JP3411920B2 - サーマルグレートカーボンブラックを含有するプラスチック構造物 - Google Patents
サーマルグレートカーボンブラックを含有するプラスチック構造物Info
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Description
な量の、ある構造および種類のカーボンブラックを含有
するプラスチック構造物による表面および包囲体の断熱
方法に関する。
て知られており、商業的には、熱伝導率を小さくするた
めに断熱フォーム構造物中に用いられている。該使用に
関する多数の教示が米国特許第4,795,763号およびWO90/
06339に示されている。該特許は数種のカーボンブラッ
クを開示し、さらに有効な粒度範囲および配合(すなわ
ち重量)量をも開示している。
場合の問題点には加工上の問題と製品品質の問題とがあ
る。
物または該融成物のポリマーゲル中にカーボンブラック
を均一に分散または混合させることが可成り難しいとい
うことである。断熱構造物中に以前に用いられていたカ
ーボンブラック(ファーネスブラック)は、商業的に、
その製造中に、熱溶融によって、粒子が2ないし90個の
クラスター状で供給される。該クラスターが、ポリマー
融成物またはゲル中に分散している間にばらばらにする
ことは事実上不可能である。さらに、クラスター相互間
の静電引力によって、クラスター自体をポリマー融成物
またはゲル中に分散させることが難かしい。この分散問
題は、フォーム構造物をつくる前に、カーボンブラック
のベースポリマー中への費用のかかる予備配合を必要と
するかもしれない。予備配合は非常に経費がかかるが、
それでもなおカーボンブラックは、断熱フォーム構造物
の熱伝導率が最小になるほどには分散しない。さらに、
熱伝導率を大幅に小さくするのに必要なカーボンブラッ
クの高配合量(概してフォーム構造物の4ないし10重量
パーセント)が、前記加工上の問題をさらに一層悪化さ
せるかもしれない。
以前用いていたカーボンブラックの多孔性は、フォーム
構造物の製造中に、添加物を吸収して、その活性を阻害
することがある。この阻害は、添加物の活性の低下、添
加物の必要配合量の増大、または望ましくない添加物へ
の切替えをもたらすかもしれない。
題は、カーボンブラックが表面に粘着または付着する傾
向、プロセス等である。この表面粘着は清掃および清浄
度の問題を生じる。
フォーム構造物にスキン層の品質問題をひき起すことも
ある。
を見出すことが望ましいと思われる。予備配合せずに分
散可能なカーボンブラックを見出すことはさらに望まし
いであろう。一定の配合量でフォーム構造物に熱伝導率
の著しい低下をもたらすカーボンブラックを見出すこと
はさらに望ましいであろう。
包含されるカーボンブラックを含むポリマーフォーム構
造物を表面または包囲体に適用することを含んで成る表
面または包囲体の断熱方法がある。カーボンブラック
は、構造物の熱伝導率を、カーボンブラックを含まない
対応するフォーム構造物よりも小さくするのに必要な量
で存在する。カーボンブラックは、フォーム構造物のマ
トリックス中に、集塊または凝集の実質的にない分離し
た個々の粒子状に分散している。分離した集塊のない状
態のカーボンブラックはフォーム構造物の製造中に、容
易に分散して、加工することができる。個々の粒子は粒
径が150ナノメートルよりも大きいのが好ましい。比較
的大きな粒度は、カーボンブラックの赤外線反射性およ
び散乱性を、より効果的に利用させる。好ましいカーボ
ンブラックは商業的にサーマルグレードカーボンブラッ
ク(thermal grade carbon black)(サーマルブラッ
ク)という。サーマルブラックは、一定配合量で、以前
断熱フォーム構造物に用いていた他種のカーボンブラッ
クよりも熱伝導率を小さくする。さらに、サーマルブラ
ックは加工し、混合してフォーム構造物とするのが他種
のカーボンブラックよりもはるかに容易である。
フォーム構造物の熱伝導率を、対応するカーボンブラッ
クを含まないフォーム構造物よりも小さくするのに必要
な量のカーボンブラックを含むフォーム構造物を表面ま
たは包囲体に適用することを含んで成る表面または包囲
体の断熱方法がある。該カーボンブラックは、150ナノ
メートルよりも大きい平均粒径を有し、業界では公知の
種類のカーボンブラックであることができる。
無発泡の充実ポリマー物質およびカーボンブラックを含
む断熱フォーム構造物を表面または包囲体に適用するこ
とができる方法がある。
造方法がある。ポリマー物質を加熱して溶融ポリマー物
質とする。該方法は、ポリマー物質を加熱して溶融ポリ
マー物質とし、溶融ポリマー物質中に前記カーボンブラ
ックを包含させて、溶融物質混合物とし、高圧下で、発
