JP3409510B2 - レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置 - Google Patents

レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置

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JP3409510B2 JP16363895A JP16363895A JP3409510B2 JP 3409510 B2 JP3409510 B2 JP 3409510B2 JP 16363895 A JP16363895 A JP 16363895A JP 16363895 A JP16363895 A JP 16363895A JP 3409510 B2 JP3409510 B2 JP 3409510B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はレーザ回折/散乱式の粒
度分布測定装置に関し、特に土木、建築の分野で用いら
れる土砂等の粒度分布を測定するのに適したレーザ回折
/散乱式の粒度分布測定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】レーザ回折/散乱式の粒度分布測定装置
においては、一般に、被測定粒子群を媒液中に分散させ
た試料懸濁液を透光性材料からなるフローセル中に流
し、このフローセルを介して試料懸濁液にレーザ光を照
射することによって得られる回折/散乱光をリングデテ
クタ等の光センサアレイで受光してその空間強度分布を
測定し、その測定結果をミーの散乱理論ないしはフラウ
ンホーファ回折理論を用いて被測定粒子群の粒度分布に
換算する。 【0003】この種の測定装置においては、通常、攪拌
装置や超音波振動子等を備えた分散槽を設け、その分散
槽内に被測定粒子群と媒液を投入して、測定に最適な濃
度範囲内に収まるよう、被測定粒子群を媒液中に均一に
分散させるとともに、その状態で試料懸濁液を分散槽と
フローセル中との間を循環させながら、フローセルにレ
ーザ光を照射して回折/散乱光の測定を行う。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、土木や建築
の分野において用いられる土砂などの粒度分布の測定に
際しては、従来、フルイを用いた測定が主として採用さ
れていたが、近年、その測定の迅速化および省力化を図
るべく、測定時間が短く、操作が簡単なレーザ回折/散
乱法に置き換えようとする動きがある。 【0005】この土木や建築の分野における土砂等の粒
度分布の測定にあっては、JIS等の規格においてその
サンプル量が定められており、そのサンプル量は、フル
イを用いた測定を想定しているため、相当大量となって
いる。 【0006】前記した従来のレーザ回折/散乱式粒度分
布測定装置を用いて、このような大量のサンプルを分散
槽内に収容し、これを媒液によって測定に最適な濃度範
囲内に収めてフローセルとの間で循環させるためには、
分散槽を非常に大きなものとする必要があり、装置が極
めて大型になってしまうという問題がある。 【0007】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、大量のサンプルを用いて粒度分布の測定を行う
必要があっても、特に大きな分散槽を用いることなく、
正確な粒度分布を測定することのできるレーザ回折/散
乱式の粒度分布測定装置の提供を目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの構成を、実施例図面である図1を参照しつつ説明す
ると、本発明のレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置
は、被測定粒子群を媒液中に分散させてなる試料懸濁液
が流されるフローセル1にレーザ光を照射することによ
り得られる回折/散乱光を、複数の光センサ3b,3c
等で受光してその回折/散乱光の空間強度分布を測定
し、その測定結果を演算手段(粒度分布換算部)62に
