JP3403991B2 - Mri装置のコイル構造 - Google Patents

Mri装置のコイル構造

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JP3403991B2 JP2000014826A JP2000014826A JP3403991B2 JP 3403991 B2 JP3403991 B2 JP 3403991B2 JP 2000014826 A JP2000014826 A JP 2000014826A JP 2000014826 A JP2000014826 A JP 2000014826A JP 3403991 B2 JP3403991 B2 JP 3403991B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴イメージ
ング装置(以下、MRI装置という)のコイル構造に係
り、とくに、診断時の静音化を目的として、大気よりも
実質的に低い気圧に制御した容器内に傾斜磁場コイルを
封入するMRI装置に対する、傾斜磁場コイルとRFコ
イルとの間の磁気的干渉を抑制するためのシールド体の
配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】MRI装置にあっては、被検体にスピン
励起用のRF磁場を与えたり、被検体内で誘起されたエ
コーなどのMR信号を受信するRFコイルが必要であ
る。
【0003】このRFコイルの一つに、全身撮影で用い
られる全身用RFコイル(whole body RF
コイル;以下、WBコイルと呼ぶ)がある。このWBコ
イルは通常、磁石架台内において、他のコイルよりも患
者に一番近い位置に配置される。このWBコイルには、
スピン励起用RF磁場を発生させるとともに、被検体内
に発生したMR信号を受信する、いわゆる送受兼用タイ
プのコイルや、スピン励起用のRF磁場のみを発生さ
せ、受信は他のサーフェースコイルなどで行う、いわゆ
る送信専用タイプのコイルがある。
【0004】そして、殆どのMRI装置にあっては、こ
のWBコイルの外周側に傾斜磁場を発生させる傾斜磁場
コイルが配置されている。この傾斜磁場コイルを用いて
磁場強度が位置に応じて線形に変わる磁場が高効率で被
検体に印加される。このため、通常、傾斜磁場コイルの
導体は、前記WBコイルに比べて、より多くの巻数で巻
装されている。
【0005】さらに、別の要件として、傾斜磁場コイル
は、MRIで使用される共鳴周波数よりも格段に低い周
波数域で高効率のスイッチングを行う必要がある。つま
り、共鳴周波数域において無視できないエネルギ損失が
起こり易い。
【0006】したがって、WBコイル(共鳴周波数に合
わせて回路的に共振している)にとって、その配置され
た傾斜磁場コイルによる電気的損失は無視できない負荷
となり、励起用RF磁場の発生効率の低下や受信感度の
低下を招いてしまう。
【0007】そこで、WBコイルと傾斜磁場コイルとの
磁気的な干渉を抑制するため、この両者間に、図12に
模式的に示す如く、共鳴周波数に対して損失が十分に小
さいシールド(銅箔などのシールド体)を配置する手法
が採られている(例えば米国特許第5,367,261
号参照)。このシールドは通常、アースされる。
【0008】その一方で、このようにシールドを配置す
ると、このシールドに因ってWBコイルの受信感度を低
下させることが知られている(例えば、文献“A Te
chnique of Double Resonan
t Operation of F and H Qu
adrature Birdcage Coils”M
agnetic Resonance in Medi
cine 19,180−185(1991)参照)。
しかしながら、シールドに拠るWBコイルの損失より
も、シールドを配置しない場合のWBコイルと傾斜磁場
コイルの相互干渉に拠る損失の方が大きいため、大半の
MRI装置では止む無く上述のようにシールドを配置し
ている。なお、上述の文献からも分かるように、シール
ドとWBコイルとの距離が大きくするほど、WBコイル
の効率低下を抑えることができる。
【0009】このようにシールドそのものは次善の策と