泡剤を、該溶融物質混合物中に包含させて、発泡可能な
ゲルとし、さらに該発泡可能なゲルをダイから低圧域に
押出して、フォーム構造物を生成させる諸工程を含む。
前記の種類および構造のカーボンブラックを有する押出
断熱プラスチックフォーム構造物がある。
ることができる任意のプラスチック物質から選ぶことが
できる。該プラスチック物質は熱可塑性または熱硬化性
のいずれであってもよい。適当なプラスチックにはポリ
オレフィン、ポリ塩化ビニル、アルケニル芳香族ポリマ
ー、セルロース系ポリマー、ポリカーボネート、ポリエ
ーテルイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、
ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂、前記のコポリ
マーおよびターポリマー、ポリマーブレンド、ならびに
ゴム変性ポリマーがある。適当なポリオレフィンにはポ
リエチレンおよびポリプロピレンがある。適当なポリエ
チレンには高密度、中密度、低密度、線状低密度および
超低密度ポリエチレンの種類がある。
質を含むのが好ましい。適当なアルケニル芳香族ポリマ
ー物質には、アルケニル芳香族ホモポリマーおよびアル
ケニル芳香族化合物と共重合可能なエチレン性不飽和コ
モノマーとのコポリマーがある。アルケニル芳香族ポリ
マー物質は、さらに、少量の非アルケニル芳香族ポリマ
ーを含むことができる。アルケニル芳香族ポリマー物質
は、単独の1種以上のアルケニル芳香族ホモポリマー、
1種以上のアルケニル芳香族コポリマー、それぞれ1種
以上のアルケニル芳香族ホモポリマーおよびコポリマー
の混合物、または前記のいずれかと非アルケニル芳香族
ポリマーとの混合物から成ることができる。アルケニル
芳香族ポリマー物質は、組成に関係なく、50重量パーセ
ントを上回る、好ましくは70重量パーセントを上回るア
ルケニル芳香族モノマー単位を含む。アルケニル芳香族
物質は、完全にアルケニル芳香族モノマー単位から成る
のがもっとも好ましい。
ルファメチルスチレン、エチルスチレン、ビニルベンゼ
ン、ビニルトルエン、クロロスチレンやブロモスチレン
のようなアルケニル芳香族化合物から得られるポリマー
がある。好ましいアルケニル芳香族ポリマーはポリスチ
レンである。少量のC1-4アルキル酸およびエステル、イ
オノマー誘導体、ならびにC2-6ジエンのようなモノエチ
レン性不飽和化合物をアルケニル芳香族化合物と共重合
させることができる。共重合可能な化合物の例には、ア
クリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、
イタコン酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、酢酸ビニルおよびブタジエンがある。ポリスチレン
が経済的であり、かつ通常断熱プラスチックフォームに
用いられているので、好ましい構造物は、実質的に、す
なわち、95重量パーセント以上、ポリスチレンを含み、
もっとも好ましいのは完全にポリスチレンより成るもの
である。
種は、該カーボンブラックがポリマーマトリックス中に
実質的に集塊のない分離粒子状に分散するので、現在商
業的に用いられているものとは異なる。現在、断熱フォ
ーム構造物に用いられているカーボンブラック(フォー
ネスブラック)は、構造物のポリマーマトリックス中
に、個々のカーボンブラック粒子がクラスターまたは集
塊状に分散している。このフォーム構造物に有効なカー
ボンブラック種(サーマルブラック)は、構造物のポリ
マーマトリックス中に実質的に分離粒子状に分散する。
はサーマルグレードカーボンブラックまたはサーマルブ
ラックと呼ぶ。ファーネスブラック、アセチレンブラッ
ク、チャンネルブラック、およびランプブラックを含む
他種のカーボンブラックは、分離粒子状の理想的な分散
度を示さない。サーマルブラックと他種のカーボンブラ
ックとを区別する別の教示が次の文献に見られる:John
Wiley and Sons,Encyclopedia of Chemical Technolog
y,第4巻、第3版、631−666頁(1978年)、Kirk−Othm
er、ニューヨーク;ならびにHarry S.KatzおよびJohn
V.Milewski著、Handbook of Fillers and Reinforcemen
ts for Plastics,277−291頁(1978年)、Van Nostrand
Reinhold Company,ニューヨーク。
フォーム構造物の用途において、他種のカーボンブラッ
クに勝る利点をもたらす。2つの重要な利点はすぐれた
加工性およびすぐれた断熱性能である。
前に、ポリマー融成物または該融成物および発泡剤のポ
