JP3401435B2 - 目地充填部材および壁面構造 - Google Patents

目地充填部材および壁面構造

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JP3401435B2 JP18649898A JP18649898A JP3401435B2 JP 3401435 B2 JP3401435 B2 JP 3401435B2 JP 18649898 A JP18649898 A JP 18649898A JP 18649898 A JP18649898 A JP 18649898A JP 3401435 B2 JP3401435 B2 JP 3401435B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は目地充填部材および
壁面構造に係り、詳しくは、建築物外壁のパネル材間の
目地に嵌設される目地充填部材、および、当該目地充填
部材を用いた建築物の壁面構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄骨にパネル材(例えば、ALC板、押
し出し成形板、サイディング板など)を貼設した構造の
建築物外壁においては、従来、縦壁挿入筋構法が用いら
れていた。
【0003】縦壁挿入筋構法では、縦に配列された各パ
ネル材間に鉄筋を挟設し、各パネル材と鉄筋とをセメン
ト系材料を用いて接着すると共に、各パネル材間の目地
にもセメント系材料を充填することにより、各パネル材
を互いに固定すると共に目地を封止している。しかし、
各パネル材が鉄筋と硬度の高いセメント系材料とにより
強固に固定されているため、地震時に各パネル材に対し
て大きな外力が加わった場合、各パネル材や目地に亀裂
が生じて損壊するおそれがあった。
【0004】近年、地震時における建築物の損壊防止に
対する要求がますます高まっており、種々の免震構法が
提案されているが、その代表例としてドライロッキング
構法がある。ドライロッキング構法では、縦に配列され
た各パネル材の上下各一箇所ずつのみを鉄骨に固定し、
各パネル材同士を固定しないことにより、地震時に各パ
ネル材に対して大きな外力が加わった場合に、各パネル
材がそれぞれ独立して動くことで外力を吸収し、各パネ
ル材の損壊を防止するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ドライロッキング構法
などの免震構法では、各パネル材にある程度以上の外力
が加わった場合に、各パネル材がそれぞれ独立して動く
ことで外力を吸収するようになっている。そのため、各
パネル材間に充填される目地充填部材には伸縮性が要求
され、セメント系材料のような脆い材料は使用できない
ことから、変成シリコン系や一液型ウレタン系などの伸
縮性を有した合成樹脂材料のシーリング材が用いられ
る。しかし、このような伸縮性を有した合成樹脂材料に
は、単価が高く、硬化後に目痩せするという欠点があ
る。
【0006】特に、パネル材として面強度の低いALC
板を用いた場合、運搬時や施工時におけるALC板の周
縁部の欠損を防ぐため当該周縁部に8〜10mm程度の
面取り加工が施されていることから、その面取り部分を
充填するには多量のシーリング材が必要になり、上記の
各欠点がより顕在化することになる。
【0007】ところで、近年、建築物外壁の耐久性およ
び美観を高めるため、パネル材の表面にシート状の表装
材が貼設された外壁の仕上げ方法に対する需要が高まっ
ている。ここで用いられる表装材としては、天然石など
の砕粒を合成樹脂材料で結着させてシート状に成形する
ことにより、可撓性を備えさせたものがある。
【0008】このような表装材を各パネル材間の目地を
覆うように貼付する場合、表装材の貼付後にシーリング
材が目痩せすると、シート状の表装材に窪みができるこ
とになり、強度および美観の低下を招くおそれがある。
そのため、シーリング材が硬化後に表装材を貼付する必
要があり、工期を短縮するにはシーリング材の硬化時間
(養生時間)を短くしなければならない。しかし、上記
したような伸縮性を有した合成樹脂材料から成るシーリ
ング材を多量に用いた場合には、シーリング材の硬化時
間が長くなり工期を長びかせる要因となる。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、安価で伸縮性に優れた
