JP3407905B2 - 岩石及び鉱石塊を衝撃破砕する衝撃破砕機 - Google Patents

岩石及び鉱石塊を衝撃破砕する衝撃破砕機

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JP3407905B2 JP26914892A JP26914892A JP3407905B2 JP 3407905 B2 JP3407905 B2 JP 3407905B2 JP 26914892 A JP26914892 A JP 26914892A JP 26914892 A JP26914892 A JP 26914892A JP 3407905 B2 JP3407905 B2 JP 3407905B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、岩石及び鉱石の塊を衝
撃破砕する装置に関する。
【0002】本発明は、採鉱業、化学産業、建設業及び
石炭産業において、原材料を破砕し、鉱物肥料や鉱物飼
料を加工するのに適用できるものである。
【0003】
【従来の技術】衝撃破砕技術は公知であり、多数のハン
マー及び回転する破砕機を備える装置によって行われて
いる。
【0004】従来の衝撃破砕方法は、数工程で行われて
いる。その第1工程では、破砕機の衝撃工具又はハンマ
ーが、破砕室に入れた飼料塊を叩く。第1次の衝撃力を
加えられた各塊は、部分的に砕かれ、一定の速度で反射
部材に向けて投げつけられる。
【0005】第2工程では、反射部材に投射された塊に
第2次の衝撃力を加えて、塊を一定の大きさに破砕す
る。1個の反射部材を使用して、塊を2つの工程で破砕
するという簡単な場合には、破砕効果は小さい。
【0006】前後に連続して配列される反射部材は、金
属板、格子棒、杆材、棒材あるいは網である。
【0007】 破砕の効果を改善するために、3個又は
4個の反射部材、稀には5個以上の反射部材が設けられ
る。この場合には、塊は、4工程ないし6工程で破砕さ
れる。
【0008】伝達エネルギーの観点から見ると、静止し
た壁に衝突する場合には、その効果は最も小さい。(イ
ー・ブイ・アレクサンドロフ(E.V.Alexandrov)、ブイ・
ブイ・ソコリンスキー(V.V.Sokolinsky)共著「衝撃シス
テムの応用理論と計算(Applied Theory and Calculatio
n of Impact Systems)」ネドラ(Nedra)出版社、モスク
ワ、1969年発行、15〜17ページ参照)
【0009】上記の方法は、反射部材の面が単一の機能
しか持たず、送りこまれた材料塊を1次破砕ローターの
衝撃部材に向けて戻すだけであるため、破砕効果は小さ
い。この場合には、反射部材自体のエネルギーを有効に
使用していない。
【0010】遠心力を用いた衝撃破砕機も広く使用され
ており、岩石塊は、加速ローター又は円板に当接して、
秒速100ないし120mの高速度を与えられる。遠心
力は、塊を、固定あるいは回転軸回りに回転可能に取付
けたリング状の壁に向けて投げつける。
【0011】円環状の壁に対する岩石塊の衝撃、及びそ
れに続く破砕の状態は、通常の衝撃破砕方法と実質的に
異なるものではない。さらにこの方法は、構成がきわめ
て複雑となり、電力の使用効率が悪いという不都合があ
る。
【0012】破砕機の他の従来例は、2個のAP−CM
型の水平なローターを備えるものである。(たとえば、
ドレッサー・ホームス(Dresser Holmes)社のルート(Roo
t)部門であるホームス・ヘーズマグ(Holmes Hazemag)工
場の説明書参照)。
【0013】2個のローターは、破砕機の中に上下に配
置され、かつ、水平面に対してある角度で傾斜した回転
軸に取付けられている。この破砕機では、岩石塊は、1
次破砕ローターによって、次いで、周縁に沿って設置さ
れた反射部材によって連続的に破砕され、さらに、同じ
く周縁に沿って、固定式又はスプリングで付勢された反
射部材を備える2次破砕ローターによって破砕される。
【0014】破砕は、6工程ないし8工程で行われる。
衝突回数を増加させるために、1個のローターに、6個
のハンマーを設けてある。
【0015】この破砕機も、上述の欠点、すなわち、動
力消費が大きく、低効率であるという欠点を持ってい
る。
【0016】さらに他の従来の破砕機(たとえば、19