リマーゲル中に、はるかに容易に分散するので、フォー
ム構造物をつくる場合に、他種のカーボンブラックより
もはるかに加工が容易である。サーマルブラックは、概
ね球形の分離粒子状態および比較的小さい平均表面積の
ために、他種のカーボンブラックに比べてポリマー融成
物中にはるかに容易に分散する。他種のカーボンブラッ
ク、とくに、現在断熱フォーム構造物に商業的に用いら
れているファーネスブラックは粒子が2なし90個の熱溶
融クラスターまたは集塊状で製造される。フォーム形成
過程で、ポリマー融成物またはゲル中にカーボンブラッ
クを分散させる間に、該クラスターをばらばらにするの
は極めて困難である。したがって、他種のカーボンブラ
ックを用いてつくったフォーム構造物は実質的にクラス
ター化または集塊したカーボンブラック構造を有するこ
とがある。
存在させずに炭化水素の高温分解によってつくる。該分
解は比較的大きな熱エネルギーの入力を必要とする強い
吸熱反応である。サーマルブラックの製造に関する別の
教示が前記出版物に示されている。
である。このフォーム構造物には任意の粒度のカーボン
ブラックを使用することができるけれども、望ましい粒
度は150ナノメートルを上回ることが好ましく、200ない
し500ナノメートルがさらに好ましい。これら好ましい
粒度範囲は、粒度が大きいために、断熱フォーム中のカ
ーボンブラックの粒度範囲という点で、さらに従来技術
と区別される。一定配合量のカーボンブラック粒子のす
べてが、150ナノメートルよりも大きい必要はない。下
記の理由で、150ナノメートルよりも大きい粒度のもの
が好ましいだけである。カーボンブラックは、一般に、
ある平均粒度の見本で売買される。粒度分布は平均値を
中心にしてかなりばらつく。好ましい粒子は、粒子試料
中の、粒径が150ナノメートルよりも大きいような画分
の粒子である。
子の大きい断熱フォーム構造物は、同じ配合量で粒子の
小さい断熱フォーム構造物よりも断熱能力が大きく、す
なわち熱伝導率が小さい。断熱フォーム構造物は、一定
の熱伝導率を得るのに、大きい粒子の場合には、小さい
粒子の場合よりも、少ない配合量を用いることができる
ということになる。サーマルブラックは比較的大きい粒
度をつくることができるという点で、ファーネスブラッ
クを含む他種のカーボンブラックよりも有利である。サ
ーマルブラックは、150ナノメートルよりも大きい粒度
で市販されている。サーマルブラックおよびファーネス
ブラックを含む任意の種類のカーボンブラック粒子は、
大きな粒度が、小さい粒度よりもフォーム構造物にもた
らす熱伝導率が小さい。しかし、加工上の問題から、カ
ーボンブラックは小球状にしない方が好ましい。
ラックの大きな粒子は、赤外線の散乱を増すために、小
さな粒子よりもフォーム構造物の熱伝導率を小さくする
と考えられる。通常の赤外線波長(室温における5−20
マイクロメートル)および粒度が100ないし500ナノメー
トルの場合には、Rayleigh散乱が支配的である。散乱度
または散乱係数は次式によって表わすことができる。
の関数である。この結果、粒子が大きいほど放射線の散
乱度が大きくなり、したがってフォーム構造物の熱伝導
率が小さくなるということになる。
伝導性熱伝導率を小さくするという他の利点をもたら
す。ポリスチレンを含むほとんどのポリマー物質よりも
熱伝導率が大きいカーボンブラックは、フォーム構造物
の固体ポリマーマトリックスに熱を伝導するブリッジま
たはドメインとして作用する。大きな粒子、とくに球状
のものは、カーボンブラックの一定配合量に対して熱を
伝導する幾何学的粒子体積を最小にする。
クの場合よりも多量のサーマルブラックをフォームの気
泡の気泡壁に堆積させるという点で、ファーネスブラッ
クスを含めて、断熱フォーム構造物に以前使用されてい
たカーボンブラックに勝る他の利点がある。気泡壁の堆
積を増す機構はよくわからないけれども、該堆積はフォ
ーム構造物の固体伝熱熱伝導率および放射熱伝導率を小
さくする結果になる。気泡ガス/カーボンブラック界面
の熱伝導率はカーボンブラック/ポリマー界面の熱伝導
率よりも小さいので、固体伝熱熱伝導率は小さくなると
思われる。気泡ガス/カーボンブラック界面の屈折率は
カーボンブラック/ポリマー界面の屈折率よりも大きい
ので、放射熱伝導率は小さくなると考えられる。
を実際に制限する因子は気泡壁の厚さである。粒度は気
泡壁の厚さより小さくなければならない。カーボンブラ
ックの平均粒度はフォーム構造物の平均気泡壁厚さの1/
2以下であるのが好ましい。平均粒度を平均気泡壁厚さ
の1/2以下に限定することは、粒度のみならず気泡壁厚
さの平均値を中心とする通常の統計的変動を考慮に入れ
て、独立気泡フォーム構造物の物理的一体性を確実にす
