JP3402479B2 - 固体撮像装置の製造方法 - Google Patents

固体撮像装置の製造方法

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JP3402479B2 JP02092993A JP2092993A JP3402479B2 JP 3402479 B2 JP3402479 B2 JP 3402479B2 JP 02092993 A JP02092993 A JP 02092993A JP 2092993 A JP2092993 A JP 2092993A JP 3402479 B2 JP3402479 B2 JP 3402479B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、固体撮像装置の製造
方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、固体撮像装置の小型化高画素化に
伴う受光領域面積の減少による感度の低下およびS/N
値の低下が問題となっている。そのため、固体撮像装置
自体の感度を向上させる目的で各受光部に対して光を集
光させるために、透明材料層上の各受光部に対応した位
置にマイクロレンズなるものを形成している。その形成
はゼラチンやカゼイン等のタンパク質材料に感光性を持
たせたネガ形材料や最近では熱によってメルト・フロー
しレンズ形状を形成する性質を有する合成材料などによ
って形成している。 【0003】以下、従来の固体撮像装置およびその製造
方法を図面を参照しながら説明する。図14は従来のマ
イクロレンズを有するカラーフィルタ層を備えた固体撮
像装置の斜視図である。なお、図14のマイクロレンズ
下の断面図は省略している。図15は図14に示す固体
撮像装置の構造を示す部分拡大断面図である。図16な
いし図19は図14に示す従来の固体撮像装置の製造方
法を工程順に示した部分拡大断面図である。図20は、
隣接マイクロレンズ間距離と相対光感度についての関係
を示したグラフである。これらの図において、1は固体
撮像素子が形成された基板、2は受光部、3はカラーフ
ィルタ層、4は透明材料層、5はマイクロレンズ、6は
感光性材料層、7は感光性材料層パターンである。 【0004】まず、図15において、従来のマイクロレ
ンズを有するカラーフィルタ層を備えた固体撮像装置の
構造について説明する。固体撮像素子が形成された基板
1上に入射光を受けるための各々の受光部に対応したカ
ラーフィルタ層3が形成されている。そして、そのカラ
ーフィルタ層3上の表面凹凸は透明材料層4により平坦
化されている。平坦化後のカラーフィルタ層3上に各受
光部に対応してマイクロレンズ5が形成され、入射光が
各受光部2へ集光するような構造を有している。 【0005】つぎに、その動作を説明する。まず、最上
層であるマイクロレンズ5に入射した光は、マイクロレ
ンズ5のレンズ効果によって集光される。その集光され
た光はカラーフィルタ層3を通り、色分解され各々目的
とする受光部2へ入射し、カラー画像を得る固体撮像装
置として動作する。 【0006】つぎに、図16ないし図20において、従
来の固体撮像装置の製造方法について説明する。まず、
図16は、固体撮像装置1上の各受光部2上に対応して
カラーフィルタ層3が形成され、さらにそのカラーフィ
ルタ層3上にその凹凸を緩和するための透明材料層4が
形成された状態である。 【0007】そして、図17において透明材料層4に上
に感光性材料層6を塗布形成する。続いて、図18にお
いて前記感光性材料層6に対してマスクによる選択露光
と現像処理などを行うことにより、感光性材料層パター
ン7が形成される。最後に、図19において前記感光性
材料層パターン7に対して加熱処理を加えることによ
り、感光性材料層7がメルト・フローし、マイクロレン
ズ5が形成される。このような方法をもって従来はマイ
クロレンズを有するカラーフィルタを備えた固体撮像装
置を実現していた。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
固体撮像装置の構造では、マイクロレンズの曲率は図1
4に示すX方向、Y方向のマイクロレンズ幅とマイクロ
