャストコンクリート板(1)を敷き並べ、それらのプ
レキャストコンクリート板(1)の上面にコンクリート
またはモルタルのいずれかを打設して構築するプレキャ
ストコンクリート板使用の床構造において、前記プレキ
ャストコンクリート板(1)はリブ(1a)を上側にし
て敷き並べられており、そのリブ(1a)の長手方向に
間隔を有して複数の管体(4)がリブ(1a)の巾方向
に横断して埋設され、両端部がリブ(1a)の端の上部
に定着された緊張力を加えたPC鋼線(3)の中間部は
前記管体(4)の下面に沿って折れ線状に埋設されてお
り、それらのプレキャストコンクリート板(1)は接合
部(J)で相接するコンクリート板(1)のリブ(1
a)に設けられたスリーブ管(4)に異形鉄筋、鋼棒あ
るいはボルト(6)若しくはPC鋼線(7)が挿通緊結
されている。
【0016】また本発明によれば、 突設したリブ(1
1a)と平板部(11f)とからなる複数のプレキャス
トコンクリート板(11)を敷き並べ、それらのプレキ
ャストコンクリート板(11)の上面にコンクリートま
たはモルタルのいずれかを打設して構築するプレキャス
トコンクリート板使用の床構造において、前記プレキャ
ストコンクリート板(11)はリブ(11a)を下側に
して敷き並べられており、そのリブ(11a)には巾方
向に貫通する複数の管体(4)がリブの長手方向および
上下方向に間隔を有して埋設され、両端部がリブ(11
a)の端の上部に定着された緊張力を加えたPC鋼線
(3)の中間部が前記下側の管体(4)の下面に沿って
折れ線状に埋設されており、そして並列して敷き並べら
れたプレキャストコンクリート板(11)には異形鉄
筋、鋼棒あるいはボルト(6)又はPC鋼線(7)がリ
ブ直角方向に管体(4)内に挿通されて互いに緊結され
ている。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】したがって、本発明によれば、プレキャス
トコンクリート板のリブ長手方向に埋設されたPC鋼線
による緊張力でプレストレスが与えられており、そのP
C鋼線は折れ線状に埋設されているので上向きの力を生
じて敷設する際の作業及び自重による応力を軽減するよ
うに作用し、スパンを大きくすることができる。
【0021】そして、リブの幅方向に横断する管体が埋
設され、その管体の外周をガイドにPC鋼線が配設され
て製造が容易であり、また、この管体を利用してボルト
または鋼棒等を挿通し隣接するPC板同士を締結するこ
とでリブの直角方向に対しPC板を一体化して強度を増
すことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。図1〜図5には、リブ1aを
上向きに敷設するPC板1が示されている。リブ1aの
全長に亘り、そのリブ下部でかつ平板部1fの上面より
やや上方に、リブ長手方向に間隔を有して複数のスリー
ブ管4よりなる管体が埋設され、リブ幅を横切って貫通
孔が形成されている。そして、緊張力を加えたPC鋼線
3が、その両端部はリブ1a端の上部に定着されてお
り、中間部は前記管体4の下面に沿って折れ線状に埋設
されてPC板1にプレストレスが与えられている。この
例では、図5に示すように、PC鋼線3は、2本平行し
て埋設されている。なお、スリーブ管4は、図示の例は
均等ピッチの配設で示されているが、必要部分のみに設
けてもよい。
【0023】また、図2に示す例では、PC鋼線3は、
リブ両端上部から2番目のスリーブ管4の下面に向けて
配設されているが、図6〜図8に示すようにスパン、荷
重に応じて最適の折れ線となるように選択し設定するこ
とができる。
【0024】そして、リブ端部のPC鋼線3の定着部
は、コンクリートの割裂の防止のために図9〜図12に
それぞれ示されているように被りcを設けるのが好まし
い。
【0025】また、図13には、本発明が適用できるP
C板の断面形状の例が示されている。T字状、ダブルT
字状、コ字状等の上または下向きに設けたリブに対して
適用できる。
【0026】そして、所定位置に設けたスリーブ管4を
通して配線・配管が行われ、敷き並べられたPC板1の
上にコンクリートが打設されて床が構築される。
【0027】次に、図14〜図18には、敷き並べられ
たPC板1を互いに緊結する実施形態が示されている。
