JP3408565B2 - 吸水シートおよびその製造方法 - Google Patents

吸水シートおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鮮魚等のドリップ吸収
用シート、生理用品、紙おむつ等に使用される吸水シー
トおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、上記のような吸水シートとし
ては、例えば図7(a)に示すように、吸水性樹脂粉末
21を通水性を有する支持シート22で挟持した構造の
ものが知られている。しかし、このような構造では、図
7(b)に示すように、吸水性樹脂粉末21が吸水して
膨潤すると、挟持している支持シート22・22が剥離
することにより構造体が崩壊したり、支持シート22・
22間から吸水性樹脂粉末21がはみ出たりして、外観
や使用感が不良となるという問題を生じていた。
【0003】そこで、上記の問題を回避するために、図
8(a)に示すように、各支持シート22・22の辺部
をシールした構造が提案されている。しかしながら、上
記の構造は、図8(b)に示すように、吸水性樹脂粉末
21が吸水して膨潤するに伴い、各支持シート22・2
2が略円筒状に膨らむと共に支持シート22・22間内
を膨潤した吸水性樹脂粉末21が容易に移動できるため
に扱い難くなり、さらに、オムツ等に適用するためにカ
ットすると、カット面から吸水性樹脂粉末21がこぼれ
落ちるため、カットに沿ってヒートシール等の封着工程
を必要としており、よって、複雑な形状の封着工程が困
難なことから、自由なカットができないという問題を生
じていた。
【0004】そこで、上記のような問題を回避するため
に、図9(a)に示すように、各支持シート22・22
間を、接着剤やヒートシール等の接着部23により各吸
水性樹脂粉末21を挟みながら強固に接着した構成が提
案されている。
【0005】ところが、上記構成では、各支持シート2
2・22間の距離が、接着部23により規制されるた
め、図9(b)に示すように、吸水して膨潤しようとす
る吸水性樹脂粉末21の膨潤が阻害されるという問題を
生じている。
【0006】そこで、上記問題を回避するために、特公
平2−9823号公報に開示された吸収性製品が提案されて
いる。上記吸収性製品では、粒状の吸水性ポリマーが、
不織布内に分布された後、湿潤されて粘着性を付与さ
れ、続いて、上記不織布を厚さ方向に圧縮することによ
り、上記吸水性ポリマーの粘着力による接着力によって
上記不織布内の繊維と上記吸水性ポリマーとを接着させ
る。
【0007】これにより、上記吸収性製品は、不織布内
に吸水性ポリマーが保持され、かつ、上記不織布のシー
ト形状が維持されている。なお、上記吸収性製品は、湿
潤させた吸水性ポリマーの吸水能を復元するために、上
記のように湿潤させた吸水性ポリマーを接着後に乾燥さ
せて使用される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記吸収性
製品においても、各吸水性ポリマーが不織布内の各繊維
と接着されているため、吸水時の各吸水性ポリマーの膨
潤が阻害されるから、吸水性ポリマーの吸水速度や吸水
量を低下させ、吸水性ポリマーが本来有する吸水特性が
発揮できないため、所定の吸水性を確保するために大型
化を招来するという問題を生じている。
【0009】また、上記吸収性製品の製造方法では、厚
さ方向に圧縮された不織布の各繊維と接着して、その形
状を維持できるように吸水性ポリマーに粘着性を付与し
ており、よって、上記吸水性ポリマーの湿潤工程を必要
としている。その上、吸水能を復元するために湿潤工程
の他に乾燥工程も必要となっていて、工程数が多く工程
時間も長期化してコストアップを招来するという問題を
生じている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の吸水シートは、
熱可塑性樹脂からなる繊維を有する保持層が吸水性樹脂
粒子を保持する吸水シートにおいて、上記保持層が、外
周面に凹凸を有するエンボスロールを用いて上記熱可塑
性樹脂が軟化もしくは溶融する温度で厚さ方向に押圧さ
れることにより、上記繊維が相互間で部分的に接着さ
れ、かつ、加熱により変形して上記保持層内に上記吸水
性樹脂粒子が拘持されているものである。
【0011】本発明の吸水シートの製造方法は、熱可塑
性樹脂からなる繊維を有する保持層を吸水性樹脂粒子が
進入できる間隙を備えるように形成した後、上記保持層
の片面に上記吸水性樹脂粒子の通過を阻止する支持シー
トを積層した後、上記保持層内に上記吸水性樹脂粒子を
分布させた後、上記保持層を前記熱可塑性樹脂が軟化も
しくは溶融する温度で厚さ方向に、外周に凹凸を有する
エンボスロールを用いて加圧し、前記繊維を相互間で部
分的に接着し、かつ、加熱により変形させて上記保持層
内に上記吸水性樹脂粒子を拘持させる方法である。
【0012】請求項1記載の吸水シートは、以上の課題