目地充填部材を提供することにある。また、本発明の別
の目的は、施工工期が短く低コストで、強度および美観
に優れた建築物の壁面構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、長手方向に複数
の部分に分割され、その各部分の間に間隙が形成され、
当該間隙の幅は地震時に加えられる外力を吸収するよう
設定されたことを特徴とする目地充填部材において、
前記分割された各部分は、目地充填部材が嵌設される目
地の断面形状に合わせた形状に弾性復元力を有する薄板
が折り曲げられた形状を成し、その薄板の折り曲げられ
た両端部間に目地の長手方向に沿って第2の間隙が形成
され、当該第2の間隙の幅は地震時に加えられる外力を
吸収するように設定されたことを特徴とする目地充填部
材をその要旨とする。
【0011】
【0012】従って、本発明によれば、長手方向に複数
の部分に分割され、その各部分の間に間隙が形成され、
当該間隙の幅は地震時に加えられる外力を吸収するよう
伸縮する効果に加えて、前記各部分毎に第2の間隙が
設けられているため、第2の間隙と直交する方向に地震
時に加えられる外力に対応して第2の間隙分だけ目地充
填部材が伸縮し、当該外力を吸収することができる。つ
まり、各部分間の間隙を伸縮させる方向に地震時に加え
られる外力と、第2の間隙を収縮させる方向に地震時に
加えられる外力との、2方向の外力を吸収することがで
きる。
【0013】また、請求項2に記載の発明のように、請
求項に記載の目地充填部材において、前記分割された
各部分は、各部分の間に前記薄板が延出された壁面にて
互いに接続されるようにしてもよい。従って、本発明に
よれば、目地充填部材を折り曲げ成形または押し出し成
形によって簡単に製造することができるため、前記薄板
を形成する材料に単価の安いものを用いれば、目地内に
単価の高いシーリング材を充填する場合に比べて、きわ
めて安価に提供することができる。
【0014】請求項3に記載の発明は、長手方向に複数
の部分に分割され、その各部分の間に間隙が形成され、
当該間隙の幅は地震時に加えられる外力に対応して設定
されたことを特徴とする目地充填部材において、前記分
割された各部分は、目地充填部材が嵌設される目地の断
面形状に対応した断面形状の弾性復元力を有する発泡材
料から成ることをその要旨とする。従って、本発明によ
れば、各部分が弾性復元力を有する発泡材料から成るた
め、地震時に外力が加えられると変形して当該外力を吸
収することができる。
【0015】また、請求項4に記載の発明のように、請
求項1または請求項3に記載の目地充填部材において、
前記分割された各部分は、柔軟性を有した紐材にて互い
に接続されるようにしてもよい。従って、本発明によれ
ば、地震時に外力が加えられると紐材が撓んで各部分が
それぞれ独立して動くことから、当該外力を効果的に吸
収することができる。
【0016】また、請求項に記載の発明のように、請
求項に記載の目地充填部材において、前記分割された
各部分は、当該各部分と同一材質の発泡材にて互いに接
続されるようにしてもよい。
【0017】求項に記載の発明は、建築物の外壁を
構成する複数のパネル材と、当該パネル材間の目地に嵌
設された請求項1〜のいずれか1項に記載の目地充填
部材と、当該目地充填部材を覆うように、前記パネル材
および目地充填部材に対して接着剤を用いて貼設された
シート状の表装材とを備えたことを特徴とする壁面構造
をその要旨とする。
【0018】従って、本発明によれば、目地充填部材が
伸縮性に優れるため、その目地充填部材上に貼設された
表装材が目地充填部材から剥がれて浮くことがない。ま
た、目地充填部材を目地に嵌設した後にすぐ表装材を貼
設することができる。ところで、請求項に記載の発明
のように、請求項に記載の壁面構造において、前記パ
ネル材を免震構法を用いて設置してもよい。
【0019】(参考形態) 以下、本発明の理解を助けるための参考形態を図面と共
に説明する。図1は、参考形態の目地充填部材1を示す
斜視図である。
【0020】目地充填部材1は、矩形状の薄板が断面台
形状に折り曲げ成形された長尺物であり、折り曲げられ
た両端部間には長手方向に所定幅の第2の間隙としての
間隙部S1が形成されている。つまり、目地充填部材1
を断面側から見ると、台形の上辺が延出されて成る底面
1aと、台形の下辺が延出されて成る上面1bと、各側
面1c,1dとから構成され、上面1bと側面1cの間