図14において、接合部Jで相接するPC板1、1のリ
ブ1aにそれぞれ設けられたスリーブ管4に異形鉄筋、
鋼棒、あるいはボルト6等が挿通緊結され、コンクリー
トCが打設されている。符号12は補強筋、Lは表面仕
上げである。また、図15は、ボルト6により、図16
は鋼棒6Aを挿通しナットNで締結されており、図17
は、異形鉄筋6Bがスリーブジョイント16で連結され
てPC板が連結されている。
【0028】そして、図18に示す実施形態では、各リ
ブ1aのスリーブ管4が1列状に設けられアンボンドP
C鋼線7が挿通され、上部コンクリート打設・固化後に
鋼線7に緊張力が加えられ、床板端面部に設けられた定
着金物により緊張力が固定さている。
【0029】図19〜図21に示す実施形態では、リブ
1aの側面が粗面あるいは凹凸面に仕上げられている。
すなわち、図19に示す例は、リブ1a側面が粗面仕上
げされており、また、図20では、型枠内側に波形また
は角波形を貼り付けて脱型してリブ1a側面に波形の凹
凸が設けられている。そして、図21に示す例は、型枠
の内側にラス金網等を張って打設され、脱枠時にはリブ
側にラスが残されている。
【0030】また、図22には、上記の粗面または凹凸
面を設けたリブ1aの二面と平板部1fとで囲まれた溝
部にコンクリートCがリブ1a頂部の高さまで打設さ
れ、上表面に床仕上げLが施された実施形態が示されて
いる。
【0031】次に、リブ11aを下向きとした実施形態
を示す。図23〜図27において、リブ11aの全長に
亘り、リブ幅を貫通する複数のスリーブ管4が所定位置
に埋設されている。そして、PC鋼線3が図示のように
所定の折れ線形状にスリーブ管4の外面に沿って折り曲
げられ、リブ11aの両端において緊張されてコンクリ
ート打設後にその両端部を切断、コンクリート端面に定
着させてある。
【0032】そして、このPC板11はリブ側を下方に
して梁間に架け渡され上面にコンクリートCが打設され
て床が構成されている。
【0033】図28及び図29には、並列して敷き並べ
られたPC板ユニットに、ボルト6またはPC鋼線6B
がリブ直角方向にスリーブ管4内を挿通されてナットN
で締結されている実施形態が示されている。
【0034】以下、図30を参照して本発明によるPC
板を工場又は地上で製造する方法を説明する。まず、鋼
製の型枠W(図31参照)を用意し、そのリブを形成す
る型枠内にPC鋼線3を挿入し、リブ側面の型枠の所定
位置にスリーブ外径より小さい孔を明けたリブ型枠W1
を用意し、そのリブ型枠W1内にスリーブ管4をPC鋼
線3の折り曲げ位置に配設し、併せて他のスリーブ管4
を型枠外側から棒鋼または長締めボルト14(図33参
照)で固定してリブ側面の位置決めを行う。そして、こ
のような型枠Wのセットを複数台、長さ方向に連続的に
設置し、各セット間の隙間にはPC鋼線3の位置決め用
のパイプ16等を固定した架台15を配置し、これらを
連続してPC鋼線3を挿通する。これらの連続した型枠
セットの両外側に反力架台15Aを設けてPC鋼線3に
緊張力を与え、各PC板ユニットのリブ内のPC鋼線3
に緊張力が加わったことを確認してコンクリートを打設
する。こうして、コンクリートが固化してから、各型枠
ユニット間のPC鋼線3を切断し、併せてスリーブ4を
固定したリブ側面の鋼棒またはボルト14を除去し、そ
れぞれ脱型して、PC板1を製作する。
【0035】図32にはスリーブ管4の設置方法の概略
が示されている。右図のように型枠W1にスリーブ管4
を挟装してボルト14で締結し、中央図のようにコンク
リートを打設してボルト14を抜き、脱型する(左
図)。
【0036】また、図33には、上向きリブ付きPC
板、図34には、上向きリブ付きPC板の型枠の断面が
示されている。なお、符号W2は、浮型枠支持フレーム
を示している。
【0037】従来の床板に用いられているPC板21
は、図35に示すようにリブ内にPC鋼線4が直線引き
に埋設され、したがって、リブ断面における応力分布
は、図36に示すようになっている。すなわち、図示の
例では、PC鋼線3が下側に埋設されているので、Aで
示すようにリブ上面ではσc1、下面ではσc2の台形の圧
縮応力分布になる。この状態でPC板21を敷設する
と、自重及び上載荷重による曲げモーメントが付加され
てBで示すように下面側が大きい台形の分布となり、上
