JP3407533B2 - 現像方法 - Google Patents

現像方法

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JP3407533B2
JP3407533B2 JP08764296A JP8764296A JP3407533B2 JP 3407533 B2 JP3407533 B2 JP 3407533B2 JP 08764296 A JP08764296 A JP 08764296A JP 8764296 A JP8764296 A JP 8764296A JP 3407533 B2 JP3407533 B2 JP 3407533B2
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誠 小林
英明 安永
智晴 西川
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ミノルタ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機やプリン
ター等の画像形成装置において、像担持体に形成された
潜像にトナーを供給して現像を行なう現像方法に係り、
特に、トナーに負帯電性のトナーを使用し、このトナー
とキャリアを含む現像剤を現像剤搬送部材によって像担
持体と対向する現像領域に搬送させ、この現像領域に振
動電界を作用させて、現像剤中のトナーを現像剤搬送部
材から像担持体に供給して現像を行なう現像方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機やプリンター等の画像
形成装置において、像担持体に形成された潜像にトナー
を供給して現像を行なう現像方法としては、様々な方法
が知られていた。そして、このような現像方法の代表的
なものとして、トナーとキャリアを含む現像剤を現像ス
リーブ等の現像剤搬送部材に供給し、この現像剤を現像
剤搬送部材によって磁気ブラシの状態で像担持体側に搬
送し、現像剤搬送部材上における現像剤の量を規制部材
によって規制した後、像担持体と対向する現像領域に導
き、この現像領域において現像剤搬送部材上における現
像剤を磁気ブラシの状態で像担持体の表面に接触させ、
この現像剤中のトナーを現像剤搬送部材から像担持体の
潜像部分に供給して現像を行なうようにした現像方法が
広く知られていた。
【0003】しかし、このように現像剤を磁気ブラシの
状態で像担持体に接触させて現像を行なう場合、像担持
体上に供給されたトナーが現像剤搬送部材上の磁気ブラ
シによって掻き取られたりして、像担持体上に形成され
たトナー像が乱れる等の問題があり、特に、像担持体に
複数色のトナーを順々に供給して多色現像を行なう場合
においては、像担持体に先に供給された色彩のトナー
が、次の色彩のトナーを供給して現像する際に、その磁
気ブラシとの接触により掻き取られて画像が乱された
り、また勝手に他の色彩のトナーが混ざり合ったりし
て、正確な色彩になった良好な多色現像が行なえなくな
るという問題があった。
【0004】ここで、上記のように現像剤を磁気ブラシ
の状態で像担持体に接触させて現像を行った場合に、像
担持体上に形成されたトナー像が乱れるのは、現像剤に
おけるキャリアの磁気力が強くて、磁気ブラシが硬くな
っていることや、現像剤中のトナーを像担持体に供給し
た際に、キャリアに残留する電荷、いわゆるカウンター
チャージ等が原因であると考えられている。
【0005】このため、従来においては、上記の現像剤
におけるキャリアに低磁気力のものを用い、像担持体に
接触する磁気ブラシの穂をソフト化させ、磁気ブラシの
接触によるトナー像の乱れを抑制することが考えられ
た。
【0006】しかし、このように低磁気力のキャリアを
使用すると、現像剤搬送部材上におけるキャリアの拘束
力が弱くなって、キャリアが現像剤搬送部材から離れて
像担持体に付着しやすくなり、特に、入力画像としてラ
ダーパターンのような高い周波数の画像や、画数の多い
漢字パターン等の画像を現像する場合には、像担持体に
付着するキャリアが多くなった。
【0007】そして、このようにキャリアが像担持体に
付着すると、このキャリアがトナー像と一緒に転写紙に
転写されて、形成された画像にキャリアによる抜けが生
じたり、また付着したキャリアによって像担持体が傷つ
き、形成される画像に筋状のノイズや、斑点状のノイズ
が発生したりする等の問題があった。
【0008】また、近年においては、上記のように像担
持体上に形成されたトナー像が現像剤の磁気ブラシによ
って乱されたりするのを防止するため、特開昭61−3
2858号公報,特開昭62−182760号公報等に
示されるように、トナーとキャリアを含む二成分現像剤
を現像剤搬送部材によって像担持体と対向する現像領域
に搬送し、この現像領域に振動電界を作用させ、上記の
現像剤を像担持体と接触させない非接触の状態で、この
現像剤中のトナーを現像剤搬送部材から像担持体に供給
して現像を行なうようにしたものが開発された。
【0009】しかし、このように現像領域に振動電界を
作用させ、現像剤を像担持体と接触させない状態で現像
剤中のトナーを像担持体に供給して現像を行なうように
した場合においても、現像剤中のトナーを像担持体に供
給すると、キャリアにカウンターチャージが残り、依然
としてキャリアが像担持体に付着するという問題が存在
した。
【0010】また、このように像担持体にキャリアが付
着するのを抑制するため、特開平5−323681号公
報に示されるように、現像剤搬送部材によって像担持体
に搬送する現像剤の量を多くして、現像剤中におけるト
ナーの消費率を低く押えるようにしたものが考え出され
た。
【0011】しかし、このように現像剤搬送部材によっ
て像担持体に搬送する現像剤の量を多くすると、上記の
ように現像領域に振動電界を作用させて現像剤中のトナ
ーを像担持体に供給して現像を行なう際に、像担持体に