に間隙部S1が形成されている。
【0021】尚、目地充填部材1を形成する薄板は弾性
復元力を有する材料(例えば、鉄,ステンレス,真鍮,
亜鉛メッキ鋼板,カラー鋼板などの各種金属材料、合成
樹脂材料,合成樹脂・ガラス繊維複合材料、等)から成
り、当該材料自体の防錆性が低い場合は薄板の表面に防
錆加工(例えば、メッキや塗装など)が施されて十分な
防錆性を得ている。ところで、合成樹脂材料を用いて目
地充填部材1を形成する場合には、折り曲げ成形ではな
く、押し出し成形により上記形状に形成してもよい。
【0022】図2は、目地充填部材1を用いた建築物の
外壁構造を示す一部断面分解斜視図である。図3は、目
地充填部材1を用いた建築物の外壁構造を示す一部断面
図である。建築物の外壁は、鉄骨などの建築物の構造材
(図示略)に貼設された各パネル材(例えば、ALC
板、押し出し成形板、サイディング板など)11の表面
に、シート状の表装材12が貼付された構造になってい
る。
【0023】縦に配列された各パネル材11は、ドライ
ロッキング構法などの免震構法を用いて構造材に固定さ
れており、各パネル材11にある程度以上の外力が加わ
った場合に、各パネル材11がそれぞれ独立して動くこ
とで外力を吸収するようになっている。
【0024】表装材12は、基材部12a上に化粧材部
12bが貼設された積層構造を成している。基材部12
aは十分な引張強度および可撓性を有する材料(例え
ば、ガラスクロスなどの織布、不織布、セラミックペー
パー、合成紙など)から成り、化粧材部12bに対して
十分に薄く(例えば、2〜3mm程度)形成されてい
る。
【0025】化粧材部12bは、各種材料(例えば、天
然石、着色骨材、着色合成樹脂材料など)の砕粒を合成
樹脂材料(例えば、合成樹脂エマルジョン、溶剤型合成
樹脂、熱可塑型合成樹脂など)で結着させてシート状に
成形することにより形成される。
【0026】尚、化粧材部12bの表面に保護用の透明
樹脂層を形成してもよい。また、化粧材部12bとして
は、ステンレスやアルミニウムなどの各種金属材料の薄
板および当該薄板上に塗装を施したものや、建築用吹付
材を基材部12a上に吹き付け加工したものなどを用い
てもよい。
【0027】各パネル材11の周縁部には、運搬時や施
工時における欠損を防ぐための面取り加工が施されてお
り、その面取り加工によりパネル材11の表面に対して
斜めに切り取られた面取部11aが形成されている。そ
して、各パネル材11において、面取部11aに続く端
面部分は切り欠かれて切り欠き部11bが形成されてい
る。
【0028】各パネル材11が構造材に貼設された状態
において、各パネル材11の切り欠き部11bによって
囲まれた空間から成るシーリング材収容部13は上部が
開放された断面略矩形状を成し、各パネル材11の面取
部11aによって囲まれた空間から成る目地としての目
地間隙部14は上部および下部が開放された断面略台形
状を成す。
【0029】ここで、目地間隙部14の上端開口部の幅
Lは、パネル材11の種類および構法や部位に対応して
設定されている。例えば、パネル材11としてALC板
を用いた縦壁挿入筋構法やロッキング免震構法における
パネル材11(縦壁)間の幅Lは25〜30mm程度、
同じく短辺横目地部は35〜40mm程度に設定されて
いる。
【0030】シーリング材収容部13内にはシーリング
材15が充填され、そのシーリング材15により各パネ
ル材11間が封止されて気密性および防水性が得られる
ようになっている。シーリング材15は、封止性に優れ
て充填が容易な材料(例えば、水性アクリル系、変成シ
リコン系,一液型ウレタン系などの合成樹脂材料など)
から成る。
【0031】目地間隙部14内には目地充填部材1が嵌
設され、目地充填部材1の底面1は接着剤または両面
テープなどの固定部材16を用いてシーリング材15上
に固定されている。この状態において、目地間隙部14
の長手方向に沿って目地充填部材1の間隙部S1が配置
される。つまり、目地充填部材1は、薄板の折り曲げら
れた両端部間に目地間隙部14の長手方向に沿って間隙
部S1が形成されている。
【0032】各パネル材11の表面および目地充填部材
1の上面1には、接着剤17を用いて表装材12が貼
付されている。尚、接着剤17は、パネル材11および
目地充填部材1と表装材12の基材部12aとを確実に
接着可能で、且つ、硬化後に伸縮性を有する材料(例え
