JP3402616B2 - 撮像装置及び撮像方法 - Google Patents

撮像装置及び撮像方法

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JP3402616B2
JP3402616B2 JP20947791A JP20947791A JP3402616B2 JP 3402616 B2 JP3402616 B2 JP 3402616B2 JP 20947791 A JP20947791 A JP 20947791A JP 20947791 A JP20947791 A JP 20947791A JP 3402616 B2 JP3402616 B2 JP 3402616B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビデオカメラ等の撮像装
置及びその撮像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラを初めとする映像機
器の進歩は目覚ましく、各種機能の自動化、操作性の改
善がはかられ、たとえばズームレンズの装備、自動焦点
制御、自動露出制御等の自動化は必須となつており、た
とえば自動露出制御について見れば、撮影画像の品位を
決定する需要な要素であり、あらゆる撮影環境において
も、常に安定で良好な自動露出制御が可能でなければな
らず、自動露出制御機能の重要性はきわめて高い。
【0003】図19は一般的なビデオカメラの露出制御
系の基本構成を示すブロツク図で、101は撮影レンズ
光学系、102は入射光量を調節するアイリス、103
は撮影レンズ光学系によりその撮像面に結像され且つア
イリスによつて光量を調節された画像を光電変換して撮
像信号に変換するCCD等の撮像素子、104は撮像素
子より出力された撮像信号に所定の信号処理を施して規
格化された映像信号に変換するカメラ信号処理回路、1
05は映像信号出力端子、106はアイリス102を駆
動して開口量を可変するモータ、107はモータ106
を駆動制御する絞り駆動回路、108は撮像素子103
の蓄積、読み出し、リセツトタイミングを制御するとと
もに、蓄積時間(露光時間)を可変制御して所望のシヤ
ツタスピードを設定するCCD駆動回路、109はカメ
ラ信号処理回路より出力された輝度信号のレベルに基づ
いて、露光状態を評価し、絞り駆動回路107、CCD
駆動回路108を制御して露光を最適に制御する自動露
出制御回路(AE回路)、110はキー操作の入力を受
け付けるスイツチパネルである。
【0004】AE回路109による露光制御について説
明すると、カメラ信号処理回路104より出力された輝
度信号を積分してそのレベルが所定の範囲内に入るよう
に絞り駆動回路107を制御し、アイリスモータへと出
力する駆動電流を制御してアイリスの開口量を可変する
アイリス制御用の閉ループが構成されるとともに、スイ
ツチパネル110のキー操作に応じて、CCD駆動回路
108を制御してその駆動パルスを切り換え、撮像素子
103の蓄積時間を可変することにより露光時間すなわ
ちシヤツタスピードを制御し、適正露光状態を得るよう
な制御系を備えている。
【0005】またこの蓄積時間制御はいわゆる電子シヤ
ツタと称されるものであり、たとえばNTSCの場合通
常の毎画面1/60秒の露光時間の他に、1/100か
ら1/10000秒程度のものまで複数段階の光蓄積時
間の選択が可能である。
【0006】このように構成されたシステムにおいて、
高速電子シヤツタを使用すると、任意に選択した各々の
設定露光時間すなわちシヤツタスピードごとに、これを
基準として撮像光学系の絞り機構(アイリス)を制御す
る自動露光制御モードが存在することになるため、いわ
ゆるシヤツタ優先モードとなる。図20はシヤツタ優先
モードを示し、横軸のシヤツタスピードを選択し、その
シヤツタスピードを固定して縦軸の絞り値を可変するも
のである。
【0007】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たビデオカメラ装置のように、撮像信号の輝度レベルに
よるアイリス制御、シヤツタ優先モードでは、様々な撮
影環境、撮影状況において常に適切な露出制御を実現す
ることはできず、適切な露出制御ができない場合がしば
しば生じていた。
【0008】特に銀塩カメラのように一瞬の静止画撮影
を行なうカメラにおいては、撮影の瞬間の露出制御が適
切に行なわれればよいが、ビデオカメラのように、動画
を長時間にわたつて撮影するような場合においては、撮
影中にも刻々と変化する撮影状況、撮影環境に対して自
然に追従し、常に安定で且つ最適な露出制御が行なわれ
なければならず、これらの条件を満たすビデオカメラの
露出制御装置の実現が強く望まれている。
【0009】本発明の目的は、これらの条件をすべて満
たし、撮影環境、撮影状況によらず常に最適露出制御の
可能なビデオカメラの自動露出制御装置を提供すること
にある。
【0010】
【問題点を解決するための手段】本発明は上述の目的を
達成するために、少なくともシャッタ速度およびゲイン
の制御特性をそれぞれ定義して格納した複数のデータテ
ーブルと、フリッカ成分の検出の有無に応じて、前記複
数のデータテーブルの中から所定のデータテーブルを選
択し、前記選択されたデータテーブルより読み出した前
記パラメータの制御特性に基づいて露出を制御する制御
手段とを有し、前記制御手段は、フリッカが検出された
場合、フリッカが検出されなかったときに選択されるデ
ータテーブルに基づいてゲインを可変制御する輝度レベ
ルよりも高いレベルにおいて、フリッカを抑制するため
のシャッタ速度に固定するとともにゲインを可変制御す
る特性のデータテーブルを選択することにより、露出を
制御することを特徴とする。
【0011】
【作用】これによつて、設定された撮影モードを切り換
えることなく、撮影条件に応じて他の撮影モードのデー
タテーブルを参照してより撮影状況に適したパラメータ
を用いた制御を行なうことができ、撮影状況、撮影環境
によらず、常に最適な撮影を行なうことが可能となる。
【0012】
【実施例】以下本発明における撮像装置を各図を参照し
ながら、その実施例について説明する。
【0013】図1は本発明の撮像装置をビデオカメラに
適用した一実施例の構成を示すブロツク図で、同図にお
いて、1は撮影レンズ光学系、2は入射光量を調節する
アイリス、3は撮影レンズ光学系によりその撮像面に結
像され且つアイリスによつて光量を調節された画像を光
電変換して撮像信号に変換するCCD等の撮像素子、4
は撮像素子の蓄積電荷のノイズを低減する2重相関サン
プリング回路(CDS)、5は撮像信号のゲインを自動
調節するAGC回路、6はAGC回路5より出力された
撮像信号に所定の信号処理を施して規格化された映像信
号に変換するカメラ信号処理回路、7はカメラ信号処理
回路より出力された映像信号を、ビデオテープレコーダ
等に記録するのに適した信号に変換する画像信号処理回
路、8は磁気テープを記録媒体として用いるビデオテー
プレコーダである。
【0014】一方、9は撮像画面上を複数画面に分割
し、任意の領域に相当する画像信号を抽出すべくAGC
回路5より出力された信号にゲートをかけるゲート回
路、10はゲート回路9によつて選択された撮像画面内
の指定領域内に相当する撮像信号を積分してその平均光
量を求める積分器、11は積分器より出力された信号を
後述するシステムコントロール回路によつて処理可能な
デジタル信号に変換するA/D変換器である。このゲー
ト回路9による領域指定動作と積分器10の積分動作は
撮影モードに応じた測光領域の指定および重み付け設定
に関するものであり、その選択特性については、後述の
システムコントロール回路13より出力されるゲートパ
ルスと、積分リセツトパルスの制御によつて任意に設定
することができる。その詳しい処理については後述す
る。
【0015】12は撮像素子3の蓄積動作、読み出し動
作、リセツト動作等を制御するCCD駆動回路、13は
アイリス2を駆動するアイリスモータ、14はアイリス
モータを駆動するアイリス駆動回路、15は後述のシス
テムコントロール回路より出力されたデジタルのアイリ
ス制御信号をアナログ信号に変換するD/A変換器、1
6はアイリスの開口量すなわち絞り値を検出するホール
素子等で構成されたアイリスエンコーダ、17はアイリ
スエンコーダ16の出力を増幅するアンプ、18はアン
プ17によつて所定レベルに増幅されたアイリスエンコ