供給されずに飛散するトナーの量が多くなり、これによ
って形成される画像にカブリが生じたり、複写機等の装
置内が飛散したトナーによって汚れたりする等の問題が
発生した。
【0012】また、このように現像剤搬送部材によって
像担持体に搬送する現像剤の量を多くすると、現像剤中
における帯電した多くのトナーが現像に使用されず、現
像効率が悪くなり、帯電した多くのトナーがキャリアに
保持された状態で現像剤搬送部材によって現像装置内に
戻されるようになり、新たに補給されたトナーとキャリ
アと十分に混合撹拌されなくなって、新たなトナーが十
分に帯電されなくなるという問題もあった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、トナーと
キャリアとを含む現像剤を現像剤搬送部材によって像担
持体と対向する現像領域に搬送し、この現像領域におい
て現像剤中のトナーを現像剤搬送部材から像担持体に供
給して現像を行なう場合における上記のような様々な問
題を解決することを課題とするものである。
【0014】すなわち、この発明においては、上記のよ
うに現像領域において現像剤中のトナーを現像剤搬送部
材から像担持体に供給して現像を行なうにあたり、像担
持体上に供給されたトナーが現像剤搬送部材上における
現像剤の磁気ブラシによって掻き取られて、像担持体上
に形成されたトナー像が乱れたり、またキャリアが像担
持体に付着して、形成された画像にキャリアによる抜け
が発生したり、付着したキャリアによって像担持体が傷
つき、形成される画像に筋状のノイズや斑点状のノイズ
が発生するということが少なく、さらに多くの現像剤が
像担持体と対向する現像領域に搬送されて、形成される
画像にカブリが生じたり、またトナーの帯電が十分に行
なわれなくなるということもなく、負帯電性のトナーが
十分に帯電されるようにし、良好な画像が安定して得ら
れるようにすることを課題とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明における現像方
法においては、上記のような課題を解決するため、現像
剤搬送部材によりトナーとキャリアとを含む現像剤をこ
の現像剤搬送部材上に薄層状態にして像担持体と対向す
る現像領域に搬送し、この現像領域に振動電界を作用さ
せて、現像剤搬送部材から現像剤中のトナーを像担持体
に供給して現像を行なう現像方法において、上記のトナ
ーに負帯電性のトナーを用いると共に、上記のキャリア
として、酸価が0〜20KOHmg/gのバインダー樹
100重量部に対して磁性粉が250〜400重量部
の範囲で分散された混練物を粉砕し、これを加熱処理さ
せて、その表面に存在する磁性粉の量がキャリアに含ま
れる磁性粉全体の5〜30重量%になったバインダー型
キャリアを用いるようにしたのである。
【0016】ここで、この発明における現像方法のよう
に、トナーとキャリアとを含む現像剤を現像剤搬送部材
上に薄層状態にして像担持体と対向する現像領域に搬送
させると、現像領域に振動電界を作用させて現像剤中の
トナーを像担持体に供給して現像を行なった際に、この
現像剤中のキャリアに残る電荷の移動がスムーズに行な
われ、キャリアが像担持体に付着しにくくなると共に、
像担持体に供給されずに飛散するトナーの量も少なくな
る。さらに現像効率が向上するため、現像に使用されず
に現像装置内の混合撹拌部に戻される荷電トナー量を少
なくすることができ、新たに補給されたトナー(未荷電
トナー)に対する混合撹拌性(荷電性)を向上させるこ
とができる。
【0017】一方、この現像剤搬送部材によって現像領
域に搬送される現像剤の量が少なすぎると、像担持体に
供給されるトナーが不足し、十分な画像濃度を有する画
像が得られなくなる。このため、現像剤搬送部材によっ
て現像領域に搬送させる現像剤の量を、0.7〜10.
0mg/cm2 、好ましくは0.8〜7.5mg/cm
2 、より好ましくは1〜5mg/cm2 の範囲になるよ
うにする。
【0018】また、この発明において、上記のようにキ
ャリアにおけるバインダー樹脂に酸価が0〜20KOH
mg/gのものを用いるようにしたのは、このバインダ
ー樹脂における酸価が20KOHmg/gよりも高くな
ると、このキャリアに自体の負帯電性が強くなり、キャ
リアの表面に存在する磁性粉量を下記の範囲に調整して
も負帯電性のトナーを十分に帯電させることができず、
形成される画像にカブリや濃度ムラ等が発生するためで
ある。
【0019】また、上記のキャリアにおいて、その表面
に存在する磁性粉の量が5〜30重量%になるようにし
たのは、表面に存在する磁性粉の量が5重量%より少な
くなると、負帯電性のトナーを磁性粉との接触によって
十分に帯電させることが困難になり、形成される画像に
カブリや濃度不足や濃度ムラが発生する一方、表面に存
在する磁性粉の量が30重量%より多くなると、このキ
ャリアの抵抗が低くなりすぎ、キャリア付着等が発生し
やすくなるためであり、好ましくはキャリアの表面に存
在する磁性粉の量が10〜25重量%、より好ましくは
10〜20重量%になるようにする。
【0020】そして、この発明における現像方法のよう
に、上記のようなバインダー型キャリアと負帯電性のト
ナーとを用いて現像を行なうようにすると、負帯電性の
トナーがこのキャリアとの接触によって十分に帯電され
るようになり、カブリや濃度不足や濃度ムラ等のない良
好な画像が安定して得られるようになる。
【0021】ここで、上記のキャリアに使用するバイン
ダー樹脂としては、ポリエステル系樹脂,スチレン系共
重合体樹脂,エポキシ樹脂等を使用することができる。
【0022】そして、ポリエステル樹脂はアルコールと
カルボン酸もしくはカルボン酸エステル,カルボン酸無
水物との縮合によって得られ、そのアルコール成分とな
るジオール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.