して用いられるが、しかし、このシールドをWBコイル
とは実質的に異なる電位に容易に固定できる。これを利
用して、WBコイルとシールドとの間に電気的なスイッ
チを設け、このスイッチの開閉をコントロールすること
でWBコイルの共鳴周波数をずらす、いわゆる「デチュ
ーン」が知られている(例えば米国特許第5,053,
711号参照)。また、シールドを例えば零電位に固定
することで、WBコイルとWBコイルまでの回路との零
電位面としても利用される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、傾斜磁場コ
イルはその駆動時に作用する電磁力に起因して機械的に
振動し、音(ノイズ)の発生源になっている。この音を
低減させるために、内部の気圧を大気圧よりも実質的に
低い値に制御した円筒状の容器に傾斜磁場コイルを封入
配置し、音の空気伝播を減らす構造のものも知られてい
る(例えば米国特許第5,793,210号参照)。
【0011】しかしながら、このような静音化タイプの
MRI装置に前述したシールドを配置する場合について
は、好適な且つ具体的な提案は未だなされていなかっ
た。
【0012】そこで、従来のシールドの配置法をこの静
音化タイプのMRI装置にそのまま適用するとすれば、
以下のような構成になるものと想定される。まず、WB
コイルは、被検者になるべく近くに配置してS/Nを良
くするという観点から、容器の内周側壁体の外部側、つ
まり容器の内周面の側に配置される。シールドは、WB
コイルに対する固定電位として、スイッチや伝送系の零
電位としても利用されるので、やはり容器の内周側壁体
の外側、つまり容器の内周側に配置せざるを得ない。そ
れは、これらの目的に対してもシールドを利用するに
は、WBコイルに近い位置でシールドとの電気的な接続
をとる方が都合がよいからである。この結果、被検者か
ら磁石半径方向にみて、WBコイル、シールド、容器
(傾斜磁場コイルを封入)、及び静磁場磁石の順に並ぶ
ことになる。
【0013】しかし、このように容器の内周側壁体の外
側、つまり容器の内周側にシールドが配置されると、磁
石架台全体の径方向のサイズを同じにするという条件の
元では、WBコイルとシールドとの間の磁石径方向の間
隔が、従来の容器を用いない構造に比べて、単純に言っ
ても容器厚さ(内周側壁体及び外周側壁体の合計厚さ)
の分だけ狭くなる。これは、前述したように、WBコイ
ルの損失の増大を招き、重大な機能低下ともなりかねな
い。
【0014】本発明は、上述した従来技術の状況に鑑み
てなされたもので、静音化タイプのMRI装置であって
も、WBコイルと傾斜磁場コイルとの電気的、磁気的な
干渉を防ぐシールドを好適に配置して、その機能を確実
に発揮させる一方で、シールドを配置したことに因るW
Bコイルの効率の低下を最小限に止め、これにより受信
時のS/N及びスピン励起用磁場の発生効率を良好な値
に維持させることを、その目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、外周側壁体及び内周側壁体とを有する壁体に囲ま
れ且つ大気圧よりも実質的に低い気圧に制御された容器
と、この容器内に配置された傾斜磁場コイルと、前記容
器の内周側壁体の容器外側に配置されたRFコイルと、
前記容器内において前記傾斜磁場コイルの内周面に貼り
付けられ、当該傾斜磁場コイルと前記RFコイルとの磁
気的干渉を抑制する、空気抜き用の穴が形成されたシー
ルド体とを備えることを特徴とするものである。
【0016】
【0017】また、上述の各構成において、例えば、前
記RFコイルは全身用RFコイルである。さらに、前記
全身用RFコイルを制御信号に応答して電気的に開放す
るスイッチを当該全身用RFコイルに設けてもよい。
【0018】さらに、上述の各構成において、例えば、
前記傾斜磁場コイルは、X,Y及びZチャンネルの夫々
について一次コイルと二次コイルとを有する能動遮蔽型
傾斜磁場コイル(ASGC)である。
【0019】さらに、上述の各構成において好適な一例
は、前記傾斜磁場コイルは、前記容器に弾性体を介して
支持されていることである。
【0020】また、上述の各構成において、前記容器の
外周側壁体の容器外周側に静磁場磁石を配置し、この静