レンズ高さにより一義的に決まっていた。そのため、一
般に正方形形状と異なる受光部に対し、X方向、Y方向
に各々集光のための最適なレンズ曲率を持つことが不可
能であるため、各々の方向に対し受光部に効率よく入射
光を集光することができなかった。 【0009】X方向、Y方向のマイクロレンズ幅を変え
ることで曲率を操作することも可能であるが、この場
合、以下のような問題が発生する。マイクロレンズ間距
離を広げる場合は、マイクロレンズの受光面積が小さく
なることにより、マイクロレンズへの入射光が減少し感
度が低下するという問題がある。つぎに、隣接マイクロ
レンズ間距離を小さくする場合は、固体撮像装置の製造
にあたって以下のような問題が発生する。マイクロレン
ズ間距離を小さくすることは、マイクロレンズの集光面
積の増加という面でも感度向上に対し有効であるが、レ
ンズ形状の作製は上記のように熱によるメルト・フロー
により行われるために、マイクロレンズ下の表面形状等
によっては、メルト・フロー時に隣接した感光性材料同
士が接して相互に感光性材料が混じり合い所望のマイク
ロレンズ形状が得られなくなるという問題がある。 【0010】さらに加熱が進んだ場合は感光性材料はマ
イクロレンズ形状を失い、平坦形状となり、マイクロレ
ンズによる集光は急激に低下する。隣接マイクロレンズ
間距離と相対光感度についての一例を図20に示す。以
上のように、一般にマイクロレンズ幅は、受光部ピッチ
に対し、隣接するマイクロレンズが接触しないように
X,Y各々の方向に対し1.0μm程度のマイクロレン
ズ間距離を設けて形成されている。 【0011】さらに、従来の固体撮像装置にあっては、
受光部への集光が単一のマイクロレンズにより行われて
いるため、今日の受光部の小型化に対し、入射光が十分
集光されないという問題があった。例えばビデオカメラ
使用時の、レンズ開放となるF1.4の状態では、光軸
中心付近のマイクロレンズへの入射光は垂直入射光のみ
ならず、垂直光に対し約20゜の傾きをもった斜め光も
存在し、この全ての入射光を単一の曲率のマイクロレン
ズにより、微小な受光部へ集光することには限界があ
る。その結果F1.4のようなカメラのレンズ解放時に
は感度が十分得られないという問題があった。 【0012】さらに、この集光面積が大きいことにより
F1.4での感度が、レンズが絞られた状態で固体撮像
素子が形成された基板への入射光は垂直成分が主となり
集光面積も小さくなるF値が高い状態に比べ、極端に低
下し、その結果感度にF値依存性が生じるという問題が
あった。この発明は、上記の問題に鑑みて、マイクロレ
ンズへの入射光を有効に受光部へ集光することができる
固体撮像装置およびその製造方法を提供することを目的
とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明の固体撮像装置
製造方法は、受光部を有する基板上に第1の感光性材料
を塗布し、パターン化した後に加熱処理して、断面が半
円形状または端部が傾斜面となった列状または格子列状
の第1のマイクロレンズを形成する工程と、基板上に、
第2の感光性材料を塗布し、パターン化した後に加熱処
理して、端部が隣接する前記第1のマイクロレンズのそ
れぞれの端部に重なるような第2のマイクロレンズを前
記第1のマイクロレンズ間に形成する工程とを含む。 【0014】 【0015】 【0016】 【0017】 【作用】本発明の固体撮像装置の製造方法によれば、
光部を有する基板上に第1の感光性材料を塗布し、パタ
ーン化した後に加熱処理して、断面が半円形状または
部が傾斜面となった列状または格子列状の第1のマイク
ロレンズを形成し、基板上に、第2の感光性材料を塗布
し、パターン化した後に加熱処理して、端部が隣接する
前記第1のマイクロレンズのそれぞれの端部に重なるよ
うな第2のマイクロレンズを前記第1のマイクロレンズ
間に形成するので、隣接する感光性材料同士が流れ出
し、接して相互に感光性材料が混じり合い所望の第2の
マイクロレンズ形状が得られなくなるという問題が解消
され、従来よりも第2のマイクロレンズ間距離を小さく
することが可能となり、第2のマイクロレンズの集光面
積の増加という面で感度向上に対し有利となる。以上の