2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチ
レン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリ
オキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等
のビスフェノールAポリオキシアルキレン付加物を用い
ることができる。
【0023】また、他のジオール成分として、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,
3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオ
ール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール
A、その他の二価アルコール等を加えることができる。
【0024】また、三価以上の多価アルコール成分とし
て、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロー
ル、1,4−ソルビタン、ペンタエリスルトール、ジペ
ンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,
2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリ
オール、グリセロール、2−メチルプロパントリオー
ル、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,
5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その他の三価以上
の多価アルコールを加えるようにしても良い。
【0025】一方、二価のカルボン酸成分としては、例
えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコ
ン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、又はn
−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸等のアル
ケニルコハク酸もしくはアルキルコハク酸、これらの酸
の無水物や低級アルキルエステル、その他の二価のカル
ボン酸を用いることができる。
【0026】また、三価以上の多価カルボン酸成分とし
ては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,
5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレン
トリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン
酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−
ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2
−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,
4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレン
カルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテト
ラカルボン酸、ピロメリット酸、エンボール三量体酸、
及びこれらの酸の無水物、低級アルキルエステル等を用
いることができる。
【0027】また、スチレン系共重合体樹脂としては、
モノマー成分としてアクリル酸、メタクリル酸等のエチ
レン系不飽和カルボン酸と、下記のスチレン系モノマー
成分及び必要に応じて下記のモノマー成分を含有するも
のを使用することができる。
【0028】ここで、スチレン系モノマーとしては、例
えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、p−tert−ブチルスチレン、p−クロルスチ
レン等のスチレン系単量体及びその誘導体を用いること
ができる。
【0029】また、このスチレン系モノマーに共重合さ
せるモノマー成分としては、アクリル酸及びメタクリル
酸等のモノマーに加えて、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタク
リル酸イソペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタ
クリル酸3−(メチル)ブチル、メタクリル酸ヘキシ
ル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタ
クリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル及びメタクリ
ル酸ドデシル等のメタクリル酸エステルモノマーや、ア
クリル酸メチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸
イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ペンチ
ル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチ
ル、アクリル酸3−(メチル)ブチル、アクリル酸ヘキ
シル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリ
ル酸デシル、アクリル酸ウンデシル及びアクリル酸ドデ
シル等のアクリル酸エステルモノマーや、アクリロニト
リル、マレイン酸、マレイン酸エステル、塩化ビニル、
酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルメチルエチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン、ビニルメチルエーテル、ビ
ニルエチルエーテル及びビニルイソブチルエーテル等の
ビニル系モノマーを用いることができる。
【0030】なお、上記のスチレン系共重合体樹脂にお
ける酸価を低くするためには、スチレン系モノマーと共
重合させるモノマー成分にメタクリル酸エステルモノマ
ーやアクリル酸エステルモノマーを使用することが好ま
しい。
【0031】また、上記のバインダー型キャリアにおけ
る固有抵抗値を調整するため、カーボンブラックを含有
