JP3406866B2 - セラミックス複合材料製造用有機金属橋掛け重合体及びその製造方法 - Google Patents
セラミックス複合材料製造用有機金属橋掛け重合体及びその製造方法Info
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- JP3406866B2 JP3406866B2 JP25868999A JP25868999A JP3406866B2 JP 3406866 B2 JP3406866 B2 JP 3406866B2 JP 25868999 A JP25868999 A JP 25868999A JP 25868999 A JP25868999 A JP 25868999A JP 3406866 B2 JP3406866 B2 JP 3406866B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、緻密度の高い複合セラ
ミックスの製造に適した有機金属橋掛け重合体に関す
る。
ミックスの製造に適した有機金属橋掛け重合体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】原子力分野,宇宙・航空分野等の極限環
境下で使用される材料として、耐熱性や機械的特性に優
れたSiC,Si3N4等、種々のセラミックス材料が開
発されてきた。セラミックス材料は、熱交換器,メカニ
カルシール等の過酷な条件に曝される部材としても使用
されている。なかでも、SiCは、耐熱性及び耐摩耗性
に優れていることは勿論、中性子照射条件下でも長寿命
の放射性核種が発生しにくいことを活用し、宇宙・航空
用途から原子力用途までの広範囲な分野において有望視
されている材料である。SiCは、融点が2600℃と
高温特性に優れているが、それ自体では脆い材料であ
る。そこで、SiC繊維で強化したSiC繊維/SiC
複合材料が提案されている[A.Lacombe and C.Bonnet,
2nd Int.Aerospace Planes Conf.Proc.AIAA-90-5208(19
90), C. W. Hollenberg et al., J. Nucl. Mat., 219,
(1995)70-86参照]。
境下で使用される材料として、耐熱性や機械的特性に優
れたSiC,Si3N4等、種々のセラミックス材料が開
発されてきた。セラミックス材料は、熱交換器,メカニ
カルシール等の過酷な条件に曝される部材としても使用
されている。なかでも、SiCは、耐熱性及び耐摩耗性
に優れていることは勿論、中性子照射条件下でも長寿命
の放射性核種が発生しにくいことを活用し、宇宙・航空
用途から原子力用途までの広範囲な分野において有望視
されている材料である。SiCは、融点が2600℃と
高温特性に優れているが、それ自体では脆い材料であ
る。そこで、SiC繊維で強化したSiC繊維/SiC
複合材料が提案されている[A.Lacombe and C.Bonnet,
2nd Int.Aerospace Planes Conf.Proc.AIAA-90-5208(19
90), C. W. Hollenberg et al., J. Nucl. Mat., 219,
(1995)70-86参照]。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】セラミックス複合材料
の製造に際し、繊維及びマトリックスの原料として有機
ケイ素重合体等の前躯体が使用されている。この場合、
有機ケイ素重合体を無機化するとき、非晶質材料では高
温での結晶化抑制や、結晶質材料では結晶の緻密化のた
め有機ケイ素重合体に有機金属化合物を架橋させる方法
が採用されている。しかし、有機金属化合物が無機化し
た際に十分に緻密化されず、得られた複合材料に比較的
多量の気泡が含まれ易い。複合材料中の気泡は、機械的
特性や耐熱性を低下させる応力欠陥の発生起点となる。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたもの
であり、Dy,Gd,Tb,Nd,Er等を含む有機金
属化合物を橋掛け重合させることにより、緻密化を促進
させて複合材料中の気泡を低減し、耐熱性及び高温強度
に優れたセラミックス複合材料の製造に適した有機金属