導いて被測定粒子群の粒度分布に換算する装置におい
て、高濃度の試料懸濁液を収容する第1の分散槽11
と、その第1の分散槽11内の懸濁液が分取バルブ21
を介して供給され、かつ、媒液供給バルブ22を介して
媒液が供給される第2の分散槽12と、その第2の分散
槽12内の液出口に設けられ、第2の分散槽12内の試
料懸濁液を当該第2の分散槽12とフローセル1間で循
環させる状態、および、第2の分散槽12内の懸濁液を
廃棄する状態との、いずれかの状態に設定される切り換
えバルブ23を設ける。また、測定開始当初に、分取バ
ルブ21および媒液供給バルブ22を駆動して、第2の
分散槽12内に高濃度懸濁液と媒液を導入して得た懸濁
液が、あらかじめ設定された最適濃度範囲内に収まるの
に要した高濃度懸濁液量と媒液量に係る情報を記憶する
記憶手段(濃度調整メモリ)64と、測定開始当初に濃
度調整された懸濁液の回折/散乱光強度分布を測定・記
憶した後、切り換えバルブ23を駆動してその懸濁液を
廃棄するとともに、上記各バルブ21,22,23を駆
動することにより、第2の分散槽12内に記憶手段64
の内容に基づく量だけ高濃度懸濁液の分取と媒液の供給
を行って作った懸濁液をフローセル1との間で循環させ
ながら回折/散乱光強度分布を測定・記憶した後、その
懸濁液を廃棄する動作を実行する制御手段(測定動作制
御部)65とを有し、演算手段62は、複数回の回折/
散乱光強度分布測定結果の積算値を粒度分布に換算する
よう構成されていることによって特徴づけられる。 【0009】ここで、本発明において、第2の分散槽1
2内の懸濁液が、あらかじめ設定された最適濃度範囲内
に収まるのに要した高濃度懸濁液量および媒液量に係る
情報とは、例えば、最適濃度範囲内の懸濁液を作るのに
要した分取バルブ21および媒液供給バルブ22のそれ
ぞれのトータル開放時間、あるいは、これら各バルブ2
1,22を、それぞれ1回の駆動によって定められた時
間だけ開放するように構成するとともに、最適濃度範囲
内の懸濁液を作るのに要したこれら各バルブ21,22
の開放回数等を言う。また、この最適濃度範囲の懸濁液
は、分取バルブ21および媒液供給バルブ22を人為的
に操作して最適濃度範囲内の懸濁液を作ってもよいし、
あるいは、第2の分散槽12内の懸濁液をフローセル1
中に流して光センサ3b等の出力をモニタしつつ、その
出力が一定の範囲に収まるよう、分取バルブ21および
媒液供給バルブ22を自動的に駆動制御する手段を設け
てもよい。 【0010】 【作用】本発明は、規定量のサンプルの全て最適濃度範
囲に希釈してフローセルに循環供給するのではなく、サ
ンプルの分取〜希釈〜回折/散乱光強度分布測定・記憶
〜廃棄という動作を連続的に繰り返し、全サンプルにつ
いての測定・記憶を完了した後、回折/散乱光強度分布
測定結果を積算して粒度分布に換算することにより、サ
ンプル全体の粒度分布を得ようとするものである。 【0011】すなわち、第1の分散槽11内に規定のサ
ンプル量の被測定粒子群と媒液からなる高濃度懸濁液を
収容しておき、測定開始当初において、分取バルブ21
および媒液供給バルブ22を駆動して、第2の分散槽1
2内に高濃度懸濁液と媒液とを適当量供給して測定に最
適な濃度範囲の懸濁液を作る。その濃度調整に際して、
分取ないし供給された高濃度懸濁液および媒液の量に係
る情報は記憶手段64に記憶される。 【0012】以上のようにして最初に調整された第2の
分散槽12内の懸濁液は、回折/散乱光強度分布の測定
・記憶の後に切り換えバルブ23によって廃棄される。
そして、以降、記憶手段64の記憶内容に従った量ず
つ、第1の分散槽11内の高濃度懸濁液と媒液が第2の
分散槽12内に供給されて懸濁液が作られ、フローセル
1に循環供給されて回折/散乱光の測定・記憶に供され
た後に廃棄される、という動作が繰り返される。このよ
うにして得られて記憶している回折/散乱光強度分布測
定結果の積算値が、演算手段62によって粒度分布に換
算される。 【0013】 【実施例】図1は本発明実施例の全体構成を示す模式図
である。粒度分布測定装置本体部分は、試料懸濁液が流