ーダの出力を後述のシステムコントロール回路によつて
処理可能なデジタル信号に変換するA/D変換器であ
る。
【0016】19a,19b,19c,…は露出制御用
の各種データを記憶したデータ参照テーブル(LUT:
Look up table )で、撮影状況に応じて複数の設定が行
なわれるよう、本実施例では3つのテーブルを図示して
いるが、実際は用意されている撮影モードそれぞれにつ
いて備えられており、さらに後述するフルオート撮影モ
ードでは同一のモードで2つのデータテーブルを選択的
に使用するように構成されている。ちなみに、本実施例
では、後述するように、『室内撮影モード』、『スポー
ツ撮影モード』、『風景撮影モード』、『ポートレート
モード』、『フルオート撮影モード』について説明され
ている。
【0017】具体的には、複数の撮影モードそれぞれに
応じた、アイリス,シヤツタスピード,ゲイン等の露出
制御用のパラメータの制御特性の情報が格納されてお
り、設定された撮影モードに応じて必要なデータが読み
出されるようになつている。
【0018】20は各種操作を行なうための複数の操作
キーからなる操作部、21はシステムコントロール回路
より出力されたデジタルのゲイン制御信号をアナログ制
御信号に変換してAGC回路へと供給するD/A変換
器、22,23はそれぞれ撮影状況に応じてカメラ信号
処理、画像信号処理における各種特性を変化または修正
すべくシステムコントロール回路より出力されたデジタ
ルの制御信号をアナログ制御信号に変換して、カメラ信
号処理回路6、画像処理回路7へと供給するD/A変換
器である。
【0019】25は本実施例におけるビデオカメラシス
テム全体を総合的に制御する、マイクロコンピユータに
よつて構成されたシステムコントロール回路である。
【0020】システムコントロール回路25は、操作部
20によつて操作された撮影モードに応じてカメラ信号
処理回路6、画像信号処理回路7の特性を制御する制御
信号をD/A変換器22,23を介して出力するととも
に、撮影モードに応じて、ゲート回路9に供給するゲー
トパルスを制御し、撮像画面上における光量検出を行な
う測光領域の設定を行なう。また積分器10に供給する
積分リセツトパルスを制御して積分動作の選択特性を制
御する。
【0021】たとえば、図2は撮像画面に測光領域を設
定した一例を示すものであり、同図は、撮像画面内の中
央部分に測光領域を設定し、この領域内の信号を重点的
に露出制御演算に用いる『中央部分重点測光』の領域設
定状態を示すものである。
【0022】これは主要被写体が画面のほぼ中央に位置
する確立が高いという経験則に基づいたもので、露出演
算の際、実線で示した中央領域の内側の信号に外側の信
号よりも大きな演算係数を割り振って中央部の重み付け
を大きくした露出制御を行なうようにするものである。
【0023】そしてゲート回路9を介して取り込まれた
測光領域内における撮像信号の撮影モードに応じた積分
値を取り込み、LUT19a,19b,19c…のデー
タを参照しながらその撮影状況に応じたアイリス制御信
号を演算し、D/A変換器15を介してアイリス駆動回
路14へと供給するとともに、AGC回路5へとD/A
変換器21を介してゲイン制御信号を供給し、撮影モー
ド、撮影状況に応じてAGC回路5のゲインを可変する
制御を行ない、さらにCCD駆動回路12へも制御信号
を供給し、撮影モード、撮影状況に応じて、撮像素子の
蓄積時間(電子シヤツタ)、読み出しタイミング、リセ
ツトタイミング等の制御を行なう。
【0024】またこれらの各種制御は、撮影モードによ
つてアイリスエンコーダ16の出力を参照しながら行な
われ、各種の制御パラメータを算出、設定され、上述の
各制御を選択的に、または同時に、または適宜組み合わ
せて実行される。
【0025】このようにシステムコントロール回路25
は、上述したような、積分値によるアイリス制御、ゲイ
ン制御、撮像素子の駆動制御(たとえば蓄積時間制御に
よる電子シヤツタ)等を撮影モード撮影状況、アイリス
の駆動状態に基づいて同時にあるいは適宜組み合わせて
動作させることにより、あらゆる撮影状況に対して最適
露出制御を行なうものである。
【0026】本発明における撮像装置は以上のような構
成となつており、以下その具体的な動作について順を追
って説明する。
【0027】まず本発明装置において露出制御に用いら
れる各種制御パラメータについて説明する。 (1)アイリス開口量(パラメータP1) システムコントロール回路より出力されたアイリス制御
信号は、D/A変換器15によつてアナログ信号に変換
された後、アイリス駆動回路14へと供給されて電流増
幅され、アイリスモータ13へと供給されてこれを駆動
する。アイリスモータ13はこれによつてアイリス2の
絞り状態を制御する。
【0028】A/D変換器11より供給される積分器1
0の積分値が、その撮影モードに対応するLUT19
a,19b,19bc…にて規定されている制御値より
も大であれば、露出オーバーであるため、アイリス駆動
回路14を制御してアイリスモータ13をアイリス2を
絞り込む方向に駆動し、入射光量を減少させて結果的に
積分器10の出力レベルを減少させる。
【0029】逆にLUT19にて規定された制御値より
もA/D変換器11より供給される積分値が小さい場合
は、上述とは逆にアイリスモータ13を反対方向に駆動
し、アイリス2を開いて入射光量を増大させ結果的に積
分値を増大させるように制御される。 (2)シヤツタスピード(パラメータ2)(図3を参
照) 撮像素子の蓄積時間設定信号Dt がシステムコントロー
ル回路25よりデジタル信号の形態で出力され、これを
受けてCCD駆動回路12はCCDの各種タイミングを
決定するパルスを発生し、蓄積時間を制御する。
【0030】この蓄積時間の設定方法及び設定範囲は撮
像素子であるCCDの構造により大きく異なるので、本
実施例ではHブランキング期間にOFD(オーバーフロ
ードレイン)に不要電荷を捨てる構造を持つCCDを例
にして説明する。
【0031】図3(a)はこのCCDの動作を説明する
ためのものであり、設定可能な範囲は、高速側はHブラ
ンキング内であれば撮像光量やスミヤ等の画質面で許さ
れる範囲で設定できる。実質的には1/10000秒程
度である。低速側はNTSCの場合は1/60秒までH
ブランキング周期(約63.5μ秒)のステツプで設定
可能である。
【0032】そして具体的な時間制御の方法としてDt
をシステムコントロール回路25が出力することによ
り、以下の演算によりシヤツタスピードTが決定され
る。 .TNTSC≒(262.5−Dt )*63.5μsec .TPAL ≒(312.5−Dt )*64.0μsec このようにして指示を受けたCCD駆動回路12は、電
子シヤツタ動作を実現するためにVsub (垂直サブスト
レート印加電圧)に更にΔVsub を加算して光電変換に
よる電荷蓄積部分の電位分布を変化させ、不要電荷を基
板方向に捨てる。このようにして任意のシヤツタスピー
ドを設定することができる。図3(b)はこの動作を示
すものである。
【0033】そしてシステムコントロール回路25は、
現在のシヤツタスピードがA/D変換器11からの積分
値に対応してLUT19に規定されている制御値よりも
速ければシヤツタスピードを遅くすべく前記Dt を現在
の値より小さい値に変更し、逆にLUT19に規定され
ている制御値よりも遅ければシヤツタスピードを速くす
べく前記のDt を現在の値よりも大きな値に変更する。 (3)ゲイン(パラメータP3) D/A変換器21からは映像信号の増幅率を決定するゲ
イン設定信号を出力し、AGC回路5へと供給する。
【0034】AGCゲインの設定はAGCCアンプがC
DS4の出力信号が次段のカメラ信号処理回路6にて適
正な信号処理が施されるように設けられているもので、
従来はアイリスによるAEループの構成要素の一部とし
て取り扱われており、これだけを任意に制御する対象と
されているものではなかつた。
【0035】近年CCDのS/Nが向上し、AGCのゲ
インを大きくとつて増幅率を増大しても、撮像系のノイ
ズが余り目立たなくなり、制御パラメータとしての設定
可能範囲が拡大した。
【0036】ゲインは撮像系の中では、制御レスポンス
の速いパラメータであるので、素早い反応が要求される
場面でのAE制御に適したパラメータである。
【0037】現在のAGCゲインがA/D変換器11か
らの積分値に対応してLUT19に規定されている制御