磁場磁石と前記傾斜磁場コイルとを、当該傾斜磁場コイ
ルの荷重を当該静磁場磁石に掛けない状態で各別に支持
するようにしてもよい。例えば、前記静磁場磁石と前記
傾斜磁場コイルとは各別に床又は床に設けた設置サイト
に直接支持させる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るMRI装置の
コイル構造の実施形態を説明する。
【0022】<第1の実施の形態>第1の実施形態を図
1〜図4を参照して説明する。
【0023】図1に、MRI装置の磁石架台1を示す。
この磁石架台1は、傾斜磁場コイルを真空容器内に封入
して配置した、いわゆる静音化タイプに構成されてい
る。
【0024】磁石架台1は、全体に略円筒状に形成さ
れ、そのボアが診断用空間Sを成し、診断時には図示し
ない寝台天板により被検体Pがその空間内に挿入される
ようになっている。ここで、磁石架台の長軸方向を直交
座標系のZ軸とする。
【0025】この磁石架台1の径方向(XY面方向)の
一番外側には、円筒状の超伝導磁石11が床に配置され
ている。この磁石11は、図示しない静磁場電源に接続
されており、その診断用空間Sに静磁場を発生させる。
なお、この超伝導磁石11の少なくとも径方向の大きさ
は、後述する真空容器による静音化機構を備えていない
装置のものと同じであるとする。
【0026】超伝導磁石11の内周側には、その磁石に
支持させる状態で、容器12が配置されている。この容
器12は、その全体が外周側壁体12A、内周側壁体1
2B、及び側面体12Cで囲まれた内部空間ISを有す
る円筒状に形成され、その軸方向をZ軸方向に一致させ
て配置されている。内部空間ISの径方向の厚みは後述
する傾斜磁場コイルのアセンブリをその壁体に接触させ
ることなく(支持部は除く)、封入できる適宜な値に設
定されている。この容器12は図示しない真空ポンプに
結合されており、診断時には大気圧よりも実質的に低い
気圧(真空)に調整される。
【0027】この容器12の内部空間ISには、図示の
如く、傾斜磁場コイル13のアセンブリが配置されてい
る。この傾斜磁場コイル13は、ここでは能動遮蔽型傾
斜磁場コイル(ASGC)を成す。具体的には、このコ
イルアセンブリは図3に示すように円筒状の樹脂製スプ
ール13A上にX,Y及びZチャンネルの夫々の1次コ
イル及び2次コイルを層状に絶縁状態で巻装したもので
(これらの層状の巻装コイルを代表的に符号13Bで示
す)、その全体も略円筒状のアセンブリに成形されてい
る。各チャンネルの1次コイル及び2次コイルはチャン
ネル毎に傾斜磁場電源(図示せず)に接続されている。
この能動遮蔽型傾斜磁場コイルにより、そのコイル駆動
時の磁場を径方向の外界には殆ど漏らさないようになっ
ている。
【0028】この傾斜磁場コイル13のアセンブリは、
図1及び2に示す如く、かかる内部空間ISにおいて、
弾性体14を介挿させた複数の支持部15、…、15に
よって外周側壁体12Aに支持されている。この傾斜磁
場コイル13への給電線(図示せず)は容器12の一部
を気密に貫通させて配置されている。
【0029】さらに、容器12の内部空間ISにおい
て、シールド(シールド体)16が傾斜磁場コイル13
のアセンブリ内周面に貼りつけられている。このシール
ドは一例として、35μm程度の銅箔から成る。シール
ド16は、本実施形態では、容器12を気密に貫通させ
たアース線(図示せず)に接続され、容器外でアースさ
れる。なお、シールド16はアースしない構成も採るこ
とができ、シールド16とWBコイル17に接続した線
の夫々を容器外部に気密に引き出し、極力遠方の位置で
相互に接続する同電位構造にしてもよい。
【0030】このシールド16は、傾斜磁場コイル13
と後述するWBコイルとの間の電気的、磁気的な相互干
渉を抑制するように機能する。このシールド16の配置
位置が本発明の特徴の1つを成している。
【0031】容器12の内周側壁体12Bの外側、すな
わち診断用空間Sには、被検体Pを囲むようにしてRF
コイルとしてのWBコイル(全身用RFコイル)17が
配置されている。このWBコイル17はここでは送受兼
用タイプのRFコイルである。