させることができ、このカーボンブラックとしては、そ
のBET比表面積が700〜1400m2 /g、好まし
くは900〜1300m2 /gのものを含有させるよう
にする。すなわち、上記のカーボンブラックのBET比
表面積が700m2 /gより小さいと、このカーボンブ
ラックの粒径が大きくなって、上記のキャリアの表面に
おけるカーボンブラックの露出量が多くなり、このキャ
リアにおける抵抗値が下がりすぎて、キャリア付着が生
じやすくなる一方、BET比表面積が1400m2 /g
より大きいと、カーボンブラックの粒径の小さくなりす
ぎ、このキャリアにおける抵抗値を適切に調整すること
が困難になるためである。
【0032】また、上記のようにキャリアにカーボンブ
ラックを含有させる場合、このカーボンブラックのpH
が7以上であると、このカーボンブラックが正帯電性を
持つため、キャリアの表面にこのカーボンブラックが露
出した場合に、負帯電性のトナーに対するキャリアの帯
電性能を向上させる効果が得られるため、このカーボン
ブラックとしてはpHが7以上、好ましくはpHが8〜
12のものを用いることが望ましい。また、負帯電性ト
ナーに着色剤としてカーボンブラックを用いる場合に
は、同様の理由によりpHが7未満、好ましくはpHが
5以下のものを使用することが望ましい。
【0033】また、上記のバインダー型キャリアを製造
するにあたって、バインダー樹脂と磁性粉等の混合性を
高めて、その生産性を向上させるためにシリカを添加さ
せることができ、このシリカとしては、そのBET比表
面積が100〜250m2 /g、好ましくは150〜2
50m2 /gのものを用いるようにする。すなわち、添
加するシリカのBET比表面積が100m2 /gより小
さいと、このシリカの粒径が大きくなって流動性が悪
く、バインダー樹脂と磁性粉等との混合性を高めて生産
性を向上することができない一方、その比表面積が25
0m2 /gより大きいと、その粒径が小さくなりすぎ
て、バインダー樹脂と磁性粉等を均一に混合することが
困難になるためである。
【0034】また、上記のキャリアにおける磁性粉の含
有量が少ないと、現像剤搬送部材にキャリアが十分に磁
気的に拘束されず、キャリアが像担持体に付着しやすく
なる一方、キャリアの磁性粉の含有量が多くなりすぎる
と、現像剤搬送部材上においてキャリアが部分的に凝集
して現像剤の磁気ブラシの密度が粗くなり、現像剤搬送
部材上に均一な現像剤の薄層を形成することが困難にな
り、形成される画像に濃度ムラが生じたり、ハーフトー
ン画像や高繊細な画像の再現性が低下する。このため、
磁性粉をバインダー樹脂100重量部に対して250〜
400重量部の範囲で加えることが望ましい。
【0035】また、上記のキャリアにおける体積平均粒
径が小さいと、キャリアが現像剤搬送部材に十分に拘束
されず、像担持体に付着するという問題が生じる一方、
その体積平均粒径が大きくなりすぎると、現像剤搬送部
材上に形成される現像剤の磁気ブラシの密度が粗くな
り、現像剤搬送部材上に均一な現像剤の薄層を形成する
ことができず、形成される画像に濃度ムラが生じたり、
ハーフトーン画像や高繊細な画像の再現性が低下する。
このため、上記のキャリアとしては、体積平均粒径が1
0〜50μm、好ましくは20〜45μm、より好まし
くは25〜40μmの範囲のものを用いるようにする。
【0036】また、上記のキャリアにおける動的電流値
が高くなると、キャリアの帯電量が低くなってトナーを
十分に帯電させることができなくなり、また上記のよう
に振動電界を作用させて現像剤搬送部材からトナーを像
担持体に供給する際に、キャリアが像担持体に付着しや
すくなる一方、その動的電流値が低くなりすぎると、帯
電の立上りが悪くなったり、撹拌に伴い帯電量が高くな
りすぎると共に、像担持体に形成された静電潜像を現像
する際に、静電潜像のエッジ部分において電気力線がま
わり込み、このエッジ部分における電界が強くなり、エ
ッジ部分が強く現像されるようになる。このため、上記
のキャリアとしては、動的電流値が5〜50nA、好ま
しくは15〜45nAの範囲ものを用いるようにする。
【0037】また、現像を行なうにあたって上記のよう
に現像領域における現像剤搬送部材と像担持体との間に
振動電界を作用させる場合、この振動電界が弱いと、ト
ナーが放出された後のキャリアにおける電荷の移動が悪
く、キャリアにカウンターチャージが残り、キャリアが
像担持体に付着しやすくなる一方、この振動電界が強く
なりすぎると、現像剤搬送部材と像担持体との間でリー
クが起こりやすくなるため、現像領域における現像剤搬
送部材と像担持体との間隔をDs、印加する交流電圧の
ピーク・ピーク値をVp-p とした場合に、振動電界(V
p-p /Ds)を3.5kV/mm≦Vp-p /Ds≦5.
5kV/mmになるようにすることが好ましい。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る現像方法の
実施形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0039】ここで、この発明の現像方法を実施するの
に用いる現像装置の一例を図1に基づいて具体的に説明
する。
【0040】この現像装置10においては、図1に示す
ように、その内部にトナーTとキャリアとを含む現像剤
1を収容させており、この現像剤1を搬送させる現像剤
搬送部材11として、複数の磁極N1 ,S1 ,N2 ,S
2 ,N3 を有するマグネットローラ11aが内周側に設
けられた円筒状の現像スリーブ11を用い、この現像ス
リーブ11を現像領域において像担持体2である感光体
2と適当な間隔Dsを介して対向するようにして、回転
可能に配置させている。
【0041】そして、この現像スリーブ11を感光体2
とは逆方向、すなわち現像スリーブ11と感光体2とが
対向する現像領域では現像スリーブ11と感光体2とが
同方向に移動するように回転させ、この現像スリーブ1
1の回転に伴って現像装置10内に収容された現像剤1
を、上記のマグネットローラ11aによる磁力作用によ
り磁気ブラシの状態で感光体2側に搬送させるようにし
ている。
【0042】また、上記の現像スリーブ11には現像バ
イアス電源12を接続させており、この現像バイアス電
源12から交流電圧或いは交流電圧に直流電圧を重畳さ
せた現像バイアス電圧を印加させて、現像領域に振動電
界を作用させるようにしている。
【0043】そして、上記の現像スリーブ11と感光体
2とが対向する現像領域よりも現像剤1の搬送方向上流