値よりも大きければ、システムコントロール回路25
は、AGCゲインを小さくすべくゲイン設定値を更新す
る。
【0038】逆に現在のAGCゲインがA/D変換器2
5からの積分値に対応してLUT25にて規定されてい
る制御値よりも小さければAGCのゲインを大きくすべ
くゲイン設定を更新する。
【0039】本発明によれば、以上3つのパラメータを
用い、撮影状況、撮影モードに応じて、撮像系の適正な
露光状態を維持することを可能としたものであり、以下
上述の各パラメータを用いた露出制御について説明する
が、まず各露出制御モードに応じて変化する撮像画面上
における測光領域の設定について説明する。
【0040】ビデオカメラで撮影する被写体は、場所、
環境、そのときの撮影状況に応じて様々に変化する。し
たがつて、これらの撮影状況において常に最適な自動露
出制御を行なうためには、撮像画面内における測光領域
の設定位置及びその測光領域の重み付け制御も適宜変更
してその状況に適した制御を行なう必要がある。
【0041】そこで、設定した代表的な場面に応じた光
線状況を考慮して、画面内の輝度分布を想定し、露光量
決定に効果的な情報を提供してくれる画面内の領域にA
E(自動露出制御)演算係数を大きく割り付け、重み付
けを大きくするようにした測光領域を設定するような自
動撮影モードが必要となる。
【0042】本実施例によれば、図4に示すように、撮
像画面を縦4分割、横6分割し、全画面を24の小領域
に分割した例を示す(図において、説明の便宜上、各領
域には1〜24の番号を付してある)。
【0043】これらの分割動作は、システムコントロー
ル回路25によつて制御されるものであり、システムコ
ントロール回路25より出力されるゲートパルスによつ
てゲート回路9を開閉制御して、AGC回路5の出力信
号を各領域1〜24ごとに抽出し、各領域ごとに積分器
10で独立した値として積分処理され、その結果はA/
D変換器11によつてデジタル信号に変換された後シス
テムコントロール回路25内に取り込まれる。システム
コントロール回路25内では、これらの各領域における
積分値に対して前記したその撮影モードに応じてあらか
じめ設定されている重み付け係数を付与した処理を行な
う。なおこれらの処理は24分割に対応した時分割処理
で行なうことが可能である。
【0044】図5,図6は重み付け係数処理を行なった
撮像画面の例をそれぞれ示すものである。
【0045】図5は、前述の『中央部分重点測光』を本
発明における24分割AE方式で実現したものであり、
画面中央に相当する領域8〜11、14〜17における
重み付け演算係数を1.0とし、その周囲の領域の重み
付け演算係数を0.5と設定し、中央部に重点を置いた
AE制御となる。具体的には、これらの重み付けされた
各領域の積分値を加算した値に基づいてアイリス、シヤ
ツタスピード、ゲインを制御すれば、これらの制御に上
述の重み付けを反映させることができる。
【0046】図6は『風景撮影』等に適した測光領域の
例である。一般に風景撮影を行なう場合に地面と空を両
方同時に画面に写し込むことが多い。また空の部分は地
面の部分比較して、若干の曇天であつても非常に高輝度
であることが多い。このため従来の測光領域を考慮しな
いAE制御を用いて撮影すると、地面部分あるいは空を
背景とした人物等が光量不足で黒くつぶれてしまうこと
が多かった。
【0047】これらの不都合を解消するため、空に相当
する画面最上部の領域1〜6の重み付け係数を0.0に
して実質的に無視し、画面中央部の上方の係数を0.5
にし、画面の下半分の係数を1.0にそれぞれ設定す
る。このように演算係数を割り振ることにより、地面に
相当する画面の下方部分に重きを置いたAE演算処理を
行なうことができる。
【0048】上記2例以外にも、撮影状況に応じた撮影
モードを設定し、測光領域設定及び後述する撮影状況に
応じた撮影プログラムを適宜選択できるようにしておけ
ば、種々のAE特性の設定が可能である。
【0049】次に前述の3つのパラメータを用いて撮影
状況に応じた実際のAE制御について説明する。前述し
た通り、様々な撮影状況に適応した撮影を行なうために
は、従来のアイリス制御だけでは対応しきれないため、
本発明では更に多くのパラメータを用意し、これらを最
適制御可能とした。
【0050】すなわち本発明では、幾つかの代表的な撮
影状況を想定してそれぞれをその状況に最適な条件にて
自動調整しながら撮影が可能となるような『プログラム
・モード』と称する撮影制御方式を発明した。そしてこ
れらのプログラム・モードは、操作部20のキー操作に
よつて任意に選択設定可能である。
【0051】ビデオ撮影の様々な場所、様々な状況下に
おいて、常に良好な撮影を行なうためには、撮影状況に
応じて代表的な場面を設定し、場面において最適化をは
かるためには複数の自動撮影(露出制御)モードを備え
る必要がある。
【0052】この問題を解決するため、複数のパラメー
タ制御のための制御関数を格納したルツクアツプテーブ
ル(LUT)を複数個設定し、図1に示すようにLUT
19a,LUT19b,LUT19c…の複数のテーブ
ルがROM等のメモリによつて準備されており、システ
ムコントロール回路25から選択的に読み取り可能に構
成されており、この選択は、操作部20のキー操作によ
つて行なわれる。
【0053】このLUT19a,19b,19c…から
読み取ったデータにより制御される各パラメータの制御
特性の例を図7,図8に示す。
【0054】図7は、パラメータ(2)のシヤツタスピ
ードを可能なかぎり1/100秒に設定できるように
し、入力パラメータの輝度情報の変化に対しては、パラ
メータ(1)のアイリスあるいはパラメータ(3)のA
GCゲインを可変することによつて適正露出制御を行な
うようにしたプログラム制御の動作を示すプログラム線
図であり、これはたとえばLUT19a内に格納されて
いる。
【0055】このプログラムモードは、電源周波数が5
0Hzの地域でNTSC方式のビデオカメラを使用した
ときに発生する蛍光灯のフリツカを抑制するためのもの
であり、いわば『室内撮影モード』と称することができ
る。
【0056】同図において横軸は入力パラメータとして
の被写体照度、縦軸は各パラメータの設定値である。同
図から明らかなように、各パラメータの設定範囲は、入
力パラメータすなわち被写体照度に応じてA,B,C3
つのエリアに分割されており、各エリアの中で3つのパ
ラメータを組み合わせることにより、露出制御を行なう
ようになつている。
【0057】すなわちエリアAを見ると、シヤツタスピ
ード(P2)は1/100秒に固定され、且つゲイン
(P3)も固定されており、アイリス(P1)を明るさ
に応じて制御することにより露出制御が行なわれる。こ
のエリアAで大抵の被写体に適応することが可能であ
る。
【0058】一方エリアBでは照度が低くなり、アイリ
スが開放になつてしまつた状況を示しており、アイリス
は図に示すように開放値で一定となつている。したがつ
てシヤツタスピードを1/60秒まで変化させることに
よつて、露出制御が行なわれる。すなわちNTSC方式
では本来1/60秒周期で蓄積、読み出しを行なってい
るため、1/60秒は本来の動作タイミングを示す。
【0059】またさらに照度が低下すると、エリア3に
示すように、アイリス,シヤツタが限界に達しているの
で、ゲイン(P3)を上げることにより、露出制御を行
なつている。
【0060】このように、被写体照度を示す入力パラメ
ータの変化に応じて、制御パラメータP1〜P3を変化
させることにより、その撮影状況に応じた最適露出制御
を行なうことができるものである。
【0061】また図8は、別のプログラムモードを示す
もので、たとえばLUT19b内に格納されているプロ
グラム線図で、シヤツタスピード(P2)をできるだけ
1/500秒という高速シヤツタに設定し、動きの速い
被写体に対してブレを抑え、画面を鮮明に撮影できるよ
うに用意されたプログラムモードであり、本発明におい
ては『スポーツ撮影モード』と称することにする。
【0062】同図から明らかなように、エリアA,エリ
アBにおいてシヤツタスピードを可能な限り1/500
秒に維持し、被写体照度の変化に対してはアイリス(P
1)とゲイン(P3)によつて露出制御を行ない、被写
体照度が低下してシヤツタスピードが維持できなくなつ
たエリアCで初めて1/60秒まで徐々に変化させるよ
うに動作する。
【0063】また図9は、前述の図6に示す『風景撮影
モード』におけるプログラム線図である。実際のプログ