を解決するために、熱可塑性樹脂からなる第1繊維を有
する保持層が吸水性樹脂粒子を保持する吸水シートにお
いて、上記保持層の片面に上記吸水性樹脂粒子の通過を
阻止する支持シートが積層され、一方、上記第1繊維よ
り低い温度で軟化あるいは溶融する熱可塑性樹脂を有す
る第2繊維を備える挟持シートが上記保持層を支持シー
トとで挟むように積層され、上記挟持シートは、前記第
2繊維が軟化もしくは溶融する温度で加熱されながら上
記保持層の厚さ方向に押圧されることにより上記第1繊
維を相互間で部分的に接着し、一方、上記保持層は、上
記第1繊維が変形して上記吸水性樹脂粒子を拘持してい
ることを特徴としている。
【0013】請求項2記載の吸水シートの製造方法は、
熱可塑性樹脂からなる第1繊維を有する保持層を吸水性
樹脂粒子が進入できる間隙を備えるように形成した後、
上記保持層の片面に上記吸水性樹脂粒子の通過を阻止す
る支持シートを積層し、次に、上記保持層内に上記吸水
性樹脂粒子を分布させた後、上記第1繊維より低い温度
で軟化もしくは溶融する熱可塑性樹脂を備える第2繊維
を有する挟持シートを上記保持層に積層し、続いて、上
記挟持シートを前記第2繊維が軟化もしくは溶融する温
度で上記保護層の厚さ方向に加圧して、軟化もしくは溶
融した上記第2繊維により前記第1繊維を部分的に相互
間で接着し、かつ、上記保護層の第1繊維を変形させる
ことにより上記保持層内に上記吸水性樹脂粒子を拘持さ
せることを特徴としている。
【0014】上記保持層に用いられる熱可塑性樹脂から
なる繊維および第1繊維は、ポリオレフィン、ポリエス
テル、ポリアミド類からなる単一組成繊維もしくは複合
繊維の単独、混合のいずれでもよい。上記複合繊維とし
ては、芯に高溶融点樹脂、鞘に低溶融点樹脂を用いた芯
鞘構造タイプやサイド・バイ・サイドタイプのどちらも
使用可能で、ポリエチレンテレフタレート(以下、PE
Tという)/ポリプロピレン(以下、PPという)、P
ET/ポリエチレン(以下、PEという)、PET/共
重合PET、PP/PE、PA(ポリアミド)/共重合
PA、PP/共重合PA、PET/共重合PA、等の組
み合わせを挙げることができる。単一組成繊維として
は、PP、PE、PET、PA等が挙げられる。
【0015】なお、上記の共重合PAは、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド類の共重合
物であって、それらの組み合わせにより低溶融点樹脂と
なっている。また、共重合PETは、ジカルボン酸類と
ジオール類の縮重合物であって、それらの組み合わせに
よって低溶融点樹脂となっている。
【0016】前記繊維および第1繊維は、吸水シートの
要求される強度、弾性等から入手コスト、作成の容易さ
等から、その繊維径を 0.5〜30デニール、特に2〜10デ
ニールに、また、長さを10〜100 、特に10〜60mmに設定
することが好ましい。また、上記繊維および第1繊維の
形状は、熱可塑性樹脂が進入し得る間隙を形成するよう
に所定の嵩高さが得られれば特に限定されないが、一般
的な機械捲縮よりも立体捲縮されたものが好ましく、捲
縮の程度を3〜30、特に10〜20山/インチとなるように
形成することが好ましい。
【0017】前記保持層の製法は、保持層の3次元網目
構造が所定強度を備えるものであれば、特に限定されな
いが、例えばニードルパンチ、スパンレース等の機械的
・物理的絡合、エマルジョンやホットメルト粉末接着剤
による化学的結合(ケミカルボンド)、熱融着性繊維の
融着による結合(サーマルボンド)等を挙げることがで
きる。
【0018】上記繊維は、軟化もしくは溶融して接着に
使用されるから、その溶融点が低い方が好ましく、例え
ば複合繊維を用いると、その複合繊維の低溶融点成分の
溶融点が70〜180 ℃が好ましく、特に、入手コストや生
産性、生産コスト、入手の容易さ等から90〜150 ℃が望
ましい。
【0019】一方、前記第1繊維は、軟化もしくは溶融
による接着を考慮する必要がなく、前記の挟持シートの
選択範囲を広くできるように、高い溶融温度を有するP
ETやPAからなり、ニードルパンチ、スパンレース等
の機械的・物理的絡合、もしくはエマルジョンやホット
メルト粉末接着剤による化学的結合(ケミカルボンド)
タイプが好ましい。
【0020】上記のいずれの処理工程を通して保持層を
成形しても、前記の捲縮工程により、上記保持層に厚さ
方向に粗密が順次生じる。そして、保持層と支持シート
との貼り合わせは、保持層の密側を支持シートに接着さ
せるので、支持シートと保持層との間は接着ポイントが
多く強固に接着される。
【0021】このように支持シートが接着された保持層
に前記の吸水性樹脂粒子を分布させる工程では、粒径の
小さい吸水性樹脂粒子が支持シート側に多く分布する一
方、粒径の大きな吸水性樹脂粒子が挟持シート側に多く
分布することになる。
【0022】したがって、上記保持層内の吸水性樹脂粒
子が吸水した場合、保持層と支持シートとの接着点近辺
に粒径の小さい吸水性樹脂粒子が多く存在することにな