ように、本発明は上記構成により、第2のマイクロレン
ズ形成(加熱処理)時に隣接する第2のマイクロレンズ
同士の混ざり合いをその端部が第1のマイクロレンズの
頂上ぎりぎりにくるまで防ぐとともに、第1のマイクロ
レンズを感光性材料で形成するので、第1のマイクロレ
ンズ自体や隣接する第2のマイクロレンズの間隔を微細
化できる。 【0018】 【0019】 【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。 〔第1の実施例〕図1はこの発明の第1の実施例である
マイクロレンズを有するカラーフィルタ層を備えた固体
撮像装置の斜視図である。なお、図1のマイクロレンズ
下の断面図は省略している。図2(a)は図1に示す固
体撮像装置の構造を示すX方向の部分拡大断面図、図2
(b)は図1に示す固体撮像装置の構造を示すY方向の
部分拡大断面図である。 【0020】図3はこの発明の第2の実施例であるマイ
クロレンズを有するカラーフィルタ層を備えた固体撮像
装置の斜視図である。なお、図3のマイクロレンズ下の
断面図は省略している。図4は図3に示す固体撮像装置
の構造を示す部分拡大断面図である。図5は第2の実施
例における第1のマイクロレンズの表面に金属等の反射
膜を有した構造を示す部分拡大図面である。図6は第2
の実施例におけるマイクロレンズ下に透明中間膜を有し
た構造を示す部分拡大図面である。 【0021】図7〜図13は第1の実施例における固体
撮像装置の製造方法を工程順に示したもので、各図の
(a),(b)はそれぞれX方向の部分拡大断面図、Y
方向の部分拡大断面図である。以下従来の技術で示した
構成物の符号を、共通の意味で用いる場合には、その構
造物に同一の符号を付している。 【0022】上記の各図において、1は固体撮像素子が
形成された基板、2は受光部、3はカラーフィルタ層、
4は透明材料層、8は第1のマイクロレンズ(パターニ
ング層)、9は第1のマイクロレンズ8と同一の材料よ
りなる第2のマイクロレンズ、10は第1のマイクロレ
ンズ8とは異なる屈折率を有する材料よりなる第2のマ
イクロレンズ、11は第1のマイクロレンズ8の表面に
形成された反射膜、12は第1のマイクロレンズ8の上
に形成された透明材料層、13は第1の感光性材料層、
14は第1の感光性材料層パターン、15は第1の感光
性材料層13と同一の材料よりなる第2の感光性材料
層、16は上記感光性材料層15の感光性材料層パター
ンである。 【0023】まず、図2(a),(b)において、この
発明の第1の実施例における固体撮像装置の構造につい
て説明する。ここで、図1の受光部2は、簡略化のため
に長方形形状に開口しているものとし、X方向の開口幅
PDXは、図1のY方向の開口幅PDYよりも小さいも
のとして以下の説明を行う。固体撮像素子が形成された
基板1上の各々の受光部2に対応したカラーフィルタ層
3が形成されている。そのカラーフィルタ層3の表面の
凹凸は透明材料層4により平坦化されている。透明材料
層4上には、第1のマイクロレンズ8が、隣接する受光
部2間をY断面が半円状もしくは半円状にきわめて近い
形状でX方向に列状に形成されている。 【0024】さらに、透明材料層4および第1のマイク
ロレンズ8上には、受光部2へ入射光を集光するための
第2のマイクロレンズ9が形成されている。第2のマイ
クロレンズ9は第1のマイクロレンズ8と同一の材料よ
りなり、その形状は断面方向で半円状もしくは半円状に
きわめて近い形状であり、集光性に優れ、高いレンズ効
果が期待できる形状を有している。 【0025】また、第2のマイクロレンズ9はY方向断
面において、マイクロレンズの端部が第1のマイクロレ
ンズ8上にかかり形成されているため、X方向断面にお
ける透明材料層4からの第2のマイクロレンズ9の高さ
とY方向断面における透明材料層4から第2のマイクロ
レンズ9の第1のマイクロレンズ8上に存在する端部の
高さとの差により求められるような高さを有している。 【0026】さらに、第2のマイクロレンズ9と受光部
2との距離は、X方向Y方向ともに焦点距離以内にして
おり、焦点がずれて収束した光が再度散乱するような大
きな焦点距離は有していない。つぎにその動作について
説明する。図2において、X方向断面における透明材料