【0032】本実施形態の磁石架台1は以上のように構
成されている。このため、シールド16によって、WB
コイル17と傾斜磁場コイル13との間の磁気的、電気
的な相互干渉は従来と同様に好適に排除又は抑制され
る。
【0033】また、傾斜磁場コイル13のアセンブリを
実質的な真空状態にした容器12内に封入していること
から、診断時に傾斜磁場コイル13からその外界構成
物、とくには磁石11への空気伝播量が著しく抑制され
る。このため、傾斜磁場コイル13が振動源となって磁
石11が一体に振動することに因る音(ノイズ)の発生
が大幅に抑制される。
【0034】さらに、シールド16の取付け位置がWB
コイル17から見て、物理的な許容範囲の最も遠い位
置、すなわち傾斜磁場コイル13の内周面である(この
ときの距離は図2の半径r1となる)。したがって、シ
ールド16の取付け位置は、WBコイル17からみた場
合、従来技術から想定された最良の取り付け位置、すな
わち容器12の内周側壁体12Bの外側(このときの距
離は図2中の半径r2となる)と比べて、さらに距離
「r1−r2」の分だけ遠くなる。この結果、WBコイ
ルの効率が良好に維持され又は向上する。
【0035】この理由を詳述する。前述した文献「Ma
gnetic Resonancein Medici
ne 19,180−185(1991)」からも理解
できるように、シールド16をWBコイル17の外側に
置くことは、図4に示す如く、Rm=Rsh/Rwb
(WBコイルの内半径=Rwb,シールドの内半径=R
sh)で決まる位置に、WBコイルが作る磁場とは反対
向きに仮想的な鏡像コイルを置いたのと等価になる。被
検体Pに到達する磁場は、この差分「WBコイルがつく
る磁場−鏡像コイルのつくる高調波磁場」となる。一
方、個々のコイルが中心点につくる磁場強度は約「1/
コイルの内半径」に比例する。
【0036】このため、シールドをWBコイルから極力
離して配置すると、仮想的な鏡像コイルが中心位置につ
くる磁場を弱めることができ、その結果、差分「WBコ
イルがつくる磁場−鏡像コイルのつくる高調波磁場」が
強められる。したがって、WBコイルが被検体に実質的
につくる磁場(=「WBコイルがつくる磁場−鏡像コイ
ルのつくる高調波磁場」)は増加する。これにより、W
Bコイル17のRF磁場送信効率及びMR信号受信効率
を、静音化機構を備えていないタイプの従来装置に比べ
ても遜色の無い値に維持でき、又は、それ以上に向上さ
せることができる。
【0037】なお、本発明に係るシールド16の取付け
位置は上述した第1の実施形態に記載のもの、すなわち
容器12内における傾斜磁場コイル12のアセンブリ内
周面に限定されるものではない。例えば、シールド16
を容器12の内周側壁体12Bの内側面と傾斜磁場コイ
ル12のアセンブリ内周面との間の空間であれば、任意
の位置(図2の半径差rd参照)であってもよい。一例
として、シールド16が内周側壁体12Bの内側面に取
付けられていたとしても、その壁体12Bの厚さ分だけ
少なくともWBコイル17の効率改善がなされる。
【0038】<第2の実施の形態>第2の実施形態を図
5〜図6を参照して説明する。
【0039】本実施形態に係るMRI装置のコイル構造
は、WBコイル以外のRFコイルを用いるときにそのW
Bコイルを共振系から外す、所謂「デチューン」機構に
関する。なお、この実施形態においては、シールドは真
空容器を気密に貫通させたアース線を介してアースされ
ているものとする。
【0040】比較のために、図5に従来のデチューン機
構を示すと、WBコイルとシールドとを電気的に接続
し、例えばPINダイオードなどのスイッチSWをその
両者間に挿入し、このスイッチSWを介してWBコイル
の何箇所かをシールドに接続する。シールドはアースさ
れているので、結局、WBコイルもアースされる。これ
により、共振回路の共振周波数が変化し、デチューン状
態となる。
【0041】この構成をそのまま本発明に係るコイル構
造に適用すると、シールドが容器内に配置されるため、
WBコイルとシールドを電気的に接続するための配線の
引き回しが複雑化し且つ多くなる。とくに、それらの配
線が容器を貫通してシールドと接続されることになるの