るものである。平均気泡壁厚さは、光学的方法によって
測定する。平均粒度は重量による算術平均が好ましい。
連続気泡フォーム構造物の場合には、粒度は構造物の物
理的一体性に関する重大な因子ではない。
に集塊のない分離粒子状カーボンブラック粒子の分散は
フォーム構造物の熱伝導率をさらに小さくする。カーボ
ンブラックは、アルケニル芳香族ポリマーを含むほとん
どのポリマーよりも熱伝導率が大きいので、伝熱ブリッ
ジまたはドメインを形成しないように、粒子の幾何学的
体積をできるだけ小さくするかまたは粒子のクラスター
をできるだけ少なくすることが望ましい。分離粒子形状
の場合には、互いに密集または凝集した2個以上の粒子
の伝熱ブリッジまたはドメインが回避されて、カーボン
ブラックによる熱伝導は最小になる。商業的に、断熱フ
ォーム構造物に用いられるファーネスブラックは、通常
フォーム構造物中に粒子が2ないし90個のクラスター状
で存在する。対照的に、サーマルブラックは、フォーム
構造物中に、好ましくは、実質的に分散粒子状で存在す
る。したがって、サーマルブラックは、一定の配合量に
対して、ファーネスブラックよりも断熱フォーム構造物
の熱伝導率を小さくする。
対応するカーボンブラックを含まないフォーム構造物よ
りも小さくするのに必要な量で存在する。カーボンブラ
ックは、フォーム構造物中のポリマー物質の重量に対し
て1.0ないし25重量パーセントの量で存在するのが好ま
しく、4ないし10重量パーセントの量で存在するのがさ
らに好ましい。4ないし10重量パーセントのカーボンブ
ラックは、通常の住宅や建造物断熱用(−30℃ないし+
50℃の温度使用範囲)の厚さ3/8インチ(0.95cm)ない
し6インチ(15cm)のフォームパネル構造物で、熱の放
射部分を消散させるのに概して十分である。
有するのが好ましい。引火性の有効な尺度は、ASTM D2
863−91により求められる限界酸素指数(LOI)である。
LOIはできるだけ大きくすることが望ましい。フォーム
構造物は24パーセント以上のLOIを有することが好まし
い。サーマルブラックを有するフォーム構造物は、カー
ボンブラックの一定配合量に対して、対応するファーネ
スブラックを有するフォーム構造物よりもLOIが大き
い。
し、かつ製造コストを低下させるために、プロセス全体
に、圧力低下をできるだけ少なくすることが望ましい。
サーマルブラックを有するフォーム構造物は、カーボン
ブラックの一定配合量に対して、対応するファーネスブ
ラックを有するフォーム構造物よりも低いプロセスの圧
力低下でつくることができる。
使用する別の利点は得られるフォーム構造物の色であ
る。カーボンブラックの一定配合重量に対して、サーマ
ルブラックはファーネスブラックよりも淡色のフォーム
構造物を生成する。断熱フォーム構造物用の前記配合量
では、サーマルブラックはフォーム構造物に銀または灰
色をもたらし、一方、ファーネスブラックは、一般に、
はるかに暗い概して暗黒色のフォーム構造物を生じる。
薄い銀または灰色は印刷しやすく、製造が容易で安価で
ある。
常、ポリマー物質を加熱して、可塑化または溶融ポリマ
ー物質とし、その中に発泡剤を包含させて、発泡可能な
ゲルとし、さらにゲルをダイから押出して、フォーム生
成物とすることによって調製される。ポリマー物質は、
発泡剤を混合する前に、ガラス転移点または融点もしく
はそれ以上の温度に加熱する。発泡剤は、押出機、ミキ
サーまたはブレンダーのような業界で公知の手段によっ
て溶融ポリマー物質中に包含または混合することができ
る。発泡剤は、溶融ポリマー物質の実質的な膨張を阻止
し、かつ発泡剤を溶融ポリマー物質中に概ね均一に分散
させるのに必要な高圧下で、溶融ポリマー物質と混合す
る。カーボンブラックは、ポリマー物質とドライブレン
ドするか、または任意の前記の方法によってポリマー融
成物またはポリマーゲルと混合することができる。カー
ボンブラックは、また、ポリマーに予備配合して、カー
ボンブラック/ポリマー濃縮物状にすることができ、該
濃縮物は次に、補足量のポリマーとともに押出して希釈
することができる。場合により、可塑化または溶融の前
に、成核剤をポリマー融成物中に混合するか、またはポ
リマー物質とドライブレンドすることができる。発泡可
能なゲルは、フォーム構造物の物理的特性を最適にする
ために、概して、低温に冷却する。ゲルは、次に、所望
の形状のダイから低圧域に押出して、フォーム構造物を
生成させる。低圧域は、発泡可能なゲルが、ダイから押
出される前に、保持している圧力よりも低圧にある。該
低圧は過圧または減圧であることができるが、大気圧レ
ベルが好ましい。
も、前記構造物が、発泡剤を含有する予備発泡ビーズの
発泡によって成形できることは理解されよう。ビーズ