ば、シーリング材15と同材料、弾性ボンドなど)から
成る。
【0033】ところで、建築物の外壁を施工する際に
は、建築物の構造材に各パネル材11を貼設し、各パネ
ル材11のシーリング材収容部13内にシーリング材1
5を充填するまでの工程を基体工事業者が請け負い、そ
の後の工程を仕上業者が請け負う。従って、仕上業者
は、まず、目地間隙部14内に目地充填部材1を嵌設
し、次に、目地充填部材1の底面1を固定部材16を
介してシーリング材15上に固定し、続いて、各パネル
材11の表面および目地充填部材1の上面1に対し、
コテやローラなどの塗布具を用いて一度に接着材17を
塗布し、最後に、各パネル材11間の目地充填部材1上
を覆うように表装材12を貼付する。尚、接着剤17の
塗布時には、目地間隙部14と目地充填部材1の各側面
1c、1dとの隙間や、目地充填部材1の間隙部S1内
などの隙間部分に対して、若干量の接着剤1が押し込
まれることがある。
【0034】このように構成された参考形態の目地充填
部材1を用いた建築物の外壁構造によれば、以下の作用
および効果を得ることができる。 (1)参考形態の外壁構造では、免震構法が用いられて
いるため、各パネル材11にある程度以上の外力が加わ
った場合に、各パネル材11がそれぞれ独立して動くこ
とで外力を吸収する。
【0035】その際に、目地間隙部14の幅が拡張する
ように各パネル材11が動いた場合、その目地間隙部1
4の幅の変化に追従して、目地充填部材1の間隙部S1
の幅も拡張する。また、目地間隙部14の幅が縮小する
ように各パネル材11が動いた場合、その目地間隙部1
4の幅の変化に追従して、目地充填部材1の間隙部S1
の幅も縮小する。ここで、目地充填部材1は材質および
形状から弾性復元力を有するため、外力から開放されて
目地間隙部14の幅が元に戻ると、間隙部S1の幅も元
に戻る。
【0036】このように間隙部S1の幅が変化すること
により、目地充填部材1は、間隙部S1と直交すると共
に上面1bと平行な方向(矢印A−A´方向)の動きに
追従して伸縮する。尚、目地充填部材1における矢印A
−A´方向の伸縮幅は、定常時における間隙部S1の幅
と目地充填部材1の外形寸法および材質とによって決定
される。従って、当該伸縮幅を大きく設定すれば、大き
な外力についても十分に吸収することが可能な目地充填
部材1を得ることができる。
【0037】また、接着剤17は伸縮性を有しているた
め、目地間隙部14と目地充填部材1の各側面1c、1
dとの隙間や目地充填部材1の間隙部S1内などの隙間
部分に若干量の接着剤1が押し込まれている場合で
も、間隙部S1の伸縮時において、目地充填部材1の上
面1bと表装材12との接着剤17を介した固定は確実
に維持される。
【0038】従って、地震時に目地充填部材1に対して
大きな外力が加わった場合でも、目地充填部材1から表
装材12が剥がれて浮くことはなく、建築物外壁の強度
および美観が低下することもない。尚、定常状態におけ
る間隙部S1の幅は、免震構法にて規定される震度と目
地充填部材1における前記矢印A−A´方向の伸縮幅と
に基づいて最適に設定すればよい。例えば、免震構法に
て震度7まで規定され、震度7における目地充填部材1
の前記矢印A−A´方向の伸縮幅が開きで10mm程度
である場合には、間隙部S1のスライド対応は10mm
程度まで開くように設定すればよい。
【0039】(2)目地充填部材1は単純な形状であ
り、折り曲げ成形または押し出し成形によって簡単に製
造することができるため、前記薄板を形成する材料に単
価の安いものを用いれば、目地間隙部14内に単価の高
いシーリング材を充填する場合に比べて、きわめて安価
に提供することができる。
【0040】(3)目地充填部材1は弾性復元力を有す
るため、目地間隙部14内に嵌設された後に経時変化に
より変形することはない。そのため、目地間隙部14内
にシーリング材を充填する場合のように、目痩せによっ
て目地から表装材が浮くといった問題は起こらない。
【0041】(4)目地充填部材1は固定部材16を用
いてシーリング材15に固定されるため、固定部材16
として接着剤を用いた場合でも、目地充填部材1の取り
付けはごく短時間に行うことができる。そのため、目地
間隙部14内にシーリング材を充填する場合のような硬
化時間(養生時間)を要することがなく、工期を短縮す
ることができる。
【0042】(第実施形態) 次に、本発明を具体化した第実施形態を図面と共に説