り、個々の吸水性樹脂粒子の膨潤体積や圧力が小さくな
るから、保持層と支持シートとの間の剥がれなどの離間
が軽減される。
【0023】上記保持層の見掛け厚みは、約10×10cmの
試験片を10枚重ねて厚みを測定し1枚当たりの厚さを計
算して測定する。上記の見掛け厚みとしては、コスト、
最終吸水量、吸水後の取扱い易さ、強度の点から1〜10
mmが好ましい。
【0024】上記保持層の厚みは、JIS─L1086
に準じて測定し、上記の試験片を荷重面積10cm2 で、10
kgf/cm2 にて10秒間荷重した後、上記試験片の5ヶ所
の厚みを厚み測定機によりそれぞれ測定し、それらの平
均値により測定する。
【0025】上記保持層の密度は、1m2 、つまり1×
104 cm2 当たりの質量(g/cm2 )を、上記の厚みで割っ
た値(g/cm3 )を用い、強度、使用する吸水性樹脂粒子
の粒度、製造工程、コストの点から、0.01〜0.1 (g/cm
3 )が好ましく、さらに0.03〜0.07(g/cm3 )の範囲内
が望ましい。
【0026】上記保持層の見掛け密度は、1×104 cm2
当たりの質量(g/cm2 )を、上記の見掛け厚みで割った
値(g/cm3 )を用い、0.005 〜0.05(g/cm3 )が好まし
く、さらに、0.075 〜0.04(g/cm3 )が望ましい。上記
見掛け密度が0.05(g/cm3 )を越えると、上記保持層を
構成している繊維および第1繊維の間隔が小さく、吸水
性樹脂粒子が保持層の厚み方向全般にわたって均一に進
入し難く、挟持シート側近辺に偏在することとなり、逆
に、上記見掛け密度が0.005 (g/cm3 )を下回ると、上
記保持層を構成している繊維または第1繊維の間隔が大
きく、吸水性樹脂粒子が支持シート側近辺に偏在するこ
ととなって不都合である。
【0027】前記支持シートは、吸水性樹脂粒子の通過
を阻止する形状であれば特に限定されることはないが、
フィルム状、不織布状等のシート形態物が挙げられる
が、挟持シートの素材の選定を容易にするため、保持層
の第1繊維と同種の組成を含むことが好ましく、特に、
保持層と支持シートとの貼り合わせをケミカルボンドで
行う場合、上記の第1繊維と同種の組成を含むことが好
ましい。
【0028】前記繊維を用いた支持シートと保持層との
接着は、サーマルボンドによるものが特に好ましく、一
方、前記第1繊維を用いた支持シートと保持層との接着
は、ニードルパンチ、スパンレース等の機械的・物理的
絡合、もしくはエマルジョンやホットメルト粉末接着剤
による化学的結合(ケミカルボンド)で、吸水性樹脂粒
子を保持層に分布させる前に行い、上記吸水性樹脂粒子
の膨潤圧力により破壊されない強度に接着されているこ
とが好ましい。
【0029】また、保持層および支持シートに含まれる
各繊維と用途に応じて界面活性剤等を用いて親水化処理
を施しても良いし、また、レーヨン、コットン、アセテ
ート等の親水性繊維を混合することで親水性を付与して
も構わない。ただし、吸水性樹脂粒子を拘持する保持層
の強度の関係から、上記親水性繊維の混合割合は3割を
越えないことが好ましい。
【0030】前記の挟持シートは、保持層の第1繊維よ
り低い温度で軟化もしくは溶融することで接着力を発揮
する熱可塑性樹脂からなる第2繊維を備え、かつ、吸水
性樹脂粒子の通過を阻止できる形状となっている不織布
等の透水性シート状物品である。上記第2繊維として
は、例えば芯鞘構造の複合繊維を用いることができて、
外壁部位となる鞘部位が低溶融点のポリエチレン(溶融
点 130℃以下)、共重合ポリエステル(溶融点 150℃以
下)、共重合ポリアミド(溶融点 150℃以下)が好まし
い。
【0031】
【作用】上記の構成によれば、吸水性樹脂粒子を有する
保持層を、外周に凹凸を有するエンボスロールによって
加熱・押圧することにより、上記保持層の繊維を部分的
に相互間で接着し、かつ、上記繊維を、例えば塑性変形
させて、上記繊維間で吸水性樹脂粒子を拘持し、かつ、
上記保持層を薄いシート形状に維持することが可能とな
る。
【0032】このとき、上記エンボスロールの凸部と当
接する繊維は、凸部の頂部に至るに伴って、束ねられた
ような形で支持シート側に接着されて接着ポイントを形
成することになる。これにより、吸水後は、吸水した吸
水性樹脂粒子の膨潤圧力が、上記接着ポイントに集中す
ることになり、接着された各繊維間の接着強度の小さい
所から順次離間、つまり、エンボスロールの凸部、特に
その頂部近辺の繊維間の接着が容易に離間される。
【0033】したがって、上記構成は、吸水性樹脂粒子
が各繊維間の接着に何ら関与していないため、上記吸水
性樹脂粒子を湿潤させる必要もなく、また、上記吸水性
樹脂粒子の膨潤時には、上記吸水性樹脂粒子の膨潤を阻
害する繊維間の接着が容易に分断され、その上、加熱押
圧により変形した各繊維が吸水性樹脂粒子の膨潤に伴っ
て元の形状に復元できて、シート形状を維持できる。
【0034】このことから、上記構成は、上記吸水性樹
脂粒子の膨潤を阻害せず、かつ、上記の膨潤した吸水性