層4からの第2のマイクロレンズの高さをL1H,Y方
向断面における第1のマイクロレンズ8の上面から第2
のマイクロレンズ9の上面までの高さをL2H,各々の
第2のマイクロレンズのX方向の幅をL2X、Y方向の
幅をL2Yとすると、X方向のマイクロレンズ曲率R
X、Y方向のマイクロレンズ曲率RYは次式で表わされ
る。 【0027】 【数1】 RX=(L2X2 +4×L1H2 )/8/L1H 【0028】 【数2】RY=(L2Y2 +4×(L1H−L2H)
2 )/8/(L1H−L2H) このように上記構造により、第2のマイクロレンズ9は
X方向断面、Y方向断面において受光部2の形状に対し
て、最適な形状を持つ。つまり、X方向よりも、Y方向
の方が開口幅が大きくなるような受光部2に対し、第2
のマイクロレンズ9は、Y方向断面における透明材料層
4からの第1のマイクロレンズ8上の第2のマイクロレ
ンズ9の端部の高さにより、(数1)および(数2)に
示すようにX方向よりもY方向の方が曲率半径が大きく
なり、受光部2に対し各々の方向に最適な曲率を持つ。 【0029】これにより、第2のマイクロレンズ9によ
って、固体撮像素子が形成された基板1に入射した光は
効率よく集光され、カラーフィルタ層3を通り、色分解
され、目的とする受光部2に集光密度が高い状態で入射
する。集光密度が高い状態で入射した光によって、受光
感度の高いカラー画像が得られる固体撮像装置が実現す
る。 【0030】なお、この実施例においては、第1のマイ
クロレンズ8の材料としては、第2のマイクロレンズ9
と同一の材料よりなるものとしたが、材料の屈折率がほ
ぼ等しいものであれば第1のマイクロレンズ8と第2の
マイクロレンズ9との境界面での反射は起こらないの
で、異なる材料を用いてもよい。また、この実施例にお
いては、第2のマイクロレンズ9の前に、Y断面が半円
状もしくは半円状にきわめて近い形状の第1のマイクロ
レンズ8を形成し、Y方向における半円状もしくは半円
状にきわめて近い形状の第2のマイクロレンズ9の高さ
を調整し曲率の最適化を図ったが、この第1のマイクロ
レンズ8の断面形状を矩形または台形等の形状としても
良いことはいうまでもない。 【0031】さらに、この実施例においては、Y断面が
半円状もしくは半円状にきわめて近い形状の第1のマイ
クロレンズ8をX方向のみに配置したが、これをX,Y
両方の方向について配置してもよい。この場合、X方向
の第1のマイクロレンズ高さを、Y方向のマイクロレン
ズ高さよりも高くなるように最適化してやることで同様
の効果が得られる。 【0032】〔第2の実施例〕つぎに、図3および図4
を参照して、この発明の第2の実施例における固体撮像
装置について説明する。固体撮像素子が形成された基板
1上の各々の受光部2に対応したカラーフィルタ層3が
形成されている。そのカラーフィルタ層3の表面の凹凸
は透明材料層4により平坦化されている。透明材料層4
上には、第1のマイクロレンズ8が、隣接する受光部2
間を断面が半円状もしくは半円状にきわめて近い形状で
格子列状に形成されている。 【0033】さらに、透明材料層4および第1のマイク
ロレンズ8上には、固体撮像素子が形成された基板1に
入射された光を受光部2へ集光するための第2のマイク
ロレンズ10が形成されている。第2のマイクロレンズ
10は第1のマイクロレンズ8とは異なる屈折率を有し
た材料よりなり、その形状は断面方向で半円状もしくは
半円状にきわめて近い形状であり、集光性に優れ、高い
レンズ効果が期待できる形状を有している。 【0034】なお、第2のマイクロレンズ10は、小型
の受光部2に対し、光軸中心付近のマイクロレンズへの
入射光が垂直入射光に対し約20゜の傾きをもった斜め
光で焦点が合い、第2のマイクロレンズ10単独では、
各々の受光部2に対するマイクロレンズの周辺部への垂
直入射光が受光部2へ完全には集光されない程度の、従
来構造での単独構成のマイクロレンズの曲率に比べ若干
大きな曲率を持ったレンズ形状に形成されている。 【0035】上記構造における動作を説明する。例えば
ビデオカメラ使用時のレンズ開放となるF1.4の状態
では、固体撮像素子が形成された基板1への光軸中心付
近の入射光は垂直入射光のみならず、垂直光に対し約2
