JP3402483B2 - オーディオ信号符号化装置 - Google Patents

オーディオ信号符号化装置

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JP3402483B2 JP03455893A JP3455893A JP3402483B2 JP 3402483 B2 JP3402483 B2 JP 3402483B2 JP 03455893 A JP03455893 A JP 03455893A JP 3455893 A JP3455893 A JP 3455893A JP 3402483 B2 JP3402483 B2 JP 3402483B2
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  • Signal Processing Not Specific To The Method Of Recording And Reproducing (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
  • Transmission Systems Not Characterized By The Medium Used For Transmission (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーディオ信号を符号
化し、例えばディスクやテープなどの記録媒体などに記
録したり、伝送する場合に用いて好適なオーディオ信号
符号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のオーディオ信号符号化装置におい
ては、例えば所定のフレーム区間ごとのオーディオ信号
(あるいは音声信号)を複数の周波数帯域に分割し、各
帯域ごとの信号に、例えばDFTや、DCT、K−L変
換などの直交変換を施した後、その直交変換係数を量子
化することにより、オーディオ信号(ディジタルオーデ
ィオデータ)を圧縮符号化するようになされている。
【0003】さらに、このようなオーディオ信号符号化
装置では、上述したようにオーディオ信号を符号化する
際に、各帯域(または各帯域をさらに細かく分割した帯
域)ごとに、その帯域におけるオーディオ信号のパワー
に基づいてビット割当(周波数領域ビット割当)を行っ
たり、所定のフレーム区間(または所定のフレーム区間
を細かく分割した区間)ごとに、その区間におけるオー
ディオ信号のパワーに基づいてビット割当(時間領域ビ
ット割当)を行うようになされており、これにより、一
定の発生符号レートのもとでのS/Nを向上させること
ができるようになされている。
【0004】ところで、上述のビット割当は、量子化雑
音を周波数軸上で均一にするものであり、雑音エネルギ
は最小になるが、人間の聴覚に感じる雑音感が必ずしも
最小にならない問題があった。
【0005】そこで、人間の聴覚の特性に基づいて、ビ
ット割当を行う方法が知られている。この方法によれ
ば、人間の聴覚が鈍感な周波数帯域に割り当てられるは
ずのビットの一部が、人間の聴覚が敏感な周波数帯域に
割り当てられるので、人間の聴覚に感じる雑音感を最小
にすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うなビット割当は、オーディオ信号が、雑音のない静か
な環境で聴かれることを前提として行われる。
【0007】しかしながら、上述したように符号化さ
れ、例えばディスクやテープなどの記録媒体に記録され
たオーディオ信号が、必ずしも雑音のない静かな環境
で、再生装置によって再生、復号されて聴かれるとは限
らない。
【0008】即ち、例えば航空機や電車、自動車などに
おいて、ディスクやテープからオーディオ信号(音楽や
音声)が再生されて聴かれる場合がある。
【0009】このような場合、航空機や電車、自動車な
どが発する雑音(例えば、エンジン音や機械的な振動音
など)で、いわゆるマスキング効果によってマスクされ
る(人間の聴覚に感じにくくなくなる)オーディオ信号
の周波数帯域が生じる。
【0010】従って、このマスクされた周波数帯域に、
上述したビット割当によって、例えば多くのビットが割
り当てられていたときには、聴こえないオーディオ信号
の周波数帯域に多くのビットを使用していたことにな