樹脂粒子を拘持することができ、吸水性樹脂粒子の吸水
性の阻害を回避しながら、その形状を維持することがで
きる。
【0035】上記の方法によれば、上記に記載したよう
に、吸水性樹脂粒子の吸水性の阻害を回避しながら、そ
の形状を維持できる吸水シートを得ることができ、その
上、従来必要であった湿潤工程を省いて、上記吸水シー
トを得ることができる。
【0036】前記の請求項1記載の構成によれば、吸水
性樹脂粒子を有する保持層の片面に挟持シートを設け、
上記挟持シートを、保持層の厚さ方向に加熱・押圧する
ことにより、上記挟持シートの第2繊維により保持層の
第1繊維を部分的に相互間で接着し、かつ、上記第1繊
維を加熱押圧により変形させて、上記第1繊維間で吸水
性樹脂粒子を拘持し、かつ、上記保持層をシート形状に
維持することが可能となる。
【0037】これにより、上記構成は、吸水性樹脂粒子
が各第1繊維間の接着に何ら関与していないため、上記
吸水性樹脂粒子を湿潤させる必要もなく、また、加熱押
圧により変形した上記各第1繊維を上記吸水性樹脂粒子
の膨潤に伴って元の形状に復元できる。
【0038】このことから、上記構成は、上記吸水性樹
脂粒子の膨潤を阻害せず、かつ、上記挟持シートと保持
層との接着が維持できるから上記の膨潤した吸水性樹脂
粒子を保持層内に保持することができ、吸水性樹脂粒子
の吸水性の阻害を回避しながら、シート形状を維持する
ことができる。
【0039】上記の請求項2記載の方法によれば、請求
項1記載の吸水シートの作用の欄に記載したように、吸
水性樹脂粒子の吸水性の阻害を回避しながら、その形状
を維持できる吸水シートを得ることができ、その上、従
来必要であった湿潤工程を省いて、上記吸水シートを得
ることができる。
【0040】
【実施例】本発明の参考例および各実施例を図1ないし
図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。〔参考例1〕 吸水シートの製造方法では、まず、図2に示すように、
熱可塑性樹脂からなる芯鞘構造の複合繊維である繊維
(2デニール×54mm)1aを、目付け30g/m2に形成した
不織布からなる保持層1を作成した。なお、上記複合繊
維としては、芯部にポリエチレンテレフタレート(以
下、PETという)(溶融点 260℃)を、鞘部に上記P
ETより低溶融点を有する共重合PET(溶融点 140
℃)を用いた。
【0041】このとき、上記保持層1の見掛け厚みは
2.8mmであった。このような保持層1は、吸水性樹脂粒
子2の粒度に応じて、上記吸水性樹脂粒子2を容易に各
繊維1a間に進入できるように目の細かさを調整して形
成され、さらに、上記各繊維1aに立体捲縮を施すこと
により、厚さ方向に目の細かさが順次変わるように作成
された。
【0042】次に、上記保持層1の厚さ方向一端面に、
上記吸水性樹脂粒子2の通過を阻止し得る目の細かさを
有する不織布からなる支持シート3を、サーマルボンド
方式にて点接着して貼り付けた。上記支持シート3は前
記のPETからなる繊維の不織布である。
【0043】上記保持層1に吸水性樹脂粒子2を50g/m2
の割合で散布した後、上記支持シート3に向かって、 1
50℃のエンボスロール4により、上記繊維1aが軟化も
しくは溶融する温度で加熱しながら、保持層1の厚さ方
向に押圧した。上記エンボスロール4は、略円柱状に形
成され、その外周面に凹凸を備え、その内部に電気ヒー
ター等の熱源が内蔵されたものである。
【0044】このことにより、図1に示すように、上記
各繊維1aが厚さ方向に、主に塑性変形し、かつ、軟化
もしくは溶融した各繊維1aと支持シート3とが接着さ
れた結合部位1bと、上記各繊維1aが相互に接着され
た結合部位1cとが形成された。
【0045】これらにより、各繊維1a間や各繊維1a
と支持シート3との間に上記各吸水性樹脂粒子2を囲む
ようにしてそれぞれ拘持し、保持層1内に上記各吸水性
樹脂粒子2を保持してシート形状に薄葉化した吸水シー
トを得た。なお、上記各繊維1aの変形では、弾性変形
も若干含まれている。
【0046】このようにエンボスロール4にて押圧する
際には、支持シート3を介して上記保持層1を上記エン
ボスロール4と挟んで送り出す弾性ロール(図示せず)
が使用される。上記弾性ロールは、その外周面にゴムや
紙等の弾性体を備えていて、上記エンボスロール4とほ
ぼ平行に設置される。
【0047】また、上記エンボスロール4の凸部4aの
パターンは、略円錐台状となるドット、菱形、格子等特
に限定されないが、上記のドットを用いる場合、その頂
部の面積は4mm2 を越えないことが好ましい。
【0048】さらに、上記エンボスロール4による前記
の各結合部位1b・1cの断面積は、吸水性樹脂粒子2
の膨潤や膨潤速度を阻害せず、かつ、薄葉化を維持でき
ればよく、保持層1の面積に対して、 0.1〜60%が好ま
しくさらに好ましくは 1.2〜25%である。
【0049】その上、上記の各結合部位1b・1cの結
合強度を調整するために、上記のエンボスロール4と弾