72年発行のフランス国特許第2,091,446号参
照)では、水平面に対してある角度で傾斜した軸を有す
る2個のローターを、上下に配置して構成されている。
【0017】これら2個のローターは、互いに逆方向に
回転する。2個のローターは、岩石を連続的に破砕し、
やはり固定式の反射部材を備えている。この破砕機で
は、装置が大型となり、操作が不便であり、かつ、大量
の動力と資材を必要とする。
【0018】さらに他の従来の破砕機では、ハウジング
中に、1次破砕ローターと2個の2次破砕ローターを取
付けて、その上方に装入口を設けて、ハウジングの壁
を、岩石及び鉱石塊を1次破砕ローターに送りこむ投入
シュートとして使用し、底部に放出口を設けてある(た
とえば、ソビエト社会主義共和国連邦発明者証、第18
3,053号参照)。
【0019】この破砕機は、岩石及び鉱石塊を衝撃破砕
するものであり、岩石塊に1次衝撃力を加えて小片に砕
き、次いで、推計学的に配分されたベクトル力の2次衝
撃力を加えるものである。
【0020】作動時、破砕すべき材料は、1次破砕ロー
ターに当てられ、次いで、2次破砕ローターのハンマー
に向けて投げつけられる。この破砕機では、2次破砕ロ
ーターのハンマーが、反射手段として使用されている。
【0021】岩石塊は、3つの工程で破砕される。第1
工程で、材料は、1次破砕ローターのハンマーに係合し
て破砕される。第2工程で、材料は、2次破砕ローター
のハンマーに係合して破砕される。第3工程で、塊は最
終的に砕かれて、格子棒に送られる。
【0022】この破砕機は、破砕の効率と材料の品質を
若干改善しうるものではあるが、次のような多数の欠点
がある。
【0023】全部のローターの構成上作動が時間的に同
期しないため、岩石塊の破砕の推計学的パターンが揃わ
ない。
【0024】2次破砕ローターの回転速度が小さく、本
質的に衝撃力が中心に向けられないため、2次破砕ロー
ターにより岩石塊に加えられる衝撃力の効率が悪い。
【0025】反射作用を行う2次破砕ローターの質量が
中心に収斂しているため、ローターの破砕効果が充分に
働かない。
【0026】1次及び2次破砕ローターを垂直軸に装着
してあるため、破砕効率の改善度が低く、破砕機が大型
になって、操作と保守に手間がかかる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、岩石及び鉱
石塊の衝撃破砕における上記の問題点を解決し、大寸法
の塊に加える1次破砕力と、小寸法の小片に加える2次
破砕力との同期効果によつて、破砕方法の効率を大幅に
増加させ、きわめて固い岩石を小寸法に破砕することが
でき、かつ、破砕の工程数を減少させることができる衝
撃破砕機を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、次のとおりに構成されている。
【0029】内部に1次破砕ローターを備え、かつその
上方に、2次破砕ローター及び装入口を備えるハウジン
グを有し、ハウジングの壁面を岩石及び鉱石塊を1次破
砕ローターに給送する送りこみシュートとし、その下方
に排出口を設けた岩石及び鉱石塊を衝撃破砕する装置に
おいて、1次破砕ローターと2次破砕ローターとを動力
学的に連結して、同期的に回転させる手段を備え、2次
破砕ローターは、少なくとも2個のハンマーを備えると
ともに、回転軸と垂直な面における断面形が湾曲した衝
撃反射面を備え、長さ方向の対称軸に沿った質量を回転
軸からの距離に応じて増加させて、長さ方向の対称軸に
沿った慣性モーメントを、横断方向の対称軸に沿った慣
性モーメントの5倍以上としたことを特徴とする衝撃破
砕機。
【0030】この装置において、2次破砕ローターと1
次破砕ローターとを同期的に回転させる手段を、スプロ
ケットをそれぞれのローター軸に固着したチェーン式伝
動装置としてもよい。
【0031】2次破砕ローターと1次破砕ローターとを
同期的に回転させる手段を、各ローター軸に歯車を装着
したチェーン歯車式伝動装置としてもよい。
【0032】2次破砕ローターと1次破砕ローターとを
同期的に回転させる手段を、歯車式伝動装置としてもよ
い。
【0033】2次破砕ローターと1次破砕ローターとを
同期的に回転させる手段を、無段階伝動装置とするのが
よい。
【0034】2次破砕ローターの衝撃反射面を波目状に
形成してもよい。
【0035】2次破砕ローターの衝撃反射面を、ロータ
