JP3406245B2 - アルミニウム電解コンデンサ - Google Patents
アルミニウム電解コンデンサInfo
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Description
器に搭載されるアルミニウム電解コンデンサおよびそれ
に用いるコンデンサ素子の製造方法に関するものであ
る。
電解コンデンサ(以下、電解コンデンサという。)は、
図1に示すように、陽極箔、陰極箔およびセパレータを
巻回したコンデンサ素子2と、該コンデンサ素子2を収
納した有底筒状のアルミニウム製のコンデンサケース3
と、このコンデンサケース3の開放端側を塞ぐ合成樹脂
製の封口体4とを有している。封口体4の外端面には陽
極端子41および陰極端子42が構成され、これらの端
子41、42の下端部は、陽極内部端子43および陰極
内部端子44としてコンデンサ素子2から引き出された
陽極リードタブ21および陰極リードタブ22が電気的
に接続されている。ここで、陽極リードタブ21および
陰極リードタブ22は、いずれも200μm程度のアル
ミニウム箔を裁断したものである。これらのリードタブ
21、22のうち、陰極リードタブ22については陽極
酸化が施されていないものが使用される一方、陽極リー
ドタブ21については陽極酸化が施されたものが使用さ
れるが、いずれのリードタブ21、22についても、エ
ッチングなどの粗面化加工の施されていないプレンの厚
手のアルミニウム箔が用いられている。
ドタブ22のいずれにおいても、陽極箔あるいは陰極箔
との電気的な接続は、図4に示すように、陽極箔26お
よび陰極箔27の表面に陽極リードタブ21および陰極
リードタブ22を重ねた状態での加締め5(あるいは溶
接)などによってなされている。
電が起こるときの挙動は以下のとおりである。電解コン
デンサ1において、陰極箔27については、厚さがたと
えば20μm〜50μmのアルミニウム箔をエッチング
した後、陽極酸化で数ボルト程度の皮膜生成処理を施し
たものを用いる場合と、エッチングのみで強制的な皮膜
生成処理を行わないものを用いる場合とがあるが、強制
的に皮膜生成を行わない場合においてもアルミニウム箔
表面には大気中の水分または電解液中の水分と反応し
1.0V前後の耐圧の皮膜が生成しているので、電解コ
ンデンサの静電容量は、耐圧を保持する陽極箔酸化皮膜
の静電容量と陰極箔の静電容量の直列接続での合成容量
として表されることになる。ここで、陽極箔の単位面積
当たりの静電容量をCa(μF/cm2)、陰極箔の単
位体積当たりの静電容量をCc(μF/cm 2)とし、
電解コンデンサ1が充電された電圧をV、この電圧Vを
陽極側および陰極側で分担する電圧をVa、Vcとした
ときに、放電時に陰極箔27にかかる電圧Vc’は次の
〔数1〕のようになる。
が高過ぎると、陰極箔27に皮膜が生成しコンデンサ内
でガスが発生するなどといった好ましくない現象が起こ
る。従って、放電時に陰極箔27に電圧がかかっても陰
極箔27に皮膜が生成しない電圧をV’とすると、放電
時には次の〔数2〕を満たしていることが必要である。
から次の〔数3〕が導かれ〔数3〕を満たせば、放電時
に陰極箔に電圧がかかっても陰極箔27に皮膜が生成し
ない。
に、陰極箔27として、静電容量の大きなもの、あるい
は充放電電流によって陰極箔27に生成するであろう酸
化皮膜の耐圧分をあらかじめ皮膜生成させたものを用い
るなど、電解コンデンサ1の耐リプル性能、耐充放電性
能向上のため、陰極箔27あるいは陽極箔26、電解
液、セパレータなどの材料の開発または改良を主体とし
た対応がなされてきた。
うな基本材料の開発によって電解コンデンサ1の耐リプ
ル性能、耐充放電性能を向上するにも限界がある。すな
わち、本願発明者が繰り返し行った実験において、耐リ
プル試験、耐充放電試験を行った電解コンデンサ1を分
解調査し、解析したところ、単時間のうちに許容リプル
を遙かに超えるリプル電流が周期的に印加される回路に
用いる電解コンデンサ1には、いくら陰極箔27の静電
容量を増し、耐電圧のある皮膜をつけたものを用いて
も、陰極リードタブ22およびその周辺の陰極箔27上
に皮膜生成反応がおこるため、コンデンサ内でガスが発
生し、内圧上昇に起因する防爆弁作動等の不具合が発生
するということが判明した。
が起こるのを防止し、耐充放電性能および耐リプル電流
性能を大幅に向上させることのできる電解コンデンサを
提供することにある。