は、発泡時に成形して、種々の形状の物品をつくること
ができる。予備発泡ビーズおよび成形発泡ビーズフォー
ム製品の製造法が、FrischおよびSaundersのPlastic Fo
ams,Part II、544−585頁、Marcel Dekker,Inc.(1973
年)、ならびにBrydsonのPlastic Materials、第5版、
426−429頁、Butterworths(1989年)に教示されてお
り、いずれも参考資料としてこの明細書に収録してあ
る。
ムに包含させることができる。カーボンブラックは予備
発泡ビーズの調製中に、ポリマー樹脂融成物と混合する
ことができる。カーボンブラックは、また、発泡前に予
備発泡ビーズを被覆しさらに成形して物品とすることに
よって、ビーズフォームに包含させることもできる。
造物は、通常、一般にA成分およびB成分と呼ぶ、2種
類の予備配合成分を反応させることによって製造する。
カーボンブラックおよび発泡剤は、イソシアナートかま
たはポリオールのいずれかもしくは両者の中に分散させ
ることができる。
シアナート、トルエン−2,4−ジイソシアナート、トル
エン−2,6−ジイソシアナート、2,4−および2,6−トル
エンジイソシアナート混合物、ヘキサメチレン−1,6−
ジイソシアナート、テトラメチレン−1,4−ジイソシア
ナート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアナート、ヘ
キサヒドロトルエン−2,4−および2,6−ジイソシアナー
ト、ナフタレン−1,5−ジイソシアナート、ジフェニル
メタン−4,4′−ジイソシアナート、4,4′−ジフェニレ
ンジイソシアナート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフ
ェニルジイソシアナート、3,3′−ジメチル−4,4′−ビ
フェニルジイソシアナート、ならびに3,3′−ジメチル
ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアナートのような
ジイソシアナート類;4,4′,4″−トリフェニルメタン−
トリイソシアナート、ポリメチレンポリフェニルイソシ
アナート、トルエン−2,4,6−トリイソシアナートのよ
うなトリイソシアナート類;および4,4′−ジメチルジ
フェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアナート
のようなテトライソシアナート類がある。
ングリコール−(1,2)および−(1,3);ブチレングリ
コール−(1,4)および−(2,3);ヘキサンジオール−
(1,6);オクタンジオール−(1,8);ネオペンチルグ
リコール;1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン;2
−メチル−1,3−プロパンジオール;グリセリン;トリ
メチロールプロパン;トリメチロールエタン;ヘキサン
トリオール−(1,2,6);ブタントリオール−(1,2,
4);ペンタエリトリトール;キニトール;マンニトー
ル;ソルビトール;ホルミトール;αメチル−グリコシ
ド;ジエチレングリコール;トリエチレングリコール;
テトラエチレングリコールおよび高級ポリエチレングリ
コール類;ジプロピレングリコールおよび高級ポリプロ
ピレングリコール類のみならずジブチレングリコールお
よび高級ポリブチレングリコール類がある。適当なポリ
オールには、さらに、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、トリエチレングリコール、ドリプロピ
レングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプ
ロピレングリコール、トリメチレングリコールおよびテ
トラメチレングリコールのようなオキシアルキレングリ
コール類がある。
ナートを0.7:1ないし1.1:1当量に基づいて反応させるこ
とによって調製することができる。この発明のポリイソ
シアヌレートフォームは、ポリイソシアナートを少量の
ポリオールと、1当量のポリイソシアヌレートに対して
ヒドロキシルが0.10なしい0.70当量のポリオールとなる
ように反応させて調製するのが好都合である。有用なポ
リウレタンおよびポリイソシアヌレートならびにその製
造法は米国特許第4,795,763号に示されている。
い。有用な発泡剤には無機薬剤、有機発泡剤および化学
作用による発泡剤がある。適当な無機発泡剤には二酸化
炭素、窒素、アルゴン、水、空気、およびヘリウムがあ
る。有機発泡剤には炭素原子が1ないし9個の脂肪族炭
化水素および炭素原子が1ないし4個の完全または部分
ハロゲン化脂肪族炭化水素がある。脂肪族炭化水素に