載荷重が大きく下面側の応力σc4が引張り応力になると
コンクリート下面にひび割れが生じ、その一方、上面の
圧縮応力σc3がコンクリートの圧縮耐力を越えると圧壊
する。このように、直線引きのPC板21では、曲げモ
ーメントを生じるスパンと上載荷重とは制限を受ける。
【0038】一方、本発明では、図37及び図38に示
すようにPC鋼線3の折れ点Xでは緊張力の分力によっ
て上向きの力P1(またはP2)が生じ、前記曲げ荷重
を打ち消す方向のモーメントが生じる。すなわち、従来
の直線引きPC板21に比べてスパンまたは上載荷重を
大きくすることができる。また、従来必要としたスパン
中央部の支保構(鉛直サポート)を省略することができ
る。なお、この効果は、上向きリブでも下向きリブでも
同様である。
【0039】また、複数のスリーブ管は、製造工程にお
いてリブ幅の寸法精度を確保することができ、PC鋼線
の折れ点の位置選択によってスパンに応じて上向きの力
の大きさと位置とを選択することができる。
【0040】これらのスリーブ管4は、折れ点Xにおい
ては鋼管を用いてPC鋼線3の摩擦損失を防ぐために油
脂等を塗布することもできる。そして、折れ点X以外で
は塩化ビニール管を用い、鋼管とする必要はない。
【0041】スリーブ管4は、PC鋼線3の折れ点設定
の他、この孔を利用して配線・配管の挿通孔として用い
ることができる。また、スリーブ管4を利用して床構造
自体を補強することもできる。従来のPC板による床構
造は、リブ付きのPC板を梁間に架け渡し、逐次、敷き
並べて上部に金網等を敷設し、コンクリートを打設して
構築している。この場合、相隣るPC板は敷き並べただ
けであるから、リブ方向の曲げ強さに依存した構造であ
る。
【0042】図39に示す床構造においては、一般に四
周が梁Hで囲まれており、リブ(x)方向だけでなく直
角(y)方向の曲げ耐力を加えれば床構造としての耐力
が向上する。平板状の床構造における鉛直荷重による曲
げモーメントを図40に示す。リブ上向きPC板ユニッ
トをそのリブ方向に敷き並べて上部にコンクリートを打
設した従来工法では、相隣るPC板相互にスリット状の
切欠きがあるため、リブ方向の曲げ強さに依存し、その
直角方向の曲げ耐力は殆ど生ぜず、または、極めて小さ
い。
【0043】しかるに、本発明では、リブ直角(y)方
向にも曲げ耐力を発現でき、リブ側面のスリーブ管孔に
鋼棒を挿通して補強することができる。すなわち、前記
図14において、床板端部の曲げモーメントMy1を上端
鉄筋12で負担させ、中央部の曲げモーメントMy2はリ
ブのスリーブ管4に挿入した鋼棒(長締めボルト)6に
負担させてこの応力をPC板下側平板部内の鉄筋13に
伝えている。したがって、直角(y)方向の曲げモーメ
ントMy1(端部)、My2(中央部)は許容範囲内にする
ことができる。この場合、ボルト6を締め付けることに
よって接合部Jは圧着されてy方向に床板の一体化が計
れる。
【0044】また、前記図17は、ボルト6の代わりに
異形鋼棒6B等を挿通し、必要に応じて継手金物(スリ
ーブジョイント)16を用いて連結させている。力学的
に図14と同一原理である。
【0045】これらの実施形態での曲げモーメントを図
41に示す。
【0046】上記図14〜図17におけるボルト6また
は鉄筋6BはPC板1を敷き並べる前に各ユニット毎に
ボルト・鋼棒を通しておき、敷き並べてから横方向にス
ライドさせればよい。また、スリーブ管4の位置を各P
C板ユニットについて決めておけば、端部から長い鉄筋
を挿入し、継手金物16を省略できる。この方法で長い
鉄筋の代わりにアンボンドPC鋼線7をスリーブ管4に
逐次挿入し、上部コンクリートCを打設後に緊張して床
板端面に定着金物で定着してもよい。なお、このスリー
ブ管4はPC鋼線の折れ点Xに利用できることは言うま
でもない。
【0047】前記図23に示した下向きリブ11aを設
けたPC板11については、1つのPC板11に集中荷
重が加わった場合に、ボルト6の締め付けによって接合
部Jが圧着され、上下方向の摩擦力で隣接するPCユニ
ットに荷重が分散される。したがって、仕上げ材lに
は、接合部Jに沿った亀裂等が生じ難い。
【0048】また、上向きリブのPC板1を大スパンに
適用する場合、リブ1aの成を大きくし、床板総厚さを