明する。尚、本第実施形態において、参考形態と同じ
構成部材については符号を等しくしてその詳細な説明を
省略する。
【0043】図4は、第実施形態の目地充填部材21
を示す斜視図である。目地充填部材21は同一寸法形状
の各部分21aから構成されている。各部分21aは、
矩形状の薄板が断面台形状に折り曲げ成形され、折り曲
げられた両端部間には長手方向に間隙部S1が形成され
ている。つまり、各部分21aを断面側から見ると、台
形の上辺が延出されて成る底面1aと、台形の下辺が延
出されて成る上面1bと、各側面1c、1dとから構成
され、上面1bと側面1cの間に間隙部S1が形成され
ている。そして、各部分21a間に延出された底面1a
によって各部分21aが接続され、各部分21a間には
所定幅の間隙部S2が形成されている。
【0044】つまり、目地充填部材21は、図1に示す
参考形態の目地充填部材1の底面1aを除く各面1b〜
1dが長手方向に複数の部分21aに分割され、その各
部分21aの各面1b〜1d間に間隙部S2が形成され
たものである。尚、間隙部S2を形成するには打ち抜き
成形を利用すればよい。
【0045】図5は、目地充填部材21を用いた建築物
の外壁構造を示す一部断面分解斜視図である。本実施形
態の外壁構造においても免震構法が用いられているた
め、各パネル材11にある程度以上の外力が加わった場
合に、各パネル材11がそれぞれ独立して動くことで外
力を吸収する。
【0046】その際に、参考形態と同様に、目地間隙部
14の幅が拡張または縮小するように各パネル材11が
動いた場合、その目地間隙部14の幅の変化に追従し
て、目地充填部材21の間隙部S1の幅も伸縮する。つ
まり、間隙部S1の幅が変化することにより、目地充填
部材21は、間隙部S1と直交すると共に上面1bと平
行な方向(矢印A−A’方向)の動きに追従して伸縮す
る。
【0047】また、縦に配列された各パネル材11が互
いにずれるように動いた場合、その動きに追従して、目
地充填部材21の各間隙部S2の幅も伸縮する。ここ
で、底面1aは弾性復元力を有するため、外力から開放
されると、間隙部S2の幅も元に戻る。つまり、間隙部
S2の幅が変化することにより、目地充填部材21は、
間隙部S2と直交する方向(矢印B−B´方向)の動き
に追従して伸縮する。尚、目地充填部材21における矢
印B−B´方向の伸縮幅は、定常時における間隙部S2
の幅と目地充填部材21の材質によって決定される。
【0048】従って、目地充填部材21は、前記矢印A
−A´方向と矢印B−B´方向との2方向に伸縮する。
地震時には横揺れに加えて縦揺れが起こるため、各パネ
ル材11は縦揺れと横揺れとが合成された複雑な動きを
行う。それに対して、目地充填部材21は、前記矢印A
−A´方向に伸縮することで横揺れによる外力を吸収
し、前記矢印B−B´方向に伸縮することで縦揺れによ
る外力を吸収する。そのため、各方向への伸縮幅をそれ
ぞれ大きく設定すれば、当該2方向に加わる大きな外力
について十分に吸収することができる。
【0049】また、接着剤17は伸縮性を有しているた
め、目地間隙部14と目地充填部材21の各側面1c、
1dとの隙間や目地充填部材21の各間隙部S1、S2
内などの隙間部分に若干量の接着剤1が押し込まれて
いる場合でも、各間隙部S1、S2の伸縮時において、
目地充填部材21の上面1bと表装材12との接着材1
7を介した固定は確実に維持される。
【0050】従って、地震時に目地充填部材21に対し
て大きな外力が加わった場合でも、目地充填部材21か
ら表装材12が剥がれて浮くことはなく、建築物外壁の
強度および美観が低下することもない。尚、定常状態に
おける間隙部S2の幅は、免震構法にて規定される震度
と目地充填部材21における前記矢印B−B´方向の伸
縮幅とに基づいて最適に設定すればよい。例えば、目地
充填部材21の前記矢印B−B´方向の伸縮幅が10m
m程度である場合には、間隙部S2の幅も10mm程度
に設定すればよい。
【0051】そして、本第実施形態においても、参考
形態の上記(2)〜(4)と同様の効果を得ることがで
きる。次に、第実施形態の一部を変更した各変形例に
ついて、図面と共に説明する。尚、各変形例において、
実施形態の目地充填部材21と同じ構成部材につい
ては符号を等しくしてその詳細な説明を省略する。
【0052】図6に示す変形例は、各部分21a間に延