は、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタ
ン、n−ペンタン、イソペンタンおよびネオペンタンが
ある。完全および部分ハロゲン化脂肪族炭化水素にはフ
ルオロカーボン、クロロカーボンおよびクロロフルオロ
カーボンがある。フルオロカーボンの例には、フッ化メ
チル、ペンタフルオロメタン、フッ化エチル、1,1−ジ
フルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−14
3a)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、
ペンタフルオロエタン、ジフルオロエタン、ペルフルオ
ロエタン、2,2−ジフルオロプロパン、1,1,1−トリフル
オロプロパン、ペンフルオロプロパン、ジクロロプロパ
ン、ジフルオロプロパン、ペルフルオロブタン、ペルフ
ルオロシクロブタンがある。この発明に用いるための部
分ハロゲン化クロロカーボンおよびクロロフルオロカー
ボンには塩化メチル、塩化メチレン、塩化エチル、1,1,
1−トリクロロエタン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエ
タン(HCFC−141b)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエ
タン(HCFC−142b)、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフル
オロエタン(HCFC−123)および1−クロロ−1,2,2,2−
テトラフルオロエタン(HCFC−124)がある。完全ハロ
ゲン化クロロフルオロカーボンにはトリクロロモノフル
オロメタン(CFC−11)、ジクロロジフルオロメタン(C
FC−12)、トリクロロトリフルオロエタン(CFC−11
3)、1,1,1−トリフルオロエタン、ペンタフルオロエタ
ン、ジクロロテトラフルオロエタン(CFC−114)、クロ
ロヘプタフルオロプロパン、およびジクロロヘキサフル
オロプロパンがある。化学作用による発泡剤にはアゾジ
カルボンアミド、アゾジイソブチロニトリル、ベンゼン
スルホンヒドラジド、4,4−オキシベンゼンスルホニル
−セミカルバジド、p−トルエンスルホニルセミカルバ
ジド、アゾジカルボン酸バリウム、N,N′−ジメチル−
N,N′−ジニトロソテレフタルアミド、およびトリヒド
ラジノトリアジンがある。
融物質を加える発泡剤の量はポリマー1キログラム当
り、0.2ないし5.0モル、好ましくは0.5ないし3.0モル、
もっとも好ましくは1.0ないし2.50モルである。
いし150キログラム/立方メートルであるのが好まし
く、10ないし70キログラム/立方メートルであるのがも
っとも好ましい。フォームはASTM D3576により、平均
粒度が0.05ないし5.0ミリメートルであるのが好まし
く、0.1ないし1.5ミリメートルであるのがもっとも好ま
しい。
立気泡または連続気泡であることができる。ほとんどの
断熱用途の場合には、このフォームはASTM D2856−A
により、独立気泡が90パーセントを上回ることが望まし
い。独立気泡構造物は対流効果、断熱ガスの拡散および
水蒸気の透過を大幅に低減させる。
剤、酸捕捉剤、紫外線吸収剤、難燃剤、加工助剤や押出
助剤のような種々の添加剤を加えることができる。
核剤を加えることができる。好ましい成核剤には、炭酸
カルシウム、タルク、クレー、酸化チタン、シリカ、硫
酸バリウム、けい藻土およびクエン酸と重炭酸ナトリウ
ムとの混合物のような無機物質がある。使用する成核剤
の量は、ポリマー樹脂100重量部当り0.01重量部から5
重量部にわたるのが好ましい。より好ましい範囲は0.1
ないし3重量部である。
ム状のこのフォーム構造物は、カーボンブラックとの積
層、成層または被覆フォーム構造物の状態であることが
できる。カーボンブラックはプラスチックフィルムまた
は他の充実ポリマー物質の層のような充実ポリマー層中
に包含させることができる。フィルムまたは充実層を同
時に押出して、フォームおよびフィルム層を、交互に配
列させたフォーム構造物をつくることができる。さら
に、カーボンブラックを、フォーム構造物の表面に、フ
ィルムまたは接着コーティングとして被覆または塗布す
ることができる。
比率の充実ポリマー物質およびサーマルブラックを含む
充実断熱構造物がある。該充実断熱構造物は、ポリマー
物質を加熱してポリマー融成物とし、サーマルブラック
をその中に包含混合させ、さらに融成物とサーマルブラ
ックとの混合物を冷却して充実状態にすることによって
製造される。充実断熱構造物は、業界で以前に用いてい