橋掛け重合体を提供することを目的とする。
の製造に際し、繊維及びマトリックスの原料として有機
ケイ素重合体等の前躯体が使用されている。この場合、
有機ケイ素重合体を無機化するとき、非晶質材料では高
温での結晶化抑制や、結晶質材料では結晶の緻密化のた
め有機ケイ素重合体に有機金属化合物を架橋させる方法
が採用されている。しかし、有機金属化合物が無機化し
た際に十分に緻密化されず、得られた複合材料に比較的
多量の気泡が含まれ易い。複合材料中の気泡は、機械的
特性や耐熱性を低下させる応力欠陥の発生起点となる。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたもの
であり、Dy,Gd,Tb,Nd,Er等を含む有機金
属化合物を橋掛け重合させることにより、緻密化を促進
させて複合材料中の気泡を低減し、耐熱性及び高温強度
に優れたセラミックス複合材料の製造に適した有機金属
橋掛け重合体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミックス複
合材料製造用有機金属橋掛け重合体は、その目的を達成
するため、主として−Si−CH2−結合単位及び−S
i−Si−結合単位からなり、水素原子,低級アルキル
基,アリール基,フェニル基又はシリル基がケイ素の側
鎖に結合しており、−Si−CH2−結合単位の全数と
−Si−Si−結合単位の全数との個数比が20:1か
ら1:20の範囲にあり、ケイ素と炭素との個数比が
2:1から1:2の範囲にある有機ケイ素ポリマー部分
と、該有機ケイ素ポリマー部分のケイ素原子の少なくと
も一部がDy,Gd,Tb,Nd,Erから選ばれた少
なくとも1種の金属(M)又は金属(M)及び酸素を介
して結合している部分とからなり、前記有機ケイ素ポリ
マー部分の−Si−CH2−結合単位及び−Si−Si
−結合単位の全数と−M−Si−結合単位及び−M−O
−Si−結合単位の全数との個数比が2:1から50
0:1の範囲にあり、数平均分子量が500〜100,
000であることを特徴とする。
合材料製造用有機金属橋掛け重合体は、その目的を達成
するため、主として−Si−CH2−結合単位及び−S
i−Si−結合単位からなり、水素原子,低級アルキル
基,アリール基,フェニル基又はシリル基がケイ素の側
鎖に結合しており、−Si−CH2−結合単位の全数と
−Si−Si−結合単位の全数との個数比が20:1か
ら1:20の範囲にあり、ケイ素と炭素との個数比が
2:1から1:2の範囲にある有機ケイ素ポリマー部分
と、該有機ケイ素ポリマー部分のケイ素原子の少なくと
も一部がDy,Gd,Tb,Nd,Erから選ばれた少
なくとも1種の金属(M)又は金属(M)及び酸素を介
して結合している部分とからなり、前記有機ケイ素ポリ
マー部分の−Si−CH2−結合単位及び−Si−Si
−結合単位の全数と−M−Si−結合単位及び−M−O
−Si−結合単位の全数との個数比が2:1から50
0:1の範囲にあり、数平均分子量が500〜100,
000であることを特徴とする。
【0005】この有機金属橋掛け重合体は、主として−
Si−CH2−結合単位及び−Si−Si−結合単位か
らなり、水素原子,低級アルキル基,アリール基,フェ
ニル基又はシリル基がケイ素の側鎖に結合しており、−
Si−CH2−結合単位の全数と−Si−Si−結合単
位の全数との個数比が20:1から1:20、ケイ素と
炭素との個数比が2:1から1:2、数平均分子量が5
00〜100,000の範囲にある有機ケイ素ポリマー
に、該記有機ケイ素ポリマーの−Si−CH2−結合単
位及び−Si−Si−結合単位の全数とM−X結合単位
又はM−R2結合単位の全数との個数比が10:1から
200:1なる量比で式(1)の有機金属化合物を混合
し、得られた混合物を不活性雰囲気中で加熱反応させて
前記有機ケイ素ポリマーのケイ素原子の少なくとも一部
を前記有機金属化合物の金属原子と結合させることによ
り製造される。
Si−CH2−結合単位及び−Si−Si−結合単位か
らなり、水素原子,低級アルキル基,アリール基,フェ
ニル基又はシリル基がケイ素の側鎖に結合しており、−
Si−CH2−結合単位の全数と−Si−Si−結合単
位の全数との個数比が20:1から1:20、ケイ素と
炭素との個数比が2:1から1:2、数平均分子量が5