側で、前記のマグネットローラ11aの磁極N1 と対向
する位置において、磁性ブレード13を現像スリーブ1
1と所要間隔を介して設け、この磁性ブレード13によ
って現像スリーブ11上における現像剤1の量を規制す
るようにしている。
【0044】また、この現像装置10においては、その
上部にトナーTを収容させたトナー収容部14を設けて
おり、現像スリーブ11から現像剤1中におけるトナー
Tを感光体2に供給して現像を行った結果、現像装置1
0内における現像剤1中のトナー濃度が低下した場合に
は、このトナー収容部14の下に設けられたトナー補給
ローラ15を回転させて、トナー収容部14内に収容さ
れたトナーTを現像装置10内の現像剤1に補給し、こ
のように補給されたトナーTを、現像装置10内に設け
られた混合撹拌部材16により現像剤1と混合撹拌して
現像スリーブ11に供給するようになっている。
【0045】そして、この現像装置10においては、上
記のように現像スリーブ11と感光体2とが対向する現
像領域よりも現像剤1の搬送方向上流側に設けられた磁
性ブレード13によって現像スリーブ11上における現
像剤1の量を規制し、現像剤1をこの現像スリーブ11
上で薄層状態にして感光体2と対向する現像領域に搬送
し、上記の現像バイアス電源12から現像バイアス電圧
を印加させて、この現像領域に振動電界を作用させ、現
像スリーブ11によって搬送されてきた現像剤1中にお
けるトナーTを現像スリーブ11から感光体2の潜像部
分に供給して現像を行なうようになっている。
【0046】次に、上記の現像装置10において使用す
る現像剤1中におけるトナー及びバインダー型キャリア
の種類を変更させて実験を行ない、この発明に示される
条件を満たすバインダー型キャリアを使用することが好
ましいということを明らかにする。
【0047】ここで、キャリアに使用するバインダー樹
脂として下記のようにして製造した酸価の異なる7種類
の樹脂(1)〜(7)を用いるようにした。
【0048】樹脂(1)を製造するにあたっては、スチ
レン120gと、ブチルメタクリレート80gとを窒素
置換したフラスコ内に仕込み、内部温度を130℃に昇
温させた後、この温度で10時間重合を行ない、その
後、キシレンを100g加え、さらにアゾビスイソブチ
ロニトリル0.5gをキシレン100gに溶解させた溶
液を140℃に保ちながら10時間かけて連続添加し、
更に2時間重合を行なって樹脂(1)を得た。なお、こ
の樹脂(1)の酸価をJIS K5400法により測定
したところ、0KOHmg/gであった。
【0049】樹脂(2)を製造するにあたっては、スチ
レン120gと、ブチルメタクリレート75gと、メタ
クリル酸5gとを窒素置換したフラスコ内に仕込み、そ
の後は上記の樹脂(1)の場合と同様にして樹脂(2)
を得た。なお、この樹脂(2)の酸価は3KOHmg/
gであった。
【0050】樹脂(3)を製造するにあたっては、スチ
レン100gと、ブチルメタクリレート50gと、メチ
ルメタクリレート40gと、メタクリル酸10gとを窒
素置換したフラスコ内に仕込み、その後は上記の樹脂
(1)の場合と同様にして樹脂(3)を得た。なお、こ
の樹脂(3)の酸価は5KOHmg/gであった。
【0051】樹脂(4)を製造するにあたっては、スチ
レン110gと、ブチルメタクリレート75gと、メタ
クリル酸15gとを窒素置換したフラスコ内に仕込み、
その後は上記の樹脂(1)の場合と同様にして樹脂
(4)を得た。なお、この樹脂(4)の酸価は8KOH
mg/gであった。
【0052】樹脂(5)を製造するにあたっては、ポリ
オキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン370gと、ポリオキシエチ
レン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン150gと、テレフタル酸ジメチル230
gと、イソドデセニル無水コハク酸40gとをガラス製
の3リットルの4つ口フラスコに入れ、このフラスコに
温度計とステンレス製撹拌棒と流下式コンデンサーと窒
素導入管とを取り付け、マントルヒーターの中で窒素気
流下において200℃の温度で撹拌しながら反応させて
樹脂(5)を得た。なお、この樹脂(5)の酸価は2K
OHmg/gであった。
【0053】樹脂(6)を製造するにあたっては、スチ
レン110gと、ブチルメタクリレート30gと、メタ
クリル酸60gとを窒素置換したフラスコ内に仕込み、
その後は上記の樹脂(1)の場合と同様にして樹脂
(6)を得た。なお、この樹脂(6)の酸価は30KO
Hmg/gであった。
【0054】樹脂(7)を製造するにあたっては、ポリ
オキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン350gと、ポリオキシエチ
レン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン330gと、イソフタル酸400gと、
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸80gと、ジブチ
ル錫オキシド2gとをガラス製の3リットルの4つ口フ
ラスコに入れ、その後は上記樹脂(5)の場合と同様に
して樹脂(7)を得た。なお、この樹脂(7)の酸価は
45KOHmg/gであった。
【0055】次に、上記の樹脂(1)〜(7)をバイン
ダー樹脂として使用してバインダー型キャリアA〜Jを
得た。
【0056】ここで、キャリアAを製造するにあたって
は、酸価が0KOHmg/g,Tgが60℃の上記の樹
脂(1)を100重量部、磁性粉(戸田工業社製;EP
T−1000)を400重量部、BET比表面積が95
0m2 /gでpHが9.5のカーボンブラック(ライオ
ン油脂社製;ケッチェンブラックEC)を5重量部、B
ET比表面積が170m2 /gのシリカ(ワッカー社
製;H2000)を2重量部の割合で用いるようにし
た。
【0057】そして、これらをヘンシェルミキサーによ
り十分混合した後、ベント二軸混練装置により180℃
で溶融混練し、これを冷却させた後、フェザーミルによ
り粗粉砕し、更にジェット粉砕機(IDS−2型)によ
り微粉砕し、その後、これを風力分級し、更にサフュー
ジングシステム(日本ニューマチック工業社製;SFS
−1型)により300℃で加熱処理し、平均粒径が約3
5μmになったキャリアAを得た。
【0058】キャリアBを製造するにあたっては、酸価
が3KOHmg/g,Tgが62℃の上記の樹脂(2)