た他種のカーボンブラックに勝るサーマルブラックの断
熱性能および加工上の利点を示す。充実断熱構造物はフ
ォーム構造物についてここで述べたいかなる断熱用途に
も使用することができる。
物から形づくった断熱パネルを表面または包囲体に適用
することによって、表面または包囲体を断熱するのに用
いることができる。該パネルは住宅、屋根、ビルディン
グ、冷蔵庫、冷凍庫や家庭用電化製品のような断熱表面
または包囲体に有効である。
包装用の複数の分離発泡粒子に作り上げるか、または細
かく粉砕してブローン断熱用に使用することができる。
のと解すべきではない。とくに断らない限り、パーセン
ト、部または比率はすべて重量単位のものである。
この発明の押出法によってつくった。該フォーム構造物
は、構造物の熱伝導率を小さくするために、概ね均一に
分散させたサーマルブラックを用いて成形した。
押出機、ミキサー、単数または複数のクーラー、および
スロットダイであった。押出機は2 1/2インチ(6.3cm)
の一軸スクリュー式押出機であった。ダイの幅は3イン
チ(7.5cm)でダイの隙間は0.03−0.10インチ(0.76−
2.5mm)であった。
ィーによる重量平均分子量が195,000のポリスチレンで
あった。押出機に送る前にポリスチレンにドライブレン
ドした添加物は、ポリスチレンの重量に対して、0.3pph
(100重量部に対する重量部数)の低密度ポリエチレン
(メルトインデックス、2.0−2.6、密度0.915−0.919グ
ラム立方センチメートル)、0.25pphのタルク、0.04pph
の酸化マグネシウム、および2.67pphのヘキサブロモシ
クロドデカンであった。押出機は毎時200ポンド(毎時9
1キログラム)の速度で作動させた。
ポリスチレンの重量に対して、9.0pphの1−クロロ−1,
1−ジフルオロエタン(HCFC−142b)2.5pphの塩化エチ
ル、および1.4pphの二酸化炭素を含んだ。
39(J.M.Huber Corp.)であった。Arosperse 213および
239はASTM D3849−89によれば、平均粒径(直径)が、
それぞれ405nmおよび265nmであった。
値はL/Kに等しい。ただし、Lは試料の厚さで、Kは熱
伝導率(Kファクター)である。連続気泡含量はASTM
2856−Aによって求められる。気泡の平均の大きさはAS
TM D3576によって求められる。
のフォーム構造物は、対照のサーマルブラックを含まな
いフォーム構造物よりも実質的に、耐熱性にすぐれ、か
つ熱伝導率が小さい。
くって、引火性の試験をし、プロセスの圧力低下を測定
した。該フォーム構造物を、ファーネスブラックを用い
てつくった対応フォーム構造物と比較した。サーマルブ
ラックを用いてつくったこのフォームはファーネスブラ
ックを用いてつくったフォームよりも難燃性が大きく、
圧力低下が小さかった。いずれのカーボンブラックも、
濃縮物状のポリスチレンに配合し、所望カーボンブラッ
ク配合量が得られるように、押出の時点で、補足的なポ
リスチレンをさらに混合した。
出機、ミキサー、単数または複数のクーラー、およびス
ロットダイであった。押出機は2 1/2インチ(6.3cm)の
一軸スクリュー式押出機であった。
よる重量平均分子量が13,500のポリスチレンであった。
押出機に送る以前にポリスチレンにドライブレンドした
添加物は、ポリスチレンの重量に対して、2.0pphのヘキ
サブロモシクロドデカン、1.0pphの線状低密度ポリエチ
レン、1.0pphの重量平均分子量が1200のポリプロピレン
グリコール、0.05pphのステアリン酸カルシウム、およ
び0.05pphの酸化マグネシウムであった。
は、ポリスチレンの重量に対して4.5pphの二酸化炭素を
含んだ。
トルおよび表面積が8平方メートル/グラムのArospers
e 15(J.M.Huber Corp.)であった。使用したファーネ
スブラックは平均粒度が27ナノメートルおよび表面積が
80平方メートル/グラムのBlack Pearls 450(Cabot C
orp.)であった。
酸素指数(LOI)であった。LOIはできるだけ大きくする
のが望ましい。
力を減じて計算した。製造しやすさを増すには圧力低下
をできるだけ小さくすることが望ましい。
ネスブラックを用いてつくった対比フォームのLOIより
もはるかにすぐれていた。LOIが大きいことは難燃性の
すぐれることを示唆する。
べて、圧力低下の著しく少ないのが認められた。サーマ
ルブラックを用いてつくったフォームの場合には、圧力
低下が200psi(1378キロパスカル)も少なかった。
の発明の最終用途を特定細目について示したけれども、
製造方法および製造業者の要望によって、なお明らか
に、発明の示す新規の教示および原理の範囲内にありな