で、その気密性を保つための部品が多数個又は大形のも
のが必要になって、部品コストも高くなリ且つ構造も複
雑化するとともに、故障などに因って真空度を低下させ
る確率も高くなる。
【0042】そこで、この実施形態では、図6に示す如
く、WBコイル17に直列にスイッチSWを介挿し、こ
のスイッチSWを外部の制御回路からの指令により開放
させる。スイッチSWは例えばPINダイオードであ
る。このスイッチSWを開放することにより、WBコイ
ル17の共振周波数が変更になり、前述したデチューン
機能が発揮される。
【0043】このとき、図6からも分かるように、WB
コイル17をシールド16(アース)に接続する必要は
ない。このため、その接続線を容器12に貫通させると
いった配線構造は一切必要ない。したがって、上述した
ような容器構造の複雑化、気密性保持に対する信頼性の
低下、および部品コスト増など事態に至らなくても済
む。
【0044】<第3の実施の形態>第3の実施形態を図
7〜図8を参照して説明する。
【0045】本実施形態のコイル構造は、シールドを貼
り付けて設置するときの空気抜き構造に関する。
【0046】シールド16としての、例えば同箔は粘着
剤で、容器12内にて、例えば傾斜磁場コイル13のア
センブリ内周面に貼り付けられる。この貼り付け時に若
干の気泡がシールド材とコイル内面との間に発生するこ
とは回避できない。静音を目的として、封入容器12内
の気圧を下げると、かかる気泡は膨張して、シールド材
が変形したり、剥がれたりする恐れがある。
【0047】これを防止するには、粘着材ではなく、ゲ
ル状の接着剤を用いることができ、気泡を減少させるこ
とができる。
【0048】本実施形態では、シールド16を接着剤で
貼り付けることとし、気泡の発生対策としては、シール
ド材に気泡内の空気を抜くための穴及び/又はスリット
を設ける。図7は、シールド16に穴21を開けた例を
示し、図8は、シールド16にスリット22を設けた例
を示す。当然に穴21とスリット22を組み合わせて設
けてもよい。穴やスリットの形状は任意である。この穴
やスリットの大きさは、シールドの導電体が在る部分に
対しては電気的に無視できるほど小さく開け、導電体が
無い部分に対しては気泡抜きを重視して十分に大きく開
ける。
【0049】この結果、容器12内を減圧するときに、
シールド16と傾斜磁場コイル17内面との間に発生し
存在する気泡も穴21やスリット22を介して一緒に抜
ける。このため、接着剤だけを用いたときの前述したシ
ールドの剥がれや変形を防止することができる。
【0050】なお、この実施形態の目的を達成するに
は、シールド16そのものを繊維状或は網状の導電性材
料で形成してもよい。
【0051】<第4の実施の形態>第4の実施形態を図
9〜図10を参照して説明する。
【0052】本実施形態のコイル構造は、取付け時や保
守時のシールドとWBコイルとの位置合わせに関する。
【0053】シールドとWBコイルは、その共鳴周波数
を一致させることが望ましい。加えて、感度均一性を確
保するには、シールドとWBコイルとを1mm以下の精
度で同軸状に配置することが望ましい。
【0054】しかしながら、本発明に係るコイル構造に
よれば、WBコイル17は容器12の外部に、シールド
コイル16は容器12の内部に配置するを基本構成とし
ているため、取付け時や保守時における両者の位置合わ
せが非常に難しい。そこで、この実施形態では、そのよ
うな位置合わせを容易にするアライメント調整手段を設
ける。
【0055】具体的には、図9に示す如く、WBコイル
17と容器12の内周側内壁12Bとに小さな穴17
H、12Hが開けられる。そして、容器12内の気圧を
下げる前に、図10に示す如く、ゲージ23を穴17
H,12Hに差し込んでWBコイル17とシールド16
との間の距離を測りながらWBコイル17の容器半径方
向の位置を決めたり、調整する。ゲージ23には目盛が
付してある。WBコイル17の位置決め(位置調整)を
行った後は、図11に示すように、内周側内壁12Bの
穴12Hに栓24をし、容器12内の気圧を所望値まで
下げる。このとき、栓24は容器12の内部の向かって
引かれるので、抜け落ちることはない。
【0056】この位置決め(位置調整)により、シール