を100重量部、磁性粉(TDK社製;MFP−2)を
350重量部、BET比表面積が950m2 /gでpH
が9.5のカーボンブラック(ライオン油脂社製;ケッ
チェンブラックEC)を3重量部、BET比表面積が1
80m2 /gのシリカ(日本アエロジル社製;#20
0)を1.5重量部の割合で用い、それ以外については
上記のキャリアAの場合と同様にして製造し、平均粒径
が約30μmになったキャリアBを得た。
【0059】キャリアCを製造するにあたっては、酸価
が5KOHmg/gでTgが60℃の上記の樹脂(3)
を100重量部、磁性粉(戸田工業社製;EPT−10
00)を400重量部、BET比表面積が1270m2
/gでpHが9.5のカーボンブラック(ライオン油脂
社製;ケッチェンブラックEC−DJ600)を2重量
部、BET比表面積が170m2 /gのシリカ(ワッカ
ー社製;H2000)を2重量部の割合で用い、それ以
外については上記のキャリアAの場合と同様にして製造
し、平均粒径が約30μmになったキャリアCを得た。
【0060】キャリアDを製造するにあたっては、酸価
が8KOHmg/g,Tgが61℃の上記の樹脂(4)
を100重量部、磁性粉(チタン工業社製;RB−B
L)を300重量部、BET比表面積が1270m2
gでpHが9.5のカーボンブラック(ライオン油脂社
製;ケッチェンブラックEC−DJ600)を5重量
部、BET比表面積が225m2 /gのシリカ(ワッカ
ー社製;H3004F)を3重量部の割合で用い、それ
以外については上記のキャリアAの場合と同様にして製
造し、平均粒径が約35μmになったキャリアDを得
た。
【0061】キャリアEを製造するにあたっては、酸価
が2KOHmg/g,Tgが60℃の上記の樹脂(5)
を100重量部、磁性粉(チタン工業社製;RB−B
L)を400重量部、BET比表面積が1180m2
gでpHが9.5のカーボンブラック(ライオン油脂社
製;ケッチェンブラックEC−DJ500)を5重量
部、BET比表面積が180m2 /gのシリカ(日本ア
エロジル社製;#200)を3重量部の割合で用い、そ
れ以外については上記のキャリアAの場合と同様にして
製造し、平均粒径が約40μmになったキャリアEを得
た。
【0062】キャリアFを製造するにあたっては、酸価
が5KOHmg/g,Tgが60℃の上記の樹脂(3)
を100重量部、磁性粉(TDK社製;MFP−2)を
250重量部、BET比表面積が950m2 /gでpH
が9.5のカーボンブラック(ライオン油脂社製;ケッ
チェンブラックEC)を8重量部、BET比表面積が1
80m2 /gのシリカ(日本アエロジル社製;#20
0)を2重量部の割合で用い、それ以外については上記
のキャリアAの場合と同様にして製造し、平均粒径が約
30μmになったキャリアFを得た。
【0063】キャリアGを製造するにあたっては、酸価
が30KOHmg/g,Tgが60℃の上記の樹脂
(6)を100重量部、磁性粉(チタン工業社製;RB
−BL)を300重量部、BET比表面積が94m2
gでpHが9.0のカーボンブラック(CABOT社
製;REGAL330)を5重量部、BET比表面積が
170m2 /gのシリカ(ワッカー社製;H2000)
を3重量部の割合で用い、それ以外については上記のキ
ャリアAの場合と同様にして製造し、平均粒径が約35
μmになったキャリアGを得た。
【0064】キャリアHを製造するにあたっては、酸価
が45KOHmg/g,Tgが65℃の上記の樹脂
(7)を100重量部、磁性粉(チタン工業社製;RB
−BL)を400重量部、BET比表面積が950m2
/gでpHが9.5のカーボンブラック(ライオン油脂
社製;ケッチェンブラックEC)を5重量部、BET比
表面積が250m2 /gのシリカ(日本アエロジル社
製;R976)を3重量部の割合で用い、それ以外につ
いては上記のキャリアAの場合と同様にして製造し、平
均粒径が約40μmになったキャリアHを得た。
【0065】キャリアIを製造するにあたっては、酸価
が45KOHmg/g,Tgが65℃の上記の樹脂
(7)を100重量部、磁性粉(TDK社製;MFP−
2)を300重量部、BET比表面積が250m2 /g
でpHが3.5のカーボンブラック(三菱化学社製;#
970)を8重量部、BET比表面積が180m2 /g
のシリカ(日本アエロジル社製;#200)を2重量部
の割合で用い、熱処理を行なわない以外については上記
のキャリアAの場合と同様にして製造し、平均粒径が約
30μmになったキャリアIを得た。
【0066】キャリアJを製造するにあたっては、酸価
が45KOHmg/gでTgが65℃の上記の樹脂
(7)を100重量部、磁性粉(チタン工業社製;RB
−BL)を400重量部、BET比表面積が950m2
/gでpHが9.5のカーボンブラック(ライオン油脂
社製;ケッチェンブラックEC)を5重量部、BET比
表面積が250m2 /gのシリカ(日本アエロジル社
製;R976)を3重量部の割合で用い、熱処理温度を
350℃にした以外については上記のキャリアAの場合
と同様にして製造し、平均粒径が約40μmになったキ
ャリアJを得た。
【0067】なお、上記の各キャリアA〜Jの平均粒径
については、コールターマルチサイザー(コールターカ
ウンタ社製)を用い、280μmのアパーチャーチュー
ブで粒径別相対体積分布を測定して求めた。
【0068】また、上記のようにして製造した各キャリ
アA〜Jについて動的電流値及び各キャリアの表面に存
在する磁性粉の量を求め、その結果を各キャリアA〜J
に使用したバインダー樹脂の酸価と合わせて下記の表1
に示した。
【0069】ここで、各キャリアA〜Jにおける動的電
流値を測定するにあたっては、図2に示すように、内部
にマグネットローラ21が設けられて磁束密度が100
0ガウスになったスリーブローラ22上にキャリア3を
5g供給すると共に、このスリーブローラ22と電極管
23との間隔を1mmに設定し、上記のマグネットロー
ラ21を50rpmで回転させると共に、直流電源24
から500Vの直流電圧を印加し、キャリア3を通して
電極管23に流れた電流値を電流計25により測定し、
これを動的電流値として示した。
【0070】また、表面に存在する磁性粉の量について
は、各キャリアA〜Jに使用されている磁性粉を希塩酸
に溶解し、分光光度計を用いてその分光透過率を測定
し、透過率が50%になる波長λと溶液中における磁性
粉含有量との検量線を求める一方、各キャリアA〜J及
び希塩酸を検量し、ガラスビン中で30分間混合して各
キャリアA〜Jの表面における磁性粉を溶出させ、この