ーの回転軸に直交する断面における2つの凹入面として
もよい。
【0036】2次破砕ローターの衝撃反射面を、回転軸
に直交する面において、直線部分と、それに連結する湾
曲部分とで形成してもよい。
【0037】
【作用】岩石及び鉱石塊に、まず1次破砕ローターによ
り一次衝撃力Pを加えて粗く砕いて小片とし、1次破
砕ローターの回転により2次破砕ローターに向けて投射
する。2次破砕ローターは、1次破砕ローターと同期し
て回転するように構成してあるため、小片は、2次破砕
ローターの衝撃反射面に垂直に衝突して、微細な粒子に
破砕される。
【0038】
【実施例】本発明の岩石及び鉱石塊を衝撃破砕する方法
は、次のようにして行われる。図1から図4は、本発明
による1次及び2次破砕ローターの2個のローターを用
いて、岩石塊を細かくする本発明の衝撃破砕方法の工程
を示す概略図である。
【0039】まず岩石は、単一の1次破砕ローター及び
単一の2次破砕ローターを備える破砕機に送りこまれ
て、細かく砕かれる。
【0040】図1において、岩石塊は、傾斜したシュー
トに沿って、速度Vで1次破砕ローター(1)に送りこま
れ、1次衝撃力によって砕かれる。
【0041】衝撃力は、塊を多数の小片に破砕し、図2
に示すように、2次ローター(2)に向かう速度Vを与
える。1次ローター(1)は、角速度ωで回転してい
る。
【0042】2次ローター(2)は、角速度ωで、1次
ローター(1)と逆方向に回転している。図3に示すよう
に、小片は、2次破砕ローター(2)に到達して、2次衝
撃力を受ける。この方法は、大きい塊に加えられる1次
衝撃力を、小片に加えられる2次衝撃力に同期させるよ
うにして行われる。
【0043】塊に加えられる一次衝撃力Pの速度ベク
トルVと2次衝撃力Pのベクトルとの方向は、塊の
質量中心を通るように指向してある。
【0044】2次破砕ローター(2)の反射部材は、塊を
反射させ、部分的に細かく砕く機能を行うのみならず、
塊を、それに伝達される運動エネルギーによっても破砕
するように作用する。
【0045】2次衝撃力Pによって塊に与えられるモ
ーメントは、一次衝撃力Pによって塊に与えられるモ
ーメントに比例し、一次衝撃力Pによる最小モーメン
トが180kgm/secであるときに、Pの値の0.3
倍から70倍である。
【0046】2次衝撃力Pは、小片をさらに細かい粒
子に砕いて、図4に示すように、格子棒に向けて速度V
で投射する。
【0047】図5から図8に示すような、1個の1次破
砕ローター(1)と2個の2次破砕ローター(2)及び(3)
とを備える破砕機を使用すれば、より効果的に破砕を行
うことができる。
【0048】この場合は、まず岩石塊を、図5に示すよ
うに傾斜したシュートに沿って速度Vで1次破砕ロータ
ー(1)に送りこみ、1次衝撃力を与える。1次破砕ロー
ター(1)は、角速度ωで回転している。
【0049】図6に示すように、塊は多数の小片に砕か
れ、2次破砕ローター(2)及び(3)に向かう衝撃ベクト
ルVを与えられる。2次破砕ローター(2)及び(3)
は、等しい角速度ω=ωで、互いに逆方向に回転し
ている。
【0050】図7に示すように、砕かれた小片は、2次
破砕ローター(2)及び(3)に到達して、2次衝撃力P
を加えられる。
【0051】衝撃力P及びPは、時間的に同期させ
てある。また、一次衝撃力Pによって塊に与えられる
速度Vのベクトルと2次衝撃力Pのベクトルとは、
塊の質量中心を通るように指向してある。
【0052】運動エネルギーを部分的に伝達する2次破
砕ローター(2)及び(3)の反射部材に与えられる作動様
式は、一次衝撃力Pの効果で塊が受けるエネルギーに
加わって、原料の塊を充分に細かく砕くことができる。
【0053】塊と反射部材とが衝突して、全運動エネル
ギーが解放される時間は、従来の衝撃破砕機における標
準的な衝突時間よりも、かなり短かい。このエネルギー
がもたらす超臨界応力界は、あらゆる種類の岩石の強度
よりも大きい。
【0054】衝撃により、固体状態の岩石は逆行不能に
変換され、図8に示すように、小寸法の粒子に迅速に破
砕される。この方法の重要な特徴は、破砕方法に新しい
性質を与えるものであり、特に、破砕の効率を迅速に向
上させ、実質的に粒寸法が揃った微粒子状の製品を形成
させるものである。
【0055】衝突条件を変更すること、すなわち、力ベ