00〜100,000の範囲にある有機ケイ素ポリマー
に、該記有機ケイ素ポリマーの−Si−CH2−結合単
位及び−Si−Si−結合単位の全数とM−X結合単位
又はM−R2結合単位の全数との個数比が10:1から
200:1なる量比で式(1)の有機金属化合物を混合
し、得られた混合物を不活性雰囲気中で加熱反応させて
前記有機ケイ素ポリマーのケイ素原子の少なくとも一部
を前記有機金属化合物の金属原子と結合させることによ
り製造される。
【0006】
MX4 又は MR1 nR2 (4-n) ・・・・(1)
ただし、M:Dy,Gd,Tb,Nd,Erから選ばれ
た少なくとも1種の金属 X:アセチルアセトキシ基 R1:カルボニル基,シクロペンタジエン基又はアセチ
ルアセトキシ基 R2:ハロゲン原子 n:1〜3の自然数
た少なくとも1種の金属 X:アセチルアセトキシ基 R1:カルボニル基,シクロペンタジエン基又はアセチ
ルアセトキシ基 R2:ハロゲン原子 n:1〜3の自然数
【0007】
【作用】本発明に従ったセラミックス複合材料製造用有
機金属橋掛け重合体は、酸素等の不純物で汚染されず、
且つ余剰炭素を生成することなく耐熱性を向上させるた
め、分子構造中の−Si−CH2−結合単位と−Si−
Si−結合単位の個数比を20:1から1:20の範囲
に特定している。−Si−Si−結合単位が多いと、反
応活性度が高くなって酸化し、構造中に不用意に酸素を
取り込んでしまうため耐熱性が著しく低下し易い。逆に
−Si−CH2−結合単位が多くなると、ポリマーの安
定性は向上するものの、C/Siの個数比が多くなって
余剰炭素が生成して耐熱特性が低下し、粘度の上昇に起
因して複合材料製造時の取扱いに支障を来す。
機金属橋掛け重合体は、酸素等の不純物で汚染されず、
且つ余剰炭素を生成することなく耐熱性を向上させるた
め、分子構造中の−Si−CH2−結合単位と−Si−
Si−結合単位の個数比を20:1から1:20の範囲
に特定している。−Si−Si−結合単位が多いと、反
応活性度が高くなって酸化し、構造中に不用意に酸素を
取り込んでしまうため耐熱性が著しく低下し易い。逆に
−Si−CH2−結合単位が多くなると、ポリマーの安
定性は向上するものの、C/Siの個数比が多くなって
余剰炭素が生成して耐熱特性が低下し、粘度の上昇に起
因して複合材料製造時の取扱いに支障を来す。
【0008】橋掛け重合に供する有機金属化合物の金属
元素としては、Dy,Gd,Tb,Nd,Erの1種又
は2種以上が使用される。これらの金属元素は、有機金
属橋掛け重合体の無機化に際し緻密化を促進させる作用
を呈すると共に、原料となるアセチルアセトネート等の
有機金属化合物を作製でき、重合体を橋掛け構造に変え
ることによって耐熱性を向上させ且つ無機化時の緻密化
を促進させる作用があり、セラミックス複合材料製造用
有機金属橋掛け重合体に適している。しかし、金属元素
の量が多すぎると、橋掛け構造が多くなって重合体の粘
度を上昇させ、含浸時の作業性低下や機械的特性の低下
等の原因となる。逆に金属元素の量が少なすぎると、耐
熱性が低下し、緻密化が進まず、機械的特性が低下す
る。このようなことから、−Si−CH2−結合単位及
び−Si−Si−結合単位の全数と−M−Si−結合単
位及び−M−O−Si−結合単位の全数との個数比を
2:1から500:1の範囲に維持するとき、緻密化を
促進させ、優れた耐熱性及び機械的特性を発現するセラ
ミックス複合体の製造に適した有貴金属橋掛け重合体が
得られる。
元素としては、Dy,Gd,Tb,Nd,Erの1種又
は2種以上が使用される。これらの金属元素は、有機金
属橋掛け重合体の無機化に際し緻密化を促進させる作用
を呈すると共に、原料となるアセチルアセトネート等の
有機金属化合物を作製でき、重合体を橋掛け構造に変え
ることによって耐熱性を向上させ且つ無機化時の緻密化
を促進させる作用があり、セラミックス複合材料製造用
有機金属橋掛け重合体に適している。しかし、金属元素
の量が多すぎると、橋掛け構造が多くなって重合体の粘
度を上昇させ、含浸時の作業性低下や機械的特性の低下
等の原因となる。逆に金属元素の量が少なすぎると、耐
熱性が低下し、緻密化が進まず、機械的特性が低下す
る。このようなことから、−Si−CH2−結合単位及
び−Si−Si−結合単位の全数と−M−Si−結合単