されるフローセル1と、そのフローセル1に平行レーザ
光を照射するレーザ光源2aおよびコリメータレンズ2
bとからなる照射光学系2、フローセル1内の被測定粒
子群による回折/散乱光を測定するための測定光学系
3、および、測定光学系3により測定された回折/散乱
光情報を入力してデータ処理するデータ処理部6等を主
体としている。 【0014】測定光学系3は、被測定粒子群による前方
への回折/散乱光を集光する集光レンズ3aと、その集
光レンズ3aの焦点位置に置かれ、前方回折/散乱光像
が受光面上に結ばれるリングデテクタ3bと、側方散乱
光および後方散乱光をそれぞれ受光する側方散乱光セン
サ3cおよび後方散乱光センサ3dによって構成されて
いる。なお、リングデテタク3bは、互いに半径の異な
る円形ないしは半円形の受光面を持つ複数の光センサが
同心円上に配置された光センサアレイである。 【0015】リングデテクタ3b内の各センサ、および
側方散乱光センサ3c,後方散乱光センサ3dの各出力
は、それぞれアンプ4によって個別に増幅された後にA
−D変換器5によってデジタル化され、データ処理部6
に取り込まれる。 【0016】フローセル1に流される試料懸濁液は、2
つの分散槽11,12と媒液供給器10等からなる、以
下に詳述するサンプラによって作られる。第1の分散槽
11には、測定に先立って規定量の被測定粒子群が投入
されるとともに、バルブ24を介して媒液供給器10か
ら適当量の媒液が供給され、規定量の被測定粒子群は高
濃度の懸濁液の状態でこの第1の分散槽11内に収容さ
れる。この第1の分散槽11の底面に設けられた液出口
には、分取バルブ21が装着されている。 【0017】第2の分散槽12には、データ処理部6か
らの後述する動作指令に基づき、分取バルブ21を介し
て第1の分散槽11内の高濃度懸濁液が分取されるとと
もに、媒液供給バルブ22を介して媒液供給器から媒液
が供給され、この第2分散槽12内で測定に最適なあら
かじめ設定された濃度範囲の懸濁液が調整される。この
第2の分散槽12の底面に設けられた液出口には、ポン
プ25が配されているとともに、そのポンプ25の吐出
口には切り換えバルブ23が設けられている。切り換え
バルブ23は、ポンプ25によって吸引された第2の分
散槽12内の懸濁液を、循環路26を介して当該第2の
分散槽12とフローセル1との間で循環させる状態と、
廃棄路27を介して装置外部に廃棄する状態とのいずれ
かの状態に設定される。 【0018】第1および第2の分散槽11および12
は、それぞれ、攪拌器11a,12aと超音波振動子1
1b,12bを有しており、内部の懸濁液中の被測定粒
子群を媒液中に常に均一に分散させることができるよう
になっている。また、媒液供給器10については、図1
においてはタンク様の図示をしてしいるが、例えば土木
等の分野における土砂の粒度分布測定にあっては媒液は
水道水でよく、従って媒液供給器10は、例えば一定流
量に保たれた水道栓そのもの、あるいは水道栓からの水
道水が一時的に蓄えられ、かつ、一定の吐出量に設定さ
れたポンプを装着したタンクによって構成することがで
きる。 【0019】上記した分取バルブ21および媒液供給バ
ルブ22は、実際にはそれぞれ電磁駆動式の開閉弁であ
り、また、切り換えバルブ24は同じく電磁駆動式の方
向制御弁であって、これらはポンプ25と併せて、デー
タ処理部6から供給される指令に基づいて動作するドラ
イバ7からの制御信号によって駆動制御される。 【0020】さて、データ処理部6は、A−D変換器5
からの各センサ出力データ、すなわち回折/散乱光強度
分布データを記憶するデータメモリ61と、そのデータ
メモリ61に記憶された回折/散乱光強度分布データ
を、後述する演算によって被測定粒子群の粒度分布に換
算する粒度分布換算部62のほか、測定開始当初に第2
の分散槽12内に最適濃度範囲の懸濁液を作るべく、A
−D変換器5を介してリングデテクタ3b中の特定のセ
ンサ出力を取り込みながら、分取バルブ21および媒液
供給バルブ22に駆動指令を与える最適濃度調整部63
と、その最適濃度調整動作時における高濃度懸濁液と媒