0゜の傾きをもった斜め光も存在している。上記構造で
は、その中の斜め光成分については第2のマイクロレン
ズ10の曲率により集光され、カラーフィルタ層3を通
り、色分解され、目的とする受光部2へ入射する。 【0036】第2のマイクロレンズ10の曲率では受光
部へ集光されないような各々の受光部に対する第2のマ
イクロレンズ10の周辺部への入射光は、図4に示すよ
うにいったん第2のマイクロレンズ10に入射された
後、第2のマイクロレンズ10と屈折率の異なる第1の
マイクロレンズ8との境界面で反射され、カラーフィル
タ層3を通り、色分解され、目的とする受光部2へ到達
する。受光部2へ到達する。この反射が大きく起こるた
めには、第1のマイクロレンズ8と第2のマイクロレン
ズ10の屈折率の差が大きいほどよい。 【0037】このように、F1.4におけるような固体
撮像素子が形成された基板への入射光に斜め光成分と垂
直光成分が存在する場合においても、第2のマイクロレ
ンズ10の曲率による受光部2への集光と、第2のマイ
クロレンズ10と第1のマイクロレンズ8との境界面で
の反射による受光部2への集光という2段階により各入
射光成分を集光しているため、従来集光しきれなかった
入射光を小型の受光部2に集光することが可能となり、
受光感度の高いカラー画像が得られる固体撮像装置が実
現する。 【0038】また、この発明においては、特にカメラの
開放となるF1.4におけるような、各方向からの入射
光の集光率向上を図っているために、レンズが絞られた
状態で固体撮像素子が形成された基板への入射光は垂直
成分が主となるような場合については、従来通りの集光
効果が得られ、F値が小さいほど極端に感度が落ちると
いう感度のF値依存性という問題も合わせて解消され
る。 【0039】ここで、この実施例においては、第1のマ
イクロレンズ8と第2のマイクロレンズ10とで屈折率
の異なる材料を用いることで、その境界面で反射を起こ
し、受光部2への集光に利用したが、これを図5のよう
に第1のマイクロレンズ8の表面に、金属薄膜等の反射
膜11を形成しても同様の効果が得られる。この場合、
第1のマイクロレンズ8と同一の材料にて第2のマイク
ロレンズ10が形成可能である。 【0040】また、この実施例においては、第1のマイ
クロレンズ8の断面形状を半円状もしくは半円状にきわ
めて近い形状としたが、これを傾斜面を有した台形等の
形状としても良いことはいうまでもない。なお、この実
施例においては、第1のマイクロレンズ8の上に直接第
2のマイクロレンズ10を配置したが、図6のように第
1のマイクロレンズ8と第2のマイクロレンズ10の層
間に透明材料層12を設けてもよい。この場合、その透
明材料層の屈折率は、第1のマイクロレンズ8との境界
面で反射を起こすように第1のマイクロレンズ8に対し
大きな差を持ち、かつ第2のマイクロレンズ10との境
界面で反射を起こさないように第2のマイクロレンズ1
0に対してはあまり差を持たないものを選ぶ必要があ
る。 【0041】さらに、この実施例においては、第1のマ
イクロレンズ8を格子列状に配置したが、これを第1の
実施例のように一方向のみの列状としても良い。つぎ
に、図7ないし図13を参照して、この発明の第1の実
施例における固体撮像装置の製造方法を工程順に説明す
る。まず、図7(a),(b)において、固体撮像装置
1上の各受光部2上に対応してカラーフィルタ層3が形
成され、さらにそのカラーフィルタ層3上にその凹凸を
緩和するための透明材料層4が形成された状態を示す。 【0042】そして、図8(a),(b)において透明
材料層4により表面の凹凸が緩和されたカラーフィルタ
層3上に第1の感光性材料層13を塗布形成する。続い
て、図9(a),(b)において前記第1の感光性材料
層13に対してマスクを用いて選択露光、現像、紫外線
照射による材料の透明化等を行い、第1の感光性材料層
パターン14を得る。 【0043】さらに、図10(a),(b)において前
記第1の感光性材料層パターン14に対して150℃程
度で加熱処理を加えることにより、感光性材料層13が
メルト・フローし、さらに200℃程度で加熱処理を加
えることにより材料の硬化が行われ、断面形状が半円状
もしくは半円状にきわめて近い形状の第1のマイクロレ