位及び−M−O−Si−結合単位の全数との個数比を
2:1から500:1の範囲に維持するとき、緻密化を
促進させ、優れた耐熱性及び機械的特性を発現するセラ
ミックス複合体の製造に適した有貴金属橋掛け重合体が
得られる。
【0009】
【実施例】製造例1:無水キシレン2.5リットル及び
金属ナトリウム400gを窒素気流中でキシレンの沸点
まで加熱し、ジメチルジクロロシラン1リットルを滴下
し、その状態で10時間加熱環流して沈殿物を生成させ
た。沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄した後、更に水
で洗浄し、ポリジメチルシランの白色粉末400gを得
た。ポリジメチルシランを窒素気流中で420℃に加熱
処理し、無色透明で若干粘性のある液体を留出受け器で
回収した。この液体は、VPO法による測定で980の
数平均分子量をもち、主として−Si−CH2−,−S
i−Si−,−Si−CH3−,−Si−H−の結合単
位からなる三次元ランダム構造をもつ有機ケイ素ポリマ
ーであった。
金属ナトリウム400gを窒素気流中でキシレンの沸点
まで加熱し、ジメチルジクロロシラン1リットルを滴下
し、その状態で10時間加熱環流して沈殿物を生成させ
た。沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄した後、更に水
で洗浄し、ポリジメチルシランの白色粉末400gを得
た。ポリジメチルシランを窒素気流中で420℃に加熱
処理し、無色透明で若干粘性のある液体を留出受け器で
回収した。この液体は、VPO法による測定で980の
数平均分子量をもち、主として−Si−CH2−,−S
i−Si−,−Si−CH3−,−Si−H−の結合単
位からなる三次元ランダム構造をもつ有機ケイ素ポリマ
ーであった。
【0010】有機ケイ素ポリマー30g及びジスプロシ
ウム(III)アセチルアセトネート9gを秤量し混合し
た。次いで、混合物にキシレン300mlを加え、均一
相の混合溶液を調製した。窒素雰囲気中で混合溶液を1
30℃に1時間加熱攪拌しながら環流反応させた。環流
反応終了後、溶媒のキシレンを留出し、更に300℃で
4時間重合反応させることによってSi及びDyを含む
有機金属橋掛け重合体を得た。合成された有機金属橋掛
け重合体は数平均分子量が約1400で、赤外分光法,
質量分析,1H−NMR及び29Si−NMRスペクトル
の測定結果から、−Si−CH2−結合単位,−Si−
Si−結合単位,−Si−Dy−結合単位及び−Dy−
O−Si−結合単位をもち、各結合単位の個数比が約2
0:2:1:1,重合体中のC/Si個数比が約0.6
であった。
ウム(III)アセチルアセトネート9gを秤量し混合し
た。次いで、混合物にキシレン300mlを加え、均一
相の混合溶液を調製した。窒素雰囲気中で混合溶液を1
30℃に1時間加熱攪拌しながら環流反応させた。環流
反応終了後、溶媒のキシレンを留出し、更に300℃で
4時間重合反応させることによってSi及びDyを含む
有機金属橋掛け重合体を得た。合成された有機金属橋掛
け重合体は数平均分子量が約1400で、赤外分光法,
質量分析,1H−NMR及び29Si−NMRスペクトル
の測定結果から、−Si−CH2−結合単位,−Si−
Si−結合単位,−Si−Dy−結合単位及び−Dy−
O−Si−結合単位をもち、各結合単位の個数比が約2
0:2:1:1,重合体中のC/Si個数比が約0.6
であった。
【0011】製造例2:無水テトラヒドロフラン800
ml及び金属カリウム105gを窒素気流中で70℃ま
で加熱し、ClSi(CH3)CH2Cl:10g,(C
6H5)HSiCl2:75g及び(CH3)2SiCl2:
90gの混合物を滴下し、その状態で8時間加熱環流し
て沈殿物を生成させた。沈殿物を濾過し、濾液から無水
テトラヒドロフランを除去して、白色スラリー状物質3
2gを得た。この白色スラリー状物質は、数平均分子量
が約600の有機ケイ素ポリマーであった。有機ケイ素
ポリマー30g及びガドリニウム (III)アセチルアセト
ネート24gを秤量し混合した。次いで、混合物にキシ
レン500mlを加え、均一相の混合溶液を調製した。
窒素雰囲気中で混合溶液を130℃に1時間加熱攪拌し
ながら環流反応させた。環流反応終了後、溶媒のキシレ