液との供給量に係る情報を記憶する濃度調整メモリ6
4、および装置の測定動作全体を制御する測定動作制御
部65を備えており、この測定動作制御部65および最
適濃度調整部63から、前記したドライバ7に指令が供
給されて各バルブおよびポンプが駆動制御される。な
お、データ処理部6は、この図1において各機能ごとの
ブロック図で示しているが、実際にはコンピュータおよ
びその周辺機器によって構成されている。 【0021】図2はデータ処理部6の動作を示すフロー
チャートで、以下、この図を参照しつつ、本発明実施例
の作用を述べる。測定に先立ち、第1の分散槽11内に
規定量の被測定粒子群を投入するとともに、バルブ24
を開いて適当量の媒液を注入することにより、第1の分
散槽11内に高濃度の懸濁液を作る。そして、この実施
例ではこの状態でスタート指令を与える。 【0022】スタート指令が与えられると、まず、第1
の分散槽11内の高濃度懸濁液と媒液とを第2の分散槽
12内に適当量注入し、測定に最適な濃度範囲の懸濁液
を作る。この具体的な動作の例について述べると、分取
バルブ21および媒液供給バルブ22をそれぞれ適宜に
開放して第2の分散槽12内で高濃度懸濁液を媒液で希
釈し、ポンプ25および切り換えバルブ23を駆動し
て、その希釈後の懸濁液をフローセル1に循環供給する
とともに、A−D変換器5を介してリングデテクタ3b
の各センサ出力をモニタし、その各出力の大きさが、あ
らかじめ設定された大きさの範囲に収まるように、分取
バルブ21および媒液供給バルブ22を間欠的に開放す
る。なお、この濃度調整動作において、第2の分散槽1
2内の懸濁液量が規定量に達しているにも係わらずその
濃度が高すぎる状態となった場合には、切り換えバルブ
23を駆動して第2の分散槽12内の懸濁液の一部を廃
棄し、媒液を注入する必要があり、この場合、規定量の
被測定粒子群の一部を失うことになって好ましくない。
従って、この濃度調整動作においては、例えば第2の分
散槽12内に適当量の媒液を供給した後、高濃度懸濁液
の少量ずつの分取を繰り返すことによって、最適濃度範
囲の懸濁液を作るような手順を採ることが好ましい。な
お、懸濁液が最適濃度範囲にあるか否かの判定は、リン
グデテクタ3bの各センサ出力が、懸濁液濃度が薄すぎ
る場合には全体的に小さく、逆に濃すぎる場合には全体
的に高くなって飽和状態になることを利用して、上記の
ようにその各センサの出力の大きさでによって判定する
ほか、リングテテクタ3bの中心のセンサの出力が懸濁
液を透過した光強度、換言すれば懸濁液濃度に相関する
ことから、その透過光強度をもとに濃度判定を行っても
よい。 【0023】さて、以上のようにして第2の分散槽12
内に最適濃度範囲の懸濁液が作られたと判定した時点
で、その濃度調整に要した高濃度懸濁液量と媒液量に係
る情報、例えばその濃度調整動作時において分取バルブ
21および媒液供給バルブ22それぞれのトータル開放
時間または回数等、が濃度調整メモリ64内に記憶され
る。また、最適濃度範囲に収まった後の第2の分散槽1
2内の懸濁液は、続いてフローセル1に循環供給され、
その状態でリングデテクタ3b、側方散乱光センサ3c
および後方散乱光センサ3dの各出力データが、1回目
の回折/散乱光強度分布データとしてデータメモリ61
に格納される。 【0024】次に、切り換えバルブ23が切り換えら
れ、第2の分散槽12内の懸濁液が廃棄されるととも
に、媒液供給バルブ22が開放されて第2の分散槽12
内に媒液が注入され、この第2の分散槽12内が洗浄さ
れる。 【0025】その後、切り換えバルブ23が循環状態に
戻され、濃度調整メモリ64の内容に応じた量だけ、分
取バルブ21および媒液供給バルブ22が開放されて第
2の分散槽12内に高濃度懸濁液と媒液が供給され、最
適濃度の懸濁液が作られる。そして、その懸濁液につい
ての回折/散乱光強度分布データが採取されてデータメ
モリ61に2回目の回折/散乱光強度分布データとして
格納された後、切り換えバルブ23が切り換えられて第
2の分散槽12内の懸濁液が廃棄される。 【0026】次に、上記と同様に第2の分散槽12内の
洗浄〜濃度調整メモリ64の記憶内容に基づく第2の分