出された底面1a部分に透孔21bが形成され、当該底
面1a部分における透孔21bの両側に残された幅が狭
い部分21cにて各部分21aが接続されたものであ
る。尚、透孔21bを形成するには打ち抜き成形を利用
すればよい。この変形例においては、各部分21cの幅
が狭いため、各部分21cを捻る方向(矢印C−C´方
向)に外力が加えられた場合でも、その動きに追従して
各部分21cが容易に捻れることができる。地震時には
地盤の状態によって各パネル材11が互いに捻れ合うよ
うな複雑な動きを行うことがあるが、その場合でも各部
分21cが捻れることにより、目地充填部材21に加え
られた外力を吸収することができる。従って、この変形
例によれば、各パネル材11の複雑な動きに容易に対応
して、目地充填部材21から表装材12が剥がれて浮く
のを確実に防止することができる。
【0053】図7に示す変形例は、各部分21aが柔軟
性を有した2本の紐材22によって接続されたものであ
り、各紐材22は各部分21aの底面1aの両端部に接
着されている。この変形例においては、外力が加えられ
ると紐材22が撓んで各部分21aがそれぞれ完全に独
立して動くことが可能になるため、各パネル材11の複
雑な動きに対してより確実に対応することができる。
【0054】(第実施形態) 次に、本発明を具体化した第実施形態を図面と共に説
明する。尚、本第実施形態において、第実施形態と
同じ構成部材については符号を等しくしてその詳細な説
明を省略する。
【0055】図8は、第実施形態の目地充填部材31
を示す斜視図である。目地充填部材31は同一寸法の台
形柱状の各部分31aから構成されており、各部分31
aには柔軟性を有した紐材32が挿通され数珠つなぎさ
れ、その紐材32によって各部分31a間に所定幅の間
隙部S2が形成されている。各部分31aは各種高分子
材料(例えば、スチロール、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、クロロプレン、ネオプレン、ポリウレタンなど)
をスポンジ状に発泡させた発泡材料から成り弾性復元力
を有する。
【0056】図9は、目地充填部材31を用いた建築物
の外壁構造を示す一部断面分解斜視図である。図10
は、目地充填部材31を用いた建築物の外壁構造を示す
一部断面図である。各部分31aは発泡材から成り弾性
復元力を有するため、参考形態と同様に、目地間隙部1
4の幅が拡張または縮小するように各パネル材11が動
いた場合、その目地間隙部14の幅の変化に追従して、
各部分31aが変形する。また、各パネル材11が互い
にずれるように動いた場合や、互いに捻れ合うように動
いた場合でも、各部分31aが柔軟な紐材32によって
接続されているため、各部分31aがそれぞれ完全に独
立して動くことで各パネル材11の動きに追従する。従
って、本第実施形態においても、図7に示す変形例と
同様の効果を得ることができる。
【0057】尚、パネル材11および目地充填部材31
と表装材12の基材部12aとを接着する接着剤17
は、各部分31aを形成する発泡材との接着性を十分に
考慮して選択する必要がある。また、紐材32を各部分
31aと同一材質を用いて形成してもよく、その場合は
目地充填部材31を一体形成することができる。
【0058】尚、本発明は上記各実施形態に限定される
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適
宜変更してもよいことは言うまでもない。例えば、目地
充填部材1,21の断面形状は台形状に限らず、目地間
隙部14の断面形状に合わせた適宜な形状(例えば、矩
形、多角形、円形など)にすればよい。
【0059】ところで、図11に示すように、弾性復元
力を有する発泡材から成る適宜な寸法形状の粒体41を
目地間隙部14内に多数個収容し、各粒体41同士を接
着剤17にて結着させることにより目地充填部材42が
構成されるようにしてもよい。このようにすれば、外力
が加えられた際に各粒体41がそれぞれ変形するため、
当該外力を確実に吸収することが可能になり、第実施
形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜のい
ずれか1項に記載の発明によれば、安価で伸縮性に優れ
た目地充填部材を提供することができる。また、請求項
または請求項に記載の発明によれば、施工工期が短
く低コストで、強度および美観に優れた建築物の壁面構