性ロールとの間に、所定の間隙、すなわちクリアランス
を設ける。上記のクリアランスとしては、保持層1の押
圧前の見掛け厚さの20〜90%が好ましい。
【0050】なお、上記保持層1や支持シート3は、保
持層1の繊維1aや、支持シート3の構成繊維に、用途
に応じて界面活性剤等を用いて親水性を付与する親水化
処理を施してもよいし、レーヨン、コットン、アセテー
ト等の親水性繊維を混合することで親水性を付与しても
よい。ただし、上記保持層1では、その強度の関係か
ら、保持層1全体に対して上記親水性繊維の混合割合は
3割を越えないことが好ましい。
【0051】このように各繊維1aに親水性を付与して
おくと、上記吸水シートを吸水させる際、上記各繊維1
aは各吸水性樹脂粒子2の周囲に密集しているため、各
繊維1a間による毛細管現象を有効に利用できて、吸水
速度を速めることができる。
【0052】上記吸水シートにおける保持層1内では、
上記各繊維1aを部分的に溶融、あるいは軟化すること
によって、上記各繊維1aの一部と支持シート3とを接
着した結合部位1bが多数形成され、かつ、上記各繊維
1aの相互間を部分的に接着した結合部位1cが多数形
成されていて、上記保持層1が薄いシート形状を維持で
きるようになっている。
【0053】また、上記各結合部位1b・1cは、図2
に示すエンボスロール4を用いて上記保持層1を厚さ方
向に加熱し押圧することにより形成されるが、上記エン
ボスロール4の凸部4aと当接して軟化あるいは溶融し
て接合された接合部位1bは、上記エンボスロール4の
凹部4bと当接し軟化あるいは溶融して接合された接合
部位1cと比べて接合強度が小さいものとなっている。
【0054】それは、上記凸部4aに当接して押圧され
た繊維1aは、凹部4bと当接した繊維1aに較べ、個
々の繊維の歪みや束ねられた数が多く、よって、上記凸
部4aに当接して押圧された繊維1aの各繊維間の接着
強度は、上記凹部4bと当接した繊維1aの各繊維間の
接着強度と較べて低くなる。
【0055】これにより、上記吸水シートは、吸水して
各吸水性樹脂粒子2が膨潤すると、その膨潤圧力によ
り、繊維の歪みの最も大きい前記の結合部位1bに集中
的に作用し、その結合部位1bの結合が容易に離間す
る。
【0056】したがって、上記吸水シートは、上記各吸
水性樹脂粒子2が吸水して膨潤しても、図3に示すよう
に、厚さ方向に加熱押圧されて塑性変形した各繊維1a
が元の形状に復元できるから、各吸水性樹脂粒子2の拘
持状態を維持できることとなる。
【0057】このことから、各吸水性樹脂粒子2の吸水
能や吸水速度が阻害されることが回避され、かつ、吸水
時の形状をシート形状に維持でき、その上、吸水して膨
潤した各吸水性樹脂粒子2が保持層1から洩れ出すこと
も防止され、さらに、膨潤時の各吸水性樹脂粒子2が保
持層1内を移動することも回避される。
【0058】ところで、従来では、各吸水性樹脂粒子を
湿潤して粘着性を付与し、その粘着性により保持層の各
繊維と各吸水性樹脂粒子とを接着することで、シート形
状を維持し、膨潤した吸水性樹脂粒子の移動やはみ出し
を防止していた。このため、上記従来では、上記各繊維
との接着工程により各吸水性樹脂粒子の吸水能が劣化す
るため、所定の吸水能を得るために吸水性樹脂粒子を増
量し、大型化を招来していた。
【0059】しかしながら、上記参考例1の吸水シート
は、各吸水性樹脂粒子2が、各繊維1a間や、繊維1a
と支持シート3との接着には何ら関与しておらず、その
上、各吸水性樹脂粒子2の膨潤も抑止されないから、上
記各吸水性樹脂粒子2の吸水能の阻害や劣化が回避され
る。したがって、上記吸水シートは、所定の吸水能を得
るために吸水性樹脂粒子2を増量する必要がなく、大型
化を防止できるものとなっている。
【0060】また、上記参考例1の製造方法では、各繊
維1aと支持シート3との接合部位1bが、吸水前の吸
水シートをシート形状に維持できるが、拘持する各吸水
性樹脂粒子2の膨潤に伴って、順次離間するようになっ
ていて、かつ、そのようなシート形状の維持に、各吸水
性樹脂粒子2が関与していない。
【0061】このことから、従来のように、吸水性樹脂
粒子を湿潤させて粘着性を付与し、その粘着性によりシ
ート形状を維持する吸水シートと比べて、上記吸水性樹
脂粒子の湿潤工程を省くことができ、その上、上記吸水
性樹脂粒子の吸水能を復元するための乾燥工程も省くこ
とができる。これにより、上記参考例1の製造方法は、
製造時間の短縮化や製造コストの低減を図ることができ
る。
【0062】〔実施例1〕 吸水シートの製造方法では、図4に示すように、ポリエ
チレンテレフタレート(以下、PETという)(溶融点
260℃)の単一繊維(2デニール×54mm)からなる目付
け20g/m2のケミカルボンドによる支持シート5と、上記
と同様なPET単一の繊維(第1繊維)7aからなり、
目付け30g/m2に形成された保持層7とがケミカルボンド
方式にて点接着された。なお、上記保持層7は、前記