散槽12内への高濃度懸濁液の分取および媒液の供給に
よる最適濃度懸濁液の作成〜回折/散乱光強度分布デー
タの採取の動作が、第1の分散槽11内の高濃度懸濁液
がなくなるまで繰り返し実行される。 【0027】以上の動作において、回折/散乱光強度分
布の測定を、例えば合計L回にわたって行ったとする
と、データメモリ61にはL個の回折/散乱光強度分布
データが揃うことになる。粒度分布換算部62は、この
L個の回折/散乱光強度分布データを用いて、各回の測
定においてリングデテクタ3bの各センサ、側方散乱光
センサ3cおよび各後方散乱光センサ3dそれぞれによ
って検出された光強度を、各センサごとに積算し、全て
の被測定粒子群に関する回折/散乱光強度分布データ
(ベクトル)sを求め、そのデータ(ベクトル)sを用
いて被測定粒度分布群の粒度分布に換算する。 【0028】積算後の回折/散乱光強度分布データs
(ベクトル)は、 【0029】 【数1】【0030】で表され、その各要素si は、 【0031】 【数2】 【0032】である。すなわち、リングデテクタ3bの
各センサ、および側方散乱光センサ3cおよび各後方散
乱光センサ3dについて、回折/散乱角度の小さいもの
から順に番号を付し、これをi(i=1,2,・・・・m)
とし、そのi番目のセンサによりk回目のデータ採取時
に検出された光強度をsi,k(k=1,2,・・・・L)と
する。そして、i番目のセンサのL回にわたる光強度検
出値の積算値をsi としている。 【0033】このような積算後の回折/散乱光強度分布
データ(ベクトル)s、換言すれば規定量の全被測定粒
子群に関する回折/散乱光強度分布データ(ベクトル)
sを用いて、次の(3)式によって粒度分布を計算す
る。 【0034】 【数3】 【0035】ここで、qは粒度分布(頻度分布%)ベク
トルである。粒度分布範囲を有限とし、この範囲内をn
分割して、最大値をd1 、最小値をdn+1 とする。それ
ぞれの分割区間〔dj ,dj+1 〕を一つの粒子径xj
代表させる。ベクトルqのの要素qj (j=1,2,・・
・・n)は、粒子径xj に対応する粒子量である。通常
は、 【0036】 【数4】 【0037】によって正規化(ノルマライズ)を行って
いる。Aは粒度分布(ベクトル)qを光強度分布(ベク
トル)sに変換する係数行列である。Aの要素a
i,j (i=1,2,・・・・m,j=1,2,・・・・n)の物
理的意味は、粒子径xj の単位粒子量の粒子群によって
回折/散乱された光のi番目のセンサに対する入射光量
である。 【0038】ai,j の数値は、理論的に計算することが
できる。これには、粒子径が光源からのレーザ光の波長
に比べて充分に大きい場合にはフラウンホーファ回折理
論を用いる。しかし、粒子系がレーザ光の波長と同程度
か、あるいはそれより小さいサブミクロンの領域では、
ミー散乱理論を用いる必要がある。フラウンホーファ回
折理論は、前方微小角散乱において、粒子系がレーザ波
長に比べて充分大きな場合に有効なミー散乱理論の優れ
た近似であると考えることができる。なお、ミー散乱理
論を用いて係数行列(ベクトル)Aの要素を計算するた
めには、被測定粒子およびそれを分散させる媒液の屈折
率を設定する必要がある。 【0039】以上の計算によって求められた粒度分布
(ベクトル)qは、第1の分散槽11内に投入した規定
量の被測定粒子群の全てを、逐次分取しつつ測定した複
数回の回折/散乱光強度分布測定結果を積算したデータ
に基づいているため、JIS等の規定に沿った粒度分布
となり得る。また、第1の分散槽11内において当初に
作られる規定量の被測定粒子群を用いた高濃度の懸濁液
は、その濃度が高ければ粒子がある程度偏析することは
避けられないが、本発明においては、各回の測定に際し
て分取される高濃度懸濁液にその偏析の影響があって
も、第1の分散槽11内の全ての高濃度懸濁液を測定に
供して、その回折/散乱光強度分布データの積算値を用
いて粒度分布を算出するため、得られた粒度分布測定結
果には偏析の影響は生じない。 【0040】なお、以上の実施例では、測定開始当初に