り、無駄であった。
【0011】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、オーディオ信号を効率的に符号化するこ
とができるようにするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のオーデ
ィオ信号符号化装置は、オーディオ信号が再生される環
境における環境音に関する環境音モデルを記憶している
記憶手段としての環境雑音モデル記憶部31と、環境雑
音モデル記憶部31に記憶された環境音モデルに基づい
て、オーディオ信号に割り当てるビット数を決定する決
定手段としてのビット割当部33と、ビット割当部33
により決定されたビット数に基づいて、オーディオ信号
を符号化する符号化手段としての量子化器35とを備え
ることを特徴とする。
【0013】このオーディオ信号符号化装置は、環境雑
音モデル記憶部31に、例えば航空機や列車、自動車な
どの乗り物の発する音に関する環境音モデルを記憶させ
ておくようにすることができる。
【0014】請求項3に記載のオーディオ信号符号化装
置は、ヘッドフォンまたはイヤフォンの特性に関する特
性モデルを記憶している記憶手段としての減衰特性モデ
ル記憶部41と、減衰特性モデル記憶部41に記憶され
た特性モデルに基づいて、オーディオ信号に割り当てる
ビット数を決定する決定手段としてのビット割当部42
と、ビット割当部42により決定されたビット数に基づ
いて、オーディオ信号を符号化する符号化手段としての
量子化器35とを備えることを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明のオーディオ信号符号化装置において
は、環境雑音モデル記憶部31に記憶された、例えば航
空機や列車、自動車の発する音などのオーディオ信号が
再生される環境における音に関する環境音モデルに基づ
いて、オーディオ信号に割り当てるビット数を決定して
符号化する。従って、オーディオ信号を聴く環境におけ
る環境音にマスクされるオーディオ信号の周波数帯域に
割り当てるビットを少なくするようにすることができる
ので、符号量を減少させることができる。
【0016】また、本発明のオーディオ信号符号化装置
においては、減衰特性モデル記憶部41に記憶されたヘ
ッドフォンまたはイヤフォンの特性に関する特性モデル
に基づいて、オーディオ信号に割り当てるビット数を決
定して符号化する。従って、ヘッドフォンまたはイヤフ
ォンを介してオーディオ信号を聴く場合に適したビット
割当を行うようにすることができる。
【0017】
【実施例】図1は、本発明のオーディオ信号符号化装置
を応用したオーディオ信号符号化システムの一実施例の
構成を示すブロック図である。このシステムは、オーデ
ィオ信号(ディジタルオーディオデータ)を符号化し、
伝送路に伝送する、あるいは例えばディスクやテープな
どの記録媒体に記録する符号化装置1と、符号化装置1
によって伝送されたデータ、あるいはディスクやテープ
などの記録媒体に記録されたデータを再生して復号化す
る復号化装置2にとから構成されている。
【0018】符号化装置1は、図2に示すように、ミキ
サ11、エンコーダ12aおよび12bから構成され
る。ミキサ11は、図3に示すように、クロストークフ
ィルタ21aおよび21b、並びに演算器22aおよび
22bから構成され、入力されたLまたはRチャンネル
のオーディオ信号から、クロストーク成分をそれぞれ取
り除いて出力する。
【0019】即ち、RまたはLチャンネルのオーディオ
信号は、例えば図4に示すような、入力信号の高域成分
ほどより減衰させる周波数特性を有するクロストークフ
ィルタ21aまたは21b(図3)に入力され、それぞ
れフィルタリングされて、演算器22aまたは22bに
出力される。
【0020】演算器22aまたは22bは、クロストー
クフィルタ21aまたは21bの出力と、Lチャンネル
またはRチャンネルのオーディオ信号とを加算すること
により、LまたはRチャンネルのオーディオ信号から、
クロストーク成分をそれぞれ取り除いてエンコーダ12
aまたは12bに出力する。
【0021】エンコーダ12aまたは12b(図2)
は、図5に示すように環境雑音モデル記憶部31、聴覚
特性モデル記憶部32、ビット割当部33、解析部3