考例1における保持層1と同様に形成された。
【0063】なお、上記のデニールは、以下においてD
と略し、上記支持シート5は、吸水性樹脂粒子2の通過
を厚さ方向に阻止できるように形成され、一方、上記保
持層7の見掛け厚みは 2.8mmである。
【0064】上記保持層7に吸水性樹脂粒子2を50g/m2
の割合で散布した後、複合繊維(第2繊維)(2D×54
mm)からなる目付け30g/m2のスパンボンド不織布(親水
化処理済)である挟持シート8を上記保持層7に対して
重ね合わせた。
【0065】このとき、上記挟持シート8と支持シート
5とは保持層7を挟んで対面している。なお、上記複合
繊維としては、芯鞘構造の繊維が使用され、芯部に高溶
融点を備えるPETを、鞘部に低溶融点 130℃以下のポ
リエチレンを用いた。
【0066】次に、上記挟持シート8と支持シート5と
保持層7とを、挟持シート5側から前記参考例1と同様
なエンボスロールにより140 ℃で加熱しながら、保持層
7の厚さ方向に押圧することにより、図5に示すよう
に、上記繊維7aが熱と押圧とにより塑性変形され、上
記保持層7をシート形状である薄葉化し、かつ、上記挟
持シート8の表面にシート凹部8aが形成されて表面積
が増大し、その上、上記各吸水性樹脂粒子2を各繊維7
a間で拘持した吸水シートを得た。なお、上記エンボス
ロールの形状や使用例は、前記参考例1と同様である。
【0067】〔実施例2〕 吸水シートの製造方法では、図4に示すように、吸水性
樹脂粒子2の通過を阻止する支持シート5の片面に、上
記吸水性樹脂粒子2を拘持する保持層7が接着された。
上記支持シート5は芯鞘構造の複合繊維(2D×54mm)
が目付け30g/m2に熱融着により成形されてなり、芯部に
PET(溶融点 260℃)が、鞘部に上記PETより低溶
融点を有する共重合PET(溶融点 150℃以下)が用い
られた。
【0068】上記保持層7は、前記参考例1に記載した
PET単一の繊維(第1繊維)7aが目付け30g/m2に、
前記参考例1における保持層1と同様に形成された。ま
た、上記支持シート5と保持層7との接着にはニードル
パンチ方式が用いられた。
【0069】上記保持層7に吸水性樹脂粒子2を50g/m2
の割合で散布した後、PETとPEを複合成分とする芯
鞘構造の複合繊維(第2繊維)(2D×54mm)からなる
目付け25g/m2となるように熱融着により成形した不織布
である挟持シート8を上記保持層7に対して重ね合わせ
た。このとき、上記挟持シート8と支持シート5とは保
持層7を挟んで対面している。
【0070】次に、上記挟持シート8と支持シート5と
保持層7とを、挟持シート8側から140 ℃のエンボスロ
ールにより加熱、厚さ方向に押圧して、図5に示すよう
に、上記挟持シート8の低温度溶融成分により、前記各
保持層7内の繊維7aを相互に接着し、かつ、上記繊維
7aを熱により厚さ方向に塑性変形させて、薄葉化し、
かつ、上記繊維7a間に吸水性樹脂粒子2を拘持して保
持した状態の吸水シートを得た。なお、上記エンボスロ
ールの形状や使用例は、前記参考例1と同様である。
【0071】このように上記実施例1および実施例2
おける保持層7内では、上記挟持シート8の低温度溶融
成分が溶融、あるいは軟化することにより、上記各繊維
7aの一部と支持シート8とを上記低温度溶融成分によ
って接着した結合部位8bが形成され、かつ、上記各繊
維7aの相互間を部分的に上記低温度溶融成分によって
接着した結合部位8cが多数形成されていて、上記保持
層7がシート形状を維持できるようになっている。
【0072】また、上記各結合部位8b・8cは、前記
参考例1に示したエンボスロールを用いて上記保持層7
を厚さ方向に加熱し押圧することにより形成されるが、
前記挟持シート8が上記エンボスロールの凸部と当接し
て軟化あるいは溶融して接合された接合部位8b・8c
は、上記エンボスロールの凹部と当接し軟化あるいは溶
融して接合された接合部位8dと比べて接合強度が小さ
いものとなっている。
【0073】それは、上記凸部と当接して押圧された挟
持シート8は、上記凹部と当接した挟持シート8より延
びた状態となり、その上、上記凸部の温度が凹部と比べ
て低くくなるため、接合部位の断面積がより小さくなる
からである。
【0074】また、上記凸部に当接して押圧された繊維
7aは、凹部と当接した繊維7aに較べ、個々の繊維の
歪みや束ねられた数が多く、よって、上記凸部に当接し
て押圧された繊維7aの各繊維間の接着強度は、上記凹
部と当接した繊維7aの各繊維間の接着強度と較べて低
くなる。
【0075】これらにより、上記実施例1および実施例
の製造方法における吸水シートは、吸水して各吸水性
樹脂粒子2が膨潤すると、その膨潤圧力が、結合強度が
小さく、その上、繊維の歪みの最も大きい前記各結合部
位8b・8cに集中的に作用するから、それらの結合部
位8b・8cの結合が容易に離間する。一方、前記の係
合部位8dの結合は維持できて、挟持シート8と保持層
7との接合が保持されるようになっている。