ンを留出し、更に300℃で4時間重合反応させること
によってSi及びGdを含む有機金属橋掛け重合体を得
た。合成された有機金属橋掛け重合体は数平均分子量が
約2800で、−Si−CH2,−Si−Si−,−G
d−Si−及び−Gd−O−Si−の結合単位をもち、
各結合単位の個数比が約50:4:3:2,C/Si個
数比が約1.2であった。
ml及び金属カリウム105gを窒素気流中で70℃ま
で加熱し、ClSi(CH3)CH2Cl:10g,(C
6H5)HSiCl2:75g及び(CH3)2SiCl2:
90gの混合物を滴下し、その状態で8時間加熱環流し
て沈殿物を生成させた。沈殿物を濾過し、濾液から無水
テトラヒドロフランを除去して、白色スラリー状物質3
2gを得た。この白色スラリー状物質は、数平均分子量
が約600の有機ケイ素ポリマーであった。有機ケイ素
ポリマー30g及びガドリニウム (III)アセチルアセト
ネート24gを秤量し混合した。次いで、混合物にキシ
レン500mlを加え、均一相の混合溶液を調製した。
窒素雰囲気中で混合溶液を130℃に1時間加熱攪拌し
ながら環流反応させた。環流反応終了後、溶媒のキシレ
ンを留出し、更に300℃で4時間重合反応させること
によってSi及びGdを含む有機金属橋掛け重合体を得
た。合成された有機金属橋掛け重合体は数平均分子量が
約2800で、−Si−CH2,−Si−Si−,−G
d−Si−及び−Gd−O−Si−の結合単位をもち、
各結合単位の個数比が約50:4:3:2,C/Si個
数比が約1.2であった。
【0012】SiC繊維/SiC複合材料の製造:製造
例1,2で得られた有機金属橋掛け重合体の50重量%
キシレン溶液を炭素被覆されたSi−Zr−C−O系繊
維(チラノ繊維製:ZMI−S5)の三次元織物(繊維
比率X方向:Y方向:Z方向=1:1:0.2,寸法:
120mm幅×240mm長さ×5mm厚さ)に含浸さ
せた。含浸後、真空乾燥し、焼成した。焼成条件として
は、Ar気流中100℃/時で1300℃まで昇温、1
300℃に1時間保持、室温まで炉冷を採用した。含浸
及び焼成を10回繰り返すことにより、セラミックス複
合材料を製造した。得られたセラミックス複合材料の閉
気孔率をアルキメデス法で測定したところ、8体積%と
低い閉気孔率を示し、十分に緻密化された材料であるこ
とが判った。また、大気雰囲気中で550MPa,14
00℃で540MPaの引張強さをもち、優れた耐熱性
を示した。
例1,2で得られた有機金属橋掛け重合体の50重量%
キシレン溶液を炭素被覆されたSi−Zr−C−O系繊
維(チラノ繊維製:ZMI−S5)の三次元織物(繊維
比率X方向:Y方向:Z方向=1:1:0.2,寸法:
120mm幅×240mm長さ×5mm厚さ)に含浸さ
せた。含浸後、真空乾燥し、焼成した。焼成条件として
は、Ar気流中100℃/時で1300℃まで昇温、1
300℃に1時間保持、室温まで炉冷を採用した。含浸
及び焼成を10回繰り返すことにより、セラミックス複
合材料を製造した。得られたセラミックス複合材料の閉
気孔率をアルキメデス法で測定したところ、8体積%と
低い閉気孔率を示し、十分に緻密化された材料であるこ
とが判った。また、大気雰囲気中で550MPa,14
00℃で540MPaの引張強さをもち、優れた耐熱性
を示した。
【0013】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、Dy,Gd,Tb,Nd,Er等の金属をもちいて
有機ケイ素ポリマーを橋掛け重合することにより有機金
属橋掛け重合体を得ている。この有機金属橋掛け重合体
は、特定された分子構造のため有機金属化合物の分解生
成物が気泡となって余剰炭素として焼成後に残存するこ
とがない。したがって、得られるセラミックス複合材料
は、緻密度が高く、優れた機械的特性及び耐熱性を呈
し、宇宙・航空用途から原子力用途までの広範な分野に
わたって使用される。
は、Dy,Gd,Tb,Nd,Er等の金属をもちいて
有機ケイ素ポリマーを橋掛け重合することにより有機金
属橋掛け重合体を得ている。この有機金属橋掛け重合体
は、特定された分子構造のため有機金属化合物の分解生
成物が気泡となって余剰炭素として焼成後に残存するこ
とがない。したがって、得られるセラミックス複合材料