溶出液を濾過し、分光光度計によりこの濾液の分光透過
率を測定し、透過率が50%になる波長を求め、上記の
検量線から溶液中における磁性粉の量を求めるようにし
た。
【0071】
【表1】
【0072】この結果、上記のキャリアA〜Jにおい
て、キャリアA〜Fがこの発明の条件を満たしていた。
【0073】一方、上記のキャリアと混合させるトナー
としては、下記のようにして製造した2種類のトナー
a,bを用いるようにした。
【0074】ここで、トナーa,bに使用するバインダ
ー樹脂として、下記のようにして製造した2種類のポリ
エステル樹脂(1),(2)を用いるようにした。
【0075】ポリエステル樹脂(1)を製造するにあた
っては、2リットルの4つ口フラスコに還流冷却器,水
分離装置,窒素ガス導入管,温度計,撹拌装置を取り付
け、この4つ口フラスコをマントルヒーター内に設置
し、この4つ口フラスコ内にアルコール成分として、ポ
リオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンを735gとポリオキシエ
チレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンを292.5g、2価のカルボン酸とし
てテレフタル酸を448.2g、3価のカルボン酸とし
てトリメリット酸を22g加え、上記フラスコ内に窒素
を導入しながら、これらを撹拌させて220℃で反応さ
せた。そして、この反応の進行を酸価を測定しながら追
跡し、所定の酸価に達した時点で反応を終了させて、軟
化点が105.1℃のポリエステル樹脂(1)を得た。
【0076】また、ポリエステル樹脂(2)を製造する
にあたっては、上記の4つ口フラスコ内に、アルコール
成分としてポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを735g
と、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンを292.5g、2価
のカルボン酸としてテレフタル酸を249gとコハク酸
を177g、3価のカルボン酸としてトリメリット酸を
22g加え、それ以外については上記のポリエステル樹
脂(1)の場合と同様にして、軟化点が150.1℃の
ポリエステル樹脂(2)を得た。
【0077】そして、トナーaを製造するにあたって
は、上記のポリエステル樹脂(1)を65重量部、ポリ
エステル樹脂(2)を35重量部、酸化型ポリプロピレ
ン(三洋化成工業社製:ビスコールTS−200)を3
重量部、負荷電制御剤(オリエント化学工業社製:ボン
トロンS−34)を5重量部、pH2.5のカーボンブ
ラック(キャボット社製:モーガルL)を8重量部の割
合にして、これらを十分混合した後、ベント二軸混練装
置により140℃で溶融混練し、この混練物を冷却させ
た後、フェザーミルで粗粉砕し、更にジェット粉砕機で
微粉砕し、その後、風力分級して体積平均粒径が9μm
の黒色微粉末を得た。そして、この黒色微粉末100重
量部に対して、疎水性シリカ(ワッカー社製;H−20
00)を0.3重量部添加し、これをヘンシェルミキサ
ー(三井三池化工機社製)により1000rpmで1分
間処理して負帯電性のトナーaを得た。
【0078】また、トナーbを製造するにあたっては、
上記のトナーaの製造において、上記の負荷電制御剤
(オリエント化学工業社製:ボントロンS−34)にか
えて、サリチル酸金属錯塩(オリエント化学工業社製;
E−84)を5重量部加えるようにし、それ以外につい
ては上記トナーaの場合と同様にして平均粒径が約8.
5μmになった負帯電性のトナーbを得た。
【0079】そして、この実験においては、実施例1〜
6及び比較例1〜4の各現像剤として、上記のようにし
て製造したキャリアA〜Jとトナーa,bを下記の表2
に示すように組み合わせて用い、それぞれトナーの重量
比が10重量%になった現像剤を調整した。
【0080】そして、このように調整した各現像剤につ
いてトナーの帯電量及び逆帯電トナー量を求め、その結
果を表2に合わせて示した。
【0081】ここで、実施例1〜6及び比較例1〜3に
使用する各現像剤におけるトナーの帯電量を求めるにあ
たっては、これらの各現像剤をそれぞれ50ccのポリ
容器に入れ、回転架台に置いて120rpmで3分間,
10分間,60分間及び600分間回転させた各現像剤
を調整した。
【0082】そして、図3に示す装置を用い、上記のよ
うに調整した各現像剤をそれぞれ精密天秤で1g計量
し、このように計量した各現像剤をそれぞれ導電性スリ
ーブ31の表面全体に均一になるように載せると共に、
この導電性スリーブ31内に設けられたマグネットロー
ル32の回転数を100rpmにセットし、バイアス電
源33からバイアス電圧として、トナーの帯電電位と逆
の3kVの電圧を印加し、30秒間上記のマグネットロ
ール32を回転させ、このマグネットロール32を停止
した時点で円筒電極34における電位Vmを読み取ると
共に、上記の導電性スリーブ31からこの円筒電極34
に付着したトナーの重量を精密天秤で計量し、各トナー
の平均帯電量(μC/g)を求めた。
【0083】また、実施例1〜6及び比較例1〜3に使
用する各現像剤における逆帯電トナー量を求めるにあた
っては、実施例1〜6及び比較例1〜3に使用する各現
像剤を、前記のようにポリ容器に入れて60分間回転さ
せた各現像剤を調整し、上記の場合と同様に、各現像剤
をそれぞれ導電性スリーブ31上に均一になるように載
せ、上記のバイアス電源33からバイアス電圧として、
トナーと同極性の1kVの電圧を印加し、上記の帯電量
の測定の場合と同様にマグネットロール32を回転さ
せ、円筒電極34に付着した各トナーの重量を精密天秤
で計量し、全トナー量に対する逆帯電トナーの量(wt
%)を求めた。
【0084】
【表2】
【0085】この結果、実施例1〜6に使用する各現像
剤においては、その現像剤中におけるトナーの帯電量が
安定していたのに対して、比較例1〜3において使用す
る各現像剤においては、その現像剤中におけるトナーの
帯電立上りが悪い上に、その帯電も十分に行なわれてお
らず、また比較例4において使用する現像剤の場合に
は、トナーの帯電立上りはよいが、トナーが過剰に帯電
されてしまい、また逆帯電トナーの量についても、実施
例1〜6に使用する各現像剤の場合、逆帯電トナーの量
が少なかったのに対して、比較例1〜4に使用する各現
像剤においては逆帯電トナーの量が多くなっていた。
【0086】次に、実施例1〜6及び比較例1〜4にお