本発明では、陽極リードタブが接続されたアルミニウム
陽極箔と、陰極リードタブが接続されたアルミニウム陰
極箔とをセパレータを介して巻回または積層したコンデ
ンサ素子に駆動用電解液を含浸してなるアルミニウム電
解コンデンサにおいて、上記陰極リードタブの表面に、
粗面化加工を施したアルミニウム箔の小片を重ね、該小
片と陰極箔とを電気的接続したことを特徴としている。
極リードタブは、前記陰極箔に対して加締めあるいは溶
接されていることにより、当該陰極箔に対して電気的に
接続されていることを特徴としている。
単時間でかつ周期的に許容リプルを遙かに超えるリプル
電流が電解コンデンサに印加されると陰極リードタブ周
辺の陰極箔上に皮膜生成反応がおこる理由は、陰極リー
ドタブでは単位面積当りの容量が低いため、放電電流が
陰極リードタブに流れた際に陰極リードタブおよびその
周囲には高い電圧がかかるためであるという結論に到達
した。そこで、本発明では、前記陰極リードタブの表面
には、粗面化加工の施されたアルミニウム箔の小片を当
該陰極箔に電気的接続した状態で重ねておくので、陰極
リードタブが位置する部分で実際に陽極箔に対向するの
は、粗面化加工の施されたアルミニウム箔の小片であ
る。このような小片は、粗面化加工の施されている分、
単位面積当りの静電容量が大きいので、単時間のうちに
許容リプルを遙かに超えるリプル電流が周期的に電解コ
ンデンサに印加されても、陰極リードタブおよびその周
囲には高い電圧がかからない。それ故、陰極リードタブ
およびその周囲に皮膜生成が発生しないので、コンデン
サ内でのガス発生を防止できる。本発明において、前記
アルミニウム箔の小片は、前記陰極箔に加締めあるいは
溶接されていることにより、当該陰極箔に対して電気的
に接続されていることが好ましい。
形態を説明する。図1は、電解コンデンサの構造を模式
的に示す断面である。図2および図3はそれぞれ、本形
態に係る電解コンデンサに用いたコンデンサ素子の構造
を示す説明図、およびこのコンデンサ素子の製造方法を
示す説明図である。なお、本形態の電解コンデンサも、
従来の電解コンデンサと基本的な構造が共通するので、
対応する部分には同一の符号を付してある。
ンサ1では、エッチング箔に陽極酸化(化成処理)を施
した陽極箔26、陽極酸化皮膜を形成していないエッチ
ング箔あるいは薄い陽極酸化皮膜を形成したエッチング
箔からなる陰極箔27、およびセパレータ28を巻回し
たコンデンサ素子2と、該コンデンサ素子2を収納した
有底筒状のアルミニウム製のコンデンサケース3と、こ
のコンデンサケース3の開放端側を塞ぐ合成樹脂製の封
口体4と、コンデンサケース3にコンデンサ素子2を固
定する素子固定材30とを有している。コンデンサ素子
2には駆動用電解液が含浸されている。
陰極端子42が構成され、これらの端子41、42の下
端部は、陽極内部端子43および陰極内部端子44とし
てコンデンサ素子2から引き出された複数枚の陽極リー
ドタブ21および複数枚の陰極リードタブ22がそれぞ
れ電気的に接続されている。ここで、陽極リードタブ2
1および陰極リードタブ22は、いずれも200μm程
度の厚手のアルミニウム箔を裁断したものである。これ
らのリードタブ21、22のうち、陰極リードタブ22
については陽極酸化が施されていないものが使用される
一方、陽極リードタブ21については陽極酸化が施され
たものが使用されているが、いずれのリードタブ21、
22においても、陽極酸化を施したものを用いてもよ
い。
極箔26との電気的な接続は、従来と同様、陽極箔26
の表面に陽極リードタブ21を重ねた状態で加締め5
(あるいは溶接)などを行うことによってなされてい
る。また陰極リードタブ22と陰極箔27との電気的な
接続についても、従来と同様、陰極箔27の表面に陰極
リードタブ22を重ねた状態で加締め5(あるいは溶
接)などを行うことによってなされている。但し、本形
態では、陰極リードタブ22の表面には、粗面化加工
(エッチング処理)の施されたアルミニウム箔の小片6
が陰極箔27に電気的接続した状態で重ねられている。
すなわち、アルミニウム箔の小片6は、陰極リードタブ
22を覆うようにして陰極リードタブ22の表面に重ね
られ、この状態で、アルミニウム箔の小片6は、陰極箔
27に対して加締め7(あるいは溶接)されて電気的に
接続している。このような小片6として、本形態では、
陰極箔27として用いたアルミニウム箔を陰極リードタ