ド16とWBコイル17とを1mm以下の精度で同軸状
に配置することができ、感度の均一性を確保することが
できる。
【0057】なお、上述の各実施形態では、傾斜磁場コ
イル13は容器12内に在って容器に支持させ、且つ、
この容器12は静磁場磁石11に支持させる構造とした
が、これに代えて、例えば特開平10−118043号
(特願平8−274609号)記載の支持構造を採るよ
うにしてもよい。つまり、傾斜磁場コイル13は容器1
2内に配置し、且つ、この静磁場磁石11とは別個の支
持手段(但し、弾性体などを介挿させた支持手段が望ま
しい)で床上(床上に設けたビームなどの基礎部分を含
む)に支持させるものである。このとき、傾斜磁場コイ
ル13の支持手段は容器12の例えば側壁12Cを貫通
して延設されるので、支持手段と容器12との間の気密
性を保持する部材が配置されることは勿論である。
【0058】この結果、傾斜磁場コイル13から空気伝
播により静磁場磁石11に至る振動をより一層確実に減
らすことができるとともに、傾斜磁場コイル13と静磁
場磁石11との支持手段が異なり且つそれらの位置が床
上で離れている分、傾斜磁場コイル13から構造体(両
方の支持手段及び床)を伝わって静磁場磁石11に至る
振動成分もより少なくなる。したがって、この別個の支
持構造によって、より確実な静音化が図られ、且つ、前
述したコイル構造に伴う効果も合わせて得ることができ
る。
【0059】ところで、上述の基本構成を更に変形した
ものとして以下の例を挙げることができる。その1つ
は、WBコイル17を容器12内に配置させる構成であ
り、これにより、シールドを零電位としてWBコイルと
の間で容易に電気的接続を採ることができる。別の例
は、容器12の内周側壁体12BをWBコイル17の巻
き枠として用いる構成である。WBコイルは前述の如
く、架台の一番内側に位置させたいので、このように内
周側壁体をコイル巻き枠として用いることは好都合であ
る。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本願発明によれば、静音
化タイプのMRI装置であっても、WBコイルと傾斜磁
場コイルとの電気的、磁気的な干渉を防ぐシールドを好
適に配置して、その機能を確実に発揮させることがで
き、その一方で、シールドを配置したことに因るWBコ
イルの効率の低下を最小限に止め、これにより受信時の
S/N及びスピン励起用磁場の発生効率を良好な値に維
持させることができる。また、シールド体には、空気抜
き用の穴が形成されているため、シールド体の剥がれや
変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るMRI装置の磁石架台
を示す概略断面図。
【図2】図1中のII−II線に沿って一部破断して示
す容器及びWBコイルの側面図。
【図3】図2中のIII−III線に沿った部分断面
図。
【図4】WBコイル、シールド、及び鏡像コイルの位置
関係を説明する図。
【図5】従来のデチューン回路を説明する図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るデチューン回路
を説明する図。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るシールドに設け
た空気抜き穴を説明する図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るシールドに設け
た空気抜きスリットを説明する図。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る位置合わせを説
明する図。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る位置合わせを
説明する別の図。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る位置合わせを
説明するさらに別の図。
【図12】従来技術に係るWBコイル、シールド、及び
傾斜磁場コイルの位置関係を説明する図。
【符号の説明】