クトルの大きさと速度のパラメータを調節することによ
って、所望寸法の粒子組成の製品が得られるように破砕
方法を制御し、排出される粉砕製品の抵抗を減少できる
ことが認められている。
【0056】図9は、ハウジング(4)中に、1個の1次
破砕ローター(1)を取付け、その上方に、1個の2次破
砕ローター(2)を取付けた衝撃破砕機の概略図である。
【0057】ハウジング(4)は、ローター(1)の上方に
装入口(5)を有し、送りこみシュート(6)として作用す
るハウジング(4)の壁は、岩石及び鉱石塊を1次破砕ロ
ーター(1)へ送りこむ。ローター(1)の下方には、格子
棒(8)を備える排出孔(7)を設けてある。
【0058】この破砕機は、1次破砕ローター及び2次
破砕ローターを同期させる手段を備え、この手段は、2
つのローター(1)及び(2)に動力学的に接続してある。
【0059】次に、2次破砕ローターと1次破砕ロータ
ーとの回転を同期させるための手段の一実施例について
説明する。
【0060】図9の実施例において、2次破砕ローター
(2)は、2つのハンマーと、回転軸aに対して垂直な
面内で曲率が変化している衝撃反射面とを備え、対称軸
X−Xに沿ったローター(2)の質量を、回転軸(a)か
らの距離に応じて増加させてある。ローター(2)の長さ
方向の対称軸X−Xに沿う慣性モーメントは、横方向の
対称軸Y−Yに沿う慣性モーメントの5倍以上である。
【0061】この実施例において、2次破砕ローターと
1次破砕ローターとを同期的に回転させる手段は、チェ
ーン伝動式としてある。
【0062】図10において、スプロケット(9)は、図
示を省略した軸で1次破砕ローター(1)に固着され、ス
プロケット(10)は、2次破砕ローター(2)に固着されて
いる。(11)はテンションスプロケット、(12)はガイドス
プロケツト、(13)はチェーンである。
【0063】図示しない他の実施例では、歯車列伝動装
置によって、1個の2次破砕ローターを、1次破砕ロー
ターと同期的に回転させるようにしてある。この実施例
では、上記と同様に、ローター(1)及び(2)のそれぞれ
の軸に、伝動装置の歯車を固着してある。
【0064】図11は、1個の1次破砕ローター(1)
と、2個の2次破砕ローター(2)及び(3)とを備える衝
撃破砕機の他の実施例を示す概略図である。
【0065】ローター(2)及び(3)は、対称な鏡像位置
に配置してある。各ローター(2)及び(3)の長さ方向の
軸X−X及びY−Yは、各ローターの回転中心を通る衝
撃反射面の曲率半径に対して垂直になっている。
【0066】この破砕機は、2次破砕ローターと1次破
砕ローターとを同期的に回転させる手段を備えている。
また、この破砕機は、2個の2次破砕ローターを逆方向
に回転させる手段を備えている。
【0067】2次破砕ローターと1次破砕ローターとを
同期的に回転させる手段として、チェーン伝動形式の手
段を備えている。前述の実施例と同様に、伝動装置のス
プロケットは、それぞれのローターの軸に固着してあ
る。
【0068】図12において、スプロケット(14)はロー
ター(1)と同軸に、スプロケット(15)はローター(2)と
同軸に、スプロケット(16)はローター(3)と同軸に、そ
れぞれ固着してある。図12には、これらの軸の図示を
省略する。
【0069】(17)はテンションスプロケツト、(18)はチ
ェーンである。この構成により、2次破砕ローター(2)
と(3)とは、逆方向に回転する。
【0070】2次破砕ローターと1次破砕ローターとを
同期的に回転させる他の実施例は、歯車チェーン式伝動
装置である。図13に示す実施例では、各ローター軸に
歯車を装着するか、もしくはそれに代えて、ローター
(2)及び(3)の軸に動力学的に結合した装置で伝動装置
を構成してある。
【0071】この実施例では、歯車をそれぞれのロータ
ーと同軸に固着してある。歯車(19)はローター(1)の軸
に、歯車(20)はローター(2)の軸に、歯車(21)はロータ
ー(3)の軸に、それぞれ固着されている。(22)はテンシ
ョンスプロケット、(23)はガイドスプロケット、(24)は
チェーンである。
【0072】図14は、歯車式伝動装置により、2次破
砕ローターと1次破砕ローターとを同期的に回転させる
実施例を示す概略図である。歯車(25)はローター(1)の
軸に、歯車(26)はローター(2)の軸に、歯車(27)はロー