は、緻密度が高く、優れた機械的特性及び耐熱性を呈
し、宇宙・航空用途から原子力用途までの広範な分野に
わたって使用される。
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フロントページの続き
(72)発明者 佐藤 光彦
山口県宇部市西岐波区今村東
(72)発明者 田中 吉積
山口県宇部市中山358―103
(56)参考文献 特開 昭58−213026(JP,A)
特開 昭63−182348(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08G 77/60
C08G 77/50
C08G 77/58
C04B 35/571
C04B 35/589
Claims (2)
- 【請求項1】 主として−Si−CH2−結合単位及び
−Si−Si−結合単位からなり、水素原子,低級アル
キル基,アリール基,フェニル基又はシリル基がケイ素
の側鎖に結合しており、−Si−CH2−結合単位の全
数と−Si−Si−結合単位の全数との個数比が20:
1から1:20の範囲にあり、ケイ素と炭素との個数比
が2:1から1:2の範囲にある有機ケイ素ポリマー部
分と、 該有機ケイ素ポリマー部分のケイ素原子の少なくとも一
部がDy,Gd,Tb,Nd,Erから選ばれた少なく
とも1種の金属(M)又は金属(M)及び酸素を介して
結合している部分とからなり、 前記有機ケイ素ポリマー部分の−Si−CH2−結合単
位及び−Si−Si−結合単位の全数と−M−Si−結
合単位及び−M−O−Si−結合単位の全数との個数比
が2:1から500:1の範囲にあり、数平均分子量が
500〜100,000であることを特徴とするセラミ
ックス複合材料製造用有機金属橋掛け重合体。 - 【請求項2】 主として−Si−CH2−結合単位及び
−Si−Si−結合単位からなり、水素原子,低級アル
キル基,アリール基,フェニル基又はシリル基がケイ素
の側鎖に結合しており、−Si−CH2−結合単位の全
数と−Si−Si−結合単位の全数との個数比が20:
1から1:20、ケイ素と炭素との個数比が2:1から
1:2、数平均分子量が500〜100,000の範囲
にある有機ケイ素ポリマーに、 該有機ケイ素ポリマーの−Si−CH2−結合単位及び
−Si−Si−結合単位の全数とM−X結合単位又はM
−R2結合単位の全数との個数比が10:1から20
0:1なる量比で、式(1)で表わされる有機金属化合
物を混合し、 得られた混合物を不活性雰囲気中で加熱反応させること
により、前記有機ケイ素ポリマーのケイ素原子の少なく
とも一部を前記有機金属化合物の金属原子と結合させる
ことを特徴とするセラミックス複合材料製造用有機金属
橋掛け重合体の製造方法。 MX4 又は MR1 nR2 (4-n) ・・・・(1) ただし、M:Dy,Gd,Tb,Nd,Erから選ばれ
た少なくとも1種の金属 X:アセチルアセトキシ基 R1:カルボニル基,シクロペンタジエン基又はアセチ
ルアセトキシ基 R2:ハロゲン原子 n:1〜3の自然数
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25868999A JP3406866B2 (ja) | 1999-09-13 | 1999-09-13 | セラミックス複合材料製造用有機金属橋掛け重合体及びその製造方法 |
PCT/JP2000/006145 WO2001019753A1 (fr) | 1999-09-13 | 2000-09-08 | Polymere organometallique ponte utilisable dans la preparation de materiau ceramique composite et procede de production |
EP00957047A EP1221433B1 (en) | 1999-09-13 | 2000-09-08 | Organometallic bridged polymer for use in preparing ceramic composite material and method for preparing the same |
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