1 磁石架台 11 静磁場磁石 12 容器 12A 外周側壁体 12B 内周側壁体 13 傾斜磁場コイル 14 弾性体 15 支持部 16 シールド(シールド体) 17 WBコイル(全身用RFコイル) 21 空気抜き用穴 22 空気抜き用スリット SW スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−174746(JP,A) 特開 昭60−177249(JP,A) 特開 昭62−334(JP,A) 特開 昭62−194842(JP,A) 特開 昭63−246146(JP,A) 特開 平5−269104(JP,A) 特開 平7−299048(JP,A) 特開 平9−276245(JP,A) 特開 平10−118043(JP,A) 特開 平10−179547(JP,A) 特表 平4−507005(JP,A) 米国特許5278502(US,A) 国際公開01/22109(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055 G01R 33/20

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周側壁体及び内周側壁体とを有する壁
    体に囲まれ且つ大気圧よりも実質的に低い気圧に制御さ
    れた容器と、 この容器内に配置された傾斜磁場コイルと、 前記容器の内周側壁体の容器外側に配置されたRFコイ
    ルと、 前記容器内において前記傾斜磁場コイルの内周面に貼り
    付けられ、当該傾斜磁場コイルと前記RFコイルとの磁
    気的干渉を抑制する、空気抜き用の穴が形成されたシー
    ルド体とを備えることを特徴とするMRI装置のコイル
    構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のMRI装置のコイル構造
    において、 前記傾斜磁場コイルは円筒状のコイルアセンブリである
    ことを特徴とするMRI装置のコイル構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のMRI装置のコ
    イル構造において、 前記RFコイルは全身用RFコイルであることを特徴と
    するMRI装置のコイル構造。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のMRI装置のコイル構造
    において、 前記全身用RFコイルを制御信号に応答して電気的に開
    放するスイッチを当該全身用RFコイルに設けたことを
    特徴とするMRI装置のコイル構造。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    MRI装置のコイル構造において、 前記傾斜磁場コイルは、X,Y及びZチャンネルの夫々
    について一次コイルと二次コイルとを有する能動遮蔽型
    傾斜磁場コイル(ASGC)であることを特徴とするM
    RI装置のコイル構造。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の
    MRI装置のコイル構造において、 前記傾斜磁場コイルは、前記容器に弾性体を介して支持
    されていることを特徴とするMRI装置のコイル構造。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の
    MRI装置のコイル構造において、 前記容器の外周側壁体の容器外周側に静磁場磁石を配置
    し、この静磁場磁石と前記傾斜磁場コイルとを、当該傾
    斜磁場コイルの荷重を当該静磁場磁石に掛けない状態で
    各別に支持したことを特徴とするMRI装置のコイル構
    造。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のMRI装置のコイル構造
    において、 前記静磁場磁石と前記傾斜磁場コイルとを各別に床又は
    床に設けた設置サイトに直接支持させたことを特徴とす
    るMRI装置のコイル構造。
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