ター(3)の軸に、それぞれ固着されている。歯車(28)及
び(29)は、連動用の歯車である。
【0073】他の実施例では、2次破砕ローターと1次
破砕ローターとを同期的に回転させる手段を、たとえば
拡張プリー又は摩擦クラッチなどの無段階伝動装置(図
示省略)とする。
【0074】上述の実施例において、図11に示す2次
破砕ローター(2)の衝撃反射面は円弧面をなし、その曲
率半径Rは、送りこみシュート(6)の面と1次破砕ロー
ター(1)の最大回転半径Rとの交点Oから、この曲率
半径が2次破砕ローター(2)の長さ方向の軸X−Xに直
交する位置における2次破砕ローター(2)の衝撃反射面
までの距離と等しくしてある。
【0075】通常、この衝撃反射面は、図15に符号(3
0)で示すように平滑としてある。他の実施例では、符号
(31)で示すように波目状としてある。
【0076】回転軸に垂直な2次破砕ローター(2)の断
面は、2つの凹面であってもよい。
【0077】他の実施例における2次破砕ローター(2)
の回転軸に垂直な断面形は、図16に示すように、直線
部分(32)と湾曲部分(33)とをA点で連接したものであ
る。
【0078】本発明の衝撃破砕機の作動は、次のとおり
である。
【0079】図11において、岩石塊は、装入口(5)か
ら送りこみシュート(6)に沿って、1次破砕ローター
(1)の一方のハンマー上に給送される。
【0080】ハンマーからの1次衝撃力を受けた岩石塊
は小片に砕かれ、2次破砕ローター(2)及び(3)向けて
投げつけられる。
【0081】岩石片の投射経路は、1次破砕ローター
(1)のハンマー前縁のO点を起点として、半径方向のベ
クトルRで扇形に広がる。
【0082】2次破砕ローター(2)及び(3)の回転は、
連動リンク機構を介して、1次破砕ローター(1)の回転
と同期させてあり、岩石片が衝突する瞬間には、曲率半
径Rの湾曲面を形成した反射面は、岩石片の半径方向の
ベクトルが反射面上の各点に対して、垂直な位置になる
ようにしてある。
【0083】この衝突によって、岩石片は、次の式にし
たがって、それらを破砕するのに必要な量以上のエネル
ギーを吸収する。 WΣ = W + W ここで、WΣ は、破砕される材料が吸収する全エネル
ギー、 W は、1次衝撃により岩石片が得たエネルギー、 W は、反射部材のエネルギーである。
【0084】2次衝撃を受けた岩石片は、きわめて微小
な粒子に分割され、かつ、プロセス全体は、急速に反復
され、さらに1次破砕ローターと2次破砕ローターとが
逆方向に回転するために、破砕された製品は、放出口
(7)を通って排出されて集められる。
【0085】
【発明の効果】(a) 構成部品点数が少ない簡単な装置
を用いて、少ない工程数によつて、岩石や鉱石塊を効率
よく破砕することができ、設備コストと労力を低減する
ことができる。 (b) 従来の破砕方法及び装置に比して、より硬質の岩
石でも破砕することができる。 (c) 1工程で所望の寸法と品質の粒状製品を得ること
ができる。 (d) 従来装置に比して、消費動力及び金属資材を節約
できる。 (e) 従来方法及び装置に比して、形状がほぼ揃った破
砕製品を得ることができる。 (f) 従来方法及び装置に比して、運転費用及び処理さ
れた貯蔵鉱物の原費用が少なくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】2個のローターによって、岩石塊を破砕する本
発明の衝撃破砕方法の第1工程を示す説明図である。
【図2】同じく第2工程を示す説明図である。
【図3】同じく第3工程を示す説明図である。
【図4】同じく第4工程を示す説明図である。
【図5】1個の1次破砕ローターと2個の2次破砕ロー
ターとの3個のローターによつて、岩石塊を破砕する本
発明の衝撃破砕方法の第1工程を示す説明図である。
【図6】同じく第2工程を示す説明図である。
【図7】同じく第3工程を示す説明図である。
【図8】同じく第4工程を示す説明図である。
【図9】1個の1次破砕ローターと1個の2次破砕ロー
ターとを備える、本発明の衝撃破砕機の断面図である。
【図10】2次破砕ローターと1次破砕ローターとを、
チェーン伝導形式で同期的に回転させる手段の概略図で
ある。
【図11】1個の1次破砕ローターと2個の2次破砕ロ
ーターとを備える、本発明の衝撃破砕機の断面図であ
る。