4、および量子化器35から構成され、ミキサ11から
のLチャンネルまたはRチャンネルのオーディオ信号を
それぞれ符号化するようになされている。
【0022】即ち、ミキサ11(演算器22aまたは2
2b)からのオーディオ信号は、解析部34に入力さ
れ、そこに内蔵されるQMF(Quadrature Mirror Filt
er)(図示せず)などによって周波数帯域分割されるこ
とにより、例えば帯域幅が1:1:2の低域、中域、高
域の信号に3分割される。
【0023】さらに、解析部34では、低域、中域、高
域の信号が、その時間的変化に対応したブロック長(フ
レーム長)のブロックにブロック化される。即ち、解析
部34では、低域、中域、高域の信号が、その時間的変
化が激しい場合には、短いブロック長(フレーム長)の
ブロックにブロック化され、その時間的変化が緩やかな
場合には、長いブロック長(フレーム長)のブロックに
ブロック化される。
【0024】このように、信号の時間的変化が激しい部
分としての、例えばアタックの強い部分などを短いブロ
ック長でブロック化することにより、後述する量子化器
35で信号が量子化されることにより生じる、実際のオ
ーディオ信号が始まる前の無音部分の量子化雑音の発生
期間が短くなり、さらにこの短い期間の量子化雑音は、
いわゆる逆向マスキング効果にマスクされるので、人間
の耳に聴こえなくなるようになる。
【0025】その後、解析部34では、ブロックごとの
オーディオ信号が、例えばMDCT(Modified DCT)処
理などの直交変換され、MDCT係数(スペクトルデー
タ)に変換される。そして、このMDCT係数は、いわ
ゆる臨界帯域(ノイズによって純音がマスクされるとき
の、そのノイズの帯域)や、臨界帯域をさらに細分化し
た帯域ごとにまとめられることによりユニット化され、
ビット割当部33および量子化器35に出力される。
【0026】なお、解析部34においては、オーディオ
信号の周波数帯域を3つに分割するのではなく、例えば
2つに分割したり、3つより細かく分割するようにする
ことができる。さらに、帯域分割幅は、等分割幅になる
ようにすることができる。
【0027】また、オーディオ信号の帯域分割は、QM
Fではなく、他の帯域分割フィルタによって行うように
することができる。しかしながら、QMFによって帯域
分割された信号は、そのエイリアシング成分がキャンセ
ルしあうので、QMFを用いる方が、他の帯域分割フィ
ルタを用いる場合に比較して、その後の処理を容易に行
うことができるようになる。
【0028】さらに、解析部34では、信号のブロック
にMDCT処理を施すのではなく、例えばDCT処理や
DFT処理などの他の直交変換処理を施すようにするこ
とができる。
【0029】ビット割当部33は、環境雑音モデル記憶
部31に記憶されている環境雑音モデル、聴覚特性モデ
ル記憶部32に記憶されている聴覚特性モデル、および
解析部34から出力されたMDCT係数(スペクトルデ
ータ)に基づいて、解析部34から出力されたMDCT
係数(スペクトルデータ)に割り当てるビット数を算出
するようになされている。
【0030】ここで、環境雑音モデル記憶部31には、
例えば航空機のエンジン音や機械的な振動音、風切り音
などの航空機が飛行しているときに発する環境雑音をモ
デル化した環境雑音モデルが記憶されている。即ち、環
境雑音モデル記憶部31は、例えば航空機が発する音
(環境雑音)の周波数特性(図6)を記憶している。
【0031】また、聴覚特性モデル記憶部32には、人
間の聴覚特性をモデル化した聴覚特性モデルが記憶され
ている。即ち、聴覚特性モデル記憶部32は、例えばい
わゆる最小可聴限カーブ(threshold-of-detection cur
ves)、等ラウドネス特性(eqiloudness curves)、同
時マスキング特性(simultaneous masking characteris
tics)、および経時マスキング特性(temporal masking
characteristics)などをあらかじめ記憶している。
【0032】ビット割当部33においては、まず解析部
34からのユニット(臨界帯域や、臨界帯域をさらに細
分化した帯域)ごとのMDCT係数の、例えば2乗和や
ピーク値などが算出されることにより、ユニットごとの
エネルギが求められる。そして、このユニットごとのエ