第1の分散槽11内の高濃度懸濁液と媒液とによって、
自動的に最適濃度範囲の懸濁液を作るための最適濃度調
整機能を持つ装置について述べたが、本発明はこれに限
定されることなく、測定開始当初の最適濃度範囲の懸濁
液の調整は、人手によって行ってもよい。この場合、最
適濃度であるか否かの判定は例えばリングデテクタ3b
の各センサ出力をCRT等によってモニタすることによ
って行うとともに、例えば分取バルブ21および媒液供
給バルブ22をそれぞれ一定時間だけ開放させるための
スイッチを設けておき、最適濃度範囲内の懸濁液が作ら
れるまでに操作された各スイッチの操作回数を濃度調整
メモリ64に記憶するようにしておけばよい。 【0041】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
規定量の被測定粒子群を含む高濃度懸濁液を第1の分散
槽内に収容するとともに、その高濃度懸濁液を第2の分
散槽内に分取して媒液によって希釈することで最適濃度
範囲の懸濁液を作り、その懸濁液を、回折/散乱光強度
分布を測定した後に廃棄する、という動作を繰り返し、
その各回の回折/散乱光強度分布測定結果の積算値を用
いて被測定粒子群の粒度分布を求めるから、粒度分布に
供すべき被測定粒子群の規定量が極めて大量であって
も、特に大型の分散槽を用いることなく、従ってコンパ
クトな装置構成のもとに、全粒子群を用いた正確な粒度
分布を得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明実施例の全体構成を示す模式図 【図2】そのデータ処理部6の動作を示すフローチャー
ト 【符号の説明】 1 フローセル 2 照射光学系 3 測定光学系 3b リングデテクタ 3c 側方散乱光センサ 3d 後方散乱光センサ 6 データ処理部 61 データメモリ 62 粒度分布換算部 63 最適濃度調整部 64 濃度調整メモリ 65 測定動作制御部 21 分取バルブ 22 媒液供給バルブ 23 切り換えバルブ 25 ポンプ

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 被測定粒子群を媒液中に分散させてなる
    試料懸濁液が流されるフローセルにレーザ光を照射する
    ことにより得られる回折/散乱光を、複数の光センサで
    受光してその回折/散乱光の空間強度分布を測定し、そ
    の測定結果を演算手段に導いて被測定粒子群の粒度分布
    に換算する装置において、 高濃度の試料懸濁液を収容する第1の分散槽と、 その第1の分散槽内の懸濁液が分取バルブを介して供給
    され、かつ、媒液供給バルブを介して媒液が供給される
    第2の分散槽と、 その第2の分散槽内の液出口に設けられ、第2の分散槽
    内の試料懸濁液を当該第2の分散槽と上記フローセル間
    で循環させる状態、および、第2の分散槽内の懸濁液を
    廃棄する状態との、いずれかに設定される切り換えバル
    ブと、 測定開始当初に、分取バルブおよび媒液供給バルブを駆
    動して、第2の分散槽内に高濃度懸濁液と媒液を導入し
    て得た懸濁液が、あらかじめ設定された最適濃度範囲内
    に収まるのに要した高濃度懸濁液量と媒液量に係る情報
    を記憶する記憶手段と、 測定開始当初に濃度調整された懸濁液の回折/散乱光強
    度分布を測定・記憶した後、切り換えバルブを駆動して
    その懸濁液を廃棄するとともに、上記各バルブを駆動す
    ることにより、第2の分散槽内に上記記憶手段の内容に
    基づく量だけ高濃度懸濁液の分取と媒液の供給を行って
    作った懸濁液をフローセルとの間で循環させながら回折
    /散乱光強度分布を測定・記憶した後、その懸濁液を廃
    棄する動作を実行する制御手段と、 を有し、上記演算手段は、複数回の回折/散乱光強度分
    布測定結果の積算値を粒度分布に換算するよう構成され
    ていることを特徴とするレーザ回折/散乱式粒度分布測
    定装置。
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