抑えるために打設コンクリートCをリブ上面高さまでと
して溝部にのみ打設する。この場合、PC板1と打設コ
ンクリートCとの一体化を図るため、リブ側面を粗面
(図19)または凹凸面(図20)として打設コンクリ
ートCとリブ1a側面との境界面の辷りを防止する。
【0049】この様に、本発明では、上記のリブ内の折
れ線状のPC鋼線埋設、スリーブ管の設置及びリブ直角
方向の補強を併用することでより効果を高めることがで
きる。さらに、リブ直角(y)方向の端部の曲げモーメ
ント(My1)に対しては、図42〜図44に示すよう
に、リブ1aの上部にスリーブ管4(図44)あるいは
切欠き5(図43)を設けて補強筋12を埋設し、補強
することもできる。
【0050】また、スリーブ管4を運搬・揚重等に利用
することもできる。
【0051】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成さ
れ、以下に示す効果を奏する。 (1) プレストレストPC板において、PC鋼線を折
れ線状に配設することにより、折れ点で上向きの荷重が
作用し、スパンを大きくすることができる。 (2) PC板製作時のPC鋼線配設は、スリーブ管を
用いることで、従来の懸垂線状に配設するのに比べて簡
単であり、かつ型枠ユニットを複数台、長さ方向に連結
して製作するので製造能率が向上する。 (3) PC鋼線の折れ点は、円筒形のスリーブ管で形
成され、鋼線緊張時に摩擦損失が少なく、また、スリー
ブ管は配線やPC板ユニット相互の連結に利用できる。 (4) スリーブ管を複数設定してPC鋼線の折れ点を
選択することで上方向き抗力の設定に自由度を与えるこ
とができる。 (5) スリーブ管は、PC板製作時の型枠形状の保持
に有効である。 (6) 突出したリブの両側面が粗面又は凹凸面である
ため、溝部に打設するコンクリートのPC板の一体が計
られる。 (7) また打設するコンクリートの量が現場で少なく
なり、リブの成を大きくできるので、PC鋼線の折れ線
上の配線による上向きの力が大きくなり、床版のスパン
をさらに大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPC板の実施形態を示す側面図。
【図2】図1の縦断面図。
【図3】図1の平面図。
【図4】図1のリブ端面を示す図。
【図5】図1のリブの断面図。
【図6】折れ線形状の最適化のためPC鋼線の配設を変
えた実施形態を示す図。
【図7】図6の他の実施形態を示す図。
【図8】図6のさらに他の実施形態を示す図。
【図9】PC鋼線の端面定着の実施形態を示す図。
【図10】図9の別の実施形態を示す図。
【図11】図9のさらに別の実施形態を示す図。
【図12】図9のさらに別の実施形態を示す図。
【図13】本発明が適用できるPC板の断面形状の例を
示す図。
【図14】リブ直角方向のPC板の連結を説明する図。
【図15】PC板のボルトによる締結を示す断面図。
【図16】PC板の鋼棒による締結を示す断面図。
【図17】PC板の異形鉄筋による締結を示す断面図。
【図18】PC板のアンボンドPC鋼線による締結を示
す断面図。
【図19】リブ側面を粗面とした実施形態を示す平面
図。
【図20】リブ側面を波形とした実施形態を示す平面
図。
【図21】リブ側面にラス金網を貼付けた実施形態を示
す平面図。
【図22】図19〜図21の実施形態にコンクリート打
設した状態を示す断面図。
【図23】下向きリブ付きPC板の実施形態を示す側面
図。
【図24】図23の縦断面図。
【図25】図23の平面図。
【図26】図23のリブ端面を示す図。
【図27】図23のリブの断面図。
【図28】下向きリブ付きPC板の鋼棒による締結を示
す断面図。
【図29】下向きリブ付きPC板のボルトによる締結を
示す断面図。
【図30】PC板を複数連続して製造する装置の説明
図。
【図31】図30の型枠を示す斜視図。
【図32】スリーブ管の設置を説明する図。
【図33】上向きリブ付きPC板の型枠の断面図。
【図34】下向きリブ付きPC板の型枠の断面図。
【図35】従来の直線引きPC板を示す縦断面図。
【図36】PC板にかかるモーメントを示す図。
【図37】折れ線状PC鋼線による上向き力を示す図。
【図38】別の折れ線状PC鋼線による上向き力を示す
図。
【図39】床構造を説明する斜視図。
【図40】従来の床構造にかかる曲げモーメントを示す