ネルギおよび聴覚特性モデル記憶部32に記憶されてい
る聴覚特性モデルに基づいて、ユニットごとのMDCT
係数に対して割り当てるビット数が算出される。
【0033】即ち、オーディオ信号のスペクトル(MD
CT係数)分布が、例えば図7に示す曲線aのようであ
った場合、各ユニットに均一のビット数を割り当てたの
では(オーディオ信号の全帯域にわたって同一のビット
数を割り当てたのでは)、同図に曲線bで示すように、
エネルギの小さい部分cに比較して、エネルギの大きい
部分dの量子化雑音が大きくなるので、まずエネルギが
大きい部分dにより多くのビット数が割り当てられる。
そして、聴覚特性モデル記憶部32に記憶されている聴
覚特性モデルに基づいて、人間の聴覚が鈍感なユニット
(帯域)に比較して、人間の聴覚が敏感なユニット(帯
域)に、より多くのビット数が割り当てられる(人間の
聴覚が敏感なユニット(帯域)に比較して、人間の聴覚
が鈍感なユニット(帯域)に、より少ないビット数が割
り当てられる)。
【0034】ここで、聴覚特性モデル記憶部32に記憶
されている聴覚特性モデルに基づくビット割当は、騒音
(雑音)のない静かな環境でオーディオ信号を聴く場合
に適したものである。
【0035】上述したように、例えば航空機などにおい
て、オーディオ信号を聴く場合には、航空機が発する雑
音(例えば、エンジン音や機械的な振動音など)で、マ
スクされる(人間の聴覚に感じにくくなくなる)オーデ
ィオ信号の周波数帯域が生じるので、即ち量子化雑音が
聞こえにくくなる帯域が生じるので、このような帯域
に、量子化雑音を低減するために多くのビットを割り当
てるのは、効率的でない。
【0036】そこで、ビット割当部33では、環境雑音
モデル記憶部31に記憶されている航空機の環境雑音モ
デル(図6)に基づいて、各ユニットに割り当てられた
ビット数が修正される。即ち、航空機の発する雑音レベ
ルが高い帯域に対応するユニットに割り当てられたビッ
ト数が、その雑音レベルが低い帯域に対応するユニット
に割り当てられたビット数に比較して減少される(航空
機の発する雑音レベルが低い帯域に対応するユニットに
割り当てられたビット数が、その雑音レベルが高い帯域
に対応するユニットに割り当てられたビット数に比較し
て増加される)。
【0037】つまり、ビット割当部33において、例え
ば100Kビットのビット割当が行われる場合、まず最
初に、そのうちの、例えば70Kビットが、聴覚特性モ
デル記憶部32に記憶されている聴覚特性モデル、およ
び解析部34から出力されたMDCT係数(スペクトル
データ)に基づいて割り当てられたとき、残りの30K
ビットが、環境雑音モデル記憶部31に記憶されている
航空機の環境雑音モデルに基づいて、さらに割り当てら
れる。
【0038】また、ビット割当部33において、例えば
100Kビットのビット割当が行われる場合、まず最初
に、そのうちの、例えば120Kビットが、聴覚特性モ
デル記憶部32に記憶されている聴覚特性モデル、およ
び解析部34から出力されたMDCT係数(スペクトル
データ)に基づいて割り当てられたとき、100Kビッ
トを越えて割り当てられた20Kビットが、環境雑音モ
デル記憶部31に記憶されている航空機の環境雑音モデ
ルに基づいて減少される。
【0039】ビット割当部33で算出された、ユニット
ごとに割り当てるビット数は、量子化器35に出力され
る。量子化器35では、ビット割当部33からのユニッ
トごとのビット数に対応して、解析部34からのユニッ
トごとのMDCT係数(スペクトルデータ)が量子化さ
れ、量子化データが出力される。
【0040】なお、ビット割当部33は、ユニットごと
に割り当てたビット数とともに、ユニットごとのMDC
T係数(スペクトルデータ)のうちの所定のMDCT係
数を量子化器35に出力するようになされており、量子
化器35は、ビット割当部33からの所定のMDCT係
数をセグメント値として、解析部34からのユニットご
とのMDCT係数(スペクトルデータ)を量子化するよ
うになされている。
【0041】量子化器35からの量子化データは、量子
化パラメータ(例えば、上述のセグメント値や、ビット
割当部33からのユニットごとのビット数に対応する量
子化幅)とともに多重化され、例えばディスクなどの記
録媒体に記録されたり、あるいは伝送路を介して伝送さ
れる。
【0042】以上のように、環境雑音モデル記憶部31