ラム線図は、図7,図8のようになるが、簡単のため、
図9では、アイリス,シヤツタスピード,ゲインの順に
上方より順次作動範囲を示すことにする。
【0064】すなわち同図において、Iはアイリス制御
パラメータ(P1)、Sはシヤツタスピード制御パラメ
ータ(P2)、Gはゲイン制御パラメータ(P3)を示
しており、図の右方に示すように、アイリス制御パラメ
ータ(P1)はCLOSEとOPENの間を動作し、S
はシヤツタスピード制御パラメータ(P2)は一定、G
はゲイン制御パラメータ(P3)は、±0dBの増幅率
1(入力信号をそのまま出力するのでTHROUGHと
する)から所定値G1までの間を変化することを意味し
ている。ただし、各パラメータとも可変領域内では、前
述の図7,図8のプログラム線図と同様に、入力パラメ
ータである輝度レベルに応じてその値を変化するものと
する。
【0065】風景撮影モードでは、フリツカ、動きの速
い被写体等は存在しない場合が多いため、シヤツタスピ
ード(P2)は標準の1/60秒に固定され、アイリス
(P1)中心の制御となり、アイリスが開放となつた
後、ゲイン(P3)の制御が行なわれる。
【0066】すなわち同図に示すように、入力パラメー
タの被写体輝度の値に応じてパラメータの制御範囲がy
を境に2つのエリアに分割されている。シヤツタスピー
ド(P2)は、入力パラメータの被写体輝度の値に関係
なく1/60秒に固定され、輝度がyまで低下するまで
はAGCゲイン(P3)は±0dBに固定され、アイリ
ス(P1)のみの制御となる。輝度がy以下となつてア
イリスが開放となつた後は、AGCゲインを変化させて
最適露光制御を行なうように制御される。
【0067】このように、撮影状況に応じて複数のプロ
グラム・モードを用意しておき、これを操作部20のキ
ー操作で適宜選択することによつて、あらゆる撮影状況
に対しても最適な露出制御を行なうことができる。
【0068】なお、操作部20で撮影プログラムモード
を切り換える際、前述したように撮像画面における測光
領域の設定も同時に連動して切り換える。たとえば図7
の室内撮影モード、図8のスポーツ撮影モードでは通常
人物等の画面中央に位置させる被写体を撮ることが多い
ため、図5に示す『中央部分重点測光』画面とする。ま
た図9の風景撮影モードについても、この撮影モードに
切り換える動作に連動して撮像画面における測光領域を
図6に示す『風景撮影モード』用の測光領域に切り換え
る。
【0069】ところで、上述した各プログラム線図にお
ける各パラメータの制御には、以下に示す特徴がある。
【0070】すなわち、図7,図8等から明らかなよう
に、各制御パラメータを複数のエリア(本実施例では
A,B,Cの3エリア)に分割し、入力パラメータすな
わち被写体照度の変化に応じて各エリアが選択されるよ
うになされ、且つ各エリアごとに見ると、いずれもAE
制御に用いる可変のパラメータが1つだけ指定され、他
の2つは固定(FIX)されている。この様子はプログ
ラム線図下方の表に示されている。
【0071】すなわち図7では、エリアAではパラメー
タ(P1)が可変で他は固定、すなわちアイリス制御を
行なっているときには、シヤツタスピード、ゲインは固
定されている。
【0072】またエリアBではパラメータ(P2)すな
わちシヤツタスピードが可変で他は固定、またエリアC
ではパラメータ(P3)すなわちゲインが可変で他は固
定となつている。
【0073】この結果、3つの制御パラメータを可変し
て制御を行なうにもかかわらず、各エリア単位では、可
変するパラメータが常に1つとなり、固定されたパラメ
ータの演算処理が不要となるため、演算処理は従来の単
一パラメータ処理によるものと変わらない。
【0074】すなわち本発明は、あらゆる撮影状況に対
応させるために制御パラメータを増やしたことによつて
当然生じる複雑な演算処理を、パラメータの設定領域を
複数の領域に分割し、その各領域で可変するパラメータ
を1つとして他を固定することにより、複雑多岐にわた
る撮影条件と複数の制御すべきパラメータの取り扱いが
簡素化でき、大規模なロジツクや大型のコンピユータを
用いることなく最適AE制御を実現することができるも
のである。
【0075】なお、本発明は、上述の制御パラメータの
切り換え動作において、もう1つの特徴を備えている。
【0076】すなわち本発明は、可変するパラメータを
常に1つにして他を固定することによつて演算処理の削
減をはかつているが、ビデオカメラ特有の性質として、
通常撮影の対象が動画像であり刻々と撮影条件が変化し
ていることが挙げられる。
【0077】入力パラメータに対応して各制御パラメー
タを設定する場合、撮影条件の変化に伴い、分割した複
数のエリア間を入力パラメータの値が移動することが生
じてくる。このとき、被制御パラメータの切り換え動作
が発生するが、パラメータによつては画面上の変化の仕
方が大きく異なることがあり、この変化が頻繁に発生す
ると、画面が見ずらくなることが予想される。
【0078】この対策として、エリア移行の際にヒステ
リシスを持たせ、エリア移行の頻度を低く抑えることが
考えられるが、切り換えが発生した場合には効果がな
く、根本的な対策には成り得ない。
【0079】そこで、本発明では、この対策として図
7,8に示すように、隣接エリアの2つのパラメータ
を、エリアの境界付近辺の境界部分の領域B1、B2に
おいてのみ同時に変化させるように制御している。
【0080】図7において、破線で挟まれた境界部分B
1がパラメータP1とP2とが同時に動作する境界領域
であり、同様に境界部分B2ではパラメータP2とP3
とが同時に動作されている。
【0081】このようにして2つのパラメータを同時に
変化させることによつて、各パラメータ特有の画像変化
が同時にかつ徐々に発生して行くので、エリア間におけ
るパラメータの移動が発生した場合でも画面の変化を視
覚的に違和感のないものとすることができる。
【0082】以上、露出を複数の撮影プログラム・モー
ドによつて制御する方法について説明したが、本発明に
よれば、上述の撮影モードの切り換えにともない、シス
テムコントロール回路25の指令により、D/A変換器
22,23を介して各種の画像処理や、カメラ信号処理
の各種特性を標準位置から、それぞれの撮影状況に応じ
て変化させるための制御信号が供給可能に構成されてい
る。
【0083】すなわち撮影の行なわれる様々な場所、状
況において、各々の場面を常に最適に表現するために
は、撮影時の基本的な制御パラメータによる制御に加
え、図1に示すがカメラ信号処理回路6,画像信号処理
回路7に対する制御も効果的である。
【0084】そこで、設定した代表的な場面に応じた撮
像画面を考慮し、設定された撮影モードに応じて、図1
のカメラ信号処理回路6では映像信号レベルの非線形変
換特性(knee特性やγ特性)を図11に示すa,
b,cのように変化させたり、画像の先鋭度を変化させ
るアパーチヤ補正回路の特性等を制御可能となし、また
同図の画像信号処理回路7では、付加的な画像効果を付
与するための処理として、たとえば撮像した映像信号に
『フエード効果』や『残像効果』を与えることが考えら
れる。
【0085】図12図にこのような付加効果を施す機能
を備えた画像信号処理回路6の構成例を示し、以下にそ
の構成及び動作について説明する。
【0086】色信号処理回路30からはシステムコント
ロール回路25からの制御信号※1によつて指定された
色信号(たとえば全面青のブルーバツクあるいは全面白
等)を発生し、その色信号と、映像出力をフイールドメ
モリ回路32により1画面遅延した信号と、無信号の3
者択一の選択を行なう選択スイツチ31へと供給され
る。
【0087】この選択スイツチ31より、システムコン
トロール回路25の指示※2によつて選択された3者の
うちの1つの情報が、乗算器33の入力端子へと供給さ
れる。乗算器33は、システムコントロール回路25の
指示※3によつて乗算係数発生器34より出力された係
数を用いて乗算処理を実行する。その乗算結果は加算器
35によつて、入力端子36より入力された映像入力信
号に乗算器38によつて同様の係数乗算処理を行なった
結果の信号と加算され、出力端子37へと供給される。
【0088】このような信号の処理過程において、選択
スイツチで無信号のOFF端子を選択すると加算器35
に入力されるのは入力端子緒36からの映像信号のみで
あるので、この映像入力信号がそのまま映像信号出力端