ンズ8が形成される。 【0044】続いて、図11(a),(b)において第
1のマイクロレンズが形成された上記カラーフィルタ層
3上に第2の感光性材料層15を塗布形成する。ただし
この時の塗布形成は、少なくとも第1のマイクロレンズ
8の厚さよりも厚くなるように行う。そして、図12
(a),(b)において前記第2の感光性材料層15に
対してマスクによる選択露光、現像、紫外線照射による
材料の透明化等を行うことにより、第2の感光性材料層
パターン16が形成される。ただしこの時、Y方向断面
において感光性材料層パターン16の端部が、第1のマ
イクロレンズ8上にかかるようにパターニングを行う。 【0045】さらに、図13(a),(b)において前
記第2の感光性材料層パターン16に対して150℃程
度で加熱処理を加えることにより、感光性材料層16が
メルト・フローし、さらに200℃程度で加熱処理を加
えることにより材料の硬化が行われ、断面形状が半円状
もしくは半円状にきわめて近い形状の第2のマイクロレ
ンズ9が形成される。ただし、第1のマイクロレンズ8
は、先の工程により硬化形成されているため、この時に
メルト・フローし形状を崩すことはない。 【0046】以上のように、この発明の第1の実施例に
おける固体撮像装置の製造方法においては、第2のマイ
クロレンズ9の端部が傾きを持った第1のマイクロレン
ズ8上に形成されるため、第2のマイクロレンズ9の熱
によるメルト・フロー時に、隣接する感光性材料同士が
流れだし、接して相互に感光性材料が混じり合い所望の
マイクロレンズ形状が得られなくなるという問題が解消
される。これにより、従来よりもマイクロレンズ間距離
を小さくすることが可能となり、マイクロレンズの集光
面積の増加という面で感度向上に対し有利となる。 【0047】なお、この実施例においては、第1の感光
性材料層パターン形成後メルト・フローを行いレンズ形
状を形成したが、第2のマイクロレンズ9の端部が傾き
を持った第1の感光性材料層パターン14上に形成され
るようにするとともに、第2のマイクロレンズ9形成時
のメルト・フロー時に第1の感光性材料層パターン14
の形状が崩れなければ、第1の感光性材料層パターン1
4の断面形状を矩形または台形等の形状として残しても
よい。 【0048】さらに、この実施例においては、列状の第
1のマイクロレンズ8をX方向のみに形成したが、これ
をX,Y両方の方向について形成してもよいことはいう
までもない。さらに、この実施例においては、第1の実
施例における固体撮像装置の製造方法を説明したが、こ
れを第2の実施例においても同様に適用可能なことはい
うまでもない。 【0049】この発明の第1の実施例および第2の実施
例は、カラーフィルタを介する場合についての例である
が、カラーフィルタではなく遮光用等に利用する黒フィ
ルタのみを介する場合、またはいずれの色フィルタも介
さない場合についてもこの発明の固体撮像装置およびそ
の製造方法が適用可能であることはいうまでもない。さ
らに、この発明の第1の実施例および第2の実施例は、
透明材料層4上にマイクロレンズを形成したが、カラー
フィルタ層3が平坦化され透明材料層4が省略されてい
る場合は、直接マイクロレンズをカラーフィルタ層3上
に形成しても、この発明の固体撮像装置およびその製造
方法が適用可能であることはいうまでもない。 【0050】 【発明の効果】本発明の固体撮像装置の製造方法によれ
ば、受光部を有する基板上に第1の感光性材料を塗布
し、パターン化した後に加熱処理して、断面が半円形状
または端部が傾斜面となった列状または格子列状の第1
のマイクロレンズを形成し、基板上に、第2の感光性材
料を塗布し、パターン化した後に加熱処理して、端部が
隣接する前記第1のマイクロレンズのそれぞれの端部に
重なるような第2のマイクロレンズを前記第1のマイク
ロレンズ間に形成するので、隣接する感光性材料同士が
流れ出し、接して相互に感光性材料が混じり合い所望の
第2のマイクロレンズ形状が得られなくなるという問題
が解消され、従来よりも第2のマイクロレンズ間距離を
小さくすることが可能となり、第2のマイクロレンズの
集光面積の増加という面で感度向上に対し有利となる。 【0051】 【0052】