【図12】2個の2次破砕ローターと1個の1次破砕ロ
ーターとを、チェーン伝導形式で同期的に回転させる手
段の概略図である。
【図13】2個の2次破砕ローターと1個の1次破砕ロ
ーターとを、歯車チェーン伝導形式で同期的に回転させ
る手段の概略図である。
【図14】2個の2次破砕ローターと1個の1次破砕ロ
ーターとを、歯車伝導形式で同期的に回転させる手段の
概略図である。
【図15】衝撃反射面の一部を波目状に形成した2次破
砕ローターの断面図である。
【図16】衝撃反射面の回転軸に直交する断面を、直線
部及び湾曲部で形成した2次破砕ローターの断面図であ
る。
【符号の説明】
(1)1次破砕ローター (2)(3)2次破砕
ローター (4)ハウジング (5)装入口 (6)送りこみシュート (7)排出口 (8)格子棒 (9)(10)スプロケ
ット (11)テンションスプロケット (12)ガイドスプロ
ケット (13)チェーン (14)(15)(16)ス
プロケット (17)テンションスプロケット (18)チェーン (19)(20)(21)歯車 (22)テンションス
プロケット (23)ガイドスプロケット (24)チェーン (25)(26)(27)(28)(29)歯車 (30)平滑面 (31)波目状面 (32)直線部 (32)湾曲部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−86751(JP,A) 実公 昭35−29083(JP,Y1) 実公 昭39−33294(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 13/00 - 13/31

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に1次破砕ローター(1)を備え、か
    つその上方に、2次破砕ローター(2)及び装入口(5)を
    備えるハウジング(4)を有し、ハウジング(4)の壁面
    を、岩石及び鉱石塊を1次破砕ローター(1)に給送する
    送りこみシュート(6)とし、その下方に排出口(7)を設
    けた岩石及び鉱石塊を衝撃破砕する装置において、 1次破砕ローター(1)と2次破砕ローター(2)とを動力
    学的に連結して、同期的に回転させる手段を備え、 2次破砕ローター(2)は、少なくとも2個のハンマーを
    備えるとともに、回転軸(a )と垂直 な面における断面
    形が湾曲した衝撃反射面を備え、長さ方向の対称軸に沿
    った質量を回転軸からの距離に応じて増加させて、長さ
    方向の対称軸に沿った慣性モーメントを、横断方向の対
    称軸に沿った慣性モーメントの5倍以上としたことを特
    徴とする衝撃破砕機。
  2. 【請求項2】 2次破砕ローターと1次破砕ローターと
    を同期的に回転させる手段を、スプロケット(9)(10)を
    それぞれのローター軸に固着したチェーン式伝動装置と
    したことを特徴とする請求項1記載の衝撃破砕機。
  3. 【請求項3】 2次破砕ローターと1次破砕ローターと
    を同期的に回転させる手段を、各ローター軸に歯車を装
    着したチェーン歯車式伝動装置としたことを特徴とする
    請求項1記載の衝撃破砕機。
  4. 【請求項4】 2次破砕ローターと1次破砕ローターと
    を同期的に回転させる手段を、歯車伝動装置としたこと
    を特徴とする請求項1記載の衝撃破砕機。
  5. 【請求項5】 2次破砕ローターと1次破砕ローターと
    を同期的に回転させる手段を、無段階伝動装置としたこ
    とを特徴とする請求項1記載の衝撃破砕機。
  6. 【請求項6】 2次破砕ローター(2)の衝撃反射面を波
    目状に形成したことを特徴とする請求項1記載の衝撃破
    砕機。
  7. 【請求項7】 2次破砕ローター(2)の衝撃反射面を、
    ローターの回転軸と直交する断面における2つの凹入面
    としたことを特徴とする請求項1記載の衝撃 破砕機。
  8. 【請求項8】 2次破砕ローター(2)の衝撃反射面を、
    回転軸に直交する面において、直線部分と、それに連結
    する湾曲部分とで形成したことを特徴とする請求項1記
    載の衝撃破砕機。
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