子37へ(スルー)出力される。この時の乗算器38の
係数は1.0でスルーとなつている。
【0089】次に色信号発生器30の出力を選択スイツ
チ31で選択した場合には、システムコントロール回路
25の指示(開始/終了のタイミングあるいは直接の係
数設定)に応じて乗算係数発生器34の出力との演算を
行ない映像入力端子36からの入力映像信号と逆動作
(係数で1の補数関係)にて一方が0→1と出現し、他
方が1→0と消滅し、結果的に色信号と入力信号が入れ
替わる。視覚的には、青画面から徐々に動画像に変化し
ていくように画面が変化する。
【0090】またフイールドメモリの出力を選択した場
合も乗算器38の係数の関係は前述同様に1の補数であ
る。違いは時間的な変化を伴わず、たとえば0.5等に
固定して動作させる点である。
【0091】この場合、加算して出力した結果を1画面
遅れで所定の割合で巡回的に加算して行くので、入力画
像が時間軸方向に尾を引くように表現される。
【0092】そしてこのような信号処理をたとえば、人
物を重点的に撮影するような所謂ポートレート撮影モー
ドにおいて動作させることにより、前述のカメラ信号処
理回路においては、アパーチヤ特性等を変化させて人間
の視覚特性の先鋭度に関与する周波数、テレビ信号にお
いては2〜3MHz近辺の周波数レスポンスを低下させ
ることによつて画像に柔らかな感じを付与することがで
きる等、画質調節を行なうことができる。
【0093】また上述の図12に示すような回路を動作
させれば、画像に色フエードをかけることができる等、
特殊画像処理の効果を自動的に付与することができる。
【0094】このポートレート撮影モードは基本的には
図5に示すような測光領域に同図のような重み付けを施
した中央重点測光による撮影モードであり、撮影プログ
ラム・モードについて示すと、そのプログラム線図は図
13に示すように設定されている。実際のプログラム線
図は、図7,図8のようになるが、簡単のため、図9と
同様に、アイリス,シヤツタスピード,ゲインの順に上
方より順次作動範囲を示すことにする。
【0095】すなわち同図において、Iはアイリス制御
パラメータ(P1)、Sはシヤツタスピード制御パラメ
ータ(P2)、Gはゲイン制御パラメータ(P3)を示
しており、図の右方に示すように、アイリス制御パラメ
ータ(P1)はCLOSEとOPENの間を動作し、シ
ヤツタスピード制御パラメータ(P2)はHighスピ
ード(T1)と標準の1/60秒の間を変位し、ゲイン
制御パラメータ(P3)は、±0dBの増幅率1(入力
信号をそのまま出力するのでTHROUGHとする)か
ら所定値G1までの間を変化することを意味している。
ただし、各パラメータとも可変領域内では、前述の図
7,図8のプログラム線図と同様に、入力パラメータで
ある輝度レベルに応じてその値を変化するものとする。
【0096】このポートレートモードは、被写体が人物
であることを想定しており、したがつて被写界深度を浅
く撮ることを重視している。
【0097】同図から明らかなように、横軸の被写体照
度に対してy1,y2の2つのしきい値が設けられ、3
つのエリアに分割されている。
【0098】アイリスはについて見ると、高輝度のエリ
アAでは、アイリスによる制御が行なわれるが、高輝度
でS/Nを確保したいため、アイリスが開放値となるま
でAGCのゲインは±0dBのまま保持されるが、アイ
リスの小絞りによる回折現象からくる解像力の低下を考
慮してアイリスの制御が行なわれる。
【0099】具体的には、入力輝度レベルがy1以下で
はアイリスは開放値に制御される。これによつて通常の
輝度ではアイリスは開放となり、被写界深度を最も浅く
することができる。すなわちアイリスの制御特性は、y
1を境にして高輝度から低輝度までの全域を可変領域と
開放領域の2段階に切り換えられる。
【0100】シヤツタスピードについて見ると、y1以
上の高輝度領域では、通常の1/60秒より高速の高速
シヤツタスピードT1に設定されており、これは小絞り
対策に加え、高輝度でもできる限り被写界深度を浅くす
るため、ある程度高めのシヤツタスピードに設定されて
いる。実際には1/250〜1/4000秒程度の範囲
内で設定される。
【0101】またこれはS/Nをかせぐため、低輝度に
なつてもAGCゲインを上げずに制御できる意味もあ
る。
【0102】y1〜y2のエリアにおいては、アイリス
が開放値になつており、AGCゲインもS/Nの点から
上げたくないので、シヤツタスピードを前記T1と標準
の1/60秒の間で変化させることによつて露出制御が
行なわれる。
【0103】輝度レベルがy2以下では、シヤツタスピ
ードをテレビジヨン信号の標準値である1/60秒(N
TSC)に設定される。
【0104】この状態ではAGCゲインのみによる露出
制御となり、S/Nの許容範囲内でゲインを上げること
により露出制御が行なわれる。
【0105】AGCゲインについては、上述したよう
に、輝度がy2以上では常に±0dBに固定されてお
り、AGC回路5自体増幅作用を持たない状態に制御さ
れ、このy2以上の領域が被写体照度の大部分を占める
ようにするので、全域にわたつてS/Nの良好な撮影画
像を得ることができる。
【0106】入力輝度レベルがy2以下となつて、初め
てゲインの制御が行なわれ、ゲインアツプすることによ
つてS/Nの許す範囲で露出制御が行なわれる。
【0107】このように、ポートレートモードにおいて
は、中央重点測光で撮影されるが、人物を基本とした撮
影が前提となるので、上述した画質調整や画像処理を併
用するときわめて有効である。
【0108】以上、各撮影モードにおける各制御パラメ
ータの設定、同じく撮影モードに応じた測光領域の設
定、さらに撮影モードに応じた信号処理系の特性の切り
換えについて説明したが、図10は、たとえば図7のプ
ログラム線図を用いるプログラム撮影モードにおける、
上述のエリア境界部分のパラメータ処理を含めたパラメ
ータ設定動作を示すフローチヤートである。
【0109】同図において、制御をスタートすると、S
1にて電源投入を監視し、電源投入がなされるとS2へ
と進み、操作部20によつて選択された撮影プログラム
・モード(M)を確認してS3へと進み、選択されてい
るプログラム・モード(M)に対応するLUT19aあ
るいは19b、19cを参照し、指定のプログラム特性
を設定する。
【0110】S4では前記指定されたLUTから撮像画
面上に設定された24分割それぞれの重み付けに関する
データを読み出し、前述のように、その撮影モードに応
じた重み付けを行ない、S5へと進む。
【0111】S5では指定された撮影モードに応じて、
LUTより画像処理の内容及び特性を読み出し、その撮
影モードに適応した、上述の例で言えばアパーチヤ制御
による画質調整や、色フエード等による画像処理が設定
される。
【0112】S6では、基準パラメータ軸上における現
在のエリアすなわち入力パラメータに対応する被写体照
度から現在のエリアを確認する。
【0113】続いてS7へと進んで、現在のエリアに応
じて分岐先を決定する。
【0114】エリアAと決定された場合には、S8へと
進んでアイリス制御パラメータP1を算出し、続いてS
9でエリアの境界域B1の内外の判定を行ない、境界B
1外であれば、S10に進んでシヤツタスピード制御パ
ラメータP2を前置保持して固定し、B1内であればS
11へと進んでシヤツタスピード制御P2を算出して更
新した後、S21へと進み、ゲイン制御パラメータP3
を前置保持して固定し、S24へと進む。
【0115】またS6でエリアBと決定された場合は、
S12でシヤツタスピード制御パラメータP2を算出
し、S13へと進んでエリアの境界域B1,B2それぞ
れの内外の判定を行ない、B1内であつた場合はS14
でアイリス制御パラメータP1を算出してS21へと進
み、ゲイン制御パラメータP3を前置保持して固定した
後S24へと進む。
【0116】B2内であつた場合にはS16へと進んで
ゲイン制御パラメータP3を算出して、S23へと進
み、アイリス制御パラメータP1を前置保持して固定し
た後、S24へと進む。
【0117】B1にもB2にも属していない場合には、
S15でアイリス制御パラメータP1を前置保持して固
定し、S22でゲイン制御パラメータP3を固定した
後、S24へと進む。
【0118】またS7において、エリアCと決定された
場合には、S17へと進んでゲイン制御パラメータP3
を算出し、続いてS18でエリアの境界域B2の内外の
判定を行ない、境界B2外であれば、S20に進んでシ