【0076】したがって、上記各吸水シートは、上記各
吸水性樹脂粒子2が吸水して膨潤しても、図6に示すよ
うに、厚さ方向に加熱押圧されて塑性変形した各繊維7
aが元の形状に復元できるから、各吸水性樹脂粒子2の
拘持状態を維持できることとなる。
【0077】このことから、各吸水性樹脂粒子2の吸水
能や吸水速度が阻害されることが回避され、かつ、吸水
時の形状をシート形状に維持でき、その上、吸水して膨
潤した各吸水性樹脂粒子2が保持層7から洩れ出すこと
も防止され、さらに、膨潤時の各吸水性樹脂粒子2が保
持層7内を移動することも回避される。
【0078】したがって、上記各吸水シートは、前記
考例1と同様に、所定の吸水能を得るために吸水性樹脂
粒子2を増量する必要がなく、大型化を防止できるもの
となっている。
【0079】また、上記実施例1および実施例2の製造
方法では、挟持シート8と支持シート5との接合部位8
bは、吸水前の吸水シートをシート形状に維持できる
が、拘持する各吸水性樹脂粒子2の膨潤に伴って、順次
離間するようになっていて、かつ、そのようなシート形
状の維持に、各吸水性樹脂粒子2が関与していない。
【0080】このことから、従来のように、吸水性樹脂
粒子を湿潤させて粘着性を付与し、その粘着性によりシ
ート形状を維持する吸水シートと比べて、上記吸水性樹
脂粒子の湿潤工程を省くことができ、その上、上記吸水
性樹脂粒子の吸水能を復元するための乾燥工程も省くこ
とができる。これにより、上記実施例1および実施例2
の方法は、製造時間の短縮化や製造コストの低減を図る
ことができる。
【0081】なお、上記実施例1および実施例2では、
前記参考例1と同様に親水性繊維等を、挟持シート8、
保持層7、支持シート5に混合することも可能であり、
また、上記保持層7への親水性繊維の混合割合は3割以
下が望ましい。
【0082】〔比較例1〕 前記実施例1におけるエンボスロールの温度を140 ℃に
代えて160 ℃を用い、他は上記参考例1と同様にして積
層複合体を得た。上記積層複合体は、挟持シートにおけ
る軟化もしくは溶融した複合繊維による保持層のPET
繊維間の強固な接着だけではなく、支持シートのPET
繊維と挟持シートとの接合も強固に生じた。
【0083】これにより、上記積層複合体は、拘持する
各吸水性樹脂粒子の膨潤の際に、上記膨潤を阻害するこ
ととなって、上記吸水性樹脂粒子の吸水能を劣化させる
こととなった。
【0084】〔比較例2〕 吸水性樹脂粒子に水を添加することによって、上記吸水
性樹脂粒子に粘着性を付与したこと、およびエンボスロ
ールの温度を 120℃に設定した他は、前記実施例1と同
様にして積層複合体を得た。上記積層複合体は、吸水
前、粘着性を備える各吸水性樹脂粒子により、支持シー
ト、保持層、および挟持シートが薄葉一体化したシート
形状を維持していたが、吸水後、上記吸水性樹脂粒子の
膨潤により、上記シート形状を維持できず、外観や取扱
い性が劣化した。
【0085】
【発明の効果】以上のように、前記した吸水シートは、
熱可塑性樹脂からなる繊維を有する保持層が吸水性樹脂
粒子を保持する吸水シートにおいて、上記保持層が、外
周面に凹凸を有するエンボスロールを用いて上記熱可塑
性樹脂が軟化もしくは溶融する温度で厚さ方向に押圧さ
れることにより、上記繊維が相互間で部分的に接着さ
れ、かつ、加熱により変形して上記保持層内に上記吸水
性樹脂粒子が拘持されている構成である。
【0086】それゆえ、上記構成は、上記吸水性樹脂粒
子の膨潤を阻害せず、かつ、上記の膨潤した吸水性樹脂
粒子を拘持することができ、吸水性樹脂粒子の吸水性の
阻害を回避しながら、その形状を維持することができる
から、上記吸水性樹脂粒子は所定の吸水能を発揮するこ
とができて、従来のような吸水能の低下に起因する吸水
性樹脂粒子の増量を回避できて、大型化を防止できると
いう効果を奏する。
【0087】また、以上のように、前記した吸水シート
の製造方法は、熱可塑性樹脂からなる繊維を有する保持
層内に吸水性樹脂粒子を分布させた後、上記保持層を前
記熱可塑性樹脂が軟化もしくは溶融する温度で厚さ方向
に、外周に凹凸を有するエンボスロールを用いて加圧
し、前記繊維を相互間で部分的に接着し、かつ、加熱に
より変形させて上記保持層内に上記吸水性樹脂粒子を拘
持させる方法である。
【0088】それゆえ、上記方法は、吸水性樹脂粒子の
膨潤を阻害せず、かつ、上記の膨潤した吸水性樹脂粒子
を拘持することができ、吸水性樹脂粒子の吸水性の阻害
を回避しながら、その形状を維持することができるか
ら、上記吸水性樹脂粒子は所定の吸水能を発揮すること
ができて、従来のような吸水能の低下に起因する吸水性
樹脂粒子の増量を回避できて、大型化を防止できる吸水
シートを製造でき、かつ、従来必要であった湿潤工程を
省くことができるから、製造時間や製造コストを低減で
きるという効果を奏する。
【0089】本発明の請求項1記載の吸水シートは、以
上のように、熱可塑性樹脂からなる第1繊維を有する保
持層が吸水性樹脂粒子を保持するように設けられ、上記