造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の理解を助けるための参考形態の目地
充填部材を示す斜視図。
【図2】 参考形態の目地充填部材を用いた建築物の外
壁構造を示す一部断面分解斜視図。
【図3】 参考形態の目地充填部材を用いた建築物の外
壁構造を示す一部断面図。
【図4】 本発明を具体化した第実施形態の目地充填
部材を示す斜視図。
【図5】 第実施形態の目地充填部材を用いた建築物
の外壁構造を示す一部断面分解斜視図。
【図6】 第実施形態の目地充填部材の変形例を示す
斜視図。
【図7】 第実施形態の目地充填部材の変形例を示す
斜視図。
【図8】 本発明を具体化した第実施形態の目地充填
部材を示す斜視図。
【図9】 第実施形態の目地充填部材を用いた建築物
の外壁構造を示す一部断面分解斜視図。
【図10】 第実施形態の目地充填部材を用いた建築
物の外壁構造を示す一部断面図。
【図11】 別の実施形態の目地充填部材を用いた建築
物の外壁構造を示す一部断面図。
【符号の説明】 1,21,31・・・目地充填部材 11・・・パネル材 1
2・・・表装材 14・・・目地としての目地間隙部 21a,31a・・・目地充填部材の分割された部分 2
2,32・・・紐材 S1・・・第2の間隙としての間隙部 S2・・・間隙として
の間隙部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/684 E04F 13/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に複数の部分に分割され、その
    各部分の間に間隙が形成され、当該間隙の幅は地震時に
    加えられる外力を吸収するように設定されたことを特徴
    とする目地充填部材において、 前記分割された各部分は、目地充填部材が嵌設される目
    地の断面形状に合わせた形状に弾性復元力を有する薄板
    が折り曲げられた形状を成し、その薄板の折り曲げられ
    た両端部間に目地の長手方向に沿って第2の間隙が形成
    され、当該第2の間隙の幅は地震時に加えられる外力を
    吸収するように設定されたことを特徴とする目地充填部
    材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の目地充填部材におい
    て、 前記分割された各部分は、各部分の間に前記薄板が延出
    された壁面にて互いに接続されたことを特徴とする目地
    充填部材。
  3. 【請求項3】 長手方向に複数の部分に分割され、その
    各部分の間に間隙が形成され、当該間隙の幅は地震時に
    加えられる外力を吸収するように設定されたことを特徴
    とする目地充填部材において、 前記分割された各部分は、目地充填部材が嵌設される目
    地の断面形状に対応した断面形状の弾性復元力を有する
    発泡材料から成ることを特徴とする目地充填部材。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項3に記載の目地充
    填部材において、 前記分割された各部分は、柔軟性を有した紐材にて互い
    に接続されたことを特徴とする目地充填部材。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の目地充填部材におい
    て、 前記分割された各部分は、当該各部分と同一材質の発泡
    材にて互いに接続されたことを特徴とする目地充填部
    材。
  6. 【請求項6】 建築物の外壁を構成する複数のパネル材
    と、 当該パネル材間の目地に嵌設された請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の目地充填部材と、 当該目地充填部材を覆うように、前記パネル材および目
    地充填部材に対して接着剤を用いて貼設されたシート状
    の表装材と、 を備えたことを特徴とする壁面構造。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の壁面構造において、 前記パネル材は免震構造を用いて設置されたことを特徴
    とする壁面構造。
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