ヤツタスピード制御パラメータP2を前置保持して固定
し、B2内であればS19へと進んでシヤツタスピード
制御P2を算出して更新してS23へと進み、アイリス
制御パラメータP1を前置保持して固定した後、S24
へと進む。
【0119】S24では、前述の処理によつて設定した
各パラメータの値P1,P2,P3すなわちアイリス、
シヤツタスピード、ゲインの各制御値をシステムコント
ロール回路25より出力して、アイリス2、撮像素子
3、AGC回路5をそのプログラム・モードに応じてそ
れぞれ制御し、S25で次の処理時間単位が来るまで待
機し(本実施例では、1フレームに1演算を基本単位と
する)、S26で電源遮断を確認し、電源ONが継続し
ていればS1へと戻って上述の処理を繰り返し行ない、
電源OFFが指示されていれば、処理を終了する。
【0120】これによつて、選択されたプログラム・モ
ードそれぞれに応じた各種パラメータの制御が可能とな
り、これに基づいて露出制御が行なわれる。
【0121】また撮影プログラム・モードの切り換えに
連動して撮像画面における測光領域及び画像信号処理系
の特性あるいは付加的機能もその撮影状況に適したもの
に切り換えるようになつているため、それらの各の撮影
状況に応じて常に最適な自動露出制御及び撮影を行なう
ことができる。
【0122】しかも撮影状況が変化してもカメラの撮影
状態が不自然に変化することがなく、最適な制御モード
切り換えを行なうことができる。
【0123】本発明における各種制御パラメータの設定
及びこれによる露出制御動作は上記図10に示すフロー
チヤートに示す手順で行なわれるが、ここで、図10の
フローチヤートにおけるS2のプログラム撮影モードの
確認処理から、S24の各制御パラメータに基づくアイ
リス,シヤツタ,ゲイン制御データの出力までの処理手
順、及びデータテーブル内の構造を、通常のほとんどの
撮影状況をカバーする後述のフルオート撮影モードを例
にして説明する。
【0124】基本的には、撮影モードごとに対応するデ
ータテーブルLUTを用意しておき、撮影モードの切り
換え動作に応じてデータテーブルも対応するものに切り
換えるようにするが、このフルオートモードは通常ほと
んどの撮影条件において適応し得ることを前提として設
定された撮影モードであり、この撮影モードを選択した
場合には、使用しているデータテーブルで十分な制御が
できない場合には、操作部20の切り換え動作を行なう
ことなく、自動的に他のデータテーブルを参照して撮影
環境に適応した露出制御を行なうことができるようにな
されている。
【0125】図14は、撮影プログラム・モードに応じ
た制御特性をセツトするためのデータセツトの手順を示
す動作フローチヤートで、図15が上記の撮影モードご
との制御特性を決定するデータを格納したLUTの内部
構造を示し、図16は図15のLUTにもとづいて行な
われる、被写体照度すなわち撮影輝度に対応した制御パ
ラメータの遷移図で、前述の図7,図8に示したような
プログラム線図と同様のものである。
【0126】以下図14のフローチヤートについて説明
する。
【0127】制御をスタートすると、S101で撮影モ
ードの選択を図1の操作部20によつて行ない、その選
択結果がシステムコントロール回路25へと取り込ま
れ、S102において、選択された撮影モードに応じた
LUTが、LUT19a〜19bの中から選択される。
【0128】S103ではパラメータを指定するための
パラメータカウンタnをn=01に初期設定を行ない、
S104でS103にて指定されたパラメータPnのデ
ータを読み込む。
【0129】このパラメータ指定について説明すると、
図15の例では、n=01のときはアイリスに関するデ
ータ、n=02のときはシヤツタスピードに関するデー
タ、n=03のときはAGCゲインに関するデータ、n
=04のときはAEウエイテイング(測光領域の重み付
け係数)に関するデータ、n=05のときはAEの評価
基準値に関するデータすなわち輝度レベルを一定に合わ
せる基準となるレベル、n=06のときは画質調整に関
するデータ、n=7で特殊効果的な画像処理等に関する
データがそれぞれシステムコントロール回路25に読み
込まれる。
【0130】S105では、読み込まれたパラメータの
属性を確認し、入力パラメータに依存したものであるか
(入力輝度レベルYの関数f(Y) )、入力パラメータに
依存せずモードに対応した固定的なデータかの判別が行
なわれる。
【0131】すなわち図15のテーブルに示すように、
属性とは入力パラメータすなわち本実施例では被写体照
度に対して、所定の関数f(Y) にしたがつて変化するも
のであるか、入力パラメータの変化に関係なく固定であ
るかを示しており、S105でパラメータの属性がf
(Y) で入力パラメータに依存するものであれば、S10
7へと進み、固定であればS106へと進み、データの
属性が輝度レベルによらず固定であるとしてそのパラメ
ータの値を設定する。
【0132】S107ではパラメータ・カウンタnに1
を加算して、n+1とし、S108でnがLUT内の最
大値よりも大きくなつたか否かを確認し、nが最大値に
達するまで、上述のS104〜S107の動作を繰り返
し行ない、パラメータの読み込みと属性野判別動作を繰
り返し行ない、nが最大値を越えた場合にはS109以
下のデータ出力処理へと移行する。
【0133】S109以降はS101〜S108でLU
Tより読み込んだパラメータをもとに制御データの出力
演算を行なう処理を示すもので、S109ではパラメー
タカウンタをn=01にリセツトする。
【0134】S110では、パラメータの属性を確認
し、入力パラメータに依存するもの(f(Y) )である
か、入力パラメータには依存せずモードに対応した固定
的なものであるかの判定が行なわれ、f(Y) ならS11
1へ、固定ならS111、S112を飛ばしてS113
へと進む。
【0135】S111では単位処理時間(たとえば1フ
イールド期間)ごとに積分器10の出力をA/D変換器
11にてサンプリングし、入力パラメータとしての輝度
信号レベルをシステムコントロール回路25へと取り込
む。この入力信号の値に応じて、LUTのデータ定義を
参照し、データ演算の要/不要の判断を行なう。演算の
条件に合致した場合にはS112へと進んで現在の状態
において指示されたパラメータだけを変化させ、AEの
制御を行ない、適正露光に調節するためのそのパラメー
タの最適値を演算する。
【0136】またS111で演算不要と判断された場合
には、S112の制御出力の演算処理を飛ばしてを飛ば
してS113へと進む。
【0137】S113ではパラメータカウンタnに1を
加算し、n+1としてS114へと進み、パラメータカ
ウンタnがLUTのパラメータ番号の最大値を越えるま
で、ステツプS110へと戻り、全パラメータに関して
上述のS110〜S113の処理を繰り返し行ない、パ
ラメータカウンタnがLUTのパラメータ番号の最大値
を越えたら、次のS115へと進んで、図10のフロー
チヤートのS25の処理へとリターンする。
【0138】以上がデータ参照テーブルLUTより各パ
ラメータの特性を読み出してAE制御データを演算する
までの処理手順であり、次にLUT内に格納されている
各パラメータとその定義、特性、実際のAE制御特性に
ついて説明する。
【0139】図15は上記のフルオート撮影モードにお
ける制御特性を決定するデータを格納したLUTの内部
構造を示し、図16は図15のLUTにもとづいて行な
われる、被写体照度すなわち撮影輝度に対応した制御パ
ラメータの遷移図で、前述の図7,図8に示したような
プログラム線図と同様のものである。
【0140】また図17は同じくフルオート撮影モード
における図15のLUTとは異なる撮影状況において参
照される、別の制御特性を決定するデータを格納したL
UTの内部構造を示し、図18は図17のLUTにもと
づいて行なわれる、被写体照度すなわち撮影輝度に対応
した制御パラメータの遷移図で、前述の図7,図8に示
したようなプログラム線図と同様のものである。そして
ここで図15,図16はたとえばフリツカがある室内撮
影に用いて好適な室内撮影モード、図17,図18はフ
リツカがない場合に用いて好適な撮影モードである。
【0141】図16の制御パラメータの遷移図では、入
力輝度レベルの値に応じ、y1〜y5の5つのしきい値
によつて6個のエリアに分割されており、それぞれにお
いてI,S,Gの各制御パラメータが設定されており、