に記憶された、オーディオ信号を聴く環境における雑音
としての、例えば航空機の発する雑音の環境雑音モデル
に基づいて、オーディオ信号に割り当てるビット数を決
定して符号化するようにしたので、人間の聴覚が鈍感な
帯域に割り当てるビット数を少なくすることができ、従
って符号化したデータを記録媒体に記録する場合には、
従来の場合に比較して、より多くのオーディオ信号を記
録するようにすることができる。
【0043】また、従来の装置における場合と同一の発
生符号量(ビット量)になるように、オーディオ信号を
符号化するようにすることにより、人間の聴覚が敏感な
帯域により多くのビット数を割り当てるようにすること
ができ、従って音質を向上させることができる。
【0044】次に、図8は、エンコーダ12a(または
12b)の第2実施例の構成を示すブロック図である。
図中、図5における場合と対応する部分については、同
一の符号を付してある。減衰特性モデル記憶部41は、
例えばヘッドフォンが、そこから聴こえる音以外の音を
減衰する周波数特性(図9)を記憶しており、このヘッ
ドフォンの減衰特性に対応して、環境雑音モデル記憶部
31に記憶された航空機の環境雑音モデル(図6)を変
換(修正)し、ビット割当部42に供給する。
【0045】ビット割当部42は、聴覚特性モデル記憶
部32に記憶されている聴覚特性モデルおよび解析部3
4からのユニットごとのMDCT係数(スペクトルデー
タ)の他、減衰特性モデル記憶部41からの、ヘッドフ
ォンの減衰特性に対応して変換された航空機の環境雑音
モデルに基づいて、解析部34からのユニットごとのM
DCT係数(スペクトルデータ)に割り当てるビット数
を算出する。
【0046】以上のように構成されるエンコーダ12a
(または12b)では、ビット割当部42において、解
析部34からのユニットごとのエネルギおよび聴覚特性
モデル記憶部32に記憶されている聴覚特性モデルに基
づいて、ユニットごとのMDCT係数に対して割り当て
るビット数が算出された後、そのビット数が、ヘッドフ
ォンの減衰特性に対応して変換された航空機の環境雑音
モデルに基づいて修正される。
【0047】ここで、通常、航空機において、搭乗者が
音楽を聴く場合、他の搭乗者に迷惑をかけないようにヘ
ッドフォンが用いられる。このようにヘッドフォンが用
いられる場合、人間の聴覚に感じる、航空機の発する環
境雑音は、図9に示すヘッドフォンの減衰特性にしたが
って、高域部分が減衰される。
【0048】従って、解析部34からのユニットごとの
エネルギおよび聴覚特性モデル記憶部32に記憶されて
いる聴覚特性モデルに基づいて算出された、ユニットご
とのMDCT係数に対して割り当てるビット数を、ヘッ
ドフォンの減衰特性に対応して変換された航空機の環境
雑音モデルに基づいて修正することにより、航空機で音
楽を聴くのに最適なビット割当を行うことができること
になる。
【0049】以上のようにして符号化され、記録媒体に
記録されたオーディオ信号、あるいは伝送されたオーデ
ィオ信号は、図1の復号化装置2によって復号される。
この復号化装置2は、従来の装置と同様に構成される装
置である。
【0050】即ち、復号化装置2では、まず記録媒体か
らオーディオ信号とともに量子化パラメータが再生さ
れ、符号化されたオーディオ信号が、量子化パラメータ
に基づいて逆量子化される。この逆量子化データ(ユニ
ットごとのMDCT係数(スペクトルデータ)は、逆M
DCT処理され、周波数軸上の信号から、時間軸上のベ
ースバンドにおとされた低域、中域、高域の3つの信号
に変換される。そして、この3つの帯域の信号が合成さ
れ、全帯域のオーディオ信号に復号される。
【0051】なお、本実施例においては、騒音環境モデ
ル記憶部31に、航空機の発する雑音の環境雑音モデル
を記憶させておくようにしたが、航空機の他、例えば電
車や、自動車、オートバイなどの乗り物が発する雑音を
モデル化して記憶させておくようにすることができる。
【0052】ここで、自動車が発する音(環境雑音)の
周波数特性を図10に示す。
【0053】さらに、騒音環境モデル記憶部31には、
上述した乗り物の環境雑音の他、モデル化することので
きるあらゆる環境における音の環境雑音モデルを記憶さ
せておくようにすることができる。
【0054】また、本実施例では、減衰特性モデル記憶