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の第1の実施例における固体撮像装置
の構造を示す斜視図である。 【図2】この発明の第1の実施例における固体撮像装置
の構造を示す部分拡大断面図で、(a)はX方向断面
図、(b)はY方向断面図である。 【図3】この発明の第2の実施例における固体撮像装置
の構造を示す斜視図である。 【図4】この発明の第2の実施例における固体撮像装置
の構造を示す部分拡大断面図である。 【図5】この発明の第2の実施例における第1のマイク
ロレンズの表面に金属等の反射膜を有した構造を示す部
分拡大図面である。 【図6】この発明の第2の実施例におけるマイクロレン
ズ下に透明中間膜を有した構造を示す部分拡大図面であ
る。 【図7】この発明の第1の実施例における固体撮像装置
の製造方法の第1工程を示した部分拡大断面図で、
(a)はX方向断面図、(b)はY方向断面図である。 【図8】この発明の第1の実施例における固体撮像装置
の製造方法の第2工程を示した部分拡大断面図で、
(a)はX方向断面図、(b)はY方向断面図である。 【図9】この発明の第1の実施例における固体撮像装置
の製造方法の第3工程を示した部分拡大断面図で、
(a)はX方向断面図、(b)はY方向断面図である。 【図10】この発明の第1の実施例における固体撮像装
置の製造方法の第4工程を示した部分拡大断面図で、
(a)はX方向断面図、(b)はY方向断面図である。 【図11】この発明の第1の実施例における固体撮像装
置の製造方法の第5工程を示した部分拡大断面図で、
(a)はX方向断面図、(b)はY方向断面図である。 【図12】この発明の第1の実施例における固体撮像装
置の製造方法の第6工程を示した部分拡大断面図で、
(a)はX方向断面図、(b)はY方向断面図である。 【図13】この発明の第1の実施例における固体撮像装
置の製造方法の第7工程を示した部分拡大断面図で、
(a)はX方向断面図、(b)はY方向断面図である。 【図14】従来例における固体撮像装置の構造を示す斜
視図である。 【図15】従来例における固体撮像装置の構造を示す部
分拡大断面図である。 【図16】従来例における固体撮像装置の製造方法の第
1工程を示した部分拡大断面図である。 【図17】従来例における固体撮像装置の製造方法の第
2工程を示した部分拡大断面図である。 【図18】従来例における固体撮像装置の製造方法の第
3工程を示した部分拡大断面図である。 【図19】従来例における固体撮像装置の製造方法の第
4工程を示した部分拡大断面図である。 【図20】隣接マイクロレンズ間距離と相対光感度につ
いてのグラフである。 【符号の説明】 1 固体撮像素子が形成された基板 2 受光部 3 カラーフィルタ層 4 透明材料層 8 第1のマイクロレンズ(列状のパターニング層) 9 第2のマイクロレンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−233759(JP,A) 特開 平4−44266(JP,A) 特開 平4−44267(JP,A) 特開 昭58−125973(JP,A) 特開 平3−276677(JP,A) 特開 平4−85960(JP,A) 特開 平4−245678(JP,A) 特開 昭61−154283(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/14

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 受光部を有する基板上に第1の感光性材
    料を塗布し、パターン化した後に加熱処理して、断面が
    半円形状または端部が傾斜面となった列状または格子列
    状の第1のマイクロレンズを形成する工程と、 前記基板上に、第2の感光性材料を塗布し、パターン化
    した後に加熱処理して、端部が隣接する前記第1のマイ
    クロレンズのそれぞれの端部に重なるような第2のマイ
    クロレンズを前記第1のマイクロレンズ間に形成する工
    程とを含む固体撮像装置の製造方法。
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