同図右側に示すように、アイリスはCLOSE,所定値
F1,OPENの間を可変され、シヤツタは高速のT
1,フリツカ対策用の1/100秒(NTSC)のT
2,標準の1/60秒STANDARDの間で可変され
る、ゲインは±0dBのTHROUGH,所定値G1,
さらに大きなG2の間を変化するものである。同図で、
I,S,Gがそれぞれ対応するパラメータの可変領域で
ある。
【0142】また図18の制御パラメータの遷移図も図
16と考え方は同一であるが、入力輝度レベルの値に応
じたエリア分割は、y6〜y8の3つのしきい値によつ
て4個のエリアに分割されたそれぞれに対して各制御パ
ラメータの設定が行なわれている。
【0143】すなわち本発明では、操作部20によつて
フルオートモードを設定しておけば、撮像信号中のフリ
ツカをシステムコントロール回路25で検出し、その有
無に応じて自動的にLUTを図15と図17の最適のも
のに切り換えて制御を行なうように構成されており、し
たがつて、単一のプログラム撮影モードの中で、これら
のLUTが撮影条件に応じて適宜切り換え、常にいかな
る撮影条件に対しても対応できるようになつている。ま
たフリツカのみならず他の撮影条件に応じて別のLUT
を用意できることは言うまでもない。
【0144】以下各図における個々のパラメータについ
て順に説明する。 (P1:アイリス制御パラメータ)アイリス制御パラメ
ータは、入力パラメータYすなわち輝度レベルによつて
変化し、その属性として関数f(y) が定義されている。
【0145】入力輝度レベルが図16に示すしきい値y
1よりも高い場合には図15の右側のデータ欄から明ら
かなように、『→CAL』の表示で演算(calcul
ation)が必要であることを示している。
【0146】この場合の前提は、輝度がきわめて高く、
アイリスの小絞りによる光の回折現象に起因する解像力
の低下を抑えるべく、シヤツタスピードは若干高めに設
定してアイリスが小絞りになり過ぎないようにするとと
もに、時間軸方向の折り返し成分(いわゆるチラツキ)
が目立たない程度の時間設定T1となされ、AGCゲイ
ンを±0dB(THROUGH)にしてS/Nを劣化さ
せないような設定となつている。
【0147】入力輝度レベルがy1とy2の間では、ア
イリスを絞り値F1に固定して設定しており、演算が不
要であることが図15のデータ欄の『F1』によつて設
定されている。F1の値は前記回折現象が発生しない程
度の絞り値とすることが望ましい。
【0148】また入力輝度レベルがy2とy3の間で
は、『→CAL』の表示にから明らかなように、演算が
必要であることが示されている。この範囲がアイリスに
よつて露出を制御するもっとも広いレンジを有するエリ
アである。
【0149】他のパラメータとしてはAGCゲインが±
0dBで、シヤツタスピードが図15の蛍光灯フリツカ
が有る場合、NTSCでは1/100秒、PALなら1
/60秒に固定して蛍光灯の照射エネルギーのAC電源
による変動をキヤンセルするように設定し、上記のフリ
ツカが無い場合(図17,図18)には露光時間を確保
するために標準テレビシヨンレートの1/60秒(NT
SC)または1/50秒(PAL)に設定する。
【0150】図15,図16において入力輝度レベルが
y3以下では、アイリスを開放に設定することが『→O
PEN』によつて示されている。この条件下では、輝度
が低下し始めているため、まずAGCゲインをS/N劣
化が目立たない程度に持ち上げ、シヤツタスピードが標
準レートより高ければ、次にこのシヤツタスピードを標
準レートの最低速に徐々に落して行く。
【0151】このように、アイリスについて見れば、入
力パラメータの値に対してy1,y2,y3の3つのし
きい値によつて高輝度から低輝度までの全域を4分割し
てアイリスの制御特性が定義されている。 (P2:シヤツタ制御パラメータ)シヤツタ制御パラメ
ータは、y1〜y5のしきい値によつて入力パラメータ
の輝度の関数f(Y) が定義されている。
【0152】入力輝度レベルがy1よりも高い場合には
『→T1』が定義され、シヤツタスピードを高速のT1
に固定する設定になつている。この場合は演算は不要で
ある。
【0153】ここでT1は前述したように、小絞り対策
のため、若干高めの設定となつており、たとえば1/1
25〜1/500秒の範囲内で選択される。
【0154】入力輝度レベルがy1とy2の間では、
『→CAL』が設定されており、入力輝度レベルに応じ
た最適なシヤツタスピードを算出し、パラメータ値の設
定が必要であることを示している。
【0155】これは小絞り対策のために回折現象の発生
しない絞り値でアイリスを一旦固定してしまうため、光
量の増加分に見あうだけシヤツタスピードを速く設定す
る必要がある。このために上記演算を行なうわけであ
る。
【0156】また、入力輝度レベルがy2とy4の間で
は、シヤツタスピードをT2に固定する設定となつてい
る。この場合も演算は不要となる。
【0157】このT2は蛍光灯フリツカ防止の光蓄積時
間に相当するものであり、NTSCでは1/100秒、
PALでは1/60秒に設定される。ただし、上記の蛍
光灯フリツカの発生しない条件下での撮影では、テレビ
信号の標準値に向けて光蓄積時間を拡大するように調整
し、よりS/Nの良好な条件で撮影を実行するように制
御する。
【0158】そこでフリツカの無い場合を考慮し、この
ようにシヤツタスピードがT2で一旦止まることがない
ような制御特性を別のLUTとして定義し、蛍光灯フリ
ツカのない条件下で用いるようにしたのが図17に示す
LUTであり、その場合の各3つのパラメータの入力パ
ラメータである輝度レベルに対する遷移を表わしたのが
図18である。これらの図については、図15,図16
と同様の見方で理解できるため、詳細な説明は省略す
る。
【0159】なお蛍光灯フリツカの有無の判別について
は、システムコントロール回路25における、輝度レベ
ルのフイールドごとの監視により、周期的なレベル変動
を検出した場合にはフリツカあり、毎フイールドの輝度
レベルがほぼ安定していればフリツカなしと判別するこ
とができる。
【0160】そしてシステムコントロール回路25は、
このフリツカの有無に応じて、フルオート撮影モードと
いう同一プログラムモードの中で、2種類のLUTを選
択的に用い、撮影状況に適応した最適制御を行なうよう
に動作するものである。
【0161】入力輝度レベルがy4とy5の間のエリア
では、『→CAL』と設定されており、演算によつて最
適なシヤツタスピードをもとめ、パラメータの設定を行
なうように設定されている。
【0162】すなわち上記のフリツカ防止対策として、
標準テレビジヨンレートよりも高いシヤツタスピードを
設定しているが、低照度となつた場合には、シヤツタス
ピードを低速にして撮影自体を行なえるようにすること
のほうが重要であり、この低速度を設定するために上記
の演算を行なう。
【0163】このあたりの領域では、シヤツタスピード
の1ステツプが細かく設定可能であるので、連続的にシ
ヤツタスピードを変更しても映像に違和感を生じること
はない。
【0164】入力輝度レベルがy5以下では、シヤツタ
スピードをテレビ信号の標準値んい設定すべきであるこ
とが『→標準値』で指定されており、この標準値とは、
NTSCでは1/60秒、PALでは1/50秒であ
る。
【0165】この状態においては、AGCゲインのみが
制御可能なパラメータとして残っており、S/N劣化の
許容される範囲でゲインアツプし露出制御が実行され
る。 (P3:AGCゲイン)AGCゲインを処理対象のパラ
メータとした場合も、複数のしきい値により、その入力
輝度の関数f(Y) が定義されており、入力輝度レベルが
y3より高い場合は『±0dB』の指定がなされ、AG
Cゲインを±0dBに固定し、増幅作用を持たせない利
得設定がなされる。すなわちアイリスとシヤツタによつ
て露出制御が可能な場合は、AGCゲインを固定してS
/Nの劣化を防止するためであり、この場合も演算不要
である。
【0166】入力輝度レベルがy3とy4の間では『→
CAL』が指定されており、演算によつて最適なAGC
ゲインをもとめ、ゲイン制御パラメータが設定される。
【0167】また入力輝度レベルがy4とy5の間で
は、AGCゲインを所定値G1に固定するような指定と
なつている。この場合も演算は不要である。
【0168】さらに入力輝度レベルがy5以下では、最
適なAGCゲインが演算され、ゲイン制御パラメータの