ブ22より幅広で、かつ、陰極箔27と略同一の幅寸法
に裁断したものが用いられている。また、陰極箔27お
よび小片6については、陽極酸化皮膜が形成されていな
いエッチング箔、あるいは薄い陽極酸化皮膜を形成した
エッチング箔のいずれを用いてもよい。
サ1において、陰極リードタブ22が位置する部分で実
際に陽極箔21に対向するのは、粗面化加工の施された
アルミニウム箔の小片6であり、陰極リードタブ22で
ない。このような小片6は、陰極リードタブ22と違っ
て、塩酸浴中でのエッチングなどの方法で粗面化加工が
施されている分、陰極リードタブ22と比較して単位面
積当りの静電容量がかなり大きい。従って、陰極リード
タブ22が位置する部分であっても、前記した〔数3〕
の右辺の式で導かれる値が小さいので、単時間のうちに
許容リプルを遙かに超えるリプル電流が周期的に電解コ
ンデンサ1に印加されても、陰極リードタブ22および
その周囲には高い電圧がかからない。それ故、過酷なリ
プル印加試験や充放電試験を行っても、陰極リードタブ
22およびその周囲に皮膜生成が発生しないので、電解
コンデンサ1内でのガス発生を防止できる。
デンサ素子2を製造する際には、図3に模式的に示すよ
うに、コンデンサ素子2の巻き取り工程において、陰極
リードタブ22と陰極箔27を電気的に接続する際に、
素子巻き取り機8の陰極リードタブ取りつけエリア81
において、タブ供給部(図示せず。)から供給された陰
極リードタブ22と陰極箔27を加締め装置82によっ
て加締め、同時に小片供給部(図示せず。)から供給さ
れたアルミニウム箔の小片6を陰極箔27の表面に重
ね、加締め装置83によって一括して加締め(あるいは
溶接)した後、陽極リードタブ(図2参照)が電気的に
接続された陽極箔26と、アルミニウム製の陰極リード
タブ22が電気的に接続された陰極箔とをセパレータ2
8を介して巻回し、コンデンサ素子2を形成する。
極箔27がセパレータ28を介して巻回されたコンデン
サ素子2を例に説明したが、陽極箔26および陰極箔2
7がセパレータ28を介して積層されたコンデンサ素子
2を用いた電解コンデンサ1に対して本発明を適用して
もよい。
は、陰極箔27に対して陰極リードタブ22および小片
6を同時に加締めする構成であったが、本発明は、陰極
箔27に対して陰極リードタブ22および小片6を別々
に加締めや溶接などの方法によって電気的接続した電解
コンデンサにも適用できる。また、上記形態では、封口
体4として、端子を埋め込んだ合成樹脂性のモールド板
を用いたが、本発明は、封口体4としてゴム貼り積層板
を用いた構成の電解コンデンサにも適用できる。
ミニウム電解コンデンサでは、陰極リードタブの表面
に、粗面化加工の施されたアルミニウム箔の小片を重
ね、アルミニウムの小片を陰極箔に電気的に接続するよ
うに加締めて(または溶接)しておくので、陰極リード
タブが位置する部分で実際に陽極箔に対向するのは、粗
面化加工の施されたアルミニウム箔の小片である。この
ような小片は、粗面化加工の施されている分、単位面積
当りの静電容量が大きいので、単時間のうちに許容リプ
ルを遙かに超えるリプル電流が周期的に電解コンデンサ
に印加されても、陰極リードタブおよびその周囲には高
い電圧がかからない。それ故、陰極リードタブおよびそ
の周囲に皮膜が生成しないので、コンデンサ内でのガス
発生を防止できる。
ある。
デンサ素子の構造を示す説明図である。
明図である。
の構造を示す説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 陽極リードタブが接続されたアルミニウ
ム陽極箔と、陰極リードタブが接続されたアルミニウム
陰極箔とをセパレータを介して巻回または積層したコン
デンサ素子に駆動用電解液を含浸してなるアルミニウム
電解コンデンサにおいて、 上記陰極リードタブの表面に、粗面化加工を施したアル
ミニウム箔の小片を重ね、該小片と陰極箔とを電気的接
続したことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。 - 【請求項2】 請求項1記載のアルミニウム箔の小片お
よび陰極リードタブは、前記陰極箔に対して加締めある
いは溶接されていることにより、当該陰極箔に対して電
気的に接続されていることを特徴とするアルミニウム電
解コンデンサ。
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