JP3407413B2 - エンコーダのオフセット補正方法 - Google Patents

エンコーダのオフセット補正方法

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JP3407413B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクリメンタル方式の
エンコーダに関わり、そのオフセット電圧を除去するこ
とにより1ピッチ内の回転位置を精度よく検出するエン
コーダのオフセット補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気式エンコーダのオフセット補
正回路のブロック図を図3に示す(特開平1−9261
2)。図によれば、A相信号及びB相信号は検出タイミ
ング演算器にも入力され、そこでオフセット補正用信号
AH、AL、BH、及びBLを検出するためのタイミン
グ信号TAH、TAL、TBH及びTBLがつくられる。第1の
検出器はA相信号とタイミング信号TAHからオフセット
補正用信号AHを出力し、第2の検出器はA相信号とタ
イミング信号TALからオフセット補正用信号ALを出力
し、第3の検出器はB相信号とタイミング信号TBHから
オフセット補正用信号BHを出力し、第4の検出器はB
相信号とタイミング信号TBLからオフセット補正用信号
BLを出力する。A−オフセット演算器はオフセット補
正用信号AHとオフセット補正用信号ALから計算式O
SA=(AH+AL)/2によりA相オフセット信号O
SAを演算し、B−オフセット演算器はオフセット補正
用信号BHとオフセット補正用信号BLから計算式OS
B=(BH+BL)/2によりB相オフセットOSBを
計算する。A−減算器はA相信号f0 からA相オフセッ
ト信号OSAを減算してオフセット信号を除去したA相
信号出力f0 ’となし、B−減算器はB相信号g0 から
OSBを減算してオフセット信号を除去したB相信号出
力g0 ’となす。このオフセットが除去されたA相信号
及びB相信号を信号解析器に入力し逓倍することにより
着磁1ピッチ内の回転位置を精度よく検出することがで
きる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術で
はオフセットを検出するためのオフセット補正用信号A
H、AL、BH、BLを検出するためには少なくとも着
磁1ピッチの回転子の移動が必要であり着磁1ピッチの
移動の間はオフセットの補正がきかないという問題点が
ある。又、検出信号であるオフセット信号OSA、OS
Bは雰囲気温度などの環境により変化し回転子が停止中
に雰囲気温度などが変化するとオフセットを検出するた
めのオフセット補正用信号AH、AL、BH、BLを新
たに測定、記憶し直す必要がありやはりオフセットの補
正をするためには着磁1ピッチの移動が必要となるとい
う問題があった。オプティカルエンコーダの場合も磁気
エンコーダと同様、1スリットピッチの移動の間はオフ
セットの補正ができなかった。そこで、本発明は磁気エ
ンコーダの場合は、着磁1ピッチの移動をすることなく
オフセット電圧信号を除去し、オプティカルエンコーダ
の場合は、1スリットピッチの移動をすることなくオフ
セット電圧を除去し、1ピッチ内の高精度な位置信号を
出力するエンコーダのオフセット補正方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明は正弦波のA相信号と前記A相信号に対して
位相が90°ずれたB相信号を発生するエンコーダのオ
フセット補正方法において、前記A相信号と前記B相信
号を高周波発振器から出力される正弦波信号により各々
振幅変調し、前記の振幅変調された両信号を各々微分器
により微分し、前記の微分された両信号を各々、前記高
周波発振器から出力される前記正弦波信号により再度振
幅変調し、前記再度振幅変調された両信号を各々ローパ
スフィルタに通す。また、前記ローパスフィルタを通さ
れた両信号の比を演算し、前記両信号の比の逆正接を演
算する。また、正弦波のA相信号と前記A相信号に対し
て位相が90°ずれたB相信号を発生するエンコーダの
オフセット補正方法において、前記A相信号と前記B相
信号を高周波発振器から出力される正弦波信号により各
々振幅変調し、前記の振幅変調された両信号を各々微分
器により微分し、前記の微分された両信号を各々、前記
高周波発振器から出力される前記正弦波信号により再度
振幅変調し、前記再度振幅変調された両信号を各々ロー
パスフィルタに通し、前記ローパスフィルタを通された
両信号を各々積分器により積分し、前記積分器により積
分された両信号の比を演算し、前記積分器により積分さ
れた両信号の比の逆正接を演算する。
【0005】
【作用】A相信号、B相信号の振幅をA0 、A相信号の
オフセットをa、B相信号のオフセットをb、着磁1ピ
ッチ内の回転位相角をθとするとオフセットを持つA相
信号はf0 =A0・sinθ+a、オフセットを持つB相
信号はg0 =A0・cosθ+bと表され周波数ωの高周
波信号により振幅変調を加えることによりA相信号は f1 =A0・sinθ・ sinωt+a・ sinωt、 B相信号は g1 =A0・cosθ・ sinωt+b・ sinωtとな
る。 この信号f1 、g1 を微分器を通すことによりA相信号
は f2 =A0・cosθ・ (dθ/dt)・ sinωt+A
0・ω・ sinθ・ cosωt+a・ ω・ cosωt B相信号は g2 =−A0・sinθ・ (dθ/dt)・ sinωt+
0・ω・ cosθ・ cosωt+b・ ω・ cosωt 高周波発振器で前記f2 、g2 を各々再変調することに
よりA相信号は f3 =A0・cosθ・ (dθ/dt)・ sin2 ωt+
0・ω・ sinθ・ cosωt・ sinωt+a・ ω・
cosωt・sinωt =A0・cosθ・ (dθ/dt)・ (1−cos2ω
t)/2+(1/2)・ ω・ (A0・sinθ+a)・ s
in2ωt B相信号は g3 =−A0・sinθ・ (dθ/dt)・ sin2 ωt
+A0・ω・ cosθ・ cosωt・ sinωt+b・ ω
・ cosωt・sinωt =−A0・sinθ・ (dθ/dt)・ (1−cos2ω
t)/2+(1/2)・ ω・ (A0・cosθ+b)・ s
in2ωt このA相信号f3 、B相信号g3 を各々周波数2ω成分
を落とすローパスフィルタを通すことにより低周波信号
成分として、 f4 =(1/2)・ A0・cosθ・ (dθ/dt) g4 =−(1/2)・ A0・sinθ・ (dθ/dt) を得る。この2信号を除算器を通し、−(g4 /f4
を求めることによりtanθを得ることができる。又、
この2信号f4 、g4 を各々積分器を通すことにより f5 =(1/2)・ A0・sinθ g5 =(1/2)・ A0・cosθ なるオフセットが除去された2信号を得ることができ
る。
【0006】
【実施例】図1に本発明の第1の実施例を示す。オフセ
ットを有するA相入力信号f0 、B相入力信号g0 が磁
気エンコーダからの信号として信号処理回路に入力され
る。f0 及びg0 は掛算器21・22において高周波発
振器1の信号sinωtにより変調がかけられる(f
1 ,g1 )。信号f1 、g1 は微分器31、32により
各々微分される(f2 、g2 )。f2 、g2 は掛算器2
3、24により再び高周波発振器1の信号sinωtに
より変調がかけられる(f3 、g3 )。f3 、g3 はロ
ーパスフィルタ41、42により周波数の2ω成分が落
とされる(f4 、g4 )。f4 及びg4 を割算器5に入
力することによりtanθを得ることができる。この信
号をさらに逆正接回路6(arctan)を通すことに
より着磁1ピッチ内の回転位置θを高精度に求めること
ができる。図2に本発明の第2の実施例を示す。信号f
4 、g4 は第1の実施例と同じ処理により得られる。本
実施例ではf4 、g4 を積分することによりオフセット
電圧成分が除去されたA相信号、B相信号f5 、g5
得る。この信号を信号解析器に入力することにより着磁
1ピッチ内の回転位置θを高精度に得ることができる。
この信号解析器は、従来の位相差検出法や抵抗逓倍法な
どどれを用いてもよい。また本発明は、正弦波のA相信
号と90°位相のづれたB相信号を取り扱うため、磁気
エンコーダに限らず、光学式エンコーダにもちろん適用
できるものである。
【0007】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば1ピ
ッチの移動(A相信号で言えば、電気角で0から360
°の範囲に相当)をせずにエンコーダ信号からオフセッ
ト電圧成分を取り除くことができ、オフセット電圧成分
を含まないA相信号、B相信号が得られるため1ピッチ
内の回転位置を高精度に逓倍することができる。従来は
1ピッチ(電気角:360度)以上動かさなければ信号
処理できなかったが、本発明では百分の1ピッチ程度
(電気角:数度)動けば、オフセット補正ができるとい
う効果がある。オフセット補正ができるので、高精度な
回転角位置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例
【図2】本発明の第2の実施例
【図3】従来のオフセット除去回路
【符号の説明】
1 高周波発振器 21、22、23、24 掛算器 31、32 微分器 41、42 ローパスフィルタ 5 割算器 6 逆正接回路 7 エンコーダ 71、72 積分器 f0 A相入力信号 f1 変調されたA相信号 f2 微分器を通った後のA相信号 f3 再変調されたA相信号 f4 ローパスフィルタを通ったA相信号 g0 B相入力信号 g1 変調されたB相信号 g2 微分器を通った後のB相信号 g3 再変調されたB相信号 g4 ローパスフィルタを通ったB相信号 θ 着磁1ピッチ内の回転角 tanθ 着磁1ピッチ内の回転角θの正接 TAH、TAL、TBH、TBLタイミング信号 AH、AL、BH、BLオフセット補正用信号 f’0 オフセットが除去されたA相信号 g’0 オフセットが除去されたB相信号