設定が行なわれるよう、『→CAL』が指定されてい
る。
【0169】これらのしきい値定義の3つのパラメータ
の関係は図16、あるいは図18より明らかであり、図
16のフリツカがない場合は、全体は5つのしきい値y
1〜y5によつて6つのエリアに分割されており、演算
すべきパラメータは前述の図7,図8で示したように、
各領域とも常に1つとなるように分散配置されており、
高輝度側より、それぞれアイリス(I)、シヤツタ
(S)、アイリス(I)、ゲイン(G)、シヤツタ
(S)、ゲイン(G)となつている。
【0170】また図18のフリツカの無い場合も、全体
はy6〜y8によつて4つのエリアに分割され、演算す
べきオパラメータは各エリアに1パラメータとなるよう
に分散配置されており、高輝度側よりI、S、I、Gと
なつている。 (P4:AEウエイテイングパラメータ=測光領域重み
付け設定)図5,図6で示したように、撮像画面内の測
光領域分布及びそれらの重み付けを設定するパラメータ
であり、図16より明らかなように、MAP形式で格納
されており、属性は固定である。すなわち撮影モードに
応じたLUTごとには異なるが、1つの撮影モードの中
では固定であり、輝度信号レベルによつて変化しない。
【0171】本実施例では、撮像画面の24分割の領域
に対して直接マツプのように割振られている。このフル
オートモードでは、中央の2×4の8領域には1.0、
周辺の16領域には0.5という中央部より軽い係数が
それぞれ割り振られており、図5に示した『中央部分重
点測光』の測光領域指定となつている。 (P5:AE基準値パラメータ)AE基準値のパラメー
タは露出制御の基準となる輝度レベルを示すものであ
り、数値定義で格納されている。この基準値をもとにし
て露出の過不足の判定が行なわれるものであり、本実施
例では50IREに設定されている。このパラメータも
入力輝度レベルによらず、その撮影モードでは一定であ
る。 (P6:画質調整パラメータ)前述したアパーチヤ制御
等による画質調整処理を指定するパラメータで、処理内
容をコードによつて定義されており、属性は固定で、撮
影モードに応じて設定されており、入力輝度レベルによ
つては変化しない。
【0172】このフルオートモードでは、『NORMA
L』の指定となつており、基本画質は標準値に設定さ
れ、特別な処理は行なわれないことを示している。 (P7:画像効果処理パラメータ)図12で説明したよ
うな、フエード等の画像処理を指定するためのパラメー
タで、処理内容はコードによつて定義されている。
【0173】このフルオートモードでは、『NORMA
L』の指定となつており、基本画質は標準値に設定さ
れ、特別な処理は行なわれないことを示している。
【0174】また属性は固定で、撮影モードに応じて設
定されており、入力輝度レベルによつては変化しない。
【0175】このように、本発明におけるデータテーブ
ルLUTには、制御に必要な各種パラメータの定義、特
性が格納されており、且つこのようなLUTを撮影モー
ドに応じて複数備え、指定された撮影モードに応じて選
択できるため、あらゆる撮影状況、撮影環境に対して、
常に最適な制御を行なうことができる。
【0176】
【発明の効果】以上述べたように、本発明における撮像
装置によれば、複数のパラメータを用いて撮影状態を制
御するようになすとともに、様々な撮影状況に応じて複
数の撮影モード(プログラム・モード)をデータテーブ
ルを選択することによつて指定し、その撮影モードにあ
つた制御特性となすことができるようにしたので、従来
の装置に比べてよりきめ細かな制御が可能となり、様々
な撮影条件においても、撮影モードの選択のみで最適な
撮影が可能となる効果を有している。
【0177】また指定された撮影モードによつては、撮
影状況に応じて、さらに別のデータテーブルを選択して
その状況に適応した制御を行なうことができるようにし
たので、撮影状況が大きく変動しても、常に良好な自動
撮影を実現することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における撮像装置をビデオカメラの露出
制御装置に適用した場合の構成を示すブロツク図であ
る。
【図2】中央部分重点測光における測光領域を示す図で
ある。
【図3】電子シヤツタの動作を説明するための図であ
る。
【図4】本発明における撮像画面上の領域分割状態を示
す図である。
【図5】本発明における『中央部分重点測光』の測光領
域設定及び重み付けを説明するための図である。
【図6】本発明における『風景撮影モード』の測光領域
設定及び重み付けを説明するための図である。
【図7】本発明の『室内撮影モード』に応じたパラメー
タ処理を説明するためのプログラム線図である。
【図8】本発明の『スポーツ撮影モード』に応じたパラ
メータ処理を説明するためのプログラム線図である。
【図9】本発明の『風景撮影モード』に応じたパラメー
タ処理を説明するためのプログラム線図である。
【図10】図7,図8におけるパラメータ設定を説明す
るため処理を説明するためのフローチヤートである。
【図11】本発明における撮影モードの切り換えに連動
して行なわれるカメラ信号処理回路の特性を示す図であ
る。
【図12】本発明における撮影モードの切り換えに連動
して行なわれる、画像処理回路の制御を説明するための
図である。
【図13】本発明の『ポートレート撮影モード』に応じ
たパラメータ処理を説明するためのパラメータ遷移図で
ある。
【図14】図10のフローチヤートの処理をさらに細部
にわたつて詳細に説明するためのフローチヤートであ
る。
【図15】本発明の『フルオート撮影モード』に応じた
第1のデータテーブルの構造を説明するための図であ
る。
【図16】図15の『フルオート撮影モード』用の第1
のデータテーブルに基づく制御パラメータの設定処理を
説明するためのパラメータ遷移図である。
【図17】本発明の『フルオート撮影モード』に応じた
第2のデータテーブルの構造を説明するための図であ
る。
【図18】図17の『フルオート撮影モード』用の第2
のデータテーブルに基づく制御パラメータの設定処理を
説明するためのパラメータ遷移図である。
【図19】一般的な撮像装置をビデオカメラの露出制御
装置に適用した場合の構成を示すブロツク図である。
【図20】シヤツタ優先モードを説明するための図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津田 裕司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−60378(JP,A) 特開 平2−288560(JP,A) 特開 平4−70277(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/235

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともシャッタ速度およびゲインの
    制御特性をそれぞれ定義して格納した複数のデータテー
    ブルと、 フリッカ成分の検出の有無に応じて、前記複数のデータ
    テーブルの中から所定のデータテーブルを選択し、前記
    選択されたデータテーブルより読み出した前記パラメー
    タの制御特性に基づいて露出を制御する制御手段とを有
    し、 前記制御手段は、フリッカが検出された場合、フリッカ
    が検出されなかったときに選択されるデータテーブルに
    基づいてゲインを可変制御する輝度レベルよりも高いレ
    ベルにおいて、フリッカを抑制するためのシャッタ速度
    に固定するとともにゲインを可変制御する特性のデータ
    テーブルを選択することにより、露出を制御することを
    特徴とする撮像装置。
  2. 【請求項2】 少なくともシャッタ速度およびゲインの
    制御特性をそれぞれ定義して格納した複数のデータテー
    ブルに基づいて露出を制御する撮像方法であって、 フリッカが検出された場合、フリッカが検出されなかっ
    たときに選択されるデータテーブルに基づいてゲインを
    可変制御する輝度レベルよりも高いレベルにおいて、フ
    リッカを抑制するためのシャッタ速度に固定するととも
    にゲインを可変制御する特性のデータテーブルを選択す
    ることにより、露出を制御することを特徴とする撮像装
    置。
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