がら、種々の変化によって、この発明を変更できること
は理解されよう。
Claims (19)
- 【請求項1】断熱ポリマーフォーム構造物であって、 a)ポリマー物質、および b)前記ポリマー物質中に含まれる、構造物の熱伝導率
を、カーボンブラックを含まない対応するフォーム構造
物の熱伝導率よりも小さくするのに必要な量のカーボン
ブラック を含み、前記カーボンブラックの個々の粒子が実質的に
集塊しないことを特徴とする断熱ポリマーフォーム構造
物。 - 【請求項2】前記カーボンブラックの粒度が150ナノメ
ートルよりも大きいことを特徴とする、請求項1記載の
断熱ポリマーフォーム構造物。 - 【請求項3】前記カーボンブラックがサーマルブラック
であることを特徴とする、請求項1記載の断熱ポリマー
フォーム構造物。 - 【請求項4】前記カーボンブラックの量が、ポリマー物
質の重量に対して1.0〜25重量パーセントであることを
特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の断熱
ポリマーフォーム構造物。 - 【請求項5】前記カーボンブラックの量が、ポリマー物
質の重量に対して4〜10重量パーセントであることを特
徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の断熱ポ
リマーフォーム構造物。 - 【請求項6】前記カーボンブラックの粒度が200〜500ナ
ノメートルであることを特徴とする、請求項1〜5のい
ずれか1項に記載の断熱ポリマーフォーム構造物。 - 【請求項7】前記ポリマー物質が熱可塑性ポリマーであ
ることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記
載の断熱ポリマーフォーム構造物。 - 【請求項8】前記ポリマー物質がアルケニル芳香族ポリ
マーであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか
1項に記載の断熱ポリマーフォーム構造物。 - 【請求項9】前記ポリマー物質が熱硬化性ポリマーであ
ることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記
載の断熱ポリマーフォーム構造物。 - 【請求項10】前記ポリマー物質がポリイソシアヌレー
トであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1
項に記載の断熱ポリマーフォーム構造物。 - 【請求項11】前記フォーム構造物が押出フォーム構造
物であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1
項に記載の断熱ポリマーフォーム構造物。 - 【請求項12】前記フォーム構造物が成形ビーズフォー
ム構造物であることを特徴とする、請求項1〜10のいず
れか1項に記載の断熱ポリマーフォーム構造物。 - 【請求項13】前記フォーム構造物が厚さ0.95〜15cmの
断熱パネルに成形されていることを特徴とする、請求項
1〜11のいずれか1項に記載の断熱ポリマーフォーム構
造物。 - 【請求項14】前記フォーム構造物の限界酸素指数(LO
I)が24パーセント以上であることを特徴とする、請求
項1〜11のいずれか1項に記載の断熱ポリマーフォーム
構造物。 - 【請求項15】請求項1記載の断熱ポリマーフォーム構
造物の製造方法であって、 a)ポリマー物質を加熱して溶融物質混合物を形成する
こと、 b)熱伝導率を、カーボンブラックを含まない対応する
フォーム構造物の熱伝導率よりも小さくするのに必要な
量のカーボンブラックを前記溶融物質混合物に含有させ
ること、 c)高圧下でこの溶融物質混合物に発泡剤を含有させて
発泡可能なゲルを形成すること、および d)この発泡可能なゲルをダイから低圧域に押出してフ
ォーム構造物を形成すること の工程を含み、前記カーボンブラックは個々の粒子が実
質的に集塊しないように分散していることを特徴とする
方法。 - 【請求項16】前記カーボンブラックの粒度が150ナノ
メートルよりも大きいことを特徴とする、請求項15記載
の方法。 - 【請求項17】前記カーボンブラックがサーマルブラッ
クであることを特徴とする、請求項15記載の方法。 - 【請求項18】断熱しようとする物体の表面もしくは周
囲を断熱する方法であって、この物体の表面もしくは周
囲に請求項1〜14のいずれか1項に記載の断熱ポリマー
フォーム構造体を適用することを含む方法。 - 【請求項19】前記表面もしくは周囲を−30℃〜+50℃
の温度使用範囲に断熱する、請求項18記載の方法。
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