保持層の片面に上記吸水性樹脂粒子の通過を阻止する支
持シートが積層され、一方、上記第1繊維より低い温度
で軟化あるいは溶融する熱可塑性樹脂を有する第2繊維
を備える挟持シートが上記保持層を支持シートとで挟む
ように上記保持層に積層され、上記挟持シートは、前記
第2繊維が軟化もしくは溶融する温度で加熱されながら
上記保持層の厚さ方向に押圧されることにより上記第1
繊維を相互間で部分的に接着し、一方、上記保持層は、
上記第1繊維が変形して上記吸水性樹脂粒子を保持して
いる構成である。
【0090】それゆえ、上記構成は、上記吸水性樹脂粒
子の膨潤を阻害せず、かつ、上記挟持シートと保持層と
の接着が維持できるから上記の膨潤した吸水性樹脂粒子
を保持層内に保持することができ、吸水性樹脂粒子の吸
水性の阻害を回避しながら、その形状を維持することが
できるから、上記吸水性樹脂粒子は所定の吸水能を発揮
することができて、従来のような吸水能の低下に起因す
る吸水性樹脂粒子の増量を回避できて、大型化を防止で
きるという効果を奏する。
【0091】本発明の請求項2記載の吸水シートの製造
方法は、以上のように、熱可塑性樹脂からなる第2繊維
を有する挟持シートを上記保持層に積層し、続いて、第
2繊維を有する挟持シートを上記第2繊維が軟化もしく
は溶融する温度で、熱可塑性樹脂からなる第1繊維を有
する保護層の厚さ方向に加圧して、軟化もしくは溶融し
た上記第2繊維により上記第1繊維を部分的に相互間で
接着し、かつ、上記保護層の第1繊維を変形させること
により上記保持層内に吸水性樹脂粒子を拘持させる方法
である。
【0092】それゆえ、上記方法は、吸水性樹脂粒子の
膨潤を阻害せず、かつ、上記の膨潤した吸水性樹脂粒子
を拘持することができ、吸水性樹脂粒子の吸水性の阻害
を回避しながら、その形状を維持することができるか
ら、上記吸水性樹脂粒子は所定の吸水能を発揮すること
ができて、従来のような吸水能の低下に起因する吸水性
樹脂粒子の増量を回避できて、大型化を防止できる吸水
シートを製造でき、かつ、従来必要であった湿潤工程を
省くことができるから、製造時間や製造コストを低減で
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例1の吸水シートの概略断面図で
ある。
【図2】上記の吸水シートの製造方法における一工程を
示す説明図である。
【図3】上記の吸水シートの膨潤時の概略断面図であ
る。
【図4】本発明の実施例1および2の吸水シートの概略
断面図である。
【図5】上記の吸水シートの製造方法における一工程を
示す説明図である。
【図6】上記の吸水シートの膨潤時の概略断面図であ
る。
【図7】従来の吸水シートを示し、(a)は概略断面
図、(b)は膨潤時の概略断面図である。
【図8】他の従来の吸水シートを示し、(a)は概略断
面図、(b)は膨潤時の概略断面図である。
【図9】さらに他の従来の吸水シートを示し、(a)は
概略断面図、(b)は膨潤時の概略断面図である。
【符号の説明】
1 保持層 1a 繊維 2 吸水性樹脂粒子

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂からなる第1繊維を有する保
    持層が吸水性樹脂粒子を保持する吸水シートにおいて、 上記保持層の片面に上記吸水性樹脂粒子の通過を阻止す
    る支持シートが積層され、一方、上記第1繊維より低い
    温度で軟化あるいは溶融する熱可塑性樹脂を有する第2
    繊維を備える挟持シートが上記保持層を支持シートとで
    挟むように積層され、上記挟持シートは、前記第2繊維
    が軟化もしくは溶融する温度で加熱されながら上記保持
    層の厚さ方向に押圧されることにより上記第1繊維を相
    互間で部分的に接着し、一方、上記保持層は、上記第1
    繊維が変形して上記吸水性樹脂粒子を拘持していること
    を特徴とする吸水シート。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂からなる第1繊維を有する保
    持層を吸水性樹脂粒子が進入できる間隙を備えるように
    形成した後、上記保持層の片面に上記吸水性樹脂粒子の
    通過を阻止する支持シートを積層し、次に、上記保持層
    内に上記吸水性樹脂粒子を分布させた後、上記第1繊維
    より低い温度で軟化もしくは溶融する熱可塑性樹脂を備
    える第2繊維を有する挟持シートを上記保持層に積層
    し、続いて、上記挟持シートを前記第2繊維が軟化もし
    くは溶融する温度で上記保護層の厚さ方向に加圧して、
    軟化もしくは溶融した上記第2繊維により前記第1繊維
    を部分的に相互間で接着し、かつ、上記保護層の第1繊
    維を変形させることにより上記保持層内に上記吸水性樹
    脂粒子を拘持させることを特徴とする吸水シートの製造
    方法。
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