図。
【図41】本発明の床構造にかかる曲げモーメントを示
す図。
【図42】PC板端部の補強を示す縦断面図。
【図43】切り欠きを設けて補強筋の埋め込みを示す横
断面図。
【図44】図42の横断面図。
【図45】従来のPC板の断面図。
【図46】従来のPC板の断面図。
【図47】従来のPC板の断面図。
【図48】従来のPC板の断面図。
【図49】従来のPC板にかかる曲げモーメントを示す
図。
【図50】懸垂線状のケーブルを示すPC板の断面図。
【図51】図50のケーブルによる上向き力を説明する
図。
【図52】従来のリブ上向きPC板による床構造を示す
断面図。
【図53】図52の曲げ強さを説明する断面図。
【図54】仮設支保構による補強を示す図。
【図55】従来のリブ下向きPC板による床構造を示す
断面図。
【符号の説明】
1、11・・・PC板 1a、11a・・・リブ部 1f・・・平板部 3・・・PC鋼線 4・・・管体(スリーブ管) 6・・・ボルト 6A・・・鋼棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E04C 5/10 E04C 5/10 E04G 21/12 104 E04G 21/12 104C (72)発明者 林 英 雄 東京都狛江市東野川3−15−4−304 (72)発明者 富 田 昭 夫 東京都世田谷区北烏山4−3−15 (72)発明者 河 津 亘 神奈川県横浜市栄区公田町1120−16 (56)参考文献 特開 平3−132547(JP,A) 特開 平7−279429(JP,A) 特開 昭62−178649(JP,A) 特開 昭55−122946(JP,A) 特開 平3−161643(JP,A) 実開 平1−157846(JP,U) 実開 平3−101712(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 突設したリブ(1a)と平板部(1f)
    とからなる複数のプレキャストコンクリート板(1)を
    敷き並べ、それらのプレキャストコンクリート板(1)
    の上面にコンクリートまたはモルタルのいずれかを打設
    して構築するプレキャストコンクリート板使用の床構造
    において、前記プレキャストコンクリート板(1)はリ
    ブ(1a)を上側にして敷き並べられており、そのリブ
    (1a)の長手方向に間隔を有して複数の管体(4)が
    リブ(1a)の巾方向に横断して埋設され、両端部がリ
    ブ(1a)の端の上部に定着された緊張力を加えたPC
    鋼線(3)の中間部は前記管体(4)の下面に沿って折
    れ線状に埋設されており、それらのプレキャストコンク
    リート板(1)は接合部(J)で相接するコンクリート
    板(1)のリブ(1a)に設けられたスリーブ管(4)
    に異形鉄筋、鋼棒あるいはボルト(6)若しくはPC鋼
    線(7)が挿通緊結されていることを特徴とするプレキ
    ャストコンクリート板使用の床構造。
  2. 【請求項2】 突設したリブ(11a)と平板部(11
    f)とからなる複数のプレキャストコンクリート板(1
    1)を敷き並べ、それらのプレキャストコンクリート板
    (11)の上面にコンクリートまたはモルタルのいずれ
    かを打設して構築するプレキャストコンクリート板使用
    の床構造において、前記プレキャストコンクリート板
    (11)はリブ(11a)を下側にして敷き並べられて
    おり、そのリブ(11a)には巾方向に貫通する複数の
    管体(4)がリブの長手方向および上下方向に間隔を有
    して埋設され、両端部がリブ(11a)の端の上部に定
    着された緊張力を加えたPC鋼線(3)の中間部が前記
    下側の管体(4)の下面に沿って折れ線状に埋設されて
    おり、そして並列して敷き並べられたプレキャストコン
    クリート板(11)には異形鉄筋、鋼棒あるいはボルト
    (6)又はPC鋼線(7)がリブ直角方向に管体(4)
    内に挿通されて互いに緊結されていることを特徴とする
    プレキャストコンクリート板使用の床構造。
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