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正弦波のA相信号と前記A相信号に対し
    て位相が90°ずれたB相信号を発生するエンコーダの
    オフセット補正方法において、 前記A相信号と前記B相信号を高周波発振器から出力さ
    れる正弦波信号により各々振幅変調し、 前記の振幅変調された両信号を各々微分器により微分
    し、 前記の微分された両信号を各々、前記高周波発振器から
    出力される前記正弦波信号により再度振幅変調し、 前記再度振幅変調された両信号を各々ローパスフィルタ
    に通すことを特徴とするエンコーダのオフセット補正方
    法。
  2. 【請求項2】 前記ローパスフィルタを通された両信号
    の比を演算し、 前記両信号の比の逆正接を演算することを特徴とする請
    求項1記載のエンコーダのオフセット補正方法。
  3. 【請求項3】 正弦波のA相信号と前記A相信号に対し
    て位相が90°ずれたB相信号を発生するエンコーダの
    オフセット補正方法において、 前記A相信号と前記B相信号を高周波発振器から出力さ
    れる正弦波信号により各々振幅変調し、 前記の振幅変調された両信号を各々微分器により微分
    し、 前記の微分された両信号を各々、前記高周波発振器から
    出力される前記正弦波信号により再度振幅変調し、 前記再度振幅変調された両信号を各々ローパスフィルタ
    に通し、 前記ローパスフィルタを通された両信号を各々積分器に
    より積分し、 前記積分器により積分された両信号の比を演算し、 前記積分器により積分された両信号の比の逆正接を演算
    することを特徴とするエンコーダのオフセット補正方
    法。
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