部41に、ヘッドフォンによる雑音の減衰特性をモデル
化して記憶させておくようにしたが、ヘッドフォンの
他、例えばイヤフォンなどの、人間の聴覚に感じる雑音
を減衰(あるいは増加)する装置の特性をモデル化して
記憶させておくようにすることができる。
【0055】
【発明の効果】以上の如く、本発明のオーディオ信号符
号化装置によれば、記憶手段に記憶されたオーディオ信
号が再生される環境における音に関する環境音モデルに
基づいて、オーディオ信号に割り当てるビット数を決定
して符号化する。従って、オーディオ信号を聴く環境に
おける環境音にマスクされるオーディオ信号の周波数帯
域に割り当てるビットを少なくするようにすることがで
きるので、符号量を減少させることができる。
【0056】また、本発明のオーディオ信号符号化装置
によれば、記憶手段に記憶されたヘッドフォンまたはイ
ヤフォンの特性に関する特性モデルに基づいて、オーデ
ィオ信号に割り当てるビット数を決定して符号化する。
従って、ヘッドフォンまたはイヤフォンを介してオーデ
ィオ信号を聴く場合に適したビット割当を行うようにす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオーディオ信号符号化装置を応用した
オーディオ信号符号化システムの一実施例の構成を示す
ブロック図である。
【図2】図1の実施例の符号化装置1のより詳細なブロ
ック図である。
【図3】図2の符号化装置1のミキサ11のより詳細な
ブロック図である。
【図4】図3のミキサ11のクロストークフィルタ21
a(または21b)の周波数特性を示す図である。
【図5】図2の符号化装置1のエンコーダ12a(また
は12b)の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図6】航空機の発する雑音の周波数特性を示す図であ
る。
【図7】オーディオ信号の周波数スペクトルと量子化雑
音を示す図である。
【図8】図2の符号化装置1のエンコーダ12a(また
は12b)の第2実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図9】ヘッドフォンが、雑音を減衰する周波数特性を
示す図である。
【図10】自動車の発する雑音の周波数特性を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 符号化装置 2 復号化装置 11 ミキサ 12a,12b エンコーダ 21a,21b クロストークフィルタ 22a,22b 演算器 31 環境雑音モデル記憶部 32 聴覚特性モデル記憶部 33 ビット割当部 34 解析部 35 量子化器 41 減衰特性モデル記憶部 42 ビット割当部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 14/04 G10L 19/02 G11B 20/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーディオ信号が再生される環境におけ
    る環境音に関する環境音モデルを記憶している記憶手段
    と、 前記記憶手段に記憶された環境音モデルに基づいて、前
    記オーディオ信号に割り当てるビット数を決定する決定
    手段と、 前記決定手段により決定されたビット数に基づいて、前
    記オーディオ信号を符号化する符号化手段とを備えるこ
    とを特徴とするオーディオ信号符号化装置。
  2. 【請求項2】 前記記憶手段は、乗り物の発する音に関
    する環境音モデルを記憶していることを特徴とする請求
    項1に記載のオーディオ信号符号化装置。
  3. 【請求項3】 ヘッドフォンまたはイヤフォンの特性に
    関する特性モデルを記憶している記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された特性モデルに基づいて、前記
    オーディオ信号に割り当てるビット数を決定する決定手
    段と、 前記決定手段により決定されたビット数に基づいて、前
    記オーディオ信号を符号化する符号化手段とを備えるこ
    とを特徴とするオーディオ信号符号化装置。
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