いて、上記の各現像剤を前記の図1に示した現像装置1
0に使用し、上記の現像スリーブ11と磁性ブレード1
3との間隔を調整して現像スリーブ11によって現像領
域に搬送される現像剤1の搬送量を5.0mg/cm2
に調整すると共に、感光体2と現像スリーブとの対向部
における最短間隔を0.3mm、感光体2の周速度を1
65mm/s、現像スリーブ11の周速度を300mm
/sに調整し、上記の感光体2においてトナーTを供給
する部分の表面電位が−450V,トナーTを供給しな
い部分の表面電位が−100Vになるようにした。
【0087】そして、現像スリーブ11と感光体2とが
対向する現像領域において、前記の現像バイアス電源1
2から−350Vの直流電圧と、ピーク・ピーク値Vp-
p が1.4kV,周波数が3kHzの矩形波でduty
比(現像:回収)が1:1になった交流電圧とを重畳さ
せた現像バイアス電圧を印加させて反転現像を行ない、
形成された画像の評価を行なうようにした。
【0088】ここで、形成された画像の評価について
は、初期と1万枚と10万枚の画像形成時における濃度
ムラ、キャリア付着及びカブリを調べ、その結果を下記
の表3に示した。ここで、濃度ムラについては、目視に
よる5段階の評価を行ない、濃度ムラが全くみられない
場合を5、濃度ムラが僅かに存在するが問題にはならな
い場合を4、濃度ムラがある程度存在する場合を3、濃
度ムラがかなりある場合を2、濃度ムラがひどい場合を
1で示した。また、キャリア付着についても目視による
5段階の評価を行ない、キャリア付着が全くみられない
場合を5、キャリア付着が僅かに存在するが問題にはな
らない場合を4、キャリア付着がある程度存在する場合
を3、キャリア付着がかなりある場合を2、キャリア付
着がひどい場合を1で示した。また、カブリについても
目視による5段階の評価を行ない、カブリが全くみられ
ない場合を5、カブリが僅かに存在するが問題にはなら
ない場合を4、カブリがある程度存在する場合を3、カ
ブリがかなりある場合を2、カブリがひどい場合を1で
示した。
【0089】
【表3】
【0090】この結果、現像剤におけるキャリアにこの
発明の条件を満たすバインダー型キャリアを用いた実施
例1〜6のものにおいては、長期に渡って濃度ムラやキ
ャリア付着やカブリの少ない良好な画像が安定して得ら
れたのに対して、この発明の条件を満たしていないバイ
ンダー型キャリアを用いた比較例1〜4のものにおいて
は、初期より濃度ムラやキャリア付着やカブリが発生し
たり、また初期に発生しなくても、画像形成枚数の増加
にともなって濃度ムラやキャリア付着やカブリが発生し
て次第に形成される画像の状態が悪くなっていた。
【0091】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
現像方法によって現像を行なうと、像担持体上に供給さ
れたトナーが現像剤搬送部材上における現像剤の磁気ブ
ラシによって掻き取られて、像担持体上に形成されたト
ナー像が乱れたり、キャリアが像担持体に付着して、形
成された画像にキャリアによる抜けが発生したり、付着
したキャリアによって像担持体が傷つき、形成される画
像に筋状のノイズや斑点状のノイズが発生するというこ
とが少なく、さらに多くの現像剤が像担持体と対向する
現像領域に搬送されて、形成される画像にカブリが生じ
たり、また負帯電性のトナーが初期より適切に帯電さ
れ、良好な画像が安定して得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の現像方法を実施するのに使用する現
像装置の一例を示した概略説明図である。
【図2】キャリアにおける動的電流値を測定する状態を
示した概略説明図である。
【図3】トナーの帯電量を測定するのに使用した装置の
概略説明図である。
【符号の説明】
1 現像剤 2 像担持体(感光体) 3 キャリア 10 現像装置 11 現像剤搬送部材(現像スリーブ) 11a マグネットローラ 12 現像バイアス電源 T トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武中 浩一 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大 阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−301956(JP,A) 特開 平6−11906(JP,A) 特開 平6−222647(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/107

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現像剤搬送部材によりトナーとキャリア
    とを含む現像剤をこの現像剤搬送部材上に薄層状態にし
    て像担持体と対向する現像領域に搬送し、この現像領域
    に振動電界を作用させて、現像剤搬送部材から現像剤中
    のトナーを像担持体に供給して現像を行なう現像方法に
    おいて、上記のトナーに負帯電性のトナーを用いると共
    に、上記のキャリアとして、酸価が0〜20KOHmg
    /gのバインダー樹脂100重量部に対して磁性粉が
    50〜400重量部の範囲で分散された混練物を粉砕
    し、これを加熱処理させて、その表面に存在する磁性粉
    の量がキャリアに含まれる磁性粉全体の5〜30重量%
    になったバインダー型キャリアを用いたことを特徴とす
    る現像方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した現像方法において、
    上記の現像剤搬送部材によって現像領域に搬送される現
    像剤の量を0.7〜10.0mg/cm2 にしたことを
    特徴とする現像方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載した現像方法にお
    いて、前記のキャリアにBET比表面積が700〜14
    00m2 /gのカーボンブラックが含有されていること
    を特徴とする現像方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載した現
    像方法において、前記のキャリアにpH7以上のカーボ
    ンブラックを含有させたことを